JP2007091488A - アルミナ焼結体 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来のアルミナチタニア系導電性セラミクスは、表層部と内部において色調が異なり、抵抗値のバラツキも大きいという問題があった。本発明の課題は、研削加工をおこなっても、抵抗値のバラツキが小さく、外観的に一様な色調を呈するアルミナ焼結体を提供することにある。
【解決手段】
発明によれば、Al2O3を主成分とし、TiO2を2.5〜7.5重量%、Y2O3により部分安定化されたZrO2を1.0〜2.5重量%含み、かつ還元性雰囲気で焼成することにより、表面抵抗値が1M〜1GΩ/□を有するセラミックス焼結体を得ることが可能となり、内部まで一様に、還元されたアルミナセラミックス特有の黒っぽい色を呈しており、これにより後加工に好適なセラミック素材を得ることが可能となる。
従来のアルミナチタニア系導電性セラミクスは、表層部と内部において色調が異なり、抵抗値のバラツキも大きいという問題があった。本発明の課題は、研削加工をおこなっても、抵抗値のバラツキが小さく、外観的に一様な色調を呈するアルミナ焼結体を提供することにある。
【解決手段】
発明によれば、Al2O3を主成分とし、TiO2を2.5〜7.5重量%、Y2O3により部分安定化されたZrO2を1.0〜2.5重量%含み、かつ還元性雰囲気で焼成することにより、表面抵抗値が1M〜1GΩ/□を有するセラミックス焼結体を得ることが可能となり、内部まで一様に、還元されたアルミナセラミックス特有の黒っぽい色を呈しており、これにより後加工に好適なセラミック素材を得ることが可能となる。
Description
本発明は、半導体製造装置、磁気ヘッド、電子部品等の製造工程で使用する治具や画像形成装置に用いられる分離爪などの静電気除去作用を必要とする目的で使用される導電性アルミナ焼結体に係り、特に焼結体表面から内部に至るまで抵抗値のバラツキが極めて小さく、後加工により製造される商品に好適なアルミナ焼結体素材に関する発明である。
導電性セラミックスは、例えば、Al2O3やZrO2といった絶縁性酸化物にTi、Cr、Fe、Niといった金属の酸化物を添加することにより、導電性を付与していたが、半導体製造において、悪影響を及ぼさないことから、TiO2を導電性付与材として添加することがなされている。TiO2は還元雰囲気焼成することで導電性を付与することができるが、従来の還元性雰囲気で焼成された、Al2O3−TiO2系導電性セラミックスは外表部と内部で抵抗値が異なり、図2((a)図は、焼成体の断面写真、(b)図はその模式図を示す)に示すように色調も表層部1が黒色で内部2がやや白っぽい灰色を呈していた。
このような場合、製造上、焼成体を後加工で規定の寸法に入れる場合、表層部が研削されるにつれ容易に抵抗値がばらつく問題や、表層部が研削されるにつれ、内部の白っぽい部分が露出するという外観上の問題があった。
このような場合、製造上、焼成体を後加工で規定の寸法に入れる場合、表層部が研削されるにつれ容易に抵抗値がばらつく問題や、表層部が研削されるにつれ、内部の白っぽい部分が露出するという外観上の問題があった。
また、このような欠点を補うため、予め大気焼成を施した焼成物を研削加工し、規定の商品寸法に入れた後に、還元雰囲気で後処理を行い、抵抗値のバラツキを低減させ、外観的にも一様の色調に安定させる提案もある(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、この場合規定の寸法に入れた後に、再度後焼成を行うわけで、収縮にともない寸法に狂いが生じたり、とりわけ高精度を要求される精密部品には適用しづらく、また焼成を2度おこなわなければいけないという経済的な問題があった。
しかし、この場合規定の寸法に入れた後に、再度後焼成を行うわけで、収縮にともない寸法に狂いが生じたり、とりわけ高精度を要求される精密部品には適用しづらく、また焼成を2度おこなわなければいけないという経済的な問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、製造上、後加工をおこなうことを前提とし、研削加工をおこなっても、抵抗値のバラツキが小さく、また研削加工をおこなっても、外観的に一様な色調を呈するアルミナ焼結体を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、Al2O3を主成分とし、TiO2を2