JP2007089512A - ガラクトース誘導系を有する形質転換体及びその利用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラクトース誘導系を有し、構成的プロモーターの制御下にGal4活性を有するタンパク質による転写活性化を支援する支援タンパク質をコードするコード領域と、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下に内在性又は外来性の所望のタンパク質をコードするコード領域とを保持するようにする。
【選択図】 なし
Description
(ガラクトース誘導系)
本発明の形質転換体は、ガラクトース誘導系を有している。本明細書において、ガラクトース誘導系とは、栄養源としてのガラクトースによって転写活性化されるガラクトース代謝に関連する遺伝子群を意味している。ガラクトース誘導系としては、例えばサッカロマイセス・セレビシエ酵母が備えるGAL遺伝子群が知られている。サッカロマイセス・セレビシエにおけるGAL遺伝子群としては、GAL4及びGAL4の遺伝子産物であるGal4によって正に制御されるGAL1、GAL2、GAL5、GAL7及びGAL10が挙げられる。また、同様にGal4によって正に制御されるGAL80、GAL3及びMEL1が挙げられる。なお、ガラクトース誘導系を構成するコンポーネントには、これら構造遺伝子のほか、プロモーターやそのGal4結合部位などの調節領域が含まれる。
形質転換体は、構成的プロモーターの制御下にGal4活性タンパク質による転写活性化支援タンパク質をコードするコード領域を保持している。ここで、構成的とは、宿主細胞の生育条件とは無関係に、という意味であり、構成的プロモーターとは、宿主細胞の生育条件とは無関係に制御下にある遺伝子を発現させるプロモーターを意味している。構成的プロモーターは、特に限定しないで使用する宿主細胞の種類に応じてまた制御する遺伝子の種類等に応じて適宜選択すればよい。例えば、サッカロマイセス・セレビシエにおける構成的プロモーターとしては、ADH1プロモーター、HIS3プロモーター、TDH3プロモーター、CYC3プロモーター、CUP1プロモーター及びHOR7プロモーターが挙げられる。なお、本明細書において、例えば、ADH1プロモーターと記載した場合、このプロモーターの塩基配列の一部のみからなる改変体や塩基配列の一部が置換,欠失、挿入等された改変体などの各種の改変体も含んでいる。構成的プロモーターは、支援タンパク質の種類に応じた発現レベルのものを選択することができる。例えば、Gal80結合活性及び/又はガラクトカイネース活性を有するタンパク質の構成的プロモーターとしてはHIS3プロモーター、CYC1プロモーターを選択することができる。また、Gal2活性タンパク質などのガラクトーストランスポーター活性を有するタンパク質の構成的プロモーターとしては、HIS3プロモーターを使用できる。HIS3プロモーターは、ガラクトーストランスポーター活性タンパク質を、Gal80結合活性及び/又はガラクトカイネース活性を有するタンパク質と同時に発現させる態様において好ましい、
本発明において、Gal4活性タンパク質による転写活性化を支援する支援タンパク質とは、Gal4活性タンパク質以外のタンパク質であって、結果として、Gal80活性タンパク質のGal4活性タンパク質に対する転写活性化阻害作用を解除するタンパク質であればよい。なお、Gal4活性タンパク質とは、具体的には、染色体上等のGal4結合部位やUASgalに結合するとともに、Gal80活性タンパク質等との相互作用により下流の遺伝子の転写活性を正に制御するタンパク質であればよい。したがって、サッカロマイセス・セレビシエのGal4のほか、Gal4結合部位への結合活性と転写制御活性を維持して人工的に改変されたタンパク質であってもよい。また、Gal4に相当する他の種又は属の酵母等のタンパク質であってもよい。既に、Gal4の全アミノ酸配列(Genbankアクセス番号:Z73604)及びDNA結合活性部位、転写活性化部位等は知られており(D. Lohr et al,TheFASEB Journal (1995), p.777-787)、こうした配列に基づいて人工的なタンパク質を作製するのは当業者であれば容易に行うことができる。
