JP2007088391A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーニングするたびに行っていた成膜用ガスノズルの交換の時期を延長させ、基板処理装置のメンテナンス時コストを大幅に低減し、成膜用ガスノズル交換に要していた時間をなくし、反応炉のダウンタイムを短縮する基板処理装置を提供する。
【解決手段】ウェハなどの基板を処理する反応容器と、反応容器内に成膜用ガスを供給する成膜用ガスノズル40(石英ロングノズルA、B、C、D)と、反応容器内にクリーニング用ガスを供給するクリーニング用ガスノズル46とを有し、成膜用ガスノズル40の内径または/および肉厚をクリーニング用ガスノズル46よりも大きくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に反応容器内のクリーニング技術に関するものである。
半導体装置の製造方法を実施する半導体製造装置として、複数の基板を一括処理する縦型CVD装置が知られている。この縦型CVD装置の反応炉を使用して、複数の基板上に、フラットポリシリコン膜と呼ばれるポリシリコン膜を成膜することが行われている。ここで、フラットとは、炉内の温度勾配をフラット(ゼロ)にすることである。したがって、フラットポリシリコン膜とは、温度勾配をフラットにした炉内に配置された複数の基板上に成膜されるポリシリコン膜をいう。ここで、複数の基板が配置される炉内の領域を基板配列領域という。
このフラットポリシリコン膜の成膜に際しては、基板配列領域全体に適量の成膜ガスを供給するために、ロングノズルと呼ばれる成膜用ガスノズルを使用している。ここでロングノズルとは、炉内の基板配列領域外からではなく、炉内の基板配列領域内から成膜ガスを供給することが可能な成膜用ガスノズルをいう。縦型CVD装置の反応炉にあっては、このロングノズルは、通常、炉の下部から挿入されて炉の上部に向けて延在されているため、炉内の下部から挿入されてそこに止まる通常ノズルと比べて長さが長くなっている。上述したフラットポリシリコン膜の成膜には、基板配列領域に沿う、長さの異なる複数本の、例えば4本の石英製のロングノズル(以下、石英ロングノズルという)が使用されている。
ところで、反応炉内で成膜を繰り返していくと、反応炉内に副生成物である生成膜が堆積していく。この堆積膜厚が10μm以上になると、パーティクル発生の要因となるため、一旦、堆積膜の除去が必要となる。この反応炉内の膜除去には、クリーニングガスによるエッチングが採用される。例えばSiH4を反応炉内に供給してポリシリコン膜を成膜する場合、ClF3ガスやF2ガスによるエッチングが有効である。ここで、反応炉の内壁等のみならず、フラットポリシリコン膜を成膜するために使用する石英ロングノズルの内壁にも、当然ポリシリコン膜が成膜される。したがって、反応炉の内壁等と石英ロングノズルの内壁との両方の堆積膜をエッチングする必要がある。この場合、成膜用ガスノズル内の堆積膜厚は、反応炉内の堆積膜厚に比べ一般に4倍以上厚く付着している。このため、成膜用ガスノズル内のクリーニングを、反応炉内のクリーニングと別に行う必要がある。
そこで、従来、クリーニング用ガスノズルよりクリーニングガスを反応炉内に導入して、反応炉内をクリーニングするとともに、クリーニングガスを成膜用ガスノズル内にも導入して成膜用ガスノズル内をクリーニングすることが行われている。この場合、成膜用ガスノズルの内壁のクリーニング処理と、反応管の内壁等のクリーニング処理を同時に行うようにする方法の他に、これらのクリーニング処理を別々に行うようにする方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−68214号公報(段落番号0091等)
しかしながら、特許文献1の方法のように、成膜用ガスノズルの内壁のクリーニング処理と反応管の内壁等のクリーニング処理を同時に行うと、クリーニング時間を反応管の内壁等のクリーニングに要するクリーニング時間に合せる必要があり、成膜用ガスノズルに失透が発生するため好ましくない。
また、成膜用ガスノズルの内壁のクリーニング処理と、反応管の内壁等のクリーニング処理を別々に行うようにする特許文献1の他の方法でも、成膜用ガスノズルの内壁のクリーニングを、反応管の内壁等のクリーニングと同一条件(同一ガス流量等)で行っているので、成膜用ガスノズルのダメージが大きく、再利用が不可能になる場合があった。特にロングノズルの場合には、その形状からダメージが大きく、再利用が不可能であった。そこで、メンテナンス毎に、成膜用ガスノズルのクリーニングを実施する代りに、成膜用ガスノズルは新品に交換し、反応炉内のみのクリーニングを実施しているのが現状であった。
すなわち、成膜用ガスノズル内壁と反応管の内壁等のクリーニング条件を同一にすると、クリーニングガス流量が少い場合には反応管内壁等のクリーニングが不十分となり、また、クリーニングガス流量が多すぎる場合には成膜用ガスノズル内壁のクリーニングが過剰となるという問題があった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、クリーニング時の成膜用ガスノズルのダメージを低減して、メンテナンス時のコストと装置のダウンタイムを低減することが可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
第1の発明は、基板を処理する反応容器と、前記反応容器内に成膜用ガスを供給する成膜用ガスノズルと、前記反応容器内にクリーニング用ガスを供給するクリーニング用ガスノズルとを有し、前記成膜用ガスノズルの内径または/および肉厚がクリーニング用ガスノズルよりも大きいことを特徴とする基板処理装置である。
