以下、本発明に係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の情報処理システムとしてのナビゲーションシステムであって、移動体である例えば車両の移動状況としての走行を案内誘導したり、車両が走行中の領域における現在の渋滞状況に関する情報および車両から離間した領域における渋滞状況の予測に関する情報を報知したりする構成を例示して説明する。なお、本発明の情報処理システムとしては、車両の走行を案内誘導する構成に限らず、いずれの移動体の交通状況を報知する構成が対象となる。図1は、本実施の形態におけるナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。図2は、配信情報を配信可能な領域を示す模式図である。図3は、現在渋滞情報の概略構成を示す模式図である。図4は、渋滞予測情報データベースの概略構成を示す模式図である。図5は、配信情報の概略構成を示す模式図である。図6は、配信情報を構成する可能領域現在情報の概略構成を示す模式図である。図7は、配信情報を構成する可能領域5分後情報の概略構成を示す模式図である。図8は、配信情報を構成する不可能隣接領域60分後情報の概略構成を示す模式図である。図9は、サーバ装置を構成するCPUの概略構成を示すブロック図である。図10は、地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図11は、地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図12は、端末装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。
〔ナビゲーションシステムの構成〕
図1において、100はナビゲーションシステムである。このナビゲーションシステム100は、例えば車両や航空機、船舶などの移動体の移動の状態に対応して案内を報知したり、現在の渋滞状況や渋滞状況の予測に関する情報を報知したりするシステムである。そして、ナビゲーションシステム100は、情報処理装置としての少なくとも1つのサーバ装置200P(Pは自然数)と、少なくとも1つの端末装置300Q(Qは自然数)と、を備えている。なお、渋滞状況が、本発明の移動体の移動に影響を及ぼす要因、および、交通状況に対応する。
サーバ装置200Pは、放送波HP(Pは自然数)を利用して、渋滞に関する後述する配信情報を端末装置300Qに配信する。また、サーバ装置200Pは、気象庁や警視庁などの各種官庁、民間団体、企業などの各種機関に設置された図示しないサーバなどから、図示しないネットワークを介して各種情報を取得可能となっている。この取得する情報としては、例えば気象情報や、ガソリンスタンドや飲食店などの各種店舗に関する店舗情報など、車両の移動に関する情報、すなわち車両の移動の際に利用される各種の移動関連情報が例示できる。そして、サーバ装置200Pは、放送波出力部210と、交通情報受信部220と、入力部230と、表示部240と、渋滞予測情報データベース250と、サーバメモリ260と、演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)270と、などを備えている。
放送波出力部210には、放送波出力アンテナ211が接続されている。この放送波出力部210は、固有の周波数の放送波HP(Pは自然数)を放送波出力アンテナ211から出力させて、この放送波HPを受信可能な領域に存在する端末装置300Qに受信させ、受信不可能な領域に存在する端末装置300Qに受信させない。すなわち、図2に示すように、領域Aに存在するサーバ装置2001の放送波出力部210は、放送波H1を受信可能な領域Aに位置する車両1の端末装置3001に受信させ、受信不可能な領域B、C,D,Eに存在する端末装置300Qに受信させない。また、領域Bに存在するサーバ装置2002の放送波出力部210は、放送波H2を受信可能な領域Bに位置する端末装置300Qに受信させ、受信不可能な領域A,C,D,Eに存在する端末装置300Qに受信させない。
なお、以下において、放送波HPを受信可能な領域をサーバ装置200Pの受信可能領域と、この受信可能領域に隣接し放送波HPを受信不可能な領域をサーバ装置200Pの受信不可能領域としての受信不可能隣接領域と称して説明する。すなわち、例えば領域Aをサーバ装置2001の受信可能領域Aと、領域B,C,D,Eをサーバ装置2001の受信不可能隣接領域B,C,D,Eと称する。また、領域Bをサーバ装置2002の受信可能領域Bと、領域A,C,Dをサーバ装置2002の受信不可能隣接領域A,C,Dと称する。また、放送波HPを受信不可能とは、放送波HPを全く受信できない状態を意味するものではなく、放送波HPの受信レベルが所定のレベルよりも低い旨を意味する。
交通情報受信部220は、道路の交通状態、例えば渋滞や交通規制などに関する交通情報を受信する。この交通情報受信部220としては、例えば日本にて開発されて利用されているVICS(Vehicle Information Communication System:道路交通情報通信システム(登録商標))受信装置などが利用できる。このVICS受信装置を用いたこの交通情報受信部220は、図示しないVICSアンテナを有し、このVICSアンテナにより例えば図3に示すような現在渋滞情報500などを受信する。そして、取得した現在渋滞情報500などをCPU270に出力する。
ここで、現在渋滞情報500は、所定の領域で現在発生している渋滞に関する情報である。この現在渋滞情報500は、現在要因情報としての少なくとも1つのリンク別現在渋滞情報510が1つのデータ構造として構成されている。
リンク別現在渋滞情報510は、リンクL(図11参照)別の現在発生している渋滞に関する情報である。そして、リンク別現在渋滞情報510は、エリアID情報511と、リンクID情報512と、現在日時情報513と、現在渋滞状況情報514と、を備えている。
エリアID情報511は、リンクLが存在する領域を表示させるための後述する表示用メッシュ情報VMxに付与された固有の記号や番号(以下、メッシュコードと称す)を示す情報である。なお、図3では、各領域を識別しやすくするために、領域A,Bなどを表すアルファベットを示している。
リンクID情報512は、リンクLに付与された固有の番号(以下、リンクIDと称す)を示す情報である。
現在日時情報513は、渋滞が発生している年月日と、時刻と、に関する情報である。
現在渋滞状況情報514は、現在発生している渋滞の具体的な状況に関する情報である。この現在渋滞状況情報514は、現在渋滞度情報514Aと、現在渋滞長情報514Bと、現在リンク旅行時間情報514Cと、を備えている。現在渋滞度情報514Aは、現在の渋滞の度合いを示す情報である。具体的には、渋滞していない状態である「渋滞なし」、渋滞している状態である「渋滞」、渋滞なしおよび渋滞の間の状態である「混雑」を示すフラグ情報である。現在渋滞長情報514Bは、現在の渋滞の長さを示す情報である。現在リンク旅行時間情報514Cは、リンクID情報512で表されるリンクLの通過に要する時間を示す情報である。
入力部230は、例えばキーボードやマウスなどで、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。これら操作ボタンや操作つまみなどの入力操作は、サーバ装置200Pの動作内容の設定や、渋滞予測情報データベース250の情報の設定入力や更新、などの設定事項の設定入力である。そして、入力部230は、設定事項の入力操作により、設定事項に対応する信号をCPU270へ適宜出力して設定入力させる。なお、入力操作としては、操作ボタンや操作つまみなどの操作に限らず、例えば表示部240に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作などにより、各種設定事項を設定入力する構成としてもできる。
表示部240は、CPU270にて制御されCPU270からの画像データの信号を画面表示させる。この表示部240としては、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。また、この表示部240に表示させる画像データとしては、サーバメモリ260からの画像データやネットワークを介して外部のサーバから取得した画像データなどが例示できる。
