JP2007090589A - 滑り止めシート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、滑り止めシートに関するものであり、更に述べるならば、本発明は、滑り止めシートにおいて、優れた滑り止め機能があり、容易に加工可能な樹脂被覆型であり、更には、リサイクル性を有した滑り止めシートを提供することである。
【解決手段】天然パルプを主成分とする紙を基質として、両面が樹脂層で被覆された滑り止めシートにおいて、該樹脂層が少なくとも(A)ポリオレフィン樹脂50〜90質量部、(B)熱可塑性エラストマー10〜50質量部の(A)、(B)合計100質量部からなる樹脂組成物であることを特徴とする滑り止めシート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、滑り止めシートに関するものであり、更に述べるならば、本発明は、滑り止めシートにおいて、優れた滑り止め機能があり、成形後に容易に加工可能な樹脂被覆型であり、更には、リサイクル性を有した滑り止めシートに関するものである。
近年、雑菌による汚染や日常の汚れ防止を目的として、カーペットやマット等の敷物を保護カバーとして、廊下、洗面所、キッチン等の床や机の上に敷くことが一般的である。
保護カバーとしては、布が用いられることが多いが、保護カバーを布とした場合、直接床や机に敷設した場合、人の歩行により敷物が床面から滑って移動したり、道具を置いた場合、滑って道具が落ちやすいという問題点がある。
上記問題点を改良すべく、熱可塑性樹脂からなる糸(パイル)を溶融して球状溶融塊を形成させ、裏面に分布することにより滑り止め機能を付加した敷物の記載があるが、熱可塑性樹脂からなる糸(パイル)を織り込む必要があるため、糸(パイル)を有しない敷物には利用できなかった(例えば、特許文献1参照)。
また、直鎖状低密度ポリエチレン、エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体の特定の比率からなり、表面層を有する滑り止めフィルムの記載があるが、滑り止め層が片面だけであったため、表面層に関しては滑り止め効果は十分ではなかった(例えば、特許文献2参照)。
また、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロン系樹脂、フッ素系樹脂、生分解性樹脂などの熱可塑性弾性樹脂を原料とする連続線状体(ストランド)を三次元ランダム状に交絡してなる滑り止めマットの記載があるが、樹脂単独であるため、腰がなく、成形後の加工性が十分でなかった(例えば、特許文献3参照)。
特公平3−60483号公報 特開2004−175023号広報 特開2005−199033号広報
本発明の目的は、滑り止めシートに関するものであり、更に述べるならば、本発明は、滑り止めシートにおいて、優れた滑り止め機能があり、成形後に容易に加工可能な樹脂被覆型であり、更には、リサイクル性を有した滑り止めシートを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の発明を見出した。即ち、請求項1の発明は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、両面が樹脂層で被覆された滑り止めシートにおいて、該樹脂層が少なくとも(A)ポリオレフィン樹脂50〜90質量部、(B)熱可塑性エラストマー10〜50質量部の(A)、(B)合計100質量部からなる樹脂組成物であることを特徴とする滑り止めシートである。
請求項2の発明は、基質である紙の質量比が全質量の51質量%以上であることを特徴とする請求項1記載の滑り止めシートである。
本発明により、優れた滑り止め機能があり、成形後に容易に加工可能な樹脂被覆型であり、更には、リサイクル性を有した滑り止めシートを提供することが出来る。
本発明の目的は、優れた滑り止め機能があり、成形後に容易に加工可能な樹脂被覆型であり、更には、リサイクル性を有した滑り止めシートを提供することにあるが、我々が調査したところ、滑り止め機能に優れた樹脂層を得るためには、フィルム成形性に優れたポリオレフィン樹脂から成る強固な網目状のマトリックスの中に、適度な粘着性を帯びる熱可塑性エラストマー層が分散しているような構成が有効であり、また、基質を紙とすることにより、両面に容易に樹脂層が形成可能であり、また、成型品を折り曲げたり、特定の大きさに裁断するような加工性が良好であることが判明した。さらには、紙基質の質量比51%以上とすることにより、紙分類となりリサイクル可能である。
このような機構を基に、検討を重ねた結果、天然パルプを主成分とする紙を基質として、両面が樹脂層で被覆された滑り止めシートにおいて、該樹脂層が少なくとも(A)ポリオレフィン樹脂50〜90質量部、(B)熱可塑性エラストマー10〜50質量部の(A)、(B)合計100質量部からなる樹脂組成物であることを特徴とする滑り止めシートを用いることで、優れた滑り止め機能があり、成形後に容易に加工可能な樹脂被覆型であり、更には、リサイクル性を有した滑り止めシートを提供することができることが判明した。
本発明で用いられる基質は、特に限定されるものではなく、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等を含む機械パルプ、DIP等の古紙パルプを含み、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン等の各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を含み、酸性または中性もしくはアルカリ性で抄造される。
本発明に用いる基質として、塗工紙を用いることも出来る。本発明に係る基質としての塗工紙に用いられる塗工用顔料は、特に限定されるものではなく、例えば、カオリンクレー、デラミネーテッドクレー、焼成クレー、重質炭酸カルシウム、沈降性(軽質)炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、二酸化チタン等が挙げられる。