成膜用ガスノズルの内径または/および肉厚がクリーニング用ガスノズルよりも大きいと、反応容器内に、成膜用ガスノズルまたはクリーニング用ガスノズルからクリーニングガスを供給して成膜用ガスノズル内または反応容器内をクリーニングするときに、成膜用ガスノズルのダメージが少なく、その結果、成膜用ガスノズルの再利用が可能となる。また、反応容器内に成膜用ガスノズルからクリーニングガスを供給して行う成膜用ガスノズル内のクリーニングと、反応容器内にクリーニング用ガスノズルからクリーニングガスを供給して行う反応容器内のクリーニングとの2段階連続クリーニングを繰り返して実施することが可能となる。また、成膜時に成膜用ガスノズル内に堆積する膜厚を低減でき、成膜用ガスノズル内のクリーニング時間を短縮できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記成膜用ガスノズルの一部は、前記反応容器内を加熱するヒータと対向する領域に設けられることを特徴とする基板処理装置である。ここで、反応容器内を加熱するヒータと対向する領域とは、例えば基板配列領域である。
成膜用ガスノズルの一部が、反応容器内を加熱するヒータと対向する領域に設けられていると、他部よりも膜厚が厚くなる(クリーニングを多く必要とする)その一部に合わせてクリーニングする必要がある。この場合において、成膜用ガスノズルの内径または/および肉厚がクリーニング用ガスノズルよりも大きいと、成膜用ガスノズル内または反応容器内をクリーニングするときや、2段階連続クリーニングを繰り返して実施するときに、成膜用ガスノズルのダメージが少なく、その結果、成膜用ガスノズルの再利用が可能となる。また、成膜時に成膜用ガスノズル内に堆積する膜厚を低減でき、成膜用ガスノズル内のクリーニング時間を短縮できるので、特に有用である。
第3の発明は、第1の発明において、前記成膜用ガスノズルは、長さの異なる複数のノズルよりなることを特徴とする基板処理装置である。
成膜用ガスノズルが、長さの異なる複数のノズルよりなる場合、長さの異なる複数のノズルのうち、短いノズルよりも長いノズルに合わせてクリーニングする必要がある。この場合において、成膜用ガスノズルの内径または/および肉厚がクリーニング用ガスノズルよりも大きいと、成膜用ガスノズル内または反応容器内をクリーニングするときや、2段階連続クリーニングを繰り返して実施するときに、長さの短い成膜用ガスノズルであってもダメージが少なく、その結果、成膜用ガスノズルの再利用が可能となる。また、成膜時に成膜用ガスノズル内に堆積する膜厚を低減でき、成膜用ガスノズル内のクリーニング時間を短縮できるので、特に有用である。
なお、長さの異なる複数の成膜用ガスノズルは、例えば、複数の基板を一括処理する縦型のCVD装置において、複数の基板が配列される反応炉内の基板配列領域の異なる位置にそれぞれ配設され、複数の基板に適量の成膜ガスを供給するために設けられる。
第4の発明は、基板を反応容器内に搬入する工程と、前記反応容器内に、クリーニング用ガスノズルよりも内径または/および肉厚が大きい成膜用ガスノズルより成膜用ガスを供給して基板上に薄膜を成膜する工程と、成膜後の基板を前記反応容器から搬出する工程と、前記反応容器内に、前記成膜用ガスノズルまたは前記クリーニング用ガスノズルからクリーニングガスを供給して前記成膜用ガスノズル内または前記反応容器内をクリーニングする工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
成膜用ガスノズルの内径または/および肉厚がクリーニング用ガスノズルよりも大きいと、反応容器内に、成膜用ガスノズルまたはクリーニング用ガスノズルからクリーニングガスを供給して成膜用ガスノズル内または反応容器内をクリーニングするときに、成膜用ガスノズルのダメージが少なく、その結果、成膜用ガスノズルの再利用が可能となる。また、反応容器内に成膜用ガスノズルからクリーニングガスを供給して行う成膜用ガスノズル内のクリーニングと、反応容器内にクリーニング用ガスノズルからクリーニングガスを供給して行う反応容器内のクリーニングとの2段階連続クリーニングを繰り返して実施することが可能となる。また、成膜時に成膜用ガスノズル内に堆積する膜厚を低減でき、成膜用ガスノズル内のクリーニング時間を短縮できる。
第5の発明は、第1の発明において、前記成膜用ガスノズルの形状に合わせて反応容器の形状を変形させたことを特徴とする基板処理装置である。
成膜用ガスノズル内または反応容器内をクリーニングするときに、成膜用ガスノズルの内径または/および肉厚をクリーニング用ガスノズルよりも大きくすると、成膜用ガスノズルが基板と接触しやすくなるが、本発明によれば、内径または/および肉厚をクリーニング用ガスノズルよりも大きくした成膜用ガスノズルの形状に合わせて反応容器の形状を変形させているので、そのような問題を解決できる。
本発明によれば、クリーニング時の成膜用ガスノズルのダメージを低減でき、また、成膜用ガスノズル内のクリーニング時間を短縮でき、メンテナンス時のコストと装置のダウンタイムを低減させることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図4は、実施の形態の基板処理装置である半導体製造装置としての縦型CVD装置の概略断面図を示すものである。縦型CVD装置は、主に基板を処理する反応空間を有する反応炉と、反応炉に対して基板保持部材に保持された基板を搬送する搬送手段とを備え、基板保持部材を反応炉に収容して基板を処理するように構成される。
反応炉31は、反応管37と加熱装置としてのヒータユニット39とを備える。反応管37は、外管としてのアウタチューブ115と内管としてのインナチューブ116とから構成されている。アウタチューブ115は例えば石英(SiO2)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞され、下端に開口を有する円筒状の形態である。インナチューブ116は、上端及び下端の両端に開口を有する円筒状の形態を有し、アウタチューブ115内に同軸的に配置されている。アウタチューブ115とインナチューブ116の間の空間は筒状空間114を成す。インナチューブ116の上部開口から上昇したガスは、筒状空間114を通過して排気系としての排気管111から排気されるようになっている。なお、反応炉31の制御系は制御手段103で制御される。
アウタチューブ115およびインナチューブ116の下端には、例えばステンレス等よりなるマニホールド117が係合され、このマニホールド117にアウタチューブ115およびインナチューブ116が保持されている。アウタチューブ115の下端部およびマニホールド117の上部開口端部には、それぞれ環状のフランジが設けられ、これらのフランジ間が気密にシールされている。
