JP2007095388A - 燃料電池用金属セパレータの製造方法、製造装置、および燃料電池用金属セパレータ - Google Patents

燃料電池用金属セパレータの製造方法、製造装置、および燃料電池用金属セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】接触抵抗が低く、耐食性に優れ、かつ、低コストの燃料電池用セパレータを提供する。
【解決手段】金属製の基材41を厚み方向に沿う両側から一対の拘束部材60によって挟み込み、基材の変形を抑えながら基材を熱処理して、燃料電池用金属セパレータを製造する。一対の拘束部材60のそれぞれは,基材41に接触する接触部61と,機材41に接触せず基材41に対する熱処理を許容する非接触部62と,を有している。接触部61が基材41に接触することによって基材41の表面を拘束し,基材41の変形を抑えている。接触部61が基材41に接触する部位は,外部に臨み難いので,熱処理が抑制されることになる。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池用金属セパレータの製造方法、製造装置、および燃料電池用金属セパレータに関する。
燃料電池スタックに使用され、金属製の基材を適用した燃料電池用金属セパレータには、各単セル間を電気的に接続するために電気伝導性が良好であることと、優れた耐食性を有することとが要求される。
そこで、特許文献1には、金属製の基材としてのステンレス鋼をプレス成形して流路を形成し、基材表面のうち電極と接触する面に金メッキ層を直接形成した燃料電池用金属セパレータが提案されている。
特許文献2には、金属製の基材としてのステンレス鋼をプレス成形して流路を形成し、基材表面のうち他の部材と接触して接触抵抗を生じる面の不動態皮膜を除去して貴金属または貴金属合金を付着させた燃料電池用金属セパレータが提案されている。
特開平10−228914号公報(第2頁、第2図) 特開2001−6713号公報(第2頁)
しかしながら、貴金属を燃料電池用セパレータ表面にコーティングさせると素材コストがかかる。このため、接触抵抗が低く、耐食性に優れ、かつ、低コストの燃料電池用セパレータの提供が要請されている。
本発明の目的は、上記要請に応え得る、燃料電池用金属セパレータの製造方法、燃料電池用金属セパレータの製造装置、および、燃料電池用金属セパレータを提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の本発明は、金属製の基材を厚み方向に沿う両側から一対の拘束部材によって挟み込み、前記基材の変形を抑えながら前記基材を熱処理する燃料電池用金属セパレータの製造方法である。
上記目的を達成する請求項9に記載の本発明は、金属製の基材を熱処理する熱処理部と、
前記基材を厚み方向に沿う両側から挟み込んで熱処理に伴う基材の変形を抑える一対の拘束部材と、を有する燃料電池用金属セパレータの製造装置である。
上記目的を達成する請求項10に記載の本発明は、金属製の基材に熱処理が施された熱処理部分と、熱処理が抑制された熱処理抑制部分とが所定パターンで混在し、前記熱処理部分の総面積は、前記熱処理抑制部分の総面積よりも大きい燃料電池用金属セパレータである。
本発明によれば、接触抵抗が低く、耐食性に優れ、かつ、低コストの燃料電池用セパレータを提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、理解を容易にするために、図面には各構成要素が誇張して示されている。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る燃料電池用金属セパレータを用いて構成した燃料電池スタック1を示す斜視図、図2は、燃料電池スタック1の積層構造の一部を示す要部拡大断面図である。
図1を参照して、燃料電池スタック1は、燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(酸素)との反応により起電力を生じる単セル2を所定数だけ積層した積層体3を有している。積層体3の両端のそれぞれに、集電板4、絶縁板5およびエンドプレート6を配置し、これらを、タイロッドボルト7により締結することによって、燃料電池スタック1を構成する。燃料電池スタック1内部において燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水のそれぞれを流通させるために、一方のエンドプレート6に、燃料ガス導入口8、燃料ガス排出口9、酸化剤ガス導入口10、酸化剤ガス排出口11、冷却水導入口12、および冷却水排出口13を形成している。
