以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の道路交通情報提供システム10の全体構成が示されている。図2には、道路交通情報提供システム10の構成がデータおよび処理の流れとともに示されている。また、図3および図4には、エリア渋滞予測の処理の流れ、およびこの処理に伴う画面例が示されている。図5および図6には、渋滞ポイント予報の処理の流れ、およびこの処理に伴う画面例が示されている。図7および図8には、出発時刻別所要時間予測の処理の流れ、およびこの処理に伴う画面例が示されている。図9および図10には、路線別渋滞予測の処理の流れ、およびこの処理に伴う画面例が示されている。
図1および図2において、道路交通情報提供システム10は、ユーザに対して未来の渋滞予測情報を含む現在・過去・未来の各時点における各種の道路交通情報(渋滞情報、規制情報等)を提供する道路交通情報提供サーバ20と、この道路交通情報提供サーバ20からネットワーク1を介して道路交通情報の提供を受けるユーザの操作するユーザ端末装置である携帯電話機(PHSも含む。)50と、道路交通情報提供サーバ20に対して現在の道路状況を収集・編集した現況データを提供する現況データ提供システム70とを備えている。
道路交通情報提供サーバ20と携帯電話機50とを接続するネットワーク1は、例えば、道路交通情報提供サーバ20が接続されたインターネット2と、インターネット2に接続された携帯電話会社管理センタ3と、携帯電話会社管理センタ3と携帯電話機50とを接続するパケット通信網等の携帯電話網4とを含んで構成されている。但し、この構成に限定されるものではなく、例えば、携帯電話会社管理センタ3と道路交通情報提供サーバ20とは、インターネット2ではなく、専用線により接続されていてもよい。
また、道路交通情報提供サーバ20と現況データ提供システム70とは、インターネット2により接続されているが、専用線により接続してもよい。
道路交通情報提供サーバ20は、未来の渋滞予測情報を含む道路交通情報の提供に関する各種の処理を行う処理手段20Aと、この処理手段20Aによる各種の処理で用いられるデータを記憶する受信データ記憶手段40、実測データ記憶手段41、渋滞予測用統計データ記憶手段42、渋滞予測データ記憶手段43、テキスト化基準データ記憶手段44、簡略図形描画用データ記憶手段45、および変換テーブル群46とを備えて構成されている。
処理手段20Aは、渋滞予測データ算出手段21と、現況データ取得手段22と、現況データ加工処理手段23と、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24と、画面切換要求受付手段25と、サーバ側渋滞ポイント予報表示処理手段26と、希望時間帯受付手段27と、所要時間算出手段28と、サーバ側出発時刻別所要時間予測表示処理手段29と、出発希望時間帯受付手段30と、最遅限界時刻受付手段31と、サーバ側路線別渋滞予測表示処理手段32とを含んで構成されている。
渋滞予測データ算出手段21は、図2に示すように、渋滞予測用統計データ記憶手段42に記憶された統計データを用い、全国の各道路を複数に分割して定められた各渋滞予測用区間について、未来の任意の時点における渋滞予測データを算出する処理を行うものである。
この渋滞予測データ算出手段21による渋滞予測データの算出処理の際の第一次算出基準としての各渋滞予測用区間は、例えば、渋滞予測データ算出用のプログラムやそのプログラムで用いる渋滞予測用統計データを提供するメーカや業者等が定めた区間であり、第一次算出処理では、このメーカや業者等が定めた区間毎に渋滞予測データが算出されるが、渋滞予測データ算出手段21は、第二次算出処理で、変換テーブル群46に記憶された「メーカや業者等が定めた区間と、道路状況収集用区間(本実施形態では、一例としてVICSリンクとする。)との対応関係」(例えば、両区間のID同士を関連付けたテーブル等)に基づき、メーカや業者等が定めた区間毎に算出された渋滞予測データを、道路状況収集用区間(VICSリンク)に対応する渋滞予測データに変換する処理を行う。従って、本実施形態では、最終的な渋滞予測用区間は、道路状況収集用区間(VICSリンク)と一致し、渋滞予測データ記憶手段43には、VICSリンクに対応する状態で渋滞予測データが記憶される。なお、このような変換処理は、ユーザからの渋滞予測情報の閲覧要求を受けたときに、その都度行うようにし、渋滞予測データ記憶手段43には、メーカや業者等が定めた区間に対応する第二次算出処理前の状態の渋滞予測データを記憶しておいてもよい。
また、本実施形態では、例えば、5分置きに全国の各道路を構成する各渋滞予測用区間について渋滞予測データを算出し、渋滞予測データ記憶手段43に記憶しておく。なお、エリア渋滞予測(図3、図4参照)、渋滞ポイント予報(図5、図6参照)、および路線別渋滞予測(図9、図10参照)で、未来の渋滞予測情報を、例えば30分間隔で切換表示可能または並列表示可能な構成する場合には、30分置きに渋滞予測データを算出しておけば十分であるが、例えば、出発時刻別所要時間予測(図7、図8参照)で、所要時間算出手段28により所要時間を算出する際に、各渋滞予測用区間について、出発時刻と同じ時刻の渋滞予測データ(通過所要時間)を用いるのではなく、各渋滞予測用区間を車が通過する際の予定時刻の渋滞予測データ(通過所要時間)を用いる場合には、所要時間の予測精度向上の観点から、より短い時間間隔で渋滞予測データ(通過所要時間)の算出処理を行っておくことが好ましい。但し、サーバ20の処理の負荷や記憶容量の削減という観点からは、長い時間間隔としてもよい。
現況データ取得手段22は、現況データ提供システム70(本実施形態では、一例としてVICSセンタが運用・維持・管理するVICSシステムとする。)から、例えば5分間隔で全国の現在の道路状況を示す現況データを取得し、受信データ記憶手段40に格納する処理を行うものである。ここで取得する現況データは、レベル3のVICS情報であり、VICSリンクID、種別情報、位置、および渋滞区間の情報等が含まれる。VICS情報は、日本地図等の地図情報を、例えば一辺が10km程度の矩形領域に分割して形成されたメッシュ内の渋滞情報等を規定する情報であり、各メッシュ内で上下線別にユニークなVICSリンクIDが付与されている。
現況データ加工処理手段23は、図2に示すように、例えば5分置きに、テキスト化基準データ記憶手段44に記憶された情報に基づき、取得したVICS情報から、例えば、「渋滞0.2km」等のような文字情報を作成する処理、および全国の各VICSリンクの通過所要時間や平均時速を算出する処理等を行うものである。この現況データ加工処理手段23により作成された情報は、原情報とともに、実測データ記憶手段41の現況データ記憶手段41Aに記憶される。従って、現況データ記憶手段41Aには、各VICSリンクについて、例えば、渋滞種別(例えば、渋滞、混雑、順調、不明、およびデータなし等)、VICSリンクID、距離、渋滞始点位置、渋滞終点位置、渋滞や規制等を示す文字情報、および通過所要時間や平均時速等の情報が記憶される。なお、現況データ加工処理手段23により次のデータの加工処理が行われると、新たなデータが現況データ記憶手段41Aに記憶され、前回のデータは、過去の渋滞情報を含む過去の道路交通情報として、履歴データ記憶手段41Bに記憶される。
サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24は、携帯電話機50からのユーザの要求に応じ、座標変換テーブル46Aおよび変換テーブル群46のその他のテーブルを用い、現況データ記憶手段41A、履歴データ記憶手段41B、および渋滞予測データ記憶手段43にそれぞれ記憶されたデータに基づき、現在・過去・未来の渋滞情報を示すラインの描画用データを作成し、作成したラインの描画用データを携帯電話機50に送信するとともに、簡略図形描画用データ記憶手段45に記憶された簡略図形描画用データを携帯電話機50に送信する処理を行うものである。
画面切換要求受付手段25は、携帯電話機50からのユーザの画面(現在・過去・未来の画面)の切換要求を受け付け、受け付けた切換要求をサーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24に伝達する処理を行うものである。
サーバ側渋滞ポイント予報表示処理手段26は、携帯電話機50からのユーザの要求に応じ、変換テーブル群46のテーブルを用い、渋滞予測データ記憶手段43に記憶されたデータに基づき、未来の複数時点を示す各時刻と、これらの各時刻の特定ポイント(特定地点間)の平均時速とを対応させて描いた渋滞ポイント予報画面(図6参照)を作成し、作成した画面(WEB画面)を携帯電話機50に送信する処理を行うものである。
希望時間帯受付手段27は、携帯電話機50からのユーザによる表示対象としたい時刻を含む希望時間帯(日付を含む概念)の入力情報を受け付け、受け付けた希望時間帯をサーバ側渋滞ポイント予報表示処理手段26に伝達する処理を行うものである。
