JP2007093672A - 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液晶装置等の電気光学装置において、表示領域における光化学反応に起因する画像表示の品質の劣化を低減しつつ、無機配向膜とシール材との密着性を向上させる。
【解決手段】 電気光学装置は、電気光学物質を挟持する一対の第1及び第2基板と、第1及び第2基板の少なくとも一方の基板上に形成されると共にシラノール基を有する無機材料からなり、電気光学物質の配向状態を規制する配向膜と、電気光学物質により表示が行われる表示領域の周囲に沿ったシール領域において第1及び第2基板を相互に貼り合わせるシール材とを備える。更に、配向膜のうち表示領域に形成された第1部分には、少なくとも部分的に表面処理が施されており、配向膜のうちシール領域に形成された第2部分には、少なくとも部分的に表面処理が施されておらず、第2部分とシール材とは、少なくとも部分的にシラノール基が化学反応された共有結合によって相互に結合される。
【選択図】 図8
【解決手段】 電気光学装置は、電気光学物質を挟持する一対の第1及び第2基板と、第1及び第2基板の少なくとも一方の基板上に形成されると共にシラノール基を有する無機材料からなり、電気光学物質の配向状態を規制する配向膜と、電気光学物質により表示が行われる表示領域の周囲に沿ったシール領域において第1及び第2基板を相互に貼り合わせるシール材とを備える。更に、配向膜のうち表示領域に形成された第1部分には、少なくとも部分的に表面処理が施されており、配向膜のうちシール領域に形成された第2部分には、少なくとも部分的に表面処理が施されておらず、第2部分とシール材とは、少なくとも部分的にシラノール基が化学反応された共有結合によって相互に結合される。
【選択図】 図8
Description
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置及びその製造方法、並びに該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置では、例えばシール材によって貼り合わされた一対の基板間に挟持される電気光学物質の配向制御は、例えば、一対の基板のうち少なくとも一方の基板における、電気光学物質と対向する側の基板面上に形成された無機配向膜によって行われる。電気光学装置の製造時、無機配向膜は、例えば斜方蒸着法によって形成される。斜方蒸着法により基板面上に形成された無機配向膜において、その表面や内部に例えばダングリングボンドが存在することで、電気的に不安定な欠陥部分が生じ、良好な膜質が得られないことがある。このような無機配向膜における電気的に不安定な欠陥部分には、例えば水分が反応してシラノール基が形成される。電気光学装置の組立後に、無機配向膜と接する例えば液晶分子が、該シラノール基と光化学反応してしまう恐れがある。このような光化学反応が生じると、液晶分子とシラノール基との結合に起因する光漏れ等が生じることによって、電気光学装置内における表示画像の品質が劣化する。
このような表示画像の品質の劣化を防止するための種々の技術が開示されている。例えば特許文献1では、無機配向膜の表面に存在するシラノール基に対してアルコール又はエーテルで処理する技術が開示されている。特許文献2では、無機配向膜の表面に存在するシラノール基に対して、シラン処理剤で疎水性処理する技術が開示されている。
しかしながら、上述した特許文献1及び2に開示された技術によれば、基板面上に形成された無機配向膜の全面に対して処理が行われる。よって、基板面上の無機配向膜のうちシール材を塗布する部分の表面のシラノール基に対しても処理が行われてしまう。このため、無機配向膜表面のシラノール基とシール材との間で化学的に結合することができず、シール材の密着性或いは接着力が低下してしまうという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、表示領域における光化学反応に起因する画像表示の品質の劣化を低減或いは防止しつつ、無機配向膜とシール材との密着性を向上させる電気光学装置及びその製造方法、並びに該電気光学装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するために、電気光学物質を挟持する一対の第1及び第2基板と、前記第1及び第2基板の少なくとも一方の基板上に形成されると共にシラノール基を有する無機材料からなり、前記電気光学物質の配向状態を規制する配向膜と、前記第1及び第2基板で平面的に見て前記電気光学物質により表示が行われる表示領域の周囲に沿ったシール領域において前記第1及び第2基板を相互に貼り合わせるシール材とを備え、前記配向膜のうち前記表示領域に形成された第1部分には、少なくとも部分的に表面処理が施されており、前記配向膜のうち前記シール領域に形成された第2部分には、少なくとも部分的に前記表面処理が施されておらず、前記第2部分と前記シール材とは、少なくとも部分的に前記シラノール基が化学反応された共有結合によって相互に結合される。
