JP2007092231A - 温感変色センサーおよび消防衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】消防作業等において、火災事の現場から発生する熱により変色しこの変色によりいち早く視覚により危険を感知することができ、人体を危険から守ることができる温感変色センサーおよび消防衣服を提供する。
【解決手段】40〜60℃で可逆的に変退色する温感変色性粒状物がバインダー樹脂を介して付与された布帛からなることを特徴とする温感変色センサー。
【選択図】なし

Description

本発明は、消防作業等において、火災事の現場から発生する熱により変色しこの変色によりいち早く危険を感知することができる温感変色センサーおよび消防衣服に関するものである。
消防作業等においては、火災事の現場から発生する熱により、雰囲気が高い温度となり、人体に対してかなり危険となる。このとき消防作業等に神経が集中しているので高温による危険を感じ取るのが弱くなったり、作業服の断熱効果で高温を感じ取るのが遅れたりして、人体に危険が生じる場合がある。このようなときに、高温時変色する布帛があれば、変色によりいち早く視覚から危険を感知することができる。
温感変色性粒状物を用いた温感変色物の提案は種々されている。例えば、ビールの冷却における飲み頃温度を知らせるためにラベルの一部に温感変色部を設けたものが見受けられる。また、繊維製品としては、スキーウエアに温感加工を施し暖かい室内から寒い屋外に出たときに変色し、逆に屋外から室内に移動したときに退色するものが見受けられる。
また、温感変色性アクリル系繊維を用い、手で触れた場合に変色するぬいぐるみが提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらには、花の温度計として変色温度の異なる温感変色の布または紙でできた造花を組み合わせた、花の温度計が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらには、セルロース繊維を主体とする繊維基材に温感変色粒状物を浴中で吸尽させる製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。さらには、熱変色性物質を含有するポリエステルと熱変色性物質を含有しない変性ポリエステルを接合した複合繊維からなる温感変色複合繊維が提案されている(例えば、特許文献4参照)。さらには、人体の保温具として繊維表面あるいは繊維内部に温感変色物を備えた保温具、例えば腹巻きが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、これら従来の提案には、いずれも、体温より高い雰囲気の環境で、温感変色により危険感知できる消防衣服の一部に用いる布帛は提案されていない。
特開昭62−184114号公報、実施例 特開平4−245903号公報 特許公報 第2908654号公報 特許公報 第2911622号公報 実用新案登録第3082147号公報、実施例
本発明の課題は、かかる従来技術の問題点を解決し、消防作業等において、火災事の現場から発生する熱により変色しこの変色によりいち早く視覚により危険を感知することができ、人体を危険から守ることができる温感変色センサーおよび消防衣服を提供することにある。
本発明はかかる課題を解決するために、以下の手段を採用する。すなわち、
(1)40〜60℃で可逆的に変退色する温感変色性粒状物がバインダー樹脂を介して付与された布帛からなることを特徴とする温感変色センサー。
(2)温感変色性粒状物が、少なくとも酸顕色性物質、酸性物質、および溶媒の3成分を含む組成物をマイクロカプセル内包体としたことを特徴とする前記(1)に記載の温感変色センサー。
(3)温感変色粒状物が布帛に5〜50g/m2 付与されていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の温感変色センサー。
(4)バインダー樹脂が布帛に10〜100g/m2 付与されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の温感変色センサー。
(5)バインダー樹脂が、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリビニル、シリコーンから選ばれる少なくとも1種の樹脂からなることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の温感変色センサー。
(6)限界酸素指数が26以上であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の温感変色センサー。
