JP2008006663A - 出没式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】航空機内等で急激な圧力変化が生じた場合であっても、インキが外部に吹き出すおそれがなく、しかも、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路からインキタンク内のインキが蒸発することを防止でき、さらに、ペン先没入状態でインキタンク内の圧力が上昇しても、通気路を通って外部にインキが漏出することを防止できる出没式筆記具を提供する。
【解決手段】筆記体3が、ペン先5と、インキを直に貯溜するインキタンク41と、インキ保溜部材6と、通気路7とを備える。筆記体3のインキタンク41内にインキタンク41を前後に区画する隔壁部11を設ける。隔壁部11の前方のインキタンク41内に小空間411を設け、隔壁部11の後方のインキタンク41内に大空間412を設ける。隔壁部11の後面に、大空間412側に突出する管状部111を設ける。管状部111の内部を通して大空間412と小空間411とを連通する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、出没式筆記具に関する。詳細には、インキを直に貯溜する直液式の筆記体を軸筒内に前後方向に移動可能に収容した出没式筆記具に関する。
従来この種の出没式筆記具において、特許文献1には、チップ内孔にインキ誘導芯が密装され、チップ後方に直列状に継ぎ手、インキ保溜体が一体的に設けられて、インキ収容管内に低粘度インキが充填されると共にインキ収容管の前方部内孔にインキ保溜体が嵌着されて成るボールペンのリフィールと、軸筒の後方にノック操作により軸筒に対し前後退位置に係止される回転カム機構部が配設され、その回転カム機構部の前方にリターンスプリングにより後方に附勢された前記ボールペンのリフィールが設けられて成るノック式筆記具が開示されている。また、前記特許文献1には、鍔部の所要箇所に通気溝を設けて外気とインキ保溜体及びインキ収容管内の空気置換を行なうこと、及び、空気置換のための通気路は細く迂回したものが望ましいことが記載されている。また、前記特許文献1には、先端ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に常時は押圧されて密接し、筆記時に密接状態が解除されるように設けられて、チップ先端がシール不要で軸筒に搭載可能と成されたノック式筆記具が開示されている。
特開平10−264585号公報
前記従来の出没式筆記具は、航空機内等で急激な圧力変化が生じた場合、インキ収容管内(本発明のインキタンク内に相当)の空気が急激に膨張し、インキが外部に吹き出すおそれがある。
また、前記従来の出没式筆記具は、ペン先没入状態であっても、通気路は外気と連通されているため、長期間保管すると、インキタンク内のインキが蒸発して、筆記不能となるおそれがある。さらに、前記従来の出没式筆記具は、ペン先没入状態でインキタンク内の圧力が上昇すると、通気路を通って外部にインキが漏出するおそれがある。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、航空機内等で急激な圧力変化が生じた場合であっても、インキが外部に吹き出すおそれがなく、しかも、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路からインキタンク内のインキが蒸発することを防止でき、さらに、ペン先没入状態でインキタンク内の圧力が上昇しても、通気路を通って外部にインキが漏出することを防止できる出没式筆記具を提供しようとするものである。
尚、本発明で、「前」とはペン先側を指し、「後」とはその反対側を指す。また、本発明で、「ペン先没入」とは、ペン先が軸筒内部に没入することを言い、「ペン先突出」とは、ペン先が軸筒の前端孔から外部に突出することを言う。
(構成1)
本発明は、筆記体3が、ペン先5と、インキを直に貯溜するインキタンク41と、ペン先5とインキタンク41との間に配置され且つインキタンク41の内圧上昇に伴う溢出インキを一時的に保持するインキ保溜部材6とを備え、前記筆記体3を軸筒2内に前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体3のペン先5を軸筒2の前端孔21から出没可能に構成した出没式筆記具であって、前記筆記体3のインキタンク41内にインキタンク41を前後に区画する隔壁部11を設け、前記隔壁部11の前方のインキタンク41内に小空間411を設け、前記隔壁部11の後方のインキタンク41内に大空間412を設け、前記隔壁部11の後面に、前記大空間412側に突出する管状部111を設け、前記管状部111の内部を通して前記大空間412と前記小空間411とを連通してなること(構成1)を要件とする。
前記構成1の出没式筆記具1は、ペン先下向き状態において、航空機内等での急激な圧力変化が生じ、インキタンク41内の空気が急激に膨張した場合であっても、前記膨張した空気が、管状部111及び小空間411内に存在する少量のインキを、インキ保溜部材6に押し出し、前記押し出されたインキがインキ保溜部材6に適正に保持されると同時に、前記膨張空気が、管状部111の内部を通って小空間411及びインキ保溜部材6を介して外部に適正に排出され、外部へのインキの吹き出しが防止される。
(構成2)
前記構成1の出没式筆記具1において、前記管状部111内部に大径孔112を設け、前記隔壁部11に、前記大空間412と前記小空間411とを連通させる、前記大径孔112より小さい横断面積を有する小径孔113を設けたこと(構成2)が好ましい。
前記構成2の出没式筆記具1は、ペン先下向き状態において、航空機内等での急激な圧力変化が生じ、インキタンク41内の空気が急激に膨張した場合であっても、前記膨張した空気が、管状部111及び小空間411内に存在する少量のインキを、インキ保溜部材6に押し出し、前記押し出されたインキがインキ保溜部材6に適正に保持されると同時に、前記膨張空気が、小径孔113よりも流通抵抗の小さい大径孔112を通り、小空間411及びインキ保溜部材6を介して外部に適正に排出され、外部へのインキの吹き出しが防止される。また、前記構成2の出没式筆記具1は、ペン先上向き状態において、航空機内等での急激な圧力変化が生じ、インキタンク41内の空気が急激に膨張した場合であっても、前記膨張した空気が、小径孔113を通り、小空間411及びインキ保溜部材6を介して外部に適正に排出され、外部へのインキの吹き出しが防止される。
(構成3)
前記構成1または構成2の出没式筆記具1において、筆記体3が、インキタンク41内と外気とを連通する通気路7を備え、ペン先没入時に前記通気路7を閉鎖しインキタンク41内と外気との連通を遮断し、且つ、ペン先突出時に前記通気路7を開放しインキタンク41内と外気とを連通するシール装置8を備えたこと(構成3)が好ましい。
前記構成1の出没式筆記具1は、ペン先没入時にシール装置8が通気路7を閉鎖しインキタンク41内と外気との連通を遮断する。それにより、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路7からインキタンク41内のインキが蒸発することを防止でき、さらに、ペン先没入状態でインキタンク41内の圧力が上昇しても、通気路7を通って外部にインキが漏出することを防止できる。
(構成4)
前記構成1または構成2の出没式筆記具1において、軸筒2の前端部に開閉部材9を設け、前端孔21より後方の軸筒2内部に環状のシール体24を設け、ペン先没入時に、前記開閉部材9が前端孔21を閉鎖し且つ前記シール体24が筆記体3の外周面と密接することにより、軸筒2内部に密閉されたシール空間25を構成するとともに該シール空間25内部にペン先5を収容し、ペン先突出時に、前記開閉部材9が前端孔21を開口させ且つ前記シール空間25を開放させてなること(構成4)が好ましい。
前記構成4の出没式筆記具1は、ペン先没入時に、密閉されたシール空間25内部にペン先5を収容することにより、いかなる種類のペン先5を採用してもペン先没入時にペン先5を確実に密閉でき、ペン先5の乾燥を防止できる。その結果、筆記体3のペン先5として、ボールペンチップに限らず、あらゆる種類のペン先5を用いた直液タイプの出没式筆記具1が得られる。
(構成5)
前記構成4の出没式筆記具1において、筆記体3が、インキタンク41内と外気とを連通する通気路7を備え、筆記体3の外面に通気路7の開口部71を設け、ペン先没入時に前記シール空間25内部に前記通気路7の開口部71を位置させてなること(構成5)が好ましい。
前記構成5の出没式筆記具1は、ペン先没入時に、密閉されたシール空間25内部に通気路7の開口部71を位置させてなることにより、ペン先没入時の通気路7と外気との連通が遮断され、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路7からインキタンク41内のインキが蒸発することを防止でき、さらに、ペン先没入状態でインキタンク41内の圧力が上昇しても、通気路7を通って外部にインキが漏出することを防止できる。
(構成6)
前記構成4の出没式筆記具1において、筆記体3が、インキタンク41内と外気とを連通する通気路7を備え、ペン先没入時に前記通気路7の開口部71を前記シール体24が密閉してなること(構成6)が好ましい。
前記構成6の出没式筆記具1は、ペン先没入時に前記通気路7の開口部71を前記シール体24が密閉してなることにより、ペン先没入時の通気路7と外気との連通が遮断され、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路7からインキタンク41内のインキが蒸発することを防止でき、さらに、ペン先没入状態でインキタンク41内の圧力が上昇しても、通気路7を通って外部にインキが漏出することを防止できる。
(構成7)
前記構成1または2の出没式筆記具1において、前記ペン先5が、前端に回転可能にボールを抱持したボールペンチップであり、軸筒2内部の前端孔21近傍に弾性材料からなるペン先シール部材10を設け、ペン先没入時に前記ペン先シール部材10にペン先5の前端を密接させることによりペン先5の前端を密閉し、ペン先突出時に前記ペン先シール部材10と前記ペン先5の前端との密接を解除してなること(構成7)が好ましい。
前記構成7の出没式筆記具1は、ペン先没入時のペン先5の前端を密閉する構造が、ペン先5の前端を弾性材料からなるペン先シール部材10に密接させる構造であり、従来のようなボールをボール抱持部内縁に押圧して密接させる構造でないため、筆記時の疲労感を軽減させることができるとともに、ボール抱持部内縁とボールとの間にゴミ等の異物が混入した場合でも、ペン先没入時のペン先5からのインキ蒸発やインキ漏出を確実に防止できる。
(構成8)
