(第1実施形態)
本実施形態の車両用端子キャップは、車両用構成部品としての端子キャップに関するものであり、例えば、車両用オルタネータ端子にカバーが必要であるときに、この端子と一体的に構成されるボルト、ナット、あるいは台座部材を保持する端子キャップや、ディーゼルエンジンの予備加熱装置として用いられるグロープラグの端子と一体的に構成されるボルト、ナット、あるいは台座部材を保持する端子キャップに適用することができる。この端子キャップは、端子と電気的に接続される電線を保護、または保持する働きや、電気的に絶縁する働きを必要とする場合に使用することができる。
以下に、本実施形態の車両用端子キャップについて図面を用いて説明する。図1は、本実施形態における車両用端子キャップと車両用端子キャップにカバーされるカバー対象部材とを示した斜視図である。図2は、車両用端子キャップの回り止め部の断面形状とカバー対象部材の外周部の形状とを示した模式的断面図である。図3は、車両用端子キャップによって保持されるカバー対象部材の外周部の形状の代表例と、この外周部の形状の代表例と関係する回り止め部を特定する諸データとを示した関係図である。
図1に示す実施形態は、ディーゼルエンジンの予備加熱装置として用いられるグロープラグの端子と一体的に構成されるカバー対象部材であるボルト3を保持するために、車両用端子キャップ1を使用する場合である。グロープラグは、内燃機関に用いられるエンジン点火装置であるが、本実施形態では、これを発熱体と連結し、発熱体に通電することで生じた熱をディーゼルエンジンの燃焼室の予備加熱として利用する。このグロープラグには、その端子と一体的に構成されたボルト3が設けられ、このボルト3の多角形状の外周部9が車両用端子キャップ1の回り止め部12によって保持されることで、周方向に働く外力から保護されている。
車両用端子キャップ1は、筒体状の本体13と、ヒンジ部などにより本体13の一方側に設けられ、本体13の一方側の開口を開閉することができる蓋2とを備えている。蓋2には、本体13の一方側の開口を閉じたときに蓋2と本体13とを固定するロック爪14が設けられ、さらにグロープラグの端子に接続される電線を外部に引き出す電線引出し口15が設けられている。また、車両用端子キャップ1はPP樹脂などでできており、金型により各部は一体的に成形されている。
本体13は、筒体の軸方向の両側が開口した形状で、一方側が蓋2によって開閉自在であり、他方側に端子導入口が設けられ、ボルト3が内挿される孔部5に連通している。この孔部5の内表面には突部10および11で構成される回り止め部12が形成されている。突部10および11はともに、本体の半径方向の断面が山形状であり、特に、略左右対称の傾斜面10a、10bおよび11a、11bで構成される山形状であることが望ましい。
突部10および11は、孔部5の内表面からさらに内方に向かって突出する高さと、本体13の軸方向に伸長する所定の長さとを有している。突部10および11は、ボルト3が本体13の孔部5に挿入されたときにボルト3を周方向に保持できる位置に設けられ、その所定の長さは、少なくとも、ボルト3を半径方向にがたつかない状態で保持できる長さであり、ボルト3の軸方向長さと同等以上であることが望ましい。また、突部10および11が孔部5の内表面からさらに内方に向かって突出する高さは、他方側の端子導入口寄りよりも、一方側の蓋2寄りのほうが高くなるように形成してもよく、さらに一方側の蓋2に近づくにつれて徐々に高くなるように形成することが望ましい。突部10および11をこのように形成した場合には、ボルト3をより安定してがたつきなく保持することができ、また、ボルト3を孔部5に円滑に挿入することができる。
次に、車両用端子キャップ1の回り止め部12、22の半径方向の断面形状と、ボルト3の軸方向から見た形状との間に成り立つ関係について説明する。また、本実施形態では、カバー対象部材の外形形状のパターンとして他に、正五角形、正方形、正三角形を例に挙げて、各外形形状に対応した複数パターンの組み付け状態が可能なように、各カバー対象部材を優れた組み付け性や、回り止め効果を発揮して保持することができる車両用端子キャップについて後述する。
まず、図2に示す形態は、カバー対象部材であるボルト3が六角形である場合、特に正六角形状の六角ボルトである場合を例に挙げている。この場合、カバー対象部材であるボルト3の頂角部の個数Aは6である。車両用端子キャップ1には、回り止め部12および22が設けられる。回り止め部12には突部10が配置され、さらに左回り方向に30°離れた位置に突部11が配置されている。回り止め部22には突部20が配置され、さらに左回り方向に30°離れた位置に突部21が配置されている。1箇所の回り止め部12または22における突部の個数Cは2である。突部20および21は突部10および11と同様に、本体13の半径方向の断面が山形状であり、特に、略左右対称の傾斜面20a、20bおよび21a、21bで構成される山形状であることが望ましい。
さらに、ボルト3は車両用端子キャップ1に対して、外周部9に相当する6個の頂角部のうちの一つが回り止め部12、22の複数の場所で保持されることになる複数パターンの組み付け状態が存在する(図4(b)〜(e)参照)。この複数パターンのうち異なるパターンの組み付け状態毎に、保持される頂角部のうちの一つが回り止め部12、22に対して周方向にずれるずれ単位角度Bは、15°である。このことは、言い換えれば、図4に示すように、ボルト3が車両用端子キャップ1の本体13に対して、図4(b)、(c)、(d)、(e)に示す順に、周方向に15°分ずつ左回りに回転するような形態で組み付けられる複数のパターンが存在することを示している。