本発明の電気光学装置によれば、一対の第1及び第2基板は、例えば画像表示領域、複数の画素部が配列された画素領域或いは画素アレイ領域等である、表示領域の周囲に沿ったシール領域においてシール材によって相互に貼り合わされている。一対の第1及び第2基板間には、電気光学物質としての例えば液晶が挟持されている。電気光学装置を駆動させない状態で、無機材料からなる配向膜、即ち無機配向膜における表面形状効果により、電気光学物質は一対の第1及び第2基板間で、その配向状態が規制され、所定の配向状態をとる。電気光学装置の駆動時には、電気光学物質に、例えば表示領域を構成する画素毎に画像信号に応じた電圧を印加することにより、電気光学物質の配向状態を変えることで、例えば光源から入射される光を変調する。そして、電気光学物質によって変調された光が表示光として出射されることにより、画像表示が行われる。
無機配向膜は、典型的には、シリカ(SiO2)等をPVD(Physical Vapor Deposition)法として例えば斜方蒸着法又はイオンビームスパッタ法により形成される。ここで、第1基板面上には、予め無機配向膜の下地として、例えば画素電極を駆動するための配線や駆動素子が作りこまれた積層構造が形成され、この積層構造の最上層に画素電極が画素毎に所定のパターンで島状やストライプ状に形成される。或いは、第2基板面上には、画素毎に開口領域を規定するための遮光膜が作りこまれるとともに、複数の画素電極と対向することになる対向電極が最上層に配置された積層構造を形成するようにしてもよい。
本発明では特に、無機配向膜のうち、典型的には第1及び第2基板上で平面的に見て中央寄りを占める、表示領域に形成された第1部分には、少なくとも部分的に表面処理が施される。無機配向膜は、例えば水分が無機配向膜の欠陥部分に反応して形成されるシラノール基(−Si−OH)等の反応性の高い官能基、即ち親水基を有する。本発明に係る「表面処理」は、無機配向膜の表面に形成される、例えばシラノール基等の反応性の高い官能基の反応活性を低減或いは無くす処理を意味し、例えば、無機配向膜の表面のシラノール基に例えばシラン化合物(R−Si−(OCH3)3;但し、Rは置換基)等の化合物を化学反応させ、無機配向膜の表面のシラノール基の数を低減することにより行う。尚、無機配向膜の膜厚は例えば数十nmであり、表面処理を施したのちに表面に形成されるシラノール基とシラン化合物の反応層の膜厚は例えば数nmである。よって、電気光学装置の組立後に、無機配向膜のうち表示領域に形成された第1部分と接する例えば液晶分子が、シラノール基と光化学反応により結合し、光漏れ等が生じてしまうことを低減或いは防止できる。従って、電気光学装置内における表示画像の品質の劣化を低減或いは防止できる。
更に、本発明では特に、配向膜のうちシール領域に形成された第2部分には、少なくとも部分的に、このような表面処理が施されておらず、第2部分とシール材とは、少なくとも部分的に、即ち第2部分のうち表面処理がされていない部分において、共有結合によって相互に結合される。このため、係る表面処理が施されていない第2部分の少なくとも一部については、シラノール基の数は、表面処理により低減されていない。即ち、無機配向膜のうち第2部分は、第1部分と比較して、多くのシラノール基(言い換えれば親水基)を有する。従って、シール領域に形成された第2部分と例えばエポキシ系樹脂等からなるシール材とを化学的に相互に結合(或いは共有結合)して接着することができる。即ち、シール領域において、第2部分とシール材とを少なくとも部分的に共有結合によって相互に結合させ、無機配向膜とシール材との密着性を向上させることができる。これにより、第1及び第2基板間をシール材によって強固に接着することができる。
以上説明したように、本発明の電気光学装置によれば、表示領域における光化学反応に起因する画像表示の品質の劣化を低減或いは防止しつつ、無機配向膜とシール材との密着性を向上させることができる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記シール材は、エポキシ系樹脂を含む。
この態様によれば、シール領域において、無機配向膜の表面のシラノール基とシール材とを容易且つ確実に共有結合によって相互に結合させることができる。よって、無機配向膜とシール材との密着性を容易且つ確実に向上させることができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記表面処理は、前記無機材料とシラン化合物とを化学反応させる工程を含む。
この態様によれば、表面処理は、例えば、シラノール基(Si−OH)を有する無機材料とシラン(R−Si−(OCH3)3)化合物とを化学反応させる工程を含む。シラン化合物は、例えばシラノール基と反応しやすい。よって、容易且つ確実に表示領域におけるシラノール基の数を低減することができ、電気光学装置の動作時に液晶分子とシラノール基との光化学反応が生じてしまうことを低減することが可能である。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記表面処理は、前記無機材料とアルコール類とを化学反応させる工程を含む。
この態様によれば、表面処理は、例えば、シラノール基(Si−OH)を有する無機材料とアルコール類とを化学反応させる工程を含む。アルコール類は、例えばシラノール基と脱水或いは縮合反応しやすい。よって、容易且つ確実に表示領域におけるシラノール基の数を低減することができ、電気光学装置の動作時に液晶分子とシラノール基との光化学反応が生じてしまうことを低減することが可能である。