前記構成7の出没式筆記具1において、筆記体3が、インキタンク41内と外気とを連通する通気路7を備え、前記筆記体3のペン先5近傍の外面に通気路7の開口部71を設け、ペン先没入時に前記ペン先シール部材10が前記通気路7の開口部71を密閉し、ペン先突出時に前記ペン先シール部材10が前記通気路7の開口部71を開放してなること(構成8)が好ましい。
前記構成8の出没式筆記具1は、ペン先没入時に前記ペン先シール部材10が前記通気路7の開口部71を密閉してなることにより、ペン先没入時のインキタンク41と外気との連通を遮断し、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路7からインキタンク41内のインキが蒸発することを防止し、さらに、ペン先没入状態でインキタンク41内の圧力が上昇しても、通気路7を通って外部にインキが漏出することを防止できる。また、前記構成3の出没式筆記具1は、ペン先シール部材10が、ペン先没入時にペン先5を密閉するとともに通気路7の開口部71を密閉するため、部品点数の増加を抑えることができる。
(構成9)
前記構成7の出没式筆記具1において、筆記体3が、インキタンク41内と外気とを連通する通気路7を備え、筆記体3の外面に通気路7の開口部71を設け、軸筒2内部に弾性材料からなるシール体24を固定し、ペン先没入時に前記シール体24が前記通気路7の開口部71を密閉し、ペン先突出時に前記シール体24が前記通気路7の開口部71を開放してなること(構成9)が好ましい。
前記構成9の出没式筆記具1は、ペン先没入時に前記シール体24が前記通気路7の開口部71を密閉してなることにより、ペン先没入時のインキタンク41と外気との連通を遮断し、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路7からインキタンク41内のインキが蒸発することを防止し、さらに、ペン先没入状態でインキタンク41内の圧力が上昇しても、通気路7を通って外部にインキが漏出することを防止できる。
(構成10)
前記構成3の出没式筆記具1において、前記シール装置8が、筆記体3の外面に設けた通気路7の開口部71と、軸筒2内面に固定したシール体24とからなり、ペン先没入時に前記シール体24が前記通気路7の開口部71を密閉し、ペン先突出時に前記シール体24が前記通気路7の開口部71を開放してなること(構成10)が好ましい。
前記構成10の出没式筆記具1は、シール体24が通気路7の開口部71を密閉する構成であるため、ペン先没入時の通気路7の開口部71を、簡易な構造で確実に密閉することができる。
(構成11)
前記構成10の出没式筆記具1において、筆記体3の前部外面に通気路7の開口部71を設け、軸筒2の前部内面にシール体24を固定してなること(構成11)が好ましい。
前記構成11の出没式筆記具1は、筆記体3の前部外面(即ちインキ保溜部材6のインキ保溜部の前方の外面)に通気路7の開口部71を設けたことにより、ペン先没入時の通気路7の開口部71を密閉する構造が、より一層、簡易なものとなる。
(構成12)
前記構成10の出没式筆記具1において、筆記体3の後端に、後方に開口する通気路7の開口部71を設け、軸筒2の後部内面にシール体24を固定してなること(構成12)が好ましい。
前記構成12の出没式筆記具1は、筆記体3の後端(即ちインキタンク41の後方)に、後方に開口する通気路7の開口部71を設け、軸筒2内の後部内部にシール体24を固定してなることにより、ペン先没入時の筆記体3の後方付勢力を利用することにより、シール体24と通気路7の開口部71とを前後方向に確実に密接させることができ、ペン先没入時の通気路7の開口部71の確実な密閉が得られる。さらに、前記構成12の出没式筆記具1は、筆記体3の後端に、後方に開口する通気路7の開口部71を設けたことにより、ペン先突出時に、ペン先下向き状態でインキタンク41内の圧力が上昇しても、通気路7の開口部71が上向き状態であるため、通気路7の開口部71から外部にインキが漏出することを、一層回避できる。
(構成13)
前記構成12の出没式筆記具1において、筆記体3が、内部にインキタンク41を備え且つ内部にインキ保溜部材6を収容する筒状の容器4からなり、通気路7が、インキタンク41からインキ保溜部材6のインキ保溜部前方までの第1の通気路7aと、該第1の通気路7aの前端と連通し且つ前記容器4の後端より後方に開口する第2の通気路7bとからなり、前記容器4の外壁に前記第2の通気路7bを形成したこと(構成13)が好ましい。
前記構成13の出没式筆記具1は、インキタンク41内部から筆記体3の後端に至る通気路7を確実に形成できる。さらに、前記構成13の出没式筆記具1は、インキタンク41から通気路7の開口部71までの通気路7の長さを長く設定でき、ペン先下向き状態でインキタンク41内の圧力が上昇しても、通気路7の開口部71から外部にインキが漏出することを、より一層回避できる。
(構成14)
前記構成13の出没式筆記具1において、容器4の外面に、筒状の外装体31を装着し、前記容器4の外面と前記外装体31の内面との間に第2の通気路7bを形成したこと(構成14)が好ましい。
前記構成14の出没式筆記具1は、インキタンク41内部から筆記体3の後端面に至る通気路7を、一層確実に形成できる。
(構成15)
前記構成13の出没式筆記具1において、容器4の外面に管状壁部46を一体に形成し、前記管状壁部46の内部に第2の通気路7bを形成したこと(構成15)が好ましい。
前記構成15の出没式筆記具1は、インキタンク41内部から筆記体3の後端面に至る通気路7を、一層確実に形成できるとともに、部品点数の増加を抑えることができる。
(構成16)
前記構成3の出没式筆記具1において、前記シール装置8が、筆記体3の前部外面に設けた通気路7の開口部71と、前記通気路7の開口部71内部に外方に付勢された状態で収容された弁体81と、前記通気路7の開口端部に設けられ、前記外方に付勢された弁体81が密接可能な弁座82と、軸筒2の前部内面に設けた押圧壁部23とからなり、ペン先没入時に、前記弁体81が前記弁座82に密接して通気路7の開口部71を閉鎖し、ペン先突出時に、前記押圧壁部23が前記弁体81を後方に押圧して通気路7の開口部71を開放してなること(構成16)が好ましい。
前記構成16の出没式筆記具1は、ペン先没入時の通気路7の開口部71を確実に密閉することができ、ペン先突出時の通気路7の開口部71を確実に開口することができる。また、前記構成16の出没式筆記具1は、ペン先没入状態からペン先突出状態までの過程において、通気路7の開口部71の閉鎖状態を長く設定することができ、その結果、不完全なペン先突出操作をした場合でも、通気路7が開放されることを一層回避でき、通気路7から外部へのインキ蒸発及びインキ漏出を一層抑えることができる。
本発明の出没式筆記具は、構成1により、ペン先下向き状態において、航空機内等での急激な圧力変化が生じ、インキタンク内の空気が急激に膨張した場合であっても、外部へのインキの吹き出しが防止される。
本発明の出没式筆記具は、構成2により、ペン先上向き状態において、航空機内等での急激な圧力変化が生じ、インキタンク内の空気が急激に膨張した場合であっても、外部へのインキの吹き出しが防止される。
本発明の出没式筆記具は、構成3により、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路からインキタンク内のインキが蒸発することを防止でき、さらに、ペン先没入状態でインキタンク内の圧力が上昇しても、通気路を通って外部にインキが漏出することを防止できる。
本発明の出没式筆記具は、構成4により、いかなる種類のペン先を採用してもペン先没入時にペン先を確実に密閉でき、ペン先の乾燥を防止できる。
本発明の出没式筆記具は、構成5により、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路からインキタンク内のインキが蒸発することを防止でき、さらに、ペン先没入状態でインキタンク内の圧力が上昇しても、通気路を通って外部にインキが漏出することを防止できる。
本発明の出没式筆記具は、構成6により、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路からインキタンク内のインキが蒸発することを防止でき、さらに、ペン先没入状態でインキタンク内の圧力が上昇しても、通気路を通って外部にインキが漏出することを防止できる。
本発明の出没式筆記具は、構成7により、筆記時の疲労感を軽減させることができるとともに、ボール抱持部内縁とボールとの間にゴミ等の異物が混入した場合でも、ペン先没入時のペン先からのインキ蒸発やインキ漏出を確実に防止できる。
本発明の出没式筆記具は、構成8により、ペン先没入時のインキタンクと外気との連通を遮断し、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路からインキタンク内のインキが蒸発することを防止し、さらに、ペン先没入状態でインキタンク内の圧力が上昇しても、通気路を通って外部にインキが漏出することを防止できる。また、前記構成8の出没式筆記具は、ペン先シール部材が、ペン先没入時にペン先を密閉するとともに通気路の開口部71を密閉するため、部品点数の増加を抑えることができる。
本発明の出没式筆記具は、構成9により、ペン先没入状態で長期間保管しても、通気路からインキタンク内のインキが蒸発することを防止し、さらに、ペン先没入状態でインキタンク内の圧力が上昇しても、通気路を通って外部にインキが漏出することを防止できる。
(第1の実施の形態)
図1及び図2に本発明の第1の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2内に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とを備える。
・軸筒
前記軸筒2の前端には、前端孔21が貫設される。前記前端孔21を通して筆記体3のペン先5が外部に突出可能且つ内部に没入可能に構成される。前記軸筒2の前端孔21近傍の内部には、コイルスプリング26が収容され、前記コイルスプリング26により筆記体3が後方に常時付勢される。前記コイルスプリング26の前端は、軸筒2の前端部内壁に形成した前側係止部22に係止され、一方、コイルスプリング26の後端は、筆記体3の外面に形成された後側係止部42に係止される。
・出没機構
前記軸筒2の後端部内部には、出没機構12が設けられる。前記出没機構12は、筆記時、操作部の操作により、筆記体3を前方に移動させ、ペン先5を前端孔21から外部に突出状態にさせ、非筆記時、筆記体3を後方に移動させ、ペン先5を前端孔21から軸筒2内部に没入状態にさせるものである。本実施の形態では、前記出没機構12は、回転カムを用いたノック式機構であり、軸筒2内に配置された円筒状のカム本体121と、該カム本体121内のカム部と係合し且つ筆記体3後端と当接する回転部材122と、該回転部材122と係合し且つ軸筒2後端より突出するノック部123(操作部)とからなる。前記出没機構12は、ペン先突出操作、ペン先没入操作の両操作が、ノック部123を前方へ押圧するダブルノック式である。これ以外にも、前記出没機構12は、筆記体3のペン先5を出没させるものであれば、例えば、軸筒2を回転操作する回転式や、軸筒2の側壁の窓孔より突出された操作部を前方に押圧するスライド式等が挙げられる。
