JP2007086918A - 情報処理装置および動作制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無駄な電力消費を招くことなく、外部装置とのデータ通信を自動実行することが可能な情報処理装置を実現する。
【解決手段】補助プロセッサ(APU)130は、外部装置とのデータ通信を実行すべきタイミング毎に、通信デバイスが使用可能な状態であるか否かを判別する。EC/KBC119は、通信デバイスが使用可能な状態であることが判別された場合には、本コンピュータ10を電源オンし、通信デバイスが使用可能な状態ではないことが判別された場合は、本コンピュータ10を電源オフ状態に維持する。本コンピュータ10が電源オンされると、ユーティリティプログラムの制御の下、通信デバイスによって外部装置とのデータ通信が実行される。データ通信の実行後、本コンピュータ10は自動的に電源オフされる。
【選択図】 図3
【解決手段】補助プロセッサ(APU)130は、外部装置とのデータ通信を実行すべきタイミング毎に、通信デバイスが使用可能な状態であるか否かを判別する。EC/KBC119は、通信デバイスが使用可能な状態であることが判別された場合には、本コンピュータ10を電源オンし、通信デバイスが使用可能な状態ではないことが判別された場合は、本コンピュータ10を電源オフ状態に維持する。本コンピュータ10が電源オンされると、ユーティリティプログラムの制御の下、通信デバイスによって外部装置とのデータ通信が実行される。データ通信の実行後、本コンピュータ10は自動的に電源オフされる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置に関し、特に通信デバイスを備えた情報処理装置および同装置で用いられる動作制御方法に関する。
近年、ラップトップタイプまたはノートブックタイプの種々の携帯型パーソナルコンピュータが開発されている。この種のコンピュータは、外部との通信を実行する通信デバイスを備えている。
この通信デバイスを用いることにより、例えば、電子メールの送受信、Webサイトへのアクセス等を実行することができる。
特許文献1には、電子メールを送受信する機能を有する機器が開示されている。
特開平6−303285号公報
しかし、通常、電子メールの受信のようなデータ通信は、コンピュータが電源オンされている状態でなければ実行することはできない。
このため、コンピュータを自動的に電源オンして、電子メールの受信のようなデータ通信を自動実行することが可能な新たな仕組みを実現することが望まれている。
しかし、単純にコンピュータを自動的に電源オンすると、無駄な電力が消費される可能性がある。通信デバイスが使用できない状態においては、たとえコンピュータを自動的に電源オンしてもデータ通信を実行することができないからである。
本発明は上述の事情を考慮してなされたもので、無駄な電力消費を招くことなく、外部装置とのデータ通信を自動実行することが可能な情報処理装置および動作制御方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、通信デバイスを備えた情報処理装置において、前記情報処理装置が電源オフ状態である期間中において、外部装置とのデータ通信を実行すべきタイミング毎に前記通信デバイスが使用可能な状態であるか否かを判別する判別手段と、前記通信デバイスが使用可能な状態であることが判別された場合は、前記情報処理装置を電源オンし、前記通信デバイスが使用可能な状態ではないことが判別された場合は、前記情報処理装置を電源オフ状態に維持する電源制御手段と、前記情報処理装置が電源オンされた場合、前記外部装置とのデータ通信を前記通信デバイスを用いて実行し、前記データ通信の実行後に前記情報処理装置を電源オフする通信制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、無駄な電力消費を招くことなく、外部装置とのデータ通信を自動実行することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成について説明する。この情報処理装置は、バッテリ駆動可能な携帯型のノートブック型パーソナルコンピュータ10として実現されている。コンピュータ10は、コンピュータ10を定期的に電源オンして、電子メールの受信、スケジュールデータの同期処理等のためのデータ通信を自動的に実行し、データ通信の実行後にコンピュータ10を電源オフする機能を有している。以下では、この機能をAuto Sync機能と称する。
図1は、ディスプレイユニットを開いた状態におけるコンピュータ10を正面側から見た斜視図である。
本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成される。ディスプレイユニット12には、LCD20(Liquid Crystal Display)から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD20の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に支持され、そのコンピュータ本体11に対してコンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自由に取り付けられている。コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード13、本コンピュータ10を電源オン/オフするためのパワーボタン14およびタッチパッド15が配置されている。コンピュータ本体11には通信デバイスが内蔵されている。Auto Sync機能においては、この通信デバイスを用いてメールサーバ、他のコンピュータのような外部装置とのデータ通信が自動的に実行される。
