JP2007093692A - 液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 画像むらが改善され、生産性が良好であり、省資源化やコスト低減が図れる液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 ガラス基板10の液晶20側の面Aに、第1の屈折率を有する第1の透明膜11と、この第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の透明膜12と、この第2の屈折率よりも大きい第3の屈折率を有する導電性の透明電極13とが順次積層されてなる透明多層膜15aを形成し、透明電極13の厚さを10〜25nmの範囲内とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 ガラス基板10の液晶20側の面Aに、第1の屈折率を有する第1の透明膜11と、この第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の透明膜12と、この第2の屈折率よりも大きい第3の屈折率を有する導電性の透明電極13とが順次積層されてなる透明多層膜15aを形成し、透明電極13の厚さを10〜25nmの範囲内とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示素子は、プロジェクタやプロジェクションテレビなどの大画面ディスプレイ装置に用いられている。また、大画面ディスプレイ装置は、さらなる大画面化が進み、この大画面化に伴って画像を表示するための光源の高輝度化が望まれている。
そこで、この光源として、従来から用いられていたメタルハライドランプに加えて、このメタルハライドランプよりも低消費電力で高輝度が得られる超高圧水銀(UHP:Ultra High Performance)ランプが多く用いられるようになった。
この超高圧水銀ランプは、周知のように、可視光域において特定波長の輝線を有している。そして、この輝線により干渉が発生し、干渉縞(フリンジともいう)や輝度むらなどの表示不良が発生する場合がある。特定波長とは、一般的に、約440nm、約540nm、及び約580nmである。
そこで、この光源として、従来から用いられていたメタルハライドランプに加えて、このメタルハライドランプよりも低消費電力で高輝度が得られる超高圧水銀(UHP:Ultra High Performance)ランプが多く用いられるようになった。
この超高圧水銀ランプは、周知のように、可視光域において特定波長の輝線を有している。そして、この輝線により干渉が発生し、干渉縞(フリンジともいう)や輝度むらなどの表示不良が発生する場合がある。特定波長とは、一般的に、約440nm、約540nm、及び約580nmである。
この表示不良は、液晶表示素子の液晶層の厚さが10ミクロン以下と薄いため、透明基板と液晶層との界面で反射が起こると、液晶層のわずかな厚みむらによって位相ずれが生じ、この位相ずれにより発生するものと考えられる。特に反射型液晶表示素子では、液晶層を入射光及び反射光が通過するため、投射型液晶表示素子に比べ干渉縞が目立ちやすくなる。
この解決手段として光源の輝線を除去する方法が考えられるが、光量が減少するといった不具合が生じる。また、他の解決手段として液晶層の厚みむらをなくすことが考えられるが、透明基板の表面の平坦性を向上させるための工数等が増えるため、生産性が著しく低下するといった不具合が生じる。
この解決手段として光源の輝線を除去する方法が考えられるが、光量が減少するといった不具合が生じる。また、他の解決手段として液晶層の厚みむらをなくすことが考えられるが、透明基板の表面の平坦性を向上させるための工数等が増えるため、生産性が著しく低下するといった不具合が生じる。
そこで、上述した干渉縞を低減する他の手段の一つが特許文献1に記載されている。
この特許文献1の記載によれば、透明基板の一面側に、膜厚λ/4の第1のAl2O3膜、膜厚λ/2のITO(Indium Tin Oxide)膜、及び膜厚λ/4の第2のAl2O3膜が順次積層されてなる3層構造の透明電極層を形成することにより、干渉縞の発生を抑えられるとするものである。なお、λは入射光及び反射光の中心波長である。
特開2002−14327号公報
この特許文献1の記載によれば、透明基板の一面側に、膜厚λ/4の第1のAl2O3膜、膜厚λ/2のITO(Indium Tin Oxide)膜、及び膜厚λ/4の第2のAl2O3膜が順次積層されてなる3層構造の透明電極層を形成することにより、干渉縞の発生を抑えられるとするものである。なお、λは入射光及び反射光の中心波長である。