・筆記体
前記筆記体3は、前端にペン先5を備えたインキ保溜部材6と、該インキ保溜部材6を内部前部に収容した容器4と、該容器4の内部のインキ保溜部材6の後方に設けたインキタンク41と、該インキタンク41内と外気とを連通させる通気路7とからなる。
前記容器4は、前端が開口され且つ後端が閉鎖された有底筒状体である。前記容器4の内部前部にはインキ保溜部材6が挿着される。前記容器4内のインキ保溜部材6の後方には、インキタンク41が形成される。前記インキタンク41の内部にはインキが直接、収容される。
・隔壁部
インキ保溜部材6の後方の容器4内面(即ちインキタンク41内面)には、管状部111を備えた隔壁部11が固着される。前記隔壁部11により、前記インキタンク41内が前方の小空間411と後方の大空間412とに区画される。前記管状部111は、隔壁部11の後面より大空間412側に突出される。
前記管状部111の内部には、小空間411と大空間412とを連通させる大径孔112が形成される。前記隔壁部11の外周面には、軸方向に凹溝が貫設される。前記凹溝により、前記隔壁部11を容器4内面に固着した際、隔壁部11外面と容器4内面との間に、小空間411と大空間412とを連通させる小径孔113が形成される。
前記隔壁部11の軸心には、中心孔114が貫設され、該中心孔114にインキ誘導芯62の後端部が挿入される。前記インキ誘導芯62の後端部は、隔壁部11の後面より大空間412側に僅かに突出される。前記インキ誘導芯62は、合成樹脂の押出成形体よりなり、軸方向に延びる環状側壁と、該環状側壁内部に軸方向に延びる毛細管力を有するインキ導出路とを備える。前記インキ誘導芯62が、インキ導出路が環状側壁により包囲される構成であるため、インキ導出路には、後端のみからインキを供給でき、径方向外方から環状側壁を通してはインキを直接供給できない構成となり、小空間411内においてインキ誘導芯62の環状側壁を通してインキ導出路にインキが供給されることがない。それにより、急激な内圧変化時にインキタンク41内の膨張空気がインキ誘導芯62に混入することを防止できる。
前記インキ保溜部材6は、複数の円板状櫛歯61を有する合成樹脂の射出成形体であり、軸心に軸心孔が貫設され、隣接する各々の櫛歯61の間に複数のインキ保溜溝が形成され、前記櫛歯61群の外面に軸方向のインキ誘導スリット(図示せず)が形成され、さらに、前記櫛歯61群の外面に切り欠き状の空気交替溝(図示せず)が形成される。また、前記軸心孔にインキ誘導芯62が挿着される。
前記インキ保溜部材6の前端には、ボールペンチップからなるペン先5が取り付けられる。前記ペン先5は、前端にボールを回転可能に抱持したチップ本体51と、該チップ本体51後部が圧入固着されるペン先保持部材53と、該ペン先保持部材53の内部及びチップ本体51内部に収容され、ボールを前方に押圧する弾発体52とからなる。インキタンク41内のインキは、前記インキ誘導芯62から、弾発体52が収容されたペン先保持部材53の内部及びチップ本体51内部を通ってボールに供給される。前記弾発体52の前方への押圧により、ボールが、チップ本体51のボール抱持部の前端内縁に密接され、それにより、非筆記時における、ペン先5からのインキの漏出やインキの蒸発を防止する。
・通気路
前記通気路7は、容器4内面とインキ保溜部材6の空気交替溝との間に形成される。前記通気路7の開口部71は、容器4の前端の側壁に切り欠き状に形成され、前記通気路7の開口部71を通して通気路7内と外気とが連通される。
・シール装置
前記軸筒2内には、ペン先突出時に通気路7を閉鎖し、ペン先没入時に通気路7を開放するシール装置8が設けられる。前記シール装置8は、軸筒2の前部内壁に固定された環状弾性体よりなるシール体24と、該シール体24が密接することにより密閉される通気路7の開口部71とからなる。前記シール体24は、前後方向に移動する筆記体3の容器4側壁外面と密接摺動する。ペン先没入時に前記シール体24と前記通気路7の開口部71が密接し、前記通気路7の開口部71が密閉される。一方、ペン先突出時に前記シール体24と前記通気路7の開口部71との密接が解除され、前記通気路7の開口部71が開放される。
前記シール体24は通気路7の開口部71の面積より僅かに大きく設定され、それにより、シール体24が開口部71の全周囲に直接、密接され、通気路7の開口部71が密閉される。また、前記通気路7の開口部71は、容器4側壁外面の円周面の一部に形成されているが、シール体24が環状であるため、軸筒2内面に対する筆記体3の円周方向の向きがいずれであっても、シール体24によって確実に密閉できる。
(第2の実施の形態)
図3乃至図6に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2内に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とを備える。
・軸筒
前記軸筒2の前端には、前端孔21が貫設される。前記前端孔21を通して筆記体3のペン先5が外部に突出可能且つ内部に没入可能に構成される。前記軸筒2の前端孔21近傍の内部には、コイルスプリング26が収容され、前記コイルスプリング26により筆記体3が後方に常時付勢される。前記コイルスプリング26の前端は、軸筒2の前端部内壁に形成した前側係止部22に係止され、一方、コイルスプリング26の後端は、筆記体3の外面に形成された後側係止部42に係止される。
・出没機構
前記軸筒2の後端部内部には、出没機構12が設けられる。前記出没機構12は、操作部の操作により、筆記時、筆記体3を前方に移動させ、ペン先5を前端孔21から外部に突出状態にさせ、非筆記時、筆記体3を後方に移動させ、ペン先5を前端孔21から軸筒2内部に没入状態にさせるものである。本実施の形態では、前記出没機構12は、回転カムを用いたノック式機構であり、軸筒2内に配置された円筒状のカム本体121と、該カム本体121内のカム部と係合し且つ筆記体3後端と当接する回転部材122と、該回転部材122と係合し且つ軸筒2後端より突出するノック部123(操作部)とからなる。前記回転部材122は、ペン先突出時に筆記体3の後端(容器4の後端)に当接し、筆記体3を前方に押圧する。前記回転部材122の前端部には、ペン先突出時に筆記体3の後端(容器4の後端)に当接するための棒状部122aが形成される。前記出没機構12は、ペン先突出操作、ペン先没入操作の両操作が、ノック部123を前方へ押圧するダブルノック式である。これ以外にも、前記出没機構12は、筆記体3のペン先5を出没させるものであれば、例えば、軸筒2を回転操作する回転式や、軸筒2の側壁の窓孔より突出された操作部を前方に押圧するスライド式等が挙げられる。
・筆記体
前記筆記体3は、前端にペン先5を備えたインキ保溜部材6と、該インキ保溜部材6を内部前部に収容した容器4と、該容器4の内部のインキ保溜部材6の後方に設けたインキタンク41と、前記容器4の外面に装着される筒状の外装体31と、該外装体31の内面と容器4の外面との間に形成され、インキタンク41内と外気とを連通させる通気路7とからなる。
前記容器4は、前端が開口され且つ後端が閉鎖された有底筒状体である。前記容器4の内部前部にはインキ保溜部材6が挿着される。前記容器4内のインキ保溜部材6の後方には、インキタンク41が形成される。前記インキタンク41の内部にはインキが直接、収容される。
・隔壁部
インキ保溜部材6の後方の容器4内面(即ちインキタンク41内面)には、管状部111を備えた隔壁部11が固着される。前記隔壁部11により、前記インキタンク41内が前方の小空間411と後方の大空間412とに区画される。前記管状部111は、隔壁部11後面より大空間412側に突出される。
前記管状部111の内部には、小空間411と大空間412とを連通させる大径孔112が形成される。前記隔壁部11の外周面には、軸方向に凹溝が貫設される。前記凹溝により、前記隔壁部11を容器4内面に固着した際、隔壁部11外面と容器4内面との間に、小空間411と大空間412とを連通させる小径孔113が形成される。
前記隔壁部11の軸心には、中心孔114が貫設され、該中心孔114にインキ誘導芯62の後端部が挿入される。前記インキ誘導芯62の後端部は、隔壁部11の後面より大空間412側に僅かに突出される。前記インキ誘導芯62は、合成樹脂の押出成形体よりなり、軸方向に延びる環状側壁と、該環状側壁内部に軸方向に延びる毛細管力を有するインキ導出路とを備える。前記インキ誘導芯62が、インキ導出路が環状側壁により包囲される構成であるため、インキ導出路には、後端のみからインキを供給でき、径方向外方から環状側壁を通してはインキを直接供給できない構成となり、小空間411内においてインキ誘導芯62の環状側壁を通してインキ導出路にインキが供給されることがない。それにより、急激な内圧変化時にインキタンク41内の膨張空気がインキ誘導芯62に混入することを防止できる。
前記インキ保溜部材6は、複数の円板状櫛歯61を有する合成樹脂の射出成形体であり、軸心に軸心孔が貫設され、隣接する各々の櫛歯61の間に複数のインキ保溜溝が形成され、前記櫛歯61群の外面に軸方向のインキ誘導スリット(図示せず)が形成され、さらに、前記櫛歯61群の外面に切り欠き状の空気交替溝(図示せず)が形成される。また、前記軸心孔にインキ誘導芯62が挿着される。
前記インキ保溜部材6の前端には、ボールペンチップからなるペン先5が取り付けられる。前記ペン先5は、前端にボールを回転可能に抱持したチップ本体51と、該チップ本体51後部が圧入固着されるペン先保持部材53と、該ペン先保持部材53の内部及びチップ本体51内部に収容され、ボールを前方に押圧する弾発体52とからなる。インキタンク41内のインキは、前記インキ誘導芯62から、弾発体52が収容されたペン先保持部材53の内部及びチップ本体51内部を通ってボールに供給される。前記弾発体52の前方への押圧により、ボールが、チップ本体51のボール抱持部の前端内縁に密接され、それにより、非筆記時における、ペン先5からのインキの漏出やインキの蒸発を防止する。
・外装体
前記外装体31は、両端が開口された筒状体からなる。前記外装体31は容器4の外面に装着され、前記外装体31内に容器4が収容される。前記容器4の外面には軸方向の複数本のリブ43が形成され、前記リブ43外面と外装体31の内面とが嵌合される。前記外装体31の前端開口部71は、ペン先保持部材53が密接されて、常時閉鎖される。前記外装体31の後端開口部71は、外部に開口される。尚、前記軸方向の複数本リブ43は、外装体31の内面に形成してもよい。
・通気路