回り止め部12を構成する突部10と11が成す角度と、回り止め部22を構成する突部20と21が成す角度は、ともに30°であり、突部間の角度Dと定義する。また、回り止め部12と22の間の角度Eは、15°の倍数になり、その一例としては、図4(a)に示すように、突部10の右回り側の傾斜面10aの根元部から、突部21の左回り側の傾斜面21bの根元部にかけて右回り方向になす角度であって、180°である。
これらの、ボルト3の頂角部の個数A、異なるパターンの組み付け状態毎に周方向にずれるボルト3のずれ単位角度B、1箇所の回り止め部における突部の個数C、回り止め部を構成する突部間が成す角度D、および回り止め部間の角度Eは、以下の(数式1)〜(数式4)が成り立つ関係に構成されている。
(数式1) A×B=360の約数
(数式2) C=360÷2÷(A×B)
(数式3) D=2×B×(C−1)
(数式4) E=B×n<360、nは整数
本実施形態の車両用端子キャップは、nの整数値を変化させることで、周方向における回り止め部の位置が変化するため、図4〜図9に示す車両端子キャップの他に、一つのボルト形状に対応する車両端子キャップの構成を数種類作成することができる。その中でも、図3は、本実施形態における車両用端子キャップによって保持されるボルトの形状の代表例(正六角形、正五角形、正方形、正三角形)について、(数式1)〜(数式4)に示す回り止め部の構成を特定する諸データ(A、B、C、D、E)をまとめたものである。
また、車両用端子キャップ1においては、その突部のうち少なくとも2箇所は、孔部5の中心について互いに略点対称の位置に配置されている。例えば、突部11は突部20と略点対称の関係にある。
さらに、カバー対象部材の周方向における外形が正六角形であるボルト3の場合について、例示する複数パターンの組み付け関係を図4(b)〜(e)を用いて説明する。まず、図4(b)に示す第1のパターンは、車両用端子キャップ1の本体13の内側に嵌合するボルト3の頂角部6が回り止め部12の突部11によって保持され、さらに頂角部6と対角線上の位置にある頂角部17が回り止め部22の突部20によって保持されている組み付け関係である。
突部11においては、左回り側に位置する傾斜面11bが頂角部6から右回り側に延びる外周面8に当接することにより、ボルト3が右回りに回転することを規制している。さらに突部20においては、右回り側に位置する傾斜面20aが頂角部17から左回り側に延びる外周面16に当接することにより、ボルト3が左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3の頂角部6、17に当接する2箇所の傾斜面11b、20aは、頂角部6、17の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の左斜め下方向)に位置する外周面8、16にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3の回動を阻止している。
図4(c)に示す第2のパターンは、車両用端子キャップ1の本体13の内側に嵌合するボルト3の頂角部17が回り止め部22の突部20によって保持され、さらに頂角部17から右回り方向に1個の頂角部を挟んで存在する頂角部90が回り止め部12の突部10によって保持されている組み付け関係である。
突部20においては、左回り側に位置する傾斜面20bが頂角部17から右回り側に延びる外周面18に当接することにより、ボルト3が右回りに回転することを規制している。さらに突部10においては、右回り側に位置する傾斜面10aが頂角部90から左回り側に延びる外周面8に当接することにより、ボルト3が左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3の頂角部17、90に当接する2箇所の傾斜面20b、10aは、頂角部17、90の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の右斜め上方向)に位置する外周面18、8にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3の回動を阻止している。
図4(d)に示す第3のパターンは、車両用端子キャップ1の本体13の内側に嵌合するボルト3の頂角部17が回り止め部22の突部21によって保持され、さらに頂角部17から左回り方向に1個の頂角部を挟んで存在する頂角部90が回り止め部12の突部10によって保持されている組み付け関係である。
突部21においては、右回り側に位置する傾斜面21aが頂角部17から左回り側に延びる外周面16に当接することにより、ボルト3が左回りに回転することを規制している。さらに突部10においては、左回り側に位置する傾斜面10bが頂角部90から右回り側に延びる外周面91に当接することにより、ボルト3が右回りに回転することを規制している。このように、ボルト3の頂角部17、90に当接する2箇所の傾斜面21a、10bは、頂角部17、90の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の左斜め下方向)に位置する外周面16、91にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3の回動を阻止している。