渋滞予測情報データベース250は、過去の交通状況を時間的要素にて統計処理した統計交通情報で、過去の交通状況に基づく渋滞状況の予測に関する情報のデータベースである。この渋滞予測情報データベース250は、図4に示すように、不可能領域要因予測情報および可能領域要因予測情報としての少なくとも1つのリンク別渋滞予測情報251が1つのデータ構造として構成されている。
リンク別渋滞予測情報251は、各日付や曜日の分類(以下、日付分類と称す)および各時刻におけるリンクL別の渋滞状況の予測に関する情報である。そして、リンク別渋滞予測情報251は、エリアID情報251Aと、リンクID情報251Bと、日付分類情報251Cと、予測時刻情報251Dと、予測渋滞状況情報251Eと、を備えている。
エリアID情報251AおよびリンクID情報251Bは、現在渋滞情報500のエリアID情報511およびリンクID情報512とそれぞれ同様の情報である。
日付分類情報251Cは、日付分類を示す情報である。この日付分類情報251Cで示される日付分類としては、平日、土曜日、日曜日、祝日、長期休暇、年末、年始、などが例示できる。
予測時刻情報251Dは、リンク別渋滞予測情報251で示される渋滞状況の発生予測時刻を表す情報である。
予測渋滞状況情報251Eは、発生が予測される渋滞の具体的な状況に関する情報である。この予測渋滞状況情報251Eは、予測渋滞度情報251E1と、予測渋滞長情報251E2と、予測リンク旅行時間情報251E3と、を備えている。これら予測渋滞度情報251E1、予測渋滞長情報251E2、予測リンク旅行時間情報251E3は、現在渋滞情報500の現在渋滞度情報514A、現在渋滞長情報514B、現在リンク旅行時間情報514Cとそれぞれ同様の情報である。
サーバメモリ260は、例えば図5に示すような配信情報600を適宜読み出し可能に記憶する。また、サーバメモリ260は、外部のサーバなどから受信した各種情報を適宜に読み出し可能に記憶する。このサーバメモリ260としては、HD(Hard Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。なお、格納する情報として例えば入力部230の入力操作により入力された情報をも記憶可能で、入力操作により格納された情報の内容が適宜更新可能となっている。また、サーバメモリ260には、サーバ装置200Pを動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどをも情報として記憶している。
ここで、配信情報600は、CPU270により例えば所定間隔、例えば30分間隔で生成され、受信可能領域に位置する端末装置300Qに配信される。この配信情報600は、可能領域現在情報610と、可能領域予測情報620と、少なくとも1つの不可能隣接領域予測情報630と、を備えている。
可能領域現在情報610は、受信可能領域における現在の渋滞状況に関する情報である。この可能領域現在情報610は、図6に示すように、少なくとも1つのリンク別現在情報611を備えている。
リンク別現在情報611は、受信可能領域に存在するリンクL別の現在の渋滞状況に関する情報である。このリンク別現在情報611は、エリアID情報611Aと、リンクID情報611Bと、現在日時情報611Cと、現在渋滞状況情報611Dと、を備えている。これらエリアID情報611A、リンクID情報611B、現在日時情報611C、現在渋滞状況情報611Dには、CPU270により選出されたリンク別現在渋滞情報510のエリアID情報511、リンクID情報512、現在日時情報513、現在渋滞状況情報514のそれぞれの内容が記載されている。
すなわち、エリアID情報611Aには、受信可能領域のメッシュコードが記載されている。リンクID情報611Bには、受信可能領域に存在するリンクLのリンクIDが記載されている。現在日時情報611Cには、現在の年月日と、時刻と、が記載されている。現在渋滞状況情報611Dは、現在渋滞度情報611D1と、現在渋滞長情報611D2と、現在リンク旅行時間情報611D3と、を備えている。
可能領域予測情報620は、受信可能領域における渋滞予測に関する情報である。この可能領域予測情報620は、可能領域5分後情報621と、可能領域10分後情報622と、可能領域20分後情報623と、可能領域30分後情報624と、可能領域60分後情報625と、可能領域90分後情報626と、可能領域120分後情報627と、を備えている。なお、可能領域5,10,20,30,60,90,120分後情報621〜627は同様の構成を有しているため、可能領域5分後情報621について説明する。ここで、5分,10分,20分,30分,60分,90分,120分が、本発明の可能領域所定時間に対応する。なお、可能領域所定時間としては、上述した時間以外の時間としてもよい。
可能領域5分後情報621は、受信可能領域における現在から5分後の渋滞予測に関する情報である。そして、可能領域5分後情報621は、図7に示すように、少なくとも1つのリンク別予測情報621Aを備えている。
リンク別予測情報621Aは、受信可能領域に存在するリンクL別の現在から5分後の渋滞予測に関する情報である。このリンク別予測情報621Aは、エリアID情報621A1と、リンクID情報621A2と、予測日時情報621A3と、予測渋滞状況情報621A4と、を備えている。これらエリアID情報621A1、リンクID情報621A2、予測日時情報621A3、予測渋滞状況情報621A4には、CPU270により選出されたリンク別渋滞予測情報251のエリアID情報251A、リンクID情報251B、日付分類情報251C、予測時刻情報251D、予測渋滞状況情報251Eのそれぞれに対応する内容が記載されている。
すなわち、エリアID情報621A1には、受信可能領域のメッシュコードが記載されている。予測日時情報621A3には、リンク別現在情報611の現在日時情報611Cの日時から5分後の年月日と、時刻と、が記載されている。予測渋滞状況情報621A4は、予測渋滞度情報621A41と、予測渋滞長情報621A42と、予測リンク旅行時間情報621A43と、を備えている。
不可能隣接領域予測情報630は、1つの受信不可能領域における渋滞予測に関する情報である。すなわち、不可能隣接領域予測情報630は、サーバ装置200Pの受信不可能隣接領域の数と同数だけ配信情報600に組み込まれている。そして、不可能隣接領域予測情報630は、不可能隣接領域60分後情報631と、不可能隣接領域90分後情報632と、不可能隣接領域120分後情報633と、不可能隣接領域180分後情報634と、不可能隣接領域240分後情報635と、を備えている。なお、ここでは、不可能隣接領域60分後情報631について説明する。また、60分,90分,120分,180分,240分が、本発明の不可能領域所定時間に対応する。なお、不可能領域所定時間としては、上述した時間以外の時間としてもよい。
不可能隣接領域60分後情報631は、1つの受信不可能隣接領域における現在から60分後の渋滞予測に関する情報である。そして、不可能隣接領域60分後情報631は、図8に示すように、少なくとも1つのリンク別予測情報631Aを備えている。
リンク別予測情報631Aは、1つの受信不可能隣接領域に存在するリンクL別の現在から60分後の渋滞予測に関する情報である。このリンク別予測情報631Aは、エリアID情報631A1と、リンクID情報631A2と、予測日時情報631A3と、予測渋滞状況情報631A4と、を備えている。これらエリアID情報631A1、リンクID情報631A2、予測日時情報631A3、予測渋滞状況情報631A4には、CPU270により選出されたリンク別渋滞予測情報251に対応する内容が記載されている。
すなわち、エリアID情報631A1には、1つの受信不可能隣接領域のメッシュコードが記載されている。リンクID情報631A2には、受信不可能隣接領域に存在するリンクLのリンクIDが記載されている。予測日時情報631A3には、リンク別現在情報611の現在日時情報611Cの日時から60分後の年月日と、時刻と、が記載されている。予測渋滞状況情報631A4は、予測渋滞度情報631A41と、予測渋滞長情報631A42と、予測リンク旅行時間情報631A43と、を備えている。