形質転換体は、Gal4活性タンパク質をガラクトース誘導的に発現するものであってもよい。すなわち、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下にGal4活性タンパク質をコードするコード領域を保持していてもよい。支援タンパク質を構成的に発現させることなくGal4活性タンパク質をガラクトース誘導的に発現させても良好な応答性は得られていないが、支援タンパク質を構成的に発現させた上でGal4活性タンパク質をガラクトース誘導的に発現させることで、構成的に発現される支援タンパク質によるガラクトース誘導系の誘導の応答性を高め、発現強度を増強できる。
本発明の形質転換体は、ガラクトース誘導的に内在性又は外来性の所望のタンパク質を発現する形質転換体とすることができる。すなわち、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下に内在性又は外来性の所望のタンパク質をコードするコード領域を保持することができる。この形質転換体によれば、ガラクトース誘導系の応答性が向上されているため、ガラクトース誘導的に応答性よく遺伝子を発現させて所望のタンパク質又はその代謝物を得ることができる。ガラクトース誘導性プロモーターとしては、既に説明したものから適宜選択して用いることができる。好ましくは、GAL1プロモーターを用いる。
こうした形質転換体は、好ましくは、ガラクトース誘導系を有する宿主細胞に、構成的プロモーターの制御下に連結されたGal結合活性を有するタンパク質のコード領域などを含む発現カセットを備える核酸コンストラクトをトランスフォーメーション法や、トランスフェクション法、接合法、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、酢酸リチウム法、パーティクルガン法等の公知の遺伝子導入法を用いて導入することによって得ることができる。適当な選択培地によって形質転換体を選択し、遺伝子の導入の確認できたものを用いることができる。
本発明の核酸コンストラクトは、構成的プロモーターと、該構成的プロモーターの制御下に連結されGal4活性を有するタンパク質による転写活性化を支援する支援タンパク質をコードするコード領域と、を備えている。構成的プロモーターとしては、既に説明したのと同様のプロモーターを用いることができる。また、支援タンパク質についても既に説明した支援タンパク質を用いることができる。また、転写調節領域としてターミネーター他、必要に応じてエンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)を連結することができる。選択マーカーとしては、特に限定しないで、薬剤抵抗性遺伝子、栄養要求性遺伝子などを始めとする公知の各種選択マーカー遺伝子を利用できる。
こうした核酸コンストラクトは、各種ベクターの形態で提供される。ベクターとしては、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、トランスポゾン、人工染色体(YAC、BAC、PAC等)を、外来遺伝子の導入形態(染色体上あるいは染色体外)や宿主細胞の種類に応じて選択される。また、こうした発現ベクターは、適当な宿主細胞に保持された状態で提供される。
本発明の形質転換体の培養方法は、Gal4活性を有するタンパク質による転写活性化を支援する支援タンパク質を構成的に発現するとともに、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下に内在性又は外来性の所望のタンパク質をコードするコード領域を宿主細胞の染色体上又は染色体外に保持する形質転換体を、実質的にガラクトースを含まない培地で培養する培養工程を備えている。こうした培養工程を備えることで、形質転換体におけるガラクトース誘導的に発現される外来性遺伝子等は発現されないで、細胞にとって質的及び/又は量的に異常にタンパク質が発現されることなく細胞が増殖される。これにより、容易に高密度又は大規模に細胞を増殖させることができる。さらに、この形質転換体によれば、応答性よくガラクトース誘導系を発現させることができる。したがって、本培養方法によれば、ガラクトース誘導系を感度よく、短時間でしかも大量に発現させるのに適した細胞増殖状態を容易に得ることができる。なお、本明細書において、「実質的にガラクトースを含まない培地」とは、ガラクトースを含まない培地又は形質転換体の有するガラクトース誘導系が誘導されない程度の濃度を限度としてガラクトースを含む培地を含んでいる。