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品質な画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記課題を解決するために、電気光学物質を挟持する一対の第1及び第2基板の少なくとも一方の基板上に、前記電気光学物質の配向状態を規制する配向膜を、シラノール基を有する無機材料から形成する形成工程と、前記配向膜のうち前記第1及び第2基板で平面的に見て前記電気光学物質により表示が行われる表示領域に形成された第1部分に対して、少なくとも部分的に表面処理を施すと共に、前記配向膜のうち前記シール領域に形成された第2部分に対して、少なくとも部分的に前記表面処理を施さない処理工程と、前記表示領域の周囲に沿ったシール領域において前記第1及び第2基板を、シール材により、前記第2部分と前記シール材とが少なくとも部分的に前記シラノール基が化学反応された共有結合によって相互に結合されるように、相互に貼り合わせる貼合工程とを備える。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、上述した本発明の電気光学装置を製造することができる。ここで特に、第1部分に対して少なくとも部分的に表面処理が施されると共に、第2部分に対して少なくとも部分的に表面処理が施されないので、表示領域における光化学反応に起因する画像表示の品質の劣化を低減しつつ、無機配向膜とシール材との密着性を向上させることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法の一態様では、前記処理工程は、前記配向膜の前記表面処理を施さない部分上にポリイミド系樹脂を含む材料からなるマスクを配置する工程を含む。
この態様によれば、例えばポリイミドテープ等のポリイミド系樹脂を含む材料からなるマスクを介して表面処理が施されるので、表面処理を施すべき部分には確実に表面処理を施すことができると共に表面処理を施すべきでない部分には確実に表面処理を施さないようにすることができる。更に、この態様によれば、例えばアクリル系樹脂からなるマスクを配置した場合に比較して、耐熱性が高い。よって、例えば高温下において、マスクを介して表面処理が施される際にも、表面処理を施すべきでない部分を確実に覆うことができる。
本発明の電気光学装置の製造方法の他の態様では、前記処理工程は、前記配向膜の前記表面処理を施さない部分上に前記マスクを密着させる工程を含む。
この態様によれば、例えばポリイミドテープ等のポリイミド系樹脂を含む材料からなるマスクは、配向膜の表面処理を施すべきでない部分に密着されるので、表面処理において用いられる、例えばシラン化合物溶液がマスク及び配向膜の隙間に入り込まないようにすることができる。よって、配向膜の表面処理を施すべきでない部分には確実に表面処理を施さないようにすることができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
<第1実施形態>
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側からみた平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。尚、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
<第1実施形態>
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側からみた平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。尚、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図1及び図2において、本実施形態の液晶装置では、本発明に係る「第1基板」の一例としてのTFTアレイ基板10と本発明に係る「第2基板」の一例としての対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に本発明に係る「電気光学物質」の一例としての液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素部が設けられた領域に対応する本発明に係る「表示領域」の一例としての画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域52aに設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。尚、後述するようにシール材52は、エポキシ系樹脂を含んでいる。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。図2には、ギャップ材56として略球状のガラスビーズを、シール材52に混入した構成を図式的に示してある。実際のギャップ材56の径、即ち両基板間のギャップは例えば数μm程度であって、例えば数十〜数千μm程度であるシール領域の幅に比べて顕著に小さい。即ち、シール領域の幅方向に多数のギャップ材56が存在するように、ギャップ材56はシール材52内に散布されている。尚、ギャップ材56を、シール材52に混入されるものに加えて若しくは代えて、画像表示領域10a又は画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、配置するようにしてもよい。