コンピュータ本体11の左側面上には、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ16が設けられている。ワイヤレスコミュニケーションスイッチ16は、無線通信の実行を許可または禁止するための操作スイッチである。ワイヤレスコミュニケーションスイッチ16は、無線通信の実行の許可を示す第1ステートおよび無線通信の実行の禁止を示す第2ステートの一方に設定される。
上述の通信デバイスとしては、無線通信デバイスを用いることができる。この場合、もしワイヤレスコミュニケーションスイッチ16が第2ステートに設定されているならば、たとえデータ通信を実行すべきタイミング(時点)が到来してもAuto Sync機能は実行されずに、キャンセルされる。これにより、例えば病院のような、電波の使用が制限された場所で、無線通信が実行されてしまうことを未然に防止することができる。
図2は、ディスプレイユニット12を閉じた状態におけるコンピュータ10の外観を示す斜視図である。ディスプレイユニット12の背面には、サブディスプレイ21が配置されている。サブディスプレイ21は、Auto Sync機能に関する各種ステータスの表示に使用される。例えば、サブディスプレイ21は、基地局からの無線信号の電界強度レベルを示す情報、新たな電子メールが受信されたことを示す情報等を表示する。このサブディスプレイ21により、ユーザは、ディスプレイユニット12が閉じた状態においても、現在位置が通信圏内であるか否か、および電子メールが受信されたこと等を確認することができる。
図3には、本コンピュータ10のシステム構成の一例が示されている。
本コンピュータ10は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィクスコントローラ114、サウスブリッジ115、ハードディスクドライブ(HDD)116、フラッシュBIOS−ROM118、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)119、電源回路120、補助プロセッサ(APU: Auxiliary Processing Unit)130、および通信デバイス131〜134等を備えている。
CPU111は、本コンピュータ10の動作を制御するメインプロセッサである。このCPU111は、HDD116から主メモリ113にロードされる、オペレーティングシステムおよび各種アプリケーションプログラム/ユーティリティプログラムを実行する。また、CPU111は、フラッシュBIOS−ROM118に格納されたシステムBIOS(基本入出力システム:Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
ノースブリッジ112は、CPU111のローカルバスとサウスブリッジ116との間を接続するブリッジデバイスである。また、ノースブリッジ112は、AGP(Accelerated Graphics Port)バスなどを介してグラフィクスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。さらに、ノースブリッジ112には、主メモリ113を制御するメモリコントローラも内蔵されている。
グラフィクスコントローラ114は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD20を制御する表示コントローラである。サウスブリッジ115は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスおよびLPC(Low Pin Count)バスにそれぞれ接続されている。また、サウスブリッジ115には、HDD116を制御するIDEコントローラも内蔵されている。
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)119は、電源管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13およびタッチパッド15などを制御するキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC119は、電源回路120と共同して、ユーザによるパワーボタンスイッチ14の操作に応じて本コンピュータ10を電源オン/電源オフする。電源回路120は、バッテリ121、またはACアダプタ122を介して供給される外部電源を用いて、本コンピュータ10の各コンポーネントに供給すべき動作電源を生成する。本コンピュータ10が電源オフ状態の時も、EC/KBC119には電源回路120から動作電源が供給される。