本発明の遺伝子の発現方法は、Gal4活性を有するタンパク質による転写活性化を支援する支援タンパク質を構成的に発現するとともに、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下に内外性又は外来性の所望のタンパク質をコードするコード領域を宿主細胞の染色体上又は染色体外に保持する形質転換体を、実質的にガラクトースを含まない培地で培養する第1の培養工程と、グルコースを実質的に含まないでガラクトース誘導系を発現可能な程度のガラクトースの存在下で形質転換体を培養し、内在性又は外来性のタンパク質を発現させる第2の培養工程とを備えている。この発現方法によれば、上記第1の培養工程を備えることで、上記したように、ガラクトース誘導系を感度よく、短時間でしかも大量に発現させるのに適した状態となっている。次いで、第2の培養工程においてガラクトースを添加してガラクトース誘導系を発現させることで、一挙にかつ大量にガラクトース誘導的にガラクトース誘導系を発現させてガラクトース誘導的に所望のタンパク質を発現させて該タンパク質又はその代謝物を得ることができる。
本発明の遺伝子産物又はその二次産物の生産方法は、本発明の遺伝子発現方法により発現させた所望のタンパク質又はそのタンパク質による代謝産物を回収する工程を備えることができる。タンパク質やその代謝産物の回収工程は、例えば、形質転換体内にこれらの産物が生産された場合は、常法により菌体を超音波破壊処理、摩砕処理、加圧破砕などで細胞を破壊した後、産物と細胞と分離することができる。この場合、必要に応じてプロテアーゼを添加する。また、菌体外に産物が生産された場合には、この培養液等を、ろ過、遠心分離などにより菌体などの固形分を除去する。これらの粗抽出画分に対しては、従来公知の各種精製分離法等を利用して、これらの産物を精製することができる。
本実施例においては、サッカロマイセス・セレビシエ由来のイミダゾールグリセロールリン酸脱水素酵素遺伝子(HIS3遺伝子)プロモーター配列の制御下で、目的遺伝子としてサッカロマイセス・セレビシエ由来のガラクトカイネース遺伝子(GAL1遺伝子)及びガラクトースパーミアーゼ遺伝子(GAL2遺伝子)を使用した。さらに、サッカロマイセス・セレビシエ由来のUDP−グルコース−4−エピメラーゼ遺伝子(GAL10遺伝子)プロモーター配列の制御下でサッカロマイセス・セレビシエ由来のGAL4遺伝子を使用した。以上に加え、サッカロマイセス・セレビシエ由来のガラクトカイネース遺伝子(GAL1遺伝子)プロモーター配列の制御下でオワンクラゲ由来のGreenFluorescent Protein遺伝子(GFP遺伝子)を使用した。
・KpnI-His3p (29mer)末端に制限酵素KpnIサイトを付加:AGA GGT ACC CGT TTT AAG AGC TTG GTG AG(配列番号1)
・His3-BamHI (31mer)末端に制限酵素BamHIサイトを付加:AGA GGA TCC CTT TGC CTT CGT TTA TCT TGC C
HIS3p増幅断片2(配列番号2)
・SalI-His3 (29mer)末端に制限酵素SalIサイトを付加:AGA GTC GAC CGT TTT AAG AGC TTG GTG AG(配列番号3)
・His3-XhoI(31mer)末端に制限酵素XhoIサイトを付加:AGA CTC GAG CTT TGC CTT CGT TTA TCT TGC C(配列番号4)
GAL1c増幅断片
・BglII-Gal1c (39mer)末端に制限酵素BglIIサイトを付加:AGA AGA TCT ATA ATG ACT AAA TCT CAT TCA GAA GAA GTG(配列番号5)
・Gal1c-NheI (34mer)末端に制限酵素NheIサイトを付加:AGA GCT AGC TTA TAA TTC ATA TAG ACA GCT GCC C(配列番号6)
GAL2c増幅断片
・SalI-Gal2c (38mer)末端に制限酵素SalIサイトを付加:AGA GTC GAC ATA ATG GCA GTT GAG GAG AAC AAT GTG CC(配列番号7)
・Gal2c-XbaI (32mer)末端に制限酵素XbaIサイトを付加:GAG TCT AGA TTA TTC TAG CAT GGC CTT GTA CC(配列番号8)
GAL10p増幅断片
