JP2007093344A - 応力測定方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶材料の局所的な格子歪み量及び応力値、並びに結晶材料に応力を印加する応力源の応力値を精度良く測定しうる応力測定方法及び装置を提供する
【解決手段】結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、結晶材料を透過した収束電子線により形成されるHOLZ図形を取得し(ステップS11〜S13)、取得したHOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し(ステップS14)、HOLZ線の分裂幅に基づき、結晶材料の評価領域の応力を評価する(ステップS15)。
【選択図】図6

Description

本発明は、応力測定方法及び装置に係り、特に、収束電子回折法を用いて微小領域の格子歪み量や応力値を測定する応力測定方法及び装置に関する。
結晶材料に外部から応力が加わると格子歪みが生じ、結晶材料の様々な物性に影響を及ぼすことが知られている。特に、半導体装置の高集積化及び微細化に伴って発生する格子歪みは、電子デバイスの素子特性を左右する重要な因子の一つになっている。一方、結晶材料に加わる格子歪みを積極的に利用して、電子デバイスの電気特性を向上したり劣化を抑制したりすることも行われている。したがって、電子デバイスを構成する結晶材料の格子歪みやその原因となっている応力を測定することは、所望のデバイスを設計するために重要である。
格子歪みは格子定数の変化率として捉えることができることから、格子歪みの測定には、X線回折法、ラマン分析法、収束電子回折法等の格子定数測定手法が主に用いられてきた。なかでも収束電子回折法は、ナノメートル単位の空間分解能で格子定数を決定できるため、微細な電子デバイスの格子歪み測定に利用されている。
収束電子回折法は、例えば特許文献1〜4に記載されている。
特開平06−036729号公報 特開平07−169811号公報 特開2000−009664号公報 特開2004−077247号公報
収束電子回折法は、結晶材料に収束電子線を入射して得られるHOLZ(High Order Laue Zone)図形の幾何変化を利用したものである。HOLZ図形を構成するHOLZ線は格子歪みに伴って移動するので、HOLZ線の移動量を測定することにより格子の歪み量を算出することができる。
歪み量の検知精度は、HOLZ線の鮮明度に依存する。格子が均一に歪んでいる場合には鮮明なHOLZ線を得ることができ、検知精度も向上する。しかしながら、実用試料では格子歪みが均一であるとは限らず、鮮明な像が得られる保証はない。例えば半導体デバイスのトランジスタ周りを例にとると、素子領域の周辺にはプラグ、配線、素子分離膜等の多くのストレッサ(応力源)が様々な位置に配置されており、歪み場は領域によって不均一となる。この場合、HOLZ線は不鮮明となり、さらには分裂してしまう。これでは、HOLZ線の位置を特定することができず、精密な格子歪みの測定を行うことができない。
本発明の目的は、結晶材料の局所的な格子歪み量及び応力値、並びに結晶材料に応力を印加する応力源の応力値を精度良く測定しうる応力測定方法及び装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、前記結晶材料を透過した前記収束電子線により形成されるHOLZ図形を取得し、取得した前記HOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、前記HOLZ線の前記分裂幅に基づき、前記結晶材料の前記評価領域の応力を評価することを特徴とする応力測定方法が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、前記結晶材料を透過した前記収束電子線により形成されるHOLZ図形を取得する電子顕微鏡と、前記電子顕微鏡により取得した前記HOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、前記HOLZ線の前記分裂幅に基づき、前記結晶材料の前記評価領域の応力を評価する処理装置とを有することを特徴とする応力測定装置が提供される。
本発明によれば、測定対象の結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、前記結晶材料を透過した前記収束電子線により形成されるHOLZ図形を取得し、取得したHOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、測量したHOLZ線の分裂幅に基づき結晶材料の局所的な応力を評価するので、極めて微小な領域に加わる不均一な歪み場における応力や格子歪みを精密に測定することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による応力測定方法及び装置について図1乃至図11を用いて説明する。