前記通気路7は、容器4の内面とインキ保溜部材6の空気交替溝との間に形成される第1の通気路7aと、外装体31の内面と容器4の外面との間の前記リブ43間に形成される第2の通気路7bとからなる。前記第1の通気路7aが、インキタンク41からインキ保溜部材6のインキ保溜部前方まで形成され、容器4の前端の側壁に形成された連通孔72を通して、第2の通気路7bと連通される。前記第2の通気路7bは、外装体31の後端開口部71を通して外気と連通される。即ち、外装体31の後端開口部71が、通気路7の開口部71となる。
・シール装置
前記軸筒2内には、ペン先突出時に通気路7を閉鎖し、ペン先没入時に通気路7を開放するシール装置8が設けられる。前記シール装置8は、軸筒2の後部内壁に固定された環状弾性体よりなるシール体24と、該シール体24の内周面と環状に密接する回転部材122の棒状部122aと、前記シール体24が密接することにより密閉される通気路7の開口部71とからなる。ペン先没入時に前記シール体24と前記通気路7の開口部71が前後方向に密接し、前記シール体24の内周面と回転部材122の棒状部122a外周面とが環状に密接することにより、前記通気路7の開口部71が密閉され、インキタンク41内と外気との連通が遮断される。一方、ペン先突出時に前記シール体24と前記通気路7の開口部71との密接が解除され、前記通気路7の開口部71が開放され、インキタンク41内と外気との連通が維持される。前記シール体24の内周面は、少なくともペン先没入時に、回転部材122の棒状部122a外周面と環状に密接される。
前記シール体24の前面には、環状突起が形成される。ペン先没入時、コイルスプリング26の後方付勢により筆記体3が後方に押圧され、それにより、前記環状突起に、通気路7の開口部71の内周縁が密接し、通気路7の開口部71が密閉される。
(第3の実施の形態)
図7乃至図10に本発明の第3の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2内に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とを備える。
・軸筒
前記軸筒2の前端には、前端孔21が貫設される。前記前端孔21を通して筆記体3のペン先5が外部に突出可能且つ内部に没入可能に構成される。前記軸筒2の前端孔21近傍の内部には、コイルスプリング26が収容され、前記コイルスプリング26により筆記体3が後方に常時付勢される。前記コイルスプリング26の前端は、軸筒2の前端部内壁に形成した前側係止部22に係止され、一方、コイルスプリング26の後端は、筆記体3の外面に形成された後側係止部42に係止される。
・出没機構
前記軸筒2の後端部内部には、出没機構12が設けられる。前記出没機構12は、筆記時、筆記体3を前方に移動させ、ペン先5を前端孔21から外部に突出状態にさせ、非筆記時、筆記体3を後方に移動させ、ペン先5を前端孔21から軸筒2内部に没入状態にさせるものである。本実施の形態では、前記出没機構12は、回転カムを用いたノック式機構であり、軸筒2内に配置された円筒状のカム本体121と、該カム本体121内のカム部と係合し且つ筆記体3後端と当接する回転部材122と、該回転部材122と係合し且つ軸筒2後端より突出するノック部123(操作部)とからなる。前記回転部材122は、ペン先突出時に筆記体3の後端(容器4の後端)に当接し、筆記体3を前方に押圧する。前記回転部材122の前端部には、ペン先突出時に筆記体3の後端(容器4の後端)に当接するための棒状部122aが形成される。前記出没機構12は、ペン先突出操作、ペン先没入操作の両操作が、ノック部123を前方へ押圧するダブルノック式である。これ以外にも、前記出没機構12は、筆記体3のペン先5を出没させるものであれば、例えば、軸筒2を回転操作する回転式や、軸筒2の側壁の窓孔より突出された操作部を前方に押圧するスライド式等が挙げられる。
・筆記体
前記筆記体3は、前端にペン先5を備えたインキ保溜部材6と、該インキ保溜部材6を内部前部に収容した容器4と、該容器4の内部のインキ保溜部材6の後方に設けたインキタンク41と、前記容器4の外面に形成され、インキタンク41内と外気とを連通させる通気路7とからなる。
前記容器4は、前端が開口され且つ後端が閉鎖された有底筒状体である。前記容器4の内部前部にはインキ保溜部材6が挿着される。前記容器4内のインキ保溜部材6の後方には、インキタンク41が形成される。前記インキタンク41の内部にはインキが直接、収容される。
・隔壁部
インキ保溜部材6の後方の容器4内面(即ちインキタンク41内面)には、管状部111を備えた隔壁部11が固着される。前記隔壁部11により、前記インキタンク41内が前方の小空間411と後方の大空間412とに区画される。前記管状部111は、隔壁部11の後面より大空間412側に突出される。
前記管状部111の内部には、小空間411と大空間412とを連通させる大径孔112が形成される。前記隔壁部11の外周面には、軸方向に凹溝が貫設される。前記凹溝により、前記隔壁部11を容器4内面に固着した際、隔壁部11外面と容器4内面との間に、小空間411と大空間412とを連通させる小径孔113が形成される。
前記隔壁部11の軸心には、中心孔114が貫設され、該中心孔114にインキ誘導芯62の後端部が挿入される。前記インキ誘導芯62の後端部は、隔壁部11の後面より大空間412側に僅かに突出される。前記インキ誘導芯62は、合成樹脂の押出成形体よりなり、軸方向に延びる環状側壁と、該環状側壁内部に軸方向に延びる毛細管力を有するインキ導出路とを備える。前記インキ誘導芯62が、インキ導出路が環状側壁により包囲される構成であるため、インキ導出路には、後端のみからインキを供給でき、径方向外方から環状側壁を通してはインキを直接供給できない構成となり、小空間411内においてインキ誘導芯62の環状側壁を通してインキ導出路にインキが供給されることがない。それにより、急激な内圧変化時にインキタンク41内の膨張空気がインキ誘導芯62に混入することを防止できる。
前記インキ保溜部材6は、複数の板状櫛歯61を有する合成樹脂の射出成形体であり、軸心に軸心孔が貫設され、隣接する各々の櫛歯61の間に複数のインキ保溜溝が形成され、前記櫛歯61群の外面に軸方向のインキ誘導スリット(図示せず)が形成され、さらに、前記櫛歯61群の外面に切り欠き状の空気交替溝(図示せず)が形成される。また、前記軸心孔にインキ誘導芯62が挿着される。
前記インキ保溜部材6の前端には、ボールペンチップからなるペン先5が取り付けられる。前記ペン先5は、前端にボールを回転可能に抱持したチップ本体51と、該チップ本体51が圧入固着されるペン先保持部材53と、該ペン先保持部材53の内部及びチップ本体51内部に収容され、ボールを前方に押圧する弾発体52とからなる。インキタンク41内のインキは、前記インキ誘導芯62から、弾発体52が収容されたペン先保持部材53の内部及びチップ本体51内部を通ってボールに供給される。前記弾発体52の前方への押圧により、ボールが、チップ本体51のボール抱持部の前端内縁に密接され、それにより、非筆記時における、ペン先5からのインキの漏出やインキの蒸発を防止する。
・管状壁部
前記容器4の外面には、軸方向に延びる管状壁部46が一体に形成される。前記容器4と前記管状壁部46が一体に連設された部分の筆記体3の横断面形状は、円形状であり、前記容器4と前記管状壁部46とは、軸方向に延びる平板状の隔壁44により仕切られる(図10参照)。即ち、前記容器4と前記管状壁部46が一体に連設された部分の横断面形状は、前記容器4内面が、直径より短い線分で円を2分割した大面積側の形状を有し、前記管状壁部46内面が、直径より短い線分で円を2分割した小面積側の形状を有する。前記管状壁部46の後端は、容器4の底壁より後方に突出され、筆記体3の軸心と同心の円形状からなる円筒状壁部45を形成する。前記円筒状壁部45が、後方に開口され、通気路7の開口部71を構成する。
・通気路
通気路7は、容器4の内面とインキ保溜部材6の空気交替溝との間に形成される第1の通気路7aと、管状壁部46の内部に形成される第2の通気路7bとからなる。前記第1の通気路7aが、インキタンク41からインキ保溜部材6のインキ保溜部前方まで形成され、容器4の前端の側壁に形成された連通孔72を通して、第2の通気路7bと連通される。前記第2の通気路7bは、管状壁部46の後端の円筒状壁部45の開口部71を通して外気と連通される。即ち、円筒状壁部45の開口部71が、通気路7の開口部71となる。
・シール装置
前記軸筒2内には、ペン先突出時に通気路7を閉鎖し、ペン先没入時に通気路7を開放するシール装置8が設けられる。前記シール装置8は、軸筒2の後部内壁に固定された環状弾性体よりなるシール体24と、該シール体24の内周面と環状に密接する回転部材122の棒状部122aと、前記シール体24が密接することにより密閉される通気路7の開口部71とからなる。ペン先没入時に前記シール体24と前記通気路7の開口部71が前後方向に密接し、シール体24の内周面と回転部材122の棒状部122a外周面が環状に密接することにより、前記通気路7の開口部71が密閉され、インキタンク41内と外気との連通が遮断される。一方、ペン先突出時に前記シール体24と前記通気路7の開口部71との密接が解除され、前記通気路7の開口部71が開放され、インキタンク41内と外気との連通が維持される。前記シール体24の内周面は、少なくともペン先没入時に、回転部材122の棒状部122a外周面と環状に密接される。
前記シール体24の前面には、前方に向かうに従い次第に外径が小さくなる円錐面状外面が形成される。ペン先没入時、コイルスプリング26の後方付勢により筆記体3が後方に押圧され、それにより、前記シール体24の円錐面状外面に、通気路7の開口部71(円筒状壁部45の開口部71)の内周縁が密接し、通気路7の開口部71が密閉される。
(第4の実施の形態)
図11乃至図12に本発明の第4の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2内に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とを備える。
・軸筒
前記軸筒2の前端には、前端孔21が貫設される。前記前端孔21を通して筆記体3のペン先5が外部に突出可能且つ内部に没入可能に構成される。前記軸筒2の前部内部には、コイルスプリング26が収容され、前記コイルスプリング26により筆記体3が後方に常時付勢される。前記コイルスプリング26の前端は、軸筒2の前部内壁に形成した前側係止部22に係止され、一方、コイルスプリング26の後端は、筆記体3の外面に形成された後側係止部42に係止される。
・出没機構