図4(e)に示す第4のパターンは、車両用端子キャップ1の本体13の内側に嵌合するボルト3の頂角部17が回り止め部22の突部21によって保持され、さらに頂角部17から左回り方向に1個の頂角部を挟んで存在する頂角部90が回り止め部12の突部11によって保持されている組み付け関係である。
突部21においては、左回り側に位置する傾斜面21bが頂角部17から右回り側に延びる外周面18に当接することにより、ボルト3が右回りに回転することを規制している。さらに突部11においては、右回り側に位置する傾斜面11aが頂角部90から左回り側に延びる外周面8に当接することにより、ボルト3が左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3の頂角部17、90に当接する2箇所の傾斜面21b、11aは、頂角部17、90の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の右斜め上方向)に位置する外周面18、8にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3の回動を阻止している。
次に、カバー対象部材の周方向における外形が正五角形であるボルト3Aの場合について、ボルト3Aに対応する車両用端子キャップ1Aの構成と、複数パターンの組み付け関係の例示を図5を用いて説明する。まず、カバー対象部材であるボルト3Aの頂角部の個数Aは5である。図5(a)に示すように、ボルト3Aに対応する車両用端子キャップ1Aには、回り止め部25および28が設けられている。回り止め部25には突部23が配置され、さらに左回り方向に36°離れた位置に突部11が配置されている。回り止め部28には突部26が配置され、さらに左回り方向に36°離れた位置に突部27が配置されている。1箇所の回り止め部25または28における突部の個数Cは2である。突部23および24は本体13Aの半径方向の断面が山形状であり、特に、略左右対称の傾斜面23a、23bおよび24a、24bで構成される山形状であることが望ましい。突部26および27についても、突部23および24と同様に、本体13Aの半径方向の断面が山形状であり、特に、略左右対称の傾斜面26a、26bおよび27a、27bで構成される山形状であることが望ましい。
そして、ボルト3Aは車両用端子キャップ1Aに対して、外周部に相当する5個の頂角部のうちの一つが回り止め部25、28の複数の場所で保持されることになる複数パターンの組み付け状態が存在する(図5(b)〜(e)参照)。異なるパターンの組み付け状態毎に、保持される頂角部のうちの一つが回り止め部12、22に対して周方向にずれるずれ単位角度Bは、18°である。このことは、言い換えれば、図5に示すように、ボルト3Aが車両用端子キャップ1Aの本体13Aに対して、図5(b)、(c)、(d)、(e)に示す順に、周方向に18°分ずつ左回りに回転するような形態で組み付けられる複数のパターンが存在することを示している。
回り止め部25を構成する突部23と24が成す角度と、回り止め部28を構成する突部26と27が成す角度は、ともに36°であり、突部間の角度Dと定義する。また、回り止め部25と28の間の角度Eは、18°の倍数になり、その一例としては、図5(a)に示すように、突部23の右回り側の傾斜面23aの根元部から、突部27の左回り側の傾斜面27bの根元部にかけて右回り方向になす角度であって、144°である。
複数パターンの組み付け状態のうち、図5(b)に示す第1のパターンは、車両用端子キャップ1Aの本体13Aの内側に嵌合するボルト3Aの頂角部29が回り止め部25の突部23によって保持され、さらに頂角部29から右回り方向に1個の頂角部を挟んで存在する頂角部32が回り止め部28の突部27によって保持されている組み付け関係である。
突部23においては、右回り側に位置する傾斜面23aが頂角部29から左回り側に延びる外周面30に当接することにより、ボルト3Aが左回りに回転することを規制している。さらに突部27においては、右回り側に位置する傾斜面27bが頂角部32から右回り側に延びる外周面34に当接することにより、ボルト3Aが右回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Aの頂角部29、32に当接する2箇所の傾斜面23a、27bは、頂角部29、32の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の上方向)に位置する外周面30、34にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Aの回動を阻止している。
図5(c)に示す第2のパターンは、車両用端子キャップ1Aの本体13Aの内側に嵌合するボルト3Aの頂角部29が回り止め部25の突部23によって保持され、さらに頂角部29から左回り方向に1個の頂角部を挟んで存在する頂角部35が回り止め部28の突部26によって保持されている組み付け関係である。