ここで、可能領域予測情報620に現在からの最大経過時間が120分の渋滞予測に関する可能領域120分後情報627を設けている。これは、例えば受信可能領域に存在する道路の属性、すなわち車線数や信号数あるいは道路長などから、受信可能領域を通過するまでに必要な時間が約120分であり、受信可能領域における例えば12時間後の渋滞予測に関する情報を配信しても端末装置300Qで利用される可能性が低いためである。また、不可能隣接領域予測情報630に現在からの最大経過時間が240分の渋滞予測に関する不可能隣接領域240分後情報635を設けている。これは、例えば受信可能領域および受信不可能隣接領域の道路の属性から、受信可能領域を出発して受信不可能隣接領域を通過するまでに必要な時間が約240分であり、受信不可能隣接領域における例えば18時間後の渋滞予測に関する情報を配信しても端末装置300Qで利用される可能性が低いためである。
CPU270は、サーバメモリ260に記憶された各種プログラムとして、図9に示すように、現在要因情報取得手段としての現在渋滞情報選出手段271と、要因予測情報取得手段としての渋滞予測情報選出手段272と、配信情報編成手段273と、配信制御手段274と、サーバ計時手段275と、を備えている。
現在渋滞情報選出手段271は、配信情報編成手段273の制御により、交通情報受信部220で受信された現在渋滞情報500から、受信可能領域に関するリンク別現在渋滞情報510を選出する。具体的には、現在渋滞情報選出手段271は、現在渋滞情報500から、エリアID情報511に受信可能領域のメッシュコードが記載されたリンク別現在渋滞情報510を選出する。すなわち、受信可能領域における現在の渋滞状況に関するリンク別現在渋滞情報510を選出する。そして、この選出したリンク別現在渋滞情報510をサーバメモリ260に記憶させる。例えばサーバ装置2001の現在渋滞情報選出手段271は、受信可能領域Aにおける現在の渋滞状況に関するリンク別現在渋滞情報510を選出して、サーバメモリ260に記憶させる。また、サーバ装置2002の現在渋滞情報選出手段271は、受信可能領域Bに関するリンク別現在渋滞情報510をサーバメモリ260に記憶させる。
渋滞予測情報選出手段272は、配信情報編成手段273の制御により、渋滞予測情報データベース250から、受信可能領域および受信不可能隣接領域に関する所定のリンク別渋滞予測情報251を選出する。具体的には、渋滞予測情報選出手段272は、例えばサーバ計時手段275からの後述するサーバ現在日時情報に基づいて、現在の日付分類を認識する。さらに、この認識した日付分類が日付分類情報251Cに記載されたリンク別渋滞予測情報251を検索する。
そして、渋滞予測情報選出手段272は、この検索したリンク別渋滞予測情報251から、エリアID情報251Aに受信可能領域のメッシュコードが記載され、かつ、予測時刻情報251Dに現在渋滞情報選出手段271で選出されたリンク別現在渋滞情報510の現在日時情報513の日時から5分後、10分後、20分後、30分後、60分後、90分後、120分後の時刻が記載されたリンク別渋滞予測情報251を選出する。すなわち、受信可能領域における5,10,20,30,60,90,120分後の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251を選出する。
さらに、渋滞予測情報選出手段272は、検索したリンク別渋滞予測情報251から、エリアID情報251Aに受信不可能隣接領域のメッシュコードが記載され、かつ、予測時刻情報251Dに現在渋滞情報選出手段271で選出されたリンク別現在渋滞情報510の現在日時情報513の日時から60分後、90分後、120分後、180分後、240分後の時刻が記載されたリンク別渋滞予測情報251を選出する。すなわち、受信不可能隣接領域における60,90,120,180,240分後の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251を選出する。
そして、渋滞予測情報選出手段272は、これら選出した受信可能領域および受信不可能隣接領域に関するリンク別渋滞予測情報251をサーバメモリ260に記憶させる。例えばサーバ装置2001の渋滞予測情報選出手段272は、受信可能領域Aにおける5,10,20,30,60,90,120分後の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251と、受信不可能隣接領域B,C,D,Eにおける60,90,120,180,240分後の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251と、を選出して、サーバメモリ260に記憶させる。また、例えばサーバ装置2002の渋滞予測情報選出手段272は、受信可能領域Bにおける5,10,20,30,60,90,120分後に関するリンク別渋滞予測情報251と、受信不可能隣接領域A,C,Dにおける60,90,120,180,240分後に関するリンク別渋滞予測情報251と、をサーバメモリ260に記憶させる。
配信情報編成手段273は、現在渋滞情報選出手段271および渋滞予測情報選出手段272でそれぞれ選出された情報に基づいて、配信情報600を所定間隔で編成する。具体的には、配信情報編成手段273は、例えばサーバ計時手段275からのサーバ現在日時情報に基づいて、所定の時刻になったことを認識すると、現在渋滞情報選出手段271を制御して、受信可能領域における現在の渋滞状況に関するリンク別現在渋滞情報510をサーバメモリ260に記憶させる。さらに、渋滞予測情報選出手段272を制御して、受信可能領域における5,10,20,30,60,90,120分後の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251と、受信不可能隣接領域における60,90,120,180,240分後の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251と、をサーバメモリ260に記憶させる。
そして、配信情報編成手段273は、受信可能領域のリンク別現在渋滞情報510に基づいて、リンク別現在情報611を生成する。さらに、この生成したリンク別現在情報611を組み込んだ可能領域現在情報610を生成する。また、受信可能領域における5,10,20,30,60,90,120分後に関するリンク別渋滞予測情報251に基づいて、可能領域5,10,20,30,60,90,120分後情報621〜627を組み込んだ可能領域予測情報620を生成する。さらに、受信不可能隣接領域における60,90,120,180,240分後に関するリンク別渋滞予測情報251に基づいて、不可能隣接領域60,90,120,180,240分後情報631〜635を組み込んだ不可能隣接領域予測情報630を生成する。そして、配信情報編成手段273は、これら生成した可能領域現在情報610、可能領域予測情報620、不可能隣接領域予測情報630を有する配信情報600を編成して、サーバメモリ260に記憶させる。さらに、配信情報編成手段273は、例えば30分間隔で新たな配信情報600を編成する。
例えばサーバ装置2001の配信情報編成手段273は、受信可能領域Aにおける現在の渋滞状況に関する可能領域現在情報610と、受信可能領域Aにおける渋滞予測に関する可能領域予測情報620と、受信不可能領域B,C,D,Eのそれぞれにおける渋滞予測に関する4つの不可能隣接領域予測情報630と、を有する配信情報600を編成する。また、サーバ装置2002の配信情報編成手段273は、受信可能領域Bにおける現在の渋滞状況に関する可能領域現在情報610と、受信可能領域Bにおける渋滞予測に関する可能領域予測情報620と、受信不可能領域A,C,Dのそれぞれにおける渋滞予測に関する3つの不可能隣接領域予測情報630と、を有する配信情報600を編成する。
配信制御手段274は、配信情報編成手段273で編成された配信情報600を受信可能領域に配信する。具体的には、配信制御手段274は、サーバメモリ260から配信情報600を取得して、多重化、誤り訂正、変調などの変換処理を実施する。そして、この変換処理が実施された配信情報600を、放送波HPを利用して、受信可能領域に配信する。すなわち、配信制御手段274は、受信可能領域に位置する不特定多数の端末装置300Qに同じ配信情報600を配信する。例えばサーバ装置2001の配信制御手段274は、放送波H1を利用して、配信情報600を受信可能領域Aに配信する。また、サーバ装置2002の配信制御手段274は、放送波H2を利用して、配信情報600を受信可能領域Bに配信する。
