JP2007093542A - 位置測定方法及び位置測定装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】 複数の広角レーダ装置を用いて目標物の位置を測定する場合、各広角レーダ装置は、目標物を含む複数の物体を分離することが不可能になったとき該広角レーダ装置から出力する位置データにフラグを付加し、位置決定部は、各広角レーダ装置から出力されるいずれの位置データにもフラグが付加されていなければ、各広角レーダ装置から出力される位置データを用いて加重平均により目標物の位置を決定し、いずれかの位置データにフラグが付加されていれば、該位置データを除外して目標物の位置を決定する。
【選択図】 図1
Description
FMを三角波の繰り返しで行なうものとすると、送信信号の周波数と時間の関係は図7の実線で示すようになり、距離Rのところに存在する目標物(静止しているものとする)からの反射信号の周波数と時間の関係は同図の点線で示すようになる。この結果、送信信号と反射信号間のビート信号周波数frは図8に示すようになり、このビート信号周波数を測定すれば、目標物までの距離を検出できるすなわち、FMの繰り返し周波数をfm,FMの周波数偏移幅をΔfとすれば、距離Rの目標物からの反射信号と送信信号間のビート信号周波数frは次式
fr=4R・fm・Δf/c (cは光速) (1)
で与えられる。
fb=fr−fd (負の場合) (2)
fb=fr+fd (正の場合) (3)
ただし、
fd=2V・f0/c (Vは目標物との相対速度) (4)
したがって、変調の各サイクル毎にfb(正)とfb(負)を別々に測定すれば、frとfd、すなわち、目標物までの距離Rと相対速度Vをそれぞれ別々に求めることができる。具体的には、(2)、(3)式より測定したfb(正)とfb(負)を加算して2で割ればfr、すなわち、目標物までの距離Rが求まり、fb(正)から fb(負)を減算して2で割ればfd、すなわち、相対速度Vが求まる。
そこで、広角レーダ装置では、複数のアンテナで受信した信号電力を比較する方法で目標物の方位角を算出する。通常レーダで使用するアンテナは利得を持っており、放射する電力が強ければそれに比例して受信電力が強くなり、また、ビーム中心方向(法線方向)から両側に外れるほど受信電力が小さくなる。図11(b)はアンテナ素子Awの法線方向を00としたときの利得であり、ビーム幅が680の場合の例である。2つのアンテナ素子Aw,Bwを図11(a)に示すように、それぞれの法線方向をずらして配置すれば、各アンテナAw,Bwの利得は図11(c)における実線、点線で示すようになる。したがって、2つのビームの差を演算すれば、図11(d)に示すように2つのアンテナの法線方向の範囲RA(00〜340)でほぼ直線となる。これより、受信電力の差を演算することにより目標物の方位角θを求めることができる。
第1の位置算出部16は測定された距離R1、相対速度V1、目標物の方向θを用いて目標物の位置X1,Y1を算出し、第2の位置算出部17は測定された距離R2、相対速度V2、目標物の方向θを用いて目標物の位置X2,Y2を算出し、目標物位置決定部18は第1、第2の位置算出部16、17が算出した位置データを用いて加重平均により例えば次式
XA=(X1+X2)/2 (5a)
YA=(Y1+Y2)/2 (5b)
により目標物の位置XA,YAを計算して出力する。図11(a)に示すように広角レーダ装置が1つの目標物TGのみを捕捉している場合には、上式により目標物の位置を正しく測定することができる。しかし、図13に示すように着目している目標物TGのほかに他の物体(看板などの障害物)OBTを同時に捕捉する場合に問題が生じる。
目標物位置測定に際しては、図15(a)に示すように図12に示す広角レーダ装置21A,21Bを車両22の両側に装着し、それぞれの広角レーダ装置で目標物TGまでの位置を測定する。広角レーダ装置21A,21Bが1つの同一の目標物を捕捉している場合には、図14(b)に示すように各装置が出力する位置データ(XA,YA),(XB,YB) の加重平均位置(中間位置)Pcが目標物の位置(XC,YC)となり、何らの問題はない。尚、図14において、三角形は広角レーダ装置の照射範囲を模式的に表したものである。