.5〜7.5重量%、Y2O3により部分安定化されたZrO2を1.0〜2.5重量%含み、かつ表面抵抗値が1M〜1GΩ/□を有するセラミックス焼結体としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、表面抵抗値が1M〜1GΩ/□とすることで、静電気を効果的に除去でき、因みに、表面抵抗値を1GΩ/□以下としたのは、1GΩ/□より大きいと絶縁性が高いために静電気の除去効果が十分得られないためであり、逆に表面抵抗値が1MΩ/□以上としたのは、1Mより低いと帯電した静電気が序々に放電されずに一気に逃げる為、大気摩擦による放電作用を防ぐことが出来ないからである。
また、この場合、焼成体は、内部まで一様に、還元されたアルミナセラミックス特有の黒っぽい色を呈していることが望ましく、これにより後加工に好適なセラミック素材を得ることが可能となる。
また、この場合、焼成体は、内部まで一様に、還元されたアルミナセラミックス特有の黒っぽい色を呈していることが望ましく、これにより後加工に好適なセラミック素材を得ることが可能となる。
また、Al2O3−TiO2系導電性セラミックスは、還元雰囲気で焼成されることにより4価のTiが3価となり導電性を有するようになり、その際色調も白色から黒味を帯びた色に変化する。予め部分安定化され酸素欠陥を有したZrO2が、内部にいたるまで分散しているため、還元雰囲気で焼成する場合に、効率良く内部までTiの価数を4価から3価へ変化させることができ、外観上も、一様に黒っぽい焼成体を得ることができる。
また、本発明の好ましい形態としは、焼結体の表面から1mm以内の表面抵抗値であることを特徴とするものである。
本発明によれば、プレス加工で成形された焼成体は、加工コストが嵩むことから、最終形体に近い寸法とすることが望ましいが、一般的には、数十μmから1mm程度の研削加工がなされることから、少なくとも焼成体の表面から1mm以内の表面抵抗値が上記範囲であれば、効果的な静電気除去が行える。
本発明によれば、プレス加工で成形された焼成体は、加工コストが嵩むことから、最終形体に近い寸法とすることが望ましいが、一般的には、数十μmから1mm程度の研削加工がなされることから、少なくとも焼成体の表面から1mm以内の表面抵抗値が上記範囲であれば、効果的な静電気除去が行える。
本発明によれば、内部まで抵抗値のバラツキが小さく、一様な呈色を示すアルミナ焼結体が得られるという効果がある。
以下、本発明のアルミナ焼結体及びその製造方法について具体的に説明する。
本発明のアルミナ焼結体は、Al2O3を主成分とし、TiO2が2.5〜7.5重量%、及びY2O3により部分安定化されたZrO2が1.0〜2.5重量%含有されるのが望ましい。
すなわち、Al2O3に添加されるTiO2が2.5重量%未満の場合、所定の導電性が得られない。一方7.5重量%より多い場合、焼結性が不十分となり、十分な機械的特性が得られないからである。
さらに、Al2O3に添加されるY2O3により部分安定化されたZrO2が1.0重量%未満の場合、内部まで一様に黒色を呈した焼結体が得られない。一方2.5重量%より多い場合は、焼結性が不十分となり所定の導電性が得られないからである。
表面抵抗としてはJIS−K6911に準拠して測定したものであり、本発明の組成では深さ方向に対し、どの表面をとっても1M〜1GΩ/□に入れることができる。特に、焼結後の加工を考慮すると1mm以内の表面抵抗値を前記範囲内に収めれば十分である。
図1には、(a)図に本発明で得られたアルミナ焼結体の断面の写真を示した。(b)図は、(a)図を模式的に示したものである。表層部1及び内部とも一様に黒味を帯びた色を呈している。本来Al2O3−TiO2系導電性セラミックスは、還元雰囲気で焼成されることにより4価のTiが3価となり導電性を有するようになる。またその際色調も白色から黒味を帯びた色に変化する。
しかしながら、図2に示すように、還元雰囲気中のTiの4価から3価への変態はセラミックス塊の表層部でしか発現せず、内部は依然とAl2O3とTiO2の単体もしくは化合物が存在し、内部は、表層部ほど抵抗が下がっていない部分が存在する。
一方、本発明が提案する組成では、予め部分安定化され酸素欠陥を有したZrO2を添加するために、内部にいたるまで酸素欠陥を有したZrO2が分散しているわけで、還元雰囲気で焼成する場合に、効率良く内部までTiの価数を4価から3価へ変化させることができ、外観上も添付写真1に示すように、一様に黒っぽい焼成体を得ることができる。
