JP2007096066A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、低い駆動電圧で高輝度発光が得られる有機EL素子を提供することである。
【解決手段】 対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陰極の前記発光層に面した界面に電子供与性金属をドープした有機物層を有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機電界発光素子(以下、有機EL素子と略記する。)に関する。特に低駆動力で高輝度発光する有機EL素子に関する。
電流を通じることによって励起され発光する薄膜材料を用いた有機電界発光素子が知られている。有機電界発光素子は、低電圧で高輝度の発光が得られるために、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明を含む広い分野で幅広い潜在用途を有し、それらの分野でデバイスの薄型化、軽量化、小型化、および省電力のなどの利点を有する。このため、将来の電子ディスプレイ市場の主役としての期待が大きい。しかしながら、実用的にこれらの分野で従来ディスプレイに代わって用いられるためには、発光輝度と色調、広い使用環境条件下での耐久性、安価で大量の生産性など多くの技術改良が課題となっている。
特に課題とされる一つは、輝度と駆動電力の改良である。上記の多くのデバイスは、薄型化、軽量化、小型化に当たって、まず高い輝度を実現することが課題であった。薄型化および軽量化に当たっては、デバイスのみでなく駆動電源のコンパクト化、軽量化も要求される。特に、電力が1次電池あるいは2次電池より供給される場合、省電力は大きな課題であり、低駆動電圧で高輝度を得ることが強く要望されている。従来、高輝度とするためには、高電圧を必要とし、電力消費を早める結果となっていた。また、高輝度および高電圧は、デバイスの耐久性を損なう結果となっていた。
陰極電極の発光層との界面に電子供与性ドーパントとして機能する金属をドーピングした有機化合物層を配して、陰極から有機化合物層への電子注入のエネルギー障壁を低下させることによって駆動電圧を低くする試みが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、陽極電極に接する有機化合物層に該有機化合物を酸化し得る性質を有する電子受容性化合物を配して陽極電極から正孔を注入際のエネルギー障壁を低下させることによって駆動電圧を低くする試みが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、これらの手段によって駆動電圧を低減できるものの、駆動耐久性の観点ではまだ不十分であった。
特開平8−222371号公報 特開平9−320760号公報
本発明の課題は、特に低駆動力で高耐久性である有機EL素子を提供するものである。
本発明の上記課題は、下記の手段によって解決された。
<1> 対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陰極の前記発光層に面した界面に電子供与性金属をドープした有機物層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
<2> 対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陽極の前記発光層に面した界面に電子受容性化合物をドープした有機物層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
<3> 対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陰極の前記発光層に面した界面に電子供与性金属をドープした有機物層を有し、かつ前記陽極の前記発光層に面した界面に電子受容性化合物をドープした有機物層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
<4> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子:
Figure 2007096066
(一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成してもよい。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成してもよい。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。)。
<5> 前記3座以上の配位子が、鎖状配位子であることを特徴とする<4>に記載の有機電界発光素子。
<6> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子:
Figure 2007096066
(一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。)。
<7> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子:
Figure 2007096066
(一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、およびZ13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。)。
<8> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、遷移金属イオンであることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<9> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、およびガリウムイオンの群から選ばれる一種以上であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<10> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、希土類金属イオンであることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<11> 前記電子供与性金属がアルカリ金属であることを特徴とする<1>および<3>〜<10>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<12> 前記陰極がアルミニウムであることを特徴とする<11>に記載の有機電界発光素子。
<13> 前記電子受容性化合物が無機化合物であることを特徴とする<2>〜<12>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<14> 前記無機化合物が金属塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモン等のルイス酸化合物より選ばれる化合物であることを特徴とする<13>に記載の有機電界発光素子。
<15> 前記電子受容性化合物が有機化合物であることを特徴とする<2>〜<12>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
本発明者らは、低い駆動電圧で高い発光輝度が得られる有機EL素子を開発すべく、陰極電極もしくは陽極電極の有機層に面した面に電子注入もしくは正孔注入のエネルギー障壁を低下させる電子供与性金属もしくは電子受容性化合物をドープした有機層を設けて、駆動耐久性を改良する手段の探索を行った。その結果、発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を用いることによって達成されることを見出し、本発明に到達した。従来、有機EL素子の発光材料として本願の3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体は全く知られてなく、ましてや陰極電極もしくは陽極電極の有機層に面した面に電子注入もしくは正孔注入のエネルギー障壁を低下させる電子供与性金属もしくは電子受容性化合物をドープした有機層を設けた有機EL素子において、その問題点を解決する特異的に有効な素材となり得ることは全く予測されることではない。
本発明によれば、低い駆動電圧で高輝度発光が得られる有機EL素子が提供される。さらには、低い駆動電圧で高輝度発光が得られる有機EL素子であって駆動耐久性に優れた有機EL素子が提供される。
以下、本発明の有機EL素子について詳細に説明する。
1.発明の概要
本発明の有機EL素子の一つの態様は、対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陰極の前記発光層に面した界面に電子供与性金属をドープした有機物層を有する。
本発明の有機EL素子のもう一つの態様は、対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陽極の前記発光層に面した界面に電子受容性化合物をドープした有機物層を有する。
本発明の有機EL素子のもう一つの態様は、対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陰極の前記発光層に面した界面に電子供与性金属をドープした有機物層を有し、かつ前記陽極の前記発光層に面した界面に電子受容性化合物をドープした有機物層を有する。
好ましくは、前記3座以上の配位子を有する金属錯体が下記一般式(I)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成してもよい。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成してもよい。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
好ましくは、前記3座以上の配位子が、鎖状配位子である。
好ましくは、前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(II)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
好ましくは、前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、およびZ13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。
好ましくは、前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、遷移金属イオンである。さらに好ましくは、前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、およびガリウムイオンの群から選ばれる一種以上である。
好ましくは、前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、希土類金属イオンである。
2.有機EL素子を構成する各構成要素
以下、発明の有機EL素子を構成する各構成要素について、さらに詳細に説明する。
2−1.陰極電極
<機能>
陰極電極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。
<素材>
陰極の材料としては、金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLI、Na、K等)及びそのフッ化物又は酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物又は酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。
これらの材料の中でも、アルミニウムが低仕事関数、化学的安定性、コスト、製造適性の観点で特に好ましい。
<膜厚>
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
2−2.電子供与性金属
本発明における電子供与性金属は、陰極から発光層などの有機化合物層への電子注入の障壁を下げて電子を速やかに流れさせる機能を有する。
本発明に用いることの出来る電子供与性金属としては、該電子供与性金属をドープした有機化合物層の有機化合物を還元することのできるLi等のアルカリ金属、Mg等のアルカリ土類金属、希土類金属を含む遷移金属であれば特に限定はない。特に、仕事関数が4.2eV以下の金属が好適に使用でき、具体例としてLi、Na、K、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、La、Mg、Sm、Gd、およびYbなどが挙げられる。
ドープされる金属(ドーパントと称される。)の濃度は特に限定されないが、0.1質量%〜99質量%であることが好ましい。0.1質量%未満では、ドーパントにより還元された分子(以下、還元分子)の濃度が低すぎドーピングの効果が小さく、99質量%を超えると、膜中の金属濃度が有機分子濃度をはるかに超え、還元分子の濃度が極端に低下するので、ドーピングの効果も下がる。また、この金属ドーピング層の厚みは、特に限定されないが1nm〜300nmが好ましい。1nm未満では、電極界面近傍に存在する還元分子の量が少ないのでドーピングの効果が小さく、300nmを超えると有機層全体の膜厚が厚すぎ、駆動電圧の上昇を招くので好ましくない。
金属をドープした有機物層の成膜法は、いかなる薄膜形成法であってもよく、たとえば蒸着法やスパッタ法が使用できる。また、溶液からの塗布で薄膜形成が可能な場合には、スピンコーティング法やディップコーティング法などの溶液からの塗布法が使用できる。この場合、ドーピングされる有機化合物とドーパントを不活性なポリマー中に分散して用いても良い。
2−3.陽極電極
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
<素材>
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。陽極材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
本発明の有機電界発光素子において、陽極の形成位置としては特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができる。が、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
なお、陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
<膜厚>
陽極の厚みとしては、陽極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
陽極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。陽極が透明である場合は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
なお、透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載される事項を本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
2−4.電子受容性化合物
<機能>
本発明における電子受容性化合物は、陽極から正孔輸送層などへの正孔注入の障壁を下げて正孔を速やかに流れさせる機能を有する。
<素材>
本発明に用いることの出来る電子受容性化合物としては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物でも有機化合物でも使用できる。
無機化合物としては、塩化第二鉄や、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、または五塩化アンチモン等のルイス酸化合物を好適に用いることができる。
有機化合物としては、トリニトロフルオレノン等の電子受容性化合物をドーパントとして好適に使用できる。
<ドープ量>
電子受容性化合物をドープする濃度は特に限定されないが、層中の有機化合物に対して電子受容性化合物をモル比率で、有機化合物: 電子受容性化合物=1:0.1〜1:10の範囲であることが好ましい。電子受容性化合物の比率が0.1未満では電子受容性化合物により酸化される分子(以下、酸化分子)の濃度が低すぎドーピングの効果が小さく、10倍を越えると、膜中の電子受容性化合物濃度が有機分子濃度をはるかに超え、酸化分子の膜中濃度が極端に低下するので、ドーピングの効果も下がる。
<厚み>
電子受容性化合物をドープした有機化合物層の厚さは、特に制限はないが0.5nm以上とすることが好ましい。この有機層は無電場の状態でも有機物がラジカルカチオンの状態で存在し、内部電荷として振る舞えるので膜厚には特に制限は無く、厚膜にしても素子の電圧上昇をもたらすことが無いので電極間の距離を通常の有機EL素子の場合よりも長く設定することにより短絡の危険性を大幅に軽減する手段としても有用である。従って、電極間の有機層のトータル膜厚を200nm以上にすることも可能である。
<プロセス>
電子受容性化合物を共蒸着によって有機層にドーピングする方法としては、塩化第二鉄や、塩化インジウム等の比較的飽和蒸気圧の低い化合物の場合はルツボに入れて通常の抵抗加熱法によって蒸着可能であるが、常温でも蒸気圧が高く真空装置内の気圧を所定の真空度以下に保てない場合は、ニードルバルブやマスフローコントローラーのようにオリフィスをコントロールして蒸気圧を制御したり試料保持部分を独立に温度制御可能な構造にして冷却によって蒸気圧をコントロールしても良い。
2−5.発光層
<機能>
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
<素材>
本発明における発光層は、発光材料として後述の3座以上の配位子を有する金属錯体を含有する。
本発明における発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよい、発光材料は1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよい、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。
