JP2007086742A - 再生装置、再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で安定にデータ読出が可能、かつ使用性の良好な再生装置の実現。
【解決手段】再生装置にはスキャン機構を設けず、ユーザーが再生装置を持ってホログラム記録媒体上を移動させる手動スキャン方式で、角度多重記録されたホログラムメモリに対して再生参照光の角度状態を面毎に替えることで、各面の各要素ホログラムを読み取っていく。そして各要素ホログラムからの読出データについて、まだ記憶されていない読出データを記憶手段に記憶していく。これを各面に対して実行し、ホログラムメモリの各面からのデータ読取が完了したら、再生データを再構築して生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、データに応じた画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によってデータを記録するホログラム記録媒体に対する再生装置、再生方法に関するものである。
特許第3596174号公報 特許第3498878号公報
物体光と参照光の干渉縞によって各種データを記録するホログラム記録媒体が知られている。そしてホログラム記録媒体は、記録密度を飛躍的に向上させ、著しい大容量化が可能であることも知られており、例えばコンピュータデータや、オーディオやビデオ等のAV(Audio-Visual)コンテンツデータなどに対する大容量のストレージメディアとして有用であると考えられている。
ホログラム記録媒体にデータを記録する際には、データを二次元ページデータとして画像化する。そして液晶パネル等に画像化したデータを表示させ、その液晶パネルを透過した光を物体光、つまり二次元ページデータの像となる物体光をホログラム記録媒体に照射する。加えて、所定の角度から参照光をホログラム記録媒体に照射する。このとき物体光と参照光によって生ずる干渉縞が、ドット状や短冊状などの1つの要素ホログラムとして記録されることになる。つまり1つの要素ホログラムは、1つの二次元ページデータを記録したものとなる。
ところで、例えばシート状等のホログラムメモリを考え、コンピュータデータやAVコンテンツデータなどを記録し、一般ユーザーがホログラムリーダとしての再生装置を用いて、ホログラムメモリに記録されたデータを取得できるようにするシステムを考える。
シート状のホログラムメモリとは、メディア表面としての平面上に多数の要素ホログラムを敷き詰めるように記録するものであり、このメディア表面に対してホログラムリーダを対向させて、各要素ホログラムとして記録されたデータを読み取っていくようにするものである。
このようなシステムを考えた場合、その使用形態やシステム形態に応じて次のような点を考慮することが必要となる。
・ホログラムリーダのユーザーへの安価な提供及びそのための簡易な装置構成。
・ホログラムリーダの安定したデータ再生性能。
・ホログラムメモリとしてコンテンツデータ等の記憶のための或る程度の容量の維持。
本発明では、これらの観点を考慮しつつ、例えばユーザーがホログラム記録媒体からデータ取得できるシステムにおいて好適な再生装置、再生方法を実現することを目的とする。
本発明の再生装置は、画像化されたデータの物体光と第1の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第1の要素ホログラムと、画像化されたデータの物体光と第2の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第2の要素ホログラムとが記録されたホログラム記録媒体からデータを再生する再生装置である。そして、上記ホログラム記録媒体に再生用参照光を照射する参照光照射手段と、上記参照光照射手段による再生用参照光の照射角度を第1の角度と第2角度に切り換える参照光照射角度制御手段と、上記参照光照射手段から上記第1の角度の再生用参照光が照射されたときに、ホログラム記録媒体の上記第1の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第1の要素ホログラムの読出データを得、また上記参照光照射手段から上記第2の角度の再生用参照光が照射されたときに、ホログラム記録媒体の上記第2の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第2の要素ホログラムの読出データを得るデータ読出手段と、上記読出データが記憶される記憶手段と、上記データ読出手段にて得られた読出データが上記記憶手段に未記憶と判断される場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶されるように制御する読出データ格納制御手段と、所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成手段とを備える。
またこの再生装置は、使用者が再生装置を移動させ、ホログラム記録媒体に対する相対位置を変位させたときに、上記参照光照射手段からの再生用参照光が、上記ホログラム記録媒体上の各要素ホログラムに照射されていくとともに、記録時の記録用参照光と同じ角度の状態で再生用参照光が照射された要素ホログラムの読出データが上記データ読出手段により得られるものとする。
また上記参照光照射手段は、上記ホログラム記録媒体に上記第1の角度で再生用参照光を照射する第1の光源と、上記ホログラム記録媒体に上記第2の角度で再生用参照光を照射する第2の光源を備えると共に、上記参照光照射角度制御手段は、上記第1の光源と上記第2の光源とを選択的に駆動することで、上記参照光照射手段による再生用参照光の照射角度を上記第1の角度と上記第2の角度とに切り換える。
また上記参照光照射角度制御手段は、上記第1の光源と上記第2の光源のうちの1つの光源を駆動させている状態で、その光源からの再生用参照光に対応する要素ホログラムについての必要量の読出データが上記記憶手段に記憶されたら、駆動する光源を他の光源に切り換えるように制御する。
また本発明の再生装置は、同じく第1,第2の要素ホログラムが記録された上記ホログラム記録媒体からデータを再生する再生装置として、1つの光源を有し、上記ホログラム記録媒体に上記光源からの再生用参照光を照射する参照光照射手段と、上記参照光照射手段からの再生用参照光の上記ホログラム記録媒体に対する照射角度の変更を使用者に求める告知を行う告知手段と、上記参照光照射手段から第1の角度の状態で再生用参照光が照射されたときに、ホログラム記録媒体の上記第1の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第1の要素ホログラムの読出データを得、また上記参照光照射手段から第2の角度の状態で再生用参照光が照射されたときに、ホログラム記録媒体の上記第2の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第2の要素ホログラムの読出データを得るデータ読出手段と、上記読出データが記憶される記憶手段と、上記データ読出手段にて得られた読出データが上記記憶手段に未記憶と判断される場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶されるように制御する読出データ格納制御手段と、所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成手段とを備える。
この再生装置は、使用者が再生装置を移動させ、ホログラム記録媒体に対する相対位置を変位させたときに、上記参照光照射手段からの再生用参照光が、上記ホログラム記録媒体上の各要素ホログラムに照射されていくとともに、記録時の記録用参照光と同じ角度の状態で再生用参照光が照射された要素ホログラムの読出データが上記データ読出手段により得られるものとする。
本発明の再生方法は、画像化されたデータの物体光と第1の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第1の要素ホログラムと、画像化されたデータの物体光と第2の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第2の要素ホログラムとが記録されたホログラム記録媒体からデータを再生する再生方法として、上記ホログラム記録媒体に第1の角度で再生用参照光を照射し、ホログラム記録媒体の上記第1の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第1の要素ホログラムの読出データを得る第1のデータ読出ステップと、上記第1のデータ読出ステップで得られた読出データが記憶手段に記憶されているか否かを判断する第1の判断ステップと、上記第1の判断ステップで、上記第1のデータ読出ステップで得られた読出データが上記記憶手段に記憶されてないと判断された場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶する第1の読出データ格納制御ステップと、上記ホログラム記録媒体に第2の角度で再生用参照光を照射し、ホログラム記録媒体の上記第2の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第2の要素ホログラムの読出データを得る第2のデータ読出ステップと、上記第2のデータ読出ステップで得られた読出データが記憶手段に記憶されているか否かを判断する第2の判断ステップと、上記第2の判断ステップで、上記第2のデータ読出ステップで得られた読出データが上記記憶手段に記憶されてないと判断された場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶する第2の読出データ格納制御ステップと、所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成ステップとを備える。