突部23においては、左回り側に位置する傾斜面23bが頂角部29から右回り側に延びる外周面31に当接することにより、ボルト3Aが右回りに回転することを規制している。さらに突部26においては、右回り側に位置する傾斜面26aが頂角部35から左回り側に延びる外周面36に当接することにより、ボルト3Aが左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Aの頂角部29、35に当接する2箇所の傾斜面23b、26aは、頂角部29、35の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の左斜め下方向)に位置する外周面31、36にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Aの回動を阻止している。
図5(d)に示す第3のパターンは、車両用端子キャップ1Aの本体13Aの内側に嵌合するボルト3Aの頂角部29が回り止め部25の突部24によって保持され、さらに頂角部35が回り止め部28の突部26によって保持されている組み付け関係である。
突部24においては、右回り側に位置する傾斜面24aが頂角部29から左回り側に延びる外周面30に当接することにより、ボルト3Aが左回りに回転することを規制している。さらに突部26においては、右回り側に位置する傾斜面26bが頂角部35から右回り側に延びる外周面37に当接することにより、ボルト3Aが右回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Aの頂角部29、35に当接する2箇所の傾斜面24a、26bは、頂角部29、35の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の上方向)に位置する外周面30、37にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Aの回動を阻止している。
図5(e)に示す第4のパターンは、車両用端子キャップ1Aの本体13Aの内側に嵌合するボルト3Aの頂角部29が回り止め部25の突部24によって保持され、さらに頂角部35が回り止め部28の突部27によって保持されている組み付け関係である。
突部24においては、左回り側に位置する傾斜面24bが頂角部29から右回り側に延びる外周面31に当接することにより、ボルト3Aが右回りに回転することを規制している。さらに突部27においては、右回り側に位置する傾斜面27aが頂角部35から左回り側に延びる外周面36に当接することにより、ボルト3Aが左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Aの頂角部29、35に当接する2箇所の傾斜面24b、27aは、頂角部29、35の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の右斜め下方向)に位置する外周面31、36にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Aの回動を阻止している。
次に、カバー対象部材の周方向における外形が正方角形であるボルト3Bの場合について、ボルト3Bに対応する車両用端子キャップ1Bの構成と、複数パターンの組み付け関係の例示を図6を用いて説明する。まず、カバー対象部材であるボルト3Bの頂角部の個数Aは4である。図6(a)に示すように、ボルト3Bに対応する車両用端子キャップ1Bには、回り止め部41および45が設けられている。回り止め部41には突部38が配置され、さらに左回り方向に30°離れた位置に突部39が配置され、さらに左回り方向に30°離れた位置に突部40が配置されている。回り止め部45には突部42が配置され、さらに左回り方向に30°離れた位置に突部43が配置され、さらに左回り方向に30°離れた位置に突部44が配置されている。1箇所の回り止め部41または45における突部の個数Cは3である。突部38、39、および40はそれぞれ本体13Bの半径方向の断面が山形状であり、特に、それぞれ略左右対称の傾斜面38a、38b、39a、39b、および40a、40bで構成される山形状であることが望ましい。突部42、43、および44についても、突部38〜40と同様に、それぞれ本体13Bの半径方向の断面が山形状であり、特に、それぞれ略左右対称の傾斜面42a、42b、43a、43b、および44a、44bで構成される山形状であることが望ましい。
そして、ボルト3Bは車両用端子キャップ1Bに対して、外周部に相当する4個の頂角部のうちの一つが回り止め部41、45の複数の場所で保持されることになる複数パターンの組み付け状態が存在する(図6(b)〜(g)参照)。異なるパターンの組み付け状態毎に、保持される頂角部のうちの一つが回り止め部41、45に対して周方向にずれるずれ単位角度Bは、15°である。このことは、言い換えれば、図6に示すように、ボルト3Bが車両用端子キャップ1Bの本体13Bに対して、図6(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)に示す順に、周方向に15°分ずつ左回りに回転するような形態で組み付けられる複数のパターンが存在することを示している。
回り止め部41を構成する突部38と40が成す角度と、回り止め部45を構成する突部42と44が成す角度は、ともに60°であり、突部間の角度Dと定義する。また、回り止め部41と45の間の角度Eは、15°の倍数になり、その一例としては、図6(a)に示すように、突部38の右回り側の傾斜面38aの根元部から、突部44の左回り側の傾斜面44bの根元部にかけて右回り方向になす角度であって、120°である。