<膜厚>
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
<層構成>
発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。また、発光層が積層構造である場合については、積層構造を構成する各層の膜厚は特に限定されないが、各発光層の合計膜厚が前述の範囲になるようにすることが好ましい。
2−6.多座金属錯体
本発明における3座以上の配位子を有する金属錯体について説明する。
1)金属イオン
該金属錯体において金属イオンに配位する原子は特に限定されないが、酸素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子又はリン原子が好ましく、酸素原子、窒素原子又は炭素原子がより好ましく、窒素原子又は炭素原子が更に好ましい。
金属錯体中の金属イオンは、特に限定されないが、発光効率向上、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、遷移金属イオン、希土類金属イオンであることが好ましく、より好ましくは、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、または希土類金属イオン(例えば、ユーロピウムイオン、カドリニウムイオン、またはテルビウムイオンなど)が好ましく、更に好ましくは、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、パラジウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、ユーロピウムイオン、カドリニウムイオン、またはテルビウムイオンであり、該金属錯体を発光材料として用いる場合には、イリジウムイオン、白金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ユーロピウムイオン、カドリニウムイオン、またはテルビウムイオンが特に好ましく、該金属錯体を電荷輸送材料や発光層中のホスト材料として用いる場合には、イリジウムイオン、白金イオン、パラジウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、またはガリウムイオンが特に好ましい。
2)配位数
本発明における3座以上の配位子を有する金属錯体としては、発光効率向上、耐久性向上の観点から、3座以上6座以下の配位子を有する金属錯体が好ましく、イリジウムイオンに代表される6配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、3座、4座、または6座の配位子を有する金属錯体がより更好ましく、白金イオンに代表される4配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、3座または4座の配位子を有する金属錯体がより好ましく、4座の配位子を有する金属錯体が更に好ましい。
3)配位子
本発明における金属錯体の配位子は発光効率向上、耐久性向上の観点から、鎖状、又は、環状であることが好ましく、中心金属(例えば、後述する一般式(I)で表される化合物の場合であればM11を表す。)に窒素で配位する含窒素へテロ環(例えば、ピリジン環、キノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、またはトリアゾール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。該含窒素ヘテロ環としては、含窒素6員ヘテロ環、含窒素5員ヘテロ環であることがより好ましい。これらのヘテロ環は他の環と縮合環を形成してもよい。
金属錯体の配位子が鎖状であるとは、金属錯体の配位子が環状構造をとらないことを意味する(例えば、ターピリジル配位子など。)。また、金属錯体の配位子が環状であるとは、金属錯体中の複数の配位子が互いに結合して、閉じた構造形成することを意味する(例えば、フタロシアニン配位子、クラウンエーテル配位子など。)。
4)好ましい金属錯体の構造
本発明における金属錯体としては、以下に詳述する一般式(I)、一般式(II)または一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
<一般式(I)で表される金属錯体>
先ず、一般式(I)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成してもよい。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成してもよい。
11、Y12、およびY13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(I)中、M11は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、またはテルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、またはユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。
一般式(I)中、L11、L12、L13、及びL14は、それぞれ独立に、M11に配位する配位子を表す。L11、L12、L13、及びL14に含まれ、かつ、M11に配位する原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、又はリン原子が好ましく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は炭素原子がより好ましく、窒素原子、酸素原子、又は炭素原子が更に好ましい。
11とL11、L12、L13、及びL14でそれぞれ形成される結合は、それぞれ独立に、共有結合であってもイオン結合であっても配位結合であってもよい。本発明における配位子とは、説明の便宜上、配位結合のみならず他のイオン結合、共有結合により形成された場合においても用いるものとする。
11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、及びL14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1、2がより好ましく、2がさらに好ましい。
11に炭素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては、特に限定されないが、それぞれ独立にイミノ配位子、芳香族炭素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、またはフェナントラセン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばチオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など)およびこれらの互変異性体)が挙げられる。
11に窒素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、含窒素へテロ環配位子(例えば、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体(なお、本発明では通常の異性体以外に次のような例も互変異性体と定義する。例えば、後述する化合物(24)の5員ヘテロ環配位子、化合物(64)の末端5員ヘテロ環配位子、化合物(145)の5員ヘテロ環配位子もピロール互変異性体と定義する。)など、アミノ配位子(アルキルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノなどが挙げられる。)、アリールアミノ配位子(例えばフェニルアミノなどが挙げられる。)、アシルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ配位子など)が挙げられる。これらの配位子はさらに置換されていてもよい。
11に酸素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル配位子(例えばケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子など)、エーテル配位子(例えばジアルキルエーテル配位子、ジアリールエーテル配位子、フリル配位子など)などが挙げられる。
11に硫黄原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル配位子(例えばチオケトン配位子、チオエステル配位子など)、又はチオエーテル配位子(例えばジアルキルチオエーテル配位子、ジアリールチオエーテル配位子、チオフリル配位子など)などが挙げられる。これらの置換配位子は更に置換されてもよい。
11にリン原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、およびホスフィニン基等が挙げられる。これらの基は更に置換されてもよい。
11及びL14は、それぞれ独立に、芳香族炭素環配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、エーテル配位子、アルキルチオ配位子、アリールチオ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、含窒素へテロ環配位子(例えばピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、又は、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、又は、これらの互変異性体など)が好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子、並びにピリジン配位子、ピラジン配位子、イミダゾール配位子、又は、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、キノキサリン配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、又は、これらの互変異性体がより好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、又はアリールアミノ配位子がさらに好ましく、芳香族炭素環配位子、又はアリールオキシ配位子が特に好ましい。
12及びL13は、それぞれ独立に、M11と配位結合を形成する配位子が好ましく、M11と配位結合を形成する配位子としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、またはインドレニン環など)及び、これらの互変異性体が好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズピロールなど)、及び、これらの互変異性体がより好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)がさらに好ましく、ピリジン環、及び、ピリジン環を含む縮環体(例えば、キノリン環など)が特に好ましい。
一般式(I)中、L15はM11に配位する配位子を表す。L15は1〜4座の配位子が好ましく、1〜4座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜4座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えば、ピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、およびL14で形成される4座配位子が好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、およびL14で形成される4座配位子がより好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えば、ピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)がさらに好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)が特に好ましい。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。但し、L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。
一般式(I)中、Y11、Y12、及びY13は、それぞれ独立に、連結基、単結合、または二重結合を表す。連結基としては、特に限定されないが、例えば、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、またはリン原子から選択される原子を含んで構成される連結基が好ましい。このような連結基の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2007096066
また、Y11、Y12、およびY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。
11、Y12、及びY13は、それぞれ独立に、単結合、二重結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、またはアルケニレン基が好ましい。Y11は、単結合、アルキレン基がより好ましく、アルキレン基がさらに好ましい。Y12及びY13は、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
12、L11、L12、及びM11で形成される環、Y11、L12、L13、及びM11で形成される環、Y13、L13、L14、及びM11で形成される環は、それぞれ環員数4〜10が好ましく、環員数5〜7がより好ましく、環員数5又は6がさらに好ましい。
一般式(I)中、n11は0〜4を表す。M11が配位数4の金属の場合、n11は0であり、M11が配位数6の金属の場合、n11は1、2が好ましく、1がより好ましい。M11が配位数6でn11が1の場合L15は2座配位子を表し、M11が配位数6でn11が2の場合L15は単座配位子を表す。M11が配位数8の金属の場合、n11は1〜4が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M11が配位数8でn11が1の場合L15は4座配位子を表し、M11が配位数8でn11が2の場合L15は2座配位子を表す。n11が複数のときは、複数のL15は同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(I)で表される化合物の好ましい形態は、以下に挙げる、一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、及び一般式(4)で表される各化合物である。
一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(1)中、M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、または二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合または連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合およびQ22で形成される環とY21の間の結合は、単結合または二重結合を表す。X21、X22は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。
一般式(1)について詳細に説明する。
一般式(1)中、M21は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21、Q22は、それぞれ独立に、含窒素へテロ環(M21に配位する窒素を含む環)を形成する原子群を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては、好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ベンズアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環など)及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)及び、これらの互変異性体であり、さらに好ましくは、ピリジン環、及び、その縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
21、X22は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子であり、酸素原子、硫黄原子、置換された窒素原子がより好ましく、酸素原子、硫黄原子がさらに好ましく、酸素原子が特に好ましい。
21は、前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
22、Y23は、それぞれ独立に、単結合、連結基を表し、単結合が好ましい。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
22又はY23として表される連結基としては、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン連結基が好ましく、カルボニル連結基、アルケニレン連結基がより好ましく、カルボニル連結基がさらに好ましい。
21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、および3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、およびジトリルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、および2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、および2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、およびキノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、およびピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、R21とR22またはR23とR24が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、R21とR22又はR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましい。