記録するデータを2次元ページデータとして画像化し、1つの要素ホログラムとして記録したホログラム記録媒体に対して、再生装置で各要素ホログラムを読み出していき、再生データを得るようにすることで、例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータを提供できる比較的大容量なストレージメディアシステムを実現できる。
特に、ホログラム記録媒体については、角度多重方式と呼ばれているように、記録用参照光の角度を変化させながらホログラム記録媒体上の同一の位置に多数の要素ホログラムを重ねて記録できることが知られている。
本発明の再生装置、再生方法の対象となる、画像化したデータの物体光と第1の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第1の要素ホログラムと、画像化したデータの物体光と第2の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第2の要素ホログラムとが記録されたホログラム記録媒体とは、角度多重方式で要素ホログラムが記録されたホログラム記録媒体である。
例えばホログラム材料に対して第1,第2の角度での記録用参照光を照射して記録を行うこととすれば、ホログラム記録媒体には、第1の角度の記録用参照光を用いた第1の要素ホログラムと、第2の角度の記録用参照光を用いた第2の要素ホログラムとが多重記録される。つまり、ホログラム記録媒体上の平面に、第1の要素ホログラムを多数記録し、その同一の平面上に第2の要素ホログラムを多数記録することができる。
なお、多数の第1の要素ホログラムの配列面を「第1面」、多数の第2の要素ホログラムの配列面を「第2面」というように表現する。ホログラム角度多重記録においては、実際に物理的に「面」が明確に分かれているものではないが、説明の便宜上、「面」という言葉を用いるものである。
また、このような角度多重方式のホログラム記録媒体に対しては、記録されたときと同じ角度から再生用参照光をあてたときに、その記録された再生像光が検出できる。つまり要素ホログラムとして記録されたデータが再生できる。
このような角度多重方式のホログラム記録媒体により、一層の大容量化が実現できる。そしてこのホログラム記録媒体に対する再生装置、再生方法として、簡易な構成で、かつ安定したデータ読出性能が求められる。
ここで再生装置、再生方法としては、ホログラム記録媒体上の各要素ホログラムからの読出データについては、記憶手段にまだ記憶されていない読出データが得られたときに、記憶手段に記憶する。既に記憶されている読出データが得られた場合は、例えばその読出データを破棄するなどして記憶しない。
この動作を第1面から第2面について行う。つまり第1の角度の再生用参照光を照射した状態で上記読出動作を行って第1面の読出データを記憶手段に蓄積していく。また第2の角度の再生用参照光を照射した状態で上記読出動作を行って第2面の読出データを記憶手段に蓄積していく。
そして記憶手段に所定量の読出データが揃った時点で再生データを再構築して生成する。
この読出動作においては、各面において、各要素ホログラムの読み出し順序を規定しないことと、及び一つの要素ホログラムの読出データが重複して読み出されることを許容することになり、換言すれば、各面での要素ホログラムに対する読み出しスキャンの自由度を高め、またホログラム記録媒体上での要素ホログラムの形成方式にも自由度を高めることになる。
そしてこれは、再生装置にスキャン機構を設けず、ユーザーが再生装置を持ってホログラム記録媒体上を移動させることで、各要素ホログラムを読み取っていくような再生方式にも好適となる。
なお、上記の所定量とは、再生データ再構築のために必要なデータを取得できた状態とするという意味での所定量であり、必ずしもホログラム記録媒体に記録された全部の要素ホログラムを読み出すこととをいうものではない。もちろんホログラム記録媒体上の全部の要素ホログラムを読み出せば、再生データ構築のために必要な所定量の要素ホログラムの読出データが得られたと言えるが、例えば同一内容のデータが複数の要素ホログラムで記録されている場合など、全ての要素ホログラムの読出を行わなくても、再生データ構築のために必要な所定量の読出データが得られた状態となる場合もある。
また、第1、第2の角度の記録用参照光を用いて第1,第2の要素ホログラムを記録したホログラム記録媒体だけでなく、更に第3の角度の記録用参照光を用いて第3の要素ホログラムを記録したように、3面以上の要素ホログラム配列面が記録されたホログラム記録媒体についても本発明は適用できる。その場合は、再生装置側は第1,第2の角度に加えて、第3以上の角度で再生用参照光を照射できる構成とする。即ち本発明は第1〜第x(x≧2)の要素ホログラム配列面を角度多重記録するホログラム記録媒体に対する再生装置、再生方法として適用できる。
本発明によれば、再生装置側はホログラム記録媒体の各要素ホログラムの読み出しを行うための精密なスキャン機構を設ける必要がない。特に言えば、ユーザーが再生装置をホログラム記録媒体に対向させて移動させるようにすれば(例えば左右に振るなど)、スキャン機構は不要となる。例えば参照光照射手段を機械的に移動させたり、或いは再生像検出のためのレンズ系を移動させるなどの機械的なスキャン機構は不要である。
これにより再生装置の構成を大幅に簡略化し、小型で低価格な装置としてユーザーに提供できる。
また、ユーザーは任意に再生装置を移動させてホログラム記録媒体の読取を行う場合、各要素ホログラムの読み出しは確率的に行われるものとなるが、得られた読出データを記憶手段に記憶していき、所定量の読出データが揃った時点で再生データを再構築して生成する処理を行うことで、再生データを適切に得ることができる。
また角度多重記録された第1、第2の要素ホログラムについてデータ読出を行うためには、再生用参照光の角度を、第1、第2の要素ホログラムのそれぞれに対応する角度、つまり記録時の参照光と同一の角度とするようにすればよい。従って、第1面と第2面のそれぞれの読出のためには、再生用参照光の光源を切り換えたり、或いはユーザーにスキャンの際の角度の変更を求める(例えば再生装置の持ち方の変更を求める)ことで対応でき、装置構成の複雑化を招くものではない。従って角度多重記録で大容量化されたホログラム記録媒体に対する再生装置としても、小型で低価格な装置としてユーザーに提供できる。
以上のことから本発明によれば、再生装置の簡易で低コストな装置構成、安定したデータ再生性能、使用性の向上という効果を得ることができ、例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータなどをホログラム記録媒体に記録し、これを広く頒布するとともに、一般ユーザーが再生装置を用いて、ホログラム記録媒体に記録されたデータを取得できるようにするシステムなどを想定した場合、非常に好適なものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
[1.ホログラムメモリの記録再生]
[2.再生装置の構成]
[3.ホログラムメモリからのデータ再生処理]
[4.要素ホログラムの配置構成]
[5.1つの参照光光源を備えた再生装置の構成及び動作]
[6.変形例]
[1.ホログラムメモリの記録再生]

まず実施の形態におけるホログラムメモリ3の基本的な記録再生動作について図1で説明する。
図1(a)はホログラムメモリ3に対するデータ記録の様子を示している。
記録時には、記録光学系として液晶パネル1、集光レンズ2の他、図示しない光源や所要の光学系素子が配置される。また記録用の参照光(以下、記録参照光L3と言う)が、所定の角度状態でホログラムメモリ3に照射されるようにしている。
例えばコンテンツデータ等としての記録データをホログラムメモリ3に記録する場合、その記録データを図1(c)のように、1つの二次元ページデータとする単位としての所定バイト毎のデータブロックBLKに分割する。そして各データブロックBLKのデータDTを、それぞれ1つの二次元ページデータにエンコードする。なお、各データブロックBLKのデータDTには、そのエンコードの際に、データブロック番号等のデータブロックBLKを識別するアドレス情報や、データブロック(データDT)のデータサイズ、記録データ全体のデータ名称、データサイズ、分割したデータブロック数、データ属性(データ種類や変調方式、圧縮方式等)、角度多重記録における面番号などの情報がヘッダ情報として付加される。つまり各データDTは、それぞれ上記ヘッダ情報を付加した上で二次元ページデータに変換される。
