JP2007087750A - 極端紫外光源用ターゲット - Google Patents

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Abstract

【課題】 極端紫外光の放射方向を制御することができる、極端紫外光の発光方法を提供する。
【解決手段】 重金属化合物から成る極端紫外光源用ターゲットが有する重金属化合物微粒子の表面の方向を調整することにより、極端紫外光の放射方向を制御することができる。一例として、薄膜の表面に対する法線と微粒子表面の成す角度θが60°〜90°となる微粒子表面の割合がそれぞれ全体の26%、18%、12%である3種類の薄膜状ターゲットa、b、cについて、薄膜表面の法線に対する角度φの方向に放射される極端紫外光の強度を測定した。放射方向(角度φ)による強度の違いは、ターゲットb及びcでは2倍以上あるのに対して、ターゲットaでは2倍以内に抑えることができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、極端紫外光を生成するためのターゲットに関する。この極端紫外光源用ターゲットを用いて生成した極端紫外光は、高精細リソグラフィー等の光源として好適に用いることができる。
半導体集積回路は通常、リソグラフィー技術を用いて製造される。リソグラフィーの最小加工寸法は照射する光の波長に依存し、集積回路の集積度を向上させるには照射光の波長を短くすることが必要となる。具体的には、現在リソグラフィーは波長157nm〜365nmの光源を用いて行われているが、今後は波長11nm〜14nmの極端紫外光領域の光源を用いたリソグラフィーを実用化することが目標とされている。そのためには、極端紫外光の発光効率を高めることが必要とされる。
極端紫外光を生成する光源として、レーザプラズマ方式が検討されている。これは、ターゲットにレーザ光を照射してプラズマを形成し、このプラズマから放射される極端紫外光を利用するものである。
レーザプラズマ方式における極端紫外光の発光効率について図1を用いて説明する。図1の横軸の0μmの位置(符号15)はターゲットの表面であり、それよりも左側の領域(横軸が負の領域)はターゲットの内部、右側の領域(横軸が正の領域)はターゲットの外部にあたる。ターゲットに対して矢印13の向きにレーザを照射すると、ターゲット表面がアブレーションされ、ターゲットの表面から外部に向かってプラズマが吹き出す。このプラズマは、照射されるレーザの強度が一定である間は準定常状態となっている。分布曲線18及び19は、この準安定状態におけるターゲット及びプラズマを構成する元素の原子密度を示す。ターゲットの内部(線15よりも左側)では分布曲線18及び19は固体状態のターゲットの原子密度(初期密度)を表し、ターゲットの外側(線15よりも右側)では分布曲線18及び19はその元素のプラズマ密度を示す。図1から明らかなように、プラズマ密度はターゲット表面15から離れるに従い、指数関数的に減少する。
ターゲットに照射されたレーザ光のエネルギーは、プラズマ中のレーザ吸収領域11で吸収される。吸収されたエネルギーは、符号14で示すように、レーザ吸収領域11から極端紫外光発光領域12に輸送され、この極端紫外光発光領域12で極端紫外光が発光する。
本願発明者は、この両領域の間のエネルギーの輸送の際にエネルギーの損失が生じることを見いだし、その損失を低減することにより極端紫外光の発光効率を高めることに想到した。具体的には、ターゲットの密度を調整することによりレーザ吸収領域と極端紫外光発光領域を空間的に接近させ、輸送によるエネルギーの損失を最小限に抑えるというものである(特許文献1)。その詳しい原理は次の通りである。
ターゲットにレーザ光を照射したときに生成されるプラズマの密度は、ターゲットの初期密度に依存し、密度が高い場合にはターゲット表面から遠方までプラズマが存在する(分布曲線18)のに対し、密度が低い場合にはプラズマはターゲット表面の近傍にしか存在しない(分布曲線19)。このプラズマ中において、レーザ吸収領域11は、次式で規定される、いわゆるカットオフ電子密度領域である。
c/λ=[(e2ncr)/(ε0me)]1/2 …(1)