所要時間算出手段28は、渋滞予測データ記憶手段43に記憶された渋滞予測データとしての各渋滞予測用区間(本実施形態では、VICSリンクに対応している。)毎の通過所要時間を用い、複数の出発時刻について出発地から目的地までの所要時間の予測値を算出する処理を行うものである。この所要時間算出手段28は、例えば、次のような(1)〜(5)の算出処理方法により、所要時間の予測値を算出する処理を行う。
先ず、算出処理方法(1)では、所要時間算出手段28は、渋滞状況を考慮せずに探索した1つの最適経路(例えば、高速道路等を除いて考えれば、合計距離の短い経路となる。)の所要時間を各出発時刻毎に算出する。この際、最適経路を構成する各渋滞予測用区間について、出発時刻と全て同一時刻の各渋滞予測用区間毎の通過所要時間を合計する処理を行う。具体的には、例えば、最適経路が、A地点(出発地)から、区間α、B地点、区間β、C地点、区間γをこの順に経由して、D地点(目的地)に至る経路であり、出発時刻がTSであるとすると、時刻TSにおける区間αの通過所要時間と、時刻TSにおける区間βの通過所要時間と、時刻TSにおける区間γの通過所要時間とを合計し、その合計時間を出発時刻TSに出発した場合の目的地までの所要時間とする。
次に、算出処理方法(2)では、所要時間算出手段28は、渋滞状況を考慮せずに探索した1つの最適経路の所要時間を各出発時刻毎に算出する。この際、最適経路を構成する各渋滞予測用区間について、これらの各渋滞予測用区間を車が通過する予定時刻の各渋滞予測用区間毎の通過所要時間を合計する処理を行う。具体的には、例えば、最適経路が、A地点(出発地)から、区間α、B地点、区間β、C地点、区間γをこの順に経由して、D地点(目的地)に至る経路であり、出発時刻がTSであるとすると、A地点を出発する時刻TSにおける区間αの通過所要時間ΔTαと、B地点に到着した時刻TB(=TS+ΔTα)における区間βの通過所要時間ΔTβと、C地点に到着した時刻TC(=TS+ΔTα+ΔTβ)における区間γの通過所要時間ΔTγとを合計し、その合計時間を出発時刻TSに出発した場合の目的地までの所要時間とする。
また、算出処理方法(3)では、所要時間算出手段28は、各出発時刻毎に、出発地から目的地に至る各経路のそれぞれを構成する各渋滞予測用区間について、これらの各渋滞予測用区間を車が通過する予定時刻の各渋滞予測用区間毎の通過所要時間を各経路毎に合計し、合計して得られた各経路毎の所要時間を比較することにより、最短の所要時間となる最適経路を探索し、探索された最適経路についての所要時間を、各出発時刻毎の所要時間として決定する処理を行う。具体的には、例えば、A地点(出発地)からD地点(目的地)に至る経路として、第一経路(A地点−区間α−B地点−区間β−C地点−区間γ−D地点)と、第二経路(A地点−区間α−B地点−区間δ−E地点−区間ε−D地点)と、第三経路(A地点−区間ζ−F地点−区間η−G地点−区間θ−D地点)とが考えられる場合に、第一経路については、上述した算出処理方法(2)の具体例の如く、B地点に到着した時刻TBにおける区間βの通過所要時間ΔTβおよびC地点に到着した時刻TCにおける区間γの通過所要時間ΔTγを用い、出発時刻TSに出発した場合の目的地までの第一経路による所要時間ΔT1を求め、第二経路についても同様にして、B地点に到着した時刻TBにおける区間δの通過所要時間ΔTδおよびE地点に到着した時刻TEにおける区間εの通過所要時間ΔTεを用い、出発時刻TSに出発した場合の目的地までの第二経路による所要時間ΔT2を求め、第三経路についても同様にして、F地点に到着した時刻TFにおける区間ηの通過所要時間ΔTηおよびG地点に到着した時刻TGにおける区間θの通過所要時間ΔTθを用い、出発時刻TSに出発した場合の目的地までの第三経路による所要時間ΔT3を求め、ΔT1、ΔT2、ΔT3のうち最短のもの(例えば、ΔT1とする。)を選択し、そのΔT1を出発時刻TSに出発した場合の目的地までの所要時間として決定するとともに、そのΔT1となった第一経路を最適経路と決定する。
さらに、算出処理方法(4)では、所要時間算出手段28は、各出発時刻毎に、出発地から目的地に至る各経路のそれぞれを構成する各渋滞予測用区間について、出発時刻と全て同一時刻の各渋滞予測用区間毎の通過所要時間を各経路毎に合計し、合計して得られた各経路毎の所要時間を比較することにより、最短の所要時間となる最適経路を探索し、探索された最適経路についての所要時間を、各出発時刻毎の前記所要時間として決定する処理を行う。具体的には、例えば、上述した算出処理方法(3)の第一、第二、第三経路が考えられる場合に、第一経路については、上述した算出処理方法(1)の具体例の如く、出発時刻がTSであるとすると、時刻TSにおける区間αの通過所要時間と、時刻TSにおける区間βの通過所要時間と、時刻TSにおける区間γの通過所要時間とを合計して、出発時刻TSに出発した場合の目的地までの第一経路による所要時間ΔT1を求め、第二、第三経路についても同様にして、全ての区間で時刻TSにおける通過所要時間を採用し、それらの通過所要時間を合計して、出発時刻TSに出発した場合の目的地までの第二、第三経路による所要時間ΔT2、ΔT3を求め、ΔT1、ΔT2、ΔT3のうち最短のもの(例えば、ΔT1とする。)を選択し、そのΔT1を出発時刻TSに出発した場合の目的地までの所要時間として決定するとともに、そのΔT1となった第一経路を最適経路と決定する。
そして、算出処理方法(5)では、所要時間算出手段28は、各出発時刻毎に、出発地から目的地に至る各経路のそれぞれを構成する各渋滞予測用区間について、出発時刻と全て同一時刻の各渋滞予測用区間毎の通過所要時間を各経路毎に合計し、合計して得られた各経路毎の所要時間を比較することにより、最短の所要時間となる最適経路を探索し、探索された最適経路を構成する各渋滞予測用区間について、これらの各渋滞予測用区間を車が通過する予定時刻の各渋滞予測用区間毎の通過所要時間を合計する処理を行う。具体的には、例えば、上述した算出処理方法(3)の第一、第二、第三経路が考えられる場合に、これらの全ての経路について、上述した算出処理方法(1)の具体例の如く、全ての区間で時刻TSにおける通過所要時間を採用し、それらの通過所要時間を合計して、出発時刻TSに出発した場合の目的地までの第一、第二、第三経路による所要時間ΔT1、ΔT2、ΔT3を求め、ΔT1、ΔT2、ΔT3のうち最短のもの(例えば、ΔT1とする。)となった第一経路を最適経路と決定する。その後、この最適経路である第一経路について、上述した算出処理方法(2)の具体例の如く、出発時刻がTSであるとすると、A地点を出発する時刻TSにおける区間αの通過所要時間ΔTαと、B地点に到着した時刻TB(=TS+ΔTα)における区間βの通過所要時間ΔTβと、C地点に到着した時刻TC(=TS+ΔTα+ΔTβ)における区間γの通過所要時間ΔTγとを合計し、その合計時間を出発時刻TSに出発した場合の目的地までの所要時間とする。
サーバ側出発時刻別所要時間予測表示処理手段29は、携帯電話機50からのユーザの要求に応じ、各出発時刻および所要時間算出手段28により算出された各出発時刻に対応する所要時間のデータを携帯電話機50に送信する処理を行うものである。また、サーバ側出発時刻別所要時間予測表示処理手段29は、最遅限界時刻受付手段31により最遅限界時刻を受け付けた場合には、その最遅限界時刻までに到着可能な各出発時刻およびこれらの各出発時刻に対応する所要時間のデータのみを携帯電話機50に送信する。
出発希望時間帯受付手段30は、携帯電話機50からのユーザによる表示対象としたい出発時刻を含む出発希望時間帯(日付を含む概念)の入力情報を受け付け、受け付けた出発希望時間帯を、所要時間算出手段28に伝達する処理を行うものである。
最遅限界時刻受付手段31は、携帯電話機50からのユーザによる目的地への到着時刻の許容範囲の最遅限界時刻(日付を含む概念)の入力情報を受け付け、受け付けた最遅限界時刻を、所要時間算出手段28およびサーバ側出発時刻別所要時間予測表示処理手段29に伝達する処理を行うものである。
サーバ側路線別渋滞予測表示処理手段32は、携帯電話機50からのユーザの要求に応じ、変換テーブル群46のテーブルを用い、現況データ記憶手段41A、履歴データ記憶手段41B、および渋滞予測データ記憶手段43にそれぞれ記憶されたデータに基づき、主要道路ポイント間の通過所要時間についての現在の実測値、過去の少なくとも一時点の実測値、および未来の少なくとも一時点の予測値を把握し、これらの実測値や予測値並びに主要道路ポイントの名称のデータを携帯電話機50に送信する処理を行うものである。
受信データ記憶手段40は、現況データ取得手段22により例えば5分間隔で取得した全国の現在の道路状況を示す現況データ(レベル3のVICS情報)を記憶するものである。取得した最新データのみならず、前回取得時までのデータも、過去の履歴データとして一定期間分について蓄積保存する。
実測データ記憶手段41は、現況データ加工処理手段23による加工処理で得られた情報、すなわち渋滞や規制等を知らせる文字情報および全国の各VICSリンクの通過所要時間や平均時速を含むVICS情報を記憶するものであり、例えば5分置きに作成される最新のデータを記憶する現況データ記憶手段41Aと、最新のデータ以外のデータ(前回作成時までのデータ)を過去の履歴データとして一定期間分だけ蓄積保存する履歴データ記憶手段41Bとにより構成されている。
