JP2007087562A - 情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランプエリアまでインク受容層を設けても、高温高湿環境においてクランプへの貼りつきが生じない情報記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明の第1の情報記録媒体は、基板14と、基板14の一方の主面に配置されたインク受容層11とを含み、インク受容層11の表面の水接触角は、85°以上110°以下であり、インク受容層11は、その表面に高さ4μm以上の突起を備え、前記突起の数は、20個/mm2以上100個/mm2以下である。また、本発明の第2の情報記録媒体では、インク受容層11は、粒径20μm以上の粒子15を含み、粒子15は、インク受容層11の表面からその一部が露出している粒子15aを含み、粒子15aの数は、75個/mm2以上250個/mm2以下である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、基板の片面にインク受容層を設けた情報記録媒体に関する。
近年、パーソナルコンピュータの普及に伴い、それに用いる情報記録媒体も多様な種類のものが急速に普及している。例えば、レーザ光を用いて情報の書き込み及び/又は読み取りが可能な光情報記録媒体は、オーディオソフト、コンピュータソフト、ゲームソフト、電子出版等の分野における情報記録媒体として広く使用されている。
光情報記録媒体は、光情報の記録及び再生が可能な追記型と、記録後にデータの消去が可能な書換型の二種類に分けられる。そのなかで、CD方式の光情報記録媒体であるCD−R(追記型)、CD−RW(書換型)は、広く使用されている。また、DVD方式の光情報記録媒体であるDVD−R(追記型)、DVD−RW(書換型)、DVD−RAM等も利用者が増えている。
また、インクジェットプリンタ等の画像形成装置の発達により、光情報記録媒体については、記録時又は再生時にレーザ光を照射する面とは反対側の面、即ちいわゆるレーベル面に、インク受容層を設けた光情報記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。光情報記録媒体の利用者は、インクジェットプリンタ等を用いて、インク受容層に、写真、絵、文字等を印刷することができる。
図3は、従来の光情報記録媒体の一例を示す平面図である。図3において、従来の光情報記録媒体30は、そのレーベル面30aに、その印刷領域であるインク受容層31と、光情報記録媒体30の製造時や使用時等にこれを固定するためのクランプエリア32とを備え、その中央にはセンターホール33を備えている。インク受容層31は、レーベル面30aの外周からクランプエリア32の外周までを被覆している。
さらに最近では、より広い範囲での印刷が可能な光情報記録媒体の要求が高まっており、クランプエリアの内側にまでインク受容層を広げた光情報記録媒体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
図4は、特許文献2に記載の光情報記録媒体の平面図である。図4において、光情報記録媒体40は、そのレーベル面40aに、その印刷領域であるインク受容層41と、クランプエリア42とを備え、その中央にはセンターホール43を備えている。また、インク受容層41は、レーベル面40aの外周からクランプエリア42までを被覆し、且つクランプエリア42の内側にまで広がっている。
なお、インク受容層の形成材料に関する従来技術としては、例えば特許文献3がある。
特開平8−279179号公報 特開2004−253071号公報 特開2004−338206号公報
情報記録媒体は、情報の記録/再生時以外にも、その記録/再生装置(ドライブ)内に留め置かれることがある。一方、一般にインク受容層は、インク中の水分を吸収するよう設計されており、インク受容層の溶解等により粘着性を持ち、特に高温高湿環境下においてはより粘着性が大きくなる。この場合、図4に示すように、クランプエリアまでインク受容層を設けた情報記録媒体では、インク受容層の粘着性により情報記録媒体がクランプに貼りつく問題がある。このように情報記録媒体がクランプに貼りつくと、ドライブから情報記録媒体が取り出せなくなるおそれがあり、場合によってはドライブあるいは情報記録媒体の破損につながる。
本発明は上記問題を解決したもので、クランプエリアまでインク受容層を設けても、クランプへの貼りつきが生じない情報記録媒体を提供する。
本発明の第1の情報記録媒体は、基板と、前記基板の一方の主面に配置されたインク受容層とを含む情報記録媒体であって、前記インク受容層の表面の水接触角は、85°以上110°以下であり、前記インク受容層は、その表面に高さ4μm以上の突起を備え、前記突起の数は、20個/mm2以上100個/mm2以下であることを特徴とする。
また、本発明の第2の情報記録媒体は、基板と、前記基板の一方の主面に配置されたインク受容層とを含む情報記録媒体であって、前記インク受容層の表面の水接触角は、85°以上110°以下であり、前記インク受容層は、粒径20μm以上の粒子を含み、前記粒子は、前記インク受容層の表面からその一部が露出している粒子を含み、前記露出している粒子の数は、75個/mm2以上250個/mm2以下であることを特徴とする。
本発明によれば、クランプエリアまでインク受容層を設けても、高温高湿環境においてクランプへの貼りつきが生じない情報記録媒体を提供できる。
(実施形態1)
本発明の第1の情報記録媒体は、基板と、この基板の一方の主面に配置されたインク受容層とを備えている。
上記インク受容層の表面の水接触角は、85°以上110°以下であり、85°以上105°以下がより好ましい。水接触角が85°未満では、高温高湿環境での情報記録媒体のクランプへの貼りつき(以下、単に「クランプ貼りつき」という場合がある。)が生じ、水接触角が110°を超えると、インクのはじきが生じて、印刷時ににじみが生じる。
水接触角の測定方法は種々提案されているが、本明細書では、下記測定装置及び下記測定条件で測定するものとする。測定装置としては、Fibro社製の動的接触角計“DAT1122mkII”を用いる。測定条件としては、接触角の測定モードで測定を行い、Image Seq.はNORMALモードとし、測定溶媒には蒸留水を用いる。シリンジからのチューブは内径0.2mmのフッ素樹脂製チューブを使用し、液滴量は4μL、ストロークは8、モードは22、ステップは1、タイムアウトは1.0分、ドロップは5の条件で測定する。また、試料台には情報記録媒体の切片を載置し、切片の任意の10点を測定する。以上で得られたデータの9〜11秒の間にある測定値の平均値をもって、試料の水接触角とする。
また、インク受容層は、その表面に高さ4μm以上50μm以下の突起を備えている。突起の高さが4μm未満では印刷後にクランプ貼りつきが生じ、突起の高さが50μmを超えると印字に抜けが生じる。この突起の数は、20個/mm2以上100個/mm2以下であり、20個/mm2以上80個/mm2以下がより好ましい。上記突起の数が20個/mm2未満では印刷後にクランプ貼りつきが生じ、上記突起の数が100個/mm2を超えると印字に抜けが生じる。
上記突起の高さ及び数の計測方法は特に限定されないが、例えば以下のようにして行うことができる。先ず、情報記録媒体のインク受容層の表面に入射角75°の光を照射し、金属顕微鏡を用いて観察する。これにより、インク受容層の表面に光る点と影が観察される。この影を利用して金属顕微鏡の焦点をインク受容層の表面に合わせる。この光る点が突起の頂点、影の長さが突起の高さをそれぞれ反映する。本観察では照射光の入射角を75°に設定したので、この光る点から影の先端までの長さに正接〔tan(90−75)°〕を乗じた値が突起の高さとなる。このような方法で突起の高さと数を計測する場合、インク受容層の表面の金属顕微鏡写真を撮影し、その写真上で写真倍率を勘案して、突起の高さと数を計測するのが好ましい。より具体的には、上記写真撮影は、写真倍率100倍で72.5mm×95.0mmの写真を少なくとも3か所撮影して行ってもよい。