ここで、λ, c, e,ε0, me, ncr はそれぞれ、レーザ光の波長、光速、単位電荷量、真空の誘電率、電子質量、電子密度である。このカットオフ電子密度領域は、ターゲットの初期密度が低いほどターゲット表面15に近い方に移動する(矢印17)。一方、プラズマが極端紫外光を発光する条件もターゲットの初期密度に依存し、極端紫外光発光領域12は、ターゲット初期密度が低いほどターゲット面に近くなる。すなわち、ターゲットの密度を小さくすると、レーザ吸収領域11及び極端紫外光発光領域12は共にターゲット面の方に近づくが、その度合いはレーザ吸収領域11の方が大きい。従って、ターゲットの密度を小さくすることにより、結果的に、レーザ吸収領域11と極端紫外光発光領域12を近づけ、エネルギー輸送損失を低減することができる。また、ターゲットの初期密度を低下させることにより、膨張プラズマの量が減少し、極端紫外光の膨張プラズマによる再吸収が減少するため、取り出せる極端紫外光の量が増加する。
特許文献1では、具体的には、ターゲットの材料に重金属又は重金属化合物を用い、ターゲットの密度を、それら重金属密度又は重金属化合物の結晶の密度よりも小さく(結晶密度の0.5%〜80%と)することにより、発光効率を高めている。
また、特許文献1では、重金属塩化物を脱水アルコールに溶解させた後、これに水を混合することにより重金属酸化物を含むゲルを生成し、このゲルを乾燥させることにより、低密度重金属ターゲットを製造する方法を開示している。また、これと同様の方法によりゲルを生成し、このゲルをナノパーティクルポリスチレンに混合した後、240℃以上且つ重金属酸化物の分解温度以下に加熱してナノパーティクルポリスチレンを気化することにより低密度重金属ターゲットを製造する方法も開示している。後者の場合、ナノパーティクルポリスチレンが気化した後に空洞が残るため、ターゲット全体に対する重金属の密度を低くすることができる。
国際公開WO2004/086467号公報(第3頁1行目〜第5頁20行目、第7頁26行目〜第9頁1行目、第1図〜第3図、第5図)
極端紫外光をリソグラフィーに用いるためには、反射鏡を用いて極端紫外光を集光したうえでレチクルに導入する必要がある。その際、波面の乱れのない高品質な極端紫外光を得るためには、光源から放射される極端紫外光に角度分布がないこと、即ち極端紫外光源の発光方向が等方的であることが望ましい。
一方、集光光学系を簡素化しつつ高効率の極端紫外光源を得るためには、特定の方向への放射強度が強い、すなわち指向性の高い極端紫外光を得ることが望ましい。
しかし、従来の極端紫外光源では、ターゲットにレーザ光を照射した時に放射される極端紫外光の放射方向を制御することはできなかった。即ち、全方向に等方的に極端紫外光を放射する極端紫外光源や、逆に、特定の方向に指向した極端紫外光を放射する極端紫外光源は存在しなかった。
本発明が解決しようとする課題は、極端紫外光の放射方向を制御することができる極端紫外光発光方法、及び、それに用いる極端紫外光源用ターゲットを提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る極端紫外光発光方法の第1の態様は、重金属又は重金属化合物から成るターゲットにレーザ光を照射することにより極端紫外光を生成する方法であって、レーザ光の照射方向に対する(微粒子表面の成す)角度が60°〜90°である微粒子表面の割合が25%以上であるターゲットを用いることを特徴とする。
これにより、等方性の高い極端紫外光を得ることができる。ここで、「等方性の高い極端紫外光」とは、極端紫外光の放射強度が最も強い方向と最も弱い方向の強度比が1〜2倍であるものを指す。
上記課題を解決するために成された本発明に係る極端紫外光発光方法の第2の態様は、重金属又は重金属化合物から成るターゲットにレーザ光を照射することにより極端紫外光を生成する方法であって、レーザ光の照射方向に対する(微粒子表面の成す)角度が60°〜90°である微粒子表面の割合が20%以下であるターゲットを用いることを特徴とする。
これにより、指向性の高い極端紫外光を得ることができる。ここで、「指向性の高い極端紫外光」とは、極端紫外光の放射強度が最も強い方向と最も弱い方向の強度比が2倍以上であるものを指す。