(7)温感変色センサーの基布に用いる布帛の60重量%以上がアラミド繊維からなることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の温感変色センサー。
(8)消防衣服の一部に用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の温感変色センサー。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の温感変色センサーを取り付けたことを特徴とする消防衣服。
本発明によれば、消防作業等において、火災事の現場から発生する熱により変色しこの変色によりいち早く視覚により危険を感知することができ、人体を危険から守ることができる温感変色センサーおよび消防衣服とすることができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の温感変色センサーは、繊維布帛の表面に40〜60℃で可逆的に変退色する温感変色粒状物がバインダー樹脂を介して付与されたことを特徴とするものである。
40℃は体温よりかなり高く作業環境が劣悪であり、60℃ともなれば生命に危険を及ぼす条件となってくるものである。火事場で40〜60℃で変退色する温感変色センサーを用いることにより視覚でより早く危険を感知することができる。
本発明の温感変色センサーは、繊維布帛の表面に温感変色加工剤を捺染方式、ナイフコーティング方式、リバースロールコーティング方式、グラビアコーティング方式等で付与することにより得ることができる。
本発明で用いる布帛としては、合成繊維、化学繊維、天然繊維などからなる織物、編物、不織布を用いることができ、素材は特に限定しないが、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維が50重量%以上、好ましくは100重量%含有した繊維構造物が使用耐久性、寸法安定性、耐熱性、コストの点で好ましい。さらに好ましいのは、使用用途からして難燃性があるアラミド繊維、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニル、難燃アクリル、難燃ポリエステル、難燃レーヨン等を用いることである。特に難燃性能、耐熱性、耐薬品性、風合い等からアラミド繊維を基布の60重量%以上、好ましくは100重量%含有していることがより好ましい。アラミド繊維にはメタ系アラミド繊維(「ノーメックス」(登録商標)、「コーネックス」(登録商標))とパラ系アラミド繊維(「ケブラー」(登録商標)、「テクノーラ」(登録商標)、「トワロン」(登録商標))とがある。
一般に、物質の難燃性を示す尺度の一つとしては、限界酸素指数(LOI値)が取り上げられている。該限界酸素指数(LOI値)はJIS K 7201 B−1法で規定されている。該LOI値は、試料が炎を出して燃焼し続けるのに必要な雰囲気の酸素容量%である。したがって、この値が大きな試料ほど燃えにくいといえる。可燃性繊維として、綿:17〜19、アクリル:20、ナイロン、ポリエステル:20〜22、羊毛:24〜26、難燃性繊維としてモダクリル(「カネカロン」(登録商標)):27〜29、難燃ポリエステル(「ハイム」(登録商標)):28〜32、ポリ塩化ビニル:35〜37、ポリ塩化ビニリデン:45〜48、耐熱繊維として、アラミド繊維:30、ポリフェニレンサルファイド:34、炭化繊維(「パイロメックス」(登録商標)):55〜60、ピッチ系炭素繊維:60以上、フッ素繊維(「テフロン」(登録商標)):95、等を挙げることができる。
本発明の温感変色センサーは繊維基布と温感変色粒状物のコーティングからなっている。このものの限界酸素指数(LOI値)が26以上あれば難燃性能を示し、火事場での温感変色センサーの燃焼を抑制することができる。さらに好ましくは限界酸素指数(LOI値)が28以上あれば良い。このためには、上記難燃繊維、耐熱繊維を用いれば良いが、風合い等の点から可燃性繊維と組み合わせても良い。
本発明の温感変色性粒状物の好ましい態様は、少なくとも酸顕色性物質、酸性物質、および溶媒の3成分を含む混合物系であって、好ましくは、少なくともこの3成分を非熱可塑性樹脂の固溶体となし、次いでこの固溶体の粒状物を親水性高分子化合物膜にて被覆して微小カプセルとしたものを用いるものである。
酸顕色性物質としては、当該酸にて変色あるいは退色する現象を可逆的に呈するものである。例えば、3.3’−ジメトキシフルオラン(黄)、3−クロロ−6−フェニルアミノフルオラン(黄橙)、3−ジエチル−7,8−ベンゾフルオラン(ピンク)、3.3’.3’’−(p−ジエチルアミノフェニル)フタリド(青紫)、3.3’−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド(緑)、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン(黒)などの置換フェニルメタンあるいはフルオラン誘導体、各種インドリルフタリド系色素あるいはスピロピラン類などが挙げられる。このとき、2種以上併用してもよい。