サーバ計時手段275は、例えば内部クロックなどの基準パルスに基づいて現在日時を認識する。そして、この現在日時に関するサーバ現在日時情報を適宜出力する。
また、CPU270は、入力部230の入力操作により入力部230から入力される信号に基づいて、入力操作に対応する内容で適宜演算し、信号などを適宜生成する。そして、生成した信号を表示部240やサーバメモリ260に適宜出力して動作させ、入力された内容を実施させる。
端末装置300Qは、例えば移動体としての車両に搭載される車載型、携帯型、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯型パーソナルコンピュータなどである。端末装置300Qは、サーバ装置200Pから放送波HPを介して配信される配信情報600に基づいて、目的地までの案内や、所定の領域における現在の渋滞状況や渋滞予測の報知を実施する。また、現在位置や目的地に関する情報、最寄りの所定の施設の検索やその表示あるいは施設のサービス内容に関する情報の表示などを実施する。そして、端末装置300Qは、図1に示すように、放送波受信部310と、センサ部320と、端末入力部330と、報知手段としての表示手段である端末表示部340と、音声出力部350と、地図情報記憶手段360と、端末記憶手段としての端末メモリ370と、演算手段としての処理部380と、などを備えている。
放送波受信部310には、放送波受信アンテナ311が接続されている。この放送波受信部310は、受信レベルが最も高い放送波HPの周波数を自動的に検出し、この検出した周波数の放送波HPのみを受信する。すなわち、図2に示すように、領域Aに位置する端末装置3001の放送波受信部310は、サーバ装置2001からの放送波H1のみを受信する。また、端末装置3001は、例えば領域Bに到達すると、サーバ装置2002からの放送波H2の受信レベルが最も高いことを検出し、放送波H1の受信を終了して放送波H2の受信を開始する。
センサ部320は、車両の移動の状態、すなわち現在位置や走行状況などを検出して処理部380に所定の信号として出力する。このセンサ部320は、例えば図示しない、GPS(Global Positioning System)受信部と、速度センサと、方位角センサと、加速度センサと、などを備えている。GPS受信部は、図示しない人工衛星であるGPS衛星から出力される航法電波を図示しないGPSアンテナにて受信する。そして、受信した航法電波に対応した信号に基づいて現在位置の擬似座標値を演算し、GPSデータとして処理部380に出力する。速度センサは、車両の走行速度に対応して変動する信号に基づいて、車両の走行速度を検出し、速度データとして処理部380へ出力する。方位角センサは、図示しないいわゆるジャイロセンサを有し、車両の方位角すなわち車両が前進する走行方向を検出し、方位角データとして処理部380へ出力する。加速度センサは、車両の走行方向における加速度を検出し、加速度データとして処理部380へ出力する。
端末入力部330は、例えばキーボードやマウスなどで、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。この操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えば端末装置300Qの動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、取得する情報の内容や取得する条件などの設定、目的地の設定、探索する経路に関する設定事項情報の設定、情報の検索、車両の移動状況である走行状態の表示などが例示できる。そして、端末入力部330は、設定事項の入力操作により、所定の信号を処理部380へ適宜出力して設定させる。なお、この端末入力部330としては、操作ボタンや操作つまみなどの入力操作に限らず、例えば端末表示部340に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作など、各種設定事項を設定入力可能ないずれの構成が適用できる。
端末表示部340は、処理部380にて制御され処理部380からの画像データの信号を画面表示させる。画像データとしては、例えば地図情報などの画像データの他、図示しないTV受信機で受信したTV画像データ、外部装置など光ディスクや磁気ディスク、メモリカードなどの記録媒体に記録されドライブやドライバなどにて読み取った画像データ、端末メモリ370からの画像データなどである。この端末表示部340としては、サーバ装置200Pの表示部240と同様の構成、すなわち例えば液晶パネルや有機ELパネル、PDP、CRT、FED、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。
音声出力部350は、例えば図示しないスピーカなどの発音手段を有する。この音声出力部350は、処理部380にて制御され、処理部380からの音声データなどの各種信号を発音手段から音声により出力する。音声により出力する情報としては例えば車両の走行方向や走行状況、交通状況などで、車両の走行を案内する上で運転者などの搭乗者に報知する。なお、発音手段は、例えばTV受信機で受信したTV音声データや記録媒体さらには端末メモリ370などに記録された音声データなどをも適宜出力可能である。また、音声出力部350は、発音手段を設けた構成に限らず、車両に配設されている発音手段を利用する構成としてもよい。
地図情報記憶手段360は、例えば図10および図11に示すような地図情報などを格納、すなわち読み出し可能に記憶する。この地図情報記憶手段360としては、HD、DVD、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどが例示できる。
ここで、地図情報は、例えば図10に示すようないわゆるPOI(Point Of Interest)データである表示用データVMと、例えば図11に示すようなマッチングデータMMと、移動経路探索用地図データと、などを備えている。
表示用データVMは、例えばそれぞれメッシュコードが付加された複数の表示用メッシュ情報VMxを備えている。すなわち、表示用データVMは、一部の領域に関する表示用メッシュ情報VMxに複数分割され、表示用メッシュ情報VMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、表示用メッシュ情報VMxは、適宜一部の領域に関する下層の表示用メッシュ情報VMxにさらに複数分割されていてもよい。そして、表示用メッシュ情報VMxは、例えば交差点の名称などの名称情報VMxAと、道路情報VMxBと、背景情報VMxCと、にて構成されている。
一方、マッチングデータMMは、表示用データVMと同様に、例えばそれぞれ固有の番号が付加された一部の領域に関するマッチングメッシュ情報MMxに複数分割され、マッチングメッシュ情報MMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、適宜一部の領域に関する下層のマッチングメッシュ情報MMxにさらに複数分割されていてもよい。また、マッチングメッシュ情報MMxは、表示用メッシュ情報VMxと異なる領域を表すデータ構造、すなわち分割される領域の縮尺が異なっていてもよい。
そして、マッチングデータMMは、例えば車両の移動状態を地図情報に重畳させて表示させる際に、車両を表す表示が道路上ではなく建物上に位置するなどの誤表示を防止するため、車両を表す表示が道路上に位置するように表示を修正するマップマッチング処理に利用される。このマッチングデータMMは、複数のリンク列ブロック情報を有している。
リンク列ブロック情報は、図11に示すように、道路を構成し地点を表す地点情報としてのノードNを結ぶ線分である線分情報としてのリンクLが、所定の規則性で複数関連付けられたデータのテーブル構造である。そして、リンクLは、各リンクL毎に付加されたリンクIDと、リンクLが結ぶ2つのノードNを表す固有の番号などのノード情報とを有している。また、リンクLは、VICSリンクに関連付けられ、VICS情報と地図表示との位置関係が対応するようになっている。