前記「微粒子」には、重金属又は重金属化合物の微結晶の他、その集合体である2次微粒子も含まれる。
前記ターゲットには、例えば薄膜状のものを用いることができる。このような薄膜状のターゲットであって、その薄膜表面の法線方向に対する(微粒子表面の成す)角度が60°〜90°である微粒子表面の割合が25%以上である(すなわち、等方性の高い)ターゲットは、
四塩化スズ又はテトラアルコキシスズを、該四塩化スズ又はテトラアルコキシスズの4倍以下のモル数のエタノールに溶解させた後に、これに水を混合させた溶液を微粒子薄膜の隙間に染み込ませて、重金属酸化物を含むゲル薄膜を生成する方法により製造することができる。
また、そのようなターゲットは、
a) 四塩化スズを、該四塩化スズの4倍以下のモル数の脱水エタノールに溶解させた後に、これに水を混合することにより重金属酸化物を含むゲルを生成するゲル生成工程と、
b)前記ゲルをナノパーティクルポリスチレンに混合した後、240℃以上且つ重金属酸化物の分解温度以下に加熱するターゲット形成工程と、
を有する方法によっても製造することができる。
一方、薄膜表面の法線方向に対する(微粒子表面の成す)角度が60°〜90°である微粒子表面の割合が20%以下である(すなわち、指向性の高い)ターゲットは、
四塩化スズ又はテトラアルコキシスズを、該四塩化スズ又はテトラアルコキシスズの5倍以上のモル数のエタノールに溶解させた後に、これに水を混合させた溶液を微粒子薄膜の隙間に染み込ませて、重金属酸化物を含むゲル薄膜を生成する方法により製造することができる。
また、そのようなターゲットは、
a) 四塩化スズを、該四塩化スズの5倍以上のモル数の脱水エタノールに溶解させた後に、これに水を混合することにより重金属酸化物を含むゲルを生成するゲル生成工程と、
b)前記ゲルをナノパーティクルポリスチレンに混合した後、240℃以上且つ重金属酸化物の分解温度以下に加熱するターゲット形成工程と、
を有する方法によっても製造することができる。
発明の実施の形態及び効果
重金属ターゲットは通常、重金属又は重金属化合物の微結晶やその集合体である2次微粒子等の、多数の微粒子から形成される。主にターゲットの作製条件の違いにより、微粒子の形状は様々となる。例えば、重金属材料を溶媒に溶解させた溶液を乾燥させることにより重金属ターゲットを作製する場合、溶液中の重金属材料の濃度に応じて、球形に近い微粒子や、円盤状や楕円体状微粒子等の、異なる形状の微粒子が得られる。なお、ここでいう「円盤状や楕円体状」は、必ずしも数学的に正確な形状を有するものを言うのではなく、おおざっぱに言って一方向又は2方向に短く、他の方向に長い微粒子形状のことを指す。
本願発明者はこの微粒子の形状の違いに着目し、形状の異なる複数のターゲットを作製して実験を行った結果、極端紫外光は微粒子の表面に垂直な方向に放射されやすいことを見出した。例えば、球形に近い微粒子からは等方的に極端紫外光が放射される。それに対して、円盤状又は楕円体状の微粒子からは、短軸方向に強い強度で極端紫外光が放射されやすい。これを利用して、目的とする極端紫外光の取り出し方向に対する微粒子の表面の方向を調整することにより、取り出す極端紫外光の放射方向分布を制御することができる。ここで、微粒子表面の方向は、微粒子の形状と配向方向により制御することができる。
例えば、薄膜状に形成されたターゲットにおいては、多くの場合、微粒子の長軸が薄膜に平行な方向に配向する傾向がある。そのため、ターゲット中の微粒子が非球体状である場合には、図8(a)に示すように、その短軸は薄膜の表面に対して垂直な方向、あるいはそれに近い方向となる傾向がある。その結果、このようなターゲットからの極端紫外光は薄膜の表面に垂直な方向、あるいはそれに近い方向に強く指向して放射される。
一方、図8(b)に示すように、非球体微粒子の長軸を一方向に揃えたターゲットに、その方向からレーザ光を照射することにより、比較的等方性の高い極端紫外光が放射される。
具体的には、レーザ光照射方向に対する(微粒子の表面の)角度が60°〜90°である微粒子表面の割合が25%以上であれば、等方性の高い極端紫外光が得られる。一方、そのような微粒子表面の割合が20%以下であれば、指向性の高い極端紫外光が得られる。