図2を参照して、単セル2は、膜電極接合体20と、膜電極接合体20の両面のそれぞれに配置される燃料電池用金属セパレータ30(以下、単に「金属セパレータ30」ともいう)とから構成されている。
膜電極接合体20は、固体高分子電解質膜21と、固体高分子電解質膜21の両面のうち一方の面に設けられる燃料極22と、固体高分子電解質膜21の他方の面に設けられる空気極23とを有し、固体高分子電解質膜21を、その両側から、燃料極22と空気極23とによって挟み込んだ積層構造を有している。固体高分子電解質膜21としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体膜(商品名;ナフイオン1128(登録商標)、デュポン株式会社)などを使用することができる。燃料極22および空気極23のそれぞれは、触媒層およびガス拡散層を含んでいる。
金属セパレータ30は、流路溝を形成するために、凹凸形状を有している。膜電極接合体20の両面のそれぞれに金属セパレータ30を配置することにより、燃料ガスを流通させるための燃料ガス流路31、酸化剤ガスを流通させるための酸化剤ガス流路32、および冷却水を流通させるための冷却水流路33を形成している。金属セパレータ30の流路は、金属製の基材をプレス成形することにより形成している。燃料ガスは、燃料ガス導入口8から導入され、金属セパレータ30の燃料ガス流路31を流れ、燃料ガス排出口9から排出される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス導入口10から導入され、金属セパレータ30の酸化剤ガス流路32を流れ、酸化剤ガス排出口11から排出される。冷却水は、冷却水導入口12から導入され、金属セパレータ30の冷却水流路33を流れ、冷却水排出口13から排出される。
金属セパレータ30の板厚は、ひじょうに薄肉(例えば、0.2mm以下)である。このように金属セパレータ30を薄肉に形成する理由は、電気抵抗をできるだけ小さくし、燃料電池の性能評価の1つの指標である出力密度(「起電力/単位容積」と定義される)を高めるためである。
本実施形態に係る金属セパレータ30は、金属、例えば、ステンレス鋼を基材としている。ステンレス鋼は耐食性を備える不動態皮膜が表面に形成されているが、この不動態皮膜は、導電性という点ではマイナス要因となる。そこで、本実施形態では、金属セパレータ30を構成するステンレス鋼に対して、導電性を高めるための熱処理を行うようにしている。この熱処理は、流路を形成するためのプレス成形の前に行ったり、これとは逆に、プレス成形の後に行ったりすることができる。
薄肉の金属製の基材は、導電性を高めるための熱処理時に変形し易い。このため、プレス成形の前に熱処理を行うと、熱処理時に金属製の基材が変形し、プレス成形により流路を十分に形成できなかったり、プレス成形装置に基材を搬入できなかったりする。一方、プレス成形の後に熱処理を行うと、熱処理時に金属製の基材が変形し、すでに形成した流路が変形するので、積層できなかったり、シール性の低下を招いたり、接触する部分が少なくなることによって接触抵抗が増加して発電性能の低下を招いたりする。
これら不具合の発生を抑えるため、本実施形態では、金属製の基材を厚み方向に沿う両側から一対の拘束部材によって挟み込み、基材の変形を抑えながら基材を熱処理している。
図3は、本発明に係る燃料電池用金属セパレータ30の製造装置40を示す概略構成図、図4(A)は、拘束部材60の一例を示す図、図4(B)は、図4(A)に示される一対の拘束部材60により、基材41を厚み方向に沿う両側から挟み込んだ状態を示す拡大断面図である。
図3および図4(A)(B)を参照して、燃料電池用金属セパレータ30の製造装置40は、概説すると、金属製の基材41を熱処理する熱処理部50と、基材41を厚み方向に沿う両側から挟み込んで熱処理に伴う基材41の変形を抑える一対の拘束部材60と、を有する。
導電性を高めるための熱処理は、基材41の種類などによって適宜選択することができ、イオン窒化、ガス窒化、ガス軟窒化、塩浴、溶体化処理、焼きなまし、各種浸炭、浸炭窒化、WPCなどを選択できる。本実施形態では、熱処理として、基材41表面に窒化化合物層を形成する窒化処理を例に挙げて説明する。