また、ノードNは、各道路の交差点や屈曲点、分岐点、合流点などの結節点に相当する。そして、ノードNに関する情報は、リンク列ブロック情報におけるノードN毎に付加された固有の番号である地点固有情報と、各ノードNが存在する位置の座標情報と、交差点や分岐点などの複数のリンクが交差する分岐位置か否かの分岐情報であるフラグ情報と、を有している。
さらに、マッチングデータMMのリンク列ブロック情報には、道路の構成に関する情報、例えば車線数、本線か否か、国道や県道、有料道路などの種別やトンネル内などの構成などが関連付けられている。これら道路の構成に関する情報により、表示用データVMに対応して道路を地図表示可能となっている。
また、移動経路探索用地図情報は、例えばマッチングデータMMと同様のテーブル構造、すなわち道路を表すノードNのように地点を表す地点情報とリンクLのように地点を結ぶ線分情報とを有したテーブル構造で、各移動経路を探索するために道路を表すための情報構造となっている。
端末メモリ370は、放送波HPを介して取得した配信情報600や、端末入力部330で入力操作される設定事項、あるいは音楽データや画像データなどを適宜記憶する。なお、詳しくは後述するが、所定の受信不可能隣接領域の不可能隣接領域予測情報630を除く配信情報600を記憶する。さらに、端末メモリ370には、端末装置300Q全体を動作制御するOS上に展開される各種プログラムなどを記憶している。なお、端末メモリ370としては、HDや光ディスクなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
処理部380は、図示しない各種入出力ポート、例えば放送波受信部310が接続される受信ポート、センサ部320のGPS受信部が接続されるGPS受信ポート、センサ部320の各種センサがそれぞれ接続されるセンサポート、端末入力部330が接続されるキー入力ポート、端末表示部340が接続される表示制御ポート、音声出力部350が接続される音声出力ポート、地図情報記憶手段360が接続される記憶ポート、端末メモリ370が接続されるメモリポートなどを有する。そして、処理部380は、各種プログラムとして、図12に示すように、配信情報取得手段としての記憶制御手段381と、現在位置情報取得手段としての現在位置認識手段382と、目的地情報取得手段としての目的地認識手段383と、案内報知手段384と、表示制御手段385と、マップマッチング手段386と、地図情報取得手段としても機能する経路設定手段としての経路処理手段387と、端末情報検索手段388と、端末計時手段389と、などを備えている。
記憶制御手段381は、サーバ装置200Pから配信される配信情報600から所定の情報を除いて端末メモリ370に記憶させる。また、新たな配信情報600を取得すると、端末メモリ370に記憶されている配信情報600を削除して、新たに取得した配信情報600を記憶させる。具体的には、記憶制御手段381は、放送波受信部310で受信された放送波HPに含まれる配信情報600を取得して復号化する。そして、詳しくは後述するが、案内報知手段384により車両の案内誘導中であることを認識すると、この案内誘導中の移動経路を含む受信不可能隣接領域が存在しているか否かを判断する。そして、移動経路を含む受信不可能隣接領域が存在していると判断すると、この受信不可能隣接領域以外の受信不可能隣接領域に関する不可能隣接領域予測情報630を配信情報600から削除する。そして、この配信情報600を、端末メモリ370に記憶させる。
例えば領域Aに位置する端末装置3001の記憶制御手段381は、受信不可能領域B,C,D,Eのそれぞれに関する4つの不可能隣接領域予測情報630などを有する配信情報600を取得する。さらに、領域B,Cを通過して領域Gの目的地Z1に到達する移動経路R1の誘導中であることを認識すると、取得した配信情報600から受信不可能領域D,Eの不可能隣接領域予測情報630を削除する。そして、受信可能領域Aに関する可能領域現在情報610と、受信可能領域Aに関する可能領域予測情報620と、受信不可能領域B,Cのそれぞれに関する2つの不可能隣接領域予測情報630と、を有する配信情報600を端末メモリ370に記憶させる。
また、記憶制御手段381は、詳しくは後述するが、経路処理手段387による移動経路の探索処理が予約されていることを認識すると、この予約されている移動経路の現在位置および目的地を認識する。また、この認識した現在位置および目的地に基づいて、移動経路として設定される可能性がある経路を含む受信不可能隣接領域が存在していることを認識すると、この受信不可能隣接領域以外の受信不可能隣接領域に関する不可能隣接領域予測情報630を配信情報600から削除する。そして、この配信情報600を、端末メモリ370に記憶させる。
例えば領域Aに位置する端末装置3001の記憶制御手段381は、受信不可能領域B,C,D,Eのそれぞれに関する4つの不可能隣接領域予測情報630などを有する配信情報600を取得する。さらに、現在位置から領域Gの目的地Z1までの移動経路の探索処理が予約されていることを認識すると、移動経路として設定される可能性がある経路を含む受信不可能隣接領域B,C,Dが存在することを認識する。ここで、移動経路として設定される可能性がある経路を含む受信不可能隣接領域B,C、あるいは、受信不可能隣接領域C,Dが存在することを認識する構成としてもよい。そして、取得した配信情報600から受信不可能領域Eの不可能隣接領域予測情報630を削除する。さらに、受信可能領域Aに関する可能領域現在情報610と、受信可能領域Aに関する可能領域予測情報620と、受信不可能領域B,C,Dのそれぞれに関する3つの不可能隣接領域予測情報630と、を有する配信情報600を端末メモリ370に記憶させる。
また、記憶制御手段381は、詳しくは後述するが、表示制御手段385により所定の領域の地図情報が表示されていることを認識すると、表示されている受信可能領域や受信不可能領域を認識する。そして、この認識した受信可能領域や受信不可能領域以外の受信可能領域や受信不可能領域に関する可能領域現在情報610、可能領域予測情報620、不可能隣接領域予測情報630を配信情報600から削除する。そして、この配信情報600を、端末メモリ370に記憶させる。
例えば領域Aに位置する端末装置3001の記憶制御手段381は、受信可能領域Aに関する可能領域現在情報610および可能領域予測情報620と、受信不可能領域B,C,D,Eのそれぞれに関する4つの不可能隣接領域予測情報630と、を有する配信情報600を取得する。さらに、受信可能領域Aおよび受信不可能領域Bの地図情報が表示されていることを認識すると、取得した配信情報600から受信不可能領域C,D,Eの不可能隣接領域予測情報630を削除する。さらに、受信可能領域Aに関する可能領域現在情報610と、受信可能領域Aに関する可能領域予測情報620と、受信不可能領域Bに関する1つの不可能隣接領域予測情報630と、を有する配信情報600を端末メモリ370に記憶させる。
現在位置認識手段382は、車両の現在位置を認識する。具体的には、現在位置認識手段382は、センサ部320の速度センサおよび方位角センサから出力される速度データおよび方位角データに基づいて、車両の現在の疑似位置を複数算出する。さらに、GPS受信部から出力される現在位置に関するGPSデータに基づいて、車両の現在の疑似座標値を認識する。そして、算出した現在の疑似位置と、認識した現在の疑似座標値と、を比較し、別途取得された地図上における車両の現在位置を算出し、現在位置を認識する。また、加速度センサから出力される加速度データに基づいて、走行する道路の傾斜や高低差を判断し、車両の現在の疑似位置を算出し、現在位置を認識する。なお、現在位置認識手段382は、現在位置として上述した車両の現在位置の他、端末入力部330にて設定入力された基点となる出発地点などを、疑似現在位置として認識可能である。そして、現在位置認識手段382で得られた各種情報は、端末メモリ370に適宜記憶される。
目的地認識手段383は、例えば端末入力部330の入力操作により設定入力された目的地に関する目的地情報を取得し、目的地の位置を認識する。この目的地情報としては、例えば緯度・経度などの座標、住所、電話番号など、場所を特定するための各種情報が利用可能である。そして、この目的地情報は、端末メモリ370に適宜記憶される。