図1は本実施形態による応力測定装置を示す概略図、図2はSTEM法を用いた試料の測定方法を示す概略図、図3は収束電子線を晶帯軸方向から入射したときの収束電子回折像を示す図、図4は均一に歪んだ試料におけるHOLZ図形を示す図、図5は不均一に歪んだ試料におけるHOLZ図形を示す図、図6は本実施形態による応力評価方法を示すフローチャート、図7はHOLZ線の分裂幅及び分裂方向を説明する図、図8は試料の格子湾曲量とHOLZ線の分裂幅との関係を計算するために用いたモデルの概略図、図9は試料の格子湾曲量とHOLZ線の分裂幅との関係を示す図、図10及び図11は測定結果の表示例を示す図である。
はじめに、本実施形態による応力測定装置について図1を用いて説明する。
本実施形態による応力測定装置は、走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope:STEM)10を有している。STEM10には、試料に入射する電子線を制御するための走査レンズ系を制御するための走査レンズ系制御装置12と、試料を透過した電子線を制御するための透過レンズ系を制御するための透過レンズ系制御装置14と、電子線に対する試料の位置や角度を制御するための試料制御装置16と、試料を透過した電子線の画像(透過電子像)を取り込む画像取り込み装置18とが設けられている。
試料制御装置16は、処理装置24に接続されている。走査レンズ系制御装置12は、走査レンズ系制御用入力装置20を介して処理装置24に接続されている。また、透過レンズ系制御装置14は、透過レンズ系制御用入力装置22を介して処理装置24に接続されている。これにより、試料の任意の位置へ任意の角度で電子線を収束して入射するとともに、試料を透過した電子線を画像取り込み装置18へ導くようになっている。
処理装置24は、走査レンズ系制御装置12、透過レンズ系制御装置14、試料制御装置16等を制御する制御装置として、また、画像取り込み装置18から入力される測定データの分析を行う分析装置として機能する。処理装置24には、外部から測定等に必要な情報を入力するための入力装置26、測定データの分析に用いられるデータベース等を記憶する外部記憶装置28、分析結果等を表示する表示装置30が接続されている。
次に、本発明の応力測定方法に用いるSTEM法(Scanning Transmission Electron Microscopy)の概略について、図2乃至図5を用いて説明する。STEM法とは、収束した電子線を試料に入射してそれを走査させ、各入射点における電子回折強度及び電子散乱強度を検出器で読み取って画像化する手法である。この手法を用いることで、半導体デバイスをはじめとした様々な構造物の拡大像(STEM像)を得ることができる。
図2に示すように、収束電子線32を、測定対象の試料30の表面30a側から入射する。入射された電子線は試料30を透過し、その裏面30b側からは透過電子線36が出射される。
収束電子線32を<110>や<100>等の原子配列が揃った晶帯軸方向から入射すると、透過電子線36として図3に示すような画像が得られる。この画像は、電子波の干渉によるものである。半導体デバイスなどの構造物では晶帯軸方向にそって素子を製造することが多いため、素子構造に沿って断面を切り出した試料ではこのような画像が得られる。
収束電子線32の入射方位を晶帯軸方向から数度傾けると、電子線の干渉性は弱まる。このとき、電子線の波長と格子面34の間隔との関係がブラッグの反射条件を満たしていると、入射した収束電子線32のうち格子面34に対してブラッグの反射条件を満たす所定の角度で入射された電子線が回折され、所定の回折電子線38が得られる。
回折電子線38は、格子面34の面方位に関係した方向に延在する直線(高次ラウエゾーン(High Order Laue Zone:HOLZ)線、以下、HOLZ線という)からなる回折像を構成する。透過電子線36は、試料30に入射された収束電子線32のうち試料30により回折されなかった電子線であり、透過電子線36により構成される透過像にも、HOLZ線が現れる。
結晶材料に導入される歪み領域は、構造的な観点から、閉じた系と開いた系とに分類することができる。前者は対象とする領域が応力源で囲まれている系、後者はそうでない系である。MOSFETの素子領域近傍を例にとると、素子分離領域と素子領域との関係は閉じた系と、コンタクト材やプラグ材と素子領域との関係は開いた系と、それぞれ考えることができる。
閉じた系は、一般に応力源が評価領域を囲む構造となっているため、評価領域中の結晶格子は均一に歪む。このようなときは、結晶格子の歪み量は、通常の収束電子回折法(例えば特許文献4を参照)により測定することができる。なお、このような試料を局所的に観察すると、図4に示すようなHOLZ図形が得られる。
これに対し、開いた系では応力源が単体で存在しているため、評価領域は局所的に見ると不均一に歪んでいる。このような場合に試料の断面を切り出すと、評価領域にかかっていた応力は保たれずに解放してしまい、結晶格子は湾曲してしまう。湾曲した試料を局所的に観察すると、図5に示すような分裂したHOLZ図形が得られる。
次に、本実施形態による応力測定方法について図6を用いて具体的に説明する。
図6は本実施形態による応力測定方法を示すフローチャートである。このフローチャートでは、評価領域のHOLZ図形を測定し(ステップS11〜13)、HOLZ線の分裂幅を測定し(ステップS14)、HOLZ線の分裂幅を表示する(ステップS15)。
まず、STEM10内のステージに測定対象の試料を載置し、STEM10内を所定の圧力まで減圧する。なお、測定対象の試料は、電子線が透過する薄片状に予め成形しておく。
