JP2007095999A - 基板の製造方法、水晶振動片、ジャイロ振動片及び表示用基板 - Google Patents

基板の製造方法、水晶振動片、ジャイロ振動片及び表示用基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 エッチング速度が遅い基板から容易に所望の形状に成形することができる基板の製造方法、及び無電解めっき法を用いて金属膜を生成する基板の製造方法と、これらの製造方法によって製造された水晶振動片、ジャイロ振動片及び表示用基板を提供することにある。
【解決手段】 金属膜10の上にフォトレジスト20がなく金属膜10が露出している領域に、第3の膜としての金属膜30を生成する。この生成方法は、金属の無電解めっき法である。無電解めっき法は、被めっき部材(本実施例では水晶基板1をいう)に電流を流す必要がなく、化学還元法を基に被めっき部材に金属のめっき皮膜(本実施例では金属膜30をいう)を施す方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板表面に金属パターンを形成し、該金属パターンをマスクにして基板をドライエッチングする基板の製造方法、この製造方法により製造された水晶振動片及びジャイロ振動片等に関するものである。
例えば、水晶基板をエッチングして水晶振動片及びジャイロ振動片を製造する場合、水晶基板をエッチングして所望の形状にする必要がある。然しながら、水晶基板は結晶軸を有しており、特に、ウェットエッチング加工では、エッチング速度がこの結晶軸のそれぞれの方向で異なっているため、所望の形状にすることが困難であった。
例えば、天然水晶又は天然珪石を溶融して製造された石英ガラス(SiO2)、セラミックス(Al23系、SiO2系、SiC系等)は、水晶のように結晶軸はないがエッチングされる速度が非常に遅い材料のために、フォトレジスト等の有機材料によるエッチングマスクではエッチングに耐えれない状況であった。
弗化ガスのプラズマに耐性が高く、リアクティブイオンエッチングに適したマスク材を提供する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。また、板状水晶片の中央部をエッチングして逆メサ型水晶振動片を製造する方法として、中央部分がエッチングされるべき前記水晶片の周囲枠部分に水晶に密着しやすくかつ酸化膜を形成する金属により金属耐蝕膜を形成し、酸素または酸素及びアルゴンにより前記中央部分をドライエッチングする方法が開示されている(例えば、特許文献2)。また、高いアスペクト比を有する高精度な微細形状を形成できる微細形状の形成方法が開示されている(例えば、特許文献3)。
特開平9−83281号公報 特開2001−308666号公報 特開2005−64324号公報
然しながら、例えば、板厚が約100μmもある水晶基板を結晶軸方向に影響されずに、水晶基板の主表面に対して直角にドライエッチングして所望の形状にすることはかなり困難であった。また、ドライエッチングに耐える安定したマスク材を設けることが困難であった。
本発明の目的は、エッチング速度が遅い基板から容易に所望の形状に成形することができる基板の製造方法、及び無電解めっき法を用いて金属膜を生成する基板の製造方法と、これらの製造方法によって製造された水晶振動片、ジャイロ振動片及び表示用基板を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、基板と、前記基板の表面に第1の膜を設ける第1の工程と、前記第1の膜上にパターン化された第2の膜を設ける第2の工程と、前記第2の膜で被覆されていない前記第1の膜上に第3の膜を設ける第3の工程とを備えたことを要旨とする。
これによれば、第1の工程で、基板の表面に第1の膜を設け、第2の工程で、この第1の膜の上にパターン化された第2の膜を設け、第3の工程で、第2の膜で被覆されていない第1の膜上に第3の膜を設けるため、第1の膜によって、基板と第3の膜との密着性が向上し、第2の膜によってパターン化できるため基板のエッチング用のマスク材、表示基板用のバンク及びブラックマトリックスとして利用することができる。
本発明では、基板と、前記基板の表面に第1の膜を設ける第1の工程と、前記第1の膜上にパターン化された第2の膜を設ける第2の工程と、前記第2の膜で被覆されていない前記第1の膜上に第3の膜を設ける第3の工程と、前記第3の膜をマスクとして、前記基板をドライエッチングする第4の工程とを備えたことを要旨とする。