図1において、シール材52が配置されたシール領域52aの内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜105として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域52aの外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域52aよりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。
また、TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図2には図示を省略してあるが、この積層構造の最上層に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成されている。そして、画像表示領域10aに配列された画素電極9a上には、例えばシリカ(SiO2)等の無機材料からなる配向膜16が設けられている。更に、配向膜16は、TFTアレイ基板10上のシール領域52aに延設されている。
他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
そして、遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向して形成される。また、遮光膜23上に、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うために、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、図2には図示しないカラーフィルタが形成されるようにしてもよい。
対向基板20の対向面上における、これら各種の構成要素が作り込まれた積層構造上には、例えばシリカ(SiO2)等の無機材料からなる配向膜22が形成されている。対向電極21は、対向基板20上の積層構造の最上層に配置されると共に、対向電極21上に配向膜22が形成されている。配向膜22は、TFTアレイ基板10で平面的に見て、画像表示領域10a及びシール領域52aに連続して形成されている。
尚、TFTアレイ基板10及び対向基板20のいずれか一方の対向面上に配向膜を形成するようにしてもよい。但し、配向膜16及び22は、液晶装置の寿命を延ばすために無機材料で形成されている。
液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で、一対の配向膜16及び22間で、所定の配向状態をとる。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
ここで、図3には、図2に対応する断面の構成について、特に、TFTアレイ基板10上に形成された配向膜16による液晶の配向について模式的に示してある。
図3において、TFTアレイ基板10において液晶層50と対向する側の基板面上に、TFT等の各種構成要素が作りまれた積層構造90が形成されており、この積層構造90の最上層に画素電極9aが画素毎に形成されている。そして、画素電極9a上に、無機材料の柱状構造物16aがTFTアレイ基板10の基板面に対して所定の角度をなして配列することにより、無機材料が堆積して、配向膜16が形成されている。このように形成された配向膜16は、表面形状効果により、液晶分子50aの配向状態を規制することができる。尚、図3を参照して説明した配向膜16による液晶の配向については、対向基板20上に形成された配向膜22についても同様である。
次に、以上の如く構成された液晶装置における回路構成及び動作について、図4を参照して説明する。ここに図4は、液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
図4において、本実施形態における液晶装置の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
次に、本実施形態の液晶装置の配向膜の表面における化学的な構造について、図5から図8を参照して説明する。ここに図5は、表面処理されていない配向膜における表面の化学的な構造を模式図である。図6は、配向膜の第1部分及び第2部分が形成される領域を示す模式図である。図7は、本実施形態の液晶装置の配向膜における表面の化学的な構造を示す模式図であり、表面処理された状態を示す図である。図8は、配向膜の第2部分とシール材とが共有結合によって相互に結合された状態を示す模式図である。尚、配向膜22についても、配向膜16と同様に表面処理されるため、配向膜22について詳細な説明は省略する。
図5において、シリカ(SiO2)等の無機材料からなる配向膜16は、外部の水分と反応しやすく、典型的には、その表面にシラノール基(−Si−OH)を有している。シラノール基は、反応性が高く、仮に何らの対策も施さねば、TFTアレイ基板10及び対向基板20間に狭持された液晶層50の液晶分子50aと反応してしまう。特に例えばプロジェクタ等の装置として使用される際に照射される光によって反応する、即ち光化学反応を生じてしまう。このような光化学反応が液晶装置の動作によって生じるため、液晶装置の動作に伴い、配向膜16による液晶分子の配向制御力が低下し、液晶装置の表示性能が序々に低下する。これにより、結果的に液晶装置の寿命、即ち高品質の画像表示が可能な期間が短くなってしまう。
