JP2007091516A - シリカ粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特異な形状を有するシリカ粒子の製造方法であり、徐放性が向上したシリカ複合重合体粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】重合性ビニル系モノマーを、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーと特定のシラノール基形成性シラン化合物の存在下で水系懸濁重合させて重合体成分を得、焼成することで、特異な形状のシリカ粒子を得ることができる。50〜300m2/gの比表面積を有し、かつ表面に多数のヒダを有するシリカ粒子により上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリカ粒子及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、特異な形状を有するシリカ粒子及びその製造方法に関する。
化粧料や吸着材の分野において、シリカ粒子は油脂や石油、溶剤等の様々な液状物品を吸着する成分として使用されている。シリカ粒子の製造方法として、一般的に粉砕方法よる不定形シリカ粒子の製造方法、シード重合法、ゾル−ゲル法による球状シリカ粒子の製造方法が知られている。
しかし、これらの粒子は、何れも球状又は球状に近い不定形形状であるため表面積が小さく、吸着能力は低かった。そのため、これらのシリカ粒子は、例えば化粧料に配合した時、吸着できなかった皮脂により化粧崩れが生じるという問題があった。
そこで、球状や不定形シリカ粒子に比べ高吸油量の多孔質シリカ粒子及び製造方法が提案されている(特開2000−7320号公報、特許文献1)。この粒子は紙のインク浸透抑制材として用いられている。また、これと同じような多孔質シリカ粒子を用いた化粧料の例として、特開平10−182345号公報(特許文献2)が挙げられ、多孔質シリカ粒子を皮脂コントロール材として用いている。
また、特開2004−307837号公報(特許文献3)では、少なくとも一部が開口した中空構造の球状あるいは略球状のシリカ粒子が報告されている。
特開2000−7320号公報 特開平10−182345号公報 特開2004−307837号公報
しかし、多孔質シリカ粒子は比表面積が小さく、またその吸油量も少ない。一方、中空構造のシリカ粒子においては吸油量には優れるものの、吸着させた成分の保持能力が高くない。すなわち、芳香剤・香料等の成分を含む薬剤をより長く制御された速度で放出されるような、徐放性の改良が望まれている。
本発明の発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、重合性ビニル系モノマーを、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーと特定のシラノール基形成性シラン化合物の存在下で水系懸濁重合させて重合体成分を得、この後、ポリアルコキシシロキサンオリゴマー及びシラノール基形成性シラン化合物を縮合させることで、重合体成分中にポリアルコキシシロキサンオリゴマー及びシラノール基形成性シラン化合物由来のシリカ成分が偏在したシリカ複合重合体粒子を得、この複合重合体成分を焼成することで、特異な形状のシリカ粒子を得ることができ、得られたシリカ粒子は、徐放性に優れていることを意外にも見いだし、本発明に至った。
かくして本発明によれば、50〜300m2/gの比表面積を有し、かつ表面に多数のヒダを有するシリカ粒子が提供される。
また、本発明によれば、重合性ビニル系モノマー100重量部と、該重合性ビニル系モノマーに対し不活性なポリアルコキシシロキサンオリゴマー10〜500重量部と、下記一般式
(R1O)mSiR2 4-m
(R1は水素原子あるいは置換又は非置換のアルキル基及びアシル基から選ばれる基、R2は置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれる基であり、mは1〜3の整数、mが2又は3の場合、R1は同一又は異なっていてもよく、mが1又は2の場合、R2は同一又は異なっていてもよい)
で表されるシラノール基形成性シラン化合物0.5〜100重量部と、重合開始剤0.01〜10重量部とを含む混合物を、懸濁安定剤の存在下で水系に懸濁し、続いて前記混合物中の前記重合性ビニル系モノマーを重合させることで重合体成分を得る工程と、
前記ポリアルコキシシロキサンオリゴマー及びシラノール基形成性シラン化合物を酸又は塩基触媒を加えて縮合させてシリカ成分を得る工程と
更に、焼成することで前記重合体成分を除去する工程とを経ることを特徴とするシリカ粒子の製造方法が提供される。
本発明のシリカ粒子は、従来の多孔質シリカ粒子より吸油量が大きく、またその多数のヒダを有する形状から吸着物質の保持能力も優れる。そのため、化粧料の皮脂コントロール性、皮脂による化粧崩れ抑止性及び香料等の有効成分の徐放性に優れている。