前記熱処理部50は、イオン窒化炉から構成されている。イオン窒化炉は、密閉された炉体51を陽極とし、炉体51内に装入された被処理物としての金属製の基材41を陰極とし、炉体51と基材41との間で真空下においてグロー放電を生起させる。イオン窒化炉は、炉体51内を真空パージするための排気系52と、窒素、水素などの混合ガスを炉体51内に導入するためにガス供給系53と、炉体51と基材41との間に直流電圧を印加してグロー放電を生起させる直流電源54と、炉体51内のガス圧力を検出するセンサ55と、炉体51内部の観察を可能とする観察窓56とを有する。観察窓56の延長上には、炉体51内部に収容された基材41より放射される赤外線を集めて検出し、基材41の温度を測定する赤外線放射温度計57が設けられている。図示するイオン窒化炉は、グロー放電による自熱方式によって基材41を加熱しているが、グロー放電中に基材41を加熱するために、電気ヒータなどを設けてもよい。図中符号58は、イオン窒化炉の作動の制御を司るコントローラを示し、符号59a、59bは冷却水の供給口、排出口をそれぞれ示している。
前記一対の拘束部材60のそれぞれは、基材41に接触する接触部61と、基材41に接触せず基材41に対する熱処理を許容する非接触部62と、を有している。接触部61が基材41に接触することによって基材41の表面を拘束し、基材41の変形を抑えている。接触部61が基材41に接触する部位は、外部に臨み難いので、熱処理が抑制されることになる。
本実施形態の拘束部材60は、図4(A)(B)に示すように、金属製の線材65からなる網部材66と、網部材66の周囲を支持する金属製の枠部材67とを有している。この拘束部材60にあっては、接触部61は、線材65が基材41に接触する部分65aから構成され、点状の所定パターンで配置され、基材41に点接触している。また、非接触部62は、線材65により4辺が区画される矩形状の開放空間68および線材65と基材41との間の隙間Sから構成され、この非接触部62を通して、基材41に対する熱処理が施される。拘束部材60は、基材41と同材質、本実施形態ではステンレス鋼から形成されている。網部材66のメッシュの大きさは適宜選択できるが、接触部61の総面積は、非接触部62の総面積よりも小さいことが望ましい。基材41に対する熱処理を均一に行うことが可能となるからである。
図5(A)(B)は、燃料電池用金属セパレータ30の製造工程を示すフロー図である。
導電性を高めるための熱処理は、前述したように、流路を形成するためのプレス成形の前に行ったり、これとは逆に、プレス成形の後に行ったりすることができる。
図5(A)に示される工程フローでは、まず、金属製の基材41に対して熱処理(窒化処理)を行い、その後に、流路を形成するためのプレス成形を行い、製品としての金属セパレータ30を得ている。ここで、金属製の基材41を厚み方向に沿う両側から一対の拘束部材60によって挟み込み、基材41の変形を抑えながら基材41を熱処理している。このため、プレス成形の前に熱処理を行っても、熱処理時に基材41が変形しないので、プレス成形により流路を所望のとおりに形成でき、プレス成形装置に基材41を搬入できない事態も生じない。
一方、図5(B)に示される工程フローでは、まず、流路を形成するためのプレス成形を行い、その後に、金属製の基材41に対して熱処理(窒化処理)を行い、製品としての燃料電池用金属セパレータ30を得ている。ここでも、金属製の基材41を厚み方向に沿う両側から一対の拘束部材60によって挟み込み、基材41の変形を抑えながら基材41を熱処理している。このため、プレス成形の後に熱処理を行っても、熱処理時に基材41が変形しないので、すでに形成した流路が変形せず、所望のとおりに金属セパレータ30を積層でき、シール性の低下を招かない。また、接触抵抗が増加せず、発電性能の低下を招くこともない。
いずれの工程を経ても、基材41は一対の拘束部材60によって挟み込まれて変形が抑えられていることから、材料の歩留まりが向上し、生産性も向上する。
また、いずれの工程を経ても、拘束部材60の接触部61が基材41に接触しているので、製品としての金属セパレータ30は、基材41に熱処理が施された熱処理部分(非接触部62に臨む部分)と、熱処理が抑制された熱処理抑制部分(接触部61が接触する部分)とが点状の所定パターンで混在し、熱処理部分の総面積は、熱処理抑制部分の総面積よりも大きくなる。熱処理抑制部分つまり無垢部分は、基材41であるステンレス鋼の不動態度膜が残存するため、耐食性が低下することはない。また、拘束部材60の接触部61の総面積は、非接触部62の総面積よりも小さいことから、熱処理部分の総面積が熱処理抑制部分の総面積よりも大きく、金属セパレータ30全体として見れば、接触抵抗が低くなって導電性が高められている。
本実施形態の金属セパレータ30は、ステンレス鋼を基材41として用いており、熱処理としての窒化処理により、基材41表面に窒化化合物層が形成されている。このため、窒化化合物層が酸性雰囲気での耐食性に寄与し、かつ、燃料電池として通常使用されるカーボンペーパとの間の接触抵抗を低く抑えることが可能となる。また、従来のように、電極と接触する面に直接金メッキ層を響さなくても接触抵抗を抑えることができるため、低コスト化を実現することが可能となる。