・SacI-Gal10p (29mer)末端に制限酵素SacIサイトを付加:AGA GAG CTC AAA GCT AGT ATT GTA GAA TC(配列番号9)
・Gal10p-BamHI (32mer)末端に制限酵素BamHIサイトを付加:AGA GGA TCC TTA TAT TGA ATT TTC AAA AAT TC(配列番号10)
GAL4c増幅断片
・BglII-Gal4c (34mer)末端に制限酵素BglIIサイトを付加:AGA AGA TCT ATA ATG AAG CTA CTG TCT TCT ATC G(配列番号11)
・Gal4-NheI (32mer)末端に制限酵素NheIサイトを付加:AGA GCT AGC TTA CTC TTT TTT TGG GTT TGG TG(配列番号12)
CYC1t増幅断片1
・XbaI-Cyc1t (31mer)末端に制限酵素XbaIサイトを付加:GAA TCT AGA ACA GGC CCC TTT TCC TTT GTC G(配列番号13)
・Cyc1t-SalI (27mer)末端に制限酵素SalIサイトを付加:AGA GTC GAC GTT ACA TGC GTA CAC GCG(配列番号14)
CYC1t増幅断片2
・NheI-Cyc1t (31mer)末端に制限酵素NheIサイトを付加:GAA GCT AGC ACA GGC CCC TTT TCC TTT GTC G(配列番号15)
・Cyc1t-SalI (27mer)末端に制限酵素SalIサイトを付加:AGA GTC GAC GTT ACA TGC GTA CAC GCG(配列番号16)
CYC1t増幅断片3
・XbaI-Cyc1t (31mer)末端に制限酵素XbaIサイトを付加:GAA TCT AGA ACA GGC CCC TTT TCC TTT GTC G(配列番号17)
・Cyc1t-KpnI (27mer)末端に制限酵素KpnIサイトを付加:AGA GGT ACC GTT ACA TGC GTA CAC GCG(配列番号18)
URA3g増幅断片
・SalI-Ura3g (30mer)末端に制限酵素SalIサイトを付加:AGA GTC GAC GAT TCG GTA ATC TCC GAA CAG(配列番号19)
・Ura3g-SacI (35mer)末端に制限酵素SacIサイトを付加:AGA GAG CTC GGG TAA TAACTG ATA TAA TTA AAT TG(配列番号20)
TRP1g増幅断片
・SalI-5-Trp1g(41mer)末端に制限酵素SalIサイトを付加:AGA GTC GAC AAC GAC ATT ACT ATA TAT ATA ATA TAG GAA GC(配列番号21)
・Trp1g-SacI (30mer)末端に制限酵素SacIサイトを付加:AGA GAG CTC AGG CAA GTG CAC AAA CAA TAC(配列番号22)
LEU2g増幅断片
・SacI-Leu2g (40mer)末端に制限酵素SacIサイトを付加:AGA GAG CTC TCG AGG AGA ACT TCT AGT ATA TCT ACA TAC C(配列番号23)
・Leu2-SacI (33mer)末端に制限酵素SacIサイトを付加:AGA GAG CTC TCG ACT ACG TCG TAA GGC CGT TTC(配列番号24)
GFPc増幅断片
・BglII-Gfpc (36mer)末端に制限酵素BglIIサイトを付加:AGA AGA TCT ATA ATG GCT AGC AAA GGA GAA GAA CTC(配列番号25)
・Gfpc-BlnI (32mer)末端に制限酵素ApaIサイトを付加:GAG CCT AGG TCA GTT GTA CAG TTC ATC CAT GC(配列番号26)
宿主である酵母W303−1a株(半数体株、TRP1変異、LEU2変異、URA3変異)はトリプトファン合成能、ロイシン合成能、ウラシル合成能を欠損した株である。この株をSD培養液5mlにて、30°Cで対数増殖期(OD660nm=0.8)まで培養した。これにFrozen−EZ Yeast Transformation IIキット(ZYMO RESEARCH社製)を用いてコンピテントセルを作製した。キット添付のプロトコールに従い、このコンピテントセルに上述の実施例にて構築した染色体導入型ベクターpBS−GAL1p−GFPを制限酵素XbaI処理し、遺伝子導入した。この形質転換試料を洗浄後、100μlの滅菌水に溶解させてトリプトファン選抜培地に塗沫し、それぞれについて30°C静置培養下で形質転換体の選抜を行った。
