JP2007090763A - 基板の割断方法、電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】脆性材料からなる基板の端部近傍等における割断を割断予定線に沿って精度よく行うことを可能とする技術を提供すること。
【解決手段】脆性材料からなる基板を割断する方法であって、レーザービーム(A)が上記基板(102)の割断予定線上に照射されるように光路設定を行う第1過程と、上記割断予定線よりも上記基板の端部又は上記基板に接して設けられるシール部材(103)に近い側の上記基板表面に圧力を付与するローラー(14)を配置する第2過程と、上記レーザービームを上記割断予定線に沿って進行させながら照射し、かつ上記ローラーを上記レーザービームと並行して上記基板表面を進行させる第3過程と、を含む基板の割断方法である。
【選択図】図2
【解決手段】脆性材料からなる基板を割断する方法であって、レーザービーム(A)が上記基板(102)の割断予定線上に照射されるように光路設定を行う第1過程と、上記割断予定線よりも上記基板の端部又は上記基板に接して設けられるシール部材(103)に近い側の上記基板表面に圧力を付与するローラー(14)を配置する第2過程と、上記レーザービームを上記割断予定線に沿って進行させながら照射し、かつ上記ローラーを上記レーザービームと並行して上記基板表面を進行させる第3過程と、を含む基板の割断方法である。
【選択図】図2
Description
本発明は、脆性材料からなる基板(例えばガラス基板など)の所望位置を割断する技術に関し、特に基板端部などにおける割断位置の精度を向上させるための技術改良に関する。
一般に、レーザービームを用いて脆性材料からなる基板(例えばガラス基板など)の割断を行う場合には、熱源となるレーザービームと当該レーザービームによる加熱点の後に続く冷却機構により基板に亀裂を発生させ、レーザービーム又は基板を移動させることにより基板を割断している(例えば、特許文献1参照)。このとき、基板には、レーザービームによって加熱されているポイントの中心付近においては圧縮応力が発生し、中心から少し離れた周囲では左右均等に引っ張り応力が発生する。
ところで、上記技術を用いる場合に、割断予定線が基板の端部から十分に離間している場合には予定通りに割断を行うことができるが、割断予定線が基板の端部に近接している場合には、実際の割断線(カットライン)が割断予定線からずれてしまうという不都合がある。この原因は、基板の端部近傍では外側部分の剛性が小さく、レーザービームの照射により基板が局所的に膨張した場合に、外側に向かう引っ張り応力が大きくなるからと考えられる。また、同様な不都合は、シール部材を挟んで貼り合わされた基板を切断する際にも生じ得る。すなわち、上記シール部材の接する位置に近接して割断予定線が設定された場合には、シール部材の硬化収縮現象に起因して基板表面に生じる引っ張り応力により、元々は左右均等であったレーザービームの引っ張り応力が不均一となる。このため、割断予定線よりもシール部材に近い側にカットラインが引き寄せられてしまう。かかる不都合を回避するために、現状では、シール部材の位置から十分に離間した位置に割断予定線を設定する必要がある。このため、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置などの電気光学装置の製造時に、シール部材が配置されるパネル額縁部の割断に上記技術を用いた場合には、パネルの狭額縁化を図りにくいという不都合がある。したがって、基板の端部近傍等における割断を割断予定線に沿って精度よく行うことを可能とする技術が望まれていた。
そこで、本発明は、脆性材料からなる基板の端部近傍等における割断を割断予定線に沿って精度よく行うことを可能とする技術を提供することを目的とする。
第1の本発明は、脆性材料からなる基板を割断する方法であって、レーザービームが上記基板の割断予定線上に照射されるように光路設定を行う第1過程と、上記割断予定線よりも上記基板の端部又は上記基板に接して設けられるシール部材に近い側の上記基板表面に圧力を付与するためのローラーを配置する第2過程と、上記レーザービームを上記割断予定線に沿って進行させながら照射し、かつ上記ローラーを上記レーザービームと並行して上記基板表面を進行させる第3過程と、を含む、基板の割断方法である。
かかる方法によれば、基板の端部等に近い側の基板表面にローラーによって圧力をかけることにより、割断予定線の付近における各応力のバランスをとることができる。これにより、ガラス基板等の脆性材料からなる基板の端部近傍等における割断を割断予定線に沿って精度よく行うことが可能となる。
第2の本発明は、脆性材料からなる基板を割断する方法であって、レーザービームが上記基板の割断予定線上に照射されるように光路設定を行う第1過程と、上記割断予定線よりも上記基板の端部又は上記基板に接して設けられるシール部材に近い側の上記基板表面に圧力を付与するためのローラーを配置する第2過程と、上記基板の端部又は上記基板に接して設けられるシール部材の位置と上記割断予定線の位置とが近接している場合に、上記レーザービームを上記割断予定線に沿って進行させながら照射し、かつ上記ローラーを上記レーザービームと並行して上記基板表面を進行させる第3過程と、上記基板の端部又は上記基板に接して設けられるシール部材の位置と上記割断予定線の位置とが離間している場合に、上記レーザービームのみを上記割断予定線に沿って進行させながら照射する第4過程と、を含む基板の割断方法である。