上記突起は、インク受容層に特定の粒径の粒子を含有させ、その粒子の一部をインク受容層の表面から露出させることにより形成することができる。なお、一般にインク受容層には、インクの吸収性を向上させるために、粒子を含有させているが、本発明では、特定の粒径の粒子をインク受容層の表面から露出させて突起を形成することにより、印刷後のクランプ貼りつきを防止したものである。
上記突起を形成する粒子の種類については特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、変性メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ゴム等からなる微粒子、又はこれらの樹脂の架橋微粒子、リグニン、プロテイン、セルロースの粉末等の有機系粒子が使用できる。また、酸化チタン、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等の無機系粒子も使用できる。特に、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン樹脂、又はこれらの樹脂の架橋微粒子が好ましい。
上記粒子の平均粒径は、5μm以上50μm未満が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましい。平均粒径が5μm未満では、インク受容層の表面に高さ4μm以上の突起を形成することが困難となり、平均粒径が50μm以上では、印字に抜け又は欠け等が生じる原因となる。これらの粒子は単独で用いることもでき、また2種類以上を併用して用いてもよい。このような粒子としては、例えば、積水化成品工業社製のテクポリマーMBXシリーズ、SBXシリーズ、BMXシリーズ、ARXシリーズ、MBX−Sシリーズ、MBX−SSシリーズ、MB−Cシリーズ、ACXシリーズ、MBPシリーズ等の粒子で、平均粒径が5〜50μmのもの、綜研化学社製のケミスノーMXシリーズ、MRシリーズ、SXシリーズ、SGPシリーズ等の粒子で、平均粒径が5〜50μmのものを適宜使用することが好ましい。但し、インク受容層の強度向上のため、平均粒径が0.01〜1μm未満の粒子をさらに添加してもよい。
上記粒子の添加量は、インク受容層の樹脂成分の全重量を100重量部とすると、その100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下が好ましく、さらに3重量部以下がより好ましい。添加量を10重量部以下、特に3重量部以下とすると、インク受容層の光沢度を確保することができる。
但し、上記粒子の平均粒径及び添加量は、インク受容層の表面の突起の高さ、突起の数を実際に観察し、それに基づき適宜決定される必要がある。インク受容層の表面の突起の高さ及び数は、添加粒子の平均粒径及び添加量により一義的には決まらないからである。
上記インク受容層は、上記粒子を添加しても、その表面の60°光沢を30以上110以下に維持できる。従来、インク受容層の光沢は、その表面粗度により決定するため、インク受容層に含める粒子には、平均粒径1μm以下のものを用いるのが好ましいとされてきた。しかし、本発明では、平均粒径が5μm以上の粒子を用いても、その添加量を上記範囲内とすることにより、光沢感のある情報記録媒体を提供できる。
上記60°光沢は、利用者の視覚上55以上がより好ましい。また、本明細書で60°光沢は、以下の測定装置及び測定条件で測定するものとする。測定装置としては、BYK−Gardner GmbH社製の“micro−TRI−gloss”を用いる。測定条件としては、60°光沢の測定モードで測定を行い、上記測定装置を測定面に押し当て、任意の5点の測定値の平均値をもって、測定試料の60°光沢とする。
インク受容層は、インクの吸収性を良好とし、印刷のにじみを防止するため、水溶性樹脂を含むことが好ましい。水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム及びこれらと他の樹脂成分との共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が使用できる。水溶性樹脂の具体例としては、例えば、ダイセル化学工業社製の“HECダイセル”、信越化学工業社製のメトローズ“60SH−03”、“60SH−15”、“60SH−50”、“65SH−50”等、第一工業製薬社製のピッツコール“K90”、“K30”、ISP社製のポリビニルピロリドン“K120”、“K90”、“K60”、ポリビニルピロリドン(PVP)/ビニルアルコール(VA)コポリマー“E335”、“E535”、“E635”、“E735”等、ビビプリント“540”、“121”、“200”等、日本合成化学社製のゴーセノール“EG−40”、“EG−05”、“KL−03”、“L−0302”等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルカプロラクタムは、その構造上、ポリビニルピロリドンに比較し、若干ながらも親水性が低くなるため、クランプ貼りつきを防止する観点で好ましい。特に、高温高湿環境で保存した場合におけるインクのにじみ防止の点で、ヒドロキシアルキルセルロースあるいはポリビニルカプロラクタムと、ジメチルアミノプロピルメタクリレートあるいはその塩との共重合体を用いることも好ましい。
インク受容層は、耐水性を向上させて、水滴等による印刷画像のにじみを防止するために、さらに放射線硬化樹脂を用いて硬化することが好ましい。放射線硬化樹脂は、一般的にラジカル反応タイプの樹脂とイオン反応タイプの樹脂とがあるが、イオン反応タイプの樹脂は反応速度が遅いため、ラジカル反応タイプの樹脂が好適に使用できる。また、放射線硬化樹脂の樹脂成分としては、耐候性、耐久性等の観点より、アクリレート系モノマー又はメタクリレート系モノマーが用いられ、この樹脂成分中には、インク受容層のインク吸収能を損なわないためにポリオキシエチレン鎖もしくはポリオキシプロピレン鎖を有しているのが好ましい。このような樹脂成分は、1分子中に含む放射線官能基の個数により1個のものは単官能モノマー、複数個のものは多官能モノマーとして区分されている。
単官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート等がある。
また、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート等も使用できる。
さらに、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(2−エチルへキシル)エーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート等も使用できる。
2官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート等が使用できる。
また、3官能以上の多官能モノマーとしては、エチレングリコール変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が使用できる。
放射線硬化樹脂の樹脂成分としては、上記以外にも例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロロヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA変性エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミドやジエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を用いてもよい。