25は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(1)において、Q21、Q22が形成する環がピリジン環のとき、Y21は連結基を表す金属錯体であること、Q21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す金属錯体であること、或いは、Q21、Q22が形成する環が含窒素ヘテロ5員環、または、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環を表す金属錯体であることが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(1−A)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(1−A)について説明する。
一般式(1−A)中、M31は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
31、Z32、Z33、Z34、Z35、及びZ36は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、Z31とZ32、Z32とZ33、Z33とZ34、Z34とZ35、Z35とZ36が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成してもよく、Z31とT31、Z36とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成してもよい。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、またはハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、または縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、及びT38は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。
炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、T31とT32、T32とT33、T33とT34、T35とT36、T36とT37、T37とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環など)を形成しても良い。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、またはハロゲン原子が好ましく、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子がより好ましく、アリール基、ハロゲン原子がさらに好ましく、アリール基が特に好ましい。
31、X32は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるX21、X22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
次に一般式(2)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(2)中、M51は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、Q52は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるQ21、Q22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
53、Q54は、それぞれ独立に、含窒素へテロ環(M51に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q53、Q54で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(29)のヘテロ5員環配位子など)、チアゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(30)のヘテロ5員環配位子など)、オキサゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(31)のヘテロ5員環配位子など)が好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体、チアゾール誘導体の互変異性体がより好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体がさらに好ましく、ピロール誘導体の互変異性体が特に好ましい。
51は前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
55は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、W52は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、無置換の炭素原子、窒素原子が好ましく、無置換の炭素原子がより好ましい。
一般式(3)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(3)中、MA1、QA1、QA2、YA1、YA2、YA3、RA1、RA2、RA3、RA4、LA5、およびnA1は、前記一般式(1)におけるM21、Q21、Q22、Y21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、およびn21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(3)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(3−A)で表される化合物、及び下記一般式(3−B)で表される化合物である。
先ず、一般式(3−A)で表される化合物について説明する
Figure 2007096066
一般式(3−A)中、M61は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Q62は、それぞれ独立に、環を形成する基を表す。Q61、Q62で形成される環としては特に限定されないが、例えばベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イソチアゾール環、フラン環、イソオキサゾ−ル環、及びその縮環体が挙げられる。
61、Q62で形成される環は、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、チアゾール環、及びその縮環体であり、ベンゼン環、ピリジン環、及びその縮環体がより好ましく、ベンゼン環、及びその縮環体がさらに好ましい。
61は前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
62、Y63は、それぞれ独立に、連結基または単結合を表す。連結基としてはとくに限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及びこれらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
62、Y63は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましく、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
65は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Z62、Z63、Z64、Z65、Z66、Z67、及びZ68は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、Z61とZ62、Z62とZ63、Z63とZ64、Z65とZ66、Z66とZ67、Z67とZ68が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。Q61、Q62で形成される環がそれぞれZ61、Z68と連結基を介して結合し、環を形成してもよい。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
一般式(3−B)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(3−B)中、M71は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Y72、Y73は、それぞれ独立に、前記一般式(3−A)におけるY62と同義であり、好ましい範囲も同じである。
75は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Z72、Z73、Z74、Z75、及びZ76は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられる。また、Z71とZ72、Z73とZ74が連結基を介して結合し、環(例えばベンゼン環、ピリジン環)を形成してもよい。R71〜R74は前記一般式(1)におけるR21〜R24の置換基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(3−B)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(3−C)で表される化合物である。
一般式(3−C)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(3−C)中、RC1、RC2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、置換基としては、前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基を表す。RC3、RC4、RC5、及びRC6が表す置換基も前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基と同義である。nC3、nC6は0〜3の整数、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、およびRC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、およびRC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。RC3、RC4、RC5、およびRC6は、好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはハロゲン原子である。
一般式(4)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(4)中、MB1、YB2、YB3、RB1、RB2、RB3、RB4、LB5、nB3、XB1、およびXB2は、前記一般式(1)におけるM21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21、X21、およびX22とそれぞれ同義であり好ましい範囲も同様である。
B1は連結基を表し、前記一般式(1)におけるY21と同様のであり、好ましくは1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数2〜8のメチレン基を表す。
B5、RB6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、置換基としては前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。nB1、nB2は、それぞれ独立に、0ないし1の整数を表す。
前記一般式(4)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(4−A)で表される化合物である。
一般式(4−A)で表される化合物について説明する
Figure 2007096066
一般式(4−A)中、RD3、RD4は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。RD1、RD2、RD3、及びRD4が表す置換基としては、前記一般式(4)におけるRB5、RB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。nD1、nD2は0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のメチレン基を表す。
本発明における3座配位子を有する金属錯体の好ましい形態は、下記一般式(5)で表される化合物である。
一般式(5)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(5)中、M81は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、L82、及びL83は、それぞれ独立に、前記一般式(I)におけるL11、L12、L14と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、Y82は、それぞれ独立に、前記一般式(I)におけるY11、Y12と同義であり、好ましい範囲も同じである。
85はM81に配位する配位子を表す。L85は1〜3座の配位子が好ましく、1〜3座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜3座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、L81、Y81、L82、Y82、およびL83で形成される3座配位子が好ましく、L81、Y81、L82、Y82、およびL83で形成される3座配位子がより好ましい。L85が金属を介さずにL81、L83と連結することはない。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。
81は0〜5を表す。M81が配位数4の金属の場合、n81は1であり、L85は単座配位子を表す。M81が配位数6の金属の場合、n81は1〜3が好ましく、1、3がより好ましく、1がさらに好ましい。M81が配位数6でn81が1の場合L85は3座配位子を表し、M81が配位数6でn81が2の場合L85は単座配位子1つと2座配位子1つを表し、M81が配位数6でn81が3の場合L85は単座配位子を表す。M81が配位数8の金属の場合、n81は1〜5が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M81が配位数8でn81が1の場合L85は5座配位子を表し、n81が2の場合L85は3座配位子1つと2座配位子1つを表し、n81が3の場合L85は3座配位子1つと単座配位子2つ、または、2座配位子2つと単座配位子1つを表し、n81が4の場合L85は2座配位子1つと単座配位子3つを表し、n81が5の場合L85は単座配位子5つを表す。n81が複数のときは、複数のL85は同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(5)の好ましい形態は、前記一般式(5)のL81、L82、およびL83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭素環またはヘテロ環、または窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、およびL83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環である。
これら炭素原子で配位する芳香族炭素環、ヘテロ環および窒素原子で配位する含窒素ヘテロ環は前記一般式(I)で説明したM11に炭素原子で配位する配位子および窒素原子で配位する例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。Y81、Y82は好ましくは単結合ないしはメチレン基を表す。
前記一般式(5)で表される化合物の他の好ましい形態は、下記一般式(5−A)で表される化合物、及び下記一般式(5−B)で表される化合物である。
先ず、一般式(5−A)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(5−A)中、M91は前記一般式(5)におけるM81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
91、Q92は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、またはインドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環は、好ましくは、ピリジン環、ピラゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、またはインドレニン環など)、及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)、及び、これらの互変異性体、さらに好ましくは、ピリジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
93は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q93で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環の互変異性体、及び、それらを含む縮環体(例えばベンズピロールなど)が好ましく、ピロール環の互変異性体及びピロール環を含む縮環体(例えばベンズピロールなど)の互変異性体がより好ましい。