ところで、ITO膜は、一般的に、蒸着やスパッタなどの真空成膜法をよって形成される。常温で成膜されたITO膜は、アモルファス(非晶質ともいう)状態の膜であるため電気抵抗の大きい膜となってしまう。そこで、ITO膜の結晶化温度(約150℃)以上の温度でITO膜を成膜することが一般的に行われている。このようにして成膜されたITO膜は多結晶状態の膜なので、アモルファス(非晶質ともいう)状態のITO膜よりも電気抵抗の小さい膜となる。
また、一般的に、光学膜の物理膜厚Dを、D=(λ/4)×(ND/n)と表すことができる。NDは光学膜厚であり、nは屈折率である。
この式を適用すると、特許文献1に記載のITO膜の物理膜厚DITOは、DITO=(λ/4)×(ND/n)=(λ/4)×(2/n)となる。ここで、ITO膜の屈折率nを1.94とし、可視光領域における中心波長λを500nmとすると、このITO膜の物理膜厚DITOは約130nmとなる。
この式を適用すると、特許文献1に記載のITO膜の物理膜厚DITOは、DITO=(λ/4)×(ND/n)=(λ/4)×(2/n)となる。ここで、ITO膜の屈折率nを1.94とし、可視光領域における中心波長λを500nmとすると、このITO膜の物理膜厚DITOは約130nmとなる。
しかしながら、物理膜厚が約130nmの多結晶状態のITO膜を有する液晶表示素子を用いると、画像むらが発生する場合がある。
これは、ITO膜が厚くなるに従って膜中の結晶粒の大きさのばらつきが大きくなり、液晶表示素子の液晶層に電圧を印加した際、このばらつきによりITO膜内に電気抵抗の小さい領域と大きい領域とが発生するので、液晶の配向ばらつきが生じるためと考えられる。
これは、ITO膜が厚くなるに従って膜中の結晶粒の大きさのばらつきが大きくなり、液晶表示素子の液晶層に電圧を印加した際、このばらつきによりITO膜内に電気抵抗の小さい領域と大きい領域とが発生するので、液晶の配向ばらつきが生じるためと考えられる。
また、特許文献1に記載の透明電極層において、外部からITO膜に電源を供給するためには、ITO膜の表面上に形成されている第2のAl2O3膜に開口部を設けなければならず、工程が複雑になるため生産性が悪いという問題がある。
また、ITO膜には、希少資源でありコストの高いIn(インジウム)が含まれており、省資源化、コスト低減の観点から、ITO膜の薄膜化が望まれている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上述した問題を鑑みてなされたものであり、画像むらが低減され、生産性が良好であり、省資源化やコスト低減が図れる液晶表示素子を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願発明は次の手段を有する。
1)半導体基板(1)と、この半導体基板(1)の一面と所定の間隙(d1)を有して対向する面(A)を有する透明基板(10)と、前記所定の間隙(d1)部に充填された液晶(20)と、を有する液晶表示素子において、前記透明基板(10)の前記面(A)上に形成され、第1の屈折率を有する第1の透明膜(11)と、この第1の透明膜(11)上に形成され、前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の透明膜(12)と、この第2の透明膜(12)上に形成され、前記第2の屈折率よりも大きい第3の屈折率を有する導電性の透明電極(13)と、を有し、前記透明電極(13)の厚さを10〜25nmの範囲内とすることを特徴とする液晶表示素子(50)である。
2)前記透明電極(13)はITO(Indium Tin Oxide)からなることを特徴とする1)記載の液晶表示素子(50)である。
1)半導体基板(1)と、この半導体基板(1)の一面と所定の間隙(d1)を有して対向する面(A)を有する透明基板(10)と、前記所定の間隙(d1)部に充填された液晶(20)と、を有する液晶表示素子において、前記透明基板(10)の前記面(A)上に形成され、第1の屈折率を有する第1の透明膜(11)と、この第1の透明膜(11)上に形成され、前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の透明膜(12)と、この第2の透明膜(12)上に形成され、前記第2の屈折率よりも大きい第3の屈折率を有する導電性の透明電極(13)と、を有し、前記透明電極(13)の厚さを10〜25nmの範囲内とすることを特徴とする液晶表示素子(50)である。
2)前記透明電極(13)はITO(Indium Tin Oxide)からなることを特徴とする1)記載の液晶表示素子(50)である。