しかし、図15(a)に示ように、第1の広角レーダ装置21Aが等距離に目標物TGと障害物(看板)OBTを同時に捕捉し、第2の広角レーダ装置21Bが目標物TGのみを捕捉するような場合に問題が生じる。すなわち、第2の広角レーダ装置21Bは、図15(c)に示すように障害物OBTを捕捉せず、目標物TGのみを捕捉している為、位置データPB (XB,YB)をある程度の精度で算出して出力する。しかし、第1の広角レーダ装置21Aは図15(b)より明らかなように等距離に目標物である車両TGと障害物である看板OBTの2つを捉えている。このため、前述したように二つの物体TG,OBTは、レーダ装置内部の演算において同一物体と認識され、第1の広角レーダ装置21Aは、図15(d)に示すように2物体TG、OBTの中間点の位置データPA′(XA′,YA′)を目標物の位置データとして出力する。この結果、位置決定部は図15(e)に示すように第1、第2の広角レーダ装置21A,21Bが出力する位置データPA′(XA′,YA′)、PB (XB,YB)を加重平均して得られるPA′、PBの中間点Pを目標物の位置として出力することになり、測定誤差が大きくなる。
そこで、補足した物体が同一物体であるか異なる物体であるかを識別する第1の従来技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、異なる2以上の目標物が接近しても正しく着目している目標物を追尾できるようにした第2の従来技術が提案されている(特許文献2参照)。
また、第2従来技術の追尾装置は、レーダの受信信号によって得られた目標物の位置情報と受信信号の強度情報とから、目標物の反射断面積を求め、各目標物の位置情報における相関を求めると共に、目標物の反射断面積情報における相関を求め、位置の相関と反射断面積の相関があるかにより着目目標物を識別して航跡情報を求める。この第2従来技術の追尾装置は、着目目標物を識別して航跡情報を求めるものであるが、1台の広角レーダ装置を用いるものであり、複数の広角レーダ装置を用いて目標物の位置を測定するものではなく、しかも、複数の広角レーダ装置を用いて測定する目標物の位置測定精度を向上するものではない。
以上から、本発明の目的は、複数の広角レーダ装置を用いて目標物の位置測定する場合、位置測定精度を向上することである。
本発明の別の目的は、少なくとも1つの広角レーダ装置が等距離に目標物と障害物(看板)OBTを同時に捕捉しても位置測定精度を向上することである。
本発明の位置測定方法は、複数の広角レーダ装置のそれぞれにおいて、目標物を含む複数の物体を分離することが不可能になったとき該広角レーダ装置から出力する位置データに分離不可能情報を付加し、各広角レーダ装置から出力されるいずれの位置データにも分離不可能情報が付加されていなければ、各広角レーダ装置から出力される位置データを用いて目標物の位置を計算し、いずれかの位置データに分離不可能情報が付加されていれば、該位置データを除外して目標物の位置を計算する。目標物の位置計算に際して、分離不可能情報が付加されていない位置データの加重平均により目標物の位置を計算する。
各広角レーダ装置は、目標物の位置を測定する複数の位置測定部を備え、各位置測定部が測定する目標物までの距離に基づいて1つの広角レーダ装置が2以上の物体を捕捉しているか判断し、2以上の物体を捕捉している際、それぞれの位置測定部が次に測定する位置を予測し、各予測点までの距離の差が設定値以下であれば、各位置測定部が測定した位置データを用いて算出した位置データに前記分離不可能情報を付加して出力する。
本発明の位置測定装置は、送信波を目標物に向けて発射し、反射波を受信して該目標物の位置を測定すると共に、目標物を含む複数の物体を分離することが不可能になったか監視し、分離不可能になったとき、出力する位置データに分離不可能情報を付加する複数の広角レーダ装置、各広角レーダ装置から出力されるいずれの位置データにも分離不可能情報が付加されていなければ、各広角レーダ装置から出力される位置データを用いて目標物の位置を決定し、いずれかの位置データに分離不可能情報が付加されていれば、該位置データを除外して目標物の位置を決定する目標物位置決定部を備えている。
本発明の位置測定装置において、広角レーダ装置は、送信波を目標物に向けて発射し、反射波を受信して目標物の位置をそれぞれ測定する複数の位置測定部、各位置測定部が測定する目標物までの距離に基づいて1つの広角レーダ装置が2以上の物体を捕捉しているか判断し、2以上の物体を捕捉している際、それぞれの位置測定部が次に測定する位置を予測し、各予測点までの距離の差が設定値以下であれば、各位置測定部が測定した位置データを用いて算出した目標物の位置データに前記分離不可能情報を付加して出力する位置決定部を備えている。
