JP2007090852A - 出没式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペン先からインキが漏出してもそのインキが先端開口より外部に漏出するおそれがなく、衣服や手が漏出インキで汚れるおそれがない出没式筆記具を提供する。
【解決手段】軸筒2内に筆記体を前後方向に移動可能に収容し、筆記体3のペン先31を軸筒2の先端開口21より出没可能に構成する。軸筒2の内部に、開閉自在の開閉口41を備える開閉部材4を設ける。開閉部材4の先端を軸筒2の先端よりも後方に配置する。開閉部材4が径方向に開閉自在な複数の可動片44を備える。可動片44相互間に開閉自在の開閉口41を形成する。ペン先31が先端開口21から突出状態のとき、開閉口41が開口し且つ開閉口41にペン先31が挿通される。一方、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、開閉口41が略閉鎖し且つ開閉口41が毛細間隙42を形成してなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、出没式筆記具に関する。詳細には、軸筒内部に筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体のペン先を軸筒の先端開口より出没可能に構成した出没式筆記具に関する。
従来、この種の出没式筆記具において、軸筒の先端開口に切り込みを有する弾性シール部材を配置し、前記切り込みを通してペン先を出没可能に構成したペン先密封構造が知られている。(例えば、特許文献1)
実公昭44−1712号公報
前記従来の出没式筆記具(特許文献1)は、ペン先を完全に密封し、ペン先の乾燥を防止するものであるため、万が一、ペン先からインキが漏出した場合、その漏出インキが滴下して弾性シール部材の内面に溜まり、ペン先を突出させた際に切り込みを開口させると、前記漏出インキが先端開口から外部に漏れ出すおそれがある。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、ペン先からインキが漏出してもそのインキが先端開口より外部に漏出するおそれがなく、衣服や手が漏出インキで汚れるおそれがない出没式筆記具を提供しようとするものである。尚、本発明において、「前」とはペン先側を指し、一方、「後」とはその反対側を指す。
[1]本発明は、軸筒2内に筆記体3を前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体3のペン先31を軸筒2の先端開口21より出没可能に構成した出没式筆記具であって、軸筒2の内部に、開閉自在の開閉口41を備える開閉部材4を設け、前記開閉部材4の先端を軸筒2の先端よりも後方に配置し、ペン先31が先端開口21から突出状態のとき、前記開閉口41が開口し且つ前記開閉口41にペン先31が挿通され、一方、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、前記開閉口41が略閉鎖し且つ前記開閉口41が毛細間隙42を形成してなること(請求項1)を要件とする。
前記出没式筆記具1(請求項1)によれば、ペン先31が軸筒2内に没入状態にあるとき、ペン先31からインキが漏出し滴下したとしても、前記漏出インキが前記開閉口41の毛細間隙42に一時的に保持される。そのため、先端開口21からインキが外部に漏出するおそれがない。さらに、前記出没式筆記具1(請求項1)によれば、前記毛細間隙42は先端開口21を通して外気と連通されているため、前記保持した漏出インキを迅速に乾燥させることができ、その後、開閉口41を大きく開口させ、ペン先31を先端開口21から突出させても、インキが外部に漏出するおそれがない。
また、前記出没式筆記具1(請求項1)によれば、開閉部材4を軸筒2の内部に設け、前記開閉部材4の先端を軸筒2の先端よりも後方に配置したことにより、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、開閉部材4の先端は、軸筒2内に位置し、外部に突出していない。そのため、開閉部材4の先端が衣服や手に接触することを回避し、衣服や手が漏出インキで汚れるおそれがない。
尚、前記毛細間隙42とは、毛細管力を有する間隙をいう。前記毛細間隙42の間隙寸法は、具体的には、0.01mm〜0.2mm(さらに好ましくは0.01mm〜0.10mm)の範囲が好ましい。また、前記毛細間隙42は、一定の間隙寸法を備えなくてもよく、また、複数に分割された構成でもよい。尚、前記略閉鎖状態にある開閉口41(即ち毛細間隙42)は、例えば、スリット(切り込み)または微細孔が挙げられる。尚、前記出没式筆記具1(請求項1)において、前記開閉部材4は、硬質合成樹脂、金属、弾性体(ゴム、エラストマー、軟質合成樹脂)等のいずれによって構成してもよいが、安定した毛細間隙42が得られる点で、硬質合成樹脂または金属が好ましい。前記硬質合成樹脂としては、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネイト樹脂、またはABS樹脂等が挙げられる。
[2]前記出没式筆記具1(請求項1)において、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、略閉鎖した開閉部材4の先端部に、前記毛細間隙42を有する凹状壁部45を形成してなること(請求項2)が好ましい。
前記出没式筆記具1(請求項2)によれば、ペン先31が軸筒2内に没入状態にあるとき、ペン先31からインキが漏出し滴下したとしても、凹状壁部45内面が、ペン先31から漏出し滴下したインキを確実に受け止めるとともに、開閉口41の毛細間隙42だけでは保持しきれない余剰の漏出インキを一時的に保持する。それにより、ペン先31からインキが漏出し滴下したとしても、先端開口21からインキが外部に漏出することを、より一層、回避することができる。
[3]前記出没式筆記具1(請求項2)において、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、前記凹状壁部45後方の開閉部材4側壁に、凹状壁部45内と外気とを連通させる窓孔47を形成してなること(請求項3)が好ましい。