本発明によれば、光透過性を有する透明基板であるガラス基板の液晶側の面に、第1の屈折率を有する第1の透明膜と、この第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の透明膜と、この第2の屈折率よりも大きい第3の屈折率を有する導電性の透明電極とが順次積層されてなる透明多層膜を形成したので、画像むらが改善され、生産性が良好であり、省資源化やコスト低減が図れるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1を用いて説明する。
図1は、本発明の液晶表示素子の第1乃至第3実施例を説明するための模式的断面図である。また、第1乃至第3実施例における実施の形態がほぼ同じであるので、図1を兼用して、説明する。
図1は、本発明の液晶表示素子の第1乃至第3実施例を説明するための模式的断面図である。また、第1乃至第3実施例における実施の形態がほぼ同じであるので、図1を兼用して、説明する。
<第1実施例>[図1参照]
第1実施例の液晶表示素子50は、半導体基板と光透過性を有する透明基板とが互いに対向する構成を有している。以下に、第1実施例の液晶表示素子50について詳述する。
第1実施例の液晶表示素子50は、半導体基板と光透過性を有する透明基板とが互いに対向する構成を有している。以下に、第1実施例の液晶表示素子50について詳述する。
半導体基板であるシリコン基板1の表面には、後述する読み出し光(入射光という場合がある)L1を反射する画素電極2がマトリクス状に複数形成されている。第1実施例では、この画素電極2の材料として、Al(アルミニウム)を用いた。
また、このシリコン基板1の表面には、画素電極2への電源供給を制御するスイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)3が、各画素電極2に対応して形成されている。
そして、このシリコン基板1の表面には、画素電極2及び薄膜トランジスタ3を覆って、第1の配向膜4が形成されている。第1実施例では、この第1の配向膜4の材料として、Al2O3(酸化アルミニウム)を用いた。
また、このシリコン基板1の表面には、画素電極2への電源供給を制御するスイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)3が、各画素電極2に対応して形成されている。
そして、このシリコン基板1の表面には、画素電極2及び薄膜トランジスタ3を覆って、第1の配向膜4が形成されている。第1実施例では、この第1の配向膜4の材料として、Al2O3(酸化アルミニウム)を用いた。
光透過性を有する透明基板であるガラス基板10の一方の面Aには、第1の屈折率n1を有する第1の透明膜11と、第1の屈折率n1よりも小さい第2の屈折率n2(n1>n2)を有する第2の透明膜12と、第2の屈折率n2よりも大きい第3の屈折率n3(n2<n3)を有する導電性の透明電極13とが順次積層されてなる透明多層膜15aが形成されている。
第1実施例では、第1の透明膜11の材料としてAl2O3を、第2の透明膜12の材料としてSiO2(酸化シリコン)を、透明電極13の材料としてITO(Indium Tin Oxide)を用いた。Al2O3、SiO2、及びITOの屈折率は、それぞれ1.68、1.46、及び1.94である。
従って、第1実施例における、第1の透明膜11、第2の透明膜12、透明電極13の屈折率n1,n2,n3は、それぞれn1=1.68、n2=1.46、n3=1.94となる。また、第1実施例におけるn1,n2,及びn3の関係を、n2<n1<n3と表すことができる。
また、第1実施例では、第1の透明膜11の光学膜厚ND1を0.51とし、第2の透明膜12の光学膜厚ND2を0.50とし、透明電極13の光学膜厚ND3を0.22とした。
第1の透明膜11、第2の透明膜12、及び透明電極13は、蒸着やスパッタ等の真空成膜法により成膜されるが、第1実施例では、スパッタによりこれらの膜11,12,13を成膜した。また、成膜時の加熱温度を、ITO膜の結晶化温度(約150℃)以上の温度である220℃とした。
従って、第1実施例における、第1の透明膜11、第2の透明膜12、透明電極13の屈折率n1,n2,n3は、それぞれn1=1.68、n2=1.46、n3=1.94となる。また、第1実施例におけるn1,n2,及びn3の関係を、n2<n1<n3と表すことができる。
また、第1実施例では、第1の透明膜11の光学膜厚ND1を0.51とし、第2の透明膜12の光学膜厚ND2を0.50とし、透明電極13の光学膜厚ND3を0.22とした。