上記放射線硬化樹脂を硬化させるための放射線としては、ガンマ線、電子線あるいは紫外線を好適に用いることができるが、特に紫外線を用いることが簡便である。紫外線照射の光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、紫外線LEDランプ等が使用される。照射エネルギー量は、150〜2000mJ/cm2が好ましく、250〜1000mJ/cm2がより好ましい。紫外線を用いる場合は、前述の樹脂成分に光重合開始剤を含めることが必要であり、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、2−クロロチオキサントン、ジイソプロピルチオザンソン、9,10−アントラキノン、ベンソイン、ベンソインメチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトン等が使用できる。
インク受容層の表面の水接触角の調整には、上記放射線硬化樹脂にシランカップリング剤、シリコン系消泡剤、シリコン系レベリング剤、シリコンオイル、シリコン系スリップ剤、シリコン系撥水剤等のシリコン含有モノマーを含めることが好ましい。シリコン含有モノマーとしては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、シリコンジアクリレート、シリコンヘキサアクリレート等のアルコールに可溶なものが好適に使用できる。シリコン含有モノマーの添加量は特に限定されないが、例えば、前述の水溶性樹脂と放射線硬化樹脂との合計重量を100重量部とすると、その100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で添加される。この範囲内であれば、インク受容層の表面の水接触角を85°以上110°以下に容易に調整できる。
インク受容層に放射線硬化樹脂を使用しない場合には、上記シリコン含有モノマーを予めラジカル重合させたシリコン含有樹脂をインク受容層に塗布してもよい。また、予め重合したシリコン含有樹脂と前述の水溶性樹脂とを混合してインク受容層を形成してもよい。前述の特許文献3では、N−ビニルピロリドン、アルコキシシリル基を含むラジカル重合性樹脂、及び他のラジカル重合性樹脂を予め水溶性過酸化物等と混合して共重合し、他の水溶性樹脂と混合して用いることが提案されているが、このようなインク受容層用塗布組成物を用いてもよい。
インク受容層は、上記ラジカル重合性共重合体の他、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いて形成してもよい。例えば、第一工業製薬社製のスーパーフレックス“600”、“610”、“620”、“650”、“300”シリーズ等、高松油脂社製のインクジェット受容層用樹脂“NSシリーズ”等、大日本インキ化学工業社製の“パテラコール IJシリーズ”等、大原パラジウム化学社製の“パラサーフ UPシリーズ”等が使用できる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、また、前述の水溶性樹脂と混合して用いてもよい。
さらに、インク受容層には、長期保存時のにじみを防止するためにカチオン性共重合体を含めてもよい。カチオン性共重合体としては、ポリジアリルアミン系、ポリアミジン系、ポリアミン系、ポリアクリルアミド系の共重合体、又はこれらの共重合体の塩を用いることが好ましい。例えば、第一工業製薬社製の“シャロール”シリーズ、高松油脂社製のカチオンポリマー“IN−177A”、“TKカチオンN”、“IN−197”等、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製のグラスコール“F110”、“F207”、“F209”、“F307”等、センカ社製のパピオゲン“P105”、“P138”等が使用できる。これらは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
上記インク受容層の製造方法は特に限定されず、前述の粒子、水溶性樹脂、放射線硬化樹脂等を含む塗布液を、例えば、スピンコート法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法等の方法で、基板上に塗布し、放射線を照射して硬化、乾燥することで基板上にインク受容層を形成できる。塗布液に放射線硬化樹脂を含まない場合には、放射線の照射に代えて、加熱による乾燥を行うことでインク受容層を形成できる。
インク受容層の厚さは、1〜100μmが望ましく、5〜20μmがより望ましい。1μm未満では、添加した平均粒径5〜50μmの粒子の保持が困難となり、100μmを超えると、情報記録媒体に反りを生じるおそれがあるためである。
上記インク受容層が形成される基板は、例えば、光情報記録媒体の場合には、第1の透明支持層、記録層、光反射層、接着層、第2の透明支持層及び白色保護層をこの順に積層して形成される。最終的には、白色保護層の上にインク受容層が形成されて光情報記録媒体が完成する。この構成では、第1の透明支持層側が光入射面となり、インク受容層側がレーベル面となる。
上記第1の透明支持層の材質は、光透過率が高く、ある程度の強度を有するものであれば特に限定されない。例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アモルファスポリオレフィン等の高分子材料、ガラス等の無機材料等を用いることができる。特に、光透過率が高く、且つ光学的異方性の小さいポリカーボネート樹脂が好ましい。また、第1の透明支持層の形状は特に限定されず、例えば、板状、フィルム状として用いることができる。第1の透明支持層は、記録層側の表面に、記録位置を表す案内溝やピット、一部再生専用の情報等のためのピットを備えていてもよい。これらの溝やピット等は、射出成形や注型によって支持層を製造する際に形成するのが通常の方法であるが、支持層の製造後にレーザーカッティング法や2P法(Photo−Polymer法)により形成してもよい。第1の透明支持層の厚さは、通常250〜950μmである。
上記記録層の材質は、レーザ光を照射することにより情報を記録できるものであれば特に限定されず、無機材料又は有機材料が使用できる。無機材料としては、光熱磁気効果により記録を行うTb/Fe/Co合金、Dy/Fe/Co合金等の希土類遷移金属合金が使用できる。また、相変化により記録を行うGe/Te合金、Ge/Sb/Te合金等のカルコゲン系合金を含む材料が使用できる。有機材料としては、主に有機色素が使用できる。有機材料には、複数の有機色素を混合してもよく、また、光吸収性材料以外のものを添加してもよい。
記録層に用いられる有機色素としては、例えば、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素等)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、アゾ系色素、インドアニリン系色素等が挙げられる。特に、高い耐久性、耐光性を持つフタロシアニン色素が望ましい。
上記記録層は、記録層を形成する上記材料を溶剤に溶解させた塗布液を、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法等の塗布方法で、上記第1の透明支持層の上に塗布し、乾燥することで形成できる。