前記出没式筆記具1(請求項3)によれば、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、凹状壁部45内が窓孔47を通して外気と連通しているため、毛細間隙42及び凹状壁部45に保持されたインキを、より一層、迅速に乾燥させることができる。
[4]また、本発明は、軸筒2内に筆記体3を前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体3のペン先31を軸筒2の先端開口21より出没可能に構成した出没式筆記具であって、軸筒2の内部に、開閉自在の開閉口41を備える開閉部材4を設け、前記開閉部材4の先端を軸筒2の先端よりも後方に配置し、前記開閉部材4が径方向に開閉自在な複数の可動片43を備え、前記可動片43の相互間に開閉自在の開閉口41を形成し、ペン先31が先端開口21から突出状態のとき、前記開閉口41が開口し且つ前記開閉口41にペン先31が挿通され、一方、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、前記開閉口41が略閉鎖し且つ前記開閉口41が毛細間隙42を形成してなること(請求項4)を要件とする。
前記出没式筆記具1(請求項4)によれば、ペン先31が軸筒2内に没入状態にあるとき、ペン先31からインキが漏出し滴下したとしても、前記漏出インキが前記開閉口41の毛細間隙42に一時的に保持される。そのため、先端開口21からインキが外部に漏出するおそれがない。さらに、前記出没式筆記具1(請求項4)によれば、前記毛細間隙42は先端開口21を通して外気と連通されているため、前記保持した漏出インキを迅速に乾燥させることができ、その後、開閉口41を大きく開口させ、ペン先31を先端開口21から突出させても、インキが外部に漏出するおそれがない。
また、前記出没式筆記具1(請求項4)によれば、開閉部材4を軸筒2の内部に設け、前記開閉部材4の先端を軸筒2の先端よりも後方に配置したことにより、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、開閉部材4の先端は軸筒2内に位置し、外部に突出していない。そのため、開閉部材4の先端が衣服や手に接触することを回避し、衣服や手に漏出インキが付着して汚れるおそれがない。
尚、前記毛細間隙42とは、毛細管力を有する間隙をいう。前記毛細間隙42の間隙寸法は、具体的には、0.01mm〜0.5mm(好ましくは0.01mm〜0.20mm、さらに好ましくは0.01mm〜0.10mm)の範囲が有効である。また、前記毛細間隙42は、一定の間隙寸法を備えなくてもよく、また、複数に分割された構成でもよい。前記略閉鎖状態にある開閉口41(即ち毛細間隙42)は、可動片43の相互間に、スリット状(切り込み状)に形成される。尚、前記出没式筆記具1(請求項4)において、前記開閉部材4は、硬質合成樹脂、金属、弾性体(ゴム、エラストマー、軟質合成樹脂)等のいずれによって構成してもよいが、安定した毛細間隙42が得られる点で、硬質合成樹脂または金属が好ましい。前記硬質合成樹脂としては、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネイト樹脂、またはABS樹脂等が挙げられる。
[5]前記出没式筆記具1(請求項4)において、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、略閉鎖した可動片43の先端部に、前記毛細間隙42を有する凹状壁部45を形成してなること(請求項5)が好ましい。
前記出没式筆記具1(請求項5)によれば、ペン先31が軸筒2内に没入状態にあるとき、ペン先31からインキが漏出し滴下したとしても、凹状壁部45内面が、ペン先31から漏出し滴下したインキを確実に受け止めるとともに、開閉口41の毛細間隙42だけでは保持しきれない余剰の漏出インキを一時的に保持する。それにより、ペン先31からインキが漏出し滴下したとしても、先端開口21からインキが外部に漏出することを、より一層、回避することができる。
[6]前記出没式筆記具1(請求項5)において、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、前記凹状壁部45後方の可動片43相互間に、凹状壁部45内と外気とを連通させる窓孔47を形成してなること(請求項6)が好ましい。
前記出没式筆記具1(請求項6)によれば、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、凹状壁部45内が窓孔47を通して外気と連通しているため、毛細間隙42及び凹状壁部45に保持されたインキを、より一層、迅速に乾燥させることができる。
[7]また、本発明は、軸筒2内に筆記具3を前後方向に移動可能に収容し、前記筆記具3のペン先31を軸筒2の先端開口21より出没可能に構成した出没式筆記具であって、軸筒2の内部に、開閉自在の開閉口41を備える開閉部材4を設け、前記開閉部材4の先端を軸筒2の先端よりも後方に配置し、前記開閉部材4を弾性体により構成し、ペン先31が先端開口21から突出状態のとき、前記開閉口41が開口し且つ前記開閉口41にペン先31が挿通され、一方、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、前記開閉口41が略閉鎖し且つ前記開閉口41がスリットまたは微細孔からなる毛細間隙42を形成してなること(請求項7)を要件とする。
前記出没式筆記具1(請求項7)によれば、ペン先31が軸筒2内に没入状態にあるとき、ペン先31からインキが漏出し滴下したとしても、前記漏出インキが前記開閉口41の毛細間隙42に一時的に保持される。そのため、先端開口21からインキが外部に漏出するおそれがない。さらに、前記出没式筆記具1(請求項7)によれば、前記毛細間隙42は先端開口21を通して外気と連通されているため、前記保持した漏出インキを迅速に乾燥させることができ、その後、開閉口41を大きく開口させ、ペン先31を先端開口21から突出させても、インキが外部に漏出するおそれがない。