本発明に係る基質としての塗工紙に用いられる接着剤には、ラテックスおよび澱粉等が挙げられる。接着剤として用いられるラテックスとしては、スチレン・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、スチレン・酢酸ビニル系共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ感応性あるいはアルカリ非感応性の重合体ラテックス等の共重合体ラテックス等を用いることができる。特に、顔料結合力、作業性、コストの面等を考慮して、スチレン・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックスが好ましく用いられる。これらのラテックスの平均粒子径は、大きすぎると塗工液の流動性が悪くなるという点から、140nm以下が好ましい。
また、接着剤として用いられる澱粉としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、カゼイン、大豆蛋白などの天然系バインダーなどを併用することができる。
さらに、その他一般に使用されている助剤である分散剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、染料、pH調整剤、保水剤などを適宜使用しても良い。
本発明に係る基質としての塗工紙における塗工組成物は、上記した各成分を秤量し、例えば、コーレス分散機、ケディミルのような分散機などを用いて配合し、容易に調製できる。
本発明による塗工組成物を塗被する方法は、エアナイフコーター、各種ブレードコーター、ロールコーター等、あらゆる塗工ヘッドを用いて前記基質の片面あるいは両面に、片面塗工量が絶乾重量で5g/m2〜20g/m2の範囲内、好ましくは10g/m2〜20g/m2の範囲内で、オンマシン、オフマシンにより一段で、あるいは顔料と接着剤を主成分とする別の塗工組成物を予め下塗りし、その上に前記の塗工組成物を塗被するという、多段により塗工することができる。
本発明に係る基質の厚みに関しては、特に制限はないが、その坪量は20g/m2〜250g/m2のものが好ましく、50g/m2〜170g/m2のものが更に好ましい。
本発明の滑り止めシートにおける基質の両面に被覆される樹脂層中に用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のホモポリマー、エチレン・ブチレン共重合体などのα−オレフィンの2種類以上から成る共重合体、およびこれらの混合物であるが、本発明においては、基質への接着力および他の樹脂との相溶性の点からポリエチレン系樹脂(以下、PEと略すことがある)が特に好ましい。
本発明における滑り止めシートの樹脂層に用いられるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂、エチレンとプロピレン、ブチレン等のα―オレフィンとの共重合体、エチレンとアクリル酸、アクリル酸エチルエステル、無水マイレン酸等の共重合体またはグラフト共重合体である、所謂カルボキシ変性ポリエチレン樹脂等、またオートクレープ型反応器、チューブラ型反応器等を用いた高圧ラジカル重合法によるポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂、チーグラー法、フィリップス法等を用いた、メタロセン以外の金属触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂及びこれらの混合物であり、各種の密度、メルトフローレート(以下、JIS K 6760で規定されるメルトフローレートのことを単にMFRと略すことがある)、分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度が0.90g/cm3〜0.97g/cm3の範囲、MFRが0.1g/10分〜50g/10分、好ましくは、MFRが0.3g/10分〜40g/10分の範囲のものを単独に或いは混合して有利に使用できる。
本発明の滑り止めシートの基質の両面に被覆される樹脂層中に用いられる熱可塑性エラストマーとしては、一般的に用いられている熱可塑性エラストマーであれば問題なく使用できる。例えば、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリエチレン系熱可塑性エラストマーやポリプロピレン系熱可塑性エラストマーが挙げられ、ソフトセグメントとしてポリエチレン、エチレン、ポリプロピレンと少量のジエンとの共重合体、あるいは、これらの部分架橋物等を含有し、ハードセグメントとしてポリプロピレン等を含有するブロック共重合体や、エチレンとプロピレンとのランダム共重合体等が挙げられる。これらのポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、単独に或いは混合して有利に使用できる。また、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、これらの共役ジエン部分に水素添加して得えられる共重合体が挙げられる。これらのスチレン系熱可塑性エラストマーは、単独に或いは混合して有利に使用できる。樹脂層中における熱可塑性エラストマーの割合は、ポリオレフィン樹脂と熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対し、10〜50質量部が好ましく、20〜40質量部が更に好ましい。10質量部よりも少ない場合、滑り止め性が不十分となり、50質量部よりも多い場合は、融押し出し時のフィルム形成が不安定となる。
本発明の滑り止めシートにおける樹脂層中には、各種の添加剤を含有せしめることが出来る。特公昭60−3430号、特公昭63−11655号、特公平1−38291号、特公平1−38292号、特開平1−105245号公報等に記載もしくは例示の酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム等の脂肪族金属塩、特開平1−105245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、リン系、硫黄系等の各種酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルー系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレット等のマゼンタ系の顔料や染料、特開平2−254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることができる。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるいはコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。