91、W92は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるW51、W52と同義であり、好ましい範囲も同じである。
95は前記一般式(5)におけるL85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
91は前記一般式(5)におけるn81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(5−B)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(5−B)中、M101は、前記一般式(5)におけるM81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
102は、前記一般式(1)におけるQ21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記一般式(5−A)におけるQ91と同義であり、好ましい範囲も同じである。
103は芳香環を形成する基を表す。Q103で形成される芳香環としては特に限定されないが、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、ナフタレン環など)が好ましく、ベンゼン環及びベンゼン環を含む縮環体(例えば、ナフタレン環など)がより好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
101、Y102は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるY22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
105は前記一般式(5)におけるL85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記一般式(5)におけるn81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記一般式(1)におけるX21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
<一般式(II)で表される金属錯体>
本発明における三座配位子を有する金属錯体の他の好ましい態様は、下記一般式(II)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。
X1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
一般式(II)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、1価〜3価の金属イオンが好ましく、2価又は3価の金属イオンがより好ましく、3価の金属イオンがさらに好ましい。具体的には、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、イリジウムイオンがさらに好ましい。
X11〜QX16は、MX1に配位する原子又はMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。
X11〜QX16がMX1に配位する原子を表す場合、その具体的な原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、珪素原子、リン原子、硫黄原子などが挙げられ、好ましくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子である。
X11〜QX16がMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す場合、MX1に炭素原子で配位するものとしては、例えば、イミノ基、芳香族炭化水素環基(ベンゼン、ナフタレンなど)、ヘテロ環基(チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)およびこれらを含む縮合環、およびこれらの互変異性体が挙げられる。
X1に窒素原子で配位するものとしては、例えば、含窒素ヘテロ環基(ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)、アミノ基(アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノ)、アリールアミノ基(例えばフェニルアミノ)などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ基などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていてもよい。
X1に酸素原子で配位するものとしては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル基(例えばケトン基、エステル基、アミド基など)、エーテル基(例えばジアルキルエーテル基、ジアリールエーテル基、フリル基など)などが挙げられる。
X1に珪素原子で配位するものとしては、アルキルシリル基(好ましくは炭素数3〜30であり、たとえば、トリメチルシリル基などが挙げられる。)、アリールシリル基(好ましくは炭素数18〜30であり、例えば、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)等があげられる。これらの基はさらに置換されてもよい。
X1に硫黄原子で配位するものとしては、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル基(例えばチオケトン基、チオエステル基など)、チオエーテル基(例えばジアルキルチオエーテル基、ジアリールチオエーテル基、チオフリル基など)などが挙げられる。
X1にリン原子で配位するものとしては、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、およびホスフィニン基等が挙げられる。これらの基はさらに置換されてもよい。
X11〜QX16で表される原子群として好ましくは、MX1に、炭素原子で配位する芳香族炭化水素環基、炭素原子で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素原子で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、またはジアルキルホスフィノ基であり、より好ましくは炭素原子で配位する芳香族炭化水素環基、炭素原子で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素原子で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基である。
X1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。
一般式(II)中、LX11〜LX14は、単結合、二重結合、又は連結基を表す。
連結基としては特に限定されないが、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、またはケイ素原子から選択される原子を含んで構成される連結基が好ましい。該連結基の具体例を下記に示すが、これらに限定されることはない。
Figure 2007096066
これらの連結基はさらに置換されてもよく、置換基としては前記一般式(2)におけるR21〜R24で表される置換基として挙げたものが適用でき、好ましい範囲も同様である。LX11〜LX14として好ましくは、単結合、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基である。
一般式(II)で表される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(X2)で表される化合物であり、更に好ましくは下記一般式(X3)で表される化合物である。
先ず、一般式(X2)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(X2)中、MX2は金属イオンを表す。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表し、QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26と共に芳香環もしくは芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。LX21〜LX24は単結合、二重結合または連結基を表す。MX2とYX21〜YX26との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。
一般式(X2)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(X2)中、MX2は、前記一般式(II)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表す。YX21〜YX26とMX2との結合は配位結合でも共有結合でもよい。YX21〜YX26としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、りん原子、およびケイ素原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26を含んで芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。この場合に形成する芳香族炭化水素環、芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、およびフラン環が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、およびトリアゾール環であり、さらに好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、およびトリアゾール環であり、特に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。これらはさらに縮環を有していても置換基を有していても良い。
X21〜LX24は前記一般式(II)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(II)で表される化合物は、さらに好ましくは下記一般式(X3)で表される化合物である。
一般式(X3)について説明する。
Figure 2007096066
一般式(X3)中、MX3は金属イオンを表す。YX31〜YX36は、炭素原子、窒素原子、リン原子を表す。LX31〜LX34は単結合、二重結合または連結基を表す。MX3とYX31〜YX36との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。
X3は前記一般式(II)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX31〜YX36はMX3に配位する原子を表す。YX31〜YX36とMX3との結合は配位結合でも共有結合でも良い。YX31〜YX36としては、炭素原子、窒素原子、及びりん原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。LX31〜LX34は前記一般式(II)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(I)、一般式(II)、及び一般式(5)で表される化合物の具体例としては、特願2004−162849号明細書に記載の化合物(1)〜化合物(242)(以下に構造を示す。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007096066
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上記化合物例で代表される化合物のうち、ビピリジル又はフェナントロリンを部分構造に含む4座配位子、シッフ塩基型4座配位子、フェニルビピリジル3座配位子、ジフェニルピリジン3座配位子、ターピリジン3座配位子から選ばれる配位子を有する化合物を除いた化合物がより好ましい。
本発明における金属錯体〔前記一般式(I)、(1)、(1−A)、(2)、(3)、(3−A)、(3−B)、(3−C)、(4)、(4−A)、(5)、(5−A)、及び(5−B)、並びに前記一般式(II)、(X2)、及び(X3)で表される化合物〕は、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、またはその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、および水などが挙げられる)の存在下、もしくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、および炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
本発明の金属錯体を合成する際の反応時間は反応原料の活性により異なり、特に限定されないが、1分以上5日以下が好ましく、5分以上3日以下がより好ましく、10分以上1日以下がさらに好ましい。
本発明の金属錯体合成の反応温度は反応の活性により異なり、特に限定されないが、0℃以上300℃以下が好ましく、5℃以上250℃以下がより好ましく、10℃以上200℃以下がさらに好ましい。
本発明の金属錯体は、目的とする錯体の部分構造を形成している配位子を適宜選択することで、前記一般式(I)、(1)、(1−A)、(2)、(3)、(3−A)、(3−B)、(3−C)、(4)、(4−A)、(5)、(5−A)、及び(5−B)、並びに前記一般式(II)、(X2)、及び(X3)で表される化合物で表される化合物は合成できる。
例えば、一般式(1−A)で表される化合物を合成する際は、6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子またはその誘導体(例えば、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,10−フェナントロリン配位子、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン配位子、6,6’−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子など)などを、金属化合物に対し、好ましくは0.1当量〜10当量、より好ましくは0.3当量〜6当量、さらに好ましくは0.5当量〜4当量加えて合成できる。一般式(1−A)で表される化合物の合成方法において、反応溶媒、反応時間、反応温度の各々は、上記本発明の金属錯体の合成方法で述べた事項と同様である。
6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子の誘導体は種々の公知の方法を用いて合成することができる。
例えば、2,2’−ビピリジル誘導体(例えば、1,10−フェナントロリンなど)とアニソール誘導体(例えば、4−フルオロアニソールなど)をJournal of OrganIc ChemIstry,741,11,(1946)に記載の方法で反応させることにより合成することができる。また、ハロゲン化された2,2’−ビピリジル誘導体(例えば、2,9−ジブロモ−1,10−フェナントロリンなど)と2−メトキシフェニルボロン酸誘導体など(例えば、2−メトキシ−5−フルオロフェニルボロン酸など)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of OrganIc ChemIstry,741,11,(1946)に記載の方法、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことにより合成することができる。また、2,2’−ビピリジルボロン酸誘導体(例えば6,6’−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)−2,2’−ビピリジルなど)とハロゲン化されたアニソール誘導体(例えば2−ブロモアニソールなど)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of OrganIc ChemIstry,741,11,(1946)に記載の方法、または、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことによっても合成することができる。
<一般式(III)で表される金属錯体>
次に、下記一般式(III)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、およびZ13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。
一般式(III)中、Q11は、Q11が結合する炭素原子2つとこれらの炭素原子に直接結合している窒素原子とを含んで、含窒素へテロ環を形成する原子群を表す。Q11で形成される含窒素へテロ環の環員数としては特に限定されないが、環員数12〜20が好ましく、環員数14〜16がより好ましく、環員数16がさらに好ましい。
11、Z12、及びZ13はそれぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表す。Z11、Z12、及びZ13の組合せとしては、Z11、Z12、及びZ13の少なくとも1つが窒素原子であることが好ましい。