また、前記出没式筆記具1(請求項7)によれば、開閉部材4を軸筒2の内部に設け、前記開閉部材4の先端を軸筒2の先端よりも後方に配置したことにより、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、開閉部材4の先端は軸筒2内に位置し、外部に突出していない。そのため、開閉部材4の先端が衣服や手に接触することを回避し、衣服や手に漏出インキが付着して汚れるおそれがない。また、前記出没式筆記具1(請求項7)によれば、開閉部材4を弾性体により構成することによって、開閉部材4の自己復元力により、容易に、開閉口41を略閉鎖状態にすることができる。
尚、前記毛細間隙42とは、毛細管力を有する間隙をいう。前記毛細間隙42の間隙寸法は、具体的には、0.01mm〜0.5mm(好ましくは0.01mm〜0.20mm、さらに好ましくは0.01mm〜0.10mm)の範囲が有効である。また、前記毛細間隙42は、一定の間隙寸法を備えなくてもよく、また、複数に分割された構成でもよい。
[8]前記出没式筆記具1(請求項7)において、前記開閉部材4が径方向に開閉自在な複数の可動片43を備え、前記可動片43の相互間に開閉自在の開閉口41を形成し、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、略閉鎖した可動片43により、前記毛細間隙42を有する凹状壁部45を構成してなること(請求項8)が好ましい。
前記出没式筆記具1(請求項8)によれば、ペン先31が軸筒2内に没入状態にあるとき、ペン先31からインキが漏出し滴下したとしても、凹状壁部45内面が、ペン先31から漏出し滴下したインキを確実に受け止めるとともに、開閉口41の毛細間隙42だけでは保持しきれない余剰の漏出インキを一時的に保持する。それにより、ペン先31からインキが漏出し滴下したとしても、先端開口21からインキが外部に漏出することを、より一層、回避することができる。
[9]前記出没式筆記具1(請求項2、3、5、6または8)において、前記凹状壁部45の内面に凹凸部46を設けたこと(請求項9)が好ましい。
前記出没式筆記具1(請求項9)によれば、前記凹凸部46により、凹状壁部45内面の表面積が増加し、凹状壁部45内面のインキ保持力が増加する。
[10]前記出没式筆記具1(請求項1乃至9)において、前記筆記体3のペン先31が、先端に回転可能にボール31aを抱持し且つ前記ボール31aを弾発部材34により前方に付勢して内向きの先端縁部31bの内面に密接させた構造のボールペンチップであり、筆記体3の内部に収容されたインキの粘度が、20℃において、1〜50mPa・s(ミリパスカル・秒)の範囲であること(請求項10)が好ましい。
前記出没式筆記具1(請求項10)において、インキが低粘度であるため、流動性に優れ、筆跡途切れのない滑らかな筆記が可能であるが、ペン先31からのインキ漏出が生じやすい。しかし、弾発部材34によりボール31aを前方に付勢して内向きの先端縁部31bの内面に密接させた構成により、ペン先31からのインキ蒸発を防ぐとともに、ペン先下向き状態におけるペン先31からのインキの漏出を未然に防ぐことができる。さらに、万が一、ペン先31からインキが漏出したとしても、請求項1乃至9の構成により、先端開口21からのインキの漏出を防ぐことができる。即ち、出没式筆記具1(請求項10)により、滑らかな筆記が可能となるとともに、先端開口21からのインキ漏出事故に対する安全性が一層向上する。
[11]前記出没式筆記具1(請求項1乃至9)において、前記筆記体3のペン先31が、先端に回転可能にボール31aを抱持し且つ前記ボール31aを弾発部材34により前方に付勢して内向きの先端縁部31bの内面に密接させた構造のボールペンチップであり、筆記体3の内部に収容されたインキが、E型回転粘度計による20℃における回転数100rpmでの粘度が、3〜160mPa・s(ミリパスカル・秒)の範囲であり、且つ、剪断減粘性指数が0.80〜0.99(好ましくは0.9〜0.99)の範囲であること(請求項11)が好ましい。
前記出没式筆記具1(請求項11)において、インキが低粘度であるため、流動性に優れ、筆跡途切れのない滑らかな筆記が可能であるが、ペン先31からのインキ漏出が生じやすい。しかし、弾発部材34によりボール31aを前方に付勢して内向きの先端縁部31bの内面に密接させた構成により、ペン先31からのインキ蒸発を防ぐとともに、ペン先下向き状態におけるペン先31からのインキの漏出を未然に防ぐことができる。さらに、万が一、ペン先31からインキが漏出したとしても、請求項1乃至7の構成により、先端開口21からのインキの漏出を防ぐことができる。即ち、出没式筆記具1(請求項11)により、滑らかな筆記が可能となるとともに、先端開口21からのインキ漏出事故に対する安全性が一層向上する。
尚、前記剪断減粘性指数は、粘度計により剪断応力値(T)及び剪断速度(j)値の流動学的測定により導かれる実験式(T=Kj
:但し、Kは定数である)を適用して計算されるn値である。尚、前記E型回転粘度計とは、具体的には、EM型回転粘度計、EL型回転粘度計、EH型回転粘度計が挙げられる。
請求項1の出没式筆記具によれば、ペン先からインキが漏出しても、その漏出インキが先端開口から外部に漏出するおそれがなく、漏出インキで衣服や手が汚れるおそれがない。
請求項2の出没式筆記具によれば、ペン先からインキが漏出し滴下したとしても、先端開口からインキが外部に漏出することを、より一層、回避することができる。
請求項3の出没式筆記具によれば、毛細間隙及び凹状壁部に保持されたインキを、より一層、迅速に乾燥させることができる。
請求項4の出没式筆記具によれば、ペン先からインキが漏出しても、その漏出インキが先端開口から外部に漏出するおそれがなく、漏出インキで衣服や手が汚れるおそれがない。
請求項5の出没式筆記具によれば、ペン先からインキが漏出し滴下したとしても、先端開口からインキが外部に漏出することを、より一層、回避することができる。
請求項6の出没式筆記具によれば、毛細間隙及び凹状壁部に保持されたインキを、より一層、迅速に乾燥させることができる。