次いで、試料に収束電子線を入射し、走査レンズ系制御用入力装置20を介して走査レンズ系制御装置12を制御することにより、試料上の任意の位置で電子線を静止させる(ステップS11)。収束電子線は、数nm程度以下の極めて微細なビーム径に絞ることができ、試料の極めて微小な領域に入射させることができる。なお、電子線の入射位置は、STEM法像で確認することができる。
次いで、試料制御装置16により収束電子線に対して試料を傾け、透過電子線にHOLZ図形が現れるようにする(ステップS12)。
次いで、走査レンズ系制御装置12により収束電子線を走査しながら撮影を行い、試料上の任意の位置におけるHOLZ図形を取得する(ステップS13)。
STEM10によりHOLZ図形を取得するためには、画像取り込み装置18としてCCDカメラ等の画像取り込み装置を用いる。走査速度とCCDカメラのシャッター速度とを同期させることにより、各入射点でのHOLZ図形を連続的に取り込むことができる。このとき、走査レンズ系制御装置12により電子線の位置を制御することにより、0次元走査のときは任意の位置の入射点で、一次元走査のときは線上の入射点で、2次元走査のときは面内の入射点で、それぞれHOLZ図形を取り込むことができる。
なお、本発明による応力測定方法の測定対象は結晶格子が非対称に歪んでいる試料であり、HOLZ線は互いに平行な直線に分裂している(図5参照)。
次いで、撮影した各点のHOLZ図形から、HOLZ線の分裂幅をそれぞれ測定する(ステップS14)。
HOLZ線の分裂幅とは、試料の湾曲によって分裂したHOLZ線(分裂HOLZ線)の間隔を、HOLZ線の分裂方向に沿って測定したものである。ここで、HOLZ線の分裂方向とは、HOLZ図形ごとに定められる一の方向であり、総ての分裂HOLZ線の間隔が等しくなる方向である(図7参照)。
ここで、試料の湾曲量とHOLZ線の分裂幅との関係について図8及び図9を用いて説明する。
測定対象の試料として、図8に示すようなモデルを仮定する。図8に示す試料は、膜厚が600nmであり、説明の便宜上、深さ方向に厚さが等しい11スライスの領域を有するものと考える。1スライスの厚さは約54.5nmである。
図8に示す試料において、本来厚さ方向に対して平行になるべき結晶面(図中、点線)が、図中に実線で示すように湾曲しているものとする。このときの格子湾曲量は、試料表面近傍(例えば1層目のスライス)における結晶方位と、試料裏面近傍(例えば11層目のスライス)における結晶方位との間のずれ量(例えば2θ)で表される。以下の説明では、角度θが1.53[mrad]であるものと仮定する。
図9は、図8の試料の厚さを表面側からスライス単位で増加していったときのHOLZ図形をシミュレーションにより求めた結果を示す図である。図9(a)は表面側の1スライスで構成される試料(厚さ55nm)の場合、図9(b)は表面側の3スライスで構成される試料(厚さ164nm)の場合、図9(c)は表面側の5スライスで構成される試料(厚さ273nm)の場合、図9(d)は表面側の7スライスで構成される試料(厚さ381nm)の場合、図9(e)は表面側の9スライスで構成される試料(厚さ490nm)の場合、図9(f)は11スライスで構成される試料(厚さ600nm)の場合である。なお、格子湾曲量は、試料表面近傍における結晶方位と試料裏面近傍における結晶方位との間のずれ量で表される。したがって、図9(a)から図9(f)の例では、試料が厚いほどに格子湾曲量は大きくなっている。
図9に示すように、HOLZ線の分裂幅は、試料の格子湾曲量が大きくなるほどに増加する。すなわち、HOLZ線の分裂幅は格子の歪み量と相関関係を有しており、HOLZ線の分裂幅を測定すれば、評価試料における格子の歪みを定性的に知ることができる。
次いで、以上のステップにより測定したHOLZ線の分裂幅を、表示装置30に表示する(ステップS15)。
ステップS13においてHOLZ図形を取得する際に、評価試料上における収束電子線の入射位置と関連づけて外部記録装置28に記録しておくことにより、算出したHOLZ線の分裂幅(格子の歪み量)と収束電子線の入射位置とを関連づけ、1次元プロファイルや2次元マッピングとして表示することが可能である。
図10は、MOSFETのチャネル領域をチャネル方向に1次元走査したときの評価結果の表示例である。また、図11は、MOSFETのソース/ドレイン領域に接続されるコンタクトプラグ下のシリコン基板の領域を2次元走査したときの評価結果の表示例である。
本実施形態による応力測定方法では格子の歪み量を定量化することはできないが、領域間における格子の歪み量の大きさの相関関係を知ることができる。したがって、本実施形態による応力測定方法は、評価領域の定性的な評価を行う際に有用である。
このように、本実施形態によれば、測定対象の結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、結晶材料を透過した収束電子線により形成されるHOLZ図形を取得し、取得したHOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、測量したHOLZ線の分裂幅に基づき結晶材料の格子湾曲量の大きさを見積もるので、極めて微小な領域に加わる不均一な歪み場における格子歪みを定性的に測定することができる。
