JP2007092684A - バルブ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バルブ制御装置の弁異常判定手段により、バタフライ弁の回動範囲を複数に区分し、バタフライ弁の回動に抗して作用する回動抵抗力に相当する回動抵抗力指標値に対して、区分された回動範囲I、II毎に閾値CI、CIIを設定して予め記憶し、各回動範囲で、回動抵抗力指標値の検出値と閾値CI、CIIとを比較することで、バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定する。これにより、従来のように、回動位置に係わらず一律に閾値を設定する場合に比べ、より適切な閾値CI、CIIを設定することができる。
【選択図】図2
Description
請求項1に記載のバルブ制御装置は、エンジンとの間で吸排気されるガスが流通するガス流路に配設され、所定のアクチュエータから付与される駆動力により、回動抵抗力に抗して回動しガス流路の有効開口面積を可変するバタフライ弁と、バタフライ弁の回動範囲を複数に区分し、回動抵抗力に相当する回動抵抗力指標値に対して、区分された回動範囲毎に閾値を設定して予め記憶し、バタフライ弁の実駆動の際に、複数に区分した回動範囲と対応して回動抵抗力指標値を検出し、この検出値と、対応する回動範囲の閾値とを比較することで、バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定する弁異常判定手段とを備える。
請求項2に記載のバルブ制御装置は、エンジンとの間で吸排気されるガスが流通するガス流路に配設され、所定のアクチュエータから付与される駆動力により、回動抵抗力に抗して回動しガス流路の有効開口面積を可変するバタフライ弁と、バタフライ弁の回動範囲の内、全閉位置を含む一部の回動範囲で、回動抵抗力に相当する回動抵抗力指標値に対して閾値を設定して予め記憶し、バタフライ弁の実駆動の際に、回動範囲と対応して回動抵抗力指標値を検出し、この検出値と、閾値とを比較することで、バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定する弁異常判定手段とを備える。
請求項3に記載のバルブ制御装置の弁異常判定手段は、バタフライ弁の温度に相当する弁温度相当量に基づき閾値を補正し、回動抵抗力指標値と補正後の閾値とを比較することで、バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定する。
デポジットが回動抵抗力に及ぼす影響は、デポジットの温度に応じて変動する。よって、回動抵抗力は、デポジットの堆積量ばかりでなく、デポジットの温度にも影響を受ける。そこで、閾値を弁温度相当量に基づき補正することで、閾値をデポジットの温度に応じた適切な大きさに変更することができる。この結果、バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定するに際し、回動抵抗力に対するデポジットの温度の影響を取り除くことができる。なお、弁温度相当量とは、例えば、バタフライ弁の温度、つまりデポジット自体の温度、さらにガスの温度、エンジン冷却水温度のようにデポジット自体の温度と何らかの相関を有する変数である。
請求項4に記載のバルブ制御装置の弁異常判定手段は、バタフライ弁の温度に相当する弁温度相当量に基づき回動抵抗力指標値を補正し、補正後の回動抵抗力指標値と閾値とを比較することで、バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定する。
この手段は、回動抵抗力に対するデポジットの温度の影響を、回動抵抗力指標値の方を補正することで取り除くものである。
請求項5に記載のバルブ制御装置の所定のアクチュエータは、給電を受けて駆動力を発生させる電動アクチュエータであり、弁異常判定手段は、アクチュエータへの給電量に相当する給電相当量を回動抵抗力指標値として用いる。
この手段は、所定のアクチュエータを電動アクチュエータとするものである。この場合、アクチュエータへの給電により、回動抵抗力に打ち勝つための駆動力が得られるので、給電量は、回動抵抗力と何らかの相関を有する変数、つまり回動抵抗力指標値と考えることもできる。よって、給電量に相当する給電相当量を回動抵抗力指標値として用い、この給電相当量に対して閾値を設定し、給電相当量と閾値とを比較するようにすれば、極めて効果的に、バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定することができる。