案内報知手段384は、端末メモリ370に記憶され、車両の走行状況に対応してあらかじめ取得した後述する移動経路情報などに基づいて車両の移動に関する案内、例えば車両の走行を支援する内容の案内を、端末表示部340による画像表示や音声出力部350による発音にて報知する。具体的には、所定の矢印や記号などを端末表示部340の表示画面に表示したり、「700m先、○○交差点を△△方面右方向です。」、「移動経路から逸脱しました。」、「この先、渋滞です。」などの音声出力部350における音声により発音したり、することなどが例示できる。
表示制御手段385は、端末表示部340を適宜制御して各種情報を端末表示部340で表示させる。この表示制御手段385は、例えば端末入力部330による入力操作を促して各種情報を設定入力するための各種表示画面などをも表示制御する。また、表示制御手段385は、所定の領域の地図情報を表示させる旨の入力操作に基づいて、地図情報を表示させる。そして、記憶制御手段381の制御により、端末メモリ370に記憶された配信情報600に基づいて、表示中の受信可能領域や受信不可能隣接領域における現在の渋滞状況や渋滞予測に関する情報を地図情報に適宜重畳させて表示させる。
マップマッチング手段386は、地図情報記憶手段360から取得する地図情報に基づいて、現在位置認識手段382にて認識した現在位置を適切に表示させるためのマップマッチング処理をする。このマップマッチング手段386は、上述したように、例えばマッチングデータMMを用い、現在位置を端末表示部340で地図に重畳して表示される位置が、端末表示部340で表示される地図を構成する要素である道路から逸脱しないように、現在位置情報を適宜修正すなわち補正して表示させるマップマッチング処理を実施する。
経路処理手段387は、利用者により設定入力される経路設定のための設定事項情報、記憶制御手段381の制御により端末メモリ370に記憶された配信情報600、地図情報記憶手段360に記憶された地図情報などに基づいて、現在位置から目的地までの車両の移動経路を演算してルート探索する。
具体的には、経路処理手段387は、現在位置情報、目的地情報、設定事項情報を取得する。さらに、経路処理手段387は、各種情報を取得すると、これら各種情報に基づいて、地図情報の移動経路探索用地図情報を利用し、例えば車両が通行可能な道路を探索する。そして、配信情報600に記載された受信可能領域や受信不可能領域における現在の渋滞状況や渋滞予測に関する情報に基づいて、所要時間が短い移動経路、あるいは移動距離が短い移動経路、交通渋滞場所や交通規制場所を回避した移動経路などを設定する。
ここで、経路処理手段387は、所要時間が短い移動経路を設定する際に、例えば以下のような処理をする。すなわち、現在位置から目的地までの複数の移動候補経路を認識する。そして、現在位置を含む受信可能領域に関する可能領域現在情報610に基づいて、現在の渋滞状況を考慮に入れて5分経過後に位置する移動候補経路上の地点を求める。そして、この求めた地点が受信可能領域内であることを認識すると、可能領域予測情報620の可能領域5分後情報621に基づいて、5分経過後の渋滞予測を考慮に入れて10分経過後に位置する移動候補経路上の地点を求める。さらに、可能領域20,30,60分後情報623,624,625、あるいは不可能隣接領域予測情報630などに適宜基づいて、同様の処理を実施して移動候補経路を利用した目的地までの所要時間を算出する。そして、各移動候補経路について所要時間を算出し、所要時間が最も短い移動候補経路を移動経路として設定する。
そして、経路処理手段387は、設定した移動経路や所要時間に関する移動経路情報を生成する。この移動経路情報は、例えば車両の走行の際に誘導して走行を補助する経路案内情報をも有する。この経路案内情報は、案内報知手段384による制御により、端末表示部340で適宜表示あるいは音声出力部350で適宜音声出力され、走行が補助される。この移動経路情報は、端末メモリ370に適宜記憶される。
また、経路処理手段387は、移動経路の探索処理の予約中に、記憶制御手段381により端末メモリ370の配信情報600が更新されたことを認識すると、上述したような処理により移動経路を設定して移動経路情報を生成する。さらに、経路処理手段387は、移動経路の案内誘導中に記憶制御手段381により端末メモリ370の配信情報600が更新されたことを認識すると、この更新された配信情報600に基づいて、案内誘導中の移動経路の所要時間を再算出して更新する。そして、移動経路を再探索する旨の設定入力を認識すると、この更新された配信情報600などに基づいて、移動経路を再探索して、移動経路情報を生成する。
端末情報検索手段388は、例えば端末入力部330にて設定入力された検索情報の検索要求により、地図情報記憶手段360に記憶された例えば地図情報における所定の地点の情報である検索情報に基づいて検索して、検索要求に応じた情報を取得する。そして、取得した検索結果の情報は、端末メモリ370に適宜記憶される。
端末計時手段389は、例えば内部クロックなどの基準パルスに基づいて現在日時を認識する。そして、この現在日時に関する現在日時情報を適宜出力する。
〔ナビゲーションシステムの動作〕
次に、ナビゲーションシステム100の動作として、配信情報を利用した移動経路の探索処理および渋滞状況の表示処理について図13に基づいて説明する。図13は、配信情報を利用した移動経路の探索処理および渋滞状況の表示処理を示すフローチャートである。
まず、ナビゲーションシステム100のサーバ装置200Pは、CPU270の配信情報編成手段273にて、所定の時刻になったことを認識すると、現在渋滞情報選出手段271を制御して、交通情報受信部220で受信された現在渋滞情報500から受信可能領域に関するリンク別現在渋滞情報510を選出する(ステップS101)。さらに、CPU270は、渋滞予測情報選出手段272にて、渋滞予測情報データベース250から受信可能領域における5,10,20,30,60,90,120分後に関するリンク別渋滞予測情報251を選出する(ステップS102)。この後、渋滞予測情報選出手段272は、渋滞予測情報データベース250から受信不可能隣接領域における60,90,120,180,240分後に関するリンク別渋滞予測情報251を選出する(ステップS103)。
そして、配信情報編成手段273は、これら選出された情報に基づいて、配信情報600を編成する(ステップS104)。この後、CPU270は、配信制御手段274にて、編成された配信情報600の変換処理を実施して(ステップS105)、この配信情報600を放送波出力部210からの放送波HPを利用して受信可能領域に配信する(ステップS106)。
受信可能領域に位置する端末装置300Qは、放送波受信部310にて、放送波HPを介して配信される配信情報600を受信する(ステップS107)。この後、処理部380は、記憶制御手段381にて、配信情報600を復号化して(ステップS108)、移動経路の案内誘導中か否かを判断する(ステップS109)。このステップS109において、案内誘導中であると判断した場合、移動経路を含む領域の情報のみを端末メモリ370に記憶させて保存する(ステップS110)。すなわち、移動経路を含む受信不可能隣接領域以外の受信不可能隣接領域に関する不可能隣接領域予測情報630を配信情報600から削除する。そして、この配信情報600を保存する。
この後、処理部380は、経路処理手段387にて、端末メモリ370に新たに保存された配信情報600に基づいて、移動経路の所要時間を再算出して更新する(ステップS111)。さらに、経路処理手段387は、移動経路の再探索が要求されているか否かを判断する(ステップS112)。このステップS112において、再探索が要求されていないと判断した場合、案内誘導を継続して(ステップS113)、処理を終了する。一方、ステップS112において、再探索が要求されていると判断した場合、新たに保存された配信情報600の渋滞予測を考慮に入れた移動経路を探索して(ステップS114)、ステップS113の処理、すなわち案内誘導を実施する。