請求項7の出没式筆記具によれば、ペン先からインキが漏出しても、その漏出インキが先端開口から外部に漏出するおそれがなく、漏出インキで衣服や手が汚れるおそれがない。
請求項8の出没式筆記具によれば、ペン先からインキが漏出し滴下したとしても、先端開口からインキが外部に漏出することを、より一層、回避することができる。
請求項9の出没式筆記具によれば、凹状壁部内面のインキ保持力を増加できる。
請求項10の出没式筆記具によれば、滑らかな筆記が可能となるとともに、先端開口からのインキ漏出事故に対する安全性が一層向上する。
請求項11の出没式筆記具によれば、滑らかな筆記が可能となるとともに、先端開口からのインキ漏出事故に対する安全性が一層向上する。
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1乃至図7に本発明の出没式筆記具1の第1の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2の内部に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とからなる。前記筆記体3は、リターンスプリンング11(圧縮コイルスプリング)により後方に付勢されている。
・軸筒
軸筒2は、合成樹脂の射出成形により得られ、先細状の先端部に先端開口21を備えた前軸22と、開閉部材4を介して接続される後軸23とからなる。前記先端開口21から筆記体3のペン先31が出没する。前記軸筒2の後部(即ち後軸23)には、ノック操作または回転操作により筆記体3を前後に移動させる出没機構(図示せず)が収容される。
・開閉部材
前記開閉部材4は、複数本(具体的には2本)の可動片43と、該可動片43の後端が接続される鍔状の支持部44とが一体に形成されてなる。前記開閉部材4は、硬質合成樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネイト樹脂、またはABS樹脂)の成形体により構成される。前記支持部44は、軸筒2の内面(即ち前軸22の後端部内面)に固着される。前記可動片43の後端は、支持部44により固定され、一方、前記可動片43の先端は、径方向に開閉作動可能である。前記複数本の可動片43相互間に開閉自在の開閉口41が構成される。前記開閉部材4の先端(即ち可動片43の先端)は軸筒2先端の僅かに後方に配置される。
前記可動片43は、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、完全に閉鎖状態とならず、略閉鎖状態となる。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、可動片43相互間の開閉口41が、略閉鎖状態となり、スリット状の毛細間隙42を形成する。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、前記可動片43の先端部には、先細状(即ち円錐凹面状またはすり鉢状)の凹状壁部45が形成される。前記凹状壁部45は、底壁と、該底壁に連設される筒状の側壁とからなる。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、凹状壁部45の底壁及び凹状壁部45の側壁にスリット状の毛細間隙42が形成される。
前記可動片43の先端部内面には、軸方向に延びる放射状の複数本(具体的には6本)のリブよりなる凹凸部46が一体に形成されている。前記凹凸部46は、可動片43が略閉鎖状態のとき、凹状壁部45の内面に位置される。
前記可動片43が略閉鎖状態のとき、前記可動片43の相互間には窓孔47が形成される。前記窓孔47により、可動片43が略閉鎖状態であっても、可動片43の先端部内面(凹状壁部45内面)と外気とが連通される。
前記可動片43は、径方向の弾発性(バネ性)を有し、ペン先没入時に自ら略閉鎖状態となる自己復元力を有する。前記可動片43の中間部内面には、傾斜面状の当接部43aが形成されている。ペン先没入状態からペン先突出状態に移行する過程で、前記当接部43aに筆記体3の前部(具体的にはホルダー32)が当接して、可動片43が径方向外方に押し広げられる。尚、前記可動片43の拡開作動は、ペン先突出操作に連動して作動する構成ならば、これに限らない。
・筆記体
筆記体3は、先端部にボール31aを回転可能に抱持したボールペンチップ31(ペン先)と、該ボールペンチップ31の後部が前部に圧入固着されたホルダー32と、該ホルダー32の後部が先端開口21部に圧入固着されたインキ収容筒33と、該インキ収容筒33内に収容されるインキ及び追従体(図示せず)と、前記ボールペンチップ31内に収容配置される弾発部材34(スプリング)と、前記インキ収容筒33の後端開口部に圧入固着される尾栓(図示せず)とからなる。尚、本発明において、前記筆記体3は、ペン先と、内部に直接インキを貯溜するインキタンクと、前記ペン先と前記インキタンクとの間に配置され、該インキタンクの内圧上昇に応じた余剰インキを毛細管力により一時的に保持するインキ保溜部材(例えば、櫛歯状部材、繊維加工体、または多孔質体等)とを備えるタイプ、または、ペン先と、該ペン先に接続されるインキ吸蔵体(例えば、繊維加工体、または多孔質体等)とを備えるタイプであってもよい。
前記ボールペンチップ31は、先端部にボール31aを回転可能に抱持した金属製(例えば、ステンレス鋼製)のストレート状パイプよりなるニードルタイプである。前記ボールペンチップ31の先端近傍内面には、内方への押圧変形により、ボール受け座となる4個の内方突出部が周方向に等間隔に形成される。前記内方突出部の前面は、円錐凹面状となっている。また、前記ボールペンチップ31の先端部には、内方へのカシメ変形により環状の内向きの先端縁部31bが形成される。前記先端縁部31b内面と内方突出部前面(ボール受け座)との間にはボール収納孔が形成され、前記ボール収納孔には、ボール31a(ボール直径:0.5mmまたは0.7mm)が回転可能且つ前後方向に移動可能に抱持される。さらに、前記ボール受け座後方のボールペンチップ31内にはインキ流通孔が形成される。