第1、第2の送受信部51a, 52aはそれぞれ図6に示す周波数可変発振器1、FM変調電圧発生部2、方向結合器3、ミキサ6、信号処理部7で構成されており、それぞれ中心周波数が異なるFM変調信号(ビームAw,Bw)を送信アンテナATS1,ATS2から送信し、目標物TGからの反射波を受信アンテナATR1,ATR2より受信し、目標物までの距離R1,R2及び相対速度V1,V2を測定する。第1の位置算出部51bは、第1の送受信部51aにより測定された距離R1、相対速度V1並びに方位角θを用いて第1の位置X1,Y1を算出し、また、第2の位置算出部52bは、第2の送受信部52aにより測定された距離R2、相対速度V2並びに方位角θを用いて第2の位置X2,Y2を算出して位置決定部57に入力する。反射強度検出部53、54は第1、第2の受信アンテナATR1,ATR2により受信した信号の強度、すなわち反射波強度を検出し、方向演算部55は第1、第2の反射波強度の差を演算し、該差に基づいて目標物の方向θを演算して出力する。
位置決定部57は、第1、第2の位置測定部51,52により算出された第1の位置X1,Y1、第2の位置X2,Y2及び異物体を検出しているか否かに応じて図3のフローにしたがって目標物の位置を決定して出力する。
第1、第2の位置測定部51、52は所定時間T毎に物体までの距離R1,R2及び相対速度V1,V2を測定すると共に、測定距離R1、相対速度V1、方位角θを用いて第1の位置X1,Y1、第2位置X2,Y2を算出する(ステップ100)。
異物体検出部56は第1、第2の位置測定部51,52が測定した距離R1,R2の距離差が許容範囲内であるか判断し(ステップ101)、最大許容値以下であれば広角レーダ装置は1つの目標物を捕捉しており(図2(a))、第1、第2の位置測定部51,52が算出した第1位置X1,Y1、第2位置X2,Y2は同一の目標物TGの位置データであると判定し、次式
XA=(X1+X2)/2 (6a)
YA=(Y1+Y2)/2 (6b)
により目標物の位置XA,YAを計算して出力するとともに、物体分離不可能フラグFEAを"0"にして出力する(ステップ102)。FEAは物体分離不可能を特定するためのフラグであり、FEA=1は測定誤差が大きく、信頼度が小さいことを意味する。
以上のように、広角レーダ装置が1つの目標物TGのみを捕捉している場合には、上式により目標物の位置を測定することができ、測定精度を向上できる。
ステップ101において、距離差が許容範囲外であれば異なる物体(目標物TG、障害物OBT)を検出しているものと判定し(図2(b))、第1、第2の位置測定部51,52が測定した物体のそれぞれの位置履歴データを用いて所定時間T後の各物体の位置を予測する(ステップ103)。ついで、各予測点までの距離を計算し、距離差が設定値以下であるかチェックし、チェック結果を保存する(ステップ104)。
XA=X2
YA=Y2
とするとともに、物体分離不可能フラグFEAを"0"にして出力する(ステップ107)。尚、図2(b)に示す状態では第2位置測定部52が目標物のみを補足しているが、図2(d)に示す状態では、第1位置測定部51が目標物のみを補足している。かかる場合には、ステップ107において、
XA=X1
YA=Y1
とする。
以後、走行により、ステップ106において、各予測点までの距離差が設定値以下になれば(図2(c))、位置決定部57は、物体が1つであると判定して(6a),(6b)式により目標物の位置XA,YAを計算して出力するとともに、物体分離不可能フラグFEAを"1"にして出力する(ステップ108)。すなわち、出力する位置データXA,YAは物体分離不可能になった状態における位置データであり、信頼度が低いデータであることを示すフラグFEAを"1"にして出力する。
図5は目標物位置決定部70の位置決定処理フローである。
まず、第1、第2の広角レーダ装置が測定した目標物の位置が近接しているかチェックする(ステップ201)。すなわち、位置データXA,YA:XB,YBを用いてそれぞれが測定した2点間の距離を求め、距離が設定値以下であるかチェックする。
第1、第2の広角レーダ装置が測定した2点が近接していれば、第1、第2の広角レーダ装置は同一の1つの目標物の位置を測定したものと判定し、次式
X=(XA+XB)/2
Y=(YA+YB)/2
により、目標物の位置(X,Y)を計算して出力する(ステップ202)。