マニホールド117の下端開口部には、例えばステンレス等よりなる円盤状の蓋体としてのシールキャップ38が気密シール可能に着脱自在に取付けられている。シールキャップ38には、回転手段としての回転軸36および回転機構36aが連結されており、回転軸36および回転機構36aにより、基板保持部材としてのボート21及びボート21上に保持されている複数のウェハ200を回転させる。又、シールキャップ38は基板搬送手段である昇降手段としてのボートエレベータ35に連結されていて、ボート21を昇降させる。ボートエレベータ35は、ボート21に保持された複数のウェハ200を反応空間34に対して搬送する。回転軸36、回転機構36a、及びボートエレベータ35は、ボート21の回転スピード、昇降スピードを所定のスピードにするように、制御手段103により制御される。
アウタチューブ115の外周にはヒータユニット39が同軸的に配置されている。ヒータユニット39は、アウタチューブ115内の温度を所定の処理温度にするよう制御手段103により制御される。
前述した反応管37とマニホールド117とで反応容器32が構成される。また、インナチューブ116、アウタチューブ115と、マニホールド117とで、ボート21に支持されたウェハ200を収納して処理するための反応空間34が構成される。
マニホールド117から反応管37にわたって、それらの一側には、石英製の成膜用ガスノズル40が複数本設けられている。これらの成膜用ガスノズル40により、成膜ガスがインナチューブ116内に供給されるようになっている。成膜用ガスノズル40は、複数本、例えば長さの異なる4本の石英ロングノズルA〜D(長さはA>B>C>Dの関係にある)から構成される。ここで、成膜用ガスノズル40を、長さの異なる4本の石英ロングノズルから構成したのは、反応炉内の温度勾配をゼロとしたうえで、複数のウェハ200の膜厚均一性を確保するためには、基板配列領域としてのウェハ配列領域22を4ゾーンに分割して、分割した各ゾーンに対応するように、反応炉内に複数本のロングノズルを延在させ、これらから成膜ガスを供給することが必要となるからである。
石英ロングノズルA〜Dの先端部は、反応空間34内のウェハ配列領域22に位置決めされている。この場合、石英ロングノズルA〜Dの出口となる先端部は、ウェハ配列領域22に沿って、上下方向にずれるように位置決めされ、ウェハ配列領域22の途中箇所から複数のウェハ200に適量の成膜ガスを供給するようになっている。これらの石英ロングノズルA〜Dの入口となる基端部は、マニホールド117の一側に形成されたノズル通し穴を介して反応管37の外部に取り出されている。
また、マニホールド117の他側には、クリーニングガス供給口を形成する石英製のクリーニング用ガスノズル46(以下、ClF3ノズルともいう)が設けられている。このClF3ノズル46により、クリーニングガスがインナチューブ116内に供給されるようになっている。ClF3ノズル46の先端部は、ウェハ配列領域22の下方に位置決めされている。
このClF3ノズル46の基端部は、マニホールド117に形成されたノズル通し穴を介して反応管37の外部に取り出されている。ここで、ClF3ノズル46も石英ロングノズルA〜Dと同じ材料の石英から形成されているが、ClF3ノズル46は、その長さが石英ロングノズルA〜Dの長さと比べると短く、比較的低温である領域に配置されていることもあり、石英ロングノズルA〜Dのようなクリーニング時のダメージ問題はあまり生じない。
また、マニホールド117の他側には、真空ポンプ等の排気装置(図示せず)に連結されたガスの排気管111が接続されており、アウタチューブ115とインナチューブ116との間の筒状空間114を流れるガスを排出し、アウタチューブ115内を所定の圧力の減圧雰囲気にするよう制御手段103により制御される。
上述した石英ロングノズルA〜D、ClF3ノズル46は、図示しない成膜ガス源、不活性ガス源、クリーニングガス源に配管系を介して連結されている。
石英ロングノズルA〜Dは、反応管37の外部に取り出されているそれらの基端部が、それぞれエアバルブ79〜82、2方向バルブ51〜54、エアバルブ75〜78、流量制御手段としてのMFC91〜94、及びエアバルブ71〜74を介在した配管で、図示しない成膜ガス源としてのSiH4ガス源に連結されている。上記2方向バルブ51〜54は、石英ロングノズルA〜D側配管を、SiH4ガス源側又は非成膜ガス源側配管に切替えるバルブである。ここで非成膜ガス源側とは、不活性ガス源側(以下、N2ガス源)又はクリーニングガス源(ClF3ガス源)側のことである。
また、ClF3ノズル46は、エアバルブ89、2方向バルブ55、エアバルブ84、MFC95、及びエアバルブ83を介在した配管で、図示しないClF3またはF2ガス源(クリーニングガス源)に連結されている。ここで2方向バルブ55は、ClF3ガス源側配管をClF3ノズル46側又は石英ロングノズルA〜D側配管に切替えるバルブである。
また、ClF3ノズル46側の配管に介設された2方向バルブ55とエアバルブ84との間の配管には、エアバルブ86、MFC96、エアバルブ85を介在した配管が連結されており、その配管は、図示しないN2ガス源(不活性ガス源)に連結されている。また、成膜用ガスノズル40側の配管に介設された4つの2方向バルブ51〜54とClF3ノズル46側の配管に介設された2方向バルブ55とを共通接続した配管には、エアバルブ88、MFC97、エアバルブ87を介在した配管が連結されており、その配管は上述したN2ガス源に連結されている。
制御手段103は、縦型CVD装置を構成する各部の動作を制御する。例えば、ボート21に保持した複数のウェハ200を反応空間34に対してボートエレベータ35で搬送する搬送ステップ、石英ロングノズルA〜Dから反応空間34に成膜ガスを供給しつつ排気管111から排気して、ウェハ200上に薄膜を成膜する成膜ステップ、及び成膜ステップで反応管37内に堆積した生成膜を除去するクリーニングステップを実行するように制御する。また、例えば制御手段103は、成膜ステップとクリーニングステップとにおいて、石英ロングノズルA〜D及びClF3ノズル46へのガスの導入をつぎのように制御する。