また、本実施形態による応力測定方法及び装置を、例えばシリコン半導体デバイスの製造工程に組み込み、測定結果を製造プロセスにフィードバックすることにより、格子歪み或いは応力を制御したデバイス構造を実現することができる。これにより、設計通りの特性を有する電子デバイスの開発時間の短縮化を図ることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による応力測定方法及び装置について図12及び図13を用いて説明する。なお、図1乃至図11に示す第1実施形態による応力測定方法及び装置と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図12は本実施形態による応力測定方法を示すフローチャート、図13は格子湾曲量から格子の歪み量を算出する際に用いるモデルを示す図である。
本実施形態では、評価領域における格子の歪み量及び応力値を定量化しうる応力測定方法について説明する。本実施形態による応力測定方法に用いる装置は、第1実施形態の場合と同様である。
図12は本実施形態による応力測定方法を示すフローチャートである。このフローチャートでは、評価領域のHOLZ図形を測定し(ステップS21〜23)、HOLZ線の分裂幅を測定し(ステップS24)、HOLZ線の分裂幅から試料の格子湾曲量を算出し(ステップS25)、試料の格子湾曲量から格子の歪み量を算出し(ステップS26)、格子の歪み量から応力値を算出し(ステップS27)、算出した格子の歪み量及び/又は応力値を表示する(ステップS28)。ステップS21〜ステップS24は、第1実施形態による応力測定方法のステップS11〜ステップS14と同じである。
まず、第1実施形態による応力測定方法の場合と同様にして、収束電子線を走査しながらHOLZ図形の撮影を行い、撮影したHOLZ図形に基づいてHOLZ線の分裂幅を測定する(ステップS21〜ステップS24)。
次いで、算出したHOLZ線の分裂幅に基づき、試料の格子湾曲量を算出する(ステップS25)。
前述の通り、HOLZ線の分裂幅は、試料表面と試料裏面との結晶方位のずれ量(=2θ)の大きさに依存している。換言すれば、HOLZ線の分裂幅を測定することにより、試料の格子湾曲量のパラメータとしての角度θを算出することができる。
測定したHOLZ線の分裂幅が、例えば図9(f)に示すHOLZ図形の場合と同じであるときには、試料表面と試料裏面との結晶方位のずれ量、すなわち格子湾曲量(2θ)は、例えば3.06[mrad]であると算出できる。HOLZ線の分裂幅と格子湾曲量との関係は、予めデータベース化して外部記憶装置28に記憶しておく。これにより、測定したHOLZ線の分裂幅から試料の格子湾曲量を直ちに求めることができる。
次いで、HOLZ線の分裂幅から求めた試料の格子湾曲量に基づき、結晶格子の歪み量を算出する(ステップS26)。
ここでは、湾曲した測定試料が、図13(a)に示すように、11層の単結晶(スライス)が積み重なった状態であると仮定する。試料の厚さは600nmとする。評価領域は、図13(a)に矢印で示すコラムに含まれるものとする。
図13(b)は、図13(a)から評価領域が含まれるコラムを抜き出したものである。図13(b)において、各層の結晶方位は段階的に変化するものとし、試料表面における結晶方位と試料裏面における結晶方位との間のずれ量(=2θ)は、HOLZ線の分裂幅の測定から例えば3.06[mrad]であると算出されたものとする。また、以下の説明では簡単のために水平方向(X方向)以外の伸び縮みは無視し、水平方向にのみ歪みが生じたものと考える。
図13(b)の点線で囲まれ1層目のスライスと2層目のスライスとに着目すると、図13(c)に示すように、1層目のスライスと2層目のスライスとの間のX方向の位置ずれ量ΔXは、格子湾曲量を2θ、スライス間のピッチ(厚さ)をpとして、以下の式で表される。
tanθ = ΔX/p
試料の厚さが600nmであり、厚さ方向のスライス数が11スライスである場合、スライス間のピッチpは、600/11=54.5nmとなる。したがって、単位胞のX方向の位置ずれ量ΔXは、
ΔX= tan(1.53[mrad])×54.5
= 8.338×10−2[nm]
と求めることができる。評価試料が例えばSiの場合、Siの格子定数は0.54307nmであるから、結晶材料の単位胞あたりのX方向への圧縮量は、
8.338×10−2×0.54307/54.5=8.308×10−4[nm]
となる。したがって、X方向の垂直歪み量εxxは、
εxx= 8.308×10−4/0.54307
=1.529×10−3[%]
と求めることができる。
Y方向及びZ方向の歪み量についても、上記と同様にして計算することができる。
次いで、試料の格子湾曲量から求めた結晶格子の歪み量に基づき、結晶格子に印加される局所的な応力値を算出する(ステップS27)。
評価領域に印加される応力は、
として表される。ここで、C11,C12は弾性率、exx,eyy,ezzはそれぞれX軸,Y軸,Z軸方向の格子歪み成分、fxx,fyy,fzzはそれぞれX軸,Y軸,Z軸方向の応力成分である。
弾性率C11,C12は、測定対象の結晶材料のヤング率とポアソン比から求められる。また、格子歪み成分exx,eyy,ezzは、上記ステップS により求めることができる。したがって、これらの値を上記の式に代入することにより、評価領域に加わる局所的な応力値を算出することができる。