なお、極端紫外光は主にターゲットの表面付近から放射されることから、このような微粒子の方向制御は、ターゲット表面付近の微粒子のみを対象とすることができる。
このように微粒子表面の方向を制御するための薄膜ターゲットの製造方法については後述する。
本発明に係る極端紫外光源用ターゲットにおいて、特許文献1に記載の低密度重金属ターゲットと同様に、ターゲットの重金属又は重金属化合物の密度はその重金属又は重金属化合物の結晶密度の0.5〜80%とすることが望ましい。ここで結晶密度は、重金属又は重金属化合物の質量をターゲット全体の体積で除した値で定義する。従って、ターゲット内に空洞が形成されている場合には、その空洞はターゲット全体に対する重金属又は重金属化合物の密度を小さくする役割を果たす。また、現在リソグラフィーへの適用が検討されている波長11〜14nmの極端紫外光を得るために、重金属又は重金属化合物にスズ又はスズ化合物を用いることが望ましい点も、特許文献1に記載のターゲットと同様である。スズ又はスズ化合物を用いた場合、得られる極端紫外光の波長は13.5nmである。
本発明に係る極端紫外光源用ターゲットは、前述した特許文献1に記載の低密度重金属ターゲットの製造方法を利用して製造することができる。即ち、重金属又は重金属化合物と脱水アルコールを混合した後に更に水を加えることにより溶液を作製した後、この溶液をナノパーティクルポリスチレンに混合して240℃以上且つ重金属酸化物の分解温度以下に加熱(ナノパーティクルポリスチレンを気化)する。
その際、作製されるターゲットが有する微粒子表面の向きを制御するために、ゲルを作製する際の重金属又は重金属化合物と脱水アルコールとの混合比を調整する。本願発明者は、脱水アルコールに対する重金属又は重金属化合物の濃度が高くなる程、微粒子表面が薄膜の表面の法線に対して60°〜90°を向く粒子の割合が多くなることを見出した。これは、この密度が高いほどゲルの粘性が高くなり、ゲルを膜状にした時にゲルの液滴が球形に近くなると共に、加熱時に微粒子が破裂しにくくなるためである。
例えば、重金属化合物として四塩化スズを、脱水アルコールとして脱水エタノールを用いた場合には、脱水エタノールのモル数を四塩化スズのモル数の4倍以下とすることにより、微粒子の表面の25%以上が薄膜表面の法線に対して60°〜90°の方向を向くようになる。このようなターゲットにより、等方性が高い極端紫外光を得ることができる。
本発明に係る極端紫外光発光方法、極端紫外光源用ターゲット及びそのターゲットの製造方法の実施例を図2〜図7を用いて説明する。
酸化スズ(SnO2)から成る極端紫外光源用ターゲットの製造方法の第1の実施例を、図2を用いて説明する。まず、エタノール(C2H5OH)中に四塩化スズ(SnCl4)を溶解させる(1)。(a)〜(c)におけるCH3CH2OHとSnCl4のモル比は、それぞれ(a)2:1、(b)6:1、(c)10:1となる。この溶液10mlに更に純水10mlを混合してSnO2を含む溶液21を得た(2)。
酸化スズ(SnO2)から成る極端紫外光源用ターゲットの製造方法の第2の実施例を、図2を用いて説明する。まず、第1実施例と同様の方法により、SnO2を含む溶液21を得た(2)。別途、容器23に粒径約1μmのナノパーティクルポリスチレン24を充填したものを用意する(3)。そこに、更にSnO2含有溶液21を入れて混合した(4)。これを4日間放置してSnO2含有溶液21をゲル化させた後、このゲルを400℃で5時間加熱することによりナノパーティクルポリスチレン24を気化させた(5)。これにより、SnO2から成る板状の極端紫外光源用ターゲット20’が得られた。極端紫外光源用ターゲット20’内にはナノパーティクルポリスチレン24が気化した後に残った球形の空洞25が形成される。
次に、この方法で作製された極端紫外光源用ターゲットに関する実験結果を示す。本実施例では、エタノールに四塩化スズを溶解させる(図2(1))際のエタノールと四塩化スズの質量を、(a)エタノール9g, 四塩化スズ26g、(b)エタノール27g, 四塩化スズ26g、(c)エタノール46g, 四塩化スズ26g、とする3種類の溶液を用いて、それぞれ極端紫外光源用ターゲットを作製した。以後、溶液(a)、溶液(b)、溶液(c)から作製したターゲットをそれぞれターゲットa、ターゲットb、ターゲットcと呼ぶ。