上記酸顕色性物質と結合して顕色する酸性物質としては、例えば、p−フェニルフェノール、ビスフェノールA、クレゾール、レゾルシン、クロログリシン、フェノール樹脂オリゴマー、β−ナフトールなどのフェノール類またはこれらの金属塩あるいはアンモニウム塩、5−クロロベンゾトリアゾール、4−ラウリルアミノスルホベンゾトリアゾール、5−ブチルベンゾトリアゾール、ジベンゾトリアゾール、2−オキシベンゾトリアゾール、5−カルボエトキシベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール類またはこれらの金属塩あるいはアンモニウム塩、さらにはレゾルシン酸、没食子酸、安息香酸、ピロメリット酸、ステアリン酸、p−トルエンスルホン酸、1.5−ナフタレンジスルホン酸などの有機酸またはこれらの置換誘導体あるいは金属塩などが挙げられ、これらを単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。本発明においてこれらのうち、1,2,3−トリアゾール類が最も有効である。
前記酸顕色性物質および酸性物質を溶解し、これらと共存させる溶媒としては、例えば、オクチルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコールなどのアルコール類、ステアリン酸ラウリル、ラノリン、パルミチン酸グリセライドなどのエステル類、ベンジリデンアニリン、ベンジリデンステアリルアミン、ベンジリデンフェニルヒドラジン、1.4−ビスフェニルアゾメチンなどのアゾメチン類、さらにアセトアミド、ラウリン酸アミド、p−トルエンスルフォアミド、サルチル酸アミドなどのアミド類、その他、ヤシ油、牛脂、ナフタレン、パークレンなどが挙げられる。これら溶媒類の作用は、酸顕色性物質および酸性物質のうちいずれか一方を特定の温度で急速に溶解し、もって両者の結合を阻害するにあり、該特定温度が変色温度に相当すると考えられる。したがって、該溶媒の選択が実質的に可逆変色性を支配しており、一般に低沸点または低融点の溶媒は、それより沸点または融点の高いものに比較してより低温度で変色現象を起こす点を考慮して用いることにより、実用上は−10〜100℃程度にわたる希望温度に設定可能となる。本発明は40〜60℃で可逆的に変退色する温感変色粒状物を用いるもので、それに適した溶媒との組み合わせを選択すればよい。
本発明で用いる温感変色粒状物は、上記3成分を熱硬化性樹脂の固溶体の粒状物となし共存固定するものである。この場合に用いられる樹脂として、例えば、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂などを壁膜物質として界面重合法、インサイト重合法などの公知の内包化方法にて共存封入内包体とする。さらに、該内包体を水中に懸濁させて親水性高分子化合物に被覆してカプセル化する。このときの親水性高分子化合物として、アルギン酸塩、カラゲナン、ペクチン、カチオン化スターチ、カルボキシメチル繊維素、ポリビニールアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アマイド等を用いることができる。
本発明で用いる温感変色粒状物とは、例えば、商品名で、クロミックカラー((株)松井色素化学工業所製)、メタモカラー(パイロットインキ(株)製)、ダイサーモ(大日精化工業(株))などの公知の温感変色粒状物で、該当温度にあった商品を選択すればよい。温感変色粒状物の粒径は0.1〜50μm程度、好ましくは1〜10μm程度の微小カプセルが良い。
温感変色性粒状物を布帛に付与するバインダー樹脂としては特に限定はしないが、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ素、シリコーン等および上記プレポリマーと架橋剤の組合せを用いれば良い。特に柔軟性、洗濯耐久性、耐加水分解性、コスト等の点からポリアクリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステルを1種または2種以上の組合せで用いるものがより好ましい。
温感変色性粒状物を布帛に付与する方法として、バインダーと温感変色性粒状物を主体とした塗料を用いて各種のコーティング方式で加工すれば良いが、より好ましい方法として、フラットスクリーンまたはロータリースクリーンを用いた捺染(プリント)方式またはグラビアロールコーティング方式、ナイフコート、リバースロールコートを挙げることができる。スプレー方式でも可能であるが、均一散布性が不十分で目標とする品位、性能が得られにくいので好ましくない。この塗料の中には着色の目的で顔料や染料等の着色剤を含んでいても良いが、温感変色粒状物が変退色したときに判りにくいので、なるべく含まない方がよい。コーティングする前の生地も同様の理由でなるべく無地、白色や淡色系の色を採用することが好ましい。