補助プロセッサ(APU)130はEC/KBC119と共同してAuto Sync機能を制御するための制御デバイスであり、1チップマイクロコンピュータから構成されている。本コンピュータ10が電源オフ状態の時も、補助プロセッサ(APU)130には電源回路120から動作電源が供給される。
補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス131〜134それぞれの動作を監視する機能を有している。すなわち、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス131〜134にそれぞれシリアルバス(例えばSMBUS、USB等)を介してポイントツーポイント形式で電気的に接続されており、通信デバイス131〜134の各々と直接的に通信することができる。補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス131〜134の各々との通信を実行することにより、通信デバイス131〜134の各々が使用可能な状態であるか、つまり通信デバイス131〜134の各々が有線または無線のネットワークを介して外部装置との通信を実行可能な状態であるか否かを判別する。また、補助プロセッサ(APU)130は、サブディスプレイ21を制御する機能も有している。
さらに、補助プロセッサ(APU)130は、シリアルバス(例えばSMBUS、USB等)を介してサウスブリッジ115にも接続されている。これにより、本コンピュータ10が電源オンされている状態においては、CPU111と補助プロセッサ(APU)130との間の通信を実行することもできる。よって、本コンピュータ10が電源オンされている状態においては、オペレーティングシステムから補助プロセッサ(APU)130の動作を監視することができる。
通信デバイス131は無線通信デバイスであり、3G Wireless WANのような無線通信規格に従って基地局との無線通信を実行する。3G Wireless WANは、携帯電話網のような広域無線ネットワークである。通信デバイス132も無線通信デバイスであり、Wireless LANのような無線通信規格に従って基地局(アクセスポイント)との無線通信を実行する。
通信デバイス133,134はそれぞれ有線通信デバイスである。通信デバイス133はWired LANを介して外部装置との通信を実行する。通信デバイス134は、例えばモデムから構成されており、電話網を介して外部装置との通信を実行する。
本コンピュータ10が電源オフ状態の時も、通信デバイス131〜134には電源回路120から動作電源が供給される。本コンピュータ10が電源オフ状態の時、通信デバイス131〜134の各々はローパワーステートで動作する。
図3のシステムにおいては、補助プロセッサ(APU)130は、外部装置とのデータ通信を実行すべきタイミング(時点)毎に、通信デバイスが使用可能な状態であるか否かを判別する判別部として機能する。EC/KBC119は、通信デバイスが使用可能な状態であることが判別された場合は、本コンピュータ10を電源オンし、通信デバイスが使用可能な状態ではないことが判別された場合は、本コンピュータ10を電源オフ状態に維持する電源制御部として機能する。
図4は、本コンピュータ10のシステムステートの遷移を示している。本コンピュータ10は、S0,S3,S4,S5の4つのシステムステートをサポートしている。S0は、本コンピュータ10が電源オンされている動作ステートである。S3(サスペンド),S4(ハイバネーション),S5(オフ)はそれぞれ本コンピュータ10が電源オフされている省電力ステートである。
S3,S4,S5のいずれにおいても、EC/KBC119、補助プロセッサ(APU)130、および通信デバイス131〜134には動作電源がそれぞれ供給される。
Auto Sync機能は、本コンピュータ10がS3,S4,S5のいずれに設定されている場合でも利用することができる。すなわち、基本的には、データ通信を実行すべきタイミング毎に本コンピュータ10のシステムステートは、S3,S4,またはS5からS0に遷移する。そして、S0においてデータ通信が実行された後、本コンピュータ10のシステムステートはS3,S4,またはS5に遷移する。データ通信を実行すべき各タイミングは、予めスケジューリングされている。
次に、図5のフローチャートを参照して、Auto Sync処理の基本手順について説明する。
Auto Sync機能が有効である場合においては、EC/KBC119内のタイマ140によって、データ通信を実行すべきタイミングが管理される。
本コンピュータ10が電源オフ状態(S3,S4,またはS5)である期間中、EC/KBC119は、タイマ140の値に従って、データ通信を実行すべきタイミングの到来の有無を判別する。データ通信を実行すべきタイミングが到来すると(タイマイベントの発生)(ステップS101のYES)、EC/KBC119は、本コンピュータ10を電源オンする(ステップS102)。本コンピュータ10の電源オンに応答して、オペレーティングシステム(OS)がブートアップされ、そしてユーティリティプログラムの制御の下に通信プログラムが起動される。通信プログラムは、オペレーティングシステム(OS)上で動作するアプリケーションプログラムである。