車両用端子キャップ1Bにおいては、その突部のうち少なくとも2箇所は、孔部5Bの中心について互いに略点対称の位置に配置されている。例えば、突部38は突部42と略点対称の関係にあり、突部39は突部43と略点対称の関係にあり、突部40は突部44と略点対称の関係にある。また、回り止め部41と回り止め部45についても両者は、孔部5Bの中心について互いに略点対称の位置に配置されている。
複数パターンの組み付け状態のうち、図6(b)に示す第1のパターンは、車両用端子キャップ1Bの本体13Bの内側に嵌合するボルト3Bの頂角部46が回り止め部41の突部38によって保持され、さらに頂角部46の対角線上に位置する頂角部49が回り止め部45の突部42によって保持されている組み付け関係である。
突部38においては、右回り側に位置する傾斜面38aが頂角部46から左回り側に延びる外周面47に当接することにより、ボルト3Bが左回りに回転することを規制している。さらに突部42においては、左回り側に位置する傾斜面42bが頂角部49から右回り側に延びる外周面50に当接することにより、ボルト3Bが右回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Bの頂角部46、49に当接する2箇所の傾斜面38a、42bは、頂角部46、49の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の右斜め上方向)に位置する外周面47、50にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Bの回動を阻止している。
図6(c)に示す第2のパターンは、車両用端子キャップ1Bの本体13Bの内側に嵌合するボルト3Bの頂角部46が回り止め部41の突部38によって保持され、さらに頂角部49が回り止め部45の突部42によって保持されている組み付け関係である。
突部38においては、左回り側に位置する傾斜面38bが頂角部46から右回り側に延びる外周面48に当接することにより、ボルト3Bが右回りに回転することを規制している。さらに突部42においては、右回り側に位置する傾斜面42aが頂角部49から左回り側に延びる外周面51に当接することにより、ボルト3Bが左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Bの頂角部46、49に当接する2箇所の傾斜面38b、42aは、頂角部46、49の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の左斜め下方向)に位置する外周面48、51にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Bの回動を阻止している。
図6(d)に示す第3のパターンは、車両用端子キャップ1Bの本体13Bの内側に嵌合するボルト3Bの頂角部46が回り止め部41の突部39によって保持され、さらに頂角部49が回り止め部45の突部43によって保持されている組み付け関係である。
突部39においては、右回り側に位置する傾斜面39aが頂角部46から左回り側に延びる外周面47に当接することにより、ボルト3Bが左回りに回転することを規制している。さらに突部43においては、左回り側に位置する傾斜面43bが頂角部49から右回り側に延びる外周面50に当接することにより、ボルト3Bが右回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Bの頂角部46、49に当接する2箇所の傾斜面39a、43bは、頂角部46、49の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の上方向)に位置する外周面47、50にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Bの回動を阻止している。
図6(e)に示す第4のパターンは、車両用端子キャップ1Bの本体13Bの内側に嵌合するボルト3Bの頂角部46が回り止め部41の突部39によって保持され、さらに頂角部49が回り止め部45の突部44によって保持されている組み付け関係である。
突部39においては、左回り側に位置する傾斜面39bが頂角部46から右回り側に延びる外周面48に当接することにより、ボルト3Bが右回りに回転することを規制している。さらに突部44においては、右回り側に位置する傾斜面44aが頂角部49から左回り側に延びる外周面51に当接することにより、ボルト3Bが左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Bの頂角部46、49に当接する2箇所の傾斜面39b、44aは、頂角部46、49の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の下方向)に位置する外周面48、51にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Bの回動を阻止している。
図6(f)に示す第5のパターンは、車両用端子キャップ1Bの本体13Bの内側に嵌合するボルト3Bの頂角部46が回り止め部41の突部40によって保持され、さらに頂角部49が回り止め部45の突部44によって保持されている組み付け関係である。