これによれば、第1の工程で、基板の表面に第1の膜を設け、第2の工程で、この第1の膜の上にパターン化された第2の膜を設け、第3の工程で、第2の膜で被覆されていない第1の膜上に第3の膜を設けるため、第1の膜によって、基板と第3の膜との密着性が向上し、第2の膜によってパターン化できるため基板のエッチング用のマスク材として利用できる。また、第4の工程で、基板をドライエッチングすることによってマスク材を設けた面に対して、直角にエッチングすることができる。
本発明の基板の製造方法において、前記基板は、水晶、石英、二酸化珪素、炭化珪素の少なくともいずれかひとつを含むことを要旨とする。
これによれば、基板が水晶、石英、二酸化珪素、炭化珪素の少なくともいずれかひとつを含む場合に、容易に所望の形状にエッチングすることができる。
本発明の基板の製造方法において、前記第1の膜は、金属膜であることを要旨とする。
これによれば、第1の膜が金属膜のために第3の膜との密着性を確保することができる。
本発明の基板の製造方法において、前記第2の膜は、有機材料であることを要旨とする。
これによれば、第1の膜の上で、第2の膜によってパターン化され第3の膜を設ける領域を制限することができる。
本発明の基板の製造方法において、前記第3の膜は、無電解めっき法による金属膜であることを要旨とする。
これによれば、パターン化された第2の膜によって、露出している第1の膜の上に第3の膜を無電解めっき法によって生成するため、比較的厚さの厚い金属膜を簡易装置により短時間で得ることができる。このようにして得られた第3の膜は、ドライエッチングのマスク材、表示基板のブラックマトリックス及びバンクに利用することができる。
本発明の水晶振動片は、本発明の基板の製造方法によって製造されたことを要旨とする。
これによれば、水晶基板から第3の膜をマスク材としてドライエッチングされた水晶振動片は、水晶基板の主表面に対して直角な端面を備えた水晶振動片とすることができる。
本発明のジャイロ振動片は、本発明の基板の製造方法によって製造されたことを要旨とする。
これによれば、水晶基板から第3の膜をマスク材としてドライエッチングされたジャイロ振動片は、水晶基板の主表面に対して直角な端面を備えたジャイロ振動片とすることができる。
本発明の表示用基板は、本発明の基板の製造方法によって製造されたことを要旨とする。
これによれば、第1の膜と第3の膜と基板表面とによってカラーフィルタのバンクが構成され、尚且つ第1の膜及び第3の膜によってブラックマトリックスの働きを兼ね備えた表示用基板とすることができる。
以下、本発明を具体化した実施例について図面にしたがって説明する。
図1(a)〜(e)は、水晶振動子の製造工程の説明図である。図1の各図は、水晶基板1を使用して水晶振動片50、又はジャイロ振動片51を製造する場合について説明したものである。
図1(a)は、第1の工程としての製造工程の説明図である。水晶基板1の清浄にされた主表面1aに第1の膜としての金属膜10を生成する。この生成の方法としては、真空蒸着、スパッタ、化学気相成長法としてのCVD(Chemical Vapor Deposition)、物理気相成長法としてのPVD(Physical Vapor Deposition)等がある。また、CVDには、温度を上げて堆積させる熱CVDと、化学反応や熱分解を促進させるために光を照射する光CVDと、ガスをプラズマ状態に励起するプラズマCVDとがある。前述したいずれかの方法によって水晶基板1の主表面1aに金属膜10を生成する。
金属膜10の成分は、スカンジウムSc、チタンTi、バナジウムV、クロムCr、マンガンMn、鉄Fe、コバルトCo、ニッケルNi、銅Cu、亜鉛Zn、銀Ag、金Au、ロジウムRh、パラジウムPd、イリジウムIr、白金Ptのいずれかひとつの成分を有しているか、又はそれぞれの成分同士による合金である。これらの成分は、後述する第3の膜としての無電解めっきとの強い結合を実現するためのものである。
金属膜10の膜の厚さは、製造時間と金属膜10の膜の強度又は密度により、10nm〜500nmが製造範囲である。好ましくは、10nm〜100nmであり、最適な範囲は、20nm〜80nmである。
金属膜10の役目は、水晶基板1と後述する第3の膜としての無電解めっきとの結合を助けるものである。したがって、金属膜10が水晶基板1と充分に密着していればよい。