請求項6に記載のバルブ制御装置の弁異常判定手段は、回動抵抗力指標値をエンジンの運転履歴に基づき推定する。
デポジットの排出流量は、燃料の噴射量やエンジンの回転数等のエンジンの運転履歴に応じて変動する。よって、燃料の噴射量やエンジンの回転数等を用いて、デポジット堆積量を推定することができる。したがって、デポジット堆積量との相関が大きい回動抵抗力指標値を、エンジンの運転履歴に基づき推定しても、高精度に回動抵抗力指標値を算出することができる。
また、所定のアクチュエータは、給電を受けて駆動力を発生させる電動アクチュエータであり、弁異常判定手段は、アクチュエータへの給電量に相当する給電相当量を回動抵抗力指標値として用いる。
実施例1のバルブ制御装置1の構成を、図1および図2を用いて説明する。
このバルブ制御装置1は、例えば、エンジンの吸気側に排気ガスを再循環するための流路2(EGR流路:以下、ガス流路2と呼ぶ)に配設され、排気ガスの再循環量を調節するEGRバルブを駆動制御するものである。
実施例1のバルブ制御装置1による制御方法を、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1で、バタフライ弁3の弁開度の指令値と実弁開度との差、つまり目標回動位置と実回動位置との差(弁位置偏差)を算出する。次に、ステップS2で、弁位置偏差が、弁異常判定手段による判定をおこなってもよい程度に小さいか否か、つまり目標回動位置と実回動位置とが略一致しているか否かの判断を行う。
実施例1のバルブ制御装置1によれば、マイコン10は、バタフライ弁3の全回動範囲を2つの回動範囲I、IIに区分し、回動抵抗力指標値であるデューティ比に対して、回動範囲I、II毎に閾値CI、CIIを設定して記憶し、デューティ比と閾値CI、CIIとを比較することで、バタフライ弁3の回動が緩慢になっているか否かを判定する弁異常判定手段として機能する。
このように、回動範囲I、II毎に、デューティ比に対する閾値CI、CIIを設定することで、従来のように、回動位置に係わらず一律に単一の閾値を設定する場合に比べ、より適切な比較を行うことができる。
このように、閾値CI、CIIを弁温度相当量に基づき補正することで、閾値CI、CIIをデポジット8の温度に応じた適切な大きさに変更することができる。この結果、バタフライ弁3の回動が緩慢になっているか否かを判定するに際し、回動抵抗力に対するデポジット8の温度の影響を取り除くことができる。
アクチュエータ4への給電により、回動抵抗力に打ち勝つための駆動力が得られるので、給電量は、回動抵抗力と何らかの相関を有する変数、つまり回動抵抗力指標値と考えることができる。よって、給電量に相当する給電相当量の1つであるデューティ比を回動抵抗力指標値として用い、このデューティ比に対して閾値CI、CIIを設定し、デューティ比と閾値CI、CIIとを比較するようにすれば、極めて効果的に、バタフライ弁3の回動が緩慢になっているか否かを判定することができる。
実施例2のバルブ制御装置1の弁異常判定手段は、回動抵抗力指標値をエンジンの運転履歴に基づき推定する。この推定は、デポジット堆積量がゼロの理想状態における回動抵抗力指標値の理想値に、デポジット堆積による回動抵抗力増加分に相当するデポジット堆積相当量を加算することで行われる。そして、このデポジット堆積相当量が、エンジンの運転履歴、例えば、燃料の噴射量(燃料噴射量)やエンジンの回転数(エンジン回転数)の履歴に基づいて算出される。
また、実施例1と同様に、バタフライ弁3の全回動範囲が2つの回動範囲I、IIに区分され、回動範囲I、II毎に回動抵抗力指標値に対する閾値CI、CIIが設定されている。
実施例2のバルブ制御装置1による制御方法を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS11で、燃料噴射量、エンジン回転数、弁温度相当量および回動位置(弁開度)の値を取り込み、ステップS12で、デポジット排出流量と燃料噴射量およびエンジン回転数との相関マップを用いて、デポジット排出流量を算出する。
実施例2の弁異常判定手段は、回動抵抗力指標値を燃料噴射量やエンジン回転数等のエンジンの運転履歴に基づき推定する。
デポジット堆積量は、燃料噴射量やエンジン回転数等のエンジンの運転履歴に応じて変動する。よって、デポジット堆積量との相関が大きい回動抵抗力指標値を、エンジンの運転履歴に基づき推定しても、高精度に回動抵抗力指標値を算出することができる。