炭素原子上の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、および3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、およびアントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、およびジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、および2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、および2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、およびキノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、およびピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、およびフェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、およびフェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、および2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、およびフェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、およびアゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
これらの置換基の中でも、炭素原子上の置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子が好ましく、より好ましくはアリール基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくはフェニル基、フッ素原子である。
窒素原子上の置換基としては、前記炭素原子上の置換基として例示した置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
一般式(III)中、MY1は配位子を更に有してもよい金属イオンを表し、他に配位子を有さない金属イオンがより好ましい。
Y1で表される金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、コバルトイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、銅イオン、白金イオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、イリジウムイオン、またはユーロピウムイオンが好ましく、コバルトイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、銅イオン、白金イオン、または鉛イオンがより好ましく、銅イオン、白金イオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。MY1は、Q11に含まれる原子と結合していても結合していなくてもよく、結合している方が好ましい。
Y1が、さらに有していてもよい配位子としては、特に限定されないが、単座、もしくは、2座の配位子が好ましく、2座の配位子がより好ましい。配位する原子としては、特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、炭素原子、りん原子が好ましく、酸素原子、窒素原子、炭素原子がより好ましく、酸素原子、窒素原子がさらに好ましい。
前記一般式(III)で表される化合物の好ましい例は、下記一般式(a)〜(j)で表される化合物、又はそれらの互変異性体である。
一般式(III)で表される化合物はとしては、一般式(a)及び一般式(b)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(b)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましい。
また、一般式(III)で表される化合物としては、一般式(c)または一般式(g)で表される化合物も好ましい。
一般式(c)で表される化合物としては、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(e)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(f)で表される化合物またはその互変異性体が好ましく、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(e)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体がさらに好ましい。
一般式(g)で表される化合物としては、一般式(h)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(I)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(j)で表される化合物またはその互変異性体が好ましく、一般式(h)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(I)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(h)表される化合物またはその互変異性体がさらに好ましい。
以下、一般式(a)〜(j)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2007096066
一般式(a)で表される化合物について説明する。
一般式(a)中、Z21、Z22、Z23、Z24、Z25、Z26、およびM21はそれぞれ対応する前記一般式(III)におけるZ11、Z12、Z13、Z11、Z12、Z13、およびM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21、Q22はそれぞれ含窒素へテロ環を形成する基を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及びそれらを含む縮環体(例えばベンズピロール)、及びこれらの互変異性体(例えば、後述の一般式(b)において、R43、R44、R45、およびR46が置換している含窒素5員環はピロールの互変異性体と定義する)が好ましく、ピロール環及びピロール環を含む縮環体(例えば、ベンズピロール)がより好ましい。
21、X22、X23、およびX24は、それぞれ独立に、置換または無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、無置換の、炭素原子、窒素原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。
一般式(b)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(b)中、Z41、Z42、Z43、Z44、Z45、Z46、X41、X42、X43、X44、およびM41は前記一般式(a)におけるZ21、Z22、Z23、Z24、Z25、Z26、X21、X22、X23、X24、およびM21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
43、R44、R45、およびR46はそれぞれ独立に水素原子、または前記一般式(III)におけるZ11又はZ12上の置換基として例示したアルキル基、アリール基、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、アルキル基、アリール基、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましい。
43、R44、R45、およびR46はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては前記一般式(III)におけるZ11又はZ12について炭素原子上の置換基で説明した基が挙げられる。
一般式(c)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(c)中、Z101、Z102、およびZ103はそれぞれ独立に置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表す。Z101、Z102、およびZ103の少なくとも一つが窒素原子であることが好ましい。
101、L102、L103、およびL104はそれぞれ独立に単結合または連結基を表す。連結としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、含窒素ヘテロ環連結基、酸素原子連結基、アミノ連結基、イミノ連結基、カルボニル連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
101、L102、L103、およびL104はそれぞれ独立に単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アミノ連結基、またはイミノ連結基が好ましく、単結合、アルキレン連結基、アルケニレン連結基、またはイミノ連結基がより好ましく、単結合、アルキレン連結基がさらに好ましい。
101、Q103はそれぞれ独立にM101に炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基、りん原子で配位する基、酸素原子で配位する基、または、硫黄原子で配位する基を表す。
101に炭素原子で配位する基としては、炭素原子で配位するアリール基、炭素原子で配位する5員環へテロアリール基、炭素原子で配位する6員環へテロアリール基が好ましく、炭素原子で配位するアリール基、炭素原子で配位する含窒素5員環へテロアリール基、炭素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基がより好ましく、炭素原子で配位するアリール基がさらに好ましい。
101に窒素原子で配位する基としては、窒素原子で配位する含窒素5員環へテロアリール基、窒素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基が好ましく、窒素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基がより好ましい。
101にりん原子で配位する基としては、りん原子で配位するアルキルホスフィン基、りん原子で配位するアリールホスフィン基、りん原子で配位するアルコキシホスフィン基、りん原子で配位するアリールオキシホスフィン基、りん原子で配位するヘテロアリールオキシホスフィン基、りん原子で配位するホスフィニン基、りん原子で配位するホスホール基が好ましく、りん原子で配位するアルキルホスフィン基、りん原子で配位するアリールホスフィン基がより好ましい。
101に酸素原子で配位する基としては、オキシ基、酸素原子で配位するカルボニル基が好ましく、オキシ基がさらに好ましい。
101に硫黄原子で配位する基としては、スルフィド基、チオフェン基、チアゾール基が好ましく、チオフェン基がより好ましい。
101、Q103はM101に炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基、酸素原子で配位する基が好ましく、炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基がより好ましく、炭素原子で配位する基がさらに好ましい。
102はM101に窒素原子で配位する基、りん原子で配位する基、酸素原子で配位する基、または、硫黄原子で配位する基を表し、窒素原子で配位する基がより好ましい。
101は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(d)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(d)中、Z201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、L201、L202、L203、L204、およびM201はそれぞれ対応する前記一般式(c)におけるZ101、Z102、Z103、Z101、Z102、Z103、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、およびZ212はそれぞれ置換または無置換の炭素原子又は窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。
一般式(e)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(e)中、Z301、Z302、Z303、Z304、Z305、Z306、Z307、Z308、Z309、Z310、L301、L302、L303、L304、およびM301は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z204、Z206、Z207、Z208、Z209、Z210、Z212、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(f)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(f)中、Z401、Z402、Z403、Z404、Z405、Z406、Z407、Z408、Z409、Z410、Z411、Z412、L401、L402、L403、L404、およびM401は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z204、Z205、Z206、Z207、Z208、Z209、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。X401、X402はそれぞれ独立に酸素原子、置換又は無置換の窒素原子、硫黄原子を表し、酸素原子、置換窒素原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
一般式(g)で表される化合物について説明する
Figure 2007096066
一般式(g)中、Z501、Z502、Z503、L501、L502、L503、L504、Q501、Q502、Q503、およびM501は、それぞれ対応する前記一般式(c)におけるZ101、Z102、Z103、L101、L102、L103、L104、Q101、Q103、Q102、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(h)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(h)中、Z601、Z602、Z603、Z604、Z605、Z606、Z607、Z608、Z609、Z610、Z611、Z612、L601、L602、L603、L604、およびM601は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(i)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(i)中、Z701、Z702、Z703、Z704、Z705、Z706、Z707、Z708、Z709、Z710、L701、L702、L703、L704、およびM701はそれぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z206、Z210、Z212、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(j)で表される化合物について説明する。
Figure 2007096066
一般式(j)中、Z801、Z802、Z803、Z804、Z805、Z806、Z807、Z808、Z809、Z810、Z811、Z812、L801、L802、L803、L804、M801、X801、およびX802は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)、(f)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、M101、X401、およびX402と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(III)で表される化合物の具体例としては、特願2004−88575記載の化合物(2)〜化合物(8)、化合物(15)〜化合物(20)、化合物(27)〜化合物(32)、化合物(36)〜化合物(38)、化合物(42)〜化合物(44)、化合物(50)〜化合物(52)、及び、化合物(57)〜化合物(154)(以下に構造を示す。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
<その他の好ましい金属錯体>
さらに、本発明における金属錯体の好ましい例としては、下記一般式(A−1)、下記一般式(B−1)、下記一般式(C−1)、下記一般式(D−1)、下記一般式(E−1)、及び下記一般式(F−1)で表される各化合物が挙げられる。
一般式(A−1)について説明する。
Figure 2007096066
一般式(A−1)中、MA1は金属イオンを表す。YA11、YA14、YA15およびYA18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA12、YA13、YA16およびYA17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA11、LA12、LA13、およびLA14は連結基を表し、これらの連結基は、同一構造であっても異なる構造であっても良い。QA11、QA12はMA1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(A−1)で表される化合物について、詳細に説明する。
A1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されることはないが、2価の金属イオンが好ましく、Pt2+、Pd2+、Cu2+、NI2+、Co2+、Zn2+、Mg2+、およびPb2+が好ましく、Pt2+、Cu2+がより好ましく、Pt2+が特に好ましい。
A11、YA14、YA15およびYA18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA11、YA14、YA15およびYA18として好ましくは、炭素原子である。