そして図1(a)に示すように、二次元バーコード状の画像データに変換されたデータDTは、液晶パネル1において二次元ページデータ画像として表示される。
所定の光源から出力され、例えば平行光とされたレーザ光L1は、二次元ページデータ画像が表示された液晶パネル1を通過することで、その二次元ページデータ画像の像としての物体光L2となる。
この物体光L2は、集光レンズ2で集光され、ホログラムメモリ3上にスポットとして集光される。
このとき、ホログラムメモリ3に対しては、所定角度で記録参照光L3が照射されている。これにより物体光L2と参照光L3が干渉し、その干渉縞がドット状の要素ホログラムとして記録されることになる。
なお、このように集光レンズ2を用いる場合、要素ホログラムとして記録されるデータは、集光レンズ2のフーリエ変換作用により、記録データの像のフーリエ像となる。
このようにしてホログラムメモリ3に1つの要素ホログラムが記録されるが、図1(c)の記録データを構成する各データブロックBLKの記録データDTについて、同様に二次元ページデータに変換し、それぞれ要素ホログラムとして記録していく。
各要素ホログラムの記録の際には、図示しない移送機構により、ホログラムメモリ3(ホログラム材料)の位置を移送させ(もしくは記録光学系を移送させ)、要素ホログラムの記録位置をホログラムメモリ3の平面上で僅かにずらせていく。これにより、例えばシート状のホログラムメモリ3に、その平面方向に多数の要素ホログラムが配置されるように記録が行われていくことになる。
以上のように要素ホログラムが記録されたホログラムメモリ3に対しては図1(b)のように再生が行われる。図1(b)に示すコリメータレンズ4及びイメージャ5は、ホログラムリーダとしての後述する再生装置内に設けられる構成である。
ホログラムメモリ3に対しては、記録時の記録参照光L3と同じ照射角度で、再生用の参照光(以下、再生参照光L4と言う)を照射する。再生参照光L4を照射すると、要素ホログラムとして記録された再生像が得られる。つまり二次元ページデータの像が、記録時の液晶パネル1と共役な場所に現れる。これをイメージャ5で読み取ればよい。
即ちホログラムメモリ3からの再生像光L5はコリメータレンズ4で平行光とされ、例えばCCD撮像素子アレイ、もしくはCMOS撮像素子アレイなどで形成されたイメージャ5に入射する。ホログラムメモリ3上でのフーリエ像は、コリメータレンズ4で逆フーリエ変換されて二次元ページデータの像となるため、この二次元ページデータ画像としての再生像がイメージャ5で読み取られる。
イメージャ5は再生像に応じた電気信号としての再生像信号を発生させる。この再生像信号についてデコード処理を行うことで、元々のデータ、つまり記録のために二次元ページデータに変換する前のデータDTが得られることになる。
ホログラムメモリ3の基本的な記録再生動作は以上のようになるが、角度多重方式で要素ホログラムを記録することで、著しい大容量化が可能となる。本実施の形態の再生装置は、角度多重記録されたホログラムメモリ3に対応できるものである。
角度多重記録の様子を図2に示す。この場合、図2(a)(b)にそれぞれ示すように、記録参照光は、光源位置6A、6Bからの記録参照光L3A、L3Bとしてそれぞれ異なる角度状態でホログラムメモリ3に参照光を照射できるようにしている。なお、光源位置6A,6Bは、記録光学系によってホログラムメモリ3に対して参照光を照射する位置としており、その位置にそれぞれ異なる光源素子を配置することを必要とするものではない。例えば1つの光源からの光の光路を変更することで光源位置6A,6Bを切り換えるようにしてもよい。
図2(c)に例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータとしての1つの記録データを示しており、これは図1で述べたように所定バイト毎のデータブロックBLKに分割されるが、例えば図示するように、前半のデータブロックBLKのデータをそれぞれデータDTa、後半のデータブロックBLKのデータをそれぞれデータDTbとして示す。
データDTa,DTbは、それぞれ順次二次元ページデータに変換されて液晶パネル1で表示され、図1で説明したように要素ホログラムとして記録される。
ここで、記録データの例えば前半のデータDTaを順次記録していくときには、図2(a)のように、そのデータDTaの二次元ページデータを液晶パネル1に供給し、二次元ページデータ画像を表示させる。このとき液晶パネル1を通過した二次元ページデータ画像の像としての物体光L2が集光レンズ2で集光されてホログラムメモリ3上にスポットとして照射されるが、この期間は光源位置6Aからの第1の角度の記録参照光L3Aをホログラムメモリ3に与える。この記録参照光L3Aと物体光L2による干渉縞により、データDTaについての要素ホログラム(第1の要素ホログラム)が記録される。
この状態で各データDTaを、順次第1の各要素ホログラムとして記録していく。
続いて、記録データの例えば後半のデータDTbを順次記録していくときには、図2(b)のように、そのデータDTbの二次元ページデータを液晶パネル1に供給し、二次元ページデータ画像を表示させる。このとき液晶パネル1を通過した二次元ページデータ画像の像としての物体光L2が集光レンズ2で集光されてホログラムメモリ3上にスポットとして照射されるが、この期間は光源位置6Bからの第2の角度の記録参照光L3Bをホログラムメモリ3に与える。この記録参照光L3Bと物体光L2による干渉縞により、データDTbについての要素ホログラム(第2の要素ホログラム)が記録される。
この状態で各データDTbを、順次第2の各要素ホログラムとして記録していく。
以上のような記録動作により、ホログラムメモリ3には図3に示すように、第1の要素ホログラムhAが多数形成された第1面3Aと、第2の要素ホログラムhBが多数形成された第2面3Bとが形成された状態となる。つまり二次元平面上に角度多重方式で要素ホログラムが記録されたホログラムメモリ3が形成される。要素ホログラムhAはデータDTaを記録した要素ホログラムであり、要素ホログラムhBはデータDTbを記録した要素ホログラムである。
このように要素ホログラムhA、hBが記録されたホログラムメモリ3に対する再生時の動作は次のようになる。
図4(a)はホログラムメモリ3の第1面3Aからの要素ホログラムhAの読出の様子を示している。
図4においては参照光光源7A、7Bを示しているが、これは後述する再生装置(ホログラムリーダ20)において設けられる光源である。
参照光光源7Aは、記録時の光源位置6Aと同様の角度でホログラムメモリ3に再生参照光L4Aを照射するように配置され、また参照光光源7Bは、記録時の光源位置6Bと同様の角度でホログラムメモリ3に再生参照光L4Bを照射するように配置されている。
第1面3Aの要素ホログラムhAの読取の際には、参照光光源7Aがオンとされ、図4(a)に示すように再生参照光L4AのスポットSPAが要素ホログラムhAに照射される。この要素ホログラムhAと同一の位置には第2面3Bの要素ホログラムhBも記録されているのであるが、再生参照光L4Aが照射された際には、要素ホログラムhAの再生像光L5のみが得られ、これがイメージャ5で検出される。
また第2面3Bの要素ホログラムhBの読取の際には、参照光光源7Bがオンとされ、図4(b)に示すように再生参照光L4BのスポットSPBが要素ホログラムhBに照射される。これにより要素ホログラムhAの再生像光は得られず、要素ホログラムhBの再生像光L5のみが得られ、これがイメージャ5で検出される。
[2.再生装置の構成]

上記のように第1面3A、第2面3Bとして角度多重方式で要素ホログラムを記録したホログラムメモリ3に対する、実施の形態の再生装置としてのホログラムリーダ20について説明する。まず図5で本例のホログラムリーダ20を使用した、ホログラムメモリ3に対するデータ読出スキャン動作を述べる。
図5(a)には一例として、オーディオコンテンツなどのデータが記録されたホログラムメモリ3が、ポスターPT等に貼付されている状態を示している。
実施の形態のホログラムリーダ20は、ユーザーが手に持てる程度に小型軽量の機器とされている。このホログラムリーダ20の筐体上の一面には、上述した再生参照光L4(L4A,L4B)を出力する光源や、ホログラムメモリ3からの再生像光を取り込むためのレンズ系などが形成されている。
ユーザーは図のようにホログラムリーダ20を持って、その筐体の一面側がホログラムメモリ3に対向するようにした状態で近接させ、ホログラムリーダ20を任意の方向に振るようにする。このとき、再生参照光L4Aが照射された要素ホログラムhAの再生像、或いは再生参照光L4Bが照射された要素ホログラムhBの再生像がホログラムリーダ20によって読み取られていく。