また、本発明のシリカ粒子は、吸着剤に配合することで、高い吸着能力が得られる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のシリカ粒子は、50〜300m2/gの比表面積及び、図1に示すような表面に多数のヒダを有している。このような構造を有することで、吸油性が向上し、インク、油剤、皮脂等の吸着成分をより多く吸着させることができる。また、保持性も向上するために香料等の有効成分の徐放性も期待できる。なお、表面に存在する多数のヒダは、バラの花弁の形状、キノコの傘の裏の形状と類似している。
比表面積が50m2/gより小さい場合、十分な吸着性が得難いので好ましくない。300m2/gより大きい場合、粒子が壊れやすく安定生産しにくくなるので好ましくない。比表面積の測定方法は、実施例に記載する。好ましい比表面積は70〜250m2/gである。
また、上記形状と比表面積とを有することで、400〜600ml/100gのJIS K 5101で測定した吸油量(測定方法は実施例の欄に記載)を有するシリカ粒子を得ることができる。なお、本発明のシリカ粒子の吸着成分は油に限定されず、水を含む成分であってもよい。
以下、本発明のシリカ粒子を、その製造方法を参照しつつ説明する。
まず、重合性ビニル系モノマーと、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーと、シラノール基形成性シラン化合物と、重合開始剤とを含む混合物を、懸濁安定剤の存在下で水系に懸濁し、続いて前記混合物中の前記重合性ビニル系モノマーを重合させることで重合体成分を得る。
本発明に使用できる重合性ビニル系モノマーは特には限定されない。例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等のスチレン及びその誘導体、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体がある。場合によっては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸等も使用できる。更に、これらを2種以上組合せて用いてもよい。
また、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタリン塩等を本発明の効果を妨げない範囲で1種もしくは2種以上組み合わせて使用することもできる。
上記重合性ビニル系モノマー中、コストの面で安価なスチレンやメタクリル酸メチル等が好ましい。
また、重合体成分はエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等の2つ以上の官能基を持つモノマーで架橋されていてもよい。
本発明において、シリカ粒子の前駆体であるポリアルコキシシロキサンオリゴマーは、重合性ビニル系モノマーに不活性(共重合しないことを意味する)であり、以下に示すような構造式のものが使用できる。
式中、Rは同一でも異なっていてもよい。
上記構造式の内、例えば、ポリメトキシシロキサン、ポリエトキシシロキサン、ポリプロポキシシロキサン、ポリブトキシシロキサン等のオリゴマーが挙げられる。これらの中でも、難水溶性で、樹脂との相分離が良好であるポリメトキシシロキサンオリゴマー、ポリブトキシシロキサンオリゴマーが好ましい。特に好ましいものは、重量平均分子量が300〜3000、より好ましくは300〜2000のポリメトキシシロキサンオリゴマー、ポリブトキシシロキサンオリゴマーである。重量平均分子量が300未満及び3000を超える場合は、いずれも本発明のシリカ粒子を形成し難くなるので好ましくない。
なお、重量平均分子量は、GPCを用いて以下の条件で測定される。
カラム:「TSK GEL」(東ソー社製)
G−1000H、
G−2000H
G−4000H
流出液:テトラハイドロフラン
流出速度:1ml/分
流出温度:40℃
テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン等の上記分子式でn=1〜2であるような低分子量アルコキシシロキサンでは、官能基の加水分解によって、水溶性が強くなるため、モノマー滴中に安定に存在させることが難しく好ましくない。また、上記分子式でn=40以上となるようなポリアルコキシシロキサンオリゴマーは、重合性ビニル系モノマーとの相溶性や縮合性が低下するので好ましくない。
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの添加量は、重合性ビニル系モノマー100重量部に対して、10〜500重量部が好ましく、更に好ましくは20〜300重量部である。10重量部未満及び500重量部より多い場合、本発明のシリカ粒子を形成することが困難であるために好ましくない。
また、これらのポリアルコキシシロキサンオリゴマーに紫外線吸収等の機能付加の目的で、珪素系以外の加水分解性アルコキシ金属化合物を添加することもできる。