上記溶剤としては、第1の透明支持層に悪影響を与えないものである必要がある。通常の光情報記録媒体では、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶剤や脂環式炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶剤、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤を用いることができる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、また混合して用いてもよい。
また、上記記録層は、真空蒸着法を用いて形成してもよい。この方法は、記録層の材料が溶剤に溶けにくい場合、第1の透明支持層に悪影響を与えない溶剤が選択できない場合等に有効である。また、記録層と第1の透明支持層との間に、記録層の劣化防止等の目的で、各種の下地層を設けてもよい。例えば、ポリスチレンやポリメタクリル酸メチル等の有機材料からなる層、SiO2等の無機材料からなる層を下地層として形成することができる。下地層は、単一層としてもよく、異なる種類の層を積層した複数層としてもよい。記録層の厚さは、通常0.01〜0.20μmである。
上記記録層の上には、Au、Al、Pt、Ag、Ni等の金属やその合金を用いて、光反射層を形成する。光反射層の形成に用いる金属は、特に酸素や水分に対し安定な金属が望ましい。光反射層は、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング法等によって成膜される。この光反射層と記録層との間に、層間の密着力を向上させるため、又は反射率を上げるためなどの目的で、中間層を設けてもよい。光反射層の厚さは、通常0.05〜0.20μmである。
上記光反射層の上には、接着層を介して第2の透明支持層が配置される。第2の透明支持層としては、上記第1の透明支持層と同様の材料が使用でき、その厚さは、通常250〜950μmである。また、接着層の材料としては、インク受容層の形成に用いられる放射線硬化樹脂等が使用できる。接着層の厚さは、通常5〜20μmである。
上記白色保護層は、インク受容層に接して配置され、インク受容層への筆記や印刷を鮮明にする機能を有する。白色保護層は、紫外線硬化型のモノマーに光重合開始剤及び白色フィラーを含ませた紫外線硬化型樹脂組成物を用いて形成できる。白色保護層は、スピンコート法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法等で、上記第2の透明支持層の上に上記紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線を照射して硬化させることにより形成できる。
上記紫外線硬化型のモノマーとしては、前述のインク受容層の形成に用いられるアクリレート系モノマー、メタクリレート系モノマーのほか、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、2−クロロチオキサントン、ジイソプロピルチオザンソン、9,10−アントラキノン、ベンソイン、ベンソインメチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトンが使用できる。
上記白色フィラーとしては、有機フィラー、無機フィラーのいずれも使用することができる。有機フィラーとしては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、変性メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ゴム等からなる微粒子、又はこれらの樹脂の架橋微粒子、リグニン、プロテイン、セルロースの粉末等が使用できる。無機フィラーとしては、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等が使用できる。これらの白色フィラーは、1種類を単独で用いることもでき、また2種類以上を併用することもできる。
次に、本発明の情報記録媒体を図面に基づき説明する。図1は、本発明の情報記録媒体の一例である光情報記録媒体の平面図である。図1において、光情報記録媒体10は、そのレーベル面10aに、その印刷領域であるインク受容層11と、クランプエリア12とを備え、その中央にはセンターホール13を備えている。また、インク受容層11は、レーベル面10aの外周からクランプエリア12までを被覆し、さらにクランプエリア12の内周からセンターホール13の外周までを被覆している。これにより、インク受容層11の面積を最大にすることができ、印刷領域の拡大を図れる。
図2は、図1の光情報記録媒体の要部断面図である。但し、図2における各層の厚さの比率は、図面の理解を容易にするため、実際の比率と異なる場合がある。光情報記録媒体10は、基板14の上にインク受容層11を備えている。基板14は、第1の透明支持層141、記録層142、光反射層143、接着層144、第2の透明支持層145及び白色保護層146をこの順に積層して形成されている。なお、基板14の構成は一例であって、これに限定されるものではない。
また、インク受容層11の表面の水接触角は、85°以上110°以下に設定されている。また、インク受容層11は、平均粒径5〜50μm未満の粒子15を含み、その粒子15の中の一部の粒子15aは、インク受容層11の表面からその一部が露出して、高さ4μm以上の突起を形成している。さらに、高さ4μm以上の突起の数は、20個/mm2以上100個/mm2以下である。このようなインク受容層11を備えることにより、高温高湿環境においても情報記録媒体10のクランプへの貼りつきが生じず、且つインク受容層の表面の60°光沢を30〜110の範囲に維持できる。
図1では、インク受容層11は、レーベル面10aの外周からセンターホール13の外周までを被覆しているが、図4に示した光情報記録媒体と同様に、レーベル面10aの外周から、少なくともクランプエリア12までを被覆し、さらにクランプエリア12の内側の一部を被覆してもよい。インク受容層11が少なくともクランプエリア12を被覆することにより、高温高湿環境においても情報記録媒体10のクランプへの貼りつきが生じず、且つインク受容層の表面の60°光沢を30〜110の範囲に維持できる。
また、図3に示した光情報記録媒体と同様に、インク受容層11はレーベル面10aの外周からクランプエリア12の外周までを被覆してもよい。この場合でも、高温高湿環境においても情報記録媒体10のクランプへの貼りつきが生じず、且つインク受容層の表面の60°光沢を30〜110の範囲に維持できる。
(実施形態2)
本発明の第2の情報記録媒体は、基板と、この基板の一方の主面に配置されたインク受容層とを備え、上記インク受容層の表面の水接触角は、85°以上110°以下であり、85°以上105°以下がより好ましい点で、実施形態1の情報記録媒体と共通する。以下、本実施形態の情報記録媒体と実施形態1の情報記録媒体とで共通する事項については説明を省略する場合がある。
本実施形態では、上記インク受容層は、粒径20μm以上150μm以下の粒子を含み、この粒子の少なくとも一部は、インク受容層の表面からその一部が露出している。粒径が20μm未満では印刷後にクランプ貼りつきが生じ、粒径が150μmを超えると印字に抜けが生じる。この露出している粒子の数は、75個/mm2以上250個/mm2以下であり、75個/mm2以上160個/mm2以下がより好ましい。上記粒子の数が75個/mm2未満では印刷後にクランプ貼りつきが生じ、上記粒子の数が250個/mm2を超えると印字に抜けが生じる。一般にインク受容層には、インクの吸収性を向上させるために、微粒子を含有させているが、本発明では、特定の粒径の粒子をインク受容層の表面から露出させることにより、印刷後のクランプ貼りつきを防止したものである。