通信プログラムは、通信デバイス131〜134のいずれかを用いて、電子メールを受信するためのデータ通信またはスケジュールデータの同期処理のためのデータ通信を実行する(ステップS103)。このデータ通信の実行完了後、ユーティリティプログラムによってオペレーティングシステム(OS)が自動的にシャットダウンされる。そして、EC/KBC119は、本コンピュータ10を電源オフする(ステップS104)。
上述のステップS102〜S104の処理は、本コンピュータ10が電源オンされている期間中、定期的に実行される。
次に、図6を参照して、オペレーティングシステム(OS)と、ユーティリティプログラムと、通信プログラムとの関係を説明する。
ユーティリティプログラム302は常駐終了型のプログラムであり、OS301がブートアップされた時にOS301によって最初に実行される。ユーティリティプログラム302は、通信プログラム303を起動して、通信プログラム303に外部装置とのデータ通信を実行させる。通信プログラム303によるデータ通信処理の実行が完了すると、ユーティリティプログラム302は、シャットダウン要求をOS301に発行して、OS301をシャットダウンする。
このように、ユーティリティプログラム302は、本コンピュータ10が電源オンされた場合、通信プログラム303に外部装置とのデータ通信を実行させ、データ通信の実行後に本コンピュータ10を電源オフする通信制御部として機能する。なお、ユーティリティプログラム302はCPU111によって実行されるので、CPU111が、通信制御部に対応するハードウェアとして機能することになる。
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施形態で用いられるAuto Sync処理の制御手順について説明する。
図5で説明したように、Auto Sync機能が有効な場合には、基本的には、本コンピュータ10は定期的に電源オンされる。しかし、実際には、通信デバイスの状態によっては、本コンピュータ10を電源オンしてもデータ通信を実行できない可能性がある。そこで、本実施形態では、外部装置とのデータ通信を実行すべきタイミング毎に通信デバイスが使用可能な状態であるか否かを判別し、使用可能な状態であることが判別された場合にのみ、本コンピュータ10を電源オンするという制御が実行される。具体的な処理手順は以下の通りである。
本コンピュータ10が電源オフ状態(S3,S4,またはS5)である期間中、EC/KBC119は、タイマ140の値に従って、通信準備開始時間の到来の有無を判別する(ステップS111)。通信準備開始時間は、例えば、データ通信を実行すべきタイミングと同一のタイミング、またはデータ通信を実行すべきタイミングよりも所定時間前のタイミングに設定されている。
通信準備開始時間が到来すると(ステップS111のYES)、EC/KBC119は、補助プロセッサ(APU)130に通信デバイスが使用可能な状態であるか否かを判別する処理を実行させる。
通信デバイスが使用可能な状態であること、つまり通信可能な状態であることが補助プロセッサ(APU)130によって判別されたならば(ステップS112のYES)、EC/KBC119は、本コンピュータ10を電源オンする(ステップS113)。一方、通信デバイスが使用可能な状態ではないこと、つまり通信不可能な状態であることが補助プロセッサ(APU)130によって判別されたならば(ステップS112のNO)、EC/KBC119は、本コンピュータ10を電源オフ状態に維持する。
本コンピュータ10の電源オンに応答して、オペレーティングシステム(OS)がブートアップされ、そしてユーティリティプログラムの制御の下に通信プログラムが起動される。通信プログラムは、通信デバイスを用いて、電子メールを受信するためのデータ通信またはスケジュールデータの同期処理のためのデータ通信を実行する(ステップS114)。このデータ通信の実行完了後、ユーティリティプログラムによってオペレーティングシステム(OS)が自動的にシャットダウンされる。そして、EC/KBC119は、本コンピュータ10を電源オフする(ステップS115)。
図8のフローチャートは、図7の処理手順の具体例を示している。
ユーティリティプログラムは、ユーザによってAuto Sync機能が有効に設定されると、次にデータ通信を実行すべきタイミングを示すウェイクアップタイムをタイマ140にセットした後に、本コンピュータ10を電源オフする。
本コンピュータ10が電源オフ状態(オフステート、サスペンドステート、またはハイバネーションステート)に設定されると(ステップS121)、EC/KBC119は、タイマ140に設定されたウェイクアップタイムと、タイマ140によって計時される現在時刻とに基づいて、通信準備開始時間の到来の有無を監視する。
通信準備開始時間になると、EC/KBC119は、通信準備処理を開始する(ステップS122)。この場合、EC/KBC119は、まず、通信デバイスの状態を補助プロセッサ(APU)130に問い合わせ(ステップS123)、そして補助プロセッサ(APU)130からの返答に従って、通信デバイスが使用可能であるか否か、つまり外部装置との通信が可能か否かを判別する(ステップS124)。