そこで、図6に示すように、本実施形態では特に、配向膜16のうち、画像表示領域10aに形成された第1部分16aの全面に、表面処理が施されている。
即ち、図7に示すように、本実施形態では、液晶装置の製造時に予め配向膜16のうち第1部分16aの表面を一般式(1)で表されるシラン化合物で表面処理しておくことにより、液晶装置の動作時に、液晶分子と光化学反応するシラノール基が減らされている。より具体的には、反応活性サイトとなるシラノール基のうち第1部分16aの表面に存在する水酸基(−OH基)にシラン化合物を反応させておくことによって反応層31を形成し、液晶分子50aと光化学反応するシラノール基の数が低減されている。
本実施形態では、上述したように配向膜16の第1部分16aの液晶層50に面する側の表面には、シラノール基とシラン化合物とが反応することによって反応層31が形成されている。よって、配向膜16の第1部分16aの表面の反応活性は低減されており、シラノール基を反応活性サイトとする、配向膜16の第1部分16aと液晶層50とが光反応を起こすことを防止することができる。従って、液晶装置の画像表示領域10aにおける表示画像の品質の劣化を低減或いは防止できる。
ここで、反応層31は、配向膜16の膜厚に比べて極薄い層であるため、配向膜16による液晶分子50aの配向規制力が阻害されることがない。より具体的には、配向膜16が斜方蒸着法で形成された柱状結晶で構成される場合、この柱状結晶の高さ(通常数十nm)に対して、配向膜16の表面におけるシラノール基とシラン化合物との反応層31(通常数nm程度の厚み)は極めて薄いため、シラン化合物で配向膜16を処理することによって液晶分子50aに対する配向規制力は影響を受けない。また、図7に示すように配向膜16の第1部分16aの全面にシラン化合物が反応されている場合に限定されず、第1部分16aの表面におけるシラノール基とシラン化合物との反応を部分的に生じさせておくことにより、未処理の無機配向膜に比べて液晶装置の寿命を延ばす効果は相応に得られる。より具体的には、無機配向膜の表面におけるシラノール基に含まれる水酸基が、液晶分子のサイズに応じて所定に間隔でシラン化合物と反応されていれば相応の効果は得られる。従って、無機配向膜をシラン化合物で表面処理する各種処理条件は、液晶装置の表示性能及び設計条件を考慮して個別具体的に設定すればよい。
尚、上述した表面処理では、シラン化合物の代わりにアルコール類を用いてもよい。即ち、配向膜16の第1部分16aのシラノール基(Si−OH)とアルコール類とを化学反応させることにより表面処理を行ってもよい。アルコール類は、シラノール基と脱水或いは縮合反応しやすいので、容易且つ確実に画像表示領域10aにおけるシラノール基の数を低減することができる。
更に、再び図6に示すように、本実施形態では特に、配向膜16のうちシール領域52aに形成された第2部分16bには、上述した表面処理が施されていない。
即ち、図8に示すように、本実施形態では、配向膜16の第2部分16bに、上述した表面処理を施さないことにより、第2部分16bとシール材52とは、共有結合によって相互に結合されている。より具体的には、第2部分16bについては、シラノール基の数は、表面処理により低減されていない。即ち、配向膜16のうち第2部分16aは、第1部分16aと比較して、図5に示した如く、多くのシラノール基(言い換えれば親水基)を有している。従って、シール領域52aに形成された第2部分16bとシール材52(言い換えれば、これに含まれるエポキシ)とを化学的に相互に結合(或いは、共有結合)して接着することができる。即ち、シール領域52aにおいて、第2部分16bとシール材52とを共有結合によって相互に結合させ、無機配向膜とシール材との密着性を向上させることができる。これにより、TFTアレイ基板10及び対向基板20間をシール材52によって強固に接着することができる。
尚、図8に示すように、第2部分16bの全面のシラノール基とシール材とが共有結合によって相互に結合されている場合に限定されず、第2部分16bの表面におけるシラノール基とシール材52とが部分的に共有結合によって相互に結合されていることにより、配向膜16とシール材52との密着性を向上させる効果は相応に得られる。
以上説明したように、本実施形態の液晶装置によれば、画像表示領域10aにおける光化学反応に起因する画像表示の品質の劣化を低減或いは防止しつつ、配向膜16及び22とシール材52との密着性を向上させることができる。
(電気光学装置の製造方法)
次に、上述した液晶装置の製造方法について、図9を参照して説明する。ここに図9は、第1実施形態の液晶装置の製造プロセスの各工程を説明するためのフローチャートである。
次に、上述した液晶装置の製造方法について、図9を参照して説明する。ここに図9は、第1実施形態の液晶装置の製造プロセスの各工程を説明するためのフローチャートである。