温感変色性粒状物の付着量は、乾燥状態で5g/m2 以上であれば変退色時の色変化がはっきり見えて好ましい。5g/m2 未満であると、変退色時の色変化が不足し、判断できにくい状況となり、本目的が達成しにくくなる。50g/m2を越えると変退色性能は充分得られるが、風合いが硬くなり、またコストの面で問題となる。よって好ましくは5〜50g/m2 の範囲である。
バインダー樹脂の付着量は、乾燥状態で10〜100g/m2 の範囲が風合い、耐久性の面で好ましい。10g/m2 未満であると、温感変色粒状物を保持する力が弱くなり、耐久性が得られにくくなる。100g/m2を越えると耐久性は充分得られるが、風合いが硬くなり、またコストの面でも問題となる。
温感変色粒状物とバインダー樹脂の割合は、コーティング後の乾燥状態を100%としたときの割合で、温感変色粒状物が10〜50重量%、バインダー樹脂が50〜90重量%の範囲が好ましい。温感変色粒状物が10重量%未満であると、変退色性能が不充分で温感変色センサーの効果が得られにくくなる。一方、50重量%を越えると、変退色性能は充分得られるが、温感変色粒状物が多くなり表面が硬くなるのと、樹脂の割合が少なくなるためコーティング後の樹脂皮膜の物性が弱くなり、揉みによる脱落や洗濯による脱落が発生し耐久性が得られない状態となる。
本発明に用いる布帛を構成する繊維には、仮撚加工糸、インターレース加工糸、タスラン加工糸、捲縮加工糸などの任意の加工糸や通常糸などを用いればよい。織または編み上がり反を通常の精練工程を経て通常の染色を施すか、精練工程上がりの無色状態で用いても良い。不織布の場合は、不織布上がりで用いるか、パッド法で顔料着色しても良い。染料や顔料での着色の場合は、なるべく白色や淡色系の色を採用し、温感変色粒状物加工の色よりも薄くすることにより温感変色が判りやすくなるので好ましい。
本発明の温感変色加工剤の付与で、捺染方式の場合は温感変色粒状物分散体とバインダー樹脂を主体とした塗料を捺染に適した10,000〜200,000cPs程度の粘度に調合し、40〜200メッシュのスクリーンを用いて捺染すればよい。このときのスクリーンはフラットまたはロータリー方式を採用すればよい。一方、グラビアコーティング方式の場合は、塗料粘度を100〜10,000cPs程度に調合し、25〜100メッシュのグラビアロールを用いてコーティングすればよい。
なお、布帛として親水加工、撥水加工、防汚加工、抗菌加工、防縮加工など任意の加工を施してもよい。この場合、温感変色加工前か後ですればよい。
これらの方法で加工した温感変色加工布を消防衣服の一部に用いて温感変色センサーとして使用する。消防衣服のパーツとして、例えば見えやすい部位である腕の部分、袖口、ズボン前部などに用いても良いが、温感変色粒状物が高価で耐光性が悪いので、コストが高くなるのと、性能が長期に持続できない問題がある。よって、これらの点から消防衣服に付属品として着脱または縫いつけ可能なワッペン、腕章、腕カバー等のように温感変色センサーとして用いたほうがより好ましい。温感変色性能が悪くなれば簡単に取り替えることができ、より経済的である。消防衣服とは、消防時に着用する防火服、手袋、靴、ヘルメット、頭巾も含めたものである。難燃性能のある消防執務服(活動服)も本発明の消防衣服に含めるものである。例えば、手袋の甲の部分に「マジックテープ」(登録商標)等の係合ファスナーで着脱が簡単にできるようにしたワッペンとして用いるのも一例である。本発明は消防衣服の一部に用いる温感サンサー単独と、本発明の温感センサーを取り付けた消防衣服の組み合わせも提案している。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例中の評価・測定は次の方法で行ったものである。
<可逆的に変退色する温感変色温度>
温感センサー試験布帛10cm×10cmを採取し、木製の額縁状枠に取り付ける。つぎに、温感変色コーティング面の中央に熱電対式温度計の感知部を取り付ける。これを窓ガラス付き小型熱風乾燥機の中央部に温感変色コーティング面が外から見えるようにぶら下げる。
該乾燥機を室温から2℃/分の昇温速度で温度を上げていき、色変化が見えた時の温度(A℃)を記録し、完全に消色した温度(B℃)を記録する。その後、昇温を停止し(ヒーター切)、風のみで室温近くまで冷却する(この時色は復元する)。本発明の可逆的に変退色する温度はA℃とB℃の平均温度である。測定サンプル数は1試料3点(n数=3)とし、その平均値を計算し代表値とする。