これらの形質転換株2〜8について以下の条件でグルコース存在下(ガラクトース添加なし)で培養し、その後、培地交換してガラクトース存在下(0.05g/l〜20g/l、グルコース添加なし)で培養し、産生したタンパク質を抽出し、ウェスタンブロッティングによりGFPタンパク量を評価した。
SD培養液(グルコース2%)5mlにて、各形質転換株を30°Cで一夜前培養した。SD培養液(グルコース2%)10mlにこの前培養液100μlを植菌して、30°CでOD660nm=1.0〜1.2のものを0時間とし、培養液1mlを採取して、遠心を行って集菌して−20°C保存した。残りの培養液を遠心して菌体を集めて、8mlのSC培地(ガラクトース濃度:0.05g/l〜20g/l)を加えて懸濁して30°Cで0〜4時間、好気条件下で培養を行った(L字試験管、70rpm(小型振盪培養装置(ADVANTEC))。経時的(1h,2h及び4h)に培養液1mlを採取して、遠心を行って集菌して、−20°C保存した。
−20°C保存した菌体を融解し、その6μlを50mM PMSFと50μl Y−PER Yeast ProteinExtraction Reagent(PIERCE社)を加えて、ゆるく振とうしながら室温で20分間処理した。4°C、15,000rpmで15分間遠心し、上清を別の1.5mlチューブに移して、タンパク質溶液とした。このタンパク質溶液を1/3希釈し、QuickStart プロテインアッセイキット(BIO−RAD社)を用いて、BSA溶液を基準としてOD595の吸光度を分光光度計Ultraspec 3000(Amersham Biosciences社)で測定し、タンパク質濃度を決定した。
12%のアクリルアミドゲルを作製し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動をTris−Glycineバッファーを用いて、100Vの定電圧で行った。ゲルをTowbinの転写バッファー(25mMTris,192mM Glycine,20% Methanol,pH8.3)(ref)に20分間浸して平衡化した。トランスブロットSDセル(BIO−RAD社)を用いて、上記の転写バッファーで既に平衡化を行ったタンパク質転写用メンブレンHybond−P(AmershamBiosciences社)に対してゲル中のタンパク質を15Vの定電圧で40分間転写した。メンブレンを軽く水ですすいだ後、2%BSAを含む1xTBSバッファー中に浸して、室温で一夜振とうしてブロッキングを行った。
Claims (31)
- ガラクトース誘導系を有し、
構成的プロモーターの制御下にGal4活性を有するタンパク質による転写活性化を支援する支援タンパク質をコードするコード領域を宿主染色体上又は宿主染色体外に保持する、形質転換体。 - 前記支援タンパク質は、Gal80結合活性及び/又はガラクトカイネース活性を有するタンパク質を含む、請求項1に記載の形質転換体。
- 前記支援タンパク質は、Gal1活性を有するタンパク質及びGal3活性を有するタンパク質から選択される、請求項2に記載の形質転換体。
- 前記Gal80結合活性を有するタンパク質は、Gal1活性を有するタンパク質である、請求項3に記載の形質転換体。
- 前記支援タンパク質は、ガラクトーストランスポーター活性を有するタンパク質を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の形質転換体。
- 前記支援タンパク質は、Gal2活性を有するタンパク質である、請求項5に記載の形質転換体。
- 前記支援タンパク質は、Gal80結合活性及び/又はガラクトカイネース活性を有するタンパク質とガラクトーストランスポーター活性を有するタンパク質とを含む、請求項1に記載の形質転換体。
- 前記支援タンパク質は、Gal1活性を有するタンパク質とGal2活性を有するタンパク質とを含む、請求項7に記載の形質転換体。
- 前記構成的プロモーターは、HIS3プロモーター、TDH3プロモーター及びADH1プロモーターから選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の形質転換体。