次いで、以上のステップにより測定した評価試料の評価領域における歪み量及び/又は応力値を、表示装置に表示する(ステップS28)。
ステップS25からステップS27を各評価領域について行うことにより、試料上における収束電子線の入射位置と、HOLZ図形から算出した各入射位置における格子歪み量及び/又は応力値とを関係づけて、外部記録装置に記録することができる。
ステップS23においてHOLZ図形を取得する際に、評価試料上における収束電子線の入射位置と関連づけて外部記録装置28に記録しておくことにより、算出した格子歪み量及び/又は応力値と関連づけ、図10に示すような1次元プロファイルや図11に示すような2次元マッピングとして表示することが可能である。特に本実施形態による応力測定方法では、格子歪み量及び応力値の定量測定が可能であることから、定量化した格子歪み量及び応力値とともに測定結果を表示することができる。
このように、本実施形態によれば、測定対象の結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、結晶材料を透過した収束電子線により形成されるHOLZ図形を取得し、取得したHOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、測量したHOLZ線の分裂幅に基づき評価領域における局所的な格子歪み量を算出し、格子歪み量に基づき評価領域における局所的な応力値を算出するので、極めて微小な領域に加わる不均一な歪み場における応力や格子歪みを精密に測定することができる。
また、本実施形態による応力測定方法及び装置を、例えばシリコン半導体デバイスの製造工程に組み込み、測定結果を製造プロセスにフィードバックすることにより、格子歪み或いは応力を制御したデバイス構造を実現することができる。これにより、設計通りの特性を有する電子デバイスの開発時間の短縮化を図ることができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による応力測定方法及び装置について図14乃至図20を用いて説明する。なお、図1乃至図13に示す第1及び第2実施形態による応力測定方法及び装置と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図14はストレッサとの界面からの距離と格子湾曲量との関係を求めるために用いたモデルの概略図、図15はストレッサとの界面からの距離と格子湾曲量との関係を示すグラフ、図16は本実施形態による応力測定方法を示すフローチャート、図17は測定試料の一例を示す概略断面図、図18は格子湾曲量の測定値からストレッサが与える応力値を算出する方法を示すグラフ、図19はストレッサからの応力の伝搬方向を測定する方法を示す図、図20は応力の方向を測定する方法を示す図である。
本実施形態では、応力源が発生する応力値を算出しうる応力測定方法について説明する。本実施形態による応力測定方法に用いる装置は、第1実施形態の場合と同様である。
まず、試料の測定に先立ち、ストレッサとの界面からの距離と格子湾曲量との関係を有限要素法によって計算してデータベース化しておく。ここでは、シリコン基板上に形成されたコバルトシリサイド膜がシリコン基板に与える応力値を算出する場合を例にして説明する。
図14(a)は、有限要素法による計算に用いたモデルを示す図である。このモデルでは、シリコン基板(Si)上に、均一な膜厚のコバルトシリサイド膜(CoSi)が形成された状態を仮定している。試料の膜厚方向は図面に対して水平方向である。
このようなモデルを用い、コバルトシリサイド膜の応力値を種々の値に変化したときの試料の湾曲形状を計算する。図14(b)は、コバルトシリサイド膜が引っ張り応力Pを有する場合に試料の格子湾曲を有限要素法により求めた結果である。また、図14(c)は、コバルトシリサイドの引張り応力がPよりも大きいPである場合に試料の格子湾曲を有限要素法により求めた結果である。
そして、計算で求めた各試料形状において、格子湾曲量を算出する。格子湾曲量は、応力が加わることにより生じる試料表面での結晶方位のずれ量を角度θとして、2θで表される(図14(c)参照)。
格子湾曲量は、コバルトシリサイド膜とシリコン基板との界面からの距離をパラメータとして算出する。これにより、例えば図15に示すように、コバルトシリサイド膜とシリコン基板との界面からの距離と格子湾曲量との関係を得ることができる。
以上のようにして、ストレッサとの界面からの距離と格子湾曲量との関係をデータベース化し、外部記憶装置28に記憶しておく。
次に、評価対象の試料の測定を、図16に示すフローチャートに従って行う。このフローチャートでは、評価領域のHOLZ図形を測定し(ステップS31〜33)、HOLZ線の分裂幅を測定し(ステップS34)、HOLZ線の分裂幅から試料の格子湾曲量を算出し(ステップS35)、格子湾曲量からストレッサが与える応力値を算出し(ステップS36)、応力値を表示する(ステップS37)。ステップS31〜ステップS35は、第2実施形態による応力測定方法のステップS21〜ステップS25と同じである。
まず、第2実施形態による応力測定方法の場合と同様にして、収束電子線を走査しながらHOLZ図形の撮影を行い、撮影したHOLZ図形に基づいてHOLZ線の分裂幅を測定し、算出したHOLZ線の分裂幅に基づき試料の格子湾曲量を算出する(ステップS31〜ステップS35)。