成膜ステップのときは、制御手段103によって、SiH4ガス源が石英ロングノズルA〜Dに連通するように、成膜用ガスノズル40側の配管に介設された2方向バルブ51〜54を石英ロングノズルA〜D側に切替えて、MFC91〜94で流量に制御された成膜ガスを、石英ロングノズルA〜Dから反応空間34に供給するようになっている。
また、クリーニングステップのときは、クリーニングステップを第1のクリーニングステップと、第2のクリーニングステップとに分け、第1のクリーニングステップでは、制御手段103によって、反応炉31内を第1の条件に保持するとともに、ClF3ガス源が石英ロングノズルA〜D側配管に連通するように、成膜用ガスノズル40側の配管に介設された2方向バルブ51〜54、及びClF3ノズル46側の配管に介設された2方向バルブ55を、いずれも成膜用ガスノズル40側配管に、所定のタイミングで切替えることによって、MFC95で流量制御されたクリーニングガス(ClF3ガス)を、石英ロングノズルA〜Dから第1の条件に保持した反応空間34に供給するようになっている。
また、第2のクリーニングステップでは、制御手段103によって、反応炉31内を第1の条件とは異なる第2の条件に保持するとともに、ClF3ガス源がClF3ノズル46側に連通するように、ClF3ノズル46側の配管に介設された2方向バルブ55をClF3ノズル46側に、所定のタイミングで切替えることによって、MFC95で流量制御されたClF3ガスを、ClF3ノズル46から、第1の条件とは異なる第2の条件に保持した反応空間34に供給するようになっている。
また、第1のクリーニングステップ及び第2のクリーニングステップにおいて、制御手段103によって、N2ガス源側の配管に介設されたエアバルブ86、88等を、所定のタイミングで開閉制御することによって、石英ロングノズルA〜D又はClF3ノズル46から、MFC96〜97で流量制御された不活性ガスを反応空間34に供給するようになっている。
つぎに、上述した反応炉31による半導体装置の製造方法の一例を説明する。
(1)成膜ステップ及び成膜ステップに関連する動作
まず、ボートエレベータ35によりボート21を下降させる。ボート21に複数枚のウェハ200を装填して保持する。次いで、ヒータユニット39により反応空間34内を加熱しながら、反応空間34内の温度を所定の処理温度にする。
MFC97により流量制御された不活性ガスを石英ロングノズルA〜Dより反応空間34内に供給して、予め反応空間34内を不活性ガスで充填しておく。ボートエレベータ35により、ボート21を上昇させて反応空間34内に移し、シールキャップ38により炉口を気密に閉塞する。反応空間34の内部温度を所定の処理温度に維持する。このときヒータユニット39の制御手段103による加熱制御によって形成される反応空間34内の温度勾配は、フラットすなわちゼロとする。温度勾配をゼロとするのは、温度に対して影響のあるウェハの膜質や膜厚を均一にするためである。
反応空間34内を所定の真空状態まで排気した後、回転軸36、回転機構36aにより、ボート21及びボート21上に保持されている複数のウェハ200を回転させる。同時に石英ロングノズルA〜Dから、MFC91〜94によって流量制御された成膜ガスを反応空間34内に供給する。供給されたガスは、反応空間34内を上昇し、ウェハ配列領域22に配置された複数のウェハ200に対して供給される。減圧CVD処理中の反応空間34内は、排気管111を介して排気され、所定の真空になるよう自動圧力制御器(図示せず)により圧力が制御され、所定時間減圧CVD処理、すなわち成膜ステップを実行する。
このようにして成膜ステップが終了すると、次のウェハ200の減圧CVD処理に移るべく、反応空間34内のガスを不活性ガスで置換するとともに、圧力を常圧にし、その後、ボートエレベータ35によりボート21を下降させて、ボート21及び処理済のウェハ200を反応空間34から取り出す。反応空間34から取り出されたボート21上の処理済のウェハ200は、未処理のウェハ200と交換され、再度前述同様にして反応空間34内に上昇され、減圧CVD処理が成される。
ところで、反応管37の内壁の堆積膜厚が、例えば、10μm以上になると、パーティクル発生の要因となるため、反応管37の内壁等をクリーニングするクリーニングステップを実行する必要が生じる。
このクリーニングステップは、炉内温度を常温に落とすことなく、2段階に分けて行う。第1段階(第1のクリーニングステップ)は、主に成膜用ガスノズル40(石英ロングノズルA〜D)の内壁をクリーニングする。第2段階(第2のクリーニングステップ)は、主に反応管37の内壁等をクリーニングする。以下、図5を用いて具体的に説明する。
(2)第1のクリーニングステップ
石英ロングノズルA〜Dの内壁をクリーニングする場合の動作を説明する。本実施の形態では、この第1のクリーニングステップは、石英ロングノズルA〜Dが失透するのを防止するために、反応管37の内壁等の第2のクリーニングステップに先立って行われる。
この場合、反応炉31内を第1の条件に保持する。この第1の条件とは、第1のクリーニングステップで石英ロングノズルA〜Dに流すClF3ガスの総流量が、第2のクリーニングステップでClF3ノズル46から流す総流量よりも小さい条件のことである。
成膜処理用の石英ロングノズルA〜Dのその入口から、MFC95により流量制御されたClF3ガスが導入されて、その出口から反応管37内に供給される。これにより、石英ロングノズルA〜Dの内壁に堆積している生成膜がClF3ガスによってエッチングされる。エッチングされた生成膜は、石英ロングノズルA〜Dの出口から反応空間34に排出される。このとき、真空排気処理が実行される。これにより、エッチングされて反応空間34に出力された生成膜は、排気管111を介して排出される。