A12、YA13、YA16およびYA17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。YA12、YA13、YA16およびYA17として好ましくは、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子である。
A11、LA12、LA13、およびLA14は二価の連結基を表す。LA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基としては、それぞれ独立に単結合のほか、炭素、窒素、珪素、硫黄、酸素、ゲルマニウム、またはリン等で構成される連結基であり、より好ましくは、単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換珪素原子、酸素原子、硫黄原子、二価の芳香族炭化水素環基、二価の芳香族ヘテロ環基であり、さらに好ましくは単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換珪素原子、二価の芳香族炭化水素環基、二価の芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくは、単結合、置換または無置換のメチレン基である、LA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2007096066
A11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基は、さらに置換基を有していてもよい。導入可能な置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、およびフェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
これらの置換基は更に置換されてもよい。置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、またはシリル基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基、またはフッ素原子である。
A11、QA12はMA1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。QA11、QA12はそれぞれ独立にMA1に炭素原子で結合する基、窒素原子で結合する基、珪素原子で結合する基、リン原子で結合する基、酸素原子で結合する基、硫黄原子で結合する基が好ましく、炭素原子、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子で結合する基がより好ましく、炭素原子、窒素原子で結合する基がさらに好ましく、炭素原子で結合する基が特に好ましい。
炭素原子で結合する基としては、炭素原子で結合するアリール基、炭素原子で結合する五員環へテロアリール基、炭素原子で結合する六員環へテロアリール基が好ましく、炭素原子で結合するアリール基、炭素原子で結合する含窒素五員環へテロアリール基、炭素原子で結合する含窒素六員環へテロアリール基がより好ましく、炭素原子で結合するアリール基が特に好ましい。
窒素原子で結合する基としては、置換アミノ基、窒素原子で結合する含窒素へテロ五員環へテロアリール基が好ましく、窒素原子で結合する含窒素へテロ五員環へテロアリール基が特に好ましい。
リン原子で結合する基としては、置換ホスフィノ基が好ましい。珪素原子で結合する基としては、置換シリル基が好ましい。酸素原子で結合する基としてはオキシ基、硫黄原子で結合する基としてはスルフィド基が好ましい。
前記一般式(A−1)で表される化合物は、より好ましくは一般式(A−2)、一般式(A−3)、又は一般式(A−4)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(A−2)中、MA2は金属イオンを表す。YA21、YA24、YA25およびYA28は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA22、YA23、YA26およびYA27はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA21、LA22、LA23、およびLA24は連結基を表す。ZA21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2007096066
一般式(A−3)中、MA3は金属イオンを表す。YA31、YA34、YA35およびYA38は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA32、YA33、YA36およびYA37はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA31、LA32、LA33、およびLA34は連結基を表す。ZA31、ZA32、ZA33およびZA34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2007096066
一般式(A−4)中、MA4は金属イオンを表す。YA41、YA44、YA45およびYA48は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA42、YA43、YA46およびYA47はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA41、LA42、LA43、およびLA44は連結基を表す。ZA41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XA41、XA42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(A−2)で表される化合物について詳細に説明する。
A2、YA21、YA24、YA25、YA28、YA22、YA23、YA26、YA27、LA21、LA22、LA23、およびLA24はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、およびLA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26として好ましくはそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(A−3)で表される化合物について詳細に説明する。
A3、YA31、YA34、YA35、YA38、YA32、YA33、YA36、YA37、LA31、LA32、LA33、およびLA34はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、およびLA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A31、ZA32、ZA33、およびZA34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA31、ZA32、ZA33、およびZA34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(A−4)で表される化合物について詳細に説明する。
A4、YA41、YA44、YA45、YA48、YA42、YA43、YA46、YA47、LA41、LA42、LA43、およびLA44はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、およびLA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
A41、XA42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XA41、XA42として好ましくはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(A−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(B−1)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(B−1)中、MB1は金属イオンを表す。YB11、YB14、YB15およびYB18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB12、YB13、YB16およびYB17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB11、LB12、LB13、およびLB14は連結基を表す。QB11、QB12はMB1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(B−1)について詳細に説明する。
一般式(B−1)中、MB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14、QB11、およびQB12は、それぞれ対応する、一般式(A−1)中における、MA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14、QA11、およびQA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(B−1)で表される化合物は、より好ましくは、下記一般式(B−2)、一般式(B−3)、又は一般式(B−4)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(B−2)中、MB2は金属イオンを表す。YB21、YB24、YB25およびYB28は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB22、YB23、YB26およびYB27はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB21、LB22、LB23、およびLB24は連結基を表す。ZB21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2007096066
一般式(B−3)中、MB3は金属イオンを表す。YB31、YB34、YB35およびYB38は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB32、YB33、YB36およびYB37は、それぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB31、LB32、LB33、およびLB34は連結基を表す。ZB31、ZB32、ZB33およびZB34は、それぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2007096066
一般式(B−4)中、MB4は金属イオンを表す。YB41、YB44、YB45およびYB48は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB42、YB43、YB46およびYB47はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB41、LB42、LB43、およびLB44は連結基を表す。ZB41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XB41、XB42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(B−2)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−2)中、MB2、YB21、YB24、YB25、YB28、YB22、YB23、YB26、YB27、LB21、LB22、LB23、LB24はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26は、それぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(B−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−3)中、MB3、YB31、YB34、YB35、YB38、YB32、YB33、YB36、YB37、LB31、LB32、LB33、およびLB34はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、およびLB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B31、ZB32、ZB33、およびZB34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB31、ZB32、ZB33、およびZB34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(B−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−4)中、MB4、YB41、YB44、YB45、YB48、YB42、YB43、YB46、YB47、LB41、LB42、LB43、およびLB44はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、およびLB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
B41、XB42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XB41、XB42として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(B−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、一般式(C−1)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(C−1)中、MC1は金属イオンを表す。RC11、RC12は、それぞれ独立に、水素原子、互いに連結して五員環を形成する置換基、または互いに連結することの無い置換基を表す。RC13、RC14は、それぞれ独立に、水素原子、互いに連結して五員環を形成する置換基、または互いに連結することの無い置換基を表す。GC11、GC12は、それぞれ独立に、窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。LC11、LC12は連結基を表す。QC11、QC12はMC1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(C−1)について詳細に説明する。
一般式(C−1)中、MC1、LC11、LC12、QC11、およびQC12はそれぞれ対応する一般式(A−1)中における、MA1、LA11、LA12、QA11、およびQA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C11、GC12は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは窒素原子、無置換の炭素原子であり、より好ましくは窒素原子である。
C11、RC12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RC11、RC12は互いに連結して五員環を形成してもよい。RC13、RC14はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RC13、RC14は互いに連結して五員環を形成してもよい。
C11、RC12、RC13およびRC14で表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、およびアントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、およびジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、および2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、および2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、およびキノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、およびピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、および2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、シアノ基、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、およびアゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
C11、RC12、RC13およびRC14で表される置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、RC11とRC12、RC13とRC14が互いに結合して五員環を形成する基であり、特に好ましくはRC11とRC12、RC13とRC14が互いに結合して五員環を形成する基である。
一般式(C−1)で表される化合物は、より好ましくは一般式(C−2)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(C−2)中、MC2は金属イオンを表す。
C21、YC22、YC23およびYC24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC21、GC22は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC21、LC22は連結基を表す。QC21、QC22はMC2に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(C−2)について詳細に説明する。