渋滞予測用統計データ記憶手段42は、渋滞予測データ算出手段21による渋滞予測データの算出処理の際に用いる渋滞予測用統計データを記憶するものである。
渋滞予測データ記憶手段43は、全国の各道路の各渋滞予測用区間(VICSリンクに対応する状態に変換されている。)について、渋滞予測データ算出手段21により算出した未来の複数の時点(例えば未来を30分間隔で区切った各時点等)における渋滞予測データ(例えば、区間の通過所要時間、平均時速、渋滞の箇所や程度等)を記憶するものである。
テキスト化基準データ記憶手段44は、現況データ加工処理手段23により渋滞や規制等を知らせる文字情報を作成する際に用いるデータを記憶するものである。
簡略図形描画用データ記憶手段45は、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24および端末側エリア渋滞予測表示処理手段51によるエリア渋滞予測の処理で用いられる簡略図形描画用データを記憶するものである。この簡略図形描画用データは、本実施形態では、一例として簡略図形のうちの道路部分の絵柄データのみとし、背景部分については例えばJAVAアプリケーション等で描くものとする。
変換テーブル群46は、処理手段20Aで用いられる各種の変換テーブルを記憶するものである。変換テーブルには、例えば、渋滞予測データ算出手段21による処理で用いられるテーブルとして、メーカや業者等が定めた渋滞予測用区間と、道路状況収集用区間(本実施形態では、VICSリンクとする。)との対応関係を記憶するテーブルがある。また、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24による処理で用いられるテーブルとして、表示対象エリア内の道路のうちエリア渋滞予測での表示対象となる道路に関するVICSリンクIDを把握するためのテーブルと、VICSリンクIDから現在・過去・未来の渋滞情報を示すラインを簡略図形に重ねて描くための描画用データ(ラインの位置と色の情報)を把握するための座標変換テーブル(本実施形態では、予測データ用および実測データ用に兼用される座標変換テーブルとなっている。)46Aとがある。さらに、サーバ側渋滞ポイント予報表示処理手段26による処理で用いられるテーブルとして、表示対象となるポイントに対応するVICSリンクIDを把握するためのテーブルがある。そして、所要時間算出手段28による処理で用いられるテーブルとして、出発地および目的地とVICSリンクを構成するノードとの対応関係を把握するためのテーブルがある。また、サーバ側路線別渋滞予測表示処理手段32による処理で用いられるテーブルとして、表示対象となる路線に関する路線別リンクとこの路線別リンクに対応するVICSリンクとを関連付けるテーブルがある。
そして、以上において、処理手段20Aに含まれる各手段21〜32は、道路交通情報提供サーバ20を構成するコンピュータ本体(パーソナル・コンピュータのみならず、その上位機種のものも含む。)の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する一つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、道路交通情報提供サーバ20は、一台のコンピュータあるいは一つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータ等で分散処理(各手段21〜32の処理内容に応じた機能的な分散、および処理速度向上のための並列処理による分散を含む。)を行うことにより実現されるものであってもよい。
さらに、各記憶手段41〜45および変換テーブル群46は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
携帯電話機50は、未来の渋滞予測情報を含む道路交通情報を画面表示するための各種の処理を行う処理手段50Aと、道路交通情報が画面表示される液晶ディスプレイ等からなる表示手段55と、上下左右の方向キーや決定ボタンやダイヤルキー等からなる入力手段56と、道路交通情報提供サーバ20から取得したプログラム(例えばJAVAアプリケーション等)を記憶する外部取得プログラム記憶手段57と、ユーザの設定した情報やこの設定に伴って道路交通情報提供サーバ20から取得した各種データを記憶するユーザ設定記憶手段58とを備えて構成されている。
処理手段50Aは、端末側エリア渋滞予測表示処理手段51と、端末側渋滞ポイント予報表示処理手段52と、端末側出発時刻別所要時間予測表示処理手段53と、端末側路線別渋滞予測表示処理手段54とを含んで構成されている。
端末側エリア渋滞予測表示処理手段51は、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により道路交通情報提供サーバ20からネットワーク1を介して送信されてきた簡略図形描画用データを受信し、これを用いてエリアの簡略図形のうちの模式化された道路部分を表示手段55の画面上に描くとともに、簡略図形のうちの背景部分を自ら表示手段55の画面上に描く処理を行うものである(図4参照)。また、端末側エリア渋滞予測表示処理手段51は、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により道路交通情報提供サーバ20からネットワーク1を介して送信されてきた現在・過去・未来の渋滞情報を示すラインの描画用データを用い、エリアの簡略図形内での渋滞該当箇所に現在・過去・未来の渋滞情報を示すラインを重ねて描く処理を行う。この際、例えば、未来渋滞予測画面における未来の渋滞予測情報を示すラインは、点滅させ、一方、過去渋滞履歴画面における簡略図形の背景部分は、現在渋滞実測画面における同部分と色を変える(例えば、過去をイメージさせるように暗い色にする)処理等を行うことにより、現在・過去・未来の区別を容易に付けることができるようにする。これらの端末側エリア渋滞予測表示処理手段51による処理は、例えば、携帯電話会社の提供するネットワーク接続サービスの一つである「iアプリ」(商標)の対象となるJAVAアプリケーション(JAVAは、登録商標)等により実現される。なお、この処理は、WEBブラウザ等により実現してもよい。
端末側渋滞ポイント予報表示処理手段52は、サーバ側渋滞ポイント予報表示処理手段26により道路交通情報提供サーバ20からネットワーク1を介して送信されてきた渋滞ポイント予報画面(WEB画面)を受信し、受信した画面を表示手段55の画面上に表示する処理を行うものである。この端末側渋滞ポイント予報表示処理手段52による処理は、例えば、携帯電話会社の提供するネットワーク接続サービスの一つである「iモード」(商標)を構成するWEBブラウザ(内蔵プログラム)等により実現される。なお、この処理は、JAVAアプリケーション等により実現してもよい。
端末側出発時刻別所要時間予測表示処理手段53は、サーバ側出発時刻別所要時間予測表示処理手段29により道路交通情報提供サーバ20からネットワーク1を介して送信されてきた各出発時刻およびこれらの各出発時刻に対応する所要時間のデータを受信し、これを用いて各出発時刻とそれらの出発時刻に出発した場合の所要時間とを対応させて描いた出発時刻別所要時間予測画面を表示手段55の画面上に表示する処理を行うものである。また、端末側出発時刻別所要時間予測表示処理手段53は、各所要時間に応じた長さのバー表示を行う。これらの端末側出発時刻別所要時間予測表示処理手段53による処理は、例えば、JAVAアプリケーション等により実現される。なお、この処理は、WEBブラウザ等により実現してもよい。
端末側路線別渋滞予測表示処理手段54は、サーバ側路線別渋滞予測表示処理手段32により道路交通情報提供サーバ20からネットワーク1を介して送信されてきた主要道路ポイントの名称、並びに主要道路ポイント間の通過所要時間についての現在の実測値、過去の少なくとも一時点の実測値、および未来の少なくとも一時点の予測値のデータを受信し、これらを用いて主要道路ポイントの名称間に通過所要時間についての現在の実測値と未来の少なくとも一時点の予測値(または切換により過去の少なくとも一時点の実測値)とを対応させて描いた路線別渋滞予測画面を、表示手段55の画面上に表示する処理を行うものである。この端末側路線別渋滞予測表示処理手段54による処理は、例えば、JAVAアプリケーション等により実現される。なお、この処理は、WEBブラウザ等により実現してもよい。
そして、以上において、処理手段50Aに含まれる各手段51〜54は、携帯電話機50の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する一つまたは複数のプログラム(例えば、JAVAアプリケーション、JAVA仮想マシン(KVM)、WEBブラウザ等)により実現される。
また、外部取得プログラム記憶手段57、ユーザ設定記憶手段58、および図示されないJAVA仮想マシン(KVM)やWEBブラウザ等の記憶手段は、例えば、ROM、RAM、EEPROM等の各種メモリにより構成されている。