通信デバイスが使用可能な状態ではないならば(ステップS124のNO)、EC/KBC119は、Auto Sync機能の実行をキャンセルし、本コンピュータ10を電源オフ状態に維持する。この場合、EC/KBC119は、通信デバイスが使用可能であるか否かを判別する処理を再試行すべきタイミングを指定するリトライタイムをタイマ140にセットする(ステップS125)。これにより、一定期間経過後に、通信デバイスが使用可能であるか否かを判別する処理が再び実行される。なお、ステップS125の処理は必要に応じて実行すればよい。
通信デバイスが使用可能であれば(ステップS124のYES)、EC/KBC119は、本コンピュータ10を電源オンする(ステップS126)。本コンピュータ10の電源オンに応答して、システムBIOSがCPU111によって実行される。システムBIOSは、オペレーティングシステム(OS)をブートアップする処理を実行する(ステップS127)。オペレーティングシステム(OS)をブートアップされると、ユーティリティプログラムの制御の下に通信プログラムが起動される。この通信プログラムは、通信デバイスを用いて、電子メールを受信するためのデータ通信またはスケジュールデータの同期処理のためのデータ通信を実行する(ステップS128)。このデータ通信の実行が完了すると、ユーティリティプログラムは、次にデータ通信を実行すべきタイミングを示すウェイクアップタイムをタイマ140にセットし(ステップS129)、そしてOSにシャットダウン要求を送信してOSをシャットダウンする(ステップS130)。そして、EC/KBC119は、本コンピュータ10を電源オフする(ステップS131)。
次に、図9のフローチャートを参照して、通信デバイスの状態を判別する処理について説明する。この判別処理は基本的には全ての通信デバイス131〜134それぞれについて実行される。通信デバイス131〜134のいずれかが使用可能であれれば、Auto Sync機能が実行される。一方、どの通信デバイス131〜134も使用不可能であれば、Auto Sync機能の実行はキャンセルされる。
なお、Auto Sync機能のデータ通信に実行すべき通信デバイスを予め指定しておき、当該指定された通信デバイスが使用可能かどうかだけを判別するようにしてもよい。
補助プロセッサ(APU)130は、まず、EC/KBC119に対して、Auto Sync機能の実行に必要な制約条件に対応する、本コンピュータ10の現在の環境を問い合わせる。
具体的には、補助プロセッサ(APU)130は、EC/KBC119と共同して、AC駆動/バッテリ駆動判別処理(ステップS211)、バッテリ残量チェック処理(ステップS212)、ワイヤレスコミュニケーションスイッチのチェック処理(ステップS213)を実行する。
AC駆動/バッテリ駆動判別処理(ステップS211)では、本コンピュータ10にACアダプタを介して外部電源が接続されているか否かが判別される。本コンピュータ10に外部電源が接続されているならば、本コンピュータ10がAC駆動されていると判断される。一方、本コンピュータ10に外部電源が接続されていないならば、本コンピュータ10がバッテリ駆動されていると判断される。
バッテリ残量チェック処理(ステップS212)では、バッテリ121の残容量が検出される。このバッテリ残量チェック処理(ステップS212)は、本コンピュータ10がバッテリ駆動されていると判断された場合にのみ実行される。ワイヤレスコミュニケーションスイッチのチェック処理(ステップS213)では、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ16が第1ステートおよび第2ステートのいずれに設定されているかを判別する処理が実行される。
補助プロセッサ(APU)130は、ステップS211〜S213の処理結果に基づいて、Auto Sync機能の実行に必要な制約条件が満たされているか否かを判別する(ステップS202)。制約条件の例を以下に示す。
(1)本コンピュータ10がAC駆動されている。
(2)本コンピュータ10がバッテリ駆動されており、バッテリの残余雨量が所定値よりも多い。
(3)ワイヤレスコミュニケーションスイッチ16が第1ステート(無線通信の実行を許可するステート)に設定されている。この(3)の条件は、無線通信を実行する通信デバイス131,132にのみ適用される。もしAuto Sync機能のデータ通信に実行すべき通信デバイスとして通信デバイス131または132が指定されているならば、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ16が第2ステートの時は、制約条件は満たされないことになる。
制約条件が満たされないならば(ステップS202のNO)、補助プロセッサ(APU)130は、制約条件は満たされないことをEC/KBC119に返答する(ステップS203)。この場合、EC/KBC119は、通信デバイスが使用できないと判断し、Auto Sync機能の実行をキャンセルする。
一方、制約条件が満たされているならば(ステップS202のYES)、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス131〜134それぞれとの通信をシリアルバスを介して実行して、通信デバイス131〜134それぞれの状態をチェックする(ステップS204)。