前記軸筒2の後端部内部には、出没機構12が設けられる。前記出没機構12は、筆記時、筆記体3を前方に移動し、ペン先5を前端孔21から外部に突出状態にさせ、非筆記時、筆記体3を後方に移動させ、ペン先5を前端孔21から軸筒2内部に没入状態にさせるものである。本実施の形態では、前記出没機構12は、回転カムを用いたノック式機構であり、軸筒2内に配置された円筒状のカム本体121と、該カム本体121内のカム部と係合し且つ筆記体3後端と当接する回転部材122と、該回転部材122と係合し且つ軸筒2後端より突出するノック部123(操作部)とからなる。前記出没機構12は、ペン先突出操作、ペン先没入操作の両操作が、ノック部123を前方へ押圧するダブルノック式である。これ以外にも、前記出没機構12は、筆記体3のペン先5を出没させるものであれば、例えば、軸筒2を回転操作する回転式や、軸筒2の側壁の窓孔より突出された操作部を前方に押圧するスライド式等が挙げられる。
・筆記体
前記筆記体3は、前端にペン先5を備えたインキ保溜部材6と、該インキ保溜部材6を内部前部に収容した容器4と、該容器4の内部のインキ保溜部材6の後方に設けたインキタンク41と、該インキタンク41内と外気とを連通させる通気路7とからなる。
前記容器4は、前端が開口され且つ後端が閉鎖された有底筒状体である。前記容器4の内部前部にはインキ保溜部材6が挿着される。前記容器4内のインキ保溜部材6の後方には、インキタンク41が形成される。前記インキタンク41の内部にはインキが直接、収容される。
・隔壁部
インキ保溜部材6の後方の容器4内面(即ちインキタンク41内面)には、管状部111を備えた隔壁部11が固着される。前記隔壁部11により、前記インキタンク41内が前方の小空間411と後方の大空間412とに区画される。前記管状部111は、隔壁部11の後面より大空間412側に突出される。
前記管状部111の内部には、小空間411と大空間412とを連通させる大径孔112が形成される。前記隔壁部11の外周面には、軸方向に凹溝が貫設される。前記凹溝により、前記隔壁部11を容器4内面に固着した際、隔壁部11外面と容器4内面との間に、小空間411と大空間412とを連通させる小径孔113が形成される。
前記隔壁部11の軸心には、中心孔114が貫設され、該中心孔114にインキ誘導芯62の後端部が挿入される。前記インキ誘導芯62の後端部は、隔壁部11の後面より大空間412側に僅かに突出される。前記インキ誘導芯62は、合成樹脂の押出成形体よりなり、軸方向に延びる環状側壁と、該環状側壁内部に軸方向に延びる毛細管力を有するインキ導出路とを備える。前記インキ誘導芯62が、インキ導出路が環状側壁により包囲される構成であるため、インキ導出路には、後端のみからインキを供給でき、径方向外方から環状側壁を通してはインキを直接供給できない構成となり、小空間411内においてインキ誘導芯62の環状側壁を通してインキ導出路にインキが供給されることがない。それにより、急激な内圧変化時にインキタンク41内の膨張空気がインキ誘導芯62に混入することを防止できる。
前記インキ保溜部材6は、複数の円板状櫛歯61を有する合成樹脂の射出成形体であり、軸心に軸心孔が貫設され、隣接する各々の櫛歯61の間に複数のインキ保溜溝が形成され、前記櫛歯61群の外面に軸方向のインキ誘導スリット(図示せず)が形成され、さらに、前記櫛歯61群の外面に切り欠き状の空気交替溝(図示せず)が形成される。また、前記軸心孔にインキ誘導芯62が挿着される。
前記インキ保溜部材6の前端には、ボールペンチップからなるペン先5が取り付けられる。前記ペン先5は、前端にボールを回転可能に抱持したチップ本体51と、該チップ本体51後部が圧入固着されるペン先保持部材53と、該ペン先保持部材53の内部及びチップ本体51内部に収容され、ボールを前方に押圧する弾発体52とからなる。インキタンク41内のインキは、前記インキ誘導芯62から、弾発体52が収容されたペン先保持部材53の内部及びチップ本体51内部を通ってボールに供給される。前記弾発体52の前方への押圧によりボールが、チップ本体51のボール抱持部の前端内縁に密接され、それにより、非筆記時における、ペン先5からのインキの漏出やインキの蒸発を防止する。
・通気路
前記通気路7は、容器4内面とインキ保溜部材6の空気交替溝との間に形成される。前記通気路7の開口部71は、前方に開口するよう、容器4の前端に設けられる。前記通気路7の開口部71を通して通気路7内と外気とが連通される。
・シール装置
前記軸筒2内には、ペン先突出時に通気路7を閉鎖し、ペン先没入時に通気路7を開放するシール装置8が設けられる。前記シール装置8は、筆記体3の前部外面に設けた通気路7の開口部71と、前記通気路7の開口部71内部に外方に付勢された状態で収容された弁体81と、前記通気路7の開口端部に設けられ、前記弁体81が密接可能な弁座82と、軸筒2の前部内面に設けた押圧壁部23とからなる。ペン先没入時に、前記弁体81と前記弁座82とが密接して通気路7の開口部71が閉鎖され、ペン先突出時に、前記押圧壁部23が前記弁体81を後方に押圧して通気路7の開口部71が開放される。
前記弁体81は、通気路7の開口部71内部に、前後方向に移動可能に収容される。前記通気路7の開口部71内部の弁体81の後方には、弁体81を常時前方に付勢する弾発体83(例えばコイルスプリング)が収容される。前記容器4の前端開口部71に取り付けられるペン先保持部材53には、前記通気路7の開口部71が設けられる。前記通気路7の開口端部には、前方に付勢された弁体81が密接可能な弁座82が形成される。前記弁体81の前端部は、弁座82より前方に突出されるとともに、ペン先突出時、押圧壁部23と当接される。尚、本発明において、前記弁体81と弾発体83とは、弾性材料により一体に形成したものでもよい。
前記押圧壁部23は、軸筒2の前端孔21近傍の内壁に一体に形成される軸方向に延びるリブ43からなる。前記押圧壁部23が、筆記体3の外面に形成した軸方向の凹溝に係合し、筆記体3と軸筒2との円周方向の位置(即ち通気路7の開口部71と押圧壁部23の円周方向の位置)を合わせることができる。
(第5の実施の形態)
図13及び図14に本発明の第5の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2内に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とを備える。
・軸筒
前記軸筒2の前端には、前端孔21が貫設される。前記前端孔21を通して筆記体3のペン先5が外部に突出可能且つ内部に没入可能に構成される。前記軸筒2の内部には、コイルスプリング26が収容され、前記コイルスプリング26により筆記体3が後方に常時付勢される。前記コイルスプリング26の前端は、軸筒2の内面に形成した前側係止部22に係止され、一方、コイルスプリング26の後端は、筆記体3の外面に形成した後側係止部42に係止される。本実施の形態では、前記軸筒2は、前端孔21を備える前軸2aと、該前軸2aと連結される後軸2bとからなる二部材で構成される。前記前軸2aの内面には前側係止部22が形成され、前記前側係止部22の後面が後軸2bの前端に当接される。尚、前記軸筒2は一部材で構成してもよい。
前記軸筒2(前軸2a)の前端部は、軸線に対して非垂直面からなる傾斜面となっている。前記軸筒2の前端部の傾斜面に前端孔21が開口される。
・出没機構
前記軸筒2(後軸2b)の後端部内部には、出没機構12が設けられる。前記出没機構12は、筆記時、操作部の操作により、筆記体3を前方に移動させ、ペン先5を前端孔21から外部に突出状態にさせ、非筆記時、筆記体3を後方に移動させ、ペン先5を前端孔21から軸筒2内部に没入状態にさせるものである。本実施の形態では、前記出没機構12は、回転カムを用いたノック式機構であり、軸筒2内に配置された円筒状のカム本体121と、該カム本体121内のカム部と係合し且つ筆記体3後端と当接する回転部材122と、該回転部材122と係合し且つ軸筒2後端より突出するノック部123(操作部)とからなる。前記出没機構12は、ペン先突出操作、ペン先没入操作の両操作が、ノック部123を前方へ押圧するダブルノック式である。これ以外にも、前記出没機構12は、筆記体3のペン先5を出没させるものであれば、例えば、軸筒2を回転操作する回転式や、軸筒2の側壁の窓孔より突出された操作部を前方に押圧するスライド式等が挙げられる。
・筆記体
前記筆記体3は、前端にペン先5を備えたインキ保溜部材6と、該インキ保溜部材6を内部前部に収容した容器4と、該容器4の内部のインキ保溜部材6の後方に設けたインキタンク41と、該インキタンク41内と外気とを連通させる通気路7とからなる。
前記容器4は、前端が開口され且つ後端が閉鎖された有底筒状体である。前記容器4の内部前部にはインキ保溜部材6が挿着される。前記容器4内のインキ保溜部材6の後方には、インキタンク41が形成される。前記インキタンク41の内部にはインキが直接、収容される。前記容器4の前端部外面には環状凸部32が形成される。
・隔壁部
インキ保溜部材6の後方の容器4内面(即ちインキタンク41内面)には、管状部111を備えた隔壁部11が固着される。前記隔壁部11により、前記インキタンク41内が前方の小空間411と後方の大空間412とに区画される。前記管状部111は、隔壁部11の後面より大空間412側に突出される。
前記管状部111の内部には、小空間411と大空間412とを連通させる大径孔112が形成される。前記隔壁部11の外周面には、軸方向に凹溝が貫設される。前記凹溝により、前記隔壁部11を容器4内面に固着した際、隔壁部11外面と容器4内面との間に、小空間411と大空間412とを連通させる小径孔113が形成される。
前記隔壁部11の軸心には、中心孔114が貫設され、該中心孔114にインキ誘導芯62の後端部が挿入される。前記インキ誘導芯62の後端部は、隔壁部11の後面より大空間412側に僅かに突出される。前記誘導芯は、合成樹脂の押出成形体よりなり、軸方向に延びる環状側壁と、該環状側壁内部に軸方向に延びる毛細管力を有するインキ導出路とを備える。前記インキ誘導芯62が、インキ導出路が環状側壁により包囲される構成であるため、インキ導出路には、後端のみからインキを供給でき、径方向外方から環状側壁を通してはインキを直接供給できない構成となり、小空間411内においてインキ誘導芯62の環状側壁を通してインキ導出路にインキが供給されることがない。それにより、急激な内圧変化時にインキタンク41内の膨張空気がインキ誘導芯62に混入することを防止できる。
前記インキ保溜部材6は、複数の円板状櫛歯61を有する合成樹脂の射出成形体であり、軸心に軸心孔が貫設され、隣接する各々の櫛歯61の間に複数のインキ保溜溝が形成され、前記櫛歯61群の外面に軸方向のインキ誘導スリット(図示せず)が形成され、さらに、前記櫛歯61群の外面に切り欠き状の空気交替溝(図示せず)が形成される。また、前記軸心孔にインキ誘導芯62が挿着される。