このような本実施形態においては、以下のようにして道路交通情報提供システム10により、ユーザへの未来の渋滞予測情報を含む道路交通情報の提供が行われる。
先ず、道路交通情報提供システム10によるユーザへの情報提供サービスを開始する前に、事前処理として、変換テーブル群46を構築しておく。
ユーザへの情報提供サービスの開始後には、道路交通情報提供サーバ20により、次のような処理を定期的に行う。すなわち、図2に示すように、現況データ取得手段22により、現況データ提供システム70から全国の現在の道路状況を示す現況データ(VICS情報)を取得し、受信データ記憶手段40に保存するとともに、現況データ加工処理手段23により、テキスト化基準データ記憶手段44のデータを用いた文字情報の作成や、各リンクの通過所要時間の算出等の加工処理を行い、得られたデータを実測データ記憶手段41の現況データ記憶手段41Aに保存する。また、それまで現況データ記憶手段41Aに記憶されていたデータは、履歴データ記憶手段41Bに保存する。以上の現況データに関する定期処理は、例えば5分置きに行う。
一方、図2に示すように、渋滞予測データ算出手段21により、渋滞予測用統計データ記憶手段42のデータを用い、全国の各道路の各渋滞予測用区間(本実施形態では、最終的にVICSリンクに対応する状態に変換する。)について、未来の複数の時点(例えば未来を30分間隔で区切った各時点等)における渋滞予測データ(例えば、区間の通過所要時間、渋滞の箇所や程度等)を算出し、算出結果を渋滞予測データ記憶手段43に保存する。この算出処理では、用意すべき未来の最も先の時点のデータのみを、例えば30分間隔で算出してもよく、あるいは、用意すべき未来の全時点のデータを、例えば30分間隔で毎回算出してもよい。
また、ユーザは、必要に応じ、道路交通情報提供サーバ20から、各種の処理を実行するJAVAアプリケーション等のプログラムをダウンロードして取得し、これを外部取得プログラム記憶手段57に記憶させておく。
次に、ユーザから道路交通情報の閲覧要求を受けたときの処理を説明する。先ず、エリア渋滞予測の処理を、図3および図4を参照しながら説明する。
図3において、ユーザが、携帯電話機50の入力手段56を操作し、閲覧対象としたいエリアを指定すると、このエリアの指定情報が、ネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信される(ステップS1)。道路交通情報提供サーバ20では、エリアの指定情報を受信すると、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により、指定されたエリアに対応する簡略図形のうちの道路部分の絵柄データを簡略図形描画用データ記憶手段45から読み込むとともに、変換テーブル群46のテーブルを用いて、エリア内の道路のうちエリア渋滞予測での表示対象となる道路に関するVICSリンクIDを把握し、把握したVICSリンクIDに基づき、現況データ記憶手段41Aから該当するVICSリンクの現在の渋滞情報を把握する。この際、変換テーブル群46には、表示対象とされたエリア内の表示対象とされた道路に関するVICSリンクIDが直接に記憶されたテーブルを用意してもよく、あるいは表示対象とされたエリア内の表示対象とされた道路に関する道路リンク(VICSリンクとは異なる基準で全国の道路を分割して形成された各区間であり、各道路リンクを識別するための道路リンクIDが付されている。)の道路リンクIDが記憶されたテーブルを用意し、さらに、この道路リンクIDを、道路リンクID/VICSリンクID対応テーブルを用いて、VICSリンクIDに変換する処理を行うようにしてもよい。
さらに、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により、変換テーブル群46の座標変換テーブル46Aを用い、各VICSリンクの現在の渋滞情報を示すラインを簡略図形に重ねて描くための描画用データ、すなわち画面上のラインの描画位置を特定する情報および渋滞の程度に応じたラインの色情報が把握される。そして、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により、簡略図形のうちの道路部分の絵柄の描画用データ、および現在の渋滞情報の描画用データ(ラインの位置と色の情報)を、ネットワーク1を介して携帯電話機50に送信する(ステップS2)。
続いて、携帯電話機50では、簡略図形および現在の渋滞情報の描画用データを受信すると、端末側エリア渋滞予測表示処理手段51により、図4に示すような現在渋滞実測画面100が表示手段55の画面上に表示される(ステップS3)。
図4において、現在渋滞実測画面100には、エリア内の道路を模式的に表現した簡略図形が示されている。簡略図形は、道路部分101と背景部分102とにより構成される。道路部分101は、サーバ20から受信したデータに基づき描かれ、背景部分102は、端末側エリア渋滞予測表示処理手段51を構成するJAVAアプリケーション等により描かれている。なお、背景部分102も道路部分101と一体化し、サーバ20から受信したデータに基づき描いてもよい。
また、道路部分101には、現在の渋滞情報を示すライン103が、渋滞の程度に応じ、例えば、赤色のライン(渋滞)、オレンジ色のライン(混雑)等のように色分けして描かれる。なお、順調な場合は、例えば、白色または緑色のライン等とされる。ライン103は、サーバ20から受信したデータに基づき描かれている。
さらに、現在渋滞実測画面100には、カーソル104が当てられた箇所の渋滞情報を文字で表示する文字情報表示部105と、表示されている渋滞情報がいつの時点(日時)のものかを表示する対象時刻表示部106と、現在の渋滞情報として表示される情報を最新の情報に更新するための「更新」ボタン107とが設けられている。カーソル104は、例えば上下の方向キー等を押すことで、渋滞箇所のみを順次移動するようになっている。
その後、現在渋滞実測画面100の閲覧ユーザが、例えば左右の方向キーを押すことで、画面の切換要求(現在・過去・未来の時間軸上での表示対象時刻の移動要求)を行うと、この切換要求信号が携帯電話機50からネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信される(ステップS4)。
道路交通情報提供サーバ20では、画面切換要求受付手段25により画面の切換要求信号を受信すると、要求画面種別(いつの時点の画面を要求しているのか)を判定する(ステップS5)。ここで、未来の時点での渋滞予測の表示が要求されている場合には、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により、ステップS2の処理と同様に、変換テーブル群46のテーブルを用いて、エリア内の道路のうちエリア渋滞予測での表示対象となる道路に関するVICSリンクIDを把握し、把握したVICSリンクIDに基づき、渋滞予測データ記憶手段43から該当するVICSリンクの未来の渋滞予測情報を把握する。さらに、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により、変換テーブル群46の座標変換テーブル46Aを用い、各VICSリンクの未来の渋滞予測情報を示すラインを簡略図形に重ねて描くための描画用データ(ラインの位置と色の情報)を把握する。そして、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により、未来の渋滞予測情報の描画用データ(ラインの位置と色の情報)を、ネットワーク1を介して携帯電話機50に送信する(ステップS6)。
続いて、携帯電話機50では、未来の渋滞予測情報の描画用データを受信すると、端末側エリア渋滞予測表示処理手段51により、図4に示すような未来渋滞予測画面110が表示手段55の画面上に表示される(ステップS7)。
図4において、未来渋滞予測画面110には、現在渋滞実測画面100の場合と同一の道路部分101が描かれ、この道路部分101には、サーバ20から受信したデータに基づき、未来の渋滞予測情報を示すライン113が、現在の渋滞情報を示すライン103と同様に、渋滞の程度に応じ、例えば、赤色のライン(渋滞)、オレンジ色のライン(混雑)等のように色分けして描かれる。但し、ユーザが未来の渋滞予測情報であることを容易に認識できるように、ライン113は、例えば点滅表示させてもよい。
また、未来渋滞予測画面110の背景部分112は、現在渋滞実測画面100の背景部分102よりも、例えば明るい色で描く等、異なる色で描くようにし、ユーザが未来の渋滞予測情報であることを容易に認識できるようにしてもよい。
さらに、未来渋滞予測画面110にも、現在渋滞実測画面100の場合と同様に、カーソル104が当てられた箇所の渋滞情報(画面110では、未来の渋滞予測情報となる。)を文字で表示する文字情報表示部105と、対象時刻表示部106と、「更新」ボタン107とが設けられている。