一方、第1、第2の広角レーダ装置が測定した目標物の位置が近接していなければ、物体分離不可能フラグFEA,FEBが何れも0であるかチェックし(ステップ203)、FEA=FEB=0であれば、位置データXA,YA:XB,YBの信頼度は大きいから、第1、第2の広角レーダ装置50,60は同一の目標物の位置を測定したものと判定し、ステップ202により目標物の位置(X,Y)を計算して出力する。
ステップ204において、FEA,FEBの両方が1でなければ、FEAが1であるかチェックし(ステップ206)、FEA=1であればFEB=0であり、第2広角レーダ装置60が測定した位置データXB,YBの信頼度が大きく、第1広角レーダ装置50が測定した位置データXA,YAの測定誤差が大きいから、X=XB,Y=YBとして出力する(ステップ207)。
ステップ206において、FEA=1でなければFEB=1であり、第1広角レーダ装置50が測定した位置データXA,YAの信頼度が大きく、第2広角レーダ装置60が測定した位置データXB,YBの測定誤差が大きいから、X=XA,Y=YAとして出力する(ステップ208)。
以上本発明によれば、測定誤差が大きい位置データを特定でき、しかも、該測定誤差が大きい位置データを除外して目標物の位置を決定できるため、目標物の位置測定精度を向上することができる。
53,54 反射強度検出部
55 方向演算部
56 異物体検出部
57 位置決定部
51a,52a 第1、第2の送受信部
51b,52b 第1、第2の位置算出部
Claims (6)
- 複数の広角レーダ装置を用いて目標物の位置を測定する位置測定方法において、
各広角レーダ装置において、目標物を含む複数の物体を分離することが不可能になったとき該広角レーダ装置から出力する位置データに分離不可能情報を付加し、
各広角レーダ装置から出力されるいずれの位置データにも分離不可能情報が付加されていなければ、各広角レーダ装置から出力される位置データを用いて目標物の位置を決定し、
いずれかの位置データに分離不可能情報が付加されていれば、該位置データを除外して目標物の位置を決定する、
ことを特徴とする位置測定方法。 - 分離不可能情報が付加されていない位置データの加重平均により目標物の位置を決定する、
ことを特徴とする請求項1記載の位置測定方法。 - 各広角レーダ装置に目標物の位置を測定する複数の位置測定部を設け、
各位置測定部が測定する目標物までの距離に基づいて1つの広角レーダ装置が2以上の物体を捕捉しているか判断し、
2以上の物体を捕捉している際、それぞれの位置測定部が次に測定する位置を予測し、
各予測点までの距離の差が設定値以下であれば、各位置測定部が測定した位置データを用いて算出した位置データに前記分離不可能情報を付加して出力する、
ことを特徴とする請求項1記載の位置測定方法。 - 複数の広角レーダ装置を用いて目標物の位置を測定する位置測定装置において、
送信波を目標物に向けて発射し、反射波を受信して該目標物の位置を測定すると共に、目標物を含む複数の物体を分離することが不可能になったか監視し、分離不可能になったとき、出力する位置データに分離不可能情報を付加する複数の広角レーダ装置、
各広角レーダ装置から出力されるいずれの位置データにも分離不可能情報が付加されていなければ、各広角レーダ装置から出力される位置データを用いて目標物の位置を決定し、いずれかの位置データに分離不可能情報が付加されていれば、該位置データを除外して目標物の位置を決定する目標物位置決定部、
を備えたことを特徴とする位置測定装置。 - 前記目標物位置決定部は、分離不可能情報が付加されていない位置データの加重平均により目標物の位置を決定する手段、
を備えることを特徴とする請求項4記載の位置測定装置。 - 前記各広角レーダ装置は、
送信波を目標物に向けて発射し、反射波を受信して目標物の位置をそれぞれ測定する複数の位置測定部、
各位置測定部が測定する目標物までの距離に基づいて1つの広角レーダ装置が2以上の物体を捕捉しているか判断し、2以上の物体を捕捉している際、それぞれの位置測定部が次に測定する位置を予測し、各予測点までの距離の差が設定値以下であれば、各位置測定部が測定した位置データを用いて算出した位置データに前記分離不可能情報を付加して出力する位置決定部、
を備えたことを特徴とする請求項4記載の位置測定装置。
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