<限界酸素指数(LOI値)>
JIS K 7201 B−1法にて測定する。測定サンプル数は1試料3点(n数=3)とし、その平均値を計算し代表値とする。
実施例1
<染色布帛の製造>
1.7dtex×51mm 捲縮数3.5山/cmのメタ系アラミド繊維95部(重量比)と1.7dtex×51mm 捲縮数3.5山/cmのパラ系アラミド繊維5部(重量比)の短繊維を用いて30番双糸(30/2S)の紡績糸を作成した。この紡績糸をタテ糸、ヨコ糸ともに用い、タテ23.6本/cm、ヨコ19.7本/cmの平組織で織り上げた。この生地を用い、通常の精練、乾燥工程を経て温感変色加工前の基布を得た。下記配合の捺染剤を調合した。
<捺染剤の製造>
温感変色粒状物として松井色素(株)のクロミカラーAQ#47の常温では黒色で、高温では退色し無色になるものを用いた。これは粒状物がマイクロカプセル化され平均粒径4.5μmで、マイクロカプセルの中は酸顕色物質、酸性物質、溶媒からなっている。
温感変色粒状物加工剤 73部
(商品名 クロミカラーAQ#47、固形分濃度:50%)
アクリル系バインダー 25部
(アクリル系共重合樹脂固形分濃度:38%)
架橋剤 2部
(エチレン尿素共重合物 固形分濃度15%)
ミキサーを用い、上記成分を均一に混合し捺染剤を調製した。この捺染剤の粘度は75,000cps(25℃)であった。粘度は、粘度計(商品名:B型粘度計、(株)東京計器製)を用いて測定した。以下においても同様に粘度を測定した。
<染色布帛への捺染処理>
80メッシュのフラットスクリーン捺染機で捺染し、135℃で5分間乾燥し、本発明の布帛を製造した。この時に温感変色粒状物は36.8g/m2 、アクリル系共重合樹脂は17.0g/m2 、トータル53.8g/m2 であった。
<加工布の評価>
この加工上がり布帛の可逆的に変退色する温度は、色変化が見えた時の温度が44℃で、完全に消色した温度が58℃であった。よって、本発明でいう可逆的に変退色する温度は44℃と58℃の平均の51℃であった。限界酸素指数(LOI値)は28.5であった。
この布帛を用いて温感変色センサーとして腕章を作成し、防火服の上に腕章として着用した。モデルテストとして温調室にて昇温の着用テストした結果、室温が50℃になった時に腕章の色が黒からグレー変化したのが確認できた。60℃の時には完全に消色し白くなった。これにより高温での危険予知が視覚で確認することができることを確信した。
実施例2
実施例1のコーティング加工上がり布帛を用い、消防用防火手袋の甲の部分に「マジックテープ」(登録商標)で着脱できるようにした10cm×10cmの温感変色センサーとしてワッペンを作成した。これにより実施例1と同じように、高温での危険予知が視覚で確認することができることを確信した。

Claims (9)

  1. 40〜60℃で可逆的に変退色する温感変色性粒状物がバインダー樹脂を介して付与された布帛からなることを特徴とする温感変色センサー。
  2. 温感変色性粒状物が、少なくとも酸顕色性物質、酸性物質、および溶媒の3成分を含む組成物をマイクロカプセル内包体としたことを特徴とする請求項1に記載の温感変色センサー。
  3. 温感変色粒状物が布帛に5〜50g/m2 付与されていることを特徴とする請求項1または2に記載の温感変色センサー。
  4. バインダー樹脂が布帛に10〜100g/m2 付与されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の温感変色センサー。
  5. バインダー樹脂が、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリビニル、シリコーンから選ばれる少なくとも1種の樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の温感変色センサー。
  6. 限界酸素指数が26以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の温感変色センサー。
  7. 温感変色センサーの基布に用いる布帛の60重量%以上がアラミド繊維からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の温感変色センサー。
  8. 消防衣服の一部に用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の温感変色センサー。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の温感変色センサーを取り付けたことを特徴とする消防衣服。
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