突部40においては、右回り側に位置する傾斜面40aが頂角部46から左回り側に延びる外周面47に当接することにより、ボルト3Bが左回りに回転することを規制している。さらに突部44においては、左回り側に位置する傾斜面44bが頂角部49から右回り側に延びる外周面50に当接することにより、ボルト3Bが右回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Bの頂角部46、49に当接する2箇所の傾斜面40a、44bは、頂角部46、49の頂点同士を結んだ仮想線に対して同一側(図面の左斜め上方向)に位置する外周面47、50にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Bの回動を阻止している。
図6(g)に示す第6のパターンは、車両用端子キャップ1Bの本体13Bの内側に嵌合するボルト3Bの頂角部46が回り止め部41の突部40によって保持され、さらに頂角部46に対して左回り方向に隣り合う頂角部52が回り止め部45の突部42によって保持されている組み付け関係である。
突部40においては、左回り側に位置する傾斜面40bが頂角部46から右回り側に延びる外周面48に当接することにより、ボルト3Bが右回りに回転することを規制している。さらに突部42においては、右回り側に位置する傾斜面42aが頂角部52から左回り側に延びる外周面50に当接することにより、ボルト3Bが左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Bの頂角部46、52に当接する2箇所の傾斜面40b、42aは、頂角部46、52の頂点同士を結んだ線(外周面47と一致する)に対して同一側(図面の下方向)に位置する外周面48、50にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Bの回動を阻止している。
次に、カバー対象部材の周方向における外形が正三角形であるボルト3Cの場合について、ボルト3Cに対応する車両用端子キャップ1Cの構成と、複数パターンの組み付け関係の例示を図7を用いて説明する。まず、カバー対象部材であるボルト3Cの頂角部の個数Aは3である。図7(a)に示すように、ボルト3Cに対応する車両用端子キャップ1Cには、回り止め部55および58が設けられている。回り止め部55には突部53が配置され、さらに左回り方向に60°離れた位置に突部54が配置されている。回り止め部58には突部57が配置され、さらに左回り方向に60°離れた位置に突部56が配置されている。1箇所の回り止め部55または58における突部の個数Cは2である。突部53および54はそれぞれ本体13Cの半径方向の断面が山形状であり、特に、それぞれ略左右対称の傾斜面53a、53bおよび54a、54bで構成される山形状であることが望ましい。突部56および57についても、突部53および54と同様に、それぞれ本体13Cの半径方向の断面が山形状であり、特に、それぞれ略左右対称の傾斜面56a、56bおよび57a、57bで構成される山形状であることが望ましい。
そして、ボルト3Cは車両用端子キャップ1Cに対して、外周部に相当する3個の頂角部のうちの一つが回り止め部55、58の複数の場所で保持されることになる複数パターンの組み付け状態が存在する(図7(b)〜(e)参照)。この異なるパターンの組み付け状態毎に、保持される頂角部のうちの一つが回り止め部55、58に対して周方向にずれるずれ単位角度Bは、30°である。このことは、言い換えれば、図7に示すように、ボルト3Cが車両用端子キャップ1Cの本体13Cに対して、図7(b)、(c)、(d)、(e)に示す順に、周方向に30°分ずつ左回りに回転するような形態で組み付けられる複数のパターンが存在することを示している。
回り止め部55を構成する突部53と54が成す角度と、回り止め部58を構成する突部56と57が成す角度は、ともに60°であり、突部間の角度Dと定義する。また、回り止め部55と58の間の角度Eは、15°の倍数になり、その一例としては、図7(a)に示すように、突部53の右回り側の傾斜面53aの根元部から、突部56の左回り側の傾斜面56bの根元部にかけて右回り方向になす角度であって、120°である。
複数パターンの組み付け状態のうち、図7(b)に示す第1のパターンは、車両用端子キャップ1Cの本体13Cの内側に嵌合するボルト3Cの頂角部59が回り止め部55の突部53によって保持され、さらに頂角部59に対して右回り方向に隣り合う頂角部62が回り止め部58の突部56によって保持されている組み付け関係である。
突部53においては、右回り側に位置する傾斜面53aが頂角部59から左回り側に延びる外周面60に当接することにより、ボルト3Cが左回りに回転することを規制している。さらに突部56においては、左回り側に位置する傾斜面56bが頂角部62から右回り側に延びる外周面63に当接することにより、ボルト3Cが右回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Cの頂角部59、62に当接する2箇所の傾斜面53a、56bは、頂角部59、62の頂点同士を結んだ線(外周面61に一致する)に対して同一側(図面の上方向)に位置する外周面60、63にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Cの回動を阻止している。