なお、図5(a)にはホログラムリーダ20をホログラムメモリ3から離した状態でユーザーが左右に振るような様子を示しているが、ホログラムリーダ20の筐体の一部をホログラムメモリ3の表面上に接触させた状態で上下左右に振る、つまり摺動させるようなスキャン方式も想定される。
図5(b)は、多数の要素ホログラムh1〜h24が記録されたホログラムメモリ3の一面、即ち第1面3A又は第2面3Bの様子を模式的に示しているが、ユーザーは任意に、例えば左右にホログラムリーダ20を振ることで、ホログラムメモリ3に対する読出スキャンの軌跡、即ち再生参照光L4(L4A又はL4B)のスポットの軌跡は破線で示すようになる。
実際にユーザーがどのようにホログラムリーダ20を移動させるかは全く不定であるため、再生参照光L4(L4A又はL4B)のスポットは、全く不規則かつ不安定に、ホログラムメモリ3上の要素ホログラムに照射される。この状態で、再生参照光L4のスポットが照射された要素ホログラムの再生像がホログラムリーダ20に読み取られていくことになる。つまり各要素ホログラムh1〜h24は、それぞれ、確率的に読み出しが行われる。
例えば要素ホログラムh1は、図1の説明からわかるように、元々の記録データを構成する或るデータブロックBLKのデータDT(図2のDTa,DTb)が記録されたものである。要素ホログラムh2〜h24も、それぞれが、或るデータブロックBLKのデータDTが記録されている。例えば要素ホログラムh1〜h24は第1面3Aの要素ホログラムhAであるとし、この要素ホログラムh1〜h24として、コンテンツデータの前半の24個のデータブロックBLKが記録されていると仮定する。
再生参照光L4Aが出射されているときに、ユーザーがホログラムメモリ3の前でホログラムリーダ20を上下左右に振ることを続けると、それぞれの要素ホログラムh1〜h24が、少なくとも一度は読み取れた状態に到達することができる。ホログラムリーダ20内部では、順不同に読み出されてくる各要素ホログラムh1〜h24からの読み出しデータを記憶しておく。そして全ての要素ホログラムh1〜h24のデータが読み出せた時点で、その第1面3Aの要素ホログラムhAの読取が完了されたことになる。
また同様に第2面3Bとしてコンテンツデータの後半の24個のデータブロックが24個の要素ホログラムとして記録されているとすると、続いて再生参照光L4Bが出射されているときに同様にユーザーがホログラムリーダ20を上下左右に振っていくと、第2面3Bの24個の要素ホログラムhBが読み出せる。
第1面3A、第2面3Bから要素ホログラムhA、hBを全て読み出したら、元々のコンテンツデータを構成する48個のデータブロックのデータを読み出せたことになる。従って読出データを再構築すれば、元々のコンテンツデータを生成することができる。つまりホログラムメモリ3からデータを再生することができる。
このようにユーザーがホログラムリーダ20をホログラムメモリ3に対向させて上下左右に振ることで、ホログラムメモリ3とホログラムリーダ20の相対位置を変位させ、それによって各要素ホログラムからの読出データを得るスキャン方式(以下、手動スキャンという)を行うホログラムリーダ20の構成を図6で説明する。
図6においてシステムコントローラ21は、例えばマイクロコンピュータにより形成され、ホログラムメモリ3からのデータ読取のための動作を実行するために各部を制御する。
またシステムコントローラ21は操作部33の操作情報を監視し、ユーザーの操作に応じて必要な制御を行う。
またシステムコントローラ21は、表示部34を制御してユーザーに提示する各種の情報の表示を実行させる。
表示部34は、例えばホログラムリーダ20の筐体上に設けられる液晶ディスプレイとその駆動回路で構成され、システムコントローラ21の表示制御に基づいて、動作状態や読出状況の表示を行う。例えば読出状況の表示としては、上記手動スキャンを行っている際に、コンテンツデータ等の記録データのうちの何パーセントの読込が完了しているかを示す進捗状況表示や、読み出したデータについての要素ホログラムの位置を示すような位置提示画像の表示を行う。
ホログラムメモリ3からのデータ読取のために、コリメータレンズ4、イメージャ5,及び2つの参照光光源7A、7Bを備える。
参照光光源7Aは、図2に示した記録時の記録参照光L3Aと同じ角度でホログラムメモリ3に対して再生参照光L4Aを照射するように配置されている。
また参照光光源7Bは、図2に示した記録時の記録参照光L3Bと同じ角度でホログラムメモリ3に対して再生参照光L4Bを照射するように配置されている。
例えばLED(Light Emitting Diode)或いは半導体レーザによる参照光光源7A、7Bは、それぞれ発光駆動回路30によって発光される。発光駆動回路30は、当該ホログラムリーダ20によってホログラムメモリ3の再生を行う場合に、システムコントローラ21の指示によって参照光光源7A又は7Bを発光駆動する。
コリメータレンズ4はホログラムメモリ3からの再生像光をイメージャ5に導く。イメージャ5は、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の固体撮像素子アレイによって構成され、コリメータレンズ4を介して入射した再生像の光を受光し、電気信号としての再生像信号を出力する。
ホログラムスキャン制御部22は、イメージャ5の動作を制御すると共に、イメージ5によって得られる再生像信号の処理を行う。
即ちホログラムスキャン制御部22は、イメージャ5に対して転送タイミング信号、転送アドレス信号等を供給して、いわゆる撮像動作により固体撮像素子アレイで得られる再生像信号を順次転送出力させる。そしてイメージャ5から転送されたきた再生像信号について、サンプリング処理、AGC処理、A/D変換処理等を施して出力する。
ホログラムスキャン制御部22から出力されるデジタルデータ化された再生像信号は、メモリコントローラ23の制御によってDRAM24に蓄積される。
メモリコントローラ23は、DRAM24、フラッシュメモリ25に格納するデータについての各部の転送制御や、書込/読出制御を行う。
DRAM(Dynamic Random Access Memory)24に蓄積された再生像信号に関する信号処理系として、ホログラム画像処理部27,信号処理部28が設けられる。
またホログラム画像処理部27や信号処理部28と、処理結果や処理に必要な情報についてのシステムコントローラ21とのやりとりを行うためにSRAM(Static Random Access Memory)29が用いられる。
また、フラッシュメモリ25には、例えば上記各部での信号処理に必要な設定値、係数、その他の各種制御パラメータ等が記憶される。
なお、後述するように信号処理部28でデコードされたデータは、DRAM24に格納されるものとして説明するが、信号処理部28でデコードされたデータについてはフラッシュメモリ25に格納するようにしてもよい。
ホログラム画像処理部27は、再生像信号について、光学的な原因によるデータ値の変動である光学歪み補正や、明るさ調整、画像位置ズレ補正、画像回転ズレ補正を行う。またイメージャ5によっては階調のある撮像データとして再生像信号が得られるが、これを白黒の二値に変換する二値化処理も行う。ホログラムメモリ3から読み取るべきデータは、元々の記録データを白黒の二値のデータとして二次元ページデータ化されたものであるからである。
信号処理部28は、二次元の画像パターンとして二値化された再生像信号、つまり1つの要素ホログラムから得られたデータについて、デコード処理やエラー訂正処理を行い、元のデータDT(DTa又はDTb)を得る。即ち、1枚の二次元画像としての再生像信号から、図2(c)に示したような1つのデータブロックBLKとしてのデータ列を生成する。
信号処理部28は、デコードした1つのデータブロックBLKのデータDTを、メモリコントローラ23に受け渡す。メモリコントローラ23は、デコードしたデータDTをDRAM24に格納させる。或いは後述するが、既にDRAM24に同一のデータブロックのデータ(つまりデータ内容が同一のデータ)が存在する場合は、メモリコントローラ23はデコードされたデータDTを破棄する。
信号処理部28でデコードされたデータDTがDRAM24に格納されていくが、スキャンが進むことで、例えばホログラムメモリ3の第1面3A、第2面3Bの全ての要素ホログラムから読み出されたデータDTがDRAM24に格納された状態となる。メモリコントローラ23は、格納された各データDTを元々のデータブロックBLKとしての所定のアドレス順に並べて再構築し、記録された元のデータ、例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータを生成する。
再構築されて生成されたデータは、外部インターフェース26を介して外部機器100、例えばパーソナルコンピュータや、オーディオプレーヤ或いはビデオプレーヤ等のAV装置、又は携帯電話器等の外部機器に対して、ホログラムメモリ3からの再生データとして転送される。外部インターフェース26は例えばUSBインターフェース等が想定される。もちろん外部インターフェース26はUSB以外の規格のインターフェースでもよい。ユーザーは外部機器側で、ホログラムメモリ3からの再生データを利用できる。例えばパーソナルコンピュータでコンピュータデータを利用したり、AV装置や携帯電話等で、AVコンテンツデータを再生させることができる。