また、金属膜10は、水晶基板1の主表面1aに対して全面に生成されていてもよいが、所望する領域に限定して生成されていてもよい。さらには、水晶基板1の主表面1aと水晶基板1の主表面1aに対向している主表面1bの両面に生成されていてもよい。以降の説明は、金属膜10が水晶基板1の主表面1aに生成された場合について説明する。主表面1aと主表面1bの両面に金属膜10が生成された場合は、後述する工程を繰り返すことによって同様に製造することができる。
図1(b)は、第2の工程としての製造工程の説明図である。第1の工程(図1(a)参照)によって生成された第1の膜としての金属膜10の上に、第2の膜としてのパターニングされているフォトレジスト20を生成する。この生成方法としては、清浄にされた金属膜10の上に光官能性樹脂としてのフォトレジスト液20aをスピンコート法、ロールコート法、スプレー法、又はディッピング法によって、少なくとも金属膜10の一部又は全部に塗布する。
塗布されたフォトレジスト液20aは、乾燥されてフォトレジスト20となる。フォトレジスト20は、所望のパターンを備えたフォトマスクを使用して露光、現像されて後述する水晶基板1のエッチングを所望する領域と同じ領域に対向して生成される。
また、金属膜10の上にフォトレジスト20がなく金属膜10が露出している領域は、後述する第3の膜を設ける領域である。
ここでは、フォトリソ工程として説明したが、転写印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサ法等によって、所望の領域にパターンが生成されていればよい。
図1(c)は、第3の工程としての製造工程の説明図である。ここでは、第2の工程(図1(b)参照)によって生成された金属膜10の上にフォトレジスト20がなく金属膜10が露出している領域に、第3の膜としての金属膜30を生成する。この生成方法は、金属の無電解めっき法である。無電解めっき法は、被めっき部材(本実施例では水晶基板1をいう)に電流を流す必要がなく、化学還元法を基に被めっき部材に金属のめっき皮膜(本実施例では金属膜30をいう)を施す方法である。無電解めっき液に浸漬された被めっき部材の金属部(金属膜10)の近傍で、無電解めっき液中の水分子と還元剤(次亜リン酸ナトリウム、硼素系の薬剤等)とが反応して電子が発生し、イオン化されていためっき金属(金属膜30)がこの電子と反応して、被めっき部材の金属部(金属膜10)にめっき金属(金属膜30)が析出するものである。
還元剤が次亜リン酸ナトリウムの場合は、析出する金属はニッケル−燐合金(Ni−P)である。また、還元剤が硼素系の薬剤の場合は、析出する金属はニッケル−ボロン合金(Ni−B)である。また、弗素樹脂を、析出した金属とともに共析させた複合金属めっきでもよい。
析出させる金属は、ニッケルNi、金Au、スカンジウムSc、チタンTi、バナジウムV、クロムCr、マンガンMn、鉄Fe、コバルトCo、銅Cu、亜鉛Zn、銀Ag、ロジウムRh、パラジウムPd、イリジウムIr、白金Pt等がある。
金属膜10の上に析出した金属膜30の膜の厚さは、後述するドライエッチングに耐え得る厚さであれば特に限定しない。無電解めっき法の場合、無電解めっき液中の金属イオン濃度、還元剤の活性度、浸漬時間とで略めっきの厚さが決まる。水晶基板1のドライエッチング速度E1(0.5μm/分)と金属膜30のドライエッチング速度E2と水晶基板1のエッチングする深さ又は長さとの関係で決定される。例えば、エッチング深さL(図1(e)参照)の場合、金属膜30の最低厚さT30=(L/E1)×E2となる。具体的には、エッチング深さLが50μmの場合、金属膜30の最低厚さT30=(50/0.5)×E2である。ここで、析出させる金属としてニッケルを用いると、ニッケルのドライエッチング速度は略0.01μm/分なので、金属膜の最低厚さT30は、T30=(50/0.5)×0.01=1μmとなる。したがって、金属膜30の膜の厚さが最低厚さT30以上であれば所望のエッチング深さLを得ることができる。
図1(d)は、製造工程の説明図である。第3の工程(図1(c)参照)によって生成された第3の膜としての金属膜30と金属膜30の下方にある第1の膜としての金属膜10以外の第2の膜としてのフォトレジスト20及びフォトレジスト20の下方にある第1の膜としての金属膜10を化学的に融解して除去する。このとき、金属膜30の厚さも略金属膜10の厚さ程の厚さを減ずることとなるが、金属膜30の厚さが1μmで、金属膜10の厚さが50nm=0.05μmとすると、約20倍のため問題とならない。