第1の透明膜11、第2の透明膜12、及び透明電極13は、蒸着やスパッタ等の真空成膜法により成膜されるが、第1実施例では、スパッタによりこれらの膜11,12,13を成膜した。また、成膜時の加熱温度を、ITO膜の結晶化温度(約150℃)以上の温度である220℃とした。
透明多層膜15の表面には、第2の配向膜16が形成されている。第1実施例では、この第2の配向膜16の材料として、Al2O3(酸化アルミニウム)を用いた。
また、ガラス基板10の他方の面Bには、AR(Anti Reflection)膜(反射防止膜ともいう)17が形成されている。
また、ガラス基板10の他方の面Bには、AR(Anti Reflection)膜(反射防止膜ともいう)17が形成されている。
上述したシリコン基板1及びガラス基板10は、シリコン基板1の第1の配向膜4とガラス基板10の第2の配向膜16とが互いに向き合うように、所定の間隙d1を有して配置されている。この間隙d1部は、負の誘電異方性を有するネマティック液晶20で充填されている。
そして、この液晶表示素子50は、薄膜トランジスタ3により各画素電極2への電源供給を制御して、所定の画素電極2に対応した範囲における液晶20を動作させ、外部からAR膜17を透過して入射した読み出し光L1を、この所定の画素電極2で反射させて表示光L2とし、所定の画像を得るものである。
<第2実施例>[図1参照]
第2実施例の液晶表示素子55は、第1実施例の液晶表示素子50に対して、透明多層膜の構成材料及び膜厚において相違し、それ以外については第1実施例の液晶表示素子50と同じである。
第2実施例の透明多層膜15bにおいて、第1の透明膜11の材料としてTa2O5(五酸化タンタル)を、第2の透明膜12の材料としてSiO2(酸化シリコン)を、透明電極13の材料としてITO(Indium Tin Oxide)を用いている。
Ta2O5、SiO2、及びITOの屈折率は、それぞれ2.20、1.46、及び1.94である。
従って、第2実施例における、第1の透明膜11、第2の透明膜12、透明電極13の屈折率n11,n12,n13は、それぞれn11=2.20、n12=1.46、n13=1.94となる。また、第2実施例におけるn11,n12,及びn13の関係を、n12<n13<n11と表すことができる。
また、第2実施例では、第1の透明膜11の光学膜厚ND11を0.14とし、第2の透明膜12の光学膜厚ND12を0.64とし、透明電極13の光学膜厚ND13を0.22とした。
第2実施例の液晶表示素子55は、第1実施例の液晶表示素子50に対して、透明多層膜の構成材料及び膜厚において相違し、それ以外については第1実施例の液晶表示素子50と同じである。
第2実施例の透明多層膜15bにおいて、第1の透明膜11の材料としてTa2O5(五酸化タンタル)を、第2の透明膜12の材料としてSiO2(酸化シリコン)を、透明電極13の材料としてITO(Indium Tin Oxide)を用いている。
Ta2O5、SiO2、及びITOの屈折率は、それぞれ2.20、1.46、及び1.94である。
従って、第2実施例における、第1の透明膜11、第2の透明膜12、透明電極13の屈折率n11,n12,n13は、それぞれn11=2.20、n12=1.46、n13=1.94となる。また、第2実施例におけるn11,n12,及びn13の関係を、n12<n13<n11と表すことができる。
また、第2実施例では、第1の透明膜11の光学膜厚ND11を0.14とし、第2の透明膜12の光学膜厚ND12を0.64とし、透明電極13の光学膜厚ND13を0.22とした。
<第3実施例>[図1参照]
第3実施例の液晶表示素子60は、第1実施例の液晶表示素子50に対して、透明多層膜の構成材料及び膜厚において相違し、それ以外については第1実施例の液晶表示素子50と同じである。
第3実施例の透明多層膜15cにおいて、第1の透明膜11の材料としてITO(Indium Tin Oxide)を、第2の透明膜12の材料としてSiO2(酸化シリコン)を、透明電極13の材料としてITOを用いた。SiO2及びITOの屈折率は、1.46及び1.94である。
従って、第3実施例における、第1の透明膜11、第2の透明膜12、透明電極13の屈折率n21,n22,n23は、それぞれn21=1.94、n22=1.46、n23=1.94となる。また、第2実施例におけるn21,n2
2,及びn23の関係を、n22<n21=n23と表すことができる。
また、第3実施例では、第1の透明膜11の光学膜厚ND21を0.26とし、第2の透明膜12の光学膜厚ND22を0.56とし、透明電極13の光学膜厚ND13を0.26とした。