なお図示していないが、所定の記録メディアに対して記録を行うメディアドライブを設け、再生データを、そのメディアドライブにより記録メディアに記録されるようにしてもよい。
記録メディアとしては、例えば光ディスク、光磁気ディスク等が想定される。例えばCD(Compact Disc)方式、DVD(Digital Versatile Disc)方式、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標)方式、ミニディスク(Mini Disc)方式などの各種方式の記録可能型のディスクが記録メディアとして考えられる。これらのディスクが記録メディアとされる場合、メディアドライブは、ディスク種別に対応したエンコード処理、エラー訂正コード処理、或いは圧縮処理等を施して、データをディスクに記録する。
また記録メディアとしてハードディスクも想定され、その場合、メディアドライブは、いわゆるHDD(ハードディスクドライブ)として構成される。
さらに記録メディアは、固体メモリを内蔵した可搬性のメモリカード、或いは内蔵型固体メモリとしても実現でき、その場合メディアドライブは、メモリカード或いは内蔵型固体メモリに対する記録装置部として構成され、必要な信号処理を行ってデータ記録を行う。
さらには、例えば記録メディアに記録したAVコンテンツ等のデータをメディアドライブで再生し、その再生したAVコンテンツ等のデータをデコードして出力する音声再生出力系、映像再生出力系を備えることは当然考えられる。
またメディアドライブで再生したデータを外部インターフェース26を介して外部機器に転送することもできる。
さらに上記のCD、DVD、ブルーレイディスク、ミニディスク、メモリカード等の可搬性の記録メディアに記録した場合は、その記録メディアを外部機器で再生させることで、ユーザーはホログラムメモリ3から読み出した再生データを利用できる。
[3.ホログラムメモリからのデータ再生処理]

このホログラムリーダ20によりホログラムメモリ3からデータ再生を行う際の処理を図7で説明する。図7はデータ再生時においてシステムコントローラ21の制御に基づいて実行される処理を示している。
例えばユーザーは、操作部33から再生開始の操作を行った後、図5のようにホログラムリーダ20をホログラムメモリ3に対向させて任意に移動させることになる。
システムコントローラ21は、操作部33を用いた再生開始の操作を検知したら、ステップF101で変数x=1とし、ステップF102で第x面用の参照光光源をオンとする。即ちまず第1面3Aを読み込むために、発光駆動回路30に指示を与え、参照光光源7Aを発光させ、再生参照光L4Aをホログラムメモリ3に照射できる状態とする。
この状態でユーザーがホログラムリーダ20をホログラムメモリ3に対向させて移動させることで、第1面3Aに記録された各要素ホログラムhAの再生像光L5が順次イメージャ5に検出されることになる。
ステップF103では、イメージャ5及びホログラムスキャン制御部22の動作により、或る要素ホログラムの再生像光L5が取り込まれ、再生像信号としてのデジタルデータが得られる。ホログラムスキャン制御部22から出力される、或る要素ホログラムの再生像信号は、メモリコントローラ23によって一旦DRAM24に格納される。
システムコントローラ21は、ステップF103の動作としての要素ホログラムの再生像信号の取込を確認したら、ステップF104の画像処理、ステップF105のデコード処理を実行させる。
即ちステップF104ではDRAM24に取り込んだ再生像信号をホログラム画像処理部27に転送させ、画像処理として、光学歪み補正、明るさ調整、画像位置ズレ補正、画像回転ズレ補正、二値化を実行させる。
またステップF105では、画像処理を終えた再生像信号を信号処理部28に転送させ、デコード処理を実行させる。
ステップF105で或る1つの要素ホログラムについてのデータDTがデコードされたら、ステップF106では、そのデータDTが、既にDRAM24に格納されているか否かを判断する。例えばデコードしたデータDTに含まれているアドレス、データブロック番号などを確認し、これと同一のアドレス、データブロック番号のデータDTが既にDRAM24に格納されているか否かを確認すればよい。
同じデータDTが既にDRAM24に格納されている場合とは、今回読み込んだ要素ホログラムが、以前に読み込まれていた場合である。ホログラムメモリ3に対しては上述の通りユーザーの手動スキャンによって各要素ホログラムの読み出しが行われるため、同じ要素ホログラムが複数回読み出されることがあるためである。
逆に、今回デコードしたデータDTと同一のデータDTがDRAM24に格納されていない場合とは、或る要素ホログラムから、はじめてのデータDTの読み出しができた場合である。
ステップF106で、デコードしたデータDTが、まだDRAM24に格納していないものであると判断された場合は、ステップF108に進み、当該デコードしたデータDTを、或る1つの要素ホログラムから読み出したデータとしてDRAM24に格納させる。
ステップF109では、データ読出の進捗状況を計算する。
ホログラムメモリ3からのデータ読出の際に、1つの要素ホログラムからは1つのブロックBLKのデータDTが読み出されるが、この読出動作は、元の記録データとしての図2(c)に示した全てのデータブロックBLKのデータDT(DTa、DTb)が読み出されるまで行われる。つまり元の記録データを構成する全てのデータブロックBLKのデータDTがデコードされ、ステップF108の処理でDRAM24に格納できた時点で、データ読出が100%完了できたことになる。
そしてステップF109での進捗状況の計算とは、その時点で、何パーセントのデータDTをデコードし、DRAM24に格納したかの計算となる。
上述したように、記録時に各要素ホログラムに記録されたデータDTのヘッダ情報においては、記録データ全体(例えばコンテンツデータ全体)のデータサイズや、分割したデータブロック数が記録されている。従って、最初に或る1つの要素ホログラムからのデータDTがデコードできた時点で、システムコントローラ21は読み出すべき全体のデータサイズやデータブロック数を確認できる。
このため、進捗状況の計算は、既にDRAM24に格納したデータDTとしての全体のデータサイズと、再生すべき全体のデータサイズ(元の記録データ全体のサイズ)から進捗状況が何パーセントであるかを求めることができる。
或いは、全体のデータブロック数と、DRAM24に格納したデータDT(つまり1データブロック)の数から、読出の進捗状況が何パーセントであるか求めることができる。
なお、ステップF109で、データ読取の進捗状況が100%完了、つまり要素ホログラムの読取が完了と判断される状態となるのは、以上のように再生データ(=元の記録データ)を構成する全てのデータブロックBLKのデータDTの読み取れたか否かという条件で判断するものであり、ホログラムメモリ3の全ての要素ホログラムの読取を完了したか否かという判断とする必要はない。後述するが、同一のデータ内容を記録した要素ホログラムが複数記録されている場合があるためである。さらには、全てのデータブロックを読み込まなくとも、エラー訂正処理やデータ補間処理で元々の記録データを構築できる場合もあるためである。
ステップF110では、第x面からの必要量のデータ読み取りが完了したか否か、即ち第x面から読み出されるべき全データDTがデコードされてDRAM24に格納された状態になっているか否かを判断する。
なお、この判断のために、各面の要素ホログラムのヘッダ情報として、その面に記録されたデータサイズやデータブロック数が記録されていればよい。その面のデータサイズ又はデータブロック数と、DRAM24に格納したデータサイズ又はデータブロック数を比較することで、現在スキャン中の面の読取を完了できたか否かが判別できる。
現在のスキャン中の面として第1面3Aの要素ホログラムからのデータ読取が完了していなければ、ステップF111に進み、読取進捗状況を表示部34に表示させる。この場合、ステップF109で計算した読取進捗状況に応じた表示を実行させることになる。
そしてステップF103に戻って、続いて再生像光が読み取られてくる要素ホログラムについての処理を同様に実行していく。
ステップF111の読取進捗状況の表示の例を図8に示す。図8(a)にはホログラムメモリ3上の第1面3Aの要素ホログラムを○及び●で示している。また破線でユーザーの手動スキャンの軌跡を示している。
手動スキャンが破線のように行われた場合、●の要素ホログラムが読み取られたことになる。仮に、第1面3Aには、○又は●で示す49個の要素ホログラムとして、98個のデータブロックBLKに分割されたうちの49個のデータブロックBLKの各データDTaが記録されているとする。また第2面3Bには、同様に残りの49個のデータブロックBLKの各データDTbを記録した要素ホログラムが記録されているとする。