シラノール基形成性シラン化合物は、下記一般式に示される化合物が使用できる。
(R1O)mSiR2 4-m
(R1は水素原子あるいは置換又は非置換のアルキル基及びアシル基から選ばれる基、R2は置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれる基であり、mは1〜3の整数、mが2又は3の場合、R1は同一又は異なっていてもよく、mが1又は2の場合、R2は同一又は異なっていてもよい)
1及びR2中、アルキル基としては、低級アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが挙げられる。
1中、アシル基としては、炭素数1〜4の低級アシル基が好ましい。具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル等が挙げられる。
2中、シクロアルキル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
2中、アリール基としては、炭素数4〜10のアリール基が好ましい。具体的には、フェニル、ナフチル等の炭化水素化合物が挙げられる。
2中、アラルキル基としては、炭素数4〜10のアリール基で置換された炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的には、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルブチル等が挙げられる。
具体的なシラノール基形成性シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルシラントリオール、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルシランジオール、ジエチルシランジオール、ジメトキシメチルフェニルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、トリメチルシラノールが挙げられる。
シラノール基形成性シラン化合物の添加量は、重合性ビニル系モノマー100重量部に対して、0.5〜100重量部が好ましく、0.55〜80重量部がより好ましい。0.5重量部未満の場合、本発明のシリカ粒子を形成することが困難であるため好ましくない。また、100重量部よりも多い場合、置換基R1及び/又はR2の加水分解によって、シラン化合物の水溶性が強くなるため、シラン化合物を混合物中に安定に存在させることが困難となるため好ましくない。
重合性ビニル系モノマーの重合には、重合開始剤が使用される。重合開始剤としては、通常、水系懸濁重合に用いられる油溶性の過酸化物系重合開始剤又はアゾ系重合開始剤が挙げられる。具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、(2−カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤が挙げられる。
この中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等が、重合開始剤の分解速度が適切である点で好ましい。
重合開始剤は、重合性ビニル系モノマー100重量部に対して、0.01〜10重量部用いるのが好ましく、更に好ましくは0.1〜5.0重量部である。重合開始剤が0.01重量部未満では、重合開始の機能を果たし難く、また、10重量部を超えて用いる場合は、コスト的に不経済であるため好ましくない。
なお、シリカ成分を着色するために、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム等の酸化金属系顔料を使用してもよい。
上記重合性ビニル系モノマーと、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーと、重合開始剤と、その他の成分は、公知の方法により均一に混合されて混合物とされる。
次に、混合物を水系懸濁重合させるための水性媒体としては、水、又は水とアルコール(例えば、メタノール、エタノール)のような水溶性溶媒との混合媒体が挙げられる。水性媒体の使用量は、懸濁重合粒子の安定化を図るために、通常、重合性ビニル系モノマー及びポリアルコキシシロキサンオリゴマーの合計100重量部に対して、100〜1000重量部である。
また、水系での乳化粒子の発生を抑えるために、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤を用いてもよい。
懸濁安定剤としては、特に限定されず、公知の懸濁安定剤をいずれも使用できる。例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイダルシリカ等難水溶性無機化合物の分散安定剤等が挙げられる。この中でも第三リン酸カルシウムや複分解生成法によるピロリン酸マグネシウムやピロリン酸カルシウム、コロイダルシリカは重合体成分を安定して得ることが可能であるため好ましい。