上記粒子の数の計測方法は特に限定されないが、例えば以下のようにして行うことができる。先ず、情報記録媒体のインク受容層の表面に入射角75°の光を照射し、金属顕微鏡を用いて観察する。これにより、インク受容層の表面に露出している粒子の影が観察でき、この影を利用して金属顕微鏡の焦点をインク受容層の表面に合わせる。次に、その状態で入射角75°の照射光(斜光)に代えて、インク受容層の表面に対して垂直方向の光(落射光)を照射する。この時に観察される黒い影をインク受容層からその一部が露出している粒子として扱う。この状態でインク受容層の表面の金属顕微鏡写真を撮影する。次に、その写真上で、写真倍率を勘案して、インク受容層からその一部が露出している粒径20μm以上の粒子の数を計測する。最初から落射光のみで観察すると、通常インク受容層に用いる樹脂は透明であるため、表面の粒子と内部の粒子との区別が困難となり、金属顕微鏡の焦点をインク受容層の表面に合わすことができない。しかし、斜光により生じる粒子の影を用いて予めインク受容層の表面に金属顕微鏡の焦点を合わせておけば、落射光を用いて観察しても、インク受容層の表面に露出する粒子のみを観察できる。より具体的には、上記写真撮影は、写真倍率100倍で72.5mm×95.0mmの写真を少なくとも3か所撮影して行ってもよい。なお、粒子の影が円形に観察されない場合、その面積を基に円相当の直径を求めて、粒径とすることが好ましい。
上記粒子の種類については特に限定されないが、実施形態1で突起を形成するのに用いた粒子と同様のものが使用できる。上記粒子の平均粒径は、5μm以上50μm未満が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましい。平均粒径が5μm未満では、粒径20μm以上の粒子をインク受容層の表面に露出させることが困難となり、平均粒径が50μm以上では、印字に抜け又は欠け等が生じる原因となる。これらの粒子は単独で用いることもでき、また2種類以上を併用して用いてもよい。このような粒子としては、例えば、積水化成品工業社製のテクポリマーMBXシリーズ、SBXシリーズ、BMXシリーズ、ARXシリーズ、MBX−Sシリーズ、MBX−SSシリーズ、MB−Cシリーズ、ACXシリーズ、MBPシリーズ等の粒子で、平均粒径が5〜50μmのもの、綜研化学社製のケミスノーMXシリーズ、MRシリーズ、SXシリーズ、SGPシリーズ等の粒子で、平均粒径が5〜50μmのものを適宜使用することが好ましい。但し、インク受容層の強度向上のため、平均粒径が0.01〜5μm未満の粒子をさらに添加してもよい。
上記粒子の添加量は、インク受容層の樹脂成分の全重量を100重量部とすると、その100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下が好ましく、さらに3重量部以下がより好ましい。添加量を10重量部以下、特に3重量部以下とすると、インク受容層の光沢度を確保することができる。
但し、上記粒子の平均粒径及び添加量は、インク受容層の表面に露出する粒子の粒径、粒子数を実際に観察し、それに基づき適宜決定される必要がある。インク受容層の表面から露出する粒子の粒径及び粒子数は、添加粒子の平均粒径及び添加量により一義的には決まらないからである。
上記インク受容層は、上記粒子を添加しても、その表面の60°光沢を30以上110以下に維持できる。従来、インク受容層の光沢は、その表面粗度により決定するため、インク受容層に含める粒子には、平均粒径1μm以下のものを用いるのが好ましいとされてきた。しかし、本発明では、平均粒径が5μm以上の粒子を用いても、その添加量を上記範囲内とすることにより、光沢感のある情報記録媒体を提供できる。上記60°光沢は、利用者の視覚上55以上がより好ましい。
本実施形態のインク受容層は、上述した点以外については実施形態1のインク受容層と同様であるため、その説明は省略する。また、上記インク受容層が形成される基板は、例えば、光情報記録媒体の場合には、第1の透明支持層、記録層、光反射層、接着層、第2の透明支持層及び白色保護層をこの順に積層して形成される。最終的には、白色保護層の上にインク受容層が形成されて光情報記録媒体が完成する。この構成では、第1の透明支持層側が光入射面となり、インク受容層側がレーベル面となる。本実施形態の第1の透明支持層、記録層、光反射層、接着層、第2の透明支持層及び白色保護層も、実施形態1で説明したものと同様のものが使用できる。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されされるものではない。
先ず、前述の実施形態1に対応する実施例について説明する。
(実施例1)
<光記録層付きディスク基盤の作製>
下記のようにして、光記録層付きディスク基盤を作製した。
先ず、下記化学式で表されるアゾ金属錯体系色素をアセトンに溶解して、20%アセトン溶液を調製した後、この溶液をテトラフルオロプロパノールで希釈して、溶液全体で上記色素の1%溶液とした。
Figure 2007087562
この溶液を、トラックピッチ1.6μm、溝幅0.6μm、溝深さ0.1μmのスパイラルグルーブを片面に形成したポリカーボネート製の射出成形板からなる透明基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm、センターホールの直径:14.5mm)の上に、0rpmから250rpmまで加速回転するターンテーブル上でスピンコートし、80℃で1時間乾燥して、150nmの膜厚の有機色素記録層を透明基板(第1の透明支持層)の上に形成した。
次に、この有機色素記録層の上に、芝浦メカトロニクス社製のスパッタリング装置“stella−100”を用いて、銀を主体とした合金層を100nmの厚さにスパッタリングし、光反射層を形成した。
さらに、この光反射層の上に、接着層として大日本インキ化学工業社製の紫外線硬化樹脂“SD−698”を塗布し、この紫外線硬化樹脂の上に、スパイラルグルーブを形成していないポリカーボネート製の射出成形板からなる透明基板(直径120mm、厚さ0.6mm、センターホールの直径:14.5mm)を重ね合わせ、高速で回転して余分の紫外線硬化樹脂を除去した後、その透明基板(第2の透明支持層)側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化して、透明基板を光反射層に接着した。
次に、この透明基板(第2の透明支持層)の上に、酸化チタンと紫外線硬化樹脂からなる白色インクを塗布した後、紫外線を照射して硬化させ、白色保護層を形成した。
<インク受容層の形成>
下記成分を混合・攪拌してインク受容層用の塗布液を調製した。
(1)ポリビニルカプロラクトン共重合体: 200.0重量部
(ISP社製のビビプリント“200”)
(2)トリオキシエチレンジメタクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステル3EG”)
(3)2−ヒドロキシエチルアクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステルHOA”)
(4)シリコンヘキサアクリレート: 0.1重量部
(ダイセルUCB社製の“Ebecryl 1360”)
(5)光重合開始剤: 0.6重量部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の“IRGACURE 2959”)
(6)架橋ポリメタクリル酸メチル: 2.5重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX12”、平均粒径:12μm)
(7)アルコール: 120.0重量部