一方、ステップS5で、過去の時点での渋滞履歴の表示が要求されている場合には、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により、ステップS2の処理と同様に、変換テーブル群46のテーブルを用いて、エリア内の道路のうちエリア渋滞予測での表示対象となる道路に関するVICSリンクIDを把握し、把握したVICSリンクIDに基づき、履歴データ記憶手段41Bから該当するVICSリンクの過去の渋滞履歴情報を把握する。さらに、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により、変換テーブル群46の座標変換テーブル46Aを用い、各VICSリンクの過去の渋滞履歴情報を示すラインを簡略図形に重ねて描くための描画用データ(ラインの位置と色の情報)を把握する。そして、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24により、過去の渋滞履歴情報の描画用データ(ラインの位置と色の情報)を、ネットワーク1を介して携帯電話機50に送信する(ステップS6)。
続いて、携帯電話機50では、過去の渋滞履歴情報の描画用データを受信すると、端末側エリア渋滞予測表示処理手段51により、図4に示すような過去渋滞履歴画面120が表示手段55の画面上に表示される(ステップS7)。
図4において、過去渋滞履歴画面120には、現在渋滞実測画面100の場合と同一の道路部分101が描かれ、この道路部分101には、サーバ20から受信したデータに基づき、過去の渋滞履歴情報を示すライン123が、現在の渋滞情報を示すライン103と同様に、渋滞の程度に応じ、例えば、赤色のライン(渋滞)、オレンジ色のライン(混雑)等のように色分けして描かれる。
また、過去渋滞履歴画面120の背景部分122は、現在渋滞実測画面100の背景部分102よりも、例えば暗い色で描く等、異なる色で描くようにし、ユーザが過去の渋滞履歴情報であることを容易に認識できるようにしてもよい。
さらに、過去渋滞履歴画面120にも、現在渋滞実測画面100の場合と同様に、カーソル104が当てられた箇所の渋滞情報(画面120では、過去の渋滞履歴情報となる。)を文字で表示する文字情報表示部105と、対象時刻表示部106と、「更新」ボタン107とが設けられている。
同様にして、各画面100,110,120の閲覧ユーザが、例えば左右の方向キーを操作し、画面の切換要求を行うと、ステップS4〜S7が繰り返される。この際、ステップS6の処理において、現況データ記憶手段41Aから現在の渋滞情報を読み込むか、渋滞予測データ記憶手段43から未来の渋滞予測情報を読み込むか、履歴データ記憶手段41Bから過去の渋滞履歴情報を読み込むかの相違を除き、同様な処理が行われる。なお、ユーザは、例えば左右の方向キーを操作し、現在渋滞実測画面100と、未来の複数時点(例えば、現在から1、3、6、9時間後の時点)における未来渋滞予測画面110と、過去の複数時点(例えば、現在から2時間前までの30分毎の各時点)における過去渋滞履歴画面120とを自在に切り換えることができるようになっている。なお、表示される未来の複数時点や過去の複数時点をいつの時点にするかという情報は、ユーザ設定事項とし、ユーザ設定記憶手段58に記憶しておいてもよい。
次に、渋滞ポイント予報の処理を、図5および図6を参照しながら説明する。
ユーザが携帯電話機50の入力手段56を操作し、メニュー画面等で渋滞ポイント予報の表示要求を行うと、その要求信号がネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信され(ステップS21)、道路交通情報提供サーバ20から、対象ポイント選択画面がネットワーク1を介して携帯電話機50に送信される(ステップS22)。すると、携帯電話機50の表示手段55の画面上には、図6に示すような対象ポイント選択画面200が表示される。
図6において、対象ポイント選択画面200には、自分のいる現在位置の周辺から表示対象とするポイントを選択する「周辺から」ボタン201と、対象ポイントを東京都や世田谷区等の文字を選択して絞り込む「エリアから」ボタン202と、対象ポイントを日本地図や関東地図等のイメージ図から選択して絞り込む「FLASH版」ボタン203とが設けられている。ユーザが、画面200において、ボタン201〜203のいずれかを用いて対象ポイントを選択すると、その選択情報がネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信され(ステップS23)、道路交通情報提供サーバ20から、日付設定画面がネットワーク1を介して携帯電話機50に送信される(ステップS24)。すると、携帯電話機50の表示手段55の画面上には、図6に示すような日付設定画面210が表示される。
図6において、日付設定画面210には、日付入力部211が設けられている。なお、日付のみではなく、時刻あるいは時間帯(朝、午前、午後、夕方、夜、深夜等の別)まで入力できるようにしてもよい。ユーザが、画面210において、日付入力部211への入力を行って日付を設定すると、その設定情報がネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信される(ステップS25)。道路交通情報提供サーバ20では、希望時間帯受付手段27により日付の設定情報を受信すると、サーバ側渋滞ポイント予報表示処理手段26により、変換テーブル群46に記憶されたテーブルを用いて、対象ポイントに対応するVICSリンクIDを把握し(道路リンクIDを介して把握してもよい。)、把握したVICSリンクIDに基づき、渋滞予測データ記憶手段43から希望時間帯(設定された日付)における対象ポイントの渋滞予測データ(平均時速等)を把握し、渋滞ポイント予報画面(WEB画面)を作成する。なお、表示対象となり得る全てのポイントについての渋滞ポイント予報画面を、予め作成しておいてもよい。
そして、サーバ側渋滞ポイント予報表示処理手段26により、作成された渋滞ポイント予報画面がネットワーク1を介して携帯電話機50に送信されると(ステップS26)、携帯電話機50の表示手段55の画面上には、端末側渋滞ポイント予報表示処理手段52により、図6に示すような渋滞ポイント予報画面220が表示される(ステップS27)。
図6において、渋滞ポイント予報画面220には、未来の複数時点を示す各時刻221と、これらの各時刻221の対象ポイントにおける平均時速222とが対応する状態で表示されている。図示の例では、時刻221とこれに対応する平均時速222とは、同じ行に表示され、左右に並べられているが、このような位置関係に限定されるものではなく、要するに、時刻と平均時速とが対応していてそれらの関係が直ぐに把握できる位置に表示されていればよい。また、渋滞ポイント予報画面220には、渋滞の程度を示す「>」マーク223が表示され、「>」マーク223の個数が多い程、渋滞の程度が激しいことを示すようになっている。なお、「>」マーク223の個数により渋滞の程度を表示するのではなく、絵柄マークを用い、絵柄の相違により渋滞の程度を表示してもよい。
また、表示対象とされるポイントは、例えば国道同士の交差点や主要な陸橋等を主要道路ポイントとして抽出したものであり、その主要道路ポイントの未来の渋滞予測情報は、その主要道路ポイントを含む特定地点間、その主要道路ポイントの近傍の特定地点間、またはその主要道路ポイントに隣接する特定地点間等の未来の渋滞予測情報である。従って、ポイント名称は、図示の「国道20号 大原−笹塚(下り)」のような区間をイメージさせるタイトルの他、例えば「〜交差点付近 〜街道(下り)」や「第三京浜(上り) 〜IC出口」等のような地点をイメージさせるタイトルであってもよい。
さらに、日付設定画面210において、その日の日付を入力することもできるが、この際、渋滞ポイント予報画面220には、次のような表示を行うことができる。例えば9:30に、その日の渋滞ポイント予報を表示させようとした場合を考えると、既に過ぎてしまった時刻である6:00〜9:00の平均時速については、予測値をそのまま表示してもよい。また、10:00以降の平均時速については、予測値を表示するが、6:00〜9:00の平均時速については、履歴データ記憶手段41Bまたは現況データ記憶手段41Aのデータを用い、過去または現在の実測値を表示してもよい。この場合、実測値の表示は、予測値の表示と色を異ならせることが好ましい。さらに、既に過ぎてしまった時刻である6:00〜9:00の平均時速は、予測値および実測値のいずれも表示せず、これから訪れる時刻についてのみ平均時速の予測値を表示してもよい。この場合、既に過ぎてしまった時刻である6:00〜9:00の平均時速の表示を単に省略するだけでもよく、あるいは、例えば、その日の10:00〜翌日の10:00の平均時速について予測値を表示する等、ユーザの閲覧要求時刻に応じ、画面220への表示対象となる時刻を変化させてもよい。なお、端末側渋滞ポイント予報表示処理手段52を、WEBブラウザではなく、JAVAアプリケーション等により実現する場合には、画面220をスクロールして多くの時刻の平均時速を連続的に閲覧できるようにしてもよい。
そして、図6の渋滞ポイント予報画面220では、各時刻221は、1時間置きの時刻とされているが、これに限定されるものではなく、例えば、各時刻221の間隔は、ユーザ設定事項とし、ユーザ設定記憶手段58に記憶しておいてもよい。