ここでは、測定対象の試料が、例えば図17に示すような半導体装置であると仮定する。シリコン基板40上には、素子分離膜42が形成されている。素子分離膜42により画定された素子領域上には、ゲート電極44及びソース/ドレイン領域46を有するMOSFETが形成されている。ソース/ドレイン領域46上には、コバルトシリサイド膜48が形成されている。MOSFETが形成されたシリコン基板40上には、層間絶縁膜50が形成されている。層間絶縁膜50には、コバルトシリサイド膜48に接続されたコンタクトプラグ52が埋め込まれている。
評価領域は、コバルトシリサイド膜48下のシリコン基板40であり、シリコン基板40の深さ方向に沿って測定を行うものとする。なお、図17において、○印は測定位置であり、○印を結ぶ実線は電子線の走査経路である。
次いで、ストレッサとの界面からの距離と算出した格子湾曲量との関係を、予め準備しておいたデータベースと比較し、ストレッサが試料に与える応力値を算出する(ステップS36)。
例えば、外部記憶装置28には、図18に示すようなデータが記録されていたものとする。すなわち、外部記憶装置28のデータベースには、ストレッサが与える応力値が500MPa、1GPa及び2GPaの場合における格子湾曲量とストレッサとの界面からの距離との関係が記録されている。
この場合に、実試料の測定において図18に●印で示す測定結果が得られたと仮定すると、これら測定点とに記録された格子湾曲量とストレッサとの界面からの距離との関係とを比較することで、実試料においてストレッサが与える応力値が約1.6GPaであると算出することができる。
次いで、以上のステップにより算出したストレッサが与える応力値を、表示装置30に表示する(ステップS37)。
HOLZ図形に基づく応力測定では、ストレッサが与える応力値の定量化のみならず、応力の伝搬方向や応力の向き(引張り或いは圧縮)を求めることもできる。
応力の伝搬方向は、HOLZ線の分裂方向から求めることができる。すなわち、HOLZ線の分裂方向は応力の伝搬方向と一致することから、HOLZ線の分裂方向を求めることで、応力の伝搬方向を知ることができる。
図19はMOSFETが形成されたシリコン基板40についてHOLZ図形の測定を行った結果を示す図である。図19(a)は測定試料の概略図を示しており、図19(b),(c),(d)は、それぞれ、図19(a)中の領域1,領域2,領域3で測定したHOLZ図形である。
図19(b),(c)に示すように、領域1及び領域2におけるHOLZ線の分裂方向は左上がりの斜め方向であり、応力がコバルトシリサイド膜48a側から伝搬していることが判る。また、コバルトシリサイド膜48aから離れるほどに格子の歪み量が小さくなっていることが判る。また、図19(d)に示すように、領域3におけるHOLZ線の分裂方向は右上がりの斜め方向であり、応力がコバルトシリサイド膜48b側から伝搬していることが判る
応力の向きは、試料の厚さから判定することができる。試料の厚さは、評価領域に引張り応力が加われば増加し、圧縮応力が加われば減少する。また、厚さの変化量は、ストレッサとの界面に近いほどに大きくなる。したがって、評価領域における試料の厚さと、ストレッサからの影響が小さい基準領域における試料の厚さとを比較することにより、評価領域に加わる応力の向きを判定することができる。試料の厚さは、収束電子回折図形から判別することができる。
図20は、収束電子線を晶帯軸方向から入射したときの収束電子回折像を示したものである。図20(a)は試料の厚さが250nmの場合であり、図20(b)は試料の厚さが275nmの場合である。
図示するように、試料の厚さが異なると、収束電子回折像が変化する。図20の例では、矢印の部分の画像が特に変化している。したがって、試料の厚さとそのとき得られる収束電子回折像をデータベース化しておくことで、収束電子回折像から試料の厚さの大小関係を判別することができ、これによって応力の方向を判定することができる。
このように、本実施形態によれば、測定対象の結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、結晶材料を透過した収束電子線により形成されるHOLZ図形を取得し、取得したHOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、測量したHOLZ線の分裂幅に基づき評価領域における格子湾曲量を算出し、算出した格子湾曲量と応力源からの距離とに基づき応力源の応力値を算出するので、結晶材料に加わる応力や格子歪みのみならず結晶材料に応力を印加する応力源の応力値をも精密に測定することができる。また、応力源からの応力の伝搬方向や向きを判定することもできる。
また、本実施形態による応力測定方法及び装置を、例えばシリコン半導体デバイスの製造工程に組み込み、測定結果を製造プロセスにフィードバックすることにより、格子歪み或いは応力を制御したデバイス構造を実現することができる。これにより、設計通りの特性を有する電子デバイスの開発時間の短縮化を図ることができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、MOSFETが形成されたシリコン基板内における格子湾曲量や応力値等を測定する方法を示したが、本発明による応力測定方法は、不均一に歪んだ結晶材料における格子湾曲量や応力値の測定に広く適用することができる。