一般式(C−2)中、MC2、LC21、LC22、QC21、QC22、GC21、およびGC22はそれぞれ対応する、一般式(C−1)におけるMC1、LC11、LC12、QC11、QC12、GC11、およびGC12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
C21、YC22、YC23およびYC24は、それぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
一般式(C−2)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(C−3)、一般式(C−4)又は一般式(C−5)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(C−3)中、MC3は金属イオンを表す。
C31、YC32、YC33およびYC34は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC31、GC32は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC31、LC32は連結基を表す。ZC31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2007096066
一般式(C−4)中、MC4は金属イオンを表す。YC41、YC42、YC43およびYC44は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC41、GC42は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC41、LC42は連結基を表す。ZC41、ZC42、ZC43およびZC44はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2007096066
一般式(C−5)中、MC5は金属イオンを表す。
C51、YC52、YC53およびYC54は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC51、GC52は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC51、LC52は連結基を表す。ZC51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XC51、XC52はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(C−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(C−3)中、MC3、LC31、LC32、GC31、およびGC32はそれぞれ対応する、一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、およびGC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
一般式(C−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(C−4)中、MC4、LC41、LC42、GC41、およびGC42は、それぞれ対応する一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、およびGC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C41、ZC42、ZC43、およびZC44はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC41、ZC42、ZC43、およびZC44として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
一般式(C−5)で表される化合物について詳細に説明する。
C5、LC51、LC52、GC51、およびGC52は、それぞれ対応する一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、およびGC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
C51、XC52はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XC51、XC52として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(C−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(D−1)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(D−1)中、MD1は金属イオンを表す。
D11、GD12は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。JD11、JD12、JD13およびJD14は五員環を形成するのに必要な原子群を表す。LD11、LD12は連結基を表す。
一般式(D−1)について詳細に説明する。
一般式(D−1)中、MD1、LD11、およびLD12はそれぞれ対応する一般式(A−1)中における、MA1、LA11、およびLA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D11、GD12は、それぞれ対応する一般式(C−1)におけるGC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D11、JD12、JD13およびJD14は、これらが結合している原子群と共に、含窒素へテロ五員環を形成するのに必要な原子群を表す。
一般式(D−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(D−2)、一般式(D−3)、又は一般式(D−4)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(D−2)中、MD2は金属イオンを表す。
D21、GD22は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D21、YD22、YD23およびYD24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D21、XD22、XD23およびXD24は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD21−、または−C(RD22)RD23−を表す。
D21、RD22およびRD23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD21、LD22は連結基を表す。
Figure 2007096066
一般式(D−3)中、MD3は金属イオンを表す。
D31、GD32は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D31、YD32、YD33およびYD34は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D31、XD32、XD33およびXD34は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD31−、または−C(RD32)RD33−を表す。
D31、RD32およびRD33は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD31、LD32は連結基を表す。
Figure 2007096066
一般式(D−4)中、MD4は金属イオンを表す。
D41、GD42は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D41、YD42、YD43およびYD44は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D41、XD42、XD43およびXD44は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD41−、または−C(RD42)RD43−を表す。RD41、RD42およびRD43は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD41、LD42は連結基を表す。
一般式(D−2)について詳細に説明する。
D2、LD21、LD22、GD21、およびGD22は、一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、およびGD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D21、YD22、YD23およびYD24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
D21、XD22、XD23およびXD24は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD21−、または−C(RD22)RD23−を表し、好ましくは硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−であり、より好ましくは−NRD21−、−C(RD22)RD23−であり、さらに好ましくは−NRD21−である。
D21、RD22およびRD23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RD21、RD22およびRD23で表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、および3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、置換カルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、メトキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、およびフェニルアミノカルボニル、等が挙げられる。)、置換スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、ヘテロ環基(脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基がある。好ましくは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかを含み、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、トリアゾリル基等が挙げられる。)等が挙げられる。RD21、RD22およびRD23は好ましくはアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基であり、さらに好ましくはアリール基である。
一般式(D−3)について詳細に説明する。
一般式(D−3)中、MD3、LD31、LD32、GD31、およびGD32は、それぞれ対応する一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、およびGD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D31、XD32、XD33およびXD34はそれぞれ対応する、一般式(D−2)におけるXD21、XD22、XD23およびXD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D31、YD32、YD33およびYD34はそれぞれ対応する、一般式(D−2)におけるYD21、YD22、YD23およびYD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(D−4)について詳細に説明する。
一般式(D−4)中、MD4、LD41、LD42、GD41、およびGD42は、それぞれ対応する、一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、およびGD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D41、XD42、XD43およびXD44は、それぞれ対応する一般式(D−2)におけるXD21、XD22、XD23およびXD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YD41、YD42、YD43およびYD44は、それぞれ対応する、一般式(D−2)におけるYD21、YD22、YD23およびYD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(D−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2007096066
Figure 2007096066
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(E−1)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(E−1)中、ME1は金属イオンを表す。JE11、JE12は五員環を形成するのに必要な原子群を表す。GE11、GE12、GE13およびGE14は、それぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE11、YE12、YE13およびYE14はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
一般式(E−1)について詳細に説明する。
一般式(E−1)中、ME1は一般式(A−1)におけるMA1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。GE11、GE12、GE13およびGE14は一般式(C−1)におけるGC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
E11、JE12は、一般式(D−1)におけるJD12〜JD14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YE11、YE12、YE13およびYE14はそれぞれ対応する、一般式(C−2)におけるYC21〜YC24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(E−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(E−2)、又は一般式(E−3)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(E−2)中、ME2は金属イオンを表す。GE21、GE22、GE23およびGE24はそれぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE21、YE22、YE23、YE24、YE25およびYE26はそれぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
E21およびXE22は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRE21−、−C(RE22)RE23−を表す。RE21、RE22およびRE23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
Figure 2007096066
一般式(E−3)中、ME3は金属イオンを表す。JE31、JE32はそれぞれ独立に五員環を形成するのに必要な原子群を表す。GE31、GE32、GE33およびGE34はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE31、YE32、YE33、YE34、YE35およびYE36はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XE31およびXE32は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRE31−、または−C(RE32)RE33−を表す。RE31、RE32およびRE33は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(E−2)について詳細に説明する。
一般式(E−2)中、ME2、GE21、GE22、GE23、GE24、YE21、YE22、YE23、およびYE24は、それぞれ対応する一般式(E−1)におけるME1、GE11、GE12、GE13、GE14、YE11、YE12、YE13、およびYE14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
E21、XE22は一般式(D−2)におけるXD21、XD22と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(E−3)について詳細に説明する。
一般式(E−3)中、ME3、GE31、GE32、GE33、GE34、YE31、YE32、YE33、およびYE34は、それぞれ対応する、一般式(E−1)におけるME1、GE11、GE12、GE13、GE14、YE11、YE12、YE13、およびYE14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
E31、XE32は対応する、一般式(E−2)におけるXE21、XE22と同義であり、また好ましい
範囲も同様である。
一般式(E−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2007096066
Figure 2007096066