図5に示すように、クリーニング処理は、小流量のClF3とN2の混合ガスを流すことにより行うが(黒塗り部)、4本の石英ロングノズルA〜Dについて、ここでは同時に行う。この場合、4本の石英ロングノズルA〜Dは、ノズルの長さがそれぞれ異なるために、クリーニング処理が、より短い石英ロングノズルDから、より長い石英ロングノズルAへかけて順次終了していくように、制御手段103によって各石英ロングノズルA〜DにClF3とN2の混合ガスを流す時間を制御する。この場合、クリーニングが終了しても、クリーニングが終了した石英ロングノズルA〜Dには引続きN2ガスを流して(白抜き部)、反応空間34内に不活性ガスが供給されるようにする。これにより、エッチングが終了した石英ロングノズルA〜Dのオーバーエッチングが防止される。
すなわち、クリーニング処理が終了した石英ロングノズルA〜Dの内部には、通常、ClF3ガスが残存する。したがって、これをそのまま放置すると、石英ロングノズルA〜D内壁全体がオーバーエッチングされる。しかしながら、本実施の形態では、クリーニング処理の終了した石英ロングノズルA〜Dに不活性ガスN2が引続き供給される(白抜き部)。これにより、この石英ロングノズルA〜Dの内部に残存するClF3ガスが追い出される。また、クリーニングが終了していない石英ロングノズルA〜Dから反応空間34内に排出されるClF3ガスが、クリーニング終了後の石英ロングノズルA〜Dに流入するのを阻止する。その結果、石英ロングノズルA〜D内のClF3ガスの残存及び流入によるオーバーエッチングが防止される。
また、第1のクリーニングステップでは、ClF3ノズル46よりN2ガスを反応空間34内に供給する。ClF3ノズル46より不活性ガスを供給すると、成膜用ガスノズル40から反応空間34内に供給されるClF3ガスの濃度を調整することができる。また、成膜用ガスノズル40から反応空間34内に供給されるClF3ガスが、ClF3ノズル46内に侵入しないので、ClF3ノズルの余分な失透を防ぐことができる。
(3)第2のクリーニングステップ
次に、反応管37の内壁等をクリーニングする場合の動作を説明する。本実施の形態では、反応管37の内壁等のクリーニングを行う第2のクリーニングステップは、図5に示すように、石英ロングノズルA〜Dのうち、最長の石英ロングノズルAのエッチングが終了した後、連続してClF3ノズルに大流量のClF3とN2の混合ガスを流すことにより行われる(黒塗り部分)。ここでは、第2のクリーニングステップにより、石英ロングノズルA〜Dの外壁も、反応炉用のClF3ガスにさらされて、反応管37の内壁と同様にクリーニングされることになる。ここでは、反応炉31内を第2の条件に保持する。この第2の条件とは、第2のクリーニングステップでClF3ノズル46から流す総流量が、第1のクリーニングステップで石英ロングノズルA〜Dに流すClF3ガスの総流量よりも大きい条件のことである。
クリーニング処理用のClF3ノズル46の入口から大流量のClF3とN2の混合ガスが導入されて、その出口から反応空間34内に供給される。これにより、反応管37の内壁や石英ロングノズルA〜D及びClF3ノズル46の外壁等に堆積した生成膜がエッチングされる。また、このとき、真空排気処理が実行される。これにより、エッチングされた生成膜が排気管111を介して排出される。
また、この場合、図5に示すように、クリーニング処理が終了した全ての石英ロングノズルA〜Dから反応空間34内に小流量の不活性ガスN2が継続して供給される(白塗り部)。これは、石英ロングノズルA〜D内へのClF3ガスの侵入を防止するためである。すなわち、石英ロングノズルA〜D内の生成膜除去後、反応炉内の生成膜除去を、第2の条件で実施する際、石英ロングノズルA〜D内に大流量のClF3ガスが入り込んでしまい、次の成膜時に悪影響を与えてしまうことが懸念される。このため、反応炉の内壁等の生成膜除去の際は、石英ロングノズルA〜Dに小流量のN2ガスを流すことで、ClF3ガスの流入を防いでいる。
上述した成膜ステップ、及びクリーニングステップの条件を、具体的に例示すれば以下のようになる。ここでの膜種はポリシリコン膜(すなわち、フラットポリシリコン膜)、成膜ガスはSiH4、クリーニングガスはClF3ガスとN2との混合ガス(以下、ClF3+N2という)である。なお、N2はクリーニングガスを希釈する不活性ガスである。
[成膜ステップ条件]
反応炉容量:300〜500L
成膜温度:600〜700℃
反応炉内圧力:10〜100Pa
ウェハ径:30cm
反応炉に挿入するウェハ枚数:100枚
ウェハ配列領域の高さ:1〜1.2m
全石英ロングノズルA〜Dに流す(SiH4)総流量:0.04〜1.2SLM
各石英ロングノズルA〜Dに流す(SiH4)流量:0.01〜0.3SLM
[第1のクリーニングステップにおける第1の条件]
全石英ロングノズルA〜Dに流す(ClF3+N2)総流量:0.02〜6SLM
全石英ロングノズルA〜Dに流すClF3総流量:0.01〜2SLM
全石英ロングノズルA〜Dに流すN2総流量:0.01〜4SLM
各石英ロングノズルA〜Dに流す(ClF3+N2)流量:0.005〜1.5SLM
各石英ロングノズルA〜Dに流すClF3流量:0.0025〜0.5SLM
各石英ロングノズルA〜Dに流すN2総流量:0.0025〜1SLM
ClF3ノズルに流すN2流量:0.1〜1SLM
クリーニング終了後の各石英ロングノズルA〜Dに流すN2流量:0.01〜1SLM
クリーニング時間:5min〜30min
なお、各石英ロングノズルA〜Dのクリーニングの終了と、その後にN2ガスを流すタイミングは、ポリシリコン膜の厚さによるが、ノズルの長さが、ノズルA>ノズルB>ノズルC>ノズルDなので、ノズルD→ノズルC→ノズルB→ノズルAの順にクリーニングを終了してN2ガスを流すことになる。
[第2のクリーニングステップにおける第2の条件]
ClF3ノズルに流す(ClF3+N2)総流量:1.1〜11SLM
ClF3ノズルに流す(ClF3+N2)総流量のうちのClF3流量:0.1〜1SLM
ClF3ノズルに流す(ClF3+N2)総流量のうちのN2流量:1〜10SLM
クリーニング時間:1〜3Hr(時間)
各石英ロングノズルA〜Dに流すN2流量:0.01〜0.1SLM
(第1の条件と第2の条件の共通条件)
温度:300〜500℃
反応炉内圧力:10〜200Pa
ClF3濃度:10〜50%