また、上記懸濁安定剤と、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤とを併用することも可能である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
これら懸濁安定剤や界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよいが、得られる重合体成分の粒子径と重合時の分散安定性を考慮して、懸濁安定剤の選択や使用量を適宜調整して使用される。通常、懸濁安定剤の添加量は、重合性ビニル系モノマー100重量部に対して0.5〜15重量部であり、界面活性剤の添加量は、水性媒体100重量部に対して0.001〜0.1重量部である。
このようにして調整された水性媒体に混合物を添加して、水系懸濁重合を行う。
混合物の分散方法として、例えば、水性媒体中に混合物を直接添加し、プロペラ翼等の攪拌力によりモノマー滴として水性媒体に分散させる方法、ローターとステーターから構成される高せん断力を利用する分散機であるホモミキサー、もしくは超音波分散機等を用いて分散させる方法等が挙げられる。この内、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等のモノマー液滴同士の衝突や機壁への衝突力を利用した高圧型分散機やMPG(マイクロポーラスガラス)多孔膜を通して混合物を水性媒体中に圧入させる等の方法によって分散させれば、粒子径をより均一にそろえられて好ましい。
次いで、混合物が球状のモノマー滴として分散された水性懸濁液を、加熱することにより懸濁重合を開始させる。重合反応中は、水性懸濁液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は例えば、モノマー滴の浮上や重合後の粒子の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
懸濁重合において、重合温度は30〜100℃程度にするのが好ましく、更に好ましくは、40〜80℃程度である。そしてこの重合温度を保持する時間としては、0.1〜20時間程度が好ましい。
なお、重合性ビニル系モノマー及びポリアルコキシシロキサンオリゴマーの沸点が重合温度付近又は重合温度以上である場合には、重合性ビニル系モノマー及びポリアルコキシシロキサンオリゴマーが揮発しないように、オートクレーブ等の耐圧重合設備を使用して、密閉下あるいは加圧下で重合させるのが好ましい。
次に、ポリアルコキシシロキサンオリゴマー及びシラノール基形成性シラン化合物を縮合させることでシリカ複合重合体粒子を得ることができる。ポリアルコキシシロキサンオリゴマー及びシラノール基形成性シラン化合物の縮合方法としては、酸触媒や塩基触媒を用いた脱水縮合が挙げられる。酸触媒及び塩基触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硝酸アンモニウム、ピロリン酸ナトリウム等を用いることができる。なお、製造容器が鋼製やステンレス製である場合、腐食等の面から、塩基性の水酸化ナトリウムやアンモニア、ピロリン酸ナトリウム等が好ましい。触媒の添加量は、ポリアルコキシシロキサンオリゴマー100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましい。より好ましくは、1〜15重量部である。
縮合後、シリカ複合重合体粒子を吸引ろ過、遠心脱水、遠心分離、加圧脱水等の方法により含水ケーキとして分離し、更に、得られた含水ケーキを水洗し、乾燥して目的のシリカ複合重合体粒子を得ることができる。
このようにして得られたシリカ複合重合体粒子を焼成することで、重合体成分の表面及び内部に偏在したシリカ成分に由来する本発明のシリカ粒子を得ることができる。焼成方法としては特に限定されないが、アルゴン、キセノン、窒素等の不活性なガス雰囲気下において焼成する方法、又は酸素存在下、例えば、空気中で焼成する方法がある。経済的な面から考慮すると、空気中での焼成が好ましい。また、焼成温度は500℃以上であることが好ましい。焼成温度が500℃未満であると、焼成した重合体成分の炭素カス等の残留により、シリカ粒子が着色するため好ましくない。より好ましい焼成温度は、500〜1500℃である。
本発明のシリカ粒子は、大きさは特に限定されないが、上記製造方法によれば、通常1〜500μmの平均粒子径のシリカ粒子を得ることができる。平均粒子径の調整は、混合物と水との混合条件、懸濁安定剤や界面活性剤等の添加量、攪拌機の攪拌条件や分散条件等を調整することで可能である。
本発明は、25℃で168時間経過後のシリコーンオイルの残存率が60重量%以上(定義は実施例に記載)のシリカ粒子を提供することができる。この値は、本発明のシリカ粒子が徐放性に優れていることを示している。
本発明のシリカ粒子は、吸着材、化粧料や塗料の原料として使用することが好適である。