- ガラクトース誘導性プロモーターの制御下にGal4活性を有するタンパク質をコードするコード領域を宿主染色体上又は宿主染色体外に保持する、請求項1〜9のいずれかに記載の形質転換体。
- ガラクトース誘導性プロモーターの制御下に内在性又は外来性の所望のタンパク質をコードするコード領域を保持する、請求項1〜10のいずれかに記載の形質転換体。
- 前記ガラクトース誘導性プロモーターは、GAL1プロモーター、GAL2プロモーター、GAL3プロモーター、GAL4プロモーター、GAL5プロモーター、GAL7プロモーター、GAL10プロモーター及びMEL1プロモーターからなる群から選択される、請求項10又は11に記載の形質転換体。
- 前記ガラクトース誘導性プロモーターは、Gal4結合部位を上流側に備えGal4活性を有するタンパク質によって活性化可能なガラクトース代謝遺伝子以外の内在性プロモーター又は外来性プロモーターである、請求項10又は11に記載の形質転換体。
- 前記外来性プロモーター又は前記内在性プロモーターは、CYC1プロモーター、CUP1プロモーター及びHOR7プロモーターから選択される、請求項13に記載の形質転換体。
- 前記宿主細胞は酵母である、請求項1〜14のいずれかに記載の形質転換体。
- 前記酵母は、サッカロマイセス・セレビシエ、サッカロマイセス・ポンベ、ピキア・パストリス、クルイベロマイセス・ラクティス及びカンジダ・アルビカンスから選択される、請求項15に記載の形質転換体。
- 構成的プロモーターと、
該構成的プロモーターの制御下に連結されGal4活性を有するタンパク質による転写活性化を支援する支援タンパク質をコードするコード領域と、
を備える、核酸コンストラクト。 - 前記支援タンパク質は、Gal80結合活性及び/又はガラクトカイネース活性を有するタンパク質を含む、請求項17に記載の核酸コンストラクト。
- 前記支援タンパク質は、Gal1活性を有するタンパク質及びGal3活性を有するタンパク質から選択される、請求項18に記載の核酸コンストラクト。
- 前記支援タンパク質は、ガラクトーストランスポーター活性を有するタンパク質を含む、請求項17〜19のいずれかに記載の核酸コンストラクト。
- 前記支援タンパク質は、Gal2活性を有するタンパク質である、請求項20に記載の核酸コンストラクト。
- 第1の構成的プロモーターと、
該第1の構成的プロモーターの制御下に連結されるGal80結合活性を有するタンパク質及び/又はガラクトカイネース活性を有するタンパク質をコードする第1のコード領域と、
第2の構成的プロモーターと、
該第2の構成的プロモーターの制御下に連結されるガラクトーストランスポーター活性を有するタンパク質をコードする第2のコード領域と、
を備える、核酸コンストラクト。 - 請求項17〜22のいずれかに記載の核酸コンストラクトを備える発現ベクター。
- プラスミド又はウイルスである、請求項23に記載の発現ベクター。
- 請求項23又は24に記載の発現ベクターを保持する宿主細胞。
- 形質転換体の培養方法であって、
請求項11〜16のいずれかに記載の形質転換体を、実質的にガラクトースを含まない培地で培養する培養工程を、備える、培養方法。 - さらに、実質的にグルコースを含まず前記形質転換体の前記ガラクトース誘導系を発現可能な程度のガラクトースの存在下で前記形質転換体を培養する培養工程を、備える、請求項26に記載の培養方法。
- 遺伝子の発現方法であって、
請求項11〜16のいずれかに記載の形質転換体を、実質的にガラクトースを含まない培地で培養する第1の培養工程と、
実質的にグルコースを含まず、前記形質転換体の前記ガラクトース誘導系を発現可能な程度のガラクトースの存在下で前記形質転換体を培養し、前記所望のタンパク質を発現させる第2の培養工程と、
を備える、発現方法。 - 前記2の培養工程におけるガラクトースの初期濃度は20g/l未満である、請求項28に記載の発現方法。
- 前記第2の培養工程は、ガラクトースを含む培地に培地交換して開始する、請求項に28又は29に記載の発現方法。
- 形質転換体を用いた物質の生産方法であって、
請求項28〜30のいずれかに記載の遺伝子発現方法により発現させた所望のタンパク質又はそのタンパク質による代謝産物を回収する工程を備える、生産方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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