なお本発明で使用されるAl2O3粉末の純度は96%以上で平均粒子径が0.1〜2μmのAl2O3を使用し、TiO2粉末の純度は96%以上で平均粒子径が0.1〜0.5μmのTiO2粉末を使用し、部分安定化されたZrO2粉末の純度は、ZrO2が92〜96%、Y2O3が4%〜6%で平均粒子径が0.01〜0.5μmの部分安定化ZrO2粉末を使用する。
上記のような導電性付与剤としてのTiO2、ZrO2の微粒粉末を選定しアルコール等の無極性有機溶剤を加えてボールミルで粉砕、混合することにより、効果的にAl2O3粉末中に導電性付与剤を均質に分散でき、その結果、内部まで一様に黒っぽい焼成体を得ることが可能となる。
なお本発明で実施した焼成は、水素−窒素混合ガスによる還元雰囲気中、もしくはアルゴンガスによる中性雰囲気で実施しており、1350〜1600℃が良く、さらにのぞましくは、1450〜1550℃が良く、大型複雑形状に対しては、脱バインダー性に優れた大気中で800〜1300℃の範囲で仮焼を実施しても構わない。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
原料粉末として、Al2O3、TiO2、Y2O3により部分安定化されたZrO2を用いて、表1に示す組成比に調合し、これらの混合粉末にアルコール等の有機溶剤を加えてボールミルで湿式混合、粉砕をおこなった後、スプレードライヤーによって造粒粉を作製した。なお No.5は本発明で提案する組成外の比較例である。
次に得られた造粒粉をメカプレスにて1トン/cm2の圧力にて成型体を作製し、窒素、水素からなる還元雰囲気中で1350℃にて焼成をおこない評価ピースを完成させた。
評価ピースは、表面からそれぞれ0、300、1000μmの研削加工をし、その都度、外観状態の観察、深さ方向の抵抗値のバラツキを測定し、結果を表1に示す。
表1によれば、研削加工をおこなっても、表面は一様に黒色を呈した焼結体が得られ、抵抗値のバラツキも小さい焼結体が得られている。(図1参照)。一方比較例では研削加工をおこなうことにより内部の白っぽい素地が露出し図2に示すように外周は黒っぽく内部が白っぽい2層構造が見られる。また表面抵抗も内部に進むにつれ増加している。
1…表層部
2…内部
2…内部
Claims (2)
- Al2O3を主成分とし、TiO2を2.5〜7.5重量%、Y2O3により部分安定化されたZrO2を1.0〜2.5重量%含み、表面抵抗値が1M〜1GΩ/□を有するアルミナ焼結体。
- 前記焼結体の表面から1mm以内の表面抵抗値であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス焼結体。
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JP2005278980A JP2007091488A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | アルミナ焼結体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010177415A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Kyocera Corp | 保持用治具およびこれを備えた吸着装置 |
JP2020094257A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | 京セラ株式会社 | 電解研磨用導電性部材および摺動リング |
TWI778688B (zh) * | 2020-06-30 | 2022-09-21 | 日商京瓷股份有限公司 | 陶瓷構造體及靜電偏向器 |
US12027405B2 (en) | 2018-10-02 | 2024-07-02 | Kyocera Corporation | Semiconductive ceramic member |
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JP2020094257A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | 京セラ株式会社 | 電解研磨用導電性部材および摺動リング |
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