吸着材に使用する場合、最大直径3〜500μmのシリカ粒子を使用することが好ましい。なお、本明細書において吸着材とは、紙の表面処理に用いるインク浸透抑制材、石油や油剤を吸着するための吸着粒子や吸着マット、油脂成分を吸着清掃するための清掃用物品等、油脂や石油、溶剤、インク、水等のあらゆる液状の物品を吸着するために用いられるものであり、粒子単独又は、基材に吸収又は分散して用いてもよい。
ここで、シリカ粒子を単独で吸着材として用いるには、飛散を起こしにくく、取扱が容易な最大直径である100〜500μm程度が好ましく。特に好ましくは200〜500μm程度である。最大直径が500μmを超える場合、粒子内に一度吸収された油剤の保持力が弱く、脱離しやすいため好ましくない。
また、シリカ粒子を基材に支持させる場合は、3〜100μmの最大直径が好ましく、基材からの脱落を防ぐために3〜50μmがより好ましい。特に基材が紙である場合、3〜20μm程度の最大直径が紙の表面に粒子に起因する凹凸が現れず好ましい。
基材としては、特には限定されないが、サルファイトパルプ、クラフトパルプ、ソーダパルプ、セミケミカルパルプ、メカニカルパルプ等の公知の製紙用パルプから作成した紙、又は、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、コットン及びこれらを混綿したものの織布又は不織布等を用いてもよい。
シリカ粒子の基材への支持方法としては、基材が紙である場合、シリカ粒子をスラリー状態にして紙の原料と混合し、公知の湿式抄紙機により製紙することで支持させる方法が挙げられる。また、スラリー状態にせずにシリカ粒子を直接紙の原料と混合し、これを水に再分散させて製紙することもできる。
基材が繊維である場合は、例えば、水や溶剤等でスラリー状にしたシリカ粒子を繊維に浸透させ、そのままの状態、又は、乾燥し、繊維表面又は内部に添着して支持させることができる。
上記湿式抄紙機は、例えば、丸網式抄紙機、短網式抄紙機、長網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機等の商業規模の抄紙機を目的に応じて用いることができる。
また、サイズ剤、スライムコントロール剤、染料、着色顔料、蛍光染料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、濾水性向上剤、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド及び歩留まり向上剤等を必要に応じ原料に添加できる。
化粧料に使用する場合、最大直径としては3〜50μm程度が、使用感や、シート状にしたときの基材からの脱落を防止する観点から好ましい。50μmを超えると、使用感が悪化する場合がある。特に好ましくは、より感触が滑らかになる3〜20μm程度である。
具体的な化粧料としては、おしろい、ファンデーション等の固形状化粧料、ベビーパウダー、ボディーパウダー等のパウダー状化粧料、化粧水、乳液、クリーム、ボディーローション等の液状化粧料、身体の清拭用シートや油取り紙等のシート状化粧料等が挙げられる。
本発明の化粧料には、シリカ粒子に加えて、必要な他の成分を使用することができる。例えば、肌とのすべり性向上のため、有機微粒子や球状シリカ等と混合して用いることができる。また、光学的な機能の向上や触感の向上のため、マイカ、タルク等の無機化合物、酸化鉄、酸化チタン、群青、紺青、カーボンブラック等の着色用顔料、又はアゾ系等の合成染料等を添加することができる。
液状化粧料の場合、液状の媒体として、特には限定されないが、水、アルコール、炭化水素、シリコーンオイル、植物性又は動物性油脂等を用いることもできる。
シート状化粧料の場合、基材としては、天然繊維又は合成繊維の織布又は不織布のいずれも用いることができる。具体的には、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、コットン及びこれらを混綿したものの織布又は不織布、更に乾式及び湿式パルプシート、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等)で強化したパルプシート等が挙げられる。熱可塑性樹脂で強化したパルプシートについてはエンボス加工等を行うことができ、また、数枚のシートを重ねて使用することで拭きごたえのあるシートにすることができる。
また、これら化粧料には、上記他の成分以外に、保湿剤、抗炎症剤、美白剤、UVケア剤、殺菌剤、制汗剤、清涼剤、香料等を添加することにより、各種機能を追加することもできる。
本発明の化粧料は、高い吸油量を有するシリカ粒子を使用することで、余分な皮脂を吸収除去し、化粧崩れを抑制することができるものである。特に400ml/100gを超える吸油量を有することで、高い皮脂吸着能力を発揮でき、化粧料配合時に皮脂コントロール性に幅を持たせることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の各性質の評価方法を下記する。