上記窒化化合物層は、窒化化合物層中に含まれるFe(鉄)に対するCr(クロム)の原子比が、基材41中に含まれるFeに対するCrの原子比よりも小さいものであることが好ましい。窒化化合物層中のFeに対するCr原子比が基材41のFeに対するCr原子比よりも高い場合には、窒素が基材41のCrと結びついてNaCl型の結晶構造を有するCrNなどのCr系窒化物が析出するため基材41にCrの欠乏層ができ、耐食性は低下する。これに対し、窒化化合物層中に含まれるFe対するCrの原子比が基材41のFeに対するCrの原子比よりも低い場合には、Cr系窒化物が析出することがないため、基材41に含まれる耐食性に有効なCrが減少せずに窒化後も金属セパレータ30の耐食性が保たれ、強酸性雰囲気における耐食性が一段と優れたものになる。
上記窒化化合物層は、より具体的には、Fe(鉄)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Mo(モリブデン)の群から選ばれる少なくとも一種以上の金属原子によって形成された面心立方格子または面心正方格子の八面体空隙にN原子が配置された結晶構造を有することが好ましい。この場合には、pH2〜3の強酸性雰囲気における耐食性を一段と優れたものとし、かつ、カーボンペーパとの間の接触抵抗を低く押さえることが可能となる。
窒化化合物層の基材41の厚さに対する比は、1/200〜1/10であり、具体的には、基材41の板厚が0.1[mm]の場合には、窒化化合物層の厚さは基材41表面に厚さ0.5〜10[μm]の範囲で形成されていることが好ましい。この場合には、強酸性雰囲気における耐食性に優れ、かつ、カーボンペーパとの間の接触抵抗を低く押さえることが可能となる。
窒化化合物層の厚さが0.5[μm]を下回る場合には、窒化化合物層と基材41との間に亀裂が発生したり、窒化化合物層と基材41との密着強度が不足することにより長時間使用すると窒化化合物層が基材41との界面から剥がれ易くなったりするため、充分な耐食性が得られない。また、窒化化合物層の厚さが10[μm]を上回る場合には、窒化化合物層の厚さの増大とともに窒化化合物層内の応力が過大になって窒化化合物層に亀裂が発生し、金属セパレータ30に孔食が発生し易くなり、耐食性の向上に寄与しにくくなる。
このように、上記した構成を採用したことにより、本発明に係る燃料電池用セパレータは耐食性に優れている。そして、低コストで生産性が良好であるとともに、隣接する電極の構成材料との接触電気抵抗が低く、燃料電池の発電性能の良い金属セパレータ30を得ることが可能となる。また、本発明に係る燃料電池用金属セパレータ30を用いた燃料電池スタック1は、発電性能を損なうことなく高い発電効率を維持できるとともに、小型化および低コスト化を実現することが可能となる。
熱処理としての窒化処理についてさらに説明する。
ステンレス鋼からなる基材41を500[℃]以下の温度で窒化処理を施すことにより、基材41表面にFe、Cr、Ni、Moの群から選ばれる少なくとも一種以上の金属原子によって形成された面心立方格子または面心正方格子の八面体空隙にN原子が配置された結晶構造を有する窒化化合物層を形成することが好ましい。
ステンレス鋼の表面に高温で窒化処理を施すと、窒素が基材41中のCrと結びつき、NaCl型の結晶構造を有するCrN等の窒化物を析出するために金属セパレータ30の耐食性が低下する。これに対し、500[℃]以下の温度で窒化処理を施すと基材41表面にはNaCl型の結晶構造を有するCrN等の窒化化合物ではなく、Fe、Cr、Ni、Moの群から選ばれる少なくとも一種以上の金属原子によって形成された面心立方格子または面心正方格子の八面体空隙にN原子が配置された結晶構造が形成される。この結晶構造は、窒化化合物層の中でも特に耐食性に富むため、500[℃]以下の低温で窒化処理を施すことにより金属セパレータ30の耐食性が向上する。また、セパレータと隣接する電極の構成材料との接触抵抗を低く抑えることができ、燃料電池の発電効率を維持でき、優れた耐久信頼性を有する金属セパレータ30を低コストにより得ることができる。
なお、窒化温度が350[℃]を下回る場合には、この結晶構造を有する窒化化合物層を得るためには長時間の処理を必要とするために生産性が悪化する。このため、窒化処理は350〜500[℃]で行うのが好ましい。