また、後述するドライエッチングの代わりにウェットエッチングを行った場合は、それぞれ隣り合う金属膜30の間で、二点鎖線98で示すようにエッチング液が金属膜30の下に回り込みアンダーエッチング現象を発生し製品の品質を著しく損ねてしまう。
図1(e)は、第4の工程としての製造工程の説明図である。この工程は、第1の工程(図1(a)参照)、第2の工程及び図1(d)の工程によって生成された水晶基板1が露出している部分をドライエッチングするものである。ドライエッチングは、ドライエッチング装置(図示せず)の減圧チャンバ内でプラズマ(放電)を発生させ、その減圧チャンバ内部で生成したイオンやラジカル(原子の周りを取り巻く電子のうち、同じ軌道上にひとつしかない電子(不対電子)をいう)を利用して水晶基板1を加工する方法である。本実施例では、水晶基板1の主表面1a又は主表面1b(図1(a)参照)に対して直角にエッチングすることを目的としているため、より直進の良いイオンを主に利用してエッチングしている。
減圧チャンバ内にCF4ガスを継続して供給し、約14MHzの電圧を水晶基板1に印加する。水晶の主成分であるSiO2とCF4プラズマとが反応してSiO2が分解されてエッチングが進行する。SiO2がエッチングされる速度としてのドライエッチング速度E1は略0.5μm/分である。SiO2のエッチングが進行する間に金属膜30もドライエッチングされている。金属膜30にニッケルを用いた場合、金属膜30がエッチングされる速度としてのドライエッチング速度E2は略0.01μm/分である。金属膜30にクロムを用いた場合のドライエッチング速度E2は、略0.02μm/分である。SiO2がエッチングされる速度としてのドライエッチング速度E1と金属膜30がエッチングされる速度としてのドライエッチング速度E2との比率を「選択比」という。この選択比が大きいということは、金属膜30がドライエッチングされる速度が遅く、SiO2を深くエッチングすることができることを表している。逆に、選択比が小さいということは、金属膜30がドライエッチングされる速度が早く、SiO2を深くエッチングすることができないことを表している。本実施例での選択比は、E1/E2=50または25ということになる。図1(e)では、エッチング深さLまでエッチングした場合、金属膜30のドライエッチング前の膜厚T31(金属膜10の膜厚T32を含む)は、金属膜30から金属膜30aへと膜厚が減って、膜厚T31が膜厚T34になっている所を示している。この金属膜30が減った減厚量T33は、T33=L/(E1/E2)で表され、この減厚量T33は、最低厚さT30(図1(c)参照)と等しいため最低厚さT30で表してもよい。
一般に有機物質であるフォトレジストのSiO2に対する選択比は略12以下である。例えば、SiO2を50μmエッチングする必要がある場合、フォトレジストの必要厚さは、4.1μmである。これに対して、選択比が50の金属膜30の必要厚さは、1.0μmである。
ここで、4.1μmのフォトレジストを水晶基板1の上に均一に塗布する方法について説明する。従来、一般的なスピンコートでフォトレジストを塗布した場合、水晶基板1の回転から得られる遠心力を利用しているため、一回に塗布されるフォトレジストの厚さは略0.1μmである。したがって、4.1μmの厚さのフォトレジストを得るためには、略40回の塗布と乾燥を繰り返さなければならない。また、4.1μmのフォトレジスト20を正確な厚さに1回で塗布を行う装置として、スプレーコート装置がある。然しながら、装置価格が大変高価であり廉価な製造方法ではない。本実施例では、エッチングするためのマスク材としてフォトレジストを使用せず、無電解めっきによって金属膜30を形成するためのマスク材として使用している。
また、ドライフイルムレジスト法又は転写印刷法等によりフォトレジストを塗布した場合は、フォトレジストの厚さを比較的厚くすることができるが、SiO2をエッチングするドライエッチングのイオンによって、パターニングされたフォトレジストの端部が早くエッチングされ、図1(e)に示す二点鎖線99のようにエッチングで形成された凹部100の形状が上方に開いた台形形状となってしまう。水晶基板1がエッチングされ水晶振動片50又はジャイロ振動片51になった場合、この二点鎖線99で示すような台形形状によって所望の振動特性が得られずに製造の歩留まりを悪化させていた。また、台形形状となってしまうので、微細化を図ることが困難であった。