(平均粒子径の測定)
平均粒子径はマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定した値である。値はCoulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、50μmアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けの、ISOTON II(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザーII本体にアパチャーサイズを50μm、Currentを800、Gainを4、Polarityを+と入力(アパチャーサイズ等は必要に応じて変更して入力可能である)してmanualで測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した点で測定を終了する。平均粒子径は、この測定値の平均値である。
(比表面積の測定)
比表面積は、気体吸着による粒子(固体)の比表面積測定方法であるJIS Z 8830:2001のBET多点定容量法に基づき、自動比表面積/細孔分布測定装置(島津製作所社製トライスター3000/バキュプレップ061LBを)により、窒素ガスを用いて測定する。
(吸油量の測定)
JIS K 5101の方法で吸油量の測定を行う。詳細は以下の通りである。
・装置及び器具
測定板 300×400×5mmより大きい平滑なガラス板。
ヘラ 鋼製又はステンレス製の刃を持った柄つきのもの。
計量器 10mgオーダーまで計れるもの。
ビュレット JIS R 3505に規定するもので、10mlまでのもの。
・材料
アマニ油(JIS K 5421に規定するもの;今回は特級アマニ油(和光純薬)を用いた。)
・測定方法
(1)以下の操作を行う前に、予備試験により予め吸油量の概略値を確認しておく。(2)粒子1gを測定板上の中央部に取り、アマニ油をビュレットから一回に4,5滴ずつ、徐々に粒子の中央に滴下し、その都度全体をヘラで充分練り合わせる。(3)滴下及び練り合わせを繰り返し、全体が固いパテ状の塊になったら1滴ごとに練り合わせて、最後の1滴で、ヘラを用いてらせん状に巻くことのできる状態になったときを終点とする。ただし、らせん状に巻くことができない場合は、アマニ油の1滴で急激に軟らかくなる直前を終点とする。(4)終点までの操作時間が7〜15分間になるように(1)及び(2)の操作を調節する。(5)終点に達したときの、ビュレットのアマニ油の滴下量をよみ取る。
・計算方法
吸油量は次の式により算出する。
O=(V/m)×100
O : 吸油量(ml/100g)
m : 粒子の質量(g)
V : 滴下したアマニ油の容量(ml)
(シリコーンオイルの残存率測定−徐放性試験)
粒子0.5g、薬剤としてシリコーンオイル(信越化学工業社製;環状ジメチルポリシロキサンKF995、沸点210℃)を2g秤量し、ミキサーで均一に練り合わせることで、粒子をシリコーンオイルで被覆する。この被覆粒子を蓋なしの広口ビンに入れ、25℃又は50℃の環境下に放置し、経時的に重量を測定して、シリコーンオイルの残存量を調べる。当初の被覆させたシリコーンオイルの重量に対する所定時間経過後のシリコーンオイルの残存量を残存率(重量%)とする。
実施例1
水1750gに対し、懸濁安定剤としてスノーテックスO−40(日産化学社製)250gを混合させた分散媒を、攪拌装置を有する重合容器に入れた。
別途、単官能性の重合性ビニル系モノマーとしてメタクリル酸メチル700g、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーとしてMKCシリケートMS57(三菱化学社製:平均分子量1300〜1500、Rがメチル、nの平均が15〜18)285g、シラノール基形成性シラン化合物としてイソブチルトリメトキシシラン(東レダウコーニング社製AY43−048:R1がメチル、R2がイソブチル、mが3)を15g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを均一に溶解してなる混合物を調製した。
この混合物を上記分散媒に加えて、ホモミキサーにて7,000rpmで約10分攪拌して、混合物を微分散した。
その後、攪拌速度300rpmで攪拌を継続させ、混合物を加えた分散媒の温度が60℃になってから4時間懸濁重合を行うことで重合性ビニル系モノマーを重合させて重合体成分とし、更にピロリン酸ナトリウムを60g添加して、ポリアルコキシシロキサンオリゴマー及びシラノール基形成性シラン化合物の縮合を行った。
次いで、攪拌しながら重合容器内の反応液を室温まで冷却し、シリカ複合重合体粒子を得た。得られた粒子を脱水、乾燥させることで目的の粒子を取り出した。得られたシリカ複合重合体粒子の平均粒子径は7.2μmである。