ターゲットa、b、cの密度はそれぞれ0.51g/cm3、0.52g/cm3、0.49g/cm3であった。これはそれぞれ、酸化スズの結晶密度(6.9g/cm3)の7.3%、7.5%、7.1%に相当する。ここで、ターゲットa、b、cの密度は、ターゲットの質量をターゲット全体の体積で除した値で定義した。従って、空洞25の体積もターゲット全体の体積に含まれる。
図3にターゲットa、b、cの表面の電子顕微鏡写真を示す。ターゲットaにおいては、球状のセル31a(灰色の部分)が形成されている。各セル31内で黒色に見える部分32は、セルの殻に開いた穴の部分である。一方、ターゲットbの写真には灰色のセル31bが見えるが、セルは球形から変形している。このような形状は、ターゲットの製造中にセルが割れたことにより形成されたと考えられる。ターゲットcはターゲットbよりも更にセル31cの変形が激しい。この結果から、ターゲットの作製時におけるエタノールに対する四塩化スズの濃度が高いほど、セルの割れは小さく、球形が保たれやい、と考えられる。
ターゲットa、b、cの表面41に対する法線42とセル31a〜31cの表面に対する法線43の成す角度θ(図4参照)分布を図5に示す。図5では、θが60°〜90°である領域44を淡い灰色で、θが0°〜60°である領域45を濃い灰色で、それぞれ示す。図5より、ターゲットa、b、cの表面41における領域44が表面41全体に占める割合Slatと、ターゲットa、b、cの表面41における領域45が表面41全体に占める割合Snorを求めた結果を表1に示す。ターゲット全体の中でθが60°〜90°である領域44が占める割合は、ターゲットaが最も高く、ターゲットb、cの順に低くなる。これら3つのターゲットのうち、ターゲットaはこの割合が25%以上であり、等方性の高い極端紫外光を得るための条件を満たす。それに対してターゲットb及びcはその割合が25%未満であり、上記要件を満たさない。
これらターゲットa、b、cに、法線42に平行な方向に進行するNd-YAGレーザ光を照射して極端紫外光を得る実験を行った。図6に、得られた極端紫外光のスペクトルを示す。ターゲットa、b、cのいずれにおいても、波長13.5nmの極端紫外光が得られていることがわかる。
次に、法線42に平行な方向に進行するNd-YAGレーザ光を照射した時に、法線42との角度がφとなる(図4参照)方向に放射される極端紫外光の発光強度I(φ)を測定した結果を図7に示す。ここで、各測定点における発光強度I(φ)は、φ=62°におけるターゲットaからの発光強度で規格化して示した。また、各測定点において2〜3回ずつ測定を行い、その平均値を図7に示した。この図より、ターゲットaでは、φ=90°の時の発光強度がφ=0°の時の約1/2と、比較的強い強度を有することがわかる。また、データ全体として、ターゲットb及びcを用いた場合よりもターゲットaを用いた場合の方が、角度φの変化による発光強度I(φ)の変化は小さい、即ち、より等方性の高い特性が得られることがわかる。一方、ターゲットb及びcを用いることにより、ターゲットaよりもφ=0°、即ちターゲットの膜面に垂直な方向への指向性が高い極端紫外光が得られる。
極端紫外光の発生原理を説明するための図。 本発明に係る極端紫外光源用ターゲットの製造方法の一実施例を示す概略図。 本実施例の極端紫外光源用ターゲットa, b, cの電子顕微鏡写真。 角度θの定義を示す図。 本実施例の極端紫外光源用ターゲットのうち角度θが60°〜90°である領域44と0°〜60°である領域45を示す図。 本実施例の極端紫外光源用ターゲットにより得られた極端紫外光のスペクトルの例を示すグラフ。 本実施例の極端紫外光源用ターゲットにより得られた極端紫外光の強度の角度分布を示すグラフ。 ターゲット中の非球体状微粒子の向きと極端紫外光放射方向との関係を示す説明図。
符号の説明
11…レーザ吸収領域
12…極端紫外光発光領域
15…ターゲット表面