すると、図8(a)のように第1面3Aの16個の●の要素ホログラムの読取が完了した時点、つまりステップF108で16個目のデータDTがDRAM24に格納された時点で、ステップF109で計算される読取進捗状況は16%となる。
この場合、ステップF111では、例えば図8(b)のように表示部34に、進捗状況バー40を表示させ、16%読込完了という状況をユーザーに提示する。
また、図8(a)の手動スキャンから引き続いて、図8(c)の破線で示すように手動スキャンが行われたとする。この時点までで●で示した読取済の要素ホログラムは38%に達しており、つまり再生すべきデータの38%のデータ読出が完了していることとなる。この場合にはステップF111の処理で、図8(d)のように表示部34における進捗状況バー40及び表示数値が38%読込完了という表示状態になる。
つまり手動スキャンとそれに伴うステップF103〜F109の動作が繰り返し行われていくことに従って、表示部34では進捗状況バー40のパーセンテージ表示が進行していくことになり、ユーザーは、これを見ることで、あとどれくらい手動スキャンを行う必要があるのかを認識できる。
図7のステップF106において、デコードしたデータDTが既にDRAM24に格納されていると判断された場合は、ステップF107に進み、そのデコードデータ、つまり或る要素ホログラムからの読出データを破棄してステップF103に戻る。即ちこれは、同一の要素ホログラムの読み出しが既に行われていた場合である。或いは後述する同一のデータ内容を記録した要素ホログラムが複数ホログラムメモリ3に記録されている場合に、今回読み出した要素ホログラムとは別の要素ホログラムから同一のデータDTが既に読み出されていた場合である。
なお、図7には示していないが、ステップF105でデコードエラーとなる場合がある。例えば或る要素ホログラムの再生像信号が得られた場合でも、スキャン位置が適切ではなかったなどの理由で良好な読取ができず、適正なデコードができなかったような場合は、そのデータは破棄してステップF103にもどればよい。
ステップF110で第x面、つまり第1面3Aからの必要量のデータ読出が完了と判断されたら、ステップF112に進み、システムコントローラ21は発光駆動回路30に指示して参照光光源7Aをオフとさせる。
そしてまだ読取を行っていない面があればステップF113からF114に進み、変数xをインクリメントしてステップF102に戻る。この場合、変数x=2とされ、ステップF102で第2面3Bに対応する再生参照光をオンとする。即ちシステムコントローラ21は発光駆動回路30に指示して参照光光源7Bの発光を開始させる。
参照光光源7Bを発光させた状態で、ステップF103以降の処理を上記同様に行うことで、今度は第2面3Bの各要素ホログラムhBからデータ読出が行われていくことになる。そして順不同に読み出されてくる要素ホログラムhBからの読出データDTがDRAM24に蓄積されていく。
ある時点で、ステップF110で、第2面3Bの要素ホログラムhBについて読出完了と判断されたら、ステップF112で参照光光源7Bをオフとする。
ホログラムメモリ3が第1面3A、第2面3Bの2つの面として角度多重記録されたものである場合、この時点でステップF113で全ての面の読取完了となる。
この場合、ステップF115に進み、表示部34で読取完了表示を行う。つまり進捗状況バー40及び数値を100%完了の状態で表示させる。またこのとき、スキャン完了として、ユーザーに手動スキャンを終わらせるメッセージを表示してもよい。
そしてステップF116では、システムコントローラ21はメモリコントローラ23に指示し、DRAM24に格納された読出データDTを再構築させる。即ちこの時点で所定量のデータ、即ち元々の記録データを構成する全てのデータブロックのデータがDRAM24に格納されているため、各データブロックBLKのデータを抽出してデータブロック番号順に並べ、再生データを生成する。例えばコンテンツデータとしての再生データを生成する。この再生データは、その後例えば外部インターフェース26から外部機器100に出力される。
以上でホログラムメモリ3からの再生が完了し、システムコントローラ21は再生処理を終える。
以上の処理からわかるように本例のホログラムリーダ20では、ホログラムメモリ3上の第1面3A、第2面3Bのそれぞれにおいて、各要素ホログラムについて読み込む順番にこだわらずに、読み取れた要素ホログラムの読出データからDRAM24に格納していく。またこのとき、表示部34にはスキャン(データ読取)の進捗状況を表示させていく。
そして第1面3A、第2面3Bについてスキャンを終え、所定量の要素ホログラムの読み出しが完了した時点で、データを再構築し、元々のコンテンツデータ等のデータ、つまり再生データを生成するものである。
このような処理を行うことで、図5で説明したような手動スキャンによってホログラムメモリ3からのデータ再生が可能となる。
そしてこのことは、参照光光源7やコリメータレンズ4,イメージャ5による再生像光の検出系において、スキャン機構を設ける必要はなくなり、これらは装置内に固定的に配置されればよい。従って、ホログラムリーダ20を簡易な構成とし、低コストで実現できる。
また、各要素ホログラムの読み出しは確率的に行われるものとなるが、得られた読出データをDRAM24に格納し、また同一の読出データが得られた場合はそれを破棄し、必要量の読出データが揃った時点で再生データを再構築して生成する処理を行うことで、再生データを適切に得ることができる。
さらにユーザーにとっては、再生しようとするときに、単にホログラムリーダ20をホログラムメモリ3に対向させて任意に移動させればよく、感覚的に容易であり、困難な操作を要求するものではない。このため使用性も良いものとなる。
さらには進捗状況表示によって、どれくらいスキャンを完了したか、或いはあとどれくらい手動スキャンを続ければよいかが把握できることは、使用性の向上に非常に有効である。例えばやみくもに手動スキャンを続けることは、ユーザーにとっては使用感が悪いものとなるが、ユーザーが進捗状況を把握できることで、このような点は解消される。
そしてこれらのことから、例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータなどを、第1面3A、第2面3Bとして角度多重記録することで大容量化したホログラムメモリ3に記録し、これを広く頒布するとともに、一般ユーザーがホログラムリーダ20を用いて、ホログラムメモリ3に記録されたデータを取得できるようにするシステムの実現に好適となる。
なお、以上の実施の形態のホログラムリーダ20においては、本発明の請求項1〜請求項3の再生装置の構成要件には、以下の部位又は処理機能が対応する。
参照光照射手段:参照光光源7A,7B及び発光駆動回路30。
参照光照射角度制御手段:システムコントローラ21の発光駆動回路30の制御機能(ステップF101,F102,F112,F114)。
データ読出手段:コリメータレンズ4、イメージャ5、ホログラムスキャン制御部22、ホログラム画像処理部27、信号処理部28。
記憶手段:DRAM24。
読出データ格納制御手段:メモリコントローラ23、システムコントローラ21のDRAM24の制御機能(ステップF106,F108)。
再生データ生成手段:メモリコントローラ23、システムコントローラ21のデータ再構築機能(ステップF116)。
また本発明の再生方法の構成要件は、以下のように対応する。
第1のデータ読出ステップ:変数x=1におけるステップF102〜F105。
第1の判断ステップ:変数x=1におけるステップF106。
第1の読出データ格納制御ステップ:変数x=1におけるステップF108。
第2のデータ読出ステップ:変数x=2におけるステップF102〜F105。
第2の判断ステップ:変数x=2におけるステップF106。
第2の読出データ格納制御ステップ:変数x=2におけるステップF108。
再生データ生成ステップ:ステップF116。
再生装置(ホログラムリーダ20)の構成は上記図6の構成に限られない。ホログラムメモリ3から再生したデータの出力形態も多様に考えられる。
またホログラムメモリ3は、それ自体がコンピュータデータやAVコンテンツデータ等の提供媒体として、現在一般に流通しているCD、DVDのようなパッケージメディア形態でユーザーに販売、提供されるものでもよいし、ポスターや書籍などに貼付されたり印刷形成されて、ユーザーがホログラムリーダを用いて、各種データ等を入手できるような形態とされてもよい。
[4.要素ホログラムの配置構成]

ところで、上記のように手動スキャンで再生を行うホログラムリーダ20を用いる場合には、ホログラムメモリ3としてより好適な要素ホログラムの配置構成が考えられる。これについて説明する。
上記図5(b)には模式的な例として、ホログラムメモリ3の1つの面に要素ホログラムh1〜h24が記録されている状態を示したが、これは例えば元々の記録データを48個のデータブロックBLKに分割し、その内の24個のデータブロックBLKのデータDTを、それぞれ24個の要素ホログラムh1〜h24として1つの面(例えば第1面3A)に記録した状態として述べた。なお、もちろん1つの面に24個の要素ホログラムを記録するとしたのは説明のために簡略化した例にすぎず、より多数の要素ホログラムを記録することが可能である。