上述したように、第1の実施の形態によれば、第1のクリーニングステップのClF3とN2との混合ガス流量を、第2のクリーニングステップの混合ガス流量よりも少なく(1/50〜1/2程度と)したので、第1のクリーニングステップで石英ロングノズルA〜Dへのダメージを低減できる。したがって、従来、反応管37内をクリーニングするたびに行っていた石英ロングノズル交換の時期を延長することができる。その結果、CVD装置のメンテナンス時のコストを大幅に低減することができる。また、石英ロングノズル交換に要していた時間を低減することができ、反応炉のダウンタイムを短縮することができる。
また、第1のクリーニングステップでは、ClF3ノズル46よりも長さの長い石英ロングノズルA〜Dより、第2のクリーニングステップと比べて小流量のClF3とN2との混合ガスを供給するので、石英ロングノズルA〜Dにダメージを与えることなく、石英ロングノズルA〜D内に堆積したポリシリコン膜を有効に除去できる。このとき、クリーニングの終了した石英ロングノズルA〜D内に不活性ガスN2が供給されて、石英ロングノズルA〜D内部に残存するClF3ガスが追い出されるので、ClF3ガス残存によるオーバエッチングが防止できる。また、クリーニングが終了していない石英ロングノズルA〜Dより反応空間34に排出されたClF3ガスが、クリーニング終了後の石英ロングノズルA〜D内に侵入するのが阻止されるので、ClF3ガスの侵入による石英ロングノズルA〜D内壁の先端部でのオーバエッチングが防止できる。
また、第1のクリーニングステップでは、長さの異なる複数の石英ロングノズルA〜Dの長さに応じて、クリーニングガスを供給する時間を変えているので、複数の石英ロングノズルA〜Dにオーバエッチ等のダメージを与えることなく、適切なエッチングを行うことができる。
特に、実施の形態では、反応炉内の温度勾配をゼロにして長さの異なる複数の石英ロングノズルA〜Dより反応炉内に成膜ガスを供給することによって、フラットポリシリコン膜を成膜するようにしているが、本発明は、このようなフラットポリシリコン膜を成膜するときに使用される長さの異なる石英ロングノズルA〜Dの内壁に堆積する生成膜をエッチングする場合に、その形状から石英ロングノズルA〜Dがダメージを受けやすいので、特に有用である。
また、第2のクリーニングステップでは、ClF3ノズル46より、第1のクリーニングステップと比べて大流量のClF3とN2との混合ガスを反応管37内に供給するので、反応管37内壁等に堆積したポリシリコン膜を有効に除去できる。また、反応管37内をクリーニングするときのクリーニング用ガスノズルとして、成膜用ガスノズル40とは異なるClF3ノズル46を用いており、石英ロングノズルA〜DからはN2ガスを供給することができるため、第2のクリーニングステップにおいて、石英ロングノズルA〜D内へのClF3ガスの侵入を阻止できる。したがって、ClF3ガスの侵入による石英ロングノズルA〜D内のオーバエッチングが防止できる。
なお、第1の実施の形態では、ノズルクリーニングを先に、反応管クリーニングを後にしているが、これとは逆に、反応管クリーニングを先に実行することも考えられる。しかし、ノズルクリーニングを後にすると、ノズルクリーニングステップではクリーニングガス量を少なくしているので、ノズル内壁からエッチングされた生成膜が、反応管から有効に排出できずに、反応管底部に溜り、パーティクルの発生の懸念がある。したがって、そのような懸念のない実施の形態の順序でクリーニングを行う方が好ましい。
また、第1の実施の形態では、ポリシリコン膜をクリーニング処理する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の膜種をクリーニング処理する場合についても適用可能である。また、第1の実施の形態では、成膜用ガスノズルを4本使用する場合について説明したが、成膜用ガスノズルの本数は4本に限定されない。
また、第1の実施の形態では、SiH4を用いて基板上にポリシリコン膜を成膜させ、その成膜処理過程で反応管内やノズル内に堆積したポリシリコン膜をクリーニングする場合において、クリーニングガスとしてポリシリコン膜のエッチングに最も有効なClF3を用いたので、成膜用ガスノズル内壁及び反応管内壁等に堆積したポリシリコン膜を有効に除去できる。なお、本発明のクリーニングガスはClF3に限定されるものではなく、例えばNF3、F2など他のクリーニングガスも使用可能である。
また、第1の実施の形態では、複数本の成膜用ガスノズルを同時にクリーニング処理する場合について説明したが、複数本の成膜用ガスノズルを予め定めた順序に従って順次1本ずつ選択することにより、1本ずつ行うようにしてもよい。
また、第1の実施の形態では、第1、第2の条件として、クリーニングガスの総流量をパラメータとしたが、本発明はこれに限定されない。例えばクリーニングガス濃度をパラメータとしてもよい。この場合、第1のクリーニングステップの方が、第2のクリーニングステップよりもクリーニングガス(ClF3等)濃度が小さくなるようにするのが好ましい。こうすることにより、石英ロングノズルA〜Dにダメージを与えることなく、石英ロングノズルA〜D内に堆積したポリシリコン膜を有効に除去できる。なお、ガス濃度は、希釈ガスのN2の流量又はClF3の流量を変えることによって行う。また、この場合、ガス濃度とガス流量の両方をパラメータとすることも、ガス濃度のみをパラメータとすることも可能である。
また、第1の実施の形態では、第1のクリーニングステップ(ノズルクリーニング)後に、第2のクリーニングステップ(反応管クリーニング)を行う場合について説明したが、第1のクリニーングステップと第2のクリーニングステップとを同時に行うことも可能である。その場合、成膜用ガスノズルより、第1の条件に設定したクリーニングガスを供給しつつ、ClF3ノズルより、第1の条件とは異なる第2の条件に設定したクリーニングガスを供給することとなる。なお、第1の条件、第2の条件、クリーニング終了後の成膜用ガスノズルへのN2の供給などは実施の形態と同様である。
このように、第1クリーニングステップと第2クリーニングステップとを同時に行うようにすると、トータルでクリーニング時間を短縮することができる。
また、第1の実施の形態では、特に効果が大きい多系統ノズルの場合について説明したが、1系統ノズルの場合にも本発明は適用可能である。また、長さが異なる成膜用ガスノズルの場合について説明したが、長さが同一の成膜用ガスノズルを有する場合についても適用可能である。