かかる方法によっても、上記と同様の理由により、ガラス基板等の脆性材料からなる基板の端部近傍等における割断を割断予定線に沿って精度よく行うことが可能となる。また、割断予定線が基板の端部等に近接しているか離間しているかの状況に応じて、ローラーによる圧力付与を行うか否かを切り替えるだけで、いずれの状況においても精度のよい割断を行うことが可能となる。
第3の本発明は、電気光学パネルを形成する工程と、上記の基板の割断方法を用いて上記電気光学パネルの割断を行う工程と、を含む、電気光学装置の製造方法である。ここで「電気光学装置」としては、例えば電気光学パネルとしての液晶パネルを含んで構成される液晶表示装置、電気光学パネルとしてのエレクトロルミネッセンス(EL)パネルを含んで構成される無機EL表示装置又は有機EL表示装置、電気光学パネルとしての電気泳動パネルを含んで構成される電気泳動表示装置などが該当し得る。
本発明によれば、上記した電気光学装置の製造時におけるパネルの割断を高精度に行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の基板の割断方法を実施するための装置構成例を説明する図である。図1に示す割断装置は、レーザービームを用いて脆性材料からなる基板を割断するためのものであり、レーザー光源10、反射ミラー12、ローラー14、ステージ16、を含んで構成されている。
レーザー光源10は、レーザービームを発生する。このレーザー光源10は、割断対象となる被加工体100の条件等によって適宜選択すればよく、例えば本実施形態では最大出力50W程度のCO2レーザーが用いられる。
反射ミラー12は、レーザー光源10から出射してレーザービームを反射する。この反射ミラー12は図示のx方向に可動式に構成されている。これにより、反射ミラー12によって反射されたレーザービームの被加工体100上における照射位置を調整することができる。
ローラー14は、被加工体100の表面に接して当該表面に圧力を付与する。このローラー14は、図示のY方向に対して自在に移動可能に構成されている。
ステージ16は、被加工体100が載置され、当該被加工体100をX、Y、Zの各方向に自在に移動させる。このステージ16により、被加工体100とレーザービームとを相対的に移動させることができる。なお、ステージ16を固定にし、レーザービームの照射位置を移動させるように構成してもよい。
図2は、割断方法を説明するために、被加工体100の断面を模式的に示した図である。ここで本実施形態では、被加工体100として、シール部材103を挟んで2枚のガラス基板101、102を貼り合わせたパネルを想定する。このような構造のパネルは、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置などの電気光学装置において表示部を構成するために用いられる。これらの電気光学装置の製造工程において、図2に示すようなパネルを形成した後に、以下に示す方法によりパネルの所望位置を割断することができる。
図2は、被加工体100の基板102に接して設けられるシール部材の位置と割断予定線の位置とが近接している場合の様子を概略的に示している。図示のように、レーザービームAは、基板102の割断予定線K上に照射されるように光路設定がなされる(図1参照)。ここで、割断予定線Kは図2の紙面と直交する方向に延在している。ローラー14は、割断予定線Kよりも基板102に接して設けられるシール部材103に近い側であって基板102の表面に圧力を付与できるように配置される。そして、図示のように、基板102に接して設けられるシール部材103の位置と割断予定線Kの位置とが近接している場合には、レーザービームAを割断予定線Kに沿って進行させながら照射し、かつローラー14をレーザービームと並行して基板102の表面を進行させることにより、基板102の割断がなされる。レーザービームA及びローラー14の進行速度は、例えば7mm/秒程度に設定される。また、レーザービームAのエネルギー密度は、例えば32〜90kJ/mm2程度の範囲内において適宜設定される。ここで、図中、応力S1、S2はレーザービームAによって生じる圧縮応力を示し、応力S3、S4はレーザービームAによって生じる引っ張り応力を示し、応力S5はローラー14によって付与される圧力によって生じる引っ張り応力を示している。このとき、ローラー14は、当該ローラー14による引っ張り応力S5がシール部材103による引っ張り応力S0と同等になるように、基板102の表面へ付与する圧力が設定される。ここで、シール部材103による引っ張り応力S0は、例えばシール部材103がエポキシ系シール材であった場合には0.035MPa程度である。このとき、ローラー14によって付与する圧力は、例えば幅2〜3mmのローラー幅のローラー14を用いて上記引っ張り応力S5が0.035MPa程度となるように適宜調整される。これにより、シール部材103による引っ張り応力S0がローラー14による引っ張り応力S5によって相殺される。レーザービームAとローラー14の接触位置との間隔は、諸条件により変動するが概ね4mm以下とするとよい。