先ず、図9において、TFTアレイ基板10上に、例えば蒸着やスパッタリング等による成膜、エッチングやフォトグラフィ等によるパターンニング、熱処理などによって、データ線6aや走査線11a、TFT30等が作り込まれた積層構造90(図3参照)の最上層に、例えばスパッタリングによりITOから画素電極9aを形成する(ステップS11)。
続いて、配向膜形成工程によって、例えば斜方蒸着法を、TFTアレイ基板10に対して施すことで、TFTアレイ基板10における画素電極9aが形成された基板面上に配向膜16を形成する(ステップS12)。尚、配向膜16は、異方性スパッタリングや例えばインクジェット法等の塗布法によって形成してもよい。この際、蒸着源から発生されたシリカ(SiO2)等の無機材料の蒸気流が、TFTアレイ基板10の基板面上において、積層構造90の最表面と接触することにより、積層構造90上に無機材料が蒸着する。そして、基板面上に蒸着した無機材料の柱状構造物16aが基板面に対して所定の角度をなして配列することで、無機材料が基板面上に堆積する。この際、配向膜16は、図6に示すように、TFTアレイ基板10上の全面領域100aのうち、画像表示領域10aに加えて、画像表示領域10aから延在してシール領域52aにも形成する。尚、配向膜16は、TFTアレイ基板10の全面に形成してもよい。
次に、画像表示領域10aを除くTFTアレイ基板10上の領域にマスク或いは遮蔽板を配置すると共にマスク及び配向膜16を密着させる。(ステップS13)。図6において、マスクは、配向膜16のうち、画像表示領域10aに形成された第1部分16aを覆わないように、且つ、シール領域52に形成された第2部分16bを覆うように配置される。この際、マスク及び配向膜16間に後述する表面処理において用いられるシラン化合物溶液が入り込まないように、マスク及び配向膜16は密着される。マスクは、金属又は樹脂で形成された遮蔽板であってもよいし、ポリイミドテープであってもよい。特にポリイミドテープを用いた場合には、配向膜16との密着が容易であると共に、例えばアクリル系樹脂からなるマスクを配置した場合に比較して、耐熱性が高いので、高温下においても、表面処理が施される際に、表面処理を施すべきでない部分を確実に覆うことができる。
次に、表面処理工程によって、シラン化合物を溶剤に溶解させたシラン化合物溶液を用いてTFTアレイ基板10が備える配向膜16の液晶層50に面する側の表面を処理する(ステップS14)。尚、表面処理工程でシラン化合物を処理する際、高温でシラン化合物を気相状態にして処理をしてもよい。
次に、配置されていたマスク或いは遮蔽板を除去する(ステップS15)。この際、配向膜22は、洗浄及び乾燥される。
図9において、ステップS11及びステップS12のTFTアレイ基板10に係る製造工程と並行して又は相前後して、対向基板20において、例えば蒸着やスパッタリング等による成膜などによって遮光膜23や対向電極21等が作り込まれた積層構造が形成され(ステップS21)、続いて、ステップ12と同様に、配向膜形成工程によって、配向膜22が形成される(ステップS22)。この際、配向膜22は、対向基板20上の全面領域のうち、画像表示領域10a並びに画像表示領域10aから延在してシール領域52aにも形成する。尚、配向膜22は、対向基板20の全面に形成してもよい。そして、TFTアレイ基板10の場合と同様に、画像表示領域10aを除くTFTアレイ基板10上の領域にマスク或いは遮蔽板が配置及び密着された後(ステップS23)、表面処理工程によって、対向基板20に形成された配向膜22も、シラン化合物を含むシラン化合物溶液等で表面処理される(ステップ24)。その後、配置されていたマスク或いは遮蔽板が除去される(ステップS25)。この際、配向膜22は、洗浄及び乾燥される。
その後、貼合工程によって、TFTアレイ基板10及び対向基板20を、TFTアレイ基板10において配向膜16が形成された側と、対向基板20において配向膜22が形成された側とをシール材52を介して貼り合わせる(ステップS31)。ここで特に、配向膜16及び22のシール材52に面する部分、即ちシール領域52aにおける表面は、表面処理がされていないので、シラノール基の数は、表面処理により低減されていない。よって、配向膜16及び22のシール材52に面する部分は、シール材52と共有結合によって互いに結合されることになる。
続いて、互いに貼り合わされた状態のTFTアレイ基板10及び対向基板20間に液晶を注入する(ステップS32)。ここで特に、配向膜16及び22の液晶層50に面する部分、即ち画像表示領域10aにおける表面は、シラン化合物を用いて表面処理されているため、液晶分子50aと光化学反応するシラノール基の数が低減されている。
以上説明したように、本実施形態の液晶装置の製造方法によれば、上述した液晶装置を製造することができる。ここで特に、画像表示領域10aにおける光化学反応に起因する画像表示の品質の劣化を低減しつつ、配向膜16及び22とシール材52との密着性を向上させることができる。
特に、本実施形態では上述したステップS13及びS23の処理において、基板上における配向膜の表面処理を施すべきでない部分に対して、マスク或いは遮蔽板を密着させることにより、これらに続くステップS14及びS24の表面処理において、確実に該表面処理を施さないようにすることができる。但し、このように密着させないマスク或いは遮蔽板を利用して表面処理を施すことも可能である。