次に、上記塗布液を光記録層付きディスク基盤の白色保護層の上にスピンコート法で塗布した。即ち、塗布液5gをディスク基盤の内周に滴下し、回転数1000rpmにてレーベル面全体に塗布した後、回転数1800rpmで5秒間回転(振り切り条件)して余分の塗布液を除去した。その後、500mJ/cm2の紫外線を照射し、70℃で10分間乾燥して、図1に示すように、ディスク基盤の外周からセンターホールの外周までをインク受容層で被覆したディスク型光情報記録媒体(光ディスク)を得た。
(実施例2)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで5秒間回転とした以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)ヒドロキシアルキルセルロース: 70.0重量部
(信越化学工業社製のメトローズ“60SH−50”)
(2)ポリオキシエチレン(300)ジアクリレート: 30.0重量部
(ダイセルUCB社製の“PEG300DA”)
(3)3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン: 10.0重量部
(信越化学工業社製の“KBE503”)
(4)架橋ポリメタクリル酸メチル: 2.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(5)光重合開始剤: 0.6重量部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の“IRGACURE 2959”)
(6)水: 550.0重量部
(7)アルコール: 350.0重量部
(実施例3)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで5秒間回転とした以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX12”、平均粒径:12μm)
(実施例4)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで3秒間回転とした以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 4.5重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(実施例5)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで5秒間回転とした以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(実施例6)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 5.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX8”、平均粒径:8μm)
(実施例7)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1200rpmで3秒間回転とした以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)アクリル系カチオンポリマー: 20.0重量部
(高松油脂社製の“TKカチオンN”)
(3)架橋ポリメタクリル酸メチル: 2.5重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX20”、平均粒径:20μm)
(比較例1)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)ポリビニルカプロラクトン共重合体: 200.0重量部
(ISP社製のビビプリント“200”)
(2)トリオキシエチレンジメタクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステル3EG”)
(3)2−ヒドロキシエチルアクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステルHOA”)
(4)光重合開始剤: 0.6重量部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の“IRGACURE 2959”)
(5)架橋ポリメタクリル酸メチル: 6.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(6)アルコール: 120.0重量部
(比較例2)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)ヒドロキシアルキルセルロース: 70.0重量部
(信越化学工業社製のメトローズ“60SH−50”)
(2)ポリオキシエチレン(300)ジアクリレート: 30.0重量部
(ダイセルUCB社製の“PEG300DA”)
(3)3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン: 17.5重量部
(信越化学工業社製の“KBE503”)
(4)架橋ポリメタクリル酸メチル: 2.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(5)光重合開始剤: 0.6重量部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の“IRGACURE 2959”)
(6)水: 550.0重量部
(7)アルコール: 350.0重量部
(比較例3)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで3秒間回転とした以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX12”、平均粒径:12μm)
(比較例4)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1200rpmで3秒間回転とした以外は、実施例1と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX50”、平均粒径:50μm)
上記実施例1〜7及び比較例1〜4の各光ディスクについて、下記方法により、インク受容層への印字試験、クランプ貼りつき試験(クランプ試験)及びインク受容層の厚さの測定を行った。これらの結果を各光ディスクのインク受容層の特性とともに表1に示す。インク受容層の特性としては、表面の60°光沢、突起数、表面の水接触角を示した。突起数は、インク受容層の表面における高さ4μm以上の突起の1mm2当たりの数である。なお、突起の高さ及び数は、実施形態1において説明した計測方法により求めた。
<印字試験>
キャノン社製のインクジェットプリンタ“PIXUS iP3100”を用いて、インク受容層に各インク色のベタ印刷及び文字の印刷を行った。印字試験の評価基準は以下のとおりとし、その結果を表1では下記記号で示した。
(1)○:インクがはじかず、鮮明な印刷となった。
(2)△:インクの一部がはじいて、一部不鮮明な印刷となった。
(3)×:細線文字が不鮮明となり、解読できなかった。
<クランプ貼りつき試験(クランプ試験)>
日立製作所製のDVDレコーダー“DV−DH250T”にセットされているディスククランプジグを取り外して本試験に用いた。各光ディスクのインク受容層に、セイコーエプソン社製のインクジェットプリンタ“カラリオ PM−G800”を用いて、クランプエリアを完全に覆うようにベタ印刷を行い、1日放置した。その後、温度40℃、相対湿度80%の環境下で2時間放置した後、上記クランプを光ディスクにセットし、さらに温度40℃、相対湿度80%の環境に放置した。24時間放置後、光ディスクから光記録面側のクランプを分離し、インク受容層側のクランプと光ディスクとの貼りつきを評価した。クランプ試験の評価基準は以下のとおりとし、その結果を表1では下記記号で示した。