次に、上記シリカ複合重合体粒子を、500℃の電気炉で焼成して重合体成分を除去し、シリカ粒子を得た(平均粒子径4.9μm)。得られたシリカ粒子の形状を電子顕微鏡で観察を行った。シリカ粒子は、図1に示すように多数のヒダを有する形状をしていた。比表面積、吸油量及びシリコーンオイルの残存率の測定結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、メタクリル酸メチル900g、MKCシリケートMS57を95g、イソブチルトリメトキシシラン5gを用いたこと以外は実施例1と同様にしてシリカ複合重合体粒子を得た。得られた複合重合体粒子の平均粒子径は7.5μmであった。実施例1と同様に焼成したところ、得られたシリカ粒子(平均粒子径4.1μm)は、図2に示すように多数のヒダを有する形状をしていた。比表面積、吸油量及びシリコーンオイルの残存率の測定結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、懸濁安定剤として第3リン酸カルシウム(太平化学産業社製)、メタクリル酸メチル200g、MKCシリケートMS51(三菱化学社製:平均分子量500〜700、Rがメチル、nの平均が5〜10)700g、ジメチルジメトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン社製AY43−004:R1とR2がメチル、mが2)100gを用いたこと以外は実施例1と同様にしてシリカ複合重合体粒子を得た。得られた複合重合体粒子の平均粒子径は8.2μmであった。実施例1と同様に焼成したところ、得られたシリカ粒子(平均粒子径7.3μm)は、多数のヒダを有する形状をしていた。比表面積、吸油量及びシリコーンオイルの残存率の測定結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、メタクリル酸メチル200g、MKCシリケートMS58B15(三菱化学社製:平均分子量1600〜1800、Rがブチル、nの平均が11〜13)700g、メチルトリメトキシシラン(東芝GEシリコーン社製TSL8113:R1とR2がメチル、mが3)100gを用いたこと以外は実施例1と同様にしてシリカ複合重合体粒子を得た。得られた複合重合体粒子の平均粒子径は10.2μmであった。実施例1と同様に焼成したところ、得られたシリカ粒子(平均粒子径9.5μm)は、図3に示すように多数のヒダを有する形状をしていた。比表面積、吸油量及びシリコーンオイルの残存率の測定結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、重合性ビニル系モノマーとしてスチレン、シラノール基形成性シラン化合物としてフェニルトリメトキシシラン(東芝GEシリコーン社製TSL8173;R1がメチル、R2がフェニル、mが3)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシリカ複合重合体粒子を得た。得られた複合重合体粒子の平均粒子径は7.9μmであった。実施例1と同様に焼成したところ、シリカ粒子(平均粒子径6.5μm)は、多数のヒダを有する形状をしていた。比表面積、吸油量及びシリコーンオイルの残存率の測定結果を表1に示す。
比較例1
ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの代わりに重合性ビニル系モノマーと重合性を有するγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン社製SZ6030)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で複合重合体粒子を得た(平均粒子径7.4μm)。得られた複合重合体粒子を焼成すると、ヒダのない多孔性粒子が得られた(平均粒子径7.0μm)。この結果から、重合性ビニル系モノマー由来の樹脂が粒子状で複合重合体粒子中に均一に分散していたと考えられる。比表面積、吸油量及びシリコーンオイルの残存率の測定結果を表1に示す。
比較例2
重合性ビニル系モノマーとしてスチレン、イソブチルトリメトキシシランの代わりに重合性ビニル系モノマーと重合性を有するビニルトリメトキシシラン(東レダウコーニングシリコーン社製SZ6300;R1がメチル、R2がビニル、mが3)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で複合重合体粒子を得た(平均粒子径7.5μm)。得られた複合重合体粒子を焼成すると、ヒダのない多孔性粒子が得られた(平均粒子径7.1μm)。この結果から、重合性ビニル系モノマー由来の樹脂が粒子状で複合重合体粒子中に均一に分散していたと考えられる。比表面積、吸油量及びシリコーンオイルの残存率の測定結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、メタクリル酸メチル950g、MKCシリケートMS57を50g用いたこと以外は実施例1と同様にして複合重合体粒子を得た。得られた複合重合体粒子の平均粒子直径は7.8μmであった。得られた複合重合体粒子を焼成すると、表面にヒダのないシリカ粒子が得られた(平均粒子径3.1μm)。比表面積、吸油量及びシリコーンオイルの残存率の測定結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、メタクリル酸メチル50g、MKCシリケートMS57を950g用いたこと以外は実施例1と同様にして懸濁重合を行った。しかし、メチルトリメトキシシランの加水分解により混合物の水溶性が強くなり、混合物の微分散状態を安定に保持できなくなり、粒子を得ることができなかった。