例えばこのような場合、図7のステップF110で1つの面からのデータ読み出しが完了したと判断されるのは、24個の要素ホログラムh1〜h24の全てについてのデータDTの読出が完了した時点となる。
ここで手動スキャンで再生を行うホログラムリーダ20は、各要素ホログラムh1〜h24を確率的に読み出すものであることを考えると、ホログラムメモリ3上の1つの面について、全ての要素ホログラムh1〜h24をまんべんなく取り込むことが困難になる場合があり得る。
つまり手動スキャンはあくまでユーザーの動作であるので、ユーザーが任意にホログラムリーダ20を移動させるときに、なかなかスキャンできない要素ホログラムが生ずることがある。言い換えれば再生参照光L4が照射されない要素ホログラムが生ずることがある。そして例えば要素ホログラムh5の読取がなかなかできないでいると、その要素ホログラムh5に記録されたデータブロックBLKのデータDTが読み込めず、ステップF110で、スキャン中の面のデータ読み出し完了と判断されない状態が続き、結局ステップF113で全ての面について読み出し完了となるまでになかなか到達できず、ユーザーがいつまでも手動スキャンを続けなければならないという事態が生ずることがあり得る。
このようなことを考えると、手動スキャンにより再生を行うシステムでは、各データDTの読取確率を上げることが重要となる。
そして各データDTの読取確率を上げるには、ホログラムメモリ3の各面(第1面3A、第2面3B)において、同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録しておくことが適切となる。
以下、ホログラムメモリ3上の或る1つの面における好適な要素ホログラムの配置例を示していく。
図9の例は、ホログラムメモリ3の1つの面に、要素ホログラムh1〜h36が記録されているとしている。つまり元々の記録データのうちの36個のデータブロックBLKのデータDTを、それぞれ要素ホログラムh1〜h36として記録する。要素ホログラムh1〜h36はそれぞれ別のデータブロックBLKのデータDTを記録したもので、読み出されるデータ内容が異なる。
そして図9では、ホログラムメモリ3上の1つの面に144個の要素ホログラムが記録されている状態を示しているが、これは要素ホログラムh1〜h36がそれぞれ4個づつ記録された状態である。同一符号を付した要素ホログラムは、同一のデータ内容の要素ホログラムである。例えば要素ホログラムh1は、元の記録データの1番目のデータブロックBLKのデータDTを記録したものである。
そして破線部MHとして例えば要素ホログラムh6に注目すると、同一のデータ内容である4つの要素ホログラムh6は、縦横方向にまとめられてそれぞれが正方形頂点位置に配置される。他の要素ホログラムも同様であり、4つがまとめられて配置されている。
このように同一のデータ内容を有する要素ホログラムが複数記録されるようにすると、手動スキャンによって不規則に各要素ホログラムが読み出される場合において、各データの読出の確率が高まることになる。
これによりステップF110で第x面のデータ読出が完了したと判断される状態に早く達することができ、ユーザーが長い時間手動スキャンを続けることをなるべく回避できるようになる。
さらに手動スキャンの場合、スキャン位置がランダムであることに加えて、手ぶれも避けられないが、そのような事情を考慮すると、同一のデータ内容の要素ホログラムをまとめて配置すると、手ぶれ等があっても、まとめられたうちの1つの要素ホログラムに再生参照光L4を照射できる確率が高く、これも各データDTの読取確率を上げ、スキャン時間の短縮につながる。
図10は、要素ホログラムの並ぶ各行及び各列が互い違いにずれながら配置されている例である。
このホログラムメモリ3には、それぞれデータ内容が異なる要素ホログラムh1〜h81が記録されている。そして破線部MHとして例えば2つの要素ホログラムh1を示しているが、このように各要素ホログラムh1〜h81については斜め方向に隣り合う2つの要素ホログラムとして、同一のデータ内容の要素ホログラムが記録されている。
この例も、手ぶれやスキャン軌跡のランダム性に対しても各データDTの読出確率を上げることができる。特には、手動スキャンが左右方向又は上下方向のいずれの方向に行われても、同一のデータ内容の要素ホログラムが2つだけでありながら、図9の例と同等程度の読出確率を得ることができる。
つまりこの例は、同一のデータ内容の要素ホログラムの数を最小限としながら、ホログラムメモリ3としての記憶容量の増大を見込むことができる。
例えば図9,図10のように同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録することで、各データDTの読取確率向上、スキャン時間の短縮に有効であるが、同一のデータ内容の要素ホログラムを何個記録するか、或いは平面上にどのような位置に配置するかは、記録データのサイズ、つまり1つの面に記録するデータブロックBLKの数や、ホログラムメモリ3の1つの面に記録可能な要素ホログラムの数に応じて決められればよい。
同一データ内容の各要素ホログラムを図9,図10のように隣接して配置しても良いし、離散的に配置しても良い。
また同一データ内容の各要素ホログラムを規則的に配置してもよいしランダムに配置しても良い。もちろん、ランダムな手動スキャンに対して読取確率を高めるような配置が好適である。
また、図9,図10における破線部MHのような同一データ内容でまとめられた複数の要素ホログラムの固まりを、ホログラムメモリ3上に複数設けることで、さらに各データDTの読出確率を上げることができる。
ここでホログラムメモリ3上の要素ホログラムの間隔について述べる。各要素ホログラムについては、それぞれ以下の点を考慮して離間間隔が設定されている。
各要素ホログラム間の距離を狭めれば狭めるほど記録密度が上がりホログラムメモリ3の記憶容量を上げることができるものの、再生時に再生参照光L4が要素ホログラムより大きい場合には隣接する要素ホログラムからの再生信号も拾ってしまうことになり、クロストークが生じてしまう。
例えば図11(a)には、或る1つの面において、要素ホログラムh1と、その周囲に間隔を詰めて要素ホログラムh2,h3,h4,h5が配置されている状態を示している。そして参照光光源7からの再生参照光L4のスポットSPが、1つの要素ホログラムのサイズより大きな径となっている。
この場合、図のように再生参照光L4のスポットSPが要素ホログラムh1の真上にきたときに、そのスポットSP内に周囲の要素ホログラムh2,h3,h4,h5も入ってしまう。すると、イメージャ5には要素ホログラムh1の再生像光に加えて、要素ホログラムh2,h3,h4,h5のそれぞれの一部の再生像光も検出されてしまうことになり、クロストークが生ずる。当然ながらこのような状態では要素ホログラムh1の再生像信号が劣化した状態となる。つまり各要素ホログラムからのデータDTの再生精度が低下する。
一方、クロストークが問題にならないように各要素ホログラム間距離を十分に離してしまうと、スキャン時に各要素ホログラムの間を通過してしまう場合も生じ、データを読み取ることができなくなる確率が高まる。図11(b)に例を示すが、例えば要素ホログラムh1、h2の間にクロストークが発生しない十分な離間距離をとると、図のように再生参照光L4のスポットSPが要素ホログラムh1、h2の間を抜けるように照射されることもある。当然、手動スキャンの際の各要素ホログラムの読出確率が低下してしまい好ましくない。
そこで各要素ホログラムについては、この図11(a)(b)の中間程度の離間距離を設定することになる。即ちクロストークが多少生じても、データDTのデコードに支障がない程度に、各要素ホログラムの離間距離を設定するものである。
このとき手動スキャンによっては、スポットSPが確実に各要素ホログラムの真上を通過して読めるという保証はない。そこで上述のように、各要素ホログラムに記録してある2次元ページデータ(データDT)の中にデータブロックBLKを示すアドレス情報を埋め込み、ユーザーにホログラムメモリ3全体を複数回、なぞるようにスキャンしてもらう。そしてホログラムリーダ20は、読めた各要素ホログラムのデータDTから順次DRAM24に格納し、必要量の要素ホログラムを読み終えてから、DRAM24上のデータを再構築して再生データを得るシステムとしている。
このように十分にクロストークが小さくなる程度まで各要素ホログラム間の距離を開けると、手動スキャン時に読み取れる確率が減っていくので総スキャン時間が長くなる可能性がある。これに対しては、冗長度が増えることにより総容量は減少してしまうが、上記各例のように同じデータを書いた要素ホログラムを複数記録することにより、各データの読出確率を向上させ、スキャン時間を短縮できるものである。
なお、以上のようなクロストークの事情は、1つの面に配置される要素ホログラム同志の間での事情となる。他の面の要素ホログラムとは参照光の角度が異なるため問題にならない。