図4に示す縦型CVD装置を使用して、フラットポリシリコン膜を成膜した後、ClF3ガスによるクリーニングを行った。第1のクリーニングステップにおいて、第1の条件として、炉内温度400℃の状態で、石英ロングノズルA〜D内に、ClF3ガスを28.6%の濃度になるように希釈用のN2ガスを混合させて流し、混合ガス総流量0.7SLM(ClF3:0.2SLM、N2:0.5SLM)でクリーニングを実施した。この総流量は、後述する第2の条件の約1/3である。これにより石英ロングノズルA〜D内のダメージを極力抑えてクリーニングできることを確認した。
なお、この条件、すなわち、ClF3濃度28.6%、混合ガス総流量0.7SLM(ClF3:0.2SLM、N2:0.5SLM)でのエッチングレートは、同濃度で混合ガス総流量0.07SLM(ClF3:0.02SLM、N2:0.05SLM)とした場合のエッチングレートの4.7倍となることが確認されている。
また、続けて第2のクリーニングステップとして、第2の条件として、炉内温度を400℃の状態で、ClF3ノズル46内に、ClF3ガスを28.6%の濃度になるように希釈用のN2ガスを混合させて流し、混合ガス総流量約2.5SLMでクリーニングを実施した。このようにClF3ガスクリーニングを行うことで、反応炉内壁等を有効にクリーニングできるとともに、石英ロングノズルA〜D内のダメージを抑えることができることを確認した。
また、第1のクリーニングステップでクリーニング終了後の石英ロングノズルとClF3ノズルに流すN2ガスの流量、及び第2のクリーニングステップで各石英ロングノズルに流すN2ガスの流量を、ともに0.02SLMとした。これにより、次のフラットポリシリコン膜の成膜時に悪影響を与えたり、ノズルにオーバエッチ等のダメージを与えたり、ノズルが失透したりしないことを確認した。
上述したように、炉内温度400℃の状態で石英ロングノズル内にClF3ガスを28.6%の濃度、但し総流量は上述条件の約1/3の0.7SLMを流すことで石英ロングノズル内のダメージを極力抑えてクリーニングできることが確認された。
ところで、上述した第1の実施の形態により、成膜用ガスノズル内のダメージを極力抑えてクリーニングすることで、成膜用ガスノズルを再利用できるようにしても、成膜と成膜用ガスノズル内のクリーニングを繰り返し実施することで、再利用した成膜用ガスノズルにマイクロクラックが次第に発生し、成膜用ガスノズルが劣化するおそれがある。この劣化を回避するためには、成膜用ガスノズルが、マイクロクラックが発生し難い構造になっていることが必要となる。
そこで、次に成膜用ガスノズルが、そのようなマイクロクラックが発生し難い構造になっている第2の実施の形態を説明する。マイクロクラックが発生し難い構造とするには、成膜用ガスノズル40の内径または/および肉厚がクリーニング用ガスノズル46よりも大きいことである。
[第2の実施の形態]
以下に第2の実施の形態を詳述する。
図3はノズルとインナチューブ116の内壁とウェハ200(ボート21)との位置関係を示し、(a)は成膜用ガスノズル40の場合、(b)はクリーニング用ガスノズル46の場合をそれぞれ示す。なお、(b)に示すクリーニング用ガスノズル46の内径および肉厚は、従来の成膜用ガスノズルと同等と考えてよい。
図示例では、成膜用ガスノズル40の内径gおよび肉厚fをクリーニング用ガスノズル46の内径および肉厚よりも大きくしてある。
このように成膜用ガスノズル40の内径gや肉厚fをクリーニング用ガスノズル46よりも大きく設定する場合、図3(b)に示すように、クリーニング用ガスノズル46の大きさは従来と同様で変更を加えないので、クリーニング用ガスノズル46については、クリーニング用ガスノズル46と対向するインナチューブ116の内壁部の位置116aが従来と同様(そのままの断面形状)でも、ボート21又はウェハ200と接触するおそれはない。
しかし、成膜用ガスノズル40については、ノズル自体が大きくなるので、成膜用ガスノズル40と対向するインナチューブ116の内壁部が従来と同様な位置にあり、そのままの断面形状では、成膜用ガスノズル40を反応容器32内に収めることが困難になり、ボート21又はウェハ200と接触してしまうおそれがある。そこで、図3(a)に示すように、内径と肉厚を大きくした成膜用ガスノズル40の断面形状に合わせて、インナチューブ116の成膜用ガスノズル40に対向する内壁部のみを、破線位置116aから実線位置116bまで膨らむように変形させ、後述する膨出部としている。
このインナチューブ116の変形の様子を、図1および図2に具体的に示す。
図1はインナチューブ116、成膜用ガスノズル40(4本の石英ロングノズルA、B、C、D)及びクリーニング用ガスノズル46を斜視図で示し、ヒータユニット39、アウタチューブ115を縦断面図で示した概略説明図である。
図2は、第2の実施の形態におけるヒータユニット39(断熱材39aとヒータ素線39bとから構成される)、アウタチューブ115、変形させたインナチューブ116、内径と肉厚を大きくした成膜用ガスノズル40(4本の石英ロングノズルA、B、C、D)、クリーニング用ガスノズル46、及びボート21(ウェハ200)の位置関係を表わす横断面図である。反応炉31の断面構造は、外側から内側に順に向かって、ヒータユニット39、アウタチューブ115、変形したインナチューブ116、成膜用ガスノズル40およびクリーニング用ガスノズル46、およびボート21(ウェハ200)の配置になる。
これらの図から、成膜用ガスノズル40(4本の石英ロングノズルA、B、C、D)に対向するインナチューブ116の対向部の横断面形状を、内径と肉厚を大きくした成膜用ガスノズル40の断面形状に合わせ、径方向外方に半円状に膨らませて、インナチューブ116に膨出部120が形成されていることがわかる。
図1に示すように、成膜用ガスノズル40(4本の石英ロングノズルA、B、C、D)の全体形状は略L字形をしており、水平部47がガス入力側となり、垂直部48がガス出力側となる。このガス出力側となる垂直部48が、反応容器内を加熱するヒータユニット39と対向するウェハ配列領域22に設けられる成膜用ガスノズル40の一部となる。なお、クリーニング用ガスノズル46の全体形状も成膜用ガスノズル40と同様に略L字形をしている。