第3実施例の液晶表示素子60は、第1実施例の液晶表示素子50に対して、透明多層膜の構成材料及び膜厚において相違し、それ以外については第1実施例の液晶表示素子50と同じである。
第3実施例の透明多層膜15cにおいて、第1の透明膜11の材料としてITO(Indium Tin Oxide)を、第2の透明膜12の材料としてSiO2(酸化シリコン)を、透明電極13の材料としてITOを用いた。SiO2及びITOの屈折率は、1.46及び1.94である。
従って、第3実施例における、第1の透明膜11、第2の透明膜12、透明電極13の屈折率n21,n22,n23は、それぞれn21=1.94、n22=1.46、n23=1.94となる。また、第2実施例におけるn21,n2
2,及びn23の関係を、n22<n21=n23と表すことができる。
また、第3実施例では、第1の透明膜11の光学膜厚ND21を0.26とし、第2の透明膜12の光学膜厚ND22を0.56とし、透明電極13の光学膜厚ND13を0.26とした。
<比較例>[図1参照]
第1乃至第3実施例に対する比較例の液晶表示素子100について説明する。
比較例の液晶表示素子100は、第1乃至第3実施例の液晶表示素子50,55,60と形態がほぼ同じであるので、図1を兼用して、説明する。
比較例の液晶表示素子100は、第1乃至第3実施例の液晶表示素子50,55,60に対して、透明多層膜の構成において相違し、透明多層膜以外の構成において同じである。
比較例の透明多層膜115は、ガラス基板10の一方の面Aに、第1の屈折率n111を有する第1の透明膜111と、第1の屈折率n111よりも大きい第2の屈折率n112(n111<n112)を有する導電性の透明電極112と、第2の屈折率n112よりも小さい第3の屈折率n113(n112>n113)を有する第2の透明膜113とが順次積層されてなるものである。
第1乃至第3実施例に対する比較例の液晶表示素子100について説明する。
比較例の液晶表示素子100は、第1乃至第3実施例の液晶表示素子50,55,60と形態がほぼ同じであるので、図1を兼用して、説明する。
比較例の液晶表示素子100は、第1乃至第3実施例の液晶表示素子50,55,60に対して、透明多層膜の構成において相違し、透明多層膜以外の構成において同じである。
比較例の透明多層膜115は、ガラス基板10の一方の面Aに、第1の屈折率n111を有する第1の透明膜111と、第1の屈折率n111よりも大きい第2の屈折率n112(n111<n112)を有する導電性の透明電極112と、第2の屈折率n112よりも小さい第3の屈折率n113(n112>n113)を有する第2の透明膜113とが順次積層されてなるものである。
この比較例の透明多層膜115において、第1の透明膜111の材料としてAl2O3(酸化アルミニウム)を、透明電極112の材料としてITO(Indium Tin Oxide)を、第2の透明膜113の材料としてAl2O3を用いた。ITO及びAl2O3の屈折率は、1.94及び1.68である。
従って、比較例では、n111=1.68、n112=1.94、及びn113=1.68となる。また、比較例におけるn111,n112,及びn113の関係を、n112=n113<n112と表すことができる。
また、比較例では、第1の透明膜111の光学膜厚ND111を1とし、透明電極112の光学膜厚ND112を2とし、第2の透明膜113の光学膜厚ND113を1とした。
この透明多層膜115の構成は、一般的に用いられている構成である。
従って、比較例では、n111=1.68、n112=1.94、及びn113=1.68となる。また、比較例におけるn111,n112,及びn113の関係を、n112=n113<n112と表すことができる。
また、比較例では、第1の透明膜111の光学膜厚ND111を1とし、透明電極112の光学膜厚ND112を2とし、第2の透明膜113の光学膜厚ND113を1とした。
この透明多層膜115の構成は、一般的に用いられている構成である。
上述した第1乃至第3実施例、及び比較例の液晶表示素子50,55,60,100それぞれを、可視光領域における反射率R、干渉縞(フリンジ)、及び画像むらについて調べ、その結果を表1に示す。なお、この可視光波長領域を440〜660nmの範囲とし、その中心波長を500nmとした。
表1から、比較例の液晶表示素子100では画像むらが発生しているのに対し、第1乃至第3実施例の液晶表示素子50,55,60では画像むらが発生していないことを確認した。
この画像むらが発生しなかった理由について説明する。