次に、出発時刻別所要時間予測の処理を、図7および図8を参照しながら説明する。
ユーザが携帯電話機50の入力手段56を操作し、メニュー画面等で出発時刻別所要時間予測の表示要求を行うと、その要求信号がネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信され(ステップS41)、道路交通情報提供サーバ20から、出発地・目的地設定画面がネットワーク1を介して携帯電話機50に送信される(ステップS42)。すると、携帯電話機50の表示手段55の画面上には、出発地・目的地設定画面が表示される。
ユーザが、出発地・目的地設定画面において、出発地および目的地を入力して設定すると、その設定情報がネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信される(ステップS43)。道路交通情報提供サーバ20は、出発地および目的地の設定情報を受信すると、出発希望時間帯指定画面をネットワーク1を介して携帯電話機50に送信する(ステップS44)。すると、携帯電話機50の表示手段55の画面上には、出発希望時間帯指定画面が表示される。
ユーザが、出発希望時間帯指定画面において、出発希望時間帯(日付、あるいは朝、午前、午後、夕方、夜、深夜等の別)を指定すると、その指定情報がネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信される(ステップS45)。道路交通情報提供サーバ20では、出発希望時間帯受付手段30により出発希望時間帯の指定情報を受信すると、所要時間算出手段28により、変換テーブル群46に記憶されたテーブルを用いて、出発地および目的地と、VICSリンクを構成するノードとの対応関係を把握した後、前述した所要時間の算出処理方法(1)〜(5)のいずれかの方法で、渋滞予測データ記憶手段43に記憶された渋滞予測データ(各区間の所要時間)を用いて、出発希望時間帯という形でユーザにより指定された各出発時刻における出発地から目的地までの所要時間を算出するとともに、これと併せて最適経路を探索する。
その後、サーバ側出発時刻別所要時間予測表示処理手段29により、各出発時刻とこれらに対応する所要時間のデータが、ネットワーク1を介して携帯電話機50に送信される(ステップS46)。すると、携帯電話機50の表示手段55の画面上には、端末側出発時刻別所要時間予測表示処理手段53により、図8に示すような出発時刻別所要時間予測画面300が表示される(ステップS47)。
図8において、出発時刻別所要時間予測画面300には、出発時刻301と、その出発時刻に出発した場合の所要時間302とが対応する状態で表示されている。図示の例では、出発時刻301とこれに対応する所要時間302とは、同じ行に表示され、左右に並べられているが、このような位置関係に限定されるものではなく、要するに、出発時刻と所要時間とが対応していてそれらの関係が直ぐに把握できる位置に表示されていればよい。また、出発時刻別所要時間予測画面300には、各所要時間の長短に応じた長さのバー表示303が行われている。
なお、出発希望時間帯指定画面で出発希望時間帯の指定が無かった場合には、例えば、図示の如く、現在および現在から所定時間(例えば、1、3、6、9時間)が経過した時点を各出発時刻とする構成としてもよい。また、指定が無かった場合の各出発時刻は、ユーザ設定事項とし、ユーザ設定記憶手段58に記憶しておいてもよい。
また、図示は省略されているが、ユーザが携帯電話機50の入力手段56を操作し、出発希望時間帯指定画面で出発希望時間帯を指定するのではなく、最遅限界時刻指定画面で最遅限界時刻を指定した場合には、道路交通情報提供サーバ20で、最遅限界時刻受付手段31により最遅限界時刻の指定情報が受信され、サーバ側出発時刻別所要時間予測表示処理手段29により、所要時間算出手段28により算出されたデータのうち、その最遅限界時刻までに目的地に到着可能な各出発時刻およびこれらの各出発時刻に対応する所要時間のデータのみが携帯電話機50に送信される。そして、携帯電話機50では、端末側出発時刻別所要時間予測表示処理手段53により、出発時刻別所要時間予測画面が表示され、この出発時刻別所要時間予測画面には、最遅限界時刻までに目的地に到着可能な各出発時刻およびこれらに対応する所要時間のみが表示される。
次に、路線別渋滞予測の処理を、図9および図10を参照しながら説明する。
ユーザが携帯電話機50の入力手段56を操作し、表示対象としたい路線を指定すると、その指定情報がネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信される(ステップS61)。なお、ユーザが道路交通情報の提供サービスを受ける前に予め路線の指定を行うことにより、その路線についての渋滞予測の表示処理専用の外部取得プログラム(例えばJAVAアプリケーション等)を道路交通情報提供サーバ20からダウンロードして取得し、これを外部取得プログラム記憶手段57に記憶させておき、そのプログラムを起動する場合には、道路交通情報提供サーバ20への路線の指定情報の送信は、プログラムにより自動的に行われる。
道路交通情報提供サーバ20では、路線の指定情報を受信すると、変換テーブル群46のテーブルを用い、指定された路線に関するVICSリンクIDを把握し、把握したVICSリンクIDに基づき、現況データ記憶手段41Aから該当するVICSリンクの現在の渋滞情報を含む道路交通情報を把握する。この際、変換テーブル群46には、表示対象となる路線に関する路線別リンク(VICSリンクとは異なる基準で路線を分割して形成された各区間であり、各路線別リンクを識別するための路線別リンクIDが付されている。)とこの路線別リンクに対応するVICSリンクとを関連付けるテーブルを用意し、路線別リンクIDからVICSリンクIDが把握できるようになっている。
そして、道路交通情報提供サーバ20では、処理手段20Aにより、表示対象路線について把握した現在の渋滞情報を含む道路交通情報に基づき、その路線についての渋滞や規制等のある箇所のみをリストアップした渋滞情報リストデータを作成し、これをネットワーク1を介して携帯電話機50に送信する(ステップS62)。
すると、携帯電話機50の表示手段55の画面上には、処理手段50Aにより、図10に示すような表示対象路線(図示の例では、環状7号線となっている。)についての渋滞情報リスト画面400が表示される(ステップS63)。
図10において、渋滞情報リスト画面400には、主要道路ポイントの名称401と、文字で示された主要道路ポイント間の現在の渋滞情報(規制等の情報も含む。)402と、マーク(渋滞や規制等の程度や内容に応じ、絵柄および/または色が変化するマーク)で示された主要道路ポイント間の現在の渋滞情報(規制等の情報も含む。)403とが表示されている。また、渋滞情報リスト画面400は、上下線別(図示の例では、外回りと内回り)に表示できるようになっている。ユーザが、例えば上下の方向キーを操作すると、渋滞情報リスト画面400は、上下にスクロールされる。なお、渋滞情報リスト画面400への情報の表示形態は、図示の例と縦横逆にしてもよい。
ユーザが渋滞情報リスト画面400の「渋滞予測を見る」ボタン404を押すと、携帯電話機50の表示手段55の画面上には、処理手段50Aにより、路線別渋滞予測画面を表示する際の表示中心となる主要道路ポイントを指定する表示中心指定画面(不図示)が表示される。ユーザが、この画面で表示中心となる主要道路ポイントを指定すると、その指定情報がネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信される(ステップS64)。
道路交通情報提供サーバ20では、表示中心となる主要道路ポイントの指定情報を受信すると、サーバ側路線別渋滞予測表示処理手段32により、変換テーブル群46のテーブルを用い、表示中心として指定された主要道路ポイントを含む表示対象路線の少なくとも一部(例えば、長い路線の場合には、路線の一部となり、短い路線の場合には、路線の全部となる。)に関する路線別リンクIDからVICSリンクIDを把握し、把握したVICSリンクIDに基づき、現況データ記憶手段41Aから該当するVICSリンクの現在の渋滞情報を把握する。そして、把握した各VICSリンクの現在の渋滞情報に基づき、主要道路ポイント間を通過するための現在の所要時間を算出し、算出した現在の所要時間データをネットワーク1を介して携帯電話機50に送信する(ステップS65)。また、各VICSリンクの現在の渋滞情報に基づき、渋滞情報バンド表示用のデータを作成し、このデータも現在の所要時間データとともに携帯電話機50に送信する。
携帯電話機50では、現在の所要時間データおよび渋滞情報バンド表示用のデータを受信すると、端末側路線別渋滞予測表示処理手段54により、図10に示すような路線別渋滞予測画面410が表示手段55の画面上に表示される(ステップS66)。但し、この段階では、所要時間の予測値414は、未だ表示されない(図示の状態とは異なる)。