ステップS204においては、補助プロセッサ(APU)130は、まず、通信デバイス(モデム)134の状態をチェックして、通信デバイス(モデム)134が使用可能であるか否かを判別する(ステップS221)。ステップS221では、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(モデム)134にモデムケーブルが接続されているか否かを判別するための処理を実行する。通信デバイス(モデム)134にモデムケーブルが接続されていないならば、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(モデム)134が使用可能な状態ではないと判断する。
次に、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(Wired LAN)133の状態をチェックして、通信デバイス(Wired LAN)133が使用可能であるか否かを判別する(ステップS222)。ステップS222では、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(Wired LAN)133にLANケーブルが接続されているか否かを判別するための処理を実行する。通信デバイス(Wired LAN)133にLANケーブルが接続されていないならば、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(Wired LAN)133が使用可能な状態ではないと判断する。通信デバイス(Wired LAN)133にLANケーブルが接続されているならば、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(Wired LAN)133がルータのようなネットワーク機器からIPアドレスを取得することができたか否かを判別する。通信デバイス(Wired LAN)133がIPアドレスを取得できなかったならば、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(Wired LAN)133が使用可能な状態ではないと判断する。
次に、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(Wireless LAN)132の状態をチェックして、通信デバイス(Wireless LAN)132が使用可能であるか否かを判別する(ステップS223)。ステップS223では、補助プロセッサ(APU)130は、利用可能なWireless LANのアクセスポイントが存在するか否かを判別する。利用可能なWireless LANのアクセスポイントが存在しないならば、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(Wireless LAN)132が使用可能な状態ではないと判断する。
次に、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(3G Wireless WAN)131の状態をチェックして、通信デバイス(3G Wireless WAN)131が使用可能であるか否かを判別する(ステップS224)。ステップS224では、補助プロセッサ(APU)130は、通信圏内であるかどうか、つまり本コンピュータ10が3G Wireless WANの基地局がカバーする通信エリア内でに存在するかどうかを判別する。通信圏外であれば、補助プロセッサ(APU)130は、通信デバイス(3G Wireless WAN)131が使用可能な状態ではないと判断する。
通信デバイス131〜134のすべてが使用可能な状態ではないことが判別されたならば(ステップS205のNO)、補助プロセッサ(APU)130は、どの通信デバイスも使用することができないことをEC/KBC119に返答する(ステップS203)。この場合、EC/KBC119は、Auto Sync機能の実行をキャンセルする。
通信デバイス131〜134のいずれかが使用可能な状態であることが判別されたならば(ステップS205のYES)、補助プロセッサ(APU)130は、使用可能な通信デバイスが存在することをEC/KBC119に返答する(ステップS206)。この場合、EC/KBC119は、Auto Sync機能の実行を継続する。
以上のように、本実施形態のコンピュータ10においては、外部装置とのデータ通信を実行すべきタイミング毎に通信デバイスが使用可能な状態であるか否かが判別される。これにより、通信デバイスが使用可能な状態であることが確認された場合のみコンピュータ10を電源オンすることが可能となり、無駄な電力が消費されることを未然に防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10…コンピュータ、11…コンピュータ本体、16…ワイヤレスコミュニケーションスイッチ、111…CPU、119…EC/KBC、130…補助プロセッサ(APU)、131〜134…通信デバイス、302…ユーティリティプログラム。
Claims (11)
- 通信デバイスを備えた情報処理装置において、
前記情報処理装置が電源オフ状態である期間中において、外部装置とのデータ通信を実行すべきタイミング毎に前記通信デバイスが使用可能な状態であるか否かを判別する判別手段と、