前記ホルダー32は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂、またはポリアセタール樹脂)の射出成形により得られる筒状体である。前記ホルダー32は、ボールペンチップ31が取り付けられる先細状の前部と、インキ収容筒33の先端と当接する鍔部と、インキ収容筒33の先端開口部に圧入される後部とからなる。前記ホルダー32内部には、ボールペンチップ31の後部が圧入固着される取付孔32aと、該取付孔32aにその先端が連通し且つその後端が外部に開口するインキ流通孔32bとが設けられる。前記インキ流通孔32bの中間部内面には、周状に分散配置される複数(例えば4個)の係止突起32cが一体に形成される。
前記弾発部材34は、線径0.12mm〜0.14mmのステンレス鋼製線材よりなり、前部のストレート部34aと後部のコイル部34bとが一体に連設されてなる。前記コイル部34bの後端部には、外径が前方のコイル部34bより大きく設定された膨出部34cが形成される。前記膨出部34cは、線材間が密着した密着巻部により形成される。前記膨出部34cが,ホルダー32内面の係止突起32cを後方より乗り越えて、前記係止突起32cの前面に係止される。前記ストレート部34aは、ボールペンチップ31のインキ流通孔内に挿通され、前記ストレート部34aの先端は、ボール31aの後面を前方に押圧し、ボール31aが先端縁部31bの内面に密接される。それにより、非筆記時、ボール31aと先端縁部31bとの間からのインキ蒸発及びインキ漏出を防止する。
前記インキ収容筒33は、両端が開口された円筒体であり、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂)の押出成形により得られる。前記インキ収容筒33の先端開口部には、ボールペンチップ31を備えたホルダー32の後部が圧入固着される。前記インキ収容筒33の内部には、インキと、該インキの後端に配置され且つ該インキの消費に伴って前進する追従体とが充填される。
前記インキは、B型回転粘度計における20℃での粘度が9mPa・sである水性インキ、または、EL型回転粘度計における20℃での回転数100rpmの粘度が3.5mPa・sであるとともに剪断減粘性指数が0.97である水性インキである。
前記追従体は、高粘度流体と、該高粘度流体中に収容させた固形物とからなる。尚、前記追従体は、前記以外にも、固形物を備えない高粘度流体のみからなる構成、またはインキ収容筒33内壁と摺動可能な固形物のみからなる構成であってもよい。
前記尾栓は、インキ収容筒33の後端開口部に圧入固着される。前記尾栓は、軸方向に通気孔が貫設され、前記通気孔により、インキ収容筒33内の追従体後方の空間と外気とが連通される
・開閉口の開閉
本実施の形態の出没式筆記具1は、ペン先没入状態(図2)からペン先突出状態(図6)に移行する際、ホルダー32の鍔部が可動片43内面の当接部43aに当接して、各々の可動片43が径方向外方に押し広げられ、開閉口41が大きく開口される。一方、ペン先突出状態(図6)からペン先没入状態(図2)に移行する際、各々の可動片43が自己復元力により迅速かつ確実に閉じ、適正な毛細間隙42を構成する。本実施の形態では、前記ボールペンチップ31は可動片43に接触しない。
・毛細間隙の作用
本実施の形態の出没式筆記具1において、万が一、ペン先下向き状態且つペン先没入状態で保管されたときに、ボールペンチップ31の先端からインキが垂れ落ちたとしても、開閉部材4の毛細間隙42及び凹状壁部45内面に、前記垂れ落ちたインキが保持されるため、先端開口21より外部にインキが漏出するおそれがない。その結果、本実施の形態の出没式筆記具1は、万が一、ボールペンチップ31からインキが漏出し滴下しても、その漏出インキが先端開口21から外部に漏出するおそれがない。尚、本実施の形態の出没式筆記具1において、毛細間隙42の間隙寸法は、0.01mm〜0.1mmに設定されている。
また、本実施の形態の出没式筆記具1において、前記毛細間隙42は先端開口21を通して外気と連通されているため、前記毛細間隙42に保持されたインキは、迅速に乾燥される。それにより、その後、ボールペンチップ31が先端開口21より突出し、開閉口41が大きく開口しても、インキが外部に漏れ出すおそれがない。
・開閉部材先端の位置の作用
また、本実施の形態の出没式筆記具1において、開閉部材4を軸筒2の内部に設け、前記開閉部材4の先端(可動片43の先端)を軸筒2の先端よりも後方に配置したことにより、ボールペンチップ31が軸筒2内に没入状態のとき、開閉口41が毛細間隙42を形成したとしても、開閉部材4の先端は軸筒2内に位置し、外部に突出していない。そのため、開閉部材4の先端が衣服や手に接触することがなく、衣服や手が漏出インキで汚れるおそれがない。
・凹状壁部の作用
また、本実施の形態の出没式筆記具1において、ボールペンチップ31が軸筒2内に没入状態にあるとき、ボールペンチップ31からインキが漏出し滴下したとしても、凹状壁部45内面が、ボールペンチップ31から漏出し滴下したインキを確実に受け止めるとともに、開閉口41の毛細間隙42だけでは保持しきれない余剰の漏出インキを一時的に保持する。それにより、ボールペンチップ31からインキが漏出し滴下したとしても、先端開口21からインキが外部に漏出することを、より一層、回避することができる。
・窓孔の作用
また、本実施の形態の出没式筆記具1において、ボールペンチップ31が軸筒2内に没入状態のとき、凹状壁部45内が窓孔47を通して外気と連通しているため、毛細間隙42及び凹状壁部45に保持されたインキを、より一層、迅速に乾燥させることができる。
・凹凸部の作用
また、本実施の形態の出没式筆記具1において、前記凹凸部46により、凹状壁部45内面の表面積が増加し、凹状壁部45内面のインキ保持力が増加する。さらに、前記凹凸部46(リブ)が、放射状に複数形成されている。それにより、凹状壁部45の内面がボールペンチップ31からの漏出インキを均一に保持できる。また、前記軸方向に延びる凹凸部46(リブ)により、凹状壁部45内面と毛細間隙42との間のインキの移動を円滑にでき、その結果、ボールペンチップ31から漏出して滴下したインキを迅速に毛細間隙42に誘導でき、且つ、毛細間隙42からの余剰インキを円滑に凹状壁部45内面に供給することができる。