また、窒化処理は、イオン窒化法であることが好ましい。窒化処理にはガス窒化法、ガス軟窒化法、塩浴法、イオン窒化法などを利用することが可能である。窒化処理のうち、イオン窒化法は、被処理物を陰極とし、直流電圧を印加して発生するグロー放電によって窒素ガスをイオン化し、イオン化した窒素が被処理物の表面へ高速加速衝突することで窒化する方法である。イオン窒化法では、イオン衝撃によるスパッタリング作用により被処理物であるステンレス鋼表面の不動態度膜を容易に除去するためステンレス鋼に適した窒化方法であり、かつ、非平衡反応によって基材41中に窒素イオンを浸透させるために、上記結晶構造を短時間で容易に得ることができ、耐食性が向上する。
(拘束部材60の変形例)
拘束部材60の構造は、熱処理時に基材41表面を拘束して、基材41の変形を抑え得る限りにおいて、適宜改変することができる。
図6は、他の実施形態に係る一対の拘束部材60により、基材41を厚み方向に沿う両側から挟み込んだ状態を示す拡大断面図である。
図6に示される拘束部材60は、ベース部材71と、ベース部材71から突出する針状部材72とを有している。この拘束部材60にあっては、接触部61は針状部材72の先端72aから構成され、点状の所定パターンで配置され、基材41に点接触している。また、非接触部62は、ベース部材71に形成した通孔(図示せず)およびベース部材71と基材41との間の隙間Sから構成され、この非接触部62を通して、基材41に対する熱処理が施される。製品としての金属セパレータ30は、基材41に熱処理が施された熱処理部分(非接触部62に臨む部分)と、熱処理が抑制された熱処理抑制部分(接触部61が接触する部分)とが点状の所定パターンで混在し、熱処理部分の総面積は、熱処理抑制部分の総面積よりも大きくなる。
図7(A)は、さらに他の実施形態に係る拘束部材60を示す図、図7(B)は、さらに他の実施形態に係る拘束部材60を示す図である。
拘束部材60の接触部61は、点状の所定パターンで配置されている場合に限られず、格子状または矩形状の所定パターンで配置されていてもよい。
図7(A)に示される拘束部材60は、接触部61を格子状の所定パターンで配置したものである。この拘束部材60は、網部材66を備える拘束部材60と形状が類似しており、金属板に矩形形状の窓部73を多数打ち抜いたパンチングメタル74から構成されている。この拘束部材60にあっては、接触部61は残存する金属板の部分から構成され、格子状に配置され、基材41に面接触している。また、非接触部62は、窓部73から構成され、この窓部73を通して、基材41に対する熱処理が施される。製品としての金属セパレータ30は、基材41に熱処理が施された熱処理部分(非接触部62に臨む部分)と、熱処理が抑制された熱処理抑制部分(接触部61が接触する部分)とが格子状の所定パターンで混在し、熱処理部分の総面積は、熱処理抑制部分の総面積よりも大きくなる。
図7(B)に示される拘束部材60は、接触部61を矩形状の所定パターンで配置したものである。この拘束部材60は、金属板に長方形状のスリット75を多数打ち抜いたパンチングメタル76から構成されている。この拘束部材60にあっては、接触部61は残存する金属板の部分から構成され、矩形状に配置され、基材41に面接触している。また、非接触部62は、スリット75から構成され、このスリット75を通して、基材41に対する熱処理が施される。製品としての金属セパレータ30は、基材41に熱処理が施された熱処理部分(非接触部62に臨む部分)と、熱処理が抑制された熱処理抑制部分(接触部61が接触する部分)とが矩形状の所定パターンで混在し、熱処理部分の総面積は、熱処理抑制部分の総面積よりも大きくなる。
拘束部材60の接触部61は、点状、格子状または矩形状の所定パターンで配置されている場合に限られず、その他の形状に配置することもできる。例えば、金属板に切れ目を入れて広げてなるエクスパンドメタルから拘束部材60を構成してもよい。この場合には、非接触部62をなす開放空間は略菱形形状を呈し、クロス形状に残存する金属板の部分が接触部61を構成することになる。
また、拘束部材60の接触部61を均等に配置する場合のほか、接触部61を「粗」に配置する領域と、接触部61を「密」に配置する領域とを設けることもできる。
図8は、さらに他の実施形態に係る一対の拘束部材60により、基材41を厚み方向に沿う両側から挟み込んだ状態を示す拡大断面図である。
金属セパレータ30のうち接触抵抗の低減が要求される部分は、電極に接触したり、金属セパレータ30同士が接触したりする「山」の頂面であり、流路となる部位については接触抵抗の低減は要求されない。したがって、拘束部材60は、基材41のうち流路となる部位の基材41表面を拘束して、基材41の変形を抑えるのが好ましい。