また、ステップS109において、記憶制御手段381は、案内誘導中でないと判断した場合、移動経路の探索予約中か否かを判断する(ステップS115)。このステップS115において、探索予約中であると判断した場合、移動経路として設定される可能性がある経路を含む領域の情報のみを端末メモリ370に保存する(ステップS116)。すなわち、移動経路として設定される可能性がある経路を含む受信不可能隣接領域以外の受信不可能隣接領域に関する不可能隣接領域予測情報630を、配信情報600から削除する。そして、この配信情報600を保存する。この後、経路処理手段387は、ステップS114の処理を実施する。
さらに、ステップS115において、探索予約中でないと判断した場合、端末表示部340で表示中の領域の情報のみを端末メモリ370に保存する(ステップS117)。すなわち、表示中の受信可能領域や受信不可能領域以外の受信可能領域や受信不可能領域に関する可能領域現在情報610、可能領域予測情報620、不可能隣接領域予測情報630を配信情報600から削除する。そして、この配信情報600を保存する。この後、表示制御手段385は、端末メモリ370に記憶された配信情報600に基づいて、渋滞状況の表示を更新して(ステップS118)、処理を終了する。
〔ナビゲーションシステムの作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、ナビゲーションシステム100のサーバ装置200Pは、CPU270の現在渋滞情報選出手段271にて、交通情報受信部220で受信された現在渋滞情報500から受信可能領域における現在の渋滞状況に関するリンク別現在渋滞情報510を選出する。さらに、CPU270は、渋滞予測情報選出手段272にて、渋滞予測情報データベース250から受信不可能隣接領域における60,90,120,180,240分後の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251を選出する。そして、CPU270は、配信情報編成手段273にて、これら選出されたリンク別現在渋滞情報510およびリンク別渋滞予測情報251に基づいて、可能領域現在情報610および不可能隣接領域予測情報630を有する配信情報600を編成して、放送波HPを利用して受信可能領域に配信する。この後、受信可能領域に位置する端末装置300Qは、記憶制御手段381にて、配信情報600を取得する。
このため、ナビゲーションシステム100は、サーバ装置200Pにて、端末装置300Qに、現在位置する受信可能領域における現在の渋滞状況と、近未来に位置する受信不可能隣接領域における60,90分後などの渋滞予測と、を反映させて、現在位置から受信不可能隣接領域を経由する移動経路を探索させることができる。したがって、可能領域現在情報610のみを配信する構成と比べて、経路探索処理や所要時間の予測処理を適切に実施させることができる。また、受信不可能隣接領域における現在の渋滞状況に関する情報、すなわち現在位置からの経路探索処理において利用する価値が低い情報を配信しないので、配信する情報量を最小限に抑えることができる。よって、ナビゲーションシステム100は、渋滞に関する情報を適切に配信できる。
そして、移動に影響を及ぼす要因に関する情報として、交通状況に関する配信情報600を配信する構成としている。このため、例えば天気と比べて車両の移動に及ぼす影響が大きい交通状況に関する配信情報600を配信するので、端末装置300Qに経路探索処理などをより適切に実施させることができる。
さらに、交通状況に関する情報として、渋滞状況に関する配信情報600を配信する構成としている。このため、不定期に発生する渋滞の状況に関する配信情報600を配信するので、端末装置300Qに経路探索処理などをさらに適切に実施させることができる。
また、サーバ装置200Pは、受信可能領域および受信不可能隣接領域の道路の属性に基づいて、現在からの最大経過時間が240分の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251を選出して、不可能隣接領域240分後情報635を配信する。このため、例えば現在位置から20km離れた受信不可能隣接領域における現在から18時間後の渋滞予測に関する情報、すなわち現在位置からの経路探索処理において利用する価値が低い情報を配信しないので、より適切に渋滞に関する情報を配信できる。
そして、サーバ装置200Pは、受信不可能隣接領域が異なる複数のリンク別渋滞予測情報251を選出して、複数の不可能隣接領域予測情報630を配信する。このため、受信可能領域内に存在し、互いに異なる受信不可能隣接領域に向けて移動する複数の端末装置300Qに、それぞれの受信不可能隣接領域に対応する適切な不可能隣接領域予測情報630を利用して経路探索処理などを実施させることができる。したがって、さらに適切に渋滞に関する情報を配信できる。
さらに、サーバ装置200Pは、1つの受信不可能隣接領域に対して現在からの経過時間が異なる複数のリンク別渋滞予測情報251を選出して、不可能隣接領域予測情報630を配信する。このため、受信可能領域内における互いに異なる位置に存在し、1つの受信不可能隣接領域に向けて移動する複数の端末装置300Qに、それぞれの位置から受信不可能隣接領域までの所要時間に対応する適切な不可能隣接領域予測情報630を利用して経路探索処理などを実施させることができる。したがって、さらに適切に渋滞に関する情報を配信できる。
また、サーバ装置200Pは、受信可能領域における現在から所定時間経過後の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251を選出し、可能領域予測情報620を生成して配信する。このため、例えば受信可能領域内の西側に位置する端末装置300Qに、近未来に位置する受信可能領域内の東側の位置における近未来の渋滞予測を反映させて、移動経路を探索させることができる。したがって、さらに適切に渋滞に関する情報を配信できる。
そして、サーバ装置200Pは、受信可能領域の道路の属性に基づいて、現在からの最大経過時間が120分の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251を選出して、可能領域120分後情報627を配信する。このため、例えば一端から他端までの距離が20kmの受信可能領域における現在から12時間後の渋滞予測に関する情報、すなわち現在位置からの経路探索処理において利用する価値が低い情報を配信しないので、より適切に渋滞に関する情報を配信できる。
さらに、サーバ装置200Pは、受信可能領域に対して現在からの経過時間が異なる複数のリンク別渋滞予測情報251を選出して、可能領域予測情報620を配信する。このため、受信可能領域内における互いに異なる位置に存在し、1つの受信不可能隣接領域に向けて移動する複数の端末装置300Qに、それぞれの位置から受信可能領域における所定の位置までの所要時間に対応する適切な可能領域予測情報620を利用して経路探索処理などを実施させることができる。したがって、さらに適切に渋滞に関する情報を配信できる。
そして、端末装置300Qは、記憶制御手段381にて、取得した配信情報600のうち移動経路を含む領域の情報のみを端末メモリ370に保存する。そして、経路処理手段387は、この保存された配信情報600などに基づいて、渋滞予測を考慮に入れた移動経路を設定する。このため、受信した配信情報600のうち、移動経路の探索に利用するもののみを端末メモリ370に保存するので、端末メモリ370に保存する情報量を最小限に抑えることができる。
また、端末装置300Qは、表示制御手段385にて、配信情報600に基づいて渋滞状況を端末表示部340で表示させる。このため、現在位置する受信可能領域における現在の渋滞状況と、近未来に位置する受信不可能隣接領域における60,90分後などの渋滞予測と、を利用者に報知できる。したがって、端末装置300Qの利便性を向上できる。
さらに、記憶制御手段381は、取得した配信情報600のうち端末表示部340で表示中の領域の情報のみを端末メモリ370に保存する。そして、表示制御手段385は、この保存された配信情報600に基づいて、表示中の領域における渋滞状況の内容を更新する。このため、現在表示中の領域に関するものののみを端末メモリ370に保存するので、端末メモリ370に保存する情報量を最小限に抑えることができる。
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。ここで、以下において、立寄り地の設定に関する変形を適宜例示するが、目的地の設定に関する変形も同様に含むものとする。