前記インキ保溜部材6の前端には、ボールペンチップからなるペン先5が取り付けられる。前記ペン先5は、前端にボールを回転可能に抱持したチップ本体51と、該チップ本体51後部が圧入固着されるペン先保持部材53とからなる。前記ペン先保持部材53の内部には、前記インキ誘導芯62の前端と接続される繊維加工体からなるインキ中継芯54が収容され、前記チップ本体51の内部には、前記インキ中継芯54の前端と接続される合成樹脂押出成形体からなるインキ供給芯55が収容される。インキタンク41内のインキは、前記インキ誘導芯62から、ペン先保持部材53の内部のインキ中継芯54に供給され、前記インキ中継芯54からチップ本体51内部のインキ供給芯55に供給され、前記インキ供給芯55からボールに供給される。
・通気路
前記通気路7は、容器4内面とインキ保溜部材6の空気交替溝との間に形成される。前記空気交替溝の前端は、前記容器4の前端の環状凸部32より前方に位置され、それにより、前記通気路7の開口部71は、容器4の前端開口部71の前方に位置される。前記通気路7の開口部71を通して通気路7内及びインキタンク41内と外気とが連通される。
・開閉部材
軸筒2(前軸2a)の外面には、前端孔21を開閉する開閉部材9が取り付けられる。前記開閉部材9は、前端孔21の周壁に密接可能な弾性材料よりなる蓋体91と、該蓋体91を後方に付勢するバネ部材92とからなる。前記蓋体91の一端が、前軸2aの前端の傾斜面状の周壁の後端側に支持され、前記蓋体91が回動可能となる。ペン先没入時に、蓋体91が前端孔21の周壁に密接され、開閉部材9により前端孔21が閉鎖される。一方、ペン先突出時に、蓋体91が筆記体3により前方へ押しやられて、蓋体91と前端孔21の周壁との密接が解除され、前端孔21が開口される。
・環状のシール体
軸筒2の前部内面(具体的には、前軸2aの前側係止部22の前方の内面)には弾性材料からなる環状のシール体24が固定される。前記シール体24の前方には、筆記体3の環状凸部32が位置している。ペン先没入時、前記環状のシール体24が、通気路7の開口部71の後方の筆記体3の外面に形成された環状凸部32の後面に密接される。一方、ペン先突出時、前記環状のシール体24と環状凸部32との密接が解除される。
・シール空間
ペン先没入時、開閉部材9により前端孔21が閉鎖されるとともに、環状のシール体24と環状凸部32とが密接され、それにより、軸筒2内部の前端孔21後方に、密閉された空間よりなるシール空間25が形成され、前記シール空間25内部に、ペン先5と、通気路7の開口部71が収容される。一方、ペン先突出時に、開閉部材9が前端孔21を開口させ且つシール体24と環状凸部32との密接が解除され、それにより、前記シール空間25が開放され、通気路7の開口部71を通して通気路7内及びインキタンク41内と外気とが連通可能となる。
(第6の実施の形態)
図15及び図16に本発明の第6の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2内に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とを備える。
・軸筒
前記軸筒2の前端には、前端孔21が貫設される。前記前端孔21を通して筆記体3のペン先5が外部に突出可能且つ内部に没入可能に構成される。前記軸筒2の内部には、コイルスプリング26が収容され、前記コイルスプリング26により筆記体3が後方に常時付勢される。前記コイルスプリング26の前端は、軸筒2の内面に形成した前側係止部22に係止され、一方、コイルスプリング26の後端は、筆記体3の外面に形成した後側係止部42に係止される。本実施の形態では、前記軸筒2は、前端孔21を備える前軸2aと、該前軸2aと連結される後軸2bとからなる二部材で構成される。前記前軸2aの内面には前側係止部22が形成され、前記前側係止部22の後面が後軸2bの前端に当接される。尚、前記軸筒2は一部材で構成してもよい。
前記軸筒2(前軸2a)の前端部は、軸線に対して非垂直面からなる傾斜面となっている。前記軸筒2の前端部の傾斜面に前端孔21が開口される。
・出没機構
前記軸筒2(後軸2b)の後端部内部には、出没機構12が設けられる。前記出没機構12は、筆記時、操作部の操作により、筆記体3を前方に移動させ、ペン先5を前端孔21から外部に突出状態にさせ、非筆記時、筆記体3を後方に移動させ、ペン先5を前端孔21から軸筒2内部に没入状態にさせるものである。本実施の形態では、前記出没機構12は、回転カムを用いたノック式機構であり、軸筒2内に配置された円筒状のカム本体121と、該カム本体121内のカム部と係合し且つ筆記体3後端と当接する回転部材122と、該回転部材122と係合し且つ軸筒2後端より突出するノック部123(操作部)とからなる。前記出没機構12は、ペン先突出操作、ペン先没入操作の両操作が、ノック部123を前方へ押圧するダブルノック式である。これ以外にも、前記出没機構12は、筆記体3のペン先5を出没させるものであれば、例えば、軸筒2を回転操作する回転式や、軸筒2の側壁の窓孔より突出された操作部を前方に押圧するスライド式等が挙げられる。
・筆記体
前記筆記体3は、前端にペン先5を備えたインキ保溜部材6と、該インキ保溜部材6を内部前部に収容した容器4と、該容器4の内部のインキ保溜部材6の後方に設けたインキタンク41と、該インキタンク41内と外気とを連通させる通気路7とからなる。
前記容器4は、前端が開口され且つ後端が閉鎖された有底筒状体である。前記容器4の内部前部にはインキ保溜部材6が挿着される。前記容器4内のインキ保溜部材6の後方には、インキタンク41が形成される。前記インキタンク41の内部にはインキが直接、収容される。前記容器4の前端部外面には環状凸部32が形成される。
・隔壁部
インキ保溜部材6の後方の容器4内面(即ちインキタンク41内面)には、管状部111を備えた隔壁部11が固着される。前記隔壁部11により、前記インキタンク41内が前方の小空間411と後方の大空間412とに区画される。前記管状部111は、隔壁部11の後面より大空間412側に突出される。
前記管状部111の内部には、小空間411と大空間412とを連通させる大径孔112が形成される。前記隔壁部11の外周面には、軸方向に凹溝が貫設される。前記凹溝により、前記隔壁部11を容器4内面に固着した際、隔壁部11外面と容器4内面との間に、小空間411と大空間412とを連通させる小径孔113が形成される。
前記隔壁部11の軸心には、中心孔114が貫設され、該中心孔114にインキ誘導芯62の後端部が挿入される。前記インキ誘導芯62の後端部は、隔壁部11の後面より大空間412側に僅かに突出される。前記誘導芯は、合成樹脂の押出成形体よりなり、軸方向に延びる環状側壁と、該環状側壁内部に軸方向に延びる毛細管力を有するインキ導出路とを備える。前記インキ誘導芯62が、インキ導出路が環状側壁により包囲される構成であるため、インキ導出路には、後端のみからインキを供給でき、径方向外方から環状側壁を通してはインキを直接供給できない構成となり、小空間411内においてインキ誘導芯62の環状側壁を通してインキ導出路にインキが供給されることがない。それにより、急激な内圧変化時にインキタンク41内の膨張空気がインキ誘導芯62に混入することを防止できる。
前記インキ保溜部材6は、複数の円板状櫛歯61を有する合成樹脂の射出成形体であり、軸心に軸心孔が貫設され、隣接する各々の櫛歯61の間に複数のインキ保溜溝が形成され、前記櫛歯61群の外面に軸方向のインキ誘導スリット(図示せず)が形成され、さらに、前記櫛歯61群の外面に切り欠き状の空気交替溝(図示せず)が形成される。また、前記軸心孔にインキ誘導芯62が挿着される。
前記インキ保溜部材6の前端には、ボールペンチップからなるペン先5が取り付けられる。前記ペン先5は、前端にボールを回転可能に抱持したチップ本体51と、該チップ本体51後部が圧入固着されるペン先保持部材53とからなる。前記ペン先保持部材53の内部には、前記インキ誘導芯62の前端と接続される繊維加工体からなるインキ中継芯54が収容され、前記チップ本体51の内部には、前記インキ中継芯54の前端と接続される合成樹脂押出成形体からなるインキ供給芯55が収容される。インキタンク41内のインキは、前記インキ誘導芯62から、ペン先保持部材53の内部のインキ中継芯54に供給され、前記インキ中継芯54からチップ本体51内部のインキ供給芯55に供給され、前記インキ供給芯55からボールに供給される。
前記ペン先保持部材53は、容器4の前端開口部71内面に圧入固着されるとともに、インキ保溜部材6の前端に取り付けられる。前記ペン先保持部材53の外面には環状凸部32が形成され、該環状凸部32の後面が、容器4の前端と当接される。
・通気路
前記通気路7は、容器4内面とインキ保溜部材6の空気交替溝との間に形成される。前記通気路7の前端は、前記容器4の前端部に形成した切り欠きにより径方向外方に開口される。それにより、前記通気路7の開口部71は、容器4の前端部に位置される。即ち、通気路7の開口部71は、環状凸部32よりも後方の筆記体3の外面から、径方向外方に開口される。前記通気路7の開口部71を通して通気路7内及びインキタンク41内と外気とが連通される。
・開閉部材
軸筒2(前軸2a)の外面には、前端孔21を開閉する開閉部材9が取り付けられる。前記開閉部材9は、前端孔21の周壁に密接可能な弾性材料よりなる蓋体91と、該蓋体91を後方に付勢するバネ部材92とからなる。前記蓋体91の一端が、前軸2aの前端の傾斜面状の周壁の後端側に支持され、前記蓋体91が回動可能となる。ペン先没入時に、蓋体91が前端孔21の周壁に密接され、開閉部材9により前端孔21が閉鎖される。一方、ペン先突出時に、蓋体91が筆記体3により前方へ押しやられて、蓋体91と前端孔21の周壁との密接が解除され、前端孔21が開口される。
・環状のシール体
軸筒2の前部内面(具体的には、前軸2aの前側係止部22の前方の内面)には弾性材料からなる環状のシール体24が固定される。前記シール体24の前方には、筆記体3の環状凸部32が位置している。ペン先没入時、前記環状のシール体24が、通気路7の開口部71の開口縁に密接され、該通気路7の開口部71が密閉される。一方、ペン先突出時、前記環状のシール体24と通気路7の開口部71の開口縁との密接が解除される。
前記シール体24は通気路7の開口部71の面積より僅かに大きく設定され、それにより、シール体24が開口部71の全周囲に直接、密接され、通気路7の開口部71が密閉される。また、前記通気路7の開口部71は、容器4側壁外面の円周面の一部に形成されているが、シール体24が環状であるため、筆記体3の回転方向の向きがいずれであっても、シール体24によって確実に密閉できる。
・シール空間
ペン先没入時、開閉部材9により前端孔21が閉鎖されるとともに、環状のシール体24と通気路7の開口部71の開口縁とが密接され、前記通気路7の開口部71が密閉され、それにより、軸筒2内部の前端孔21後方に、密閉された空間よりなるシール空間25が形成され、前記シール空間25内部に、ペン先5が収容される。一方、ペン先突出時に、開閉部材9が前端孔21を開口させ且つシール体24と通気路7の開口部71の開口縁との密接が解除され、それにより、前記シール空間25が開放され、通気路7の開口部71を通して通気路7内及びインキタンク41内と外気とが連通可能となる。