前記通信デバイスが使用可能な状態であることが判別された場合は、前記情報処理装置を電源オンし、前記通信デバイスが使用可能な状態ではないことが判別された場合は、前記情報処理装置を電源オフ状態に維持する電源制御手段と、
前記情報処理装置が電源オンされた場合、前記外部装置とのデータ通信を前記通信デバイスを用いて実行し、前記データ通信の実行後に前記情報処理装置を電源オフする通信制御手段とを具備することを特徴とする情報処理装置。 - 前記データ通信は、前記外部装置から電子メールを受信するための通信を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
- 前記判別手段は、
前記通信デバイスに電気的に接続され、前記通信デバイスとの通信を実行して前記通信デバイスが使用可能な状態であるか否かを判別する制御デバイスを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。 - 無線通信の実行の許可を示す第1ステートおよび前記無線通信の実行の禁止を示す第2ステートの一方に設定される操作スイッチをさらに具備し、
前記通信デバイスは無線通信を実行する無線通信デバイスであり、
前記判別手段は、前記操作スイッチが前記第2ステートに設定されている場合、前記通信デバイスが使用可能な状態ではないと判別することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。 - 前記通信デバイスは無線通信を実行する無線通信デバイスであり、
前記判別手段は、前記無線通信デバイスが基地局との無線通信を実行可能な状態であるか否かを判別する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。 - 前記通信制御手段は、前記情報処理装置の電源オンに応答して、オペレーティングシステムをブートアップする手段と、前記オペレーティングシステム上で動作する通信プログラムに前記データ通信を実行させる手段と、前記データ通信の実行後に、前記オペレーティングシステムをシャットダウンする手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
- 情報処理装置の動作を制御する動作制御方法であって、
前記情報処理装置が電源オフ状態である期間中において、外部装置とのデータ通信を実行すべきタイミング毎に前記情報処理装置に設けられた通信デバイスが使用可能な状態であるか否かを判別する判別ステップと、
前記通信デバイスが使用可能な状態であることが判別された場合は、前記情報処理装置を電源オンし、前記通信デバイスが使用可能な状態ではないことが判別された場合は、前記情報処理装置を電源オフ状態に維持する電源制御ステップと、
前記情報処理装置が電源オンされた場合、前記外部装置とのデータ通信を前記通信デバイスを用いて実行し、前記データ通信の実行後に前記情報処理装置を電源オフする通信制御ステップとを具備することを特徴とする動作制御方法。 - 前記データ通信は、前記外部装置から電子メールを受信するための通信を含むことを特徴とする請求項7記載の動作制御方法。
- 前記情報処理装置には、無線通信の実行の許可を示す第1ステートおよび前記無線通信の実行の禁止を示す第2ステートの一方に設定される操作スイッチが設けられており、
前記通信デバイスは無線通信を実行する無線通信デバイスであり、
前記判別ステップは、前記操作スイッチが前記第2ステートに設定されている場合、前記通信デバイスが使用可能な状態ではないと判別することを特徴とする請求項7記載の動作制御方法。 - 前記通信デバイスは無線通信を実行する無線通信デバイスであり、
前記判別ステップは、前記無線通信デバイスが基地局との無線通信を実行可能な状態であるか否かを判別するステップを含むことを特徴とする請求項7記載の動作制御方法。 - 前記通信制御ステップは、前記情報処理装置の電源オンに応答して、オペレーティングシステムをブートアップするステップと、前記オペレーティングシステム上で動作する通信プログラムに前記データ通信を実行させるステップと、前記データ通信の実行後に、前記オペレーティングシステムをシャットダウンするステップとを含むことを特徴とする請求項7記載の動作制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005272563A JP2007086918A (ja) | 2005-09-20 | 2005-09-20 | 情報処理装置および動作制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102043460A (zh) * | 2009-10-15 | 2011-05-04 | 三星电子株式会社 | 计算机系统及其控制方法 |
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2005
- 2005-09-20 JP JP2005272563A patent/JP2007086918A/ja not_active Withdrawn
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