図10において、路線別渋滞予測画面410には、ステップS64で指定した表示中心の主要道路ポイント(図示の例では、蒲田陸橋)の名称411が、画面410の略中央位置に表示され、その左右の位置には、前後の主要道路ポイント(図示の例では、大原2丁目付近、深沢交差点)の名称411が表示されている。これらの主要道路ポイントの名称411同士の間には、隣接表示された二つの主要道路ポイント間を通過するための現在の所要時間の実測値412と、隣接表示された二つの主要道路ポイント間における渋滞箇所およびその程度を視覚的に示す渋滞情報バンド413とが表示されている。なお、画面410への情報の表示形態は、図示の例と縦横逆にしてもよい。
渋滞情報バンド413は、左右に延びるバンド内で渋滞箇所に相当する位置を着色して渋滞箇所を示すとともに、渋滞の程度に応じて色を変え、例えば、渋滞は赤で着色し、混雑はオレンジで着色している。
ユーザは、例えば左右の方向キーを操作することで、路線別渋滞予測画面410を左右に移動させ、画面中央にくる主要道路ポイントを自在に変更し、表示対象となっている路線上を前進後退移動することができるようになっている。なお、図示の例では、キー操作によるスクロールなしで一度に閲覧できる主要道路ポイントの個数は、3個とされていたが、これに限定されるものではなく、例えば図示の例における「深沢交差」の文字表示を省略する等により2個としてもよく、あるいは画面サイズに応じ、4個以上としてもよい。
また、路線別渋滞予測画面410には、表示対象の時間を1日過去に戻す「前日」ボタン415と、30分過去に戻す「−30分」ボタン416と、現在に戻す「現在に戻る」ボタン417と、30分未来に進める「+30分」ボタン418と、1日未来に進める「翌日」ボタン419とが設けられている。ユーザは、例えば上下の方向キーを操作し、これらの各ボタン415〜419を押すことで、時間軸上を移動し、各主要道路ポイント間の通過所要時間についての現在の実測値、未来の少なくとも一時点の予測値、過去の少なくとも一時点の実測値を自在に表示させることができるようになっている。さらに、表示対象としている時点を視覚的に把握させるために、上下方向に延びる時間軸420上を上下に移動する表示対象時点指示マーク421が設けられている。なお、「現在に戻る」ボタン417を押すと、例えば、表示中の未来の予測値(および「予測」の文字)や過去の実測値(および「履歴」等の文字)が消え、現在の実測値のみの表示になるようにしてもよい。
そして、ユーザが、各ボタン415〜419のいずれかを押すと、渋滞予測に基づく所要時間の予測値または過去履歴に基づく所要時間の実測値の表示要求信号が、ネットワーク1を介して道路交通情報提供サーバ20に送信される(ステップS67)。道路交通情報提供サーバ20では、この要求信号を受信すると、要求時点の判定を行う(ステップS68)。
ここで、要求時点が、未来の時点(例えば30分後)であったとすると、サーバ側路線別渋滞予測表示処理手段32により、変換テーブル群46のテーブルを用い、表示中心として指定された主要道路ポイントを含む表示対象路線の少なくとも一部に関する路線別リンクIDからVICSリンクIDを把握し、把握したVICSリンクIDに基づき、渋滞予測データ記憶手段43から該当するVICSリンクの未来の渋滞予測情報を把握する。そして、把握した各VICSリンクの未来の渋滞予測情報に基づき、主要道路ポイント間を通過するための未来の時点における所要時間の予測値を算出し、算出した未来の所要時間の予測値のデータをネットワーク1を介して携帯電話機50に送信する(ステップS69)。
すると、携帯電話機50では、端末側路線別渋滞予測表示処理手段54により、図10に示すように、道路交通情報提供サーバ20から受信した未来の所要時間の予測値のデータに基づき、路線別渋滞予測画面410上に、要求に係る未来の時点(例えば30分後)における所要時間の予測値414が表示される(ステップS70)。この未来の時点における所要時間の予測値414は、渋滞情報バンド413を挟んで現在の所要時間の実測値412と上下方向の反対側の位置に、現在の所要時間の実測値412と対応する状態で表示される。なお、未来の時点については、現在の場合のような渋滞情報バンド413の表示は行われないが、未来の時点についても、渋滞情報バンド413に対応させて、二つの主要道路ポイント間における未来の時点での渋滞予測箇所およびその程度を視覚的に示す渋滞情報バンドを表示してもよい。
一方、ステップS68で、要求時点が、過去の時点(例えば30分前)であったとすると、サーバ側路線別渋滞予測表示処理手段32により、変換テーブル群46のテーブルを用い、表示中心として指定された主要道路ポイントを含む表示対象路線の少なくとも一部に関する路線別リンクIDからVICSリンクIDを把握し、把握したVICSリンクIDに基づき、履歴データ記憶手段41Bから該当するVICSリンクの過去の渋滞履歴情報を把握する。そして、把握した各VICSリンクの過去の渋滞履歴情報に基づき、主要道路ポイント間を通過するための過去の時点における所要時間の実測値を算出し、算出した過去の所要時間の実測値のデータをネットワーク1を介して携帯電話機50に送信する(ステップS69)。
すると、携帯電話機50では、端末側路線別渋滞予測表示処理手段54により、道路交通情報提供サーバ20から受信した過去の所要時間の実測値のデータに基づき、路線別渋滞予測画面410上に、要求に係る過去の時点(例えば30分前)における所要時間の実測値が表示される(ステップS70)。この過去の時点における所要時間の実測値は、未来の時点における所要時間の予測値414と同じ位置、すなわち渋滞情報バンド413を挟んで現在の所要時間の実測値412と上下方向の反対側の位置に表示される。この際、図10の画面410に赤色等で表示された「予測」という文字表示は、別の色(例えば暗い色等)の例えば「履歴」等の文字表示に変更される。
そして、以降、ユーザが各ボタン415〜419のいずれかを押す都度に、ステップS67〜S70が繰り返される。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、道路交通情報提供システム10は、サーバ側エリア渋滞予測表示処理手段24および端末側エリア渋滞予測表示処理手段51を備えているので、ユーザに対し、渋滞予測データ算出手段21により算出した渋滞予測データに基づきエリアの簡略図形上に渋滞予測情報を示すマークを描いた未来渋滞予測画面110(図4参照)を提供することができる。
このため、ユーザは、未来の少なくとも一時点の渋滞状況をエリア単位で一括して把握することができる。従って、前述した非特許文献1,2のような渋滞予測情報の文字情報による提供の場合に比べ、渋滞予測情報を視覚により直感的に把握できるので、未来の渋滞状況を迅速に把握することができるうえ、前述した特許文献1のような過去から現在に至る渋滞情報の経時的変化の提供の場合に比べ、ユーザに対して未来の渋滞予測情報を直接に呈示できるので、ユーザの予測判断の手間を軽減できる。このため、ユーザの走行ルートの選択に役立つ効果的な情報提供を実現でき、ユーザにとって使い勝手の良いシステムを実現することができる。
また、道路交通情報提供システム10は、画面切換要求受付手段25を備えているので、図4に示すように、ユーザの切換要求に基づき、現在渋滞実測画面100と、未来渋滞予測画面110と、過去渋滞履歴画面120とを自在に切り換えて表示することができる。このため、システム10の使い勝手を、より一層向上させることができるうえ、ユーザは、これらの画面100,110,120を対比して参照することにより、より一層的確かつ容易に未来の渋滞状況を把握することができる。
さらに、現在渋滞実測画面100と、未来渋滞予測画面110と、過去渋滞履歴画面120とは、例えば、渋滞情報を示すラインを点滅させたり、背景部分の色を変化させること等により、それぞれ異なる表示形態で表示されるので、ユーザは、表示中の画面の種別(現在・過去・未来の別)を容易に把握することができ、あるいは同一種別の画面が複数時点について表示されてそれらの表示形態が異なる場合には、表示対象時点(未来の複数時点のうちのいつの時点か、過去の複数時点のうちのいつの時点か)を容易に把握することができる。
また、道路交通情報提供システム10は、サーバ側渋滞ポイント予報表示処理手段26および端末側渋滞ポイント予報表示処理手段52を備えているので、未来の複数時点を示す各時刻と、これらの各時刻の平均時速とを、渋滞ポイント予報画面220(図6参照)内で対応させて表示することができる。このため、ユーザは、主要道路ポイントの未来の渋滞状況の経時的変化を把握することができ、例えば、その主要道路ポイントがいつ渋滞するのかの把握、その主要道路ポイントの渋滞が今後解消される傾向にあるのか悪化する傾向にあるのかの把握、その主要道路ポイントをいつ通過するべきかの判断、あるいはその主要道路ポイントの通過や走行を回避するか否かの判断等を容易に行うことができる。このため、ユーザは、出発前に効率的な走行スケジュールを立てること、あるいは走行中に走行スケジュールを変更すること等を容易に行うことができる。
そして、渋滞ポイント予報画面220には、平均時速が表示されるので、平均所要時間の変化を参照する場合の如く渋滞や混雑の傾向(経時的変化)を、相対的に把握するだけではなく、絶対的な渋滞や混雑の度合いとして把握することができる。