図7(c)に示す第2のパターンは、車両用端子キャップ1Cの本体13Cの内側に嵌合するボルト3Cの頂角部59が回り止め部55の突部53によって保持され、さらに頂角部59に対して左回り方向に隣り合う頂角部64が回り止め部58の突部57によって保持されている組み付け関係である。
突部53においては、左回り側に位置する傾斜面53bが頂角部59から右回り側に延びる外周面61に当接することにより、ボルト3Cが右回りに回転することを規制している。さらに突部57においては、右回り側に位置する傾斜面57aが頂角部64から左回り側に延びる外周面63に当接することにより、ボルト3Cが左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Cの頂角部59、64に当接する2箇所の傾斜面53b、57aは、頂角部59、64の頂点同士を結んだ線(外周面60に一致する)に対して同一側(図面の左斜め下方向)に位置する外周面61、63にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Cの回動を阻止している。
図7(d)に示す第3のパターンは、車両用端子キャップ1Cの本体13Cの内側に嵌合するボルト3Cの頂角部59が回り止め部55の突部54によって保持され、さらに頂角部64が回り止め部58の突部57によって保持されている組み付け関係である。
突部54においては、右回り側に位置する傾斜面54aが頂角部59から左回り側に延びる外周面60に当接することにより、ボルト3Cが左回りに回転することを規制している。さらに突部57においては、左回り側に位置する傾斜面57bが頂角部64から右回り側に延びる外周面60に当接することにより、ボルト3Cが右回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Cの頂角部59、64に当接する2箇所の傾斜面54a、57bは、頂角部59、64の頂点同士を結んだ線(外周面60に一致する)に対して同一側(図面の上方向)に位置する外周面60にともに当接する関係にあり、ボルト3Cの回動を阻止している。
図7(e)に示す第4のパターンは、車両用端子キャップ1Cの本体13Cの内側に嵌合するボルト3Cの頂角部59が回り止め部55の突部54によって保持され、さらに頂角部64が回り止め部58の突部56によって保持されている組み付け関係である。
突部54においては、左回り側に位置する傾斜面54bが頂角部59から右回り側に延びる外周面61に当接することにより、ボルト3Cが右回りに回転することを規制している。さらに突部56においては、右回り側に位置する傾斜面56aが頂角部64から左回り側に延びる外周面63に当接することにより、ボルト3Cが左回りに回転することを規制している。このように、ボルト3Cの頂角部59、64に当接する2箇所の傾斜面54b、56aは、頂角部59、64の頂点同士を結んだ線(外周面60に一致する)に対して同一側(図面の右斜め下方向)に位置する外周面61、63にそれぞれ当接する関係にあり、ボルト3Cの回動を阻止している。
さらに、カバー対象部材の周方向における外形が正三角形であるボルト3Cの場合について、車両用端子キャップ1Cの他に、ボルト3Cに対応する車両用端子キャップ1Dの構成を図8を用いて説明する。図8に示すように、カバー対象部材であるボルト3Cの頂角部の個数Aは3であり、車両用端子キャップ1Dには、回り止め部68および72が設けられている。回り止め部68には突部65が配置され、さらに左回り方向に40°離れた位置に突部66が配置され、さらに左回り方向に40°離れた位置に突部67が配置されている。回り止め部72には突部69が配置され、さらに左回り方向に40°離れた位置に突部70が配置され、さらに左回り方向に40°離れた位置に突部71が配置されている。1箇所の回り止め部68または72における突部の個数Cは3である。突部65、66、67、69、70、および71はそれぞれ本体13Dの半径方向の断面が山形状であり、特に、それぞれ略左右対称の傾斜面を備えた山形状であることが望ましい。
また、回り止め部68を構成する突部65と67が成す角度と、回り止め部72を構成する突部69と71が成す角度は、ともに80°であり、突部間の角度Dと定義する。また、回り止め部68と72の間の角度Eは、20°の倍数になり、その一例としては、図8に示すように、突部65の右回り側の傾斜面の根元部から、突部71の左回り側の傾斜面の根元部にかけて右回り方向になす角度であって、120°である。
また、車両用端子キャップ1Dにおいては、その突部のうち少なくとも2箇所は、孔部5Dの中心について互いに略点対称の位置に配置されている。例えば、突部65は突部70と略点対称の関係にあり、突部66は突部71と略点対称の関係にある。
なお、ボルト3Cが車両用端子キャップ1Dに保持される場合の複数パターンの組み合わせについては、図7(b)〜(e)に示すパターンに対して回り止め部1箇所当たりの突部の個数が1個増える分、傾斜面が2個増えるため、さらに2パターンが存在することになる。この場合、複数パターンのうち異なるパターンの組み付け状態毎に、保持される頂角部のうちの一つが回り止め部68、72に対して周方向にずれるずれ単位角度Bは、20°となる。このことは、言い換えれば、ボルト3Cが車両用端子キャップ1Dの本体13Dに対して、周方向に20°分ずつ左回りに回転するような形態で組み付けられる複数のパターンが存在することを示している。