表1から、第1乃至第3実施例の透明電極13はいずれもITO膜であり、その各光学膜厚ND3,ND13,ND23は、それぞれ、ND3=0.22、ND13=0.22、ND23=0.26である。
一方、比較例の透明電極113もITO膜であり、その光学膜厚ND113は、ND113=1である。
これらの光学膜厚を、上述した式 D=(λ/4)×(ND/n) に代入しλを可視光領域における中心波長である500nmとすると、第1乃至第3実施例、及び比較例の透明電極13,113の物理膜厚D3,D13,D23,及びD113は、それぞれ、D3=14nm、D13=17nm、D23=14nm、及びD113=130nmとなる。
即ち、第1乃至第3実施例の透明電極13の各物理膜厚D3,D13,D23は、比較例の透明電極113の物理膜厚D113の約11〜13%の厚さである。
このように、第1乃至第3実施例では、比較例よりも透明電極13であるITO膜の物理膜厚を大幅に薄くできるので、このような膜厚の薄いITO膜は、膜中の結晶粒の大きさのばらつきが小さく、液晶表示素子の液晶層に電圧を印加した際にITO膜内の電気抵抗のばらつきが小さいため、液晶の配向が安定し、画像むらが発生しなかったものと考えられる。
表1から、第1乃至第3実施例の透明電極13はいずれもITO膜であり、その各光学膜厚ND3,ND13,ND23は、それぞれ、ND3=0.22、ND13=0.22、ND23=0.26である。
一方、比較例の透明電極113もITO膜であり、その光学膜厚ND113は、ND113=1である。
これらの光学膜厚を、上述した式 D=(λ/4)×(ND/n) に代入しλを可視光領域における中心波長である500nmとすると、第1乃至第3実施例、及び比較例の透明電極13,113の物理膜厚D3,D13,D23,及びD113は、それぞれ、D3=14nm、D13=17nm、D23=14nm、及びD113=130nmとなる。
即ち、第1乃至第3実施例の透明電極13の各物理膜厚D3,D13,D23は、比較例の透明電極113の物理膜厚D113の約11〜13%の厚さである。
このように、第1乃至第3実施例では、比較例よりも透明電極13であるITO膜の物理膜厚を大幅に薄くできるので、このような膜厚の薄いITO膜は、膜中の結晶粒の大きさのばらつきが小さく、液晶表示素子の液晶層に電圧を印加した際にITO膜内の電気抵抗のばらつきが小さいため、液晶の配向が安定し、画像むらが発生しなかったものと考えられる。
従って、上述した第1乃至第3実施例のように、第2の基板であるガラス基板の一面に形成される透明多層膜15a,15b,15cを、第1の屈折率n1,n11,n21を有する第1の透明膜と、第1の屈折率n1,n11,n21よりも小さい第2の屈折率n2,n12,n22(n1>n2,n11>n12,n21>n22)を有する第2の透明膜と、第2の屈折率n2,n12,n22よりも大きい第3の屈折率n3,n13,n23(n2<n3,n12<n13,n22<n23)を有する導電性の透明電極とが順次積層されてなる構成にしたため、透明電極であるITO膜の物理膜厚を薄くすることができるので、画像むらを改善することができる。
次に、発明者は、ITO膜の物理膜厚と画像むらとの関係について調べ、結果を表2にまとめた。
表2から、ITO膜の物理膜厚を25nm以下にすることによって、画像むらが発生しないことを確認した。
ところで、ITO膜の物理膜厚が薄くなるほどITO膜の電気抵抗値は大きくなる。そして、ITO膜の物理膜厚が10nm未満になると、この電気抵抗値の増加によって、液晶の配向むらが発生する場合がある。
従って、透明電極であるITO膜の物理膜厚を、10〜25nmの範囲内とすることが望ましい。
ところで、ITO膜の物理膜厚が薄くなるほどITO膜の電気抵抗値は大きくなる。そして、ITO膜の物理膜厚が10nm未満になると、この電気抵抗値の増加によって、液晶の配向むらが発生する場合がある。
従って、透明電極であるITO膜の物理膜厚を、10〜25nmの範囲内とすることが望ましい。
また、表1から、第1乃至第3実施例、及び比較例の透明多層膜15a,15b,15c,及び115の物理膜厚は、それぞれ、95nm,77nm,82nm,及び277nmである。一般的に、成膜時間は物理膜厚に比例するため、物理膜厚が薄いと、生産性に有利である。
また、透明電極の材料であるITOは、希少資源でありコストの高いIn(インジウム)が含まれている。本発明の液晶表示素子によれば、透明電極であるITO膜の膜厚を薄くできるので、省資源化やコスト低減を図れる。