さらに、道路交通情報提供システム10は、希望時間帯受付手段27を備えているので、ユーザは、渋滞や混雑の状況を確認したい未来の時間帯を自ら選択し、渋滞ポイント予報画面220を表示させることができる。このため、システム10の使い勝手を、より一層向上させることができる。
また、道路交通情報提供システム10は、サーバ側出発時刻別所要時間予測表示処理手段29および端末側出発時刻別所要時間予測表示処理手段53を備えているので、複数の出発時刻と、各出発時刻に出発した場合の所要時間とを、出発時刻別所要時間予測画面300(図8参照)内で対応させて表示することができる。このため、ユーザは、いつ頃出発すれば効率が良いかを確認することができ、時間を節約して使うことができる。
また、各出発時間毎に所要時間が変化するので、単に所要時間が短くなる出発時間を把握し、選択して移動時間の短縮を図ることのみならず、移動の前後の行動を含めて出発時間を選択することで、効率的な行動プランを立てることができる。このため、ユーザにとって使い勝手の良いシステムを実現することができる。
さらに、道路交通情報提供システム10は、出発希望時間帯受付手段30を備えているので、ユーザは、所要時間を知りたい出発時間帯を自ら選択し、出発時刻別所要時間予測画面300を表示させることができ、この点でも、システム10の使い勝手を向上させることができる。
そして、道路交通情報提供システム10は、最遅限界時刻受付手段31を備えているので、ユーザは、いつまでに目的地に到着するという条件を自ら設定し、その条件下で、いつ頃出発すれば効率が良いかを確認することができ、この点でも、システム10の使い勝手を向上させることができる。
また、端末側出発時刻別所要時間予測表示処理手段53は、出発時刻別所要時間予測画面300(図8参照)で、各所要時間に応じた長さのバー表示を行うので、ユーザは、視覚的に所要時間の長短を把握することができ、出発時刻の選択判断を、より一層容易に行うことができる。
さらに、道路交通情報提供システム10は、サーバ側路線別渋滞予測表示処理手段32および端末側路線別渋滞予測表示処理手段54を備えているので、各主要道路ポイントの名称411と、各主要道路ポイント間の通過所要時間の現在の実測値412と、通過所要時間の未来の予測値414とを路線別渋滞予測画面410(図10参照)内に表示することができる。このため、ユーザは、通過所要時間についての現在の実測値412と、未来の予測値414とを見比べることにより、その路線についての今後の渋滞状況の変化を各主要道路ポイント間毎に把握することができる。
従って、ユーザは、事前に走行予定の路線の渋滞情報を確認し、目的地への到着時刻の予想等をすることができ、また、出発時刻の調整や、目的地へ向かう経路の途中での食事やショッピング等の時間調整を行うための判断材料を得ることができるので、この点でもシステム10の使い勝手を向上させることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
すなわち、前記実施形態では、道路交通情報提供システム10を構成する道路交通情報提供サーバは、インターネット2等によるネットワーク1に接続された道路交通情報提供サーバ20とされていたが、本発明の道路交通情報提供システムを構成する道路交通情報提供サーバは、これに限定されるものではなく、例えば、放送用電波により道路交通情報を提供するテレビ局等であってもよい。
また、前記実施形態では、道路交通情報提供システム10を構成するユーザ端末装置は、携帯電話機50とされていたが、本発明の道路交通情報提供システムを構成するユーザ端末装置は、これに限定されるものではなく、例えば、コンピュータ等であってもよい。
そして、前記実施形態では、路線別渋滞予測の処理において、図10の路線別渋滞予測画面410には、主要道路ポイント間の通過所要時間について、最初に現在の実測値のみが表示され、続いて、ユーザのボタン操作の後に、未来の予測値が現在の実測値と対応する状態で表示される構成とされていたが、現在の実測値と未来の予測値とを最初から同時に表示する構成としてもよい。なお、前記実施形態では、ユーザのボタン操作により、過去の実測値も現在の実測値と対応する状態で表示できる構成とされていたが、過去の実測値については表示しない構成としてもよい。
さらに、前記実施形態では、出発時刻別所要時間予測の処理において、ユーザが出発希望時間帯を指定した場合には、図8に示すような出発時刻別所要時間予測画面300が表示されたが、出発時刻別所要時間予測画面の表示形式は、これに限らず、例えば、ユーザが最遅限界時刻を指定した場合には、図11に示すような出発時刻別所要時間予測画面500を表示してもよい。
図11において、ユーザが、コンピュータ等により構成されたユーザ端末装置で、出発地および目的地を設定し、さらに、最遅限界時刻(日付を含む。)を指定すると、ユーザ端末装置の画面上には、出発時刻別所要時間予測表示処理手段により、出発時刻別所要時間予測画面500が表示される。この出発時刻別所要時間予測画面500には、最遅限界時刻までに目的地に到達可能な各出発時刻501と、これらの各出発時刻501に出発した場合の所要時間502とが表示されている。さらに、画面500には、所要時間502の長短に応じた長さのバー表示503が行われている。
また、出発時刻別所要時間予測画面500には、画面500上に表示された各出発時刻501のうち最も早い出発時刻(図示の例では、12:00)についての所要時間を示すためのバー表示503の左端から、その最も早い出発時刻(12:00)を示す斜線504が、左下に向かって引かれている。一方、同様な考え方で、最遅限界時刻(図示の例では、18:00)を示す斜線505が、最も早い出発時刻(12:00)を示す斜線504と平行に引かれている。さらに、最遅限界時刻(18:00)を示す斜線505の右側には、各出発時刻501に出発した場合の最遅限界時刻(18:00)までの目的地における余り時間506が表示されている。
出発時刻別所要時間予測画面500において、各所要時間を示すためのバー表示503の左端位置と、最も早い出発時刻(12:00)を示す斜線504との間の左側スペース507の長さは、出発前の余裕時間を意味し、一方、各所要時間を示すためのバー表示503の右端位置と、最遅限界時刻(18:00)を示す斜線505との間の右側スペース508の長さは、余り時間506を示し、目的地へ到着後の余裕時間を意味する。従って、ユーザは、出発前の余裕時間と、乗車時間と、目的地へ到着後の余裕時間とを見比べることにより、最も効率の良い行動パターンとなる出発時刻501を選択することができる。
さらに、出発時刻別所要時間予測画面500に設けられた「画面切換」ボタン509を押すと、ユーザ端末装置の画面上には、出発時刻別所要時間予測表示処理手段により、図11に示すような出発時刻別所要時間予測画面520が切換表示される。
出発時刻別所要時間予測画面520には、最遅限界時刻までに目的地に到達可能な各出発時刻521と、これらの各出発時刻521に出発した場合の所要時間522とが表示されている。さらに、画面520には、所要時間522の長短に応じた長さのバー表示523が行われている。
また、出発時刻別所要時間予測画面520には、画面520上に表示された各出発時刻521のうち最も早い出発時刻(図示の例では、12:00)についての所要時間を示すためのバー表示523の左端から、その最も早い出発時刻(12:00)を示す線524が、真下に向かって、つまり上下方向に引かれている。一方、同様な考え方で、最遅限界時刻(図示の例では、18:00)を示す線525が、最も早い出発時刻(12:00)を示す線524と平行に、つまり上下方向に引かれている。さらに、最遅限界時刻(18:00)を示す斜線525の右側には、各出発時刻521に出発した場合の最遅限界時刻(18:00)までの目的地における余り時間526が表示されている。
出発時刻別所要時間予測画面520において、各所要時間を示すためのバー表示523の左端位置と、最も早い出発時刻(12:00)を示す線524との間の左側スペース527の長さは、出発前の余裕時間を意味し、一方、各所要時間を示すためのバー表示523の右端位置と、最遅限界時刻(18:00)を示す線525との間の右側スペース528の長さは、余り時間526を示し、目的地へ到着後の余裕時間を意味する。従って、ユーザは、画面500を参照する場合と同様に、出発前の余裕時間と、乗車時間と、目的地へ到着後の余裕時間とを見比べることにより、最も効率の良い行動パターンとなる出発時刻521を選択することができる。
さらに、出発時刻別所要時間予測画面520に設けられた「画面切換」ボタン529を押すと、ユーザ端末装置の画面上には、出発時刻別所要時間予測表示処理手段により、出発時刻別所要時間予測画面500が切換表示される。
画面500と画面520との相違は、各所要時間を示すためのバー表示503の左端位置を揃えてそれらの長さの比較(つまり、各所要時間の長短の比較)を容易にしたか、あるいはバー表示523の位置を左右方向の時間軸に合わせて絶対的な時刻として把握し易くしたかの相違である。従って、両者は、画面500の斜線504,505を、画面520の線524,525に一致させるように、ずらして表示しただけの関係であり、実質的には、同じものである。