(第2の実施の形態)
図8乃至図12に本発明の出没式筆記具1の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2の内部に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とからなる。前記筆記体3は、リターンスプリング11(圧縮コイルスプリング)により後方に付勢されている。前記リターンスプリング11の前端は、開閉部材4の後端に当接され、前記リターンスプリング11の後端は筆記体3の前面に当接される。
・軸筒
軸筒2は、合成樹脂の射出成形により得られ、先細状の先端部に先端開口21を備える前軸22と、該前軸22の後端に接続される後軸(図示せず)とからなる。前記先端開口21から筆記体3のペン先31が出没する。前記軸筒2の後部(即ち後軸)には、ノック操作または回転操作により筆記体3を前後に移動させる出没機構(図示せず)が収容される。
・開閉部材
前記開閉部材4は、複数本(具体的には2本)の可動片43と、該可動片43の後端が接続される鍔状の支持部44とが一体に形成されてなる。前記開閉部材4は、硬質合成樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネイト樹脂、またはABS樹脂)の成形体により構成される。前記支持部44は、軸筒2の先端部内面(即ち前軸22の先端部内面)に固着される。前記可動片43の後端は、支持部44により固定され、一方、前記可動片43の先端は、径方向に開閉作動可能である。前記複数本の可動片43相互間に開閉自在の開閉口41が構成される。前記開閉部材4の先端(即ち可動片43の先端)は軸筒2先端の僅かに後方に配置される。
前記可動片43は、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、完全に閉鎖状態とならず、略閉鎖状態となる。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、可動片43相互間の開閉口41が、略閉鎖状態となり、スリット状の毛細間隙42を形成する。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、前記可動片43の先端部には、先細状の凹状壁部45が形成される。前記凹状壁部45は、底壁と、該底壁に連設される筒状の側壁とからなる。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、凹状壁部45の底壁及び凹状壁部45の側壁にスリット状の毛細間隙42が形成される。
前記可動片43の先端部内面には、軸方向に延びる放射状の複数本(具体的には6本)のリブよりなる凹凸部46が一体に形成されている。前記凹凸部46は、可動片43が略閉鎖状態のとき、凹状壁部45の内面に位置される。
前記可動片43が略閉鎖状態のとき、前記可動片43の相互間には窓孔47が形成される。前記窓孔47により、可動片43が略閉鎖状態であっても、可動片43の先端部内面(凹状壁部45内面)と外気とが連通される。
前記可動片43は、径方向の弾発性(バネ性)を有し、ペン先没入時に自ら略閉鎖状態となる自己復元力を有する。前記可動片43の中間部内面には、傾斜面状の当接部43aが形成されている。ペン先没入状態からペン先突出状態に移行する過程で、前記当接部43aに筆記体3の前部(具体的にはホルダー32)が当接して、可動片43が径方向外方に押し広げられる。尚、前記可動片43の拡開作動は、ペン先突出操作に連動して作動する構成ならば、これに限らない。
・開閉口の開閉
本実施の形態の出没式筆記具1は、ペン先没入状態(図8)からペン先突出状態(図12)に移行する際、ホルダー32の前端が可動片43内面の当接部43aに当接して、開閉部材4の各々の可動片43が径方向外方に押し広げられ、開閉口41が大きく開口される。一方、ペン先突出状態(図12)からペン先没入状態(図8)に移行する際、各々の可動片43が自己復元力により迅速かつ確実に閉じ、適正な毛細間隙42を構成する。本実施の形態では、前記ボールペンチップ31は可動片43に接触しない。
尚、本実施の形態における他の構成(即ち、筆記体3の構成)及び作用(即ち、毛細間隙42の作用、開閉部材4先端の位置の作用、凹状壁部45の作用、窓孔47の作用、凹凸部46の作用)は、第1の実施の形態と共通であるため、説明は省略する。
(第3の実施の形態)
図13乃至図16に本発明の出没式筆記具1の第3の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、第1の実施の形態と同様、軸筒2と、該軸筒2の内部に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とからなる。前記筆記体3は、第1の実施の形態と同様、リターンスプリング(圧縮コイルスプリング)により後方に付勢されている。
・開閉部材
前記開閉部材4は、複数本(具体的には4本)の可動片43と、該可動片43の後端が接続される鍔状の支持部44とが一体に形成されてなる。前記開閉部材4は、硬質合成樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネイト樹脂、またはABS樹脂)の成形体により構成される。前記支持部44は、軸筒2の内面(即ち前軸22の後端部内面)に固着される。前記可動片43の後端は、支持部44により固定され、一方、前記可動片43の先端は、径方向に開閉作動可能である。前記複数本の可動片43相互間に開閉自在の開閉口41が構成される。前記開閉部材4の先端(即ち可動片43の先端)は軸筒2先端の僅かに後方に配置される。