また、1.0μmの厚さの金属膜30を周知のDCスパッタ装置等で成膜した場合、パワーを上げて成膜しても30分以上が必要であり廉価な製造方法ではない。これに対し、本実施例は、1.0μmの厚さの金属膜30を得るために無電解めっき法を利用することによって10分以内で成膜することができ、廉価な装置で短時間に製造できる製造方法を実現している。
図2は、本実施例の水晶振動子の製造工程を示したフローチャート図である。第1の工程としてのステップS100では、基板としての水晶基板1の主表面1a又は主表面1bに第1の膜としての金属膜10(図1(a)参照)を前述した方法により生成する。第2の工程としてのステップS101では、ステップS100で生成された第1の膜としての金属膜10の上に、パターン化された第2の膜としてのフォトレジスト20(図1(b)参照)を前述した方法により、水晶基板1(図1参照)のエッチングを所望する領域と同じ領域に対向して生成する。
第3の工程としてのステップS102では、第1の膜としての金属膜10が露出している部位に第3の膜としての金属膜30(図1(c)参照)を前述した無電解めっき法により生成する。ステップS103では、第3の膜としての金属膜30と該金属膜30の下部にある第1の膜としての金属膜10以外の第1の膜としての金属膜10及び第2の膜としてのフォトレジスト20を化学的に融解して除去する(図1(d)参照)。
第4の工程としてのステップS104では、ドライエッチングにより基板としての水晶基板1をエッチングする(図1(e)参照)。ステップS105では、第3の膜としての金属膜30を使用するか否かを判断する。金属膜30を使用しない場合は、ステップS106へ進む。金属膜30をそのまま使用する場合は、工程を終了する。
第5の工程としてのステップS106では、第3の膜としての金属膜30及び第1の膜としての金属膜10を除去する。この場合に、金属膜30を部分的に水晶振動片50、又はジャイロ振動片51の電極として使用する場合は、使用する部分を除く部分の金属膜30及び金属膜10を除去してもよい。
以下、本実施例の効果を記載する。
(1)本実施例によれば、第3の膜としての金属膜30を無電解めっき法により生成することによって、水晶を始めとする圧電素子のドライエッチングに耐えるマスク材を得ることができる。
(2)本実施例によれば、第3の膜としての金属膜30を無電解めっき法により生成することによって、廉価な装置で短時間に製造できる製造方法を提供することができる。
(3)本実施例によれば、無電解めっき法により生成された第3の膜としての金属膜30とドライエッチングとにより、エッチング速度が遅い基板から容易に所望の形状に成形することができる基板の製造方法を提供することができるとともに、この製造方法で製造された水晶振動片50又はジャイロ振動片51を提供することができる。
本発明の他の実施例を図面にしたがって説明する。
図3は、表示装置の表示基板の製造装置の構成を示す模式図である。カラーフィルタとしての表示基板202の製造装置としてのインクジェット装置200は、少なくともインクジェットヘッド210と、インクジェットヘッド移動装置211と、載置台212及び機能液滴固化装置213から成っている。インクジェットヘッド210は、インクジェットヘッド移動装置211によって載置台212に載置されている表示基板202に、複数種の機能液滴203としての赤着色材料液203a、緑着色材料液203b、青着色材料液203cが吐出される。このインクジェットヘッド210からの複数種の機能液滴203の吐出と同期してインクジェットヘッド移動装置211によってインクジェットヘッド210が、載置台212に載置されている表示基板202に対して同図紙面のZ軸方向及びX軸方向に相対位置を変更する。
同図では、インクジェットヘッド移動装置211とインクジェットヘッド210とが係合して相対位置を変更するようになっているが、インクジェットヘッド210を固定してインクジェットヘッド移動装置211が載置台212とインクジェットヘッド210との相対位置を変更してもよい。また、インクジェットヘッド移動装置211を複数設け、それぞれのインクジェットヘッド移動装置211がインクジェットヘッド210と載置台212とを移動し、インクジェットヘッド210と載置台212との相対位置を変更してもよい。