(第7の実施の形態)
図17及び図18に本発明の第7の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2内に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とを備える。
・軸筒
前記軸筒2の前端には、前端孔21が貫設される。前記前端孔21を通して筆記体3のペン先5が外部に突出可能且つ内部に没入可能に構成される。前記軸筒2の内部には、コイルスプリング26が収容され、前記コイルスプリング26により筆記体3が後方に常時付勢される。前記コイルスプリング26の前端は、軸筒2の内面に形成した前側係止部22に係止され、一方、コイルスプリング26の後端は、筆記体3の外面に形成した後側係止部42に係止される。
・出没機構
前記軸筒2の後端部内部には、出没機構12が設けられる。前記出没機構12は、筆記時、操作部の操作により、筆記体3を前方に移動させ、ペン先5を前端孔21から外部に突出状態にさせ、非筆記時、筆記体3を後方に移動させ、ペン先5を前端孔21から軸筒2内部に没入状態にさせるものである。本実施の形態では、前記出没機構12は、回転カムを用いたノック式機構であり、軸筒2内に配置された円筒状のカム本体121と、該カム本体121内のカム部と係合し且つ筆記体3後端と当接する回転部材122と、該回転部材122と係合し且つ軸筒2後端より突出するノック部123(操作部)とからなる。前記出没機構12は、ペン先突出操作、ペン先没入操作の両操作が、ノック部123を前方へ押圧するダブルノック式である。これ以外にも、前記出没機構12は、筆記体3のペン先5を出没させるものであれば、例えば、軸筒2を回転操作する回転式や、軸筒2の側壁の窓孔より突出された操作部を前方に押圧するスライド式等が挙げられる。
・筆記体
前記筆記体3は、前端にペン先5を備えたインキ保溜部材6と、該インキ保溜部材6を内部前部に収容した容器4と、該容器4の内部のインキ保溜部材6の後方に設けたインキタンク41と、該インキタンク41内と外気とを連通させる通気路7とからなる。
前記容器4は、前端が開口され且つ後端が閉鎖された有底筒状体である。前記容器4の内部前部にはインキ保溜部材6が挿着される。前記容器4内のインキ保溜部材6の後方には、インキタンク41が形成される。前記インキタンク41の内部にはインキが直接、収容される。
・隔壁部
インキ保溜部材6の後方の容器4内面(即ちインキタンク41内面)には、管状部111を備えた隔壁部11が固着される。前記隔壁部11により、前記インキタンク41内が前方の小空間411と後方の大空間412とに区画される。前記管状部111は、隔壁部11の後面より大空間412側に突出される。
前記管状部111の内部には、小空間411と大空間412とを連通させる大径孔112が形成される。前記隔壁部11の外周面には、軸方向に凹溝が貫設される。前記凹溝により、前記隔壁部11を容器4内面に固着した際、隔壁部11外面と容器4内面との間に、小空間411と大空間412とを連通させる小径孔113が形成される。
前記隔壁部11の軸心には、中心孔114が貫設され、該中心孔114にインキ誘導芯62の後端部が挿入される。前記インキ誘導芯62の後端部は、隔壁部11の後面より大空間412側に僅かに突出される。前記誘導芯は、合成樹脂の押出成形体よりなり、軸方向に延びる環状側壁と、該環状側壁内部に軸方向に延びる毛細管力を有するインキ導出路とを備える。前記インキ誘導芯62が、インキ導出路が環状側壁により包囲される構成であるため、インキ導出路には、後端のみからインキを供給でき、径方向外方から環状側壁を通してはインキを直接供給できない構成となり、小空間411内においてインキ誘導芯62の環状側壁を通してインキ導出路にインキが供給されることがない。それにより、急激な内圧変化時にインキタンク41内の膨張空気がインキ誘導芯62に混入することを防止できる。
前記インキ保溜部材6は、複数の円板状櫛歯61を有する合成樹脂の射出成形体であり、軸心に軸心孔が貫設され、隣接する各々の櫛歯61の間に複数のインキ保溜溝が形成され、前記櫛歯61群の外面に軸方向のインキ誘導スリット(図示せず)が形成され、さらに、前記櫛歯61群の外面に切り欠き状の空気交替溝(図示せず)が形成される。また、前記軸心孔にインキ誘導芯62が挿着される。
前記インキ保溜部材6の前端部には、ボールペンチップからなるペン先5が取り付けられる。前記ペン先5は、前端にボールを回転可能に抱持したチップ本体51と、該チップ本体51後部が圧入固着されるペン先保持部材53とからなる。前記ペン先保持部材53の内部には、前記インキ誘導芯62の前端と接続される繊維加工体からなるインキ中継芯54が収容され、前記チップ本体51の内部には、前記インキ中継芯54の前端と接続される合成樹脂押出成形体からなるインキ供給芯55が収容される。インキタンク41内のインキは、前記インキ誘導芯62から、ペン先保持部材53の内部のインキ中継芯54に供給され、前記インキ中継芯54からチップ本体51内部のインキ供給芯55に供給され、前記インキ供給芯55からボールに供給される。
前記ペン先保持部材53は、容器4の前端開口部71内面に圧入固着されるとともに、インキ保溜部材6の前端部に取り付けられる。
・通気路
前記通気路7は、容器4内面とインキ保溜部材6の空気交替溝との間に形成されるとともに、前記ペン先保持部材53内部に形成され、前記ペン先保持部材53の前端部外面において、開口される。前記通気路7の開口部71を通して通気路7内及びインキタンク41内と外気とが連通される。
・ペン先シール部材
軸筒2の内面には、弾性材料よりなるペン先シール部材10がバネ部材104を介して取り付けられる。前記ペン先シール部材10は、ペン先5と密接可能なペン先シール部105と、該ペン先シール部105の後方に一体に連設された通気路シール部86とからなる。前記ペン先シール部材10の後端にはバネ部材104(具体的には、ねじりコイルバネ)が固定され、前記バネ部材104によって、ペン先シール部材10が径方向内方に常時付勢される。
ペン先没入時に、バネ部材104による付勢により、ペンシール部材のペン先シール部105がペン先5に密接され、ペン先5が密閉されるとともに、ペン先シール部材10の通気路シール部106が通気路7の開口部71の開口縁に密接され、通気路7の開口部71が密閉される。一方、ペン先突出時に、筆記体3の前方移動に伴ってペン先シール部材10が径方向外方に押しやられて、ペン先5とペン先シール部105との密接が解除されるとともに、通気路7の開口部71と通気路シール部106との密接が解除され、通気路7の開口部71を通して通気路7内及びインキタンク41内と外気とが連通される。
(第8の実施の形態)
図19及び図20に本発明の第8の実施の形態を示す。
本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2内に前後方向に移動可能に収容される筆記体3とを備える。
・軸筒
前記軸筒2の前端には、前端孔21が貫設される。前記前端孔21を通して筆記体3のペン先5が外部に突出可能且つ内部に没入可能に構成される。前記軸筒2の内部には、コイルスプリング26が収容され、前記コイルスプリング26により筆記体3が後方に常時付勢される。前記コイルスプリング26の前端は、軸筒2の内面に形成した前側係止部22に係止され、一方、コイルスプリング26の後端は、筆記体3の外面に形成した環状凸部よりなる後側係止部42に係止される。本実施の形態では、前記軸筒2は、前端孔21を備え且つ内面に前側係止部22が形成される前軸2aと、該前軸2aの後端部と連結される後軸2bとからなる二部材で構成される。本実施の形態では、前軸2aは後軸2bと螺着される。尚、前記軸筒2は一部材で構成してもよい。
・出没機構
前記軸筒2(後軸2b)の後端部内部には、出没機構12が設けられる。前記出没機構12は、筆記時、操作部の操作により、筆記体3を前方に移動させ、ペン先5を前端孔21から外部に突出状態にさせ、非筆記時、筆記体3を後方に移動させ、ペン先5を前端孔21から軸筒2内部に没入状態にさせるものである。本実施の形態では、前記出没機構12は、回転カムを用いたノック式機構であり、軸筒2内に配置された円筒状のカム本体121と、該カム本体121内のカム部と係合し且つ筆記体3後端と当接する回転部材122と、該回転部材122と係合し且つ軸筒2後端より突出するノック部123(操作部)とからなる。前記出没機構12は、ペン先突出操作、ペン先没入操作の両操作が、ノック部123を前方へ押圧するダブルノック式である。これ以外にも、前記出没機構12は、筆記体3のペン先5を出没させるものであれば、例えば、軸筒2を回転操作する回転式や、軸筒2の側壁の窓孔より突出された操作部を前方に押圧するスライド式等が挙げられる。
・筆記体
前記筆記体3は、前端にペン先5を備えたインキ保溜部材6と、該インキ保溜部材6を内部前部に収容した容器4と、該容器4の内部のインキ保溜部材6の後方に設けたインキタンク41と、該インキタンク41内と外気とを連通させる通気路7とからなる。
前記容器4は、前端が開口され且つ後端が閉鎖された有底筒状体である。前記容器4の内部前部にはインキ保溜部材6が挿着される。前記容器4内のインキ保溜部材6の後方には、インキタンク41が形成される。前記インキタンク41の内部にはインキが直接、収容される。
・隔壁部
インキ保溜部材6の後方の容器4内面(即ちインキタンク41内面)には、管状部111を備えた隔壁部11が固着される。前記隔壁部11により、前記インキタンク41内が前方の小空間411と後方の大空間412とに区画される。前記管状部111は、隔壁部11の後面より大空間412側に突出される。
前記管状部111の内部には、小空間411と大空間412とを連通させる大径孔112が形成される。前記隔壁部11の外周面には、軸方向に凹溝が貫設される。前記凹溝により、前記隔壁部11を容器4内面に固着した際、隔壁部11外面と容器4内面との間に、小空間411と大空間412とを連通させる小径孔113が形成される。
前記隔壁部11の軸心には、中心孔114が貫設され、該中心孔114にインキ誘導芯62の後端部が挿入される。前記インキ誘導芯62の後端部は、隔壁部11の後面より大空間412側に僅かに突出される。前記誘導芯は、合成樹脂の押出成形体よりなり、軸方向に延びる環状側壁と、該環状側壁内部に軸方向に延びる毛細管力を有するインキ導出路とを備える。前記インキ誘導芯62が、インキ導出路が環状側壁により包囲される構成であるため、インキ導出路には、後端のみからインキを供給でき、径方向外方から環状側壁を通してはインキを直接供給できない構成となり、小空間411内においてインキ誘導芯62の環状側壁を通してインキ導出路にインキが供給されることがない。それにより、急激な内圧変化時にインキタンク41内の膨張空気がインキ誘導芯62に混入することを防止できる。