(1)○:インク受容層側のクランプから光ディスクが自然落下した。
(2)×:インク受容層側のクランプに光ディスクが貼りついた。
<インク受容層の厚さの測定>
大塚電子社製の厚さ測定システム(MCPD検出器:“MCPD−3000”、光源:“MC−2530”)を用いてインク受容層の反射スペクトルを測定した。得られた干渉パターンのピーク波長を基に、インク受容層の屈折率を1.4として厚さを求めた。測定は、ディスク中心から30〜45mmの位置を5点以上行い、その平均値をもってインク受容層の厚さとした。
Figure 2007087562
表1の結果から明らかなように、実施例1〜7の光ディスクは、インク受容層の表面の水接触角が85°〜110°の範囲内にあり、また、その表面の高さ4μm以上の突起数が20個/mm2以上100個/mm2以下であり、印字試験、クランプ試験ともに結果は良好であった。比較例1の光ディスクは、水接触角が85°未満であり、クランプ試験の結果が劣り、また突起数が100個/mm2を超えたため、印字試験で印字の一部が抜けた。比較例2の光ディスクは、水接触角が110°を超えており、印字不良(にじみ)が生じた。比較例3及び比較例4の光ディスクは、表面の高さ4μm以上の突起数が20個/mm2未満であり、ともにクランプ試験の結果が劣った。また、比較例4においては平均粒径50μmの粒子を用いたため、表面に高さ50μmを超える突起が観察され、このため印字の一部が抜けたと考えられる。また、実施例4、実施例6及び比較例1においては、平均粒径5〜50μmの粒子の添加量が3重量部を超えているため、インク受容層の表面の60°光沢は55未満となり、光沢感が多少劣った。
次に、前述の実施形態2に対応する実施例について説明する。
(実施例8)
<光記録層付きディスク基盤の作製>
光記録層付きディスク基盤は、実施例1と同様にして作製した。
<インク受容層の形成>
下記成分を混合・攪拌してインク受容層用の塗布液を調製した
(1)ポリビニルカプロラクトン共重合体: 200.0重量部
(ISP社製のビビプリント“200”)
(2)トリオキシエチレンジメタクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステル3EG”)
(3)2−ヒドロキシエチルアクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステルHOA”)
(4)シリコンヘキサアクリレート: 3.0重量部
(ダイセルUCB社製の“Ebecryl 1360”)
(5)光重合開始剤: 0.6重量部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の“IRGACURE 2959”)
(6)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(7)アルコール: 120.0重量部
次に、上記塗布液を光記録層付きディスク基盤の白色保護層の上にスピンコート法で塗布した。即ち、塗布液5gをディスク基盤の内周に滴下し、回転数1000rpmにてレーベル面全体に塗布した後、回転数1600rpmで5秒間回転(振り切り条件)して余分の塗布液を除去した。その後、500mJ/cm2の紫外線を照射し、70℃で10分間乾燥して、図1に示すように、ディスク基盤の外周からセンターホールの外周までをインク受容層で被覆したディスク型光情報記録媒体(光ディスク)を得た。
(実施例9)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用いた以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)ポリビニルカプロラクトン共重合体: 200.0重量部
(ISP社製のビビプリント“200”)
(2)トリオキシエチレンジメタクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステル3EG”)
(3)2−ヒドロキシエチルアクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステルHOA”)
(4)シリコンヘキサアクリレート: 0.1重量部
(ダイセルUCB社製の“Ebecryl 1360”)
(5)光重合開始剤: 0.6重量部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の“IRGACURE 2959”)
(6)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX20”、平均粒径:20μm)
(7)アルコール: 120.0重量部
(実施例10)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで5秒間回転とした以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX12”、平均粒径:12μm)
(実施例11)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで5秒間回転とした以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(実施例12)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1200rpmで3秒間回転とした以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 4.5重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(実施例13)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで5秒間回転とした以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 2.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(実施例14)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで3秒間回転とした以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 2.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX20”、平均粒径:20μm)
(比較例5)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用いた以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)ポリビニルカプロラクトン共重合体: 200.0重量部
(ISP社製のビビプリント“200”)
(2)トリオキシエチレンジメタクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステル3EG”)
(3)2−ヒドロキシエチルアクリレート: 20.0重量部
(共栄社化学社製の“ライトエステルHOA”)
(4)光重合開始剤: 0.6重量部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の“IRGACURE 2959”)
(5)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(6)アルコール: 120.0重量部