本実施例のバルブ制御装置1は、EGRバルブを駆動制御するものであったが、排気絞りバルブ、スロットルバルブ等を駆動制御することもできる。
また、本実施例の回動抵抗力指標値は、給電相当量や、回動抵抗力指標値の理想値にデポジット堆積相当量を加算したものであったが、アクチュエータ4として負圧式アクチュエータを採用する場合には、負圧量および負圧量と相関を有する変数を回動抵抗力指標値とすることができる。また、油圧式アクチュエータを採用する場合には、油圧量および油圧量と相関を有する変数を回動抵抗力指標値とすることができる。
また、本実施例では、バタフライ弁3の全回動範囲は2つの回動範囲I、IIに区分されていたが、2つ以上の回動範囲に区分して、さらにきめ細かく判定できるようにしてもよい。
弁体外周の摺動摩擦は、バタフライ弁3の回動位置が全閉位置に近いほど強くなり、特に全閉位置近傍では急激に強くなる。よって、バタフライ弁3の回動範囲の内、全閉位置を含む一部の回動範囲のみで回動抵抗力指標値に対する閾値を設定し、回動抵抗力指標値の検出値と閾値とを比較するようにしても、デポジット除去操作等を実施する目安とすることができる。
この結果、全閉位置を含む一部の回動範囲のみを考慮して閾値を設定できるので、従来のように、回動位置に係わらず一律に閾値を設定する場合に比べ、より適切な閾値を設定することができる。
2 ガス流路
3 バタフライ弁
4 アクチュエータ
10 マイコン(弁異常判定手段)
Claims (6)
- エンジンとの間で吸排気されるガスが流通するガス流路に配設され、所定のアクチュエータから付与される駆動力により、回動抵抗力に抗して回動し前記ガス流路の有効開口面積を可変するバタフライ弁と、
前記バタフライ弁の回動範囲を複数に区分し、前記回動抵抗力に相当する回動抵抗力指標値に対して、区分された回動範囲毎に閾値を設定して予め記憶し、
前記バタフライ弁の実駆動の際に、複数に区分した前記回動範囲と対応して回動抵抗力指標値を検出し、この検出値と、対応する回動範囲の閾値とを比較することで、前記バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定する弁異常判定手段とを備えるバルブ制御装置。 - エンジンとの間で吸排気されるガスが流通するガス流路に配設され、所定のアクチュエータから付与される駆動力により、回動抵抗力に抗して回動し前記ガス流路の有効開口面積を可変するバタフライ弁と、
前記バタフライ弁の回動範囲の内、全閉位置を含む一部の回動範囲で、前記回動抵抗力に相当する回動抵抗力指標値に対して閾値を設定して予め記憶し、
前記バタフライ弁の実駆動の際に、前記回動範囲と対応して回動抵抗力指標値を検出し、この検出値と、前記閾値とを比較することで、前記バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定する弁異常判定手段とを備えるバルブ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のバルブ制御装置において、
前記弁異常判定手段は、前記バタフライ弁の温度に相当する弁温度相当量に基づき前記閾値を補正し、前記回動抵抗力指標値と補正後の閾値とを比較することで、前記バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定することを特徴とするバルブ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のバルブ制御装置において、
前記弁異常判定手段は、前記バタフライ弁の温度に相当する弁温度相当量に基づき前記回動抵抗力指標値を補正し、補正後の回動抵抗力指標値と前記閾値とを比較することで、前記バタフライ弁の回動が緩慢になっているか否かを判定することを特徴とするバルブ制御装置。 - 請求項1ないし請求項2に記載のバルブ制御装置において、
前記所定のアクチュエータは、給電を受けて駆動力を発生させる電動アクチュエータであり、
前記弁異常判定手段は、前記アクチュエータへの給電量に相当する給電相当量を前記回動抵抗力指標値として用いることを特徴とするバルブ制御装置。 - 請求項1ないし請求項2に記載のバルブ制御装置において、
前記弁異常判定手段は、前記回動抵抗力指標値を前記エンジンの運転履歴に基づき推定することを特徴とするバルブ制御装置。
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