前記インキ保溜部材6は、複数の円板状櫛歯61を有する合成樹脂の射出成形体であり、軸心に軸心孔が貫設され、隣接する各々の櫛歯61の間に複数のインキ保溜溝が形成され、前記櫛歯61群の外面に軸方向のインキ誘導スリット(図示せず)が形成され、さらに、前記櫛歯61群の外面に切り欠き状の空気交替溝(図示せず)が形成される。また、前記軸心孔にインキ誘導芯62が挿着される。
前記インキ保溜部材6の前端部には、ボールペンチップからなるペン先5が取り付けられる。前記ペン先5は、前端にボールを回転可能に抱持したチップ本体51と、該チップ本体51後部が圧入固着されるペン先保持部材53とからなる。前記ペン先保持部材53の内部には、前記インキ誘導芯62の前端と接続される繊維加工体からなるインキ中継芯54が収容され、前記チップ本体51の内部には、前記インキ中継芯54の前端と接続される合成樹脂押出成形体からなるインキ供給芯55が収容される。インキタンク41内のインキは、前記インキ誘導芯62から、ペン先保持部材53の内部のインキ中継芯54に供給され、前記インキ中継芯54からチップ本体51内部のインキ供給芯55に供給され、前記インキ供給芯55からボールに供給される。
前記ペン先保持部材53は、容器4の前端開口部71内面に圧入固着されるとともに、インキ保溜部材6の前端部に取り付けられる。前記ペン先保持部材53の外面には環状凸部よりなる後側係止部42が形成され、該後側係止部42の後面が、容器4の前端と当接される。
・通気路
前記通気路7は、容器4内面とインキ保溜部材6の空気交替溝との間に形成される。前記通気路7の前端は、前記容器4の前端部に形成した切り欠きにより径方向外方に開口される。それにより、前記通気路7の開口部71は、容器4の前端部に位置される。即ち、通気路7の開口部71は、後側係止部42より後方の筆記体3の外面において径方向外方に開口される。前記通気路7の開口部71を通して通気路7内及びインキタンク41内と外気とが連通される。
・ペン先シール部材
軸筒2(前軸2a)の内面には、弾性材料よりなるペン先シール部材10が取り付けられる。前記ペン先シール部材10は、ペン先5と密接可能なシール部101と、該シール部101の一端より一体に連設された脚部102と、該シール部101の他端より一体に連設された紐状部103とからなる。前記脚部102の一端は、軸筒2の内面に固定され、前記脚部102の他端は、シール部101の一端に連結される。前記紐状部103の一端は、筆記体3の外面に固定され、前記紐状部103の他端は、シール部101の他端に連結される。前記紐状部103は、具体的には2本、形成される。
ペン先没入時に、コイルスプリング26による後方付勢される筆記体3に伴って、紐状部103が後方に引っ張られ、シール部101がペン先5に密接され、ペン先5が密閉される。一方、ペン先突出時に、筆記体3の前方移動に伴って紐状部103が撓み、シール部101が軸心から外れ、ペン先5が紐状部103を超えて、前端孔21より外部に突出される。
・シール体
軸筒2の前部内面(具体的には、後軸2bの前端面)には弾性材料からなる環状のシール体24が固定される。前記シール体24の前方には、筆記体3の後側係止部42が位置している。ペン先没入時、前記環状のシール体24が、通気路7の開口部71の開口縁に密接され、通気路7の開口部71が密閉される。一方、ペン先突出時、前記シール体24と通気路7の開口部71の開口縁との密接が解除され、通気路7の開口部71を通して通気路7内及びインキタンク41内と外気とが連通可能となる。
(その他)
尚、本発明の前記インキ保溜部材6は、温度変化等によりインキタンク41の内圧が上昇した場合に、インキタンク41からの押し出されたインキ(溢出インキ)を毛細管力により一時的に保持し、一方、インキタンク41の内圧が減少した場合に、インキ保溜部材6内の保持インキを速やかにインキタンク41内に戻す機能を有する部材であればよく、本実施の形態の他にも、例えば、らせん状や迷路状のインキ保溜溝を有する合成樹脂の成形体、または繊維加工体や連続気泡体等からなる多孔質含浸体等が挙げられる。
本発明の第1の実施の形態のペン先没入状態を示す縦断面図である。 図1のペン先突出状態を示す縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態のペン先没入状態を示す縦断面図である。 図3のペン先突出状態を示す縦断面図である。 図3の筆記体の縦断面図である。 図5のA−A線断面図である。 本発明の第3の実施の形態のペン先没入状態を示す縦断面図である。 図7のペン先突出状態を示す縦断面図である。 図7の筆記体の縦断面図である。 図9のB−B線断面図である。 本発明の第4の実施の形態のペン先没入状態を示す縦断面図である。 図11のペン先突出状態を示す縦断面図である。 本発明の第5の実施の形態のペン先没入状態を示す縦断面図である。 図13のペン先突出状態を示す縦断面図である。 本発明の第6の実施の形態のペン先没入状態を示す縦断面図である。 図15のペン先突出状態を示す縦断面図である。 本発明の第7の実施の形態のペン先没入状態を示す縦断面図である。 図17のペン先突出状態を示す縦断面図である。 本発明の第8の実施の形態のペン先没入状態を示す縦断面図である。 図19のペン先突出状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 出没式筆記具
2 軸筒
21 前端孔
22 前側係止部
23 押圧壁部
24 シール体
25 シール空間
26 コイルスプリング
2a 前軸
2b 後軸
3 筆記体
31 外装体
4 容器
41 インキタンク
411 小空間
412 大空間
42 後側係止部
43 リブ
44 隔壁
45 円筒状壁部
46 管状壁部
5 ペン先
51 チップ本体
52 弾発体
53 ペン先保持部材
54 インキ中継芯
55 インキ供給芯
6 インキ保溜部材
61 櫛歯
62 インキ誘導芯
7 通気路
71 開口部
72 連通孔
7a 第1の通気路
7b 第2の通気路
8 シール装置
81 弁体
82 弁座
83 弾発体
9 開閉部材
91 蓋体
92 バネ部材
10 ペン先シール部材
101 シール部
102 脚部
103 紐状部
104 バネ部材
105 ペン先シール部
106 通気路シール部
11 隔壁部
111 管状部
112 大径孔
113 小径孔
114 中心孔
12 出没機構
121 カム本体
122 回転部材
122a 棒状部
123 ノック部(操作部)

Claims (9)

  1. 筆記体が、ペン先と、インキを直に貯溜するインキタンクと、ペン先とインキタンクとの間に配置され且つインキタンクの内圧上昇に伴う溢出インキを一時的に保持するインキ保溜部材とを備え、前記筆記体を軸筒内に前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体のペン先を軸筒の前端孔から出没可能に構成した出没式筆記具であって、前記筆記体のインキタンク内にインキタンクを前後に区画する隔壁部を設け、前記隔壁部の前方のインキタンク内に小空間を設け、前記隔壁部の後方のインキタンク内に大空間を設け、前記隔壁部の後面に、前記大空間側に突出する管状部を設け、前記管状部の内部を通して前記大空間と前記小空間とを連通してなることを特徴とする出没式筆記具。
  2. 前記管状部内部に大径孔を設け、前記隔壁部に、前記大空間と前記小空間とを連通させる、前記大径孔より小さい横断面積を有する小径孔を設けた請求項1記載の出没式筆記具。
  3. 筆記体が、インキタンク内と外気とを連通する通気路を備え、ペン先没入時に前記通気路を閉鎖しインキタンク内と外気との連通を遮断し、且つ、ペン先突出時に前記通気路を開放しインキタンク内と外気とを連通するシール装置を備えた請求項1または2記載の出没式筆記具。
  4. 軸筒の前端部に開閉部材を設け、前端孔より後方の軸筒内部に環状のシール体を設け、ペン先没入時に、前記開閉部材が前端孔を閉鎖し且つ前記シール体が筆記体の外周面と密接することにより、軸筒内部に密閉されたシール空間を構成するとともに該シール空間内部にペン先を収容し、ペン先突出時に、前記開閉部材が前端孔を開口させ且つ前記シール空間を開放させてなる請求項1または2記載の出没式筆記具。
  5. 筆記体が、インキタンク内と外気とを連通する通気路を備え、筆記体の外面に通気路の開口部を設け、ペン先没入時に前記シール空間内部に前記通気路の開口部を位置させてなる請求項4記載の出没式筆記具。
  6. 筆記体が、インキタンク内と外気とを連通する通気路を備え、ペン先没入時に前記通気路の開口部を前記シール体が密閉してなる請求項4記載の出没式筆記具。
  7. 前記ペン先が、前端に回転可能にボールを抱持したボールペンチップであり、軸筒内部の前端孔近傍に弾性材料からなるペン先シール部材を設け、ペン先没入時に前記ペン先シール部材にペン先の前端を密接させることによりペン先の前端を密閉し、ペン先突出時に前記ペン先シール部材と前記ペン先の前端との密接を解除してなる請求項1または2記載の出没式筆記具。
  8. 筆記体が、インキタンク内と外気とを連通する通気路を備え、
    前記筆記体のペン先近傍の外面に通気路の開口部を設け、ペン先没入時に前記ペン先シール部材が前記通気路の開口部を密閉し、ペン先突出時に前記ペン先シール部材が前記通気路の開口部を開放してなる請求項7記載の出没式筆記具。
  9. 筆記体が、インキタンク内と外気とを連通する通気路を備え、
    筆記体の外面に通気路の開口部を設け、軸筒内部に弾性材料からなるシール体を固定し、ペン先没入時に前記シール体が前記通気路の開口部を密閉し、ペン先突出時に前記シール体が前記通気路の開口部を開放してなる請求項7記載の出没式筆記具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100286189A1 (en) * 2007-12-28 2010-11-11 Aziende Chim. Riun.Ang.Franc. A.C.R.A.F.S.P.A. (aza)indole derivative substituted in position 5, pharmaceutical composition comprising it, intermediate compounds and preparation process therefor
EP3357708A1 (en) * 2017-02-07 2018-08-08 Morris Corporation Retractable type writing instrument
CN108501569A (zh) * 2017-02-28 2018-09-07 莫里斯公司 可伸缩型书写工具

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