また、上記実施形態では、評価領域に応力を与えるストレッサとしてコバルトシリサイド膜を例にして説明したが、ストレッサはこれに限定されるものではない。
以上詳述した通り、本発明の特徴をまとめると以下の通りとなる。
(付記1) 結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、前記収束電子線の透過像として得られるHOLZ図形を取得し、
取得した前記HOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、
前記HOLZ線の前記分裂幅に基づき、前記結晶材料の前記評価領域の応力を評価する
ことを特徴とする応力測定方法。
(付記2) 付記1記載の応力測定方法において、
前記HOLZ線の前記分裂幅に基づき、前記評価領域における前記結晶材料の局所的な格子歪み量を算出する
ことを特徴とする応力測定方法。
(付記3) 付記2記載の応力測定方法において、
湾曲した結晶格子のモデルを用いて電子回折計算を行うことにより、前記HOLZ線の分裂幅から前記結晶材料の局所的な格子歪み量を算出する
ことを特徴とする応力測定方法。
(付記4) 付記2又は3記載の応力測定方法において、
前記格子歪み量に基づき、前記結晶材料の前記評価領域に加わる局所的な応力値を算出する
ことを特徴とする応力測定方法。
(付記5) 付記1乃至4のいずれか1項に記載の応力測定方法において、
前記HOLZ線の前記分裂幅から前記評価領域における前記結晶材料の格子湾曲量を算出し、
前記格子湾曲量と前記評価領域の前記応力源からの距離との関係に基づき、前記応力源の前記応力値を算出する
(付記6) 付記5記載の応力測定方法において、
2種類の結晶材料が接してなる結晶格子に局所的な応力を印加して湾曲させるモデルを用いて有限要素計算を行い、前記結晶格子に印加する前記応力と前記結晶格子の格子湾曲量との関係を取得し、
前記HOLZ線の分裂幅から算出した前記格子湾曲量と前記評価領域の前記応力源からの距離との前記関係を、前記モデルから算出した前記応力と前記結晶格子の格子湾曲量との前記関係と比較することにより、前記応力源の前記応力値を算出する
ことを特徴とする応力測定方法。
(付記7) 付記1乃至6のいずれか1項に記載の応力測定方法において、
前記HOLZ線の分裂方向に基づき、前記評価領域において前記応力が伝搬する方向を判定する
ことを特徴とする応力測定方法。
(付記8) 付記1乃至7のいずれか1項に記載の応力測定方法において、
前記評価領域における前記結晶材料の厚さを、基準領域における前記結晶材料の厚さと比較することにより、前記応力の向きを判定する
ことを特徴とする応力測定方法。
(付記9) 付記8記載の応力測定方法において、
前記結晶材料の厚さは、前記結晶材料の晶帯軸方向から前記収束電子線を入射したときに得られる収束電子回折像により判定する
ことを特徴とする応力測定方法。
(付記10) 付記1乃至9のいずれか1項に記載の応力測定方法において、
前記結晶材料に入射する前記収束電子線を走査し、前記収束電子線の走査領域における前記応力の分布を測定する
ことを特徴とする応力測定方法。
(付記11) 結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、前記収束電子線の透過像として得られるHOLZ図形を取得する電子顕微鏡と、
前記電子顕微鏡により取得した前記HOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、前記HOLZ線の前記分裂幅に基づき、前記結晶材料の前記評価領域の応力を評価する処理装置と
を有することを特徴とする応力測定装置。
(付記12) 付記11記載の応力測定装置において、
前記HOLZ線の前記分裂幅と前記結晶材料の格子湾曲量との関係を記述する第1のデータベースを更に有し、
前記処理装置は、測量した前記HOLZ線の分裂幅を前記第1のデータベースと比較することにより前記評価領域における前記結晶材料の前記格子湾曲量を算出し、前記格子湾曲量から前記評価領域における前記結晶材料の局所的な格子歪み量を算出する
ことを特徴とする応力測定装置。
(付記13) 付記11記載の応力測定装置において、
前記HOLZ線の前記分裂幅と前記結晶材料の格子湾曲量との関係を記述する第1のデータベースと、
前記結晶格子に前記応力を印加する応力源からの距離と前記結晶材料の格子湾曲量との関係を記述する第2のデータベースとを更に有し、
前記処理装置は、測量した前記HOLZ線の分裂幅を前記第1のデータベースと比較することにより前記評価領域における前記結晶材料の前記格子湾曲量を算出し、算出した前記格子湾曲量と前記評価領域の前記応力源からの距離との関係を前記第2のデータベースと比較することにより、前記応力源の応力値を算出する
ことを特徴とする応力測定装置。