前記可動片43は、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、完全に閉鎖状態とならず、略閉鎖状態となる。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、可動片43相互間の開閉口41が、略閉鎖状態となり、スリット状の毛細間隙42を形成する。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、前記可動片43により、先細状(即ち円錐凹面状またはすり鉢状)の凹状壁部45が形成される。前記凹状壁部45は、底壁と、該底壁に連設される筒状の側壁とからなる。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、凹状壁部45の底壁及び凹状壁部45の側壁にスリット状の毛細間隙42が形成される。但し、本実施の形態では、前記可動片43が略閉鎖状態のとき、前記可動片43の相互間には第1の実施の形態のような窓孔47は形成されていない。
前記可動片43は、径方向の弾発性(バネ性)を有し、ペン先没入時に自ら略閉鎖状態となる自己復元力を有する。前記可動片43の中間部内面には、傾斜面状の当接部43aが形成されている。ペン先没入状態からペン先突出状態に移行する過程で、前記当接部43aに筆記体3の前部(具体的にはホルダー32)が当接して、可動片43が径方向外方に押し広げられる。尚、前記可動片43の拡開作動は、ペン先突出操作に連動して作動する構成ならば、これに限らない。
・開閉口の開閉
本実施の形態の出没式筆記具1は、ペン先没入状態(図13)からペン先突出状態(図示せず)に移行する際、ホルダー32の鍔部が可動片43内面の当接部43aに当接して、開閉部材4の各々の可動片43が径方向外方に押し広げられ、開閉口41が大きく開口される。一方、ペン先突出状態からペン先没入状態(図13)に移行する際、各々の可動片43が自己復元力により迅速かつ確実に閉じ、適正な毛細間隙42を構成する。本実施の形態では、前記ボールペンチップ31は可動片43に接触しない。
尚、本実施の形態における他の構成(即ち、筆記体3の構成)及び作用(即ち、毛細間隙42の作用、開閉部材4先端の位置の作用、凹状壁部45の作用)は、第1の実施の形態と共通であるため、説明は省略する。
(第4の実施の形態)
図17乃至図20に本発明の出没式筆記具1の第4の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2の内部に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とからなる。前記筆記体3は、リターンスプリング11(圧縮コイルスプリング)により後方に付勢されている。前記リターンスプリング11の前端は、開閉部材4の後端に当接され、前記リターンスプリング11の後端は筆記体3の前面に当接される。
・軸筒
軸筒2は、合成樹脂の射出成形により得られ、先細状の先端部に先端開口21を備える前軸22と、該前軸22の後端に接続される後軸(図示せず)とからなる。前記先端開口21から筆記体3のペン先31が出没する。前記軸筒2の後部(即ち後軸)には、ノック操作または回転操作により筆記体3を前後に移動させる出没機構(図示せず)が収容される。
・開閉部材
前記開閉部材4は、複数本(具体的には2本)の可動片43と、該可動片43の後端が接続される鍔状の支持部44とが一体に形成されてなる。前記開閉部材4は、弾性体(例えば、ゴム、エラストマー、軟質合成樹脂等)により構成される。前記支持部44は、軸筒2の先端部内面(即ち前軸22の先端部内面)に固着される。前記可動片43の後端は、支持部44により固定され、一方、前記可動片43の先端は、径方向に開閉作動可能である。前記複数本の可動片43相互間に開閉自在の開閉口41が構成される。前記開閉部材4の先端(即ち可動片43の先端)は軸筒2先端の僅かに後方に配置される。
前記可動片43は、ペン先31が軸筒2内に没入状態のとき、完全に閉鎖状態とならず、略閉鎖状態となる。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、可動片43相互間の開閉口41が、略閉鎖状態となり、スリット状の毛細間隙42を形成する。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、前記可動片43によりは、先細状の凹状壁部45が形成される。前記凹状壁部45は、底壁と、該底壁に連設される筒状の側壁とからなる。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、凹状壁部45の底壁及び凹状壁部45の側壁にスリット状の毛細間隙42が形成される。但し、本実施の形態では、前記可動片43が略閉鎖状態のとき、前記可動片43の相互間には第2の実施の形態のような窓孔47は形成されていない。
前記可動片43の先端部内面には、軸方向に延びる放射状の複数本(具体的には6本)のリブよりなる凹凸部46が一体に形成されている。前記凹凸部46は、可動片43が略閉鎖状態のとき、凹状壁部45の内面に位置される。
前記可動片43は、ペン先没入時に自ら略閉鎖状態となる自己復元力を有する。前記可動片43の中間部内面には、傾斜面状の当接部43aが形成されている。ペン先没入状態からペン先突出状態に移行する過程で、前記当接部43aに筆記体3の前部(具体的にはホルダー32)が当接して、可動片43が径方向外方に押し広げられる。前記可動片43が略閉鎖状態のとき、前記スリット状の毛細間隙42の後端は、前記当接部43aに位置し、それにより、可動片43の適正な自己復元力を得る。尚、前記可動片43の拡開作動は、ペン先突出操作に連動して作動する構成ならば、これに限らない。
・開閉口の開閉
本実施の形態の出没式筆記具1は、ペン先没入状態(図17)からペン先突出状態(図21)に移行する際、ホルダー32の前端が可動片43内面の当接部43aに当接して、開閉部材4の各々の可動片43が径方向外方に押し広げられ、開閉口41が大きく開口される。一方、ペン先突出状態(図21)からペン先没入状態(図17)に移行する際、各々の可動片43が自己復元力により迅速かつ確実に閉じ、適正な毛細間隙42及び凹状壁部45を構成する。本実施の形態では、前記ボールペンチップ31は可動片43に接触しない。
尚、本実施の形態における他の構成(即ち、筆記体3の構成)及び作用(即ち、毛細間隙42の作用、開閉部材4先端の位置の作用、凹状壁部45の作用、窓孔47の作用、凹凸部46の作用)は、第1の実施の形態と共通であるため、説明は省略する。