本発明の基質の両面に被覆される樹脂層の被覆厚さとしては、少なくとも9μm以上の範囲が好ましく、15μm以上の範囲が更に好ましい。樹脂層の厚みが薄すぎると加工時にプロファイル調整が困難となるなどの欠点を生じる場合がある。
本発明における滑り止めシートの基質面に樹脂を被覆する方法としては、走行する基質上に熱可塑性樹脂組成物を溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイからフィルム上に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆するのが好ましい。その際、溶融フィルムの温度は160℃〜280℃であることが好ましい。スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径は0.1mm〜2mmであることが望ましい。また、樹脂組成物を基質にコーティングする前に、基質にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。また、特公昭61−42254号公報に記載の如く、基質に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する基質に樹脂層を被覆するのが好ましい。また、表、裏の樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押し出しコーティングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング方式で基質に被覆されるのが好ましい。また、滑り止めシートとしての樹脂層面は光沢面、特公昭62−19732号公報に記載の微粗面、マット面あるいは絹目面等に加工することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は、特に指定のない限り、すべて質量部および質量%を示す。
実施例1〜3および比較例1〜2
LBKP(濾水度330〜440mlcsf)70%、NBKP(濾水度390〜490mlcsf)30%から成る混合パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム(*原紙中灰分で表示)*8部、カオリン化澱粉1.0部、カオリン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤0.03部の配合にてパルプスラリーを調整し、長網抄紙機を用いて坪量70g/m2の原紙を抄造し、ウェットパートのプレス圧を適宜調節しながら、オンラインにより澱粉をサイズプレスして後、乾燥し、さらにソフトカレンダー仕上げ装置を用い、剛性ロールとして外径500mmのチルドロール、弾性ロールとして外径500mmの樹脂ロールにより、線圧180kN/m、温度80℃にてカレンダリング処理を施し、所望する滑り止めシートの基質を得た。
次に、基質面(裏面)をコロナ放電処理した後、表1記載の樹脂組成物を樹脂温度315℃で25μmの厚さに基質の走行速度100m/分で溶融押し出しコーティングした。
引き続き、基質の表面をコロナ放電処理した後、該表面に裏面と同じ樹脂組成物を樹脂温度を315℃で、樹脂層厚さが25μmの厚さになるように、基質の走行速度100m/分で溶融押し出しコーティングを行った。
以上のようにして得られた滑り止めシートの滑り止め性、フィルム成形能の評価方法としては、以下の記載の方法で評価した。
[滑り止め性評価]
滑り止めシートを塩化ビニル製タイル上に敷設した後、滑り止めシートの上にポリエステル製の敷物を載せて歩行した際の滑り性を評価した。
◎:敷物のずれが全くなく、滑り止め性が非常に良好。
○:敷物のずれがほとんどなく、滑り止め性が良好。
△:敷物が少しずれるが、実用上問題がない。
×:敷物がずれ、滑り止め性がなく、実用上問題がある。
[フィルム形成性の評価]
フィルム形成性の評価としては、樹脂組成物を樹脂温度315℃にて、20μmの厚みになるように、150m/分の走行速度で基質に溶融押し出しコーティングを施した時の溶融フィルムの安定性を目視評価した。
◎:フィルムの安定性が非常に良く、フィルム形成性が非常に良好。
○:フィルムの安定性が良く、フィルム形成性が良好。
△:フィルムが多少揺れを生じたりするものの、操業上問題がない。
×:操業時に揺れが大きく、フィルム切れを生じることもあり、操業上問題がある。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2007090589
表1から明らかなごとく、PEの添加量が多くなるに従って、フィルム成形性が向上していることが判る。PEの添加量が、50部より少ない場合は、フィルム成形性に劣る結果となった。また、熱可塑性エラストマーに関しては、熱可塑性エラストマーが10部より少ない場合は、滑り止め性に劣り、50部より多い場合は、フィルム成形性が劣る結果となった。
本発明により、滑り止めシートにおいて、更に述べるならば、本発明は、滑り止めシートにおいて、優れた滑り止め機能があり、容易に加工可能な樹脂被覆型であり、更には、リサイクル性を有した滑り止めシートを提供することができる。

Claims (2)

  1. 天然パルプを主成分とする紙を基質として、両面が樹脂層で被覆された滑り止めシートにおいて、該樹脂層が少なくとも(A)ポリオレフィン樹脂50〜90質量部、(B)熱可塑性エラストマー10〜50質量部の(A)、(B)合計100質量部からなる樹脂組成物であることを特徴とする滑り止めシート。
  2. 基質である紙の質量比が全質量の51質量%以上であることを特徴とする請求項1記載の滑り止めシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102207972B1 (ko) * 2020-05-22 2021-01-27 주식회사 제일포리텍 논슬립성이 우수한 필름 조성물 및 이를 이용한 논슬립 필름

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