(電子機器)
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図10は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。この図10に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
次に、液晶装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図11は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図11において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶装置1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
さらに、液晶装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図12は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図12において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶装置1005を備えるものである。この反射型の液晶装置1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
尚、図10から図12を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及びその製造方法、並びに該電気光学装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
9a…画素電極、7…サンプリング回路、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、16、22…配向膜、16a…第1部分、16b…第2部分、20…対向基板、21…対向電極、23…遮光膜、50…液晶層、50a…液晶分子、52…シール材、52a…シール領域、101…データ線駆動回路、104…走査線駆動回路
Claims (8)
- 電気光学物質を挟持する一対の第1及び第2基板と、
前記第1及び第2基板の少なくとも一方の基板上に形成されると共にシラノール基を有する無機材料からなり、前記電気光学物質の配向状態を規制する配向膜と、
前記第1及び第2基板で平面的に見て前記電気光学物質により表示が行われる表示領域の周囲に沿ったシール領域において前記第1及び第2基板を相互に貼り合わせるシール材と
を備え、
前記配向膜のうち前記表示領域に形成された第1部分には、少なくとも部分的に表面処理が施されており、
前記配向膜のうち前記シール領域に形成された第2部分には、少なくとも部分的に前記表面処理が施されておらず、
前記第2部分と前記シール材とは、少なくとも部分的に前記シラノール基が化学反応された共有結合によって相互に結合される
ことを特徴とする電気光学装置。 - 前記シール材は、エポキシ系樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記表面処理は、前記無機材料とシラン化合物とを化学反応させる工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
- 前記表面処理は、前記無機材料とアルコール類とを化学反応する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなる電子機器。
- 電気光学物質を挟持する一対の第1及び第2基板の少なくとも一方の基板上に、前記電気光学物質の配向状態を規制する配向膜を、シラノール基を有する無機材料から形成する形成工程と、
前記配向膜のうち前記第1及び第2基板で平面的に見て前記電気光学物質により表示が行われる表示領域に形成された第1部分に対して、少なくとも部分的に表面処理を施すと共に、前記配向膜のうち前記シール領域に形成された第2部分に対して、少なくとも部分的に前記表面処理を施さない処理工程と、
前記表示領域の周囲に沿ったシール領域において前記第1及び第2基板を、シール材により、前記第2部分と前記シール材とが少なくとも部分的に前記シラノール基が化学反応された共有結合によって相互に結合されるように、相互に貼り合わせる貼合工程と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 前記処理工程は、前記配向膜の前記表面処理を施さない部分上にポリイミド系樹脂を含む材料からなるマスクを配置する工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記処理工程は、前記配向膜の前記表面処理を施さない部分上に前記マスクを密着させる工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置の製造方法。
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2005
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