(比較例6)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数2000rpmで5秒間回転とした以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)ヒドロキシアルキルセルロース: 70.0重量部
(信越化学工業社製のメトローズ“60SH−50”)
(2)ポリオキシエチレン(300)ジアクリレート: 30.0重量部
(ダイセルUCB社製の“PEG300DA”)
(3)3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン: 17.5重量部
(信越化学工業社製の“KBE503”)
(4)架橋ポリメタクリル酸メチル: 2.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX12”、平均粒径:12μm)
(5)光重合開始剤: 0.6重量部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の“IRGACURE 2959”)
(6)水: 550.0重量部
(7)アルコール: 350.0重量部
(比較例7)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1200rpmで3秒間回転とした以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX12”、平均粒径:12μm)
(比較例8)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1400rpmで5秒間回転とした以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 5.5重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX15”、平均粒径:15μm)
(比較例9)
下記成分を含むインク受容層用の塗布液を用い、振り切り条件を回転数1200rpmで3秒間回転とした以外は、実施例8と同様にして光ディスクを作製した。
(1)アクリル系インク受容層用樹脂組成物: 833.3重量部
(高松油脂社製の“NS620X”)
(2)架橋ポリメタクリル酸メチル: 3.0重量部
(積水化成工業社製のテクポリマー“MBX50”、平均粒径:50μm)
上記実施例8〜14及び比較例5〜9の各光ディスクについて、前述と同様の方法により、インク受容層への印字試験、クランプ貼りつき試験(クランプ試験)及びインク受容層の厚さの測定を行った。但し、クランプ試験での印刷は、印字試験と同様にキャノン社製のインクジェットプリンタ“PIXUS iP3100”を用いた。これらの結果を各光ディスクのインク受容層の特性とともに表2に示す。インク受容層の特性としては、表面の60°光沢、粒子数、表面の水接触角を示した。粒子数は、インク受容層の表面からその一部が露出している粒径20μm以上の粒子の1mm2当たりの数である。なお、粒子の数は、実施形態2において説明した計測方法により求めた。
Figure 2007087562
表2の結果から明らかなように、実施例8〜14の光ディスクは、インク受容層の表面の水接触角が85°〜110°の範囲内にあり、また、その表面から一部露出している粒径20μm以上の粒子数が75個/mm2以上250個/mm2以下であり、印字試験、クランプ試験ともに結果は良好であった。比較例5の光ディスクは、水接触角が85°未満であり、クランプ試験の結果が劣った。比較例6の光ディスクは、水接触角が110°を超えており、印字不良(にじみ)が生じた。比較例8の光ディスクは、表面から一部露出している粒径20μm以上の粒子数が多く、印字不良が生じた。比較例7及び比較例9の光ディスクは、表面から一部露出している粒径20μm以上の粒子数が75個/mm2未満であり、クランプ試験の結果が劣った。また、実施例12及び比較例8においては、平均粒径15μmの粒子の添加量が、3重量部を超えているため、インク受容層の表面の60°光沢は55未満となり、光沢感が多少劣った。さらに、比較例9においては平均粒径50μmの粒子を用いたため、表面から一部露出している粒子として、粒径150μmを超える粒子が観察され、このため印字の一部が抜けたと考えられる。
以上のように本発明は、クランプエリアまでインク受容層を設けても、高温高湿環境においてクランプへの貼りつきが生じない情報記録媒体を提供でき、オーディオソフト、コンピュータソフト、ゲームソフト、電子出版等の分野における情報記録媒体として広く使用できる。
本発明の情報記録媒体の一例である光情報記録媒体の平面図である。 図1の光情報記録媒体の要部断面図である。 従来の光情報記録媒体の一例を示す平面図である。 従来の光情報記録媒体の他の例を示す平面図である。
符号の説明
10、30、40 光情報記録媒体
11、31、41 インク受容層
12、32、42 クランプエリア
13、33、43 センターホール
14 基板
141 第1の透明支持層
142 記録層
143 光反射層
144 接着層
145 第2の透明支持層
146 白色保護層
15 粒子
15a インク受容層の表面からその一部が露出している粒子

Claims (7)

  1. 基板と、前記基板の一方の主面に配置されたインク受容層とを含む情報記録媒体であって、
    前記インク受容層の表面の水接触角は、85°以上110°以下であり、
    前記インク受容層は、その表面に高さ4μm以上の突起を備え、
    前記突起の数は、20個/mm2以上100個/mm2以下であることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 基板と、前記基板の一方の主面に配置されたインク受容層とを含む情報記録媒体であって、
    前記インク受容層の表面の水接触角は、85°以上110°以下であり、
    前記インク受容層は、粒径20μm以上の粒子を含み、
    前記粒子は、前記インク受容層の表面からその一部が露出している粒子を含み、
    前記露出している粒子の数は、75個/mm2以上250個/mm2以下であることを特徴とする情報記録媒体。
  3. 前記インク受容層の表面の60°光沢は、30以上110以下である請求項1又は2に記載の情報記録媒体。
  4. 前記インク受容層は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム及びこれらと他の樹脂成分との共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  5. 前記基板は、センターホールと、前記センターホールの外側に位置するクランプエリアとを備え、
    前記インク受容層は、前記基板の外周から、少なくとも前記クランプエリアまでを被覆している請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
  6. 前記インク受容層は、前記基板の外周から、前記センターホールの外周までを被覆している請求項5に記載の情報記録媒体。
  7. 前記基板は、支持層、記録層、光反射層及び保護層を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
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WO2010010877A1 (ja) * 2008-07-25 2010-01-28 出光テクノファイン株式会社 紫外線硬化型コート剤および成形品
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