さらに、カバー対象部材の周方向における外形が正三角形であるボルト3Cの場合について、車両用端子キャップ1C、1Dの他に、ボルト3Cに対応する車両用端子キャップ1Eの構成を図9を用いて説明する。図9に示すように、カバー対象部材であるボルト3Cの頂角部の個数Aは3であり、車両用端子キャップ1Eには、回り止め部77および82が設けられている。回り止め部77には突部73、74、75、および76の4個の突部が設けられ、突部73から順に左回り方向に30°の間隔を設けて配置されている。回り止め部82には突部78、79、80、および81の4個の突部が設けられ、突部78から順に左回り方向に30°の間隔を設けて配置されている。1箇所の回り止め部77または82における突部の個数Cは4である。突部73、74、75、76、78、79、80、および81はそれぞれ本体13Dの半径方向の断面が山形状であり、特に、それぞれ略左右対称の傾斜面を備えた山形状であることが望ましい。
また、回り止め部77を構成する突部73と76が成す角度と、回り止め部82を構成する突部78と81が成す角度は、ともに90°であり、突部間の角度Dと定義する。また、回り止め部77と82の間の角度Eは、15°の倍数になり、その一例としては、図9に示すように、突部73の右回り側の傾斜面の根元部から、突部81の左回り側の傾斜面の根元部にかけて右回り方向になす角度であって、120°である。
また、車両用端子キャップ1Eにおいては、その突部のうち少なくとも2箇所は、孔部5Eの中心について互いに略点対称の位置に配置されている。例えば、突部73は突部79または突部80と略点対称の関係にあり、突部74は突部80または突部81と略点対称の関係にある。
なお、ボルト3Cが車両用端子キャップ1Eに保持される場合の複数パターンの組み合わせについては、図7(b)〜(e)に示すパターンに対して回り止め部1箇所当たりの突部の個数が2個増える分、傾斜面が4個増えるため、さらに4パターンが存在することになる。この場合、異なるパターンの組み付け状態毎に、保持される頂角部のうちの一つが回り止め部77、82に対して周方向にずれるずれ単位角度Bは、15°となる。このことは、言い換えれば、ボルト3Cが車両用端子キャップ1Eの本体13Eに対して、周方向に15°分ずつ左回りに回転するような形態で組み付けられる複数のパターンが存在することを示している。
なお、図4〜図9において上述した車両用端子キャップにおける回り止め部、またはこれを構成する突部は、図示した箇所の他に、孔部の内周面上に形成することを妨げるものではない。本実施形態の車両用端子キャップに付加的に回り止め部、または突部を形成することにより、カバー対象部材をがたつきがなくさらに安定して保持することができるものである。
このように本実施形態の車両用端子キャップは、端子と一体的に構成され、その周方向の外形が多角形状であるボルト3〜3Cを挿入可能とする孔部5〜5Eと、ボルト3〜3Cが孔部5〜5Eに挿入されたときに、孔部5〜5Eに少なくとも2箇所形成されて、ボルト3〜3Cの外周部9を少なくとも2箇所において保持する回り止め部12、22と、外周部9と当接可能な位置に内方に突出して設けられ、1箇所の回り止め部12において少なくとも1個設けられる突部10、11と、を備え、保持された外周部9の一つが回り止め部12、22の複数の場所で保持されることになる複数パターンの組み付け状態が存在するとともに、周方向において外方に突出するボルト3〜3Cの頂角部の個数Aと、異なるパターンの組み付け状態毎に、保持される外周部9の一つが回り止め部12、22に対して周方向にずれるずれ単位角度Bと、1箇所の回り止め部12を構成する突部の個数Cと、の関係には、
(数式2)C=360÷2÷(A×B)
が成り立っている。この構成により、車両用端子キャップをボルトの多角形状の外形にそれぞれ対応して、複数パターンで組み付けることができ、組み付け性が良好であるとともに、がたつきがなく安定した回り止め性能を発揮できる。
また、本実施形態の車両用端子キャップは、突部10は略左右対称の傾斜面10a、10bを有する山形状で形成され、回り止め部12がボルト3の外周部9を保持したときに、傾斜面10aとボルト3の外周面7とが当接する構成とする。この構成を採用した場合には、車両用端子キャップ1がボルト3を保持するときの両者の接触面積が大きくなるため、より安定した保持力を発揮することができる。
また、本実施形態の車両用端子キャップは、突部11および20はそれぞれ2つの傾斜面11a、11bおよび20a、20bを有する山形状で形成され、ボルト3が孔部5に挿入されたときに、ボルト3の頂角部6、17に当接する少なくとも2箇所の傾斜面11b、20aは、当接する2箇所の頂角部6、17の頂点を結んだ線に対して同一側に位置する外周面8、16に当接する構成とする。この構成を採用した場合には、ボルト3に対する車両用端子キャップ1の周方向の動きがいずれの方向にも固定されることになるので、さらに回り止め性能を向上させることができる。
また、本実施形態の車両用端子キャップは、突部のうち少なくとも2箇所の突部11および20は、孔部5の中心について互いに略点対称の位置に配置されている。この構成を採用した場合には、当該突部が周方向に離れた位置において少なくとも2箇所の外周部を保持することになるので、回り止め性能を向上させることができる。