したがって、インクジェットヘッド210から複数種の機能液滴203が吐出され、インクジェットヘッド移動装置211によって載置台212に載置されている表示基板202との相対位置を変更して、表示基板202の上に所望の描画形状(以降、パターンと称す)を得る。複数種の機能液滴203の吐出は、同時に複数種の機能液滴203を吐出してもよいし、複数種の機能液滴203である赤着色材料液203a、緑着色材料液203b、青着色材料液203cを別々に吐出してもよい。
赤着色材料液203a、緑着色材料液203b、青着色材料液203cは、表示装置としてカラー表示するために規則性を有して配列される。
表示基板202が載置されている載置台212は、載置台移動装置(図示せず)によって機能液滴固化装置213の下方に移動し、複数種の機能液滴203は固化される。
図4は、カラーフィルタとしての表示基板202の部分断面図である。表示基板202の表面には、第1の膜としての金属膜310と第3の膜としての金属膜330a,330bが配設されている。第1の膜としての金属膜310の製造方法は、実施例1と同様である。また、第2の膜としてのフォトレジスト20の製造方法は、実施例1と同様である。第3の膜としての金属膜330aは、無電解めっき法によるニッケル−燐合金(Ni−P)又はニッケル−ボロン合金(Ni−B)の金属である。また、第3の膜としての金属膜330bは、弗素樹脂を、析出した金属とともに共析させた複合金属である。この後、実施例1のステップS103(図2参照)と同様に、余分な金属膜310と全てのフォトレジスト20を融解して除去する。
金属膜310、金属膜330a,330bは、方形又は円形を有し表示基板202に配列されている。金属膜310、金属膜330a,330bの側面と表示基板202の表面202aとで囲まれた領域(以降、バンクという)215に対して、赤着色材料液203a、緑着色材料液203b、青着色材料液203cの吐出順番が一定になるように吐出される。
したがって、図4で示すように赤着色材料液203a、緑着色材料液203b、青着色材料液203cがバンク215に対して同じ順番で吐出される。吐出された複数種の機能液滴203は液体のため、バンク215の表面状態により形状が決まる。光吸収特性を略一定にするというカラーフィルタの特性上から、バンク215の容積全てに複数種の機能液滴203を満たす必要がある。
そこで、本実施例では、金属膜330aを無電解めっき法で生成した後に、さらに弗素樹脂を、析出した金属とともに共析させた複合金属である金属膜330bを無電解めっき法で生成する。このことによって、金属膜330bの面は、撥水性を呈するようになる。金属膜330bの面が撥水性を呈すると、インクジェットヘッド210(図3参照)から吐出された複数種の機能液滴203が金属膜330bの面の上に吐出された場合に、バンク215の中に引っ張り込まれるようになり、複数種の機能液滴203がそれぞれのバンク215の容積を満たすようにすることができる。
また、金属膜310、金属膜330a又は金属膜330bは金属のため、表示装置として利用する光を遮断する。したがって、従来は光を遮断する遮断層(以降、ブラックマトリックスという)を専用に造り、そのブラックマトリックスの上にバンクを形成していた。このため、ブラックマトリックスとバンクの位置ズレ等が発生していた。然しながら、本実施例によれば、バンク215を構成する金属膜310、金属膜330a又は金属膜330bがブラックマトリックスの働きを備えているためそのような問題は皆無となった。
以下、本実施例の効果を記載する。
(4)第1の膜としての金属膜310と第3の膜としての金属膜330a又は金属膜330bが、インクジェット装置200によって、吐出された複数種の機能液滴203(赤着色材料液203a、緑着色材料液203b、青着色材料液203c)を納めるバンク215を形成するとともにブラックマトリックスの働きを兼ねることができる。このため、製造工程を短縮するとともに、表示基板202の歩留まりを向上することができる。
前述した実施例1では、圧電振動片の一例として水晶基板1を用いた水晶振動片50又はジャイロ振動片51により説明したが、これに限らず、圧電振動片としては圧電効果を有する材料を用いたものでもよく、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(略称PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO3)などを用いたものでもよい。