本発明の第1実施形態による応力測定装置の構造を示す概略図である。 STEM法を用いた試料の測定方法を示す概略図である。 収束電子線を晶帯軸方向から入射したときの収束電子回折像を示す図である。 均一に歪んだ試料におけるHOLZ図形を示す図である。 不均一に歪んだ試料におけるHOLZ図形を示す図である。 本発明の第1実施形態による応力評価方法を示すフローチャートである。 HOLZ線の分裂幅及び分裂方向を説明する図である。 試料の格子湾曲量とHOLZ線の分裂幅との関係を計算するために用いたモデルの概略図である。 試料の格子湾曲量とHOLZ線の分裂幅との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態による応力測定方法により測定した結果の表示例を示す図(その1)である。 本発明の第1実施形態による応力測定方法により測定した結果の表示例を示す図(その2)である。 本発明の第2実施形態による応力測定方法を示すフローチャートである。 格子湾曲量から格子の歪み量を算出する際に用いたモデルを示す図である。 ストレッサとの界面からの距離と格子湾曲量との関係を求めるために用いたモデルの概略図である。 ストレッサとの界面からの距離と格子湾曲量との関係を示すグラフである。 本発明の第3実施形態による応力測定方法を示すフローチャートである。 測定試料及びその評価領域の例を示す概略断面図である。 格子湾曲量の測定値からストレッサが与える応力値を算出する方法を示すグラフである。 ストレッサからの応力の伝搬方向を測定する方法を示す図である。 応力の方向を測定する方法を示す図である。
符号の説明
10…STEM
12…走査レンズ系制御装置
14…透過レンズ系制御装置
16…試料制御装置
18…画像取り込み装置
20…走査レンズ系制御用入力装置
22…透過レンズ系制御用入力装置
24…処理装置
26…入力装置
28…外部記憶装置
30…表示装置30
40…シリコン基板
42…素子分離膜
44…ゲート電極
46…ソース/ドレイン領域
48…コバルトシリサイド膜
50…層間絶縁膜
52…コンタクトプラグ

Claims (10)

  1. 結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、前記結晶材料を透過した前記収束電子線により形成されるHOLZ図形を取得し、
    取得した前記HOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、
    前記HOLZ線の前記分裂幅に基づき、前記結晶材料の前記評価領域の応力を評価する
    ことを特徴とする応力測定方法。
  2. 請求項1記載の応力測定方法において、
    前記HOLZ線の前記分裂幅に基づき、前記評価領域における前記結晶材料の局所的な格子歪み量を算出する
    ことを特徴とする応力測定方法。
  3. 請求項2記載の応力測定方法において、
    湾曲した結晶格子のモデルを用いて電子回折計算を行うことにより、前記HOLZ線の分裂幅から前記結晶材料の局所的な格子歪み量を算出する
    ことを特徴とする応力測定方法。
  4. 請求項2又は3記載の応力測定方法において、
    前記格子歪み量に基づき、前記結晶材料の前記評価領域に加わる局所的な応力値を算出する
    ことを特徴とする応力測定方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の応力測定方法において、
    前記HOLZ線の前記分裂幅から前記評価領域における前記結晶材料の格子湾曲量を算出し、
    前記格子湾曲量と前記評価領域の前記応力源からの距離との関係に基づき、前記応力源の前記応力値を算出する
  6. 請求項5記載の応力測定方法において、
    2種類の結晶材料が接してなる結晶格子に局所的な応力を印加して湾曲させるモデルを用いて有限要素計算を行い、前記結晶格子に印加する前記応力と前記結晶格子の格子湾曲量との関係を取得し、
    前記HOLZ線の分裂幅から算出した前記格子湾曲量と前記評価領域の前記応力源からの距離との前記関係を、前記モデルから算出した前記応力と前記結晶格子の格子湾曲量との前記関係と比較することにより、前記応力源の前記応力値を算出する
    ことを特徴とする応力測定方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の応力測定方法において、
    前記HOLZ線の分裂方向に基づき、前記評価領域において前記応力が伝搬する方向を判定する
    ことを特徴とする応力測定方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の応力測定方法において、
    前記評価領域における前記結晶材料の厚さを、基準領域における前記結晶材料の厚さと比較することにより、前記応力の向きを判定する
    ことを特徴とする応力測定方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の応力測定方法において、
    前記結晶材料に入射する前記収束電子線を走査し、前記収束電子線の走査領域における前記応力の分布を測定する
    ことを特徴とする応力測定方法。
  10. 結晶材料の評価領域に収束電子線を入射し、前記結晶材料を透過した前記収束電子線により形成されるHOLZ図形を取得する電子顕微鏡と、
    前記電子顕微鏡により取得した前記HOLZ図形からHOLZ線の分裂幅を測量し、前記HOLZ線の前記分裂幅に基づき、前記結晶材料の前記評価領域の応力を評価する処理装置と
    を有することを特徴とする応力測定装置。
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