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(F−1)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(F−1)中、MF1は金属イオンを表す。LF11、LF12およびLF13は連結基を表す。RF11、RF12、RF13およびRF14は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RF11とRF12、RF12とRF13、RF13とRF14は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF11とRF12、RF13とRF14が形成する環は五員環である。
F11、QF12はMF1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(F−1)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−1)中、MF1、LF11、LF12、LF13、QF11、およびQF12はそれぞれ対応する、一般式(A−1)におけるMA1、LA11、LA12、LA13、QA11、およびQA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。RF11、RF12、RF13およびRF14は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RF11とRF12、RF12とRF13、RF13とRF14は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF11とRF12、RF13とRF14が形成する環は五員環である。RF11、RF12、RF13およびRF14で表される置換基としては、それぞれ対応する一般式(C−1)におけるRC11〜RC14で表される置換基として挙げたものが適用できる。RF11、RF12、RF13およびRF14として好ましくは、RF11とRF12、RF13とRF14が互いに結合して五員環を形成する基もしくは、RF12とRF13が互いに結合して芳香環を形成する基である。
一般式(F−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(F−2)、一般式(F−3)、又は一般式(F−4)で表される化合物である。
Figure 2007096066
一般式(F−2)中、MF2は金属イオンを表す。LF21、LF22およびLF23は連結基を表す。RF21、RF22、RF23およびRF24は置換基を表し、RF21とRF22、RF22とRF23、RF23とRF24は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF21とRF22、RF23とRF24が形成する環は五員環である。ZF21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2007096066
一般式(F−3)中、MF3は金属イオンを表す。LF31、LF32およびLF33は連結基を表す。RF31、RF32、RF33およびRF34は置換基を表し、RF31とRF32、RF32とRF33、RF33とRF34は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF31とRF32、RF33とRF34が形成する環は五員環である。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2007096066
一般式(F−4)中、MF4は金属イオンを表す。LF41、LF42およびLF43は連結基を表す。RF41、RF42、RF43およびRF44は置換基を表し、RF41とRF42、RF42とRF43、RF43とRF44は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF41とRF42、RF43とRF44が形成する環は五員環である。ZF41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45、およびZF46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XF41、XF42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(F−2)で表される化合物について詳細に説明する。
F2、LF21、LF22、LF23、RF21、RF22、RF23およびRF24はそれぞれ対応する一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
F21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(F−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−3)中、MF3、LF31、LF32、LF33、RF31、RF32、RF33およびRF34はそれぞれ対応する、一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(F−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−4)中、MF4、LF41、LF42、LF43、RF41、RF42、RF43およびRF44は一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
F41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45およびZF46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45およびZF46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
F41、XF42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XF41、XF42として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(F−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
Figure 2007096066
前記一般式(A−1)〜(F−1)で表される化合物は公知の方法により合成することができる。
2−7.その他の構成要素
本発明の有機EL素子は、電極間に発光層の他に複数の有機化合物層を積層して有することができる。
本発明における有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。また、発光層としては一層だけでも良く、また、第一発光層、第二発光層、第三発光層等に発光層を分割しても良い。さらに、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
本発明の有機EL素子におけるその他の基板、電極、各有機層、その他の層等の他の構成要素については、例えば、特開2004−221068号の段落番号(0013)から(0082)、特開2004−214178号の段落番号(0017)から(0091)、特開2004−146067号の段落番号(0024)から(0035)、特開2004−103577号の段落番号(0017)から(0068)、特開2003−323987号の段落番号(0014)から(0062)、特開2002−305083号の段落番号(0015)から(0077)、特開2001−172284号の段落番号(0008)から(0028)、特開2000−186094号の段落番号(0013)から(0075)、特表2003−515897号の段落番号(0016)から(0118)等に記載のものが本発明においても同様に適用することができる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
3.有機EL素子の駆動方法
本発明の有機EL素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明においては、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜30ボルト、電荷発生層を挟んで発光層を積層した場合には、前記電圧の積層した発光層の段数倍)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
4.用途
本発明の有機EL素子の用途は特に限定されないが、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明等広い分野に適用できる。
以下に、本発明について、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
0.5mm厚み、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。
この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて、2TNATAにF4TCNQを0.1質量%ドープした層を蒸着法により140nm成膜し、正孔注入層を形成した。
Figure 2007096066
次に、前記正孔注入層の上に、正孔輸送層としてαNPDを同じ条件で10nmの厚さに真空蒸着して形成した。
Figure 2007096066
次に、発光材料として多座錯体AとCBPを質量比1:9となるよう共蒸着し、発光層を30nm形成した。続いて、発光層上にBAlqを10nm蒸着して、最後にAlqを20nm蒸着して、電子輸送層を形成した。
Figure 2007096066
Figure 2007096066
次にフッ化リチウムを1nm蒸着して電子注入層を形成し、最後に陰極となる背面電極としてAlを100nm蒸着した。
発光領域は縦0.5cm、横0.5cmの正方形状とした。
(比較例1)
実施例1の試料の作製において、正孔注入層より電子受容性化合物のF4TCNQを除いた比較例1の試料を作製した。
(比較例2)
実施例1の試料の作製において、発光層の発光材料として多座錯体Aの代わりに、発光波長が多座錯体Aと似ており、蛍光材料より効率が高い燐光材料であるIr(ppy)3を用いた以外は同様にして比較例2の試料を作製した。
得られた素子に対し、KEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型を用いて電圧を印加し、トプコン社製の分光放射計SR−3を用いて輝度を測定することで、輝度−電圧特性を測定した。
駆動電圧は、100cd/m2で発光するときの電圧を測定し、実施例1の結果を基準としたときに、1.5V以上電圧が高くなるものを×、高くなるのが1.5V未満であるか、低くなるものを○とした。
駆動耐久性は、500cd/m2の輝度で発光させたときに、輝度が半減するまでの時間を測定して、耐久性の指標とした。実施例1の結果を1としたときに、0.7以上であるものを○、0.7未満であるものを×とした。
Figure 2007096066
実施例2
0.5mm厚み、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)に対して実施例1と同様の処理を行った。
この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて、CuPcを蒸着法により10nm成膜し、正孔注入層を形成した。
Figure 2007096066
次に、前記正孔注入層の上に、正孔輸送層としてαNPDを同じ条件で30nmの厚さに真空蒸着して形成した。
次に、発光材料として多座錯体AとCBPを共蒸着し、発光層を30nm形成した。 続いて、発光層上にBAlqを10nm蒸着してホールブロック層とし、最後にAlqとLiを共蒸着法により20nm蒸着して、電子輸送層を形成した。
次に陰極となる背面電極としてAlを蒸着速度1.5nm/秒で100nm蒸着した。
発光領域は縦0.5cm、横0.5cmの正方形状とした。
(比較例3)
実施例2の試料の作製において、電子輸送層より電子供与性金属のLiを除いた比較例3の試料を作製した。
(比較例4)
実施例2の試料の作製において、発光層の発光材料として多座錯体Aの代わりに、発光波長が多座錯体Aと似ており、効率が高い燐光材料であるIr(ppy)3を用いた以外は同様にして比較例4の試料を作製した。
実施例2、比較例3、比較例4で得られた素子を実施例1の素子と同様の評価方法にて評価した。
Figure 2007096066
表1、表2の結果より、電子受容性化合物、または、金属ドープ層を設け、更に本発明で用いた化合物を用いることにより、低電圧駆動が可能になり、駆動耐久性が良くなることを示すことができた。
実施例3、4
実施例1、実施例2、比較例1、および比較例3において用いた多座錯体Aを下記に示す多座錯体Bに変えたものを、それぞれ実施例3、実施例4、比較例5、および比較例6とし、比較例2と比較例4において用いたIr(ppy)3を下記に示すFirpicと変え、発光層のCBPをmCPに置き換えた素子を比較例7、および比較例8として作製した。
実施例1、および実施例2を同様の評価をしたところ、実施例3と実施例4の素子のみが、低電圧駆動と高い駆動耐久性を示した。
Figure 2007096066
また、本発明で挙げたような多座錯体を用いた場合、発光層の膜厚を薄くした場合でも大きく効率が下がらないため、その他の錯体を用いた場合と比較して発光層の膜厚を薄くでき、より素子を低電圧化できる。

Claims (15)

  1. 対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陰極の前記発光層に面した界面に電子供与性金属をドープした有機物層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陽極の前記発光層に面した界面に電子受容性化合物をドープした有機物層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
  3. 対向する陽極電極と陰極電極との間に少なくとも1層の発光層を含む有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として3座以上で配位し得る配位子を有する金属錯体を含有し、前記陰極の前記発光層に面した界面に電子供与性金属をドープした有機物層を有し、かつ前記陽極の前記発光層に面した界面に電子受容性化合物をドープした有機物層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
  4. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子:
    Figure 2007096066
    (一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成してもよい。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成してもよい。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。)。
  5. 前記3座以上の配位子が、鎖状配位子であることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子:
    Figure 2007096066
    (一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。)。
  7. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子:
    Figure 2007096066
    (一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、およびZ13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。)。
  8. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、遷移金属イオンであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、およびガリウムイオンの群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  10. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、希土類金属イオンであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  11. 前記電子供与性金属がアルカリ金属であることを特徴とする請求項1および請求項3〜請求項10のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  12. 前記陰極がアルミニウムであることを特徴とする請求項11に記載の有機電界発光素子。
  13. 前記電子受容性化合物が無機化合物であることを特徴とする請求項2〜請求項12のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  14. 前記無機化合物が金属塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモン等のルイス酸化合物より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項13に記載の有機電界発光素子。
  15. 前記電子受容性化合物が有機化合物であることを特徴とする請求項2〜請求項12のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
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JP2013062507A (ja) * 2012-09-26 2013-04-04 Fujifilm Corp 有機電界発光素子
JP2015133493A (ja) * 2015-01-29 2015-07-23 ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド 有機電界発光素子

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