図8に示す拘束部材60は、この点を考慮したものであり、この拘束部材60の接触部61は、基材41のうち流路となる部位に接触することを特徴としている。接触部61は、流路の全部に接触する必要は必ずしもなく、基材41の変形を抑え得る限りにおいて、流路の一部に接触していれば足りる。拘束部材60は、ベース部材77と、ベース部材77から突出し流路に嵌まり込む凸部78とを有している。この拘束部材60にあっては、接触部61は凸部78から構成され、基材41の流路に面接触している。また、非接触部62は、ベース部材77に形成した窓部79から構成され、この窓部79を通して、「山」の頂面に対する熱処理が施される。製品としての金属セパレータ30は、基材41に熱処理が施された熱処理部分(非接触部62に臨む部分)と、熱処理が抑制された熱処理抑制部分(接触部61が接触する部分)とが所定パターンで混在する。また、接触抵抗の低減が要求される部分である「山」の頂面に関しては、熱処理部分の総面積は、熱処理抑制部分の総面積よりも大きい。
なお、図8には、流路を形成するためのプレス成形が既に行われた基材41が示されているが、プレス成形を熱処理の後に行う場合であっても、基材41に対する拘束部材60の位置合わせを行うことによって、拘束部材60の接触部61を、基材41のうち流路となる部位に接触させることができる。
本発明に係る燃料電池用金属セパレータを用いて構成した燃料電池スタックを示す斜視図である。 燃料電池スタックの積層構造の一部を示す要部拡大断面図である。 本発明に係る燃料電池用金属セパレータの製造装置を示す概略構成図である。 図4(A)は、拘束部材の一例を示す図、図4(B)は、図4(A)に示される一対の拘束部材により、基材を厚み方向に沿う両側から挟み込んだ状態を示す拡大断面図である。 図5(A)(B)は、燃料電池用金属セパレータの製造工程を示すフロー図である。 他の実施形態に係る一対の拘束部材により、基材を厚み方向に沿う両側から挟み込んだ状態を示す拡大断面図である。 図7(A)は、さらに他の実施形態に係る拘束部材を示す図、図7(B)は、さらに他の実施形態に係る拘束部材を示す図である。 さらに他の実施形態に係る一対の拘束部材により、基材を厚み方向に沿う両側から挟み込んだ状態を示す拡大断面図である。
符号の説明
30 燃料電池用金属セパレータ、
40 燃料電池用金属セパレータの製造装置、
41 金属製の基材、
50 熱処理部、
60 拘束部材、
61 接触部、
62 非接触部。

Claims (10)

  1. 金属製の基材を厚み方向に沿う両側から一対の拘束部材によって挟み込み、前記基材の変形を抑えながら前記基材を熱処理する燃料電池用金属セパレータの製造方法。
  2. 前記拘束部材のそれぞれは、前記基材に接触する接触部と、前記基材に接触せず前記基材に対する熱処理を許容する非接触部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用金属セパレータの製造方法。
  3. 前記拘束部材の前記接触部は、点状、格子状または矩形状の所定パターンで配置されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用金属セパレータの製造方法。
  4. 前記拘束部材の前記接触部は、前記基材のうち流路となる部位に接触することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用金属セパレータの製造方法。
  5. 前記接触部の総面積は、前記非接触部の総面積よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用金属セパレータの製造方法。
  6. 前記基材に流路を成形する前に、熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用金属セパレータの製造方法。
  7. 前記基材に流路を成形した後に、熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用金属セパレータの製造方法。
  8. 前記熱処理は、前記基材表面に窒化化合物層を形成する窒化処理である請求項1に記載の燃料電池用金属セパレータの製造方法。
  9. 金属製の基材を熱処理する熱処理部と、
    前記基材を厚み方向に沿う両側から挟み込んで熱処理に伴う基材の変形を抑える一対の拘束部材と、を有する燃料電池用金属セパレータの製造装置。
  10. 金属製の基材に熱処理が施された熱処理部分と、熱処理が抑制された熱処理抑制部分とが所定パターンで混在し、前記熱処理部分の総面積は、前記熱処理抑制部分の総面積よりも大きい燃料電池用金属セパレータ。
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