本発明の第1の実施の形態のペン先没入状態を示す要部縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図2のC−C線断面図である。 図1のペン先突出状態を示す要部拡大図である。 図1の開閉部材を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態のペン先没入状態を示す要部縦断面図である。 図8のD−D線断面図である。 図8のE−E線断面図である。 図8のF−F線断面図である。 図8のペン先突出状態を示す要部縦断面図である。 本発明の第3の実施の形態のペン先没入状態を示す要部縦断面図である。 図13のG−G線断面図である。 図13のH−H線断面図である。 図13の開閉部材を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態のペン先没入状態を示す要部縦断面図である。 図17のI−I線断面図である。 図17のJ−J線断面図である。 図17のK−K線断面図である。 図17のペン先突出状態を示す要部縦断面図である。
符号の説明
1 出没式筆記具
11 リターンスプリング
2 軸筒
21 先端開口
22 前軸
23 後軸
3 筆記体
31 ペン先(ボールペンチップ)
31a ボール
31b 先端縁部
32 ホルダー
32a 取付孔
32b インキ流通孔
32c 係止突起
33 インキ収容筒
34 弾発部材
34a ストレート部
34b コイル部
34c 膨出部
4 開閉部材
41 開閉口
42 毛細間隙
43 可動片
43a 当接部
44 支持部
45 凹状壁部
46 凹凸部(リブ)
47 窓孔

Claims (11)

  1. 軸筒内に筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体のペン先を軸筒の先端開口より出没可能に構成した出没式筆記具であって、軸筒の内部に、開閉自在の開閉口を備える開閉部材を設け、前記開閉部材の先端を軸筒の先端よりも後方に配置し、ペン先が先端開口から突出状態のとき、前記開閉口が開口し且つ前記開閉口にペン先が挿通され、一方、ペン先が軸筒内に没入状態のとき、前記開閉口が略閉鎖し且つ前記開閉口が毛細間隙を形成してなることを特徴とする出没式筆記具。
  2. ペン先が軸筒内に没入状態のとき、略閉鎖した開閉部材の先端部に、前記毛細間隙を有する凹状壁部を形成してなる請求項1記載の出没式筆記具。
  3. ペン先が軸筒内に没入状態のとき、前記凹状壁部後方の開閉部材側壁に、凹状壁部内と外気とを連通させる窓孔を形成してなる請求項2記載の出没式筆記具。
  4. 軸筒内に筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体のペン先を軸筒の先端開口より出没可能に構成した出没式筆記具であって、軸筒の内部に、開閉自在の開閉口を備える開閉部材を設け、前記開閉部材の先端を軸筒の先端よりも後方に配置し、前記開閉部材が径方向に開閉自在な複数の可動片を備え、前記可動片の相互間に開閉自在の開閉口を形成し、ペン先が先端開口から突出状態のとき、前記開閉口が開口し且つ前記開閉口にペン先が挿通され、一方、ペン先が軸筒内に没入状態のとき、前記開閉口が略閉鎖し且つ前記開閉口が毛細間隙を形成してなることを特徴とする出没式筆記具。
  5. ペン先が軸筒内に没入状態のとき、略閉鎖した可動片の先端部に、前記毛細間隙を有する凹状壁部を形成してなる請求項4記載の出没式筆記具。
  6. ペン先が軸筒内に没入状態のとき、前記凹状壁部後方の可動片相互間に、凹状壁部内と外気とを連通させる窓孔を形成してなる請求項5記載の出没式筆記具。
  7. 軸筒内に筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体のペン先を軸筒の先端開口より出没可能に構成した出没式筆記具であって、軸筒の内部に、開閉自在の開閉口を備える開閉部材を設け、前記開閉部材の先端を軸筒の先端よりも後方に配置し、前記開閉部材を弾性体により構成し、ペン先が先端開口から突出状態のとき、前記開閉口が開口し且つ前記開閉口にペン先が挿通され、一方、ペン先が軸筒内に没入状態のとき、前記開閉口が略閉鎖し且つ前記開閉口がスリットまたは微細孔からなる毛細間隙を形成してなることを特徴とする出没式筆記具。
  8. 前記開閉部材が径方向に開閉自在な複数の可動片を備え、前記可動片の相互間に開閉自在の開閉口を形成し、ペン先が軸筒内に没入状態のとき、略閉鎖した可動片により、前記毛細間隙を有する凹状壁部を構成してなる請求項7記載の出没式筆記具。
  9. 前記凹状壁部の内面に凹凸部を設けた請求項2、3、5、6または8記載の出没式筆記具。
  10. 前記筆記体のペン先が、先端に回転可能にボールを抱持し且つ前記ボールを弾発部材により前方に付勢して内向きの先端縁部の内面に密接させた構造のボールペンチップであり、筆記体の内部に収容されたインキの粘度が、20℃において、1mPa・s〜50mPa・sの範囲である請求項1乃至9のいずれかに記載の出没式筆記具。
  11. 前記筆記体のペン先が、先端に回転可能にボールを抱持し且つ前記ボールを弾発部材により前方に付勢して内向きの先端縁部の内面に密接させた構造のボールペンチップであり、筆記体の内部に収容されたインキが、E型回転粘度計による20℃における回転数100rpmでの粘度が、3mPa・s〜160mPa・sの範囲であり、且つ、剪断減粘性指数が0.80〜0.99の範囲である請求項1乃至9のいずれかに記載の出没式筆記具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024007300A1 (zh) * 2022-07-08 2024-01-11 刘保伸 书写端活动卷闭式记号工具
WO2024135394A1 (ja) * 2022-12-19 2024-06-27 株式会社パイロットコーポレーション 出没式筆記具

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