成膜用ガスノズル40の寸法はガス入力側とガス出力側とで異ならせるが、クリーニング用ガスノズル46の寸法は、ガス入力側とガス出力側とで同じにする。そして、上述したように成膜用ガスノズル40の内径および肉厚は、クリーニング用ガスノズル46よりも大きくする。この場合、成膜用ガスノズル40のガス出力側の内径は、クリーニング用ガスノズル46より約2倍大きくし肉厚も約2倍にするのが好ましく、より好ましくは成膜用ガスノズル40のガス出力側の内径はクリーニング用ガスノズル46より約3倍大きくし肉厚も約3倍にするのがよい。
これは、成膜用ガスノズル40の内径および肉厚をクリーニング用ガスノズル46の約2倍以上とすると、再利用した成膜用ガスノズルにマイクロクラックがより発生し難いからである。ただし、約4倍を超えるとインナチューブ116の膨出部120がアウタチューブ115に接触してしまうという不具合が生じるので約4倍未満とするのがよい。
例えば成膜用ガスノズル40の寸法は、ガス入力側の内径は約4〜5mm(外径がφ6〜7mm)、肉厚が1mm、ガス出力側の内径は8〜15mm(外径がφ14〜21mm)、肉厚は3mmとする。また、クリーニング用ガスノズル46の寸法は、例えば内径は約4〜5mm(外径はφ6〜7mm)、肉厚は1mmとする。
上述したように、第2の実施の形態によれば、成膜用ガスノズルのガス出力側の内径および肉厚をクリーニング用ガスノズルよりも大きくしたので、成膜用ガスノズルの強度が増し、反応容器32内のクリーニングと同条件で成膜用ガスノズルをクリーニングしても、成膜用ガスノズルのダメージが少なく、成膜用ガスノズルの再利用が可能となる。また、成膜用ガスノズル内のクリーニングと反応容器32内のクリーニングの2段階連続クリーニングを繰り返して実施することが可能となる。したがって、従来、反応管37内をクリーニングするたびに行っていた石英ロングノズル交換の時期を延長することができる。その結果、CVD装置のメンテナンス時のコストを大幅に低減することができる。また、石英ロングノズル交換に要していた時間を低減することができ、反応炉のダウンタイムを短縮することができる。
また、成膜用ガスノズルのガス出力側の内径が大きくなったことで、成膜時の成膜用ガスノズル内の圧力が低下することにより、成膜用ガスノズル内に堆積する膜厚が低減する。したがって、成膜用ガスノズル内のクリーニング時間が短縮され、スループットが向上する。特に、ClF3ガスまたはF2ガスによるFlat Poly Si(フラットポリシリコン)成膜用縦型CVD装置の石英ロングノズル内のクリーニング時間が短縮される。また、石英ロングノズル内のクリーニング、炉内クリーニングの2段階連続クリーニングを繰り返し実施可能となることで、スループットが向上し、装置のダウンタイムを大幅に短縮することができる。
また、成膜用ガスノズル40の一部が、反応容器32内を加熱するヒータユニット39と対向する領域(ウェハ配列領域22)に設けられていて、副生成物である生成膜が堆積が生じやすくなっていても、第2の実施の形態によれば、成膜用ガスノズルをクリーニングしたとき、成膜用ガスノズルのダメージが少なく、成膜用ガスノズルの再利用が可能となり、成膜用ガスノズル内のクリーニングと反応容器内のクリーニングの2段階連続クリーニングを繰り返して実施することが可能となるので、有効にクリーニングできる。
また、成膜用ガスノズルは、長さの異なる複数のノズルより構成されていて、成膜用ガスノズルの長さが長くなるほどダメージの受ける量が多くなったとしても、本実施の形態によれば、長短にかかわらず成膜ガス用ノズルのダメージが少ないため、そのような問題を解決できる。
また、成膜用ガスノズルの内径および肉厚をクリーニング用ガスノズルよりも大きくすると、成膜用ガスノズル40がボート21(ウェハ200)と接触しやすくなるが、第2の実施の形態によれば、内径および肉厚をクリーニング用ガスノズルよりも大きくした成膜用ガスノズルの形状に合わせて反応容器の横断面形状を変形させているので、そのような問題を解決できる。
また、第2の実施の形態によれば、成膜用ガスノズルの内径および肉厚をクリーニング用ガスノズルよりも大きくする場合であっても、インナチューブの形状を変更するだけでよく、ヒータやアウタチューブの形状、大きさを成膜用ガスノズルの大きさに合わせて変更する必要がないので装置の大型化を避けることができる。
また、上記実施の形態では、成膜用ガスノズルの内径および肉厚の両方をクリーニング用ガスノズルよりも大きくする場合について説明したが、成膜用ガスノズルの内径および肉厚のうち、いずれか一方を大きくするようにしてもよい。
第2の実施の形態におけるヒータユニット、反応管及びノズル群のうち、インナチューブ、成膜用ガスノズル及びクリーニング用ガスノズルを斜視図で示し、残りを縦断面図で示した概略説明図である。 第2の実施の形態におけるヒータユニット、アウタチューブ、変形させたインナチューブ、内径と肉厚を大きくした成膜用ガスノズル、クリーニング用ガスノズル、及びボート(ウェハ)の位置関係を表わす横断面図である。 第2の実施の形態におけるノズルとインナチューブの内壁とウェハとの位置関係を示し、(a)は成膜用ガスノズルの場合、(b)はクリーニング用ガスノズルの場合をそれぞれ示す断面図である。 第1の実施の形態における縦型CVD装置の概略断面図である。 第1の実施の形態における炉内2段階クリーニングシーケンスの説明図である。
符号の説明
40 成膜用ガスノズル
46 ClF3ノズル(クリーニング用ガスノズル)
A〜D 石英ロングノズル(成膜用ガスノズル)

Claims (1)

  1. 基板を処理する反応容器と、
    前記反応容器内に成膜用ガスを供給する成膜用ガスノズルと、
    前記反応容器内にクリーニング用ガスを供給するクリーニング用ガスノズルとを有し、
    前記成膜用ガスノズルの内径または/および肉厚がクリーニング用ガスノズルよりも大きいことを特徴とする基板処理装置。
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