前述した実施例2では、表示基板202はカラーフィルタとして説明したが、有機EL表示用の基板、電気泳動表示用の基板、プラズマディスプレイ用の基板、液晶表示用の基板としても同様に適用することができる。
(a)〜(e)は、水晶振動子の製造工程の説明図、(a)は、第1の工程としての製造工程の説明図、(b)は、第2の工程としての製造工程の説明図、(c)は、第3の工程としての製造工程の説明図、(d)は、製造工程の説明図、(e)は、第4の工程としての製造工程の説明図。 本実施例の水晶振動子の製造工程を示したフローチャート図。 表示装置の表示基板の製造装置の構成を示す模式図。 カラーフィルタとしての表示基板202の部分断面図。
符号の説明
1…基板としての水晶基板、1a,1b…主表面、10,310…第1の膜としての金属膜、20…第2の膜としてのフォトレジスト、20a…光官能性樹脂としてのフォトレジスト液、30,330a,330b…第3の膜としての金属膜、30a…金属膜、50…水晶振動片、51…ジャイロ振動片、98,99…二点鎖線、100…凹部、200…表示基板202の製造装置としてのインクジェット装置、202…カラーフィルタとしての表示基板、202a…表面、203…機能液滴、203a…複数種の機能液滴203としての赤着色材料液、203b…複数種の機能液滴203としての緑着色材料液、203c…複数種の機能液滴203としての青着色材料液、210…インクジェットヘッド、211…インクジェットヘッド移動装置、212…載置台、213…機能液滴固化装置、215…バンク、E1…SiO2がエッチングされる速度としてのドライエッチング速度、E2…金属膜30がエッチングされる速度としてのドライエッチング速度、L…エッチング深さ、T30…最低厚さ、T31,T32,T34…膜厚、T33…減厚量。

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板の表面に第1の膜を設ける第1の工程と、
    前記第1の膜上にパターン化された第2の膜を設ける第2の工程と、
    前記第2の膜で被覆されていない前記第1の膜上に第3の膜を設ける第3の工程と
    を備えたことを特徴とする基板の製造方法。
  2. 基板と、
    前記基板の表面に第1の膜を設ける第1の工程と、
    前記第1の膜上にパターン化された第2の膜を設ける第2の工程と、
    前記第2の膜で被覆されていない前記第1の膜上に第3の膜を設ける第3の工程と、
    前記第3の膜をマスクとして、前記基板をドライエッチングする第4の工程と
    を備えたことを特徴とする基板の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の基板の製造方法において、前記基板は、水晶、石英、二酸化珪素、炭化珪素の少なくともいずれかひとつを含むことを特徴とする基板の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の基板の製造方法において、前記第1の膜は、金属膜であることを特徴とする基板の製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の基板の製造方法において、前記第2の膜は、有機材料であることを特徴とする基板の製造方法。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の基板の製造方法において、前記第3の膜は、無電解めっき法による金属膜であることを特徴とする基板の製造方法。
  7. 請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の基板の製造方法によって製造されたことを特徴とする水晶振動片。
  8. 請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の基板の製造方法によって製造されたことを特徴とするジャイロ振動片。
  9. 請求項1、請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の基板の製造方法によって製造されたことを特徴とする表示用基板。
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