すなわち、端末装置300Qの処理部380の代わりに、図12に示すような演算手段としての処理部480を適用して、図14に示すような処理を実施する構成としてもよい。この処理部480は、配信情報取得手段としての記憶制御手段481と、現在位置認識手段382と、目的地認識手段383と、案内報知手段384と、表示制御手段385と、マップマッチング手段386と、経路処理手段387と、端末情報検索手段388と、端末計時手段389と、などを備えている。記憶制御手段481は、サーバ装置200Pから配信される配信情報600から所定の情報を除かずに、そのまま端末メモリ370に記憶させる。
そして、ナビゲーションシステム100は、サーバ装置200Pおよび端末装置300Qにて、ステップS101〜S107の処理を実施する。そして、処理部480の記憶制御手段481は、配信情報600を復号化する(ステップS201)。この後、処理部480は、経路処理手段387にて、移動経路の探索が要求されているか否かを判断する(ステップS202)。このステップS202において、移動経路の探索が要求されていると判断した場合、配信情報600の渋滞予測を考慮に入れた移動経路を探索する(ステップS203)。そして、案内報知手段384は、案内誘導処理を実施して(ステップS204)、処理を終了する。
一方、ステップS202において、処理部480は、表示制御手段385にて、渋滞状況の表示処理が要求されているか否かを判断する(ステップS205)。このステップS205において、表示処理が要求されていないと判断した場合、ステップS202に戻る。また、ステップS205において、表示処理が要求されていると判断した場合、配信情報600に基づいて、渋滞状況を表示して(ステップS206)、処理を終了する。
このような構成にすれば、記憶制御手段481に、取得した配信情報600から移動経路の探索や渋滞状況の表示に不要な情報を削除する機能を設ける必要がない。したがって、上記実施の形態の記憶制御手段381と比べて、記憶制御手段481の構成を簡略にできる。
また、交通状況に関する配信情報600の代わりに、移動に影響を及ぼす要因である天気やイベント開催に関する情報を配信する構成としてもよい。さらに、渋滞状況に関する配信情報600の代わりに、交通規制や道路工事に関する情報を配信する構成としてもよい。これらのような構成にすれば、上記実施の形態と同様に、端末装置300Qに、現在位置する受信可能領域における現在の移動に影響を及ぼす要因と、近未来に位置する受信不可能隣接領域における現在から所定時間が経過した際の移動に影響を及ぼす要因と、を反映させて、現在位置から受信不可能隣接領域を経由する移動経路を探索させることができる。
そして、選出するリンク別渋滞予測情報251の現在からの最大経過時間を、受信可能領域や受信不可能隣接領域の道路の属性に基づいて設定しない構成としてもよい。すなわち、例えば現在位置から20km離れた受信不可能隣接領域における現在から18時間後の渋滞予測に関する情報を配信する構成としてもよい。また、例えば一端から他端までの距離が20kmの受信可能領域における現在から12時間後の渋滞予測に関する情報を配信する構成としてもよい。これらのような構成にすれば、これら取得した情報を例えば現在位置から遠方に旅行した帰りに利用することができり。したがって、旅行の帰りに新たに情報を取得する必要がなく、記憶制御手段381,481の処理負荷を低減できる。
さらに、配信情報600に、1つの受信不可能隣接領域に関する1つの不可能隣接領域予測情報630のみを組み込む構成としてもよい。また、配信情報600に、可能領域予測情報620を組み込まない構成としてもよい。さらに、不可能隣接領域予測情報630に、例えば不可能隣接領域60分後情報631のみを組み込む構成や、可能領域予測情報620に、可能領域5分後情報621のみを組み込む構成としてもよい。これらのような構成にすれば、渋滞予測情報選出手段272で選出する情報の数を減らすことができ、渋滞予測情報選出手段272の処理負荷を低減できる。
そして、端末装置300Qに、移動経路を探索する機能および渋滞状況を表示させる機能のうちいずれか一方を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、端末装置300Qの構成を簡略にできる。
また、配信情報600に、受信可能領域に隣接しない受信不可能領域(以下、受信不可能非隣接領域と称す)における渋滞予測に関する情報を組み込む構成としてもよい。すなわち、例えばサーバ装置2001から配信する配信情報600に、受信不可能非隣接領域F,Gにおける渋滞予測に関する情報を組み込む構成としてもよい。このような構成にすれば、サーバ装置200Pは、端末装置300Qに、上記実施の形態と比べて現在位置からより遠方の領域における渋滞予測を反映させて、移動経路を探索させることができる。したがって、ナビゲーションシステム100は、渋滞に関する情報をさらに適切に配信できる。
そして、端末装置300Qに、渋滞予測情報データベース250を設け、以下のような処理を実施する構成としてもよい。すなわち、受信不可能隣接領域までの移動経路の探索時に配信情報600を利用する。一方、受信不可能非隣接領域までの移動経路の探索時に、配信情報600を用いて受信不可能非隣接領域に到達する時間を算出する。そして、この算出した時間に対応する受信不可能非隣接領域での渋滞予測に対応するリンク別渋滞予測情報251を、渋滞予測情報データベース250から検索する。この後、この検索したリンク別渋滞予測情報251を利用して、移動経路を探索する構成としてもよい。
そして、本発明の情報処理装置をサーバ装置200Pに適用した構成に限らず、現在渋滞情報選出手段271、渋滞予測情報選出手段272、配信制御手段274を独立させた構成としてもよい。
また、上述した各機能をプログラムとして構築したが、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、上述したように取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
〔実施の形態の効果〕
上述したように、上記実施の形態では、ナビゲーションシステム100のサーバ装置200Pは、受信可能領域における現在の渋滞状況に関するリンク別現在渋滞情報510と、受信不可能隣接領域における60,90,120,180,240分後の渋滞予測に関するリンク別渋滞予測情報251と、を選出する。そして、これら選出されたリンク別現在渋滞情報510およびリンク別渋滞予測情報251に基づいて、可能領域現在情報610および不可能隣接領域予測情報630を有する配信情報600を編成して、放送波HPを利用して受信可能領域に配信する。
このため、サーバ装置200Pは、端末装置300Qに、現在位置する受信可能領域における現在の渋滞状況と、近未来に位置する受信不可能隣接領域における60,90分後などの渋滞予測と、を反映させて、現在位置から受信不可能隣接領域を経由する移動経路を探索させることができる。したがって、可能領域現在情報610のみを配信する構成と比べて、経路探索処理や所要時間の予測処理を適切に実施させることができる。また、受信不可能隣接領域における現在の渋滞状況に関する情報、すなわち現在位置からの経路探索処理において利用する価値が低い情報を配信しないので、配信する情報量を最小限に抑えることができる。よって、サーバ装置200Pは、渋滞に関する情報を適切に配信できる。
また、ナビゲーションシステム100のサーバ装置200Pは、可能領域現在情報610および不可能隣接領域予測情報630を有する配信情報600を編成して、放送波HPを利用して受信可能領域に配信する。この後、受信可能領域に位置する端末装置300Qは、配信情報600を取得する。
このため、ナビゲーションシステム100は、サーバ装置200Pにて、端末装置300Qに、上述したような現在位置から受信不可能隣接領域を経由する移動経路を探索させることができ、可能領域現在情報610のみを配信する構成と比べて、経路探索処理や所要時間の予測処理を適切に実施させることができる。また、上述した作用により、配信する情報量を最小限に抑えることができる。よって、ナビゲーションシステム100は、渋滞に関する情報を適切に配信できる。