18、19…分布曲線
20…極端紫外光源用ターゲット
21…SnO2含有ゲル
22…ガラス基板
23…容器
24…ナノパーティクルポリスチレン
25…空洞
31、31a、31b、31c…セル(微粒子)
41…ターゲットの表面
42…ターゲットの表面に対する法線
43…微粒子の表面に対する法線
44…θが60°〜90°である領域
45…θが0°〜60°である領域

Claims (13)

  1. 重金属又は重金属化合物の微粒子の集合体から成るターゲットにレーザ光を照射することにより極端紫外光を生成する方法であって、
    レーザ光の照射方向に対する角度が60°〜90°である微粒子表面の割合が25%以上であるターゲットを用いることを特徴とする極端紫外光発光方法。
  2. 重金属又は重金属化合物の微粒子の集合体から成るターゲットにレーザ光を照射することにより極端紫外光を生成する方法であって、
    レーザ光の照射方向に対する角度が60°〜90°である微粒子表面の割合が20%以下であるターゲットを用いることを特徴とする極端紫外光発光方法。
  3. 前記ターゲットが薄膜状であり、レーザ光照射方向が薄膜の表面に垂直な方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の極端紫外光発光方法。
  4. 前記重金属又は重金属化合物の密度が、該重金属又は重金属化合物の結晶密度の0.5〜80%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の極端紫外光発光方法。
  5. 前記重金属又は重金属化合物がスズ又はスズ化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の極端紫外光発光方法。
  6. 重金属又は重金属化合物の微粒子の集合体から成る薄膜状のターゲットであって、
    薄膜表面の法線方向に対する角度が60°〜90°である微粒子表面の割合が25%以上である極端紫外光源用ターゲット。
  7. 重金属又は重金属化合物の微粒子の集合体から成る薄膜状のターゲットであって、
    薄膜表面の法線方向に対する角度が60°〜90°である微粒子表面の割合が20%以下である極端紫外光源用ターゲット。
  8. 前記重金属又は重金属化合物の密度が、該重金属又は重金属化合物の結晶密度の0.5〜80%であることを特徴とする請求項6又は7に記載の極端紫外光源用ターゲット。
  9. 前記重金属又は重金属化合物がスズ又はスズ化合物であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の極端紫外光源用ターゲット。
  10. 四塩化スズ又はテトラアルコキシスズを、該四塩化スズ又はテトラアルコキシスズの4倍以下のモル数のエタノールに溶解させた後に、これに水を混合させた溶液を微粒子薄膜の隙間に染み込ませて、重金属酸化物を含むゲル薄膜を生成することを特徴とする極端紫外光源用ターゲット製造方法。
  11. 四塩化スズ又はテトラアルコキシスズを、該四塩化スズ又はテトラアルコキシスズの5倍以上のモル数のエタノールに溶解させた後に、これに水を混合させた溶液を微粒子薄膜の隙間に染み込ませて、重金属酸化物を含むゲル薄膜を生成することを特徴とする極端紫外光源用ターゲット製造方法。
  12. a) 四塩化スズを、該四塩化スズの5倍以上のモル数のエタノールに溶解させた後に、これに水を混合することにより重金属酸化物を含むゲルを生成するゲル生成工程と、
    b)前記ゲルをナノパーティクルポリスチレンに混合した後、240℃以上且つ重金属酸化物の分解温度以下に加熱するターゲット形成工程と、
    を有することを特徴とする極端紫外光源用ターゲット製造方法。
  13. 四塩化スズ、テトラアルコキシスズ等のスズ化合物のアルコール/水溶液とヒドロキシプロピルセルロース等のリオトロピック液晶溶液を混合させ、膜状に伸ばして乾燥させることにより、配向した酸化スズ微結晶を生成することを特徴とする極端紫外光源用ターゲット製造方法。

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