比較例5
実施例1において、メタクリル酸メチル50g、メチルトリメトキシシラン200gを用いたこと以外は実施例1と同様にして懸濁重合を行った。しかし、メチルトリメトキシシランの加水分解により混合物の水溶性が強くなり、混合物の微分散状態を安定に保持できなくなり、粒子を得ることができなかった。
比較例6
水2000gに対し、懸濁安定剤として複分解法によるピロリン酸マグネシウム50gを混合させた分散媒を、攪拌装置を有する重合容器に入れ、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.4g、重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.2gを前記分散媒に溶解させた。
別途、単官能性の重合性ビニル系モノマーとしてメタクリル酸メチル700g、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーとしてMKCシリケートMS57を300g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを均一に溶解してなる混合物を調製した。
この混合物を上記分散媒に加えて、ホモミキサーにて7,000rpmで約10分攪拌して、混合物を微分散した。
その後、攪拌速度300rpmで攪拌を継続させ、混合物を加えた分散媒の温度が60℃になってから4時間懸濁重合を行うことで重合性ビニル系モノマーを重合させて重合性粒子とし、更に水酸化ナトリウムを20g添加して、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーの縮合を行った。
次いで、攪拌しながら重合容器内の反応液を室温まで冷却し、スラリーのpHが2程度になるまで塩酸を添加して懸濁安定剤を分解しシリカ複合重合体粒子を得た。得られた粒子を脱水、乾燥させることで目的の粒子を取り出した。得られたシリカ複合重合体粒子の平均粒子直径は12.5μmである。
次に上記シリカ複合重合体粒子を実施例1と同様に焼成し、シリカ粒子(平均粒子径12.3μm)を得た。得られた粒子を電子顕微鏡で観察した。シリカ粒子は一部開口した半球のおわん形状をしていた。比表面積、吸油量及びシリコーンオイルの残存率の測定結果を表1に示す。
表1から、実施例1〜5のシリカ粒子のほうが、従来の多孔質粒子あるいは開口したおわん型のシリカ粒子より徐放性が向上していることがわかった。
実施例1のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例2のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例4のシリカ粒子の電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

  1. 50〜300m2/gの比表面積を有し、かつ表面に多数のヒダを有するシリカ粒子。
  2. 前記シリカ粒子は、シリコーンオイルを被覆させた際に、25℃で168時間経過後のシリコーンオイル残存率が、60重量%以上である特性を有する請求項1に記載のシリカ複合重合体粒子
  3. 重合性ビニル系モノマー100重量部と、該重合性ビニル系モノマーに対し不活性なポリアルコキシシロキサンオリゴマー10〜500重量部と、下記一般式
    (R1O)mSiR2 4-m
    (R1は水素原子あるいは置換又は非置換のアルキル基及びアシル基から選ばれる基、R2は置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれる基であり、mは1〜3の整数、mが2又は3の場合、R1は同一又は異なっていてもよく、mが1又は2の場合、R2は同一又は異なっていてもよい)
    で表されるシラノール基形成性シラン化合物0.5〜100重量部と、重合開始剤0.01〜10重量部とを含む混合物を、懸濁安定剤の存在下で水系に懸濁し、続いて前記混合物中の前記重合性ビニル系モノマーを重合させることで重合体成分を得る工程と、
    前記ポリアルコキシシロキサンオリゴマー及びシラノール基形成性シラン化合物を酸又は塩基触媒を加えて縮合させてシリカ成分を得る工程と
    更に、焼成することで前記重合体成分を除去する工程とを経ることを特徴とするシリカ粒子の製造方法。
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