また、基板102に接して設けられるシール部材103の位置と割断予定線Kの位置とが離間している場合には、ローラー14による圧力付与を行わずに、レーザービームAのみを割断予定線Kに平行な方向に進行させながら照射して割断が行われる。
なお、図2における右側のシール部材103が存在せず、当該位置が基板102の端部であった場合においても、上記と同様にして割断を行うことができる。
図3は、上述した割断方法を適用して製造される電気光学装置を表示部として備える電子機器の具体例を示す斜視図である。図3(A)は携帯電話への適用例であり、当該携帯電話1000は上述した電気光学装置を用いて構成される表示部1001を備えている。図3(B)はビデオカメラへの適用例であり、当該携帯電話1100は上述した電気光学装置を用いて構成される表示部1101を備えている。図3(C)はテレビジョンへの適用例であり、当該テレビジョン1200は上述した電気光学装置を用いて構成される表示部1201備えている。なお、パーソナルコンピュータ等に用いられるモニタ装置に対しても同様に本発明に係る電気光学装置を適用し得る。
以上のように本実施形態によれば、基板の端部等に近い側の基板表面にローラーによって圧力をかけることにより、割断予定線の付近における各応力のバランスをとることができる。これにより、ガラス基板等の脆性材料からなる基板の端部近傍等における割断を割断予定線に沿って精度よく行うことが可能となる。また、割断予定線が基板の端部等に近接しているか離間しているかの状況に応じて、ローラーによる圧力付与を行うか否かを切り替えるだけで、いずれの状況においても精度のよい割断を行うことが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態ではガラス基板を割断する場合を例示していたが、本発明の適用対象となる基板(脆性材料からなる基板)はこれに限定されず、セラミックス、半導体基板、アモルファス炭素基板など種々の基板が該当し得る。
10…レーザー光源、12…反射ミラー、14…ローラー、16…ステージ、100…被加工体、101、102…ガラス基板、103…シール部材
Claims (3)
- 脆性材料からなる基板を割断する方法であって、
レーザービームが前記基板の割断予定線上に照射されるように光路設定を行う第1過程と、
前記割断予定線よりも前記基板の端部又は前記基板に接して設けられるシール部材に近い側の前記基板表面に圧力を付与するためのローラーを配置する第2過程と、
前記レーザービームを前記割断予定線に沿って進行させながら照射し、かつ前記ローラーを前記レーザービームと並行して前記基板表面を進行させる第3過程と、
を含む、基板の割断方法。 - 脆性材料からなる基板を割断する方法であって、
レーザービームが前記基板の割断予定線上に照射されるように光路設定を行う第1過程と、
前記割断予定線よりも前記基板の端部又は前記基板に接して設けられるシール部材に近い側の前記基板表面に圧力を付与するためのローラーを配置する第2過程と、
前記基板の端部又は前記基板に接して設けられるシール部材の位置と前記割断予定線の位置とが近接している場合に、前記レーザービームを前記割断予定線に沿って進行させながら照射し、かつ前記ローラーを前記レーザービームと並行して前記基板表面を進行させる第3過程と、
前記基板の端部又は前記基板に接して設けられるシール部材の位置と前記割断予定線の位置とが離間している場合に、前記レーザービームのみを前記割断予定線に沿って進行させながら照射する第4過程と、
を含む、基板の割断方法。 - 電気光学パネルを形成する工程と、
請求項1又は2に記載の基板の割断方法を用いて前記電気光学パネルの割断を行う工程と、
を含む、電気光学装置の製造方法。
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JP2005285294A JP2007090763A (ja) | 2005-09-29 | 2005-09-29 | 基板の割断方法、電気光学装置の製造方法 |
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JP2011067856A (ja) * | 2009-09-28 | 2011-04-07 | Nagase Integrex Co Ltd | レーザ加工方法 |
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2005
- 2005-09-29 JP JP2005285294A patent/JP2007090763A/ja active Pending
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