よって、本発明の液晶表示素子は、ガラス基板の液晶側の面に、第1の屈折率を有する第1の透明膜と、この第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の透明膜と、この第2の屈折率よりも大きい第3の屈折率を有する導電性の透明電極とが順次積層されてなる透明多層膜を形成した構成を有するようにしたので、画像むらが改善され、生産性が良好であり、省資源化やコスト低減が図れる。
また、本発明の液晶表示素子は、透明多層膜の最外層として導電性の透明電極が形成されているため、外部からこの透明電極に電源を直接供給できるので、上述したような開口部を設ける工程がなくなるので、工程が簡略化されるため良好な生産性が得られる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
例えば、透明多層膜において、第1の透明膜の屈折率naと、第2の透明膜の屈折率nbと、透明電極の屈折率ncとは、na>nb、及び、nb<ncの関係を満たしていればよく、naとncとは、na<nc、na>nc、na=ncいずれの場合でも構わない。
即ち、na<ncの場合は第1実施例、na>ncの場合は第2実施例、na=ncの場合は第3実施例により説明される。
即ち、na<ncの場合は第1実施例、na>ncの場合は第2実施例、na=ncの場合は第3実施例により説明される。
また、発明者は、鋭意実験した結果、可視光領域における反射率Rが0.7%以下(R≦0.7)のとき、干渉縞(フリンジ)が発生しないことを確認している。第1乃至第3実施例の液晶表示素子50,55,60の可視光領域における反射率Rはいずれも0.5%以下であり、干渉縞(フリンジ)は発生していない。
1 シリコン基板、 2 画素電極、 3 薄膜トランジスタ、 4 第1の配向膜、 10 ガラス基板、 11,111 第1の透明膜、 12,113 第2の透明膜、 13,112 透明電極、 15a,15b,15c,115 透明多層膜、 16 第2の配向膜、 17 AR膜、 20 液晶、 50,55,60,100 液晶表示素子、 A,B 面、 d1 間隙、 L1 読み出し光、 L2 表示光
Claims (2)
- 半導体基板と、この半導体基板の一面と所定の間隙を有して対向する面を有する透明基板と、前記所定の間隙に充填された液晶と、を有する液晶表示素子において、
前記透明基板の前記面上に形成され、第1の屈折率を有する第1の透明膜と、
この第1の透明膜上に形成され、前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の透明膜と、
この第2の透明膜上に形成され、前記第2の屈折率よりも大きい第3の屈折率を有する導電性の透明電極と、
を有し、
前記透明電極の厚さを10〜25nmの範囲内とすることを特徴とする液晶表示素子。 - 前記透明電極はITO(Indium Tin Oxide)からなることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005279484A JP2007093692A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005279484A JP2007093692A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 液晶表示素子 |
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ID=37979547
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JP2005279484A Withdrawn JP2007093692A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 液晶表示素子 |
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JP (1) | JP2007093692A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009217213A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-09-24 | Seiko Epson Corp | 液晶表示装置および電子機器 |
-
2005
- 2005-09-27 JP JP2005279484A patent/JP2007093692A/ja not_active Withdrawn
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