またこのことから、例えば第1面3Aの多数の要素ホログラムhAと、第2面3Bの多数の要素ホログラムhBは、平面的に見て重なっていようが、或いはずれていようがかまわないものである。
続いて、スキャン時間の低減やデータ読取性能の点で、1つの面における、より有効な要素ホログラムの配置例を説明する。
上記のように要素ホログラムの離間距離を詰めるとクロストークが生ずるが、その隣接する要素ホログラムが同一のデータ内容のものであれば、同じ像がイメージャ5上に結像するので、像のズレがなければそれはノイズ成分とはならない。つまりクロストークとはならない。
図12でこれを説明する。
図12は、図1で説明したように記録時に用いる液晶パネル1、集光レンズ2と、記録再生されるホログラムメモリ3、及びホログラムリーダ20内のコリメータレンズ4とイメージャ5の関係を模式的に示している。
図12(a)は、要素ホログラムh1の記録再生時の様子を示している。
液晶パネル1には、要素ホログラムh1の記録のための二次元ページデータが表示されている状態として、各LCD画素G1〜G11を示している。このときの液晶パネル1及び集光レンズ2と、ホログラムメモリ3との位置関係を光軸J1で示している。
液晶パネル1の各LCD画素G1〜G11のパターンの物体光L2は集光レンズ2によって要素ホログラムh1の形成位置に照射される。この図では物体光L2をLCD画素G4,G6から見た状態で示しているが、この要素ホログラムh1は、液晶パネル1の各画素G1〜G11の位置情報が、物体光L2としての光線の角度情報に変換されて記録されていることに相当する。
要素ホログラムh1の再生時には、要素ホログラムh1からの再生像光L5が、図のようにイメージャ5の検出画素g1〜g11に検出される。即ち液晶パネル1のLCD画素G1の情報が検出画素g1に検出され、LCD画素G2の情報が検出画素g2に検出され・・・という状態となる。
ここで図12(b)に液晶パネル1及び集光レンズ2と、ホログラムメモリ3との位置関係を光軸J2にシフトした状態を考える。即ち要素ホログラムh1に隣接する要素ホログラムh2を記録する場合である。
この要素ホログラムh2も、液晶パネル1の各画素G1〜G11の位置情報が、物体光L2としての光線の角度情報に変換されて記録されていることに相当する。この要素ホログラムh2に対して要素ホログラムh1の再生時の再生参照光L4が照射されてしまうとする。要素ホログラムh1の再生時において要素ホログラムh2から得られる再生像光L5も、液晶パネル1のLCD画素G1の情報がイメージャ5の検出画素g1に検出され、LCD画素G2の情報が検出画素g2に検出され・・・という状態となる。
図12(a)(b)では、液晶パネル1のLCD画素G4,G6に注目して示しているが、つまり、要素ホログラムh1の再生時に、イメージャ5の検出画素g6に検出される情報は、図12(a)のように要素ホログラムh1についてのLCD画素G6の情報であり、同時に図12(b)のように要素ホログラムh2についてのLCD画素G6の情報である。
同様に、要素ホログラムh1の再生時に、イメージャ5の検出画素g4に検出される情報は、要素ホログラムh1についてのLCD画素G4の情報であり、同時に要素ホログラムh2についてのLCD画素G4の情報である。
つまりは、再生時には同じ角度の光線束はイメージャ5の同じ検出画素上に結像するように配置させているため、隣接する要素ホログラムh1、h2が、異なるデータ内容であると、クロストークが問題となる。
ところが要素ホログラムh1、h2が、同一のデータ内容であれば、イメージャ5の各検出画素g1〜g11には、それぞれ要素ホログラムh1、h2から同じ情報が検出されることになり、クロストークは問題とはならない。
以上のように、同一のデータ内容の要素ホログラムは、クロストークの問題を考慮しなくても良いことを考えると、以下のような配置が考えられることになる。
図13は、1つの面において、同一のデータ内容の複数の要素ホログラムが、密接した状態で位置的にまとめられて記録されるようにした例である。特には、各要素ホログラムが縦方向及び横方向に配列される状態に記録される場合に、同一のデータ内容の複数の要素ホログラムが、縦横方向に密接した状態でまとめられて記録されている。
この図13では、ホログラムメモリ3に、それぞれ異なるデータ内容の要素ホログラムh1〜h49が記録されるが、その要素ホログラムh1〜h49がそれぞれ4個づつ密着状態で記録されている。例えば破線部MHとして示す4つの要素ホログラムh1のように、同一のデータ内容の要素ホログラムが4つづつ密接記録されている。
同一のデータ内容である4つの要素ホログラムh1は、縦横方向にまとめられてそれぞれが正方形頂点位置に配置される。他の要素ホログラムも同様であり、4つがまとめられて配置されている。もちろん密接された4つの要素ホログラムは、同一のデータ内容であるため、クロストークの問題はない。
そしてこのように同一のデータ内容の要素ホログラムを密接状態でまとめて配置することで、手ぶれ等があっても、まとめられた要素ホログラムからデータDTを読み取れる確率は一層高くなる。さらに、その上で、同一のデータ内容の要素ホログラムを密着状態として記録密度を高めることで、ホログラムメモリ3上のスペースを有効に使用し、より多数の要素ホログラムを記録できる。このためホログラムメモリ3の記憶容量の確保、或いは増大という点でも適している。
なお、同一のデータ内容である例えば4つの要素ホログラムが縦横方向に密着してまとめられた固まりがホログラムメモリ3の平面上に複数形成されるようにすれば、さらにスキャン軌跡のランダム性に対しても読出確率を上げることができる。
図14は、縦方向(列方向)に同一のデータ内容の要素ホログラムを密着状態で配置した例である。ホログラムメモリ3には、それぞれデータ内容が異なる要素ホログラムh1〜h12が記録されている。そして各要素ホログラムh1〜h12は、それぞれ多数形成され、縦方向に密着配置されている。例えば要素ホログラムh12について破線部MHとして示すように、同一のデータ内容の要素ホログラムh12が、縦方向に密着した状態で一列の要素ホログラムを成している。
このようにすると、ユーザーがホログラムメモリ3を横切るように手動スキャンさせれば、ほぼ確実に全ての要素ホログラムh1〜h12のデータDTを読み込めることになる。つまり各データブロックBLKのデータDTの読取確率を大幅に向上させ、手動スキャンの時間を短縮できる。
例えばこの図13,図14のように、同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録する場合に、互いを密接状態に記録するようにしてもよい。
もちろん具体的な配置例は、さらに多様に考えられる。実際には、ホログラムメモリ3に記録しようとするデータのサイズとともに読取確率を考慮して決定されればよい。
手動スキャンを用いるため、要素ホログラムの配置は特定の配置に決定することも不要であり、記録するデータ(コンテンツデータ等)によって最適な配置が決められればよい。
そして、以上の各例のように、同一のデータ内容の要素ホログラムが複数設けられる場合でも、図7の処理により再生動作及び進捗状況表示が同様に実行できる。
特にステップF109では、読込進捗状況を、読み出した要素ホログラムの数ではなく、DRAM24に格納したデータDTの数(データブロックBLKの数)と元の記録データのデータブロックBLKの数から算出したり、或いはDRAM24に格納済の全データのサイズと元の記録データの全体のサイズから算出することで、同一のデータ内容の要素ホログラムが何個記録されていても、またどのような配置で記録されていても、進捗状況表示には影響がなく、正しくユーザーに読取進捗状況を提示できる。
[5.1つの参照光光源を備えた再生装置の構成及び動作]

上記例では、第1面3A、第2面3Bとしてそれぞれ要素ホログラムhA、hBを角度多重記録したホログラムメモリ3を再生するために、ホログラムリーダ20は2つの参照光光源7A、7Bを設け、これを切り換えて各面を順次再生するものとした。
図15に示すホログラムリーダ20Aは、同様のホログラムメモリ3に対して、1つの参照光光源7を設けるのみで、第1面3A、第2面3Bのそれぞれから要素ホログラムhA、hBの読出を行うことができるようにするものである。
図15のホログラムリーダ20Aの構成については、参照光光源7が1つとされていること以外は図6とほぼ同様であり、各部の説明は省略する。
1つの参照光光源7でホログラムメモリ3の第1面3A、第2面3Bのそれぞれからデータ読出を行うための動作を図16、図17に示す。
図16(a)のホログラムリーダ20Aは、参照光光源7からの再生参照光L4が、第1面3Aの要素ホログラムhAを読み出せる第1の角度でホログラムメモリ3に照射されている状態を示している。
一方、図16(b)のホログラムリーダ20Aは、同じく参照光光源7からの再生参照光L4がホログラムメモリ3に照射されているが、ホログラムリーダ20A自体の上下の向きが変わることで、再生参照光L4が第2面3Bの要素ホログラムhBを読み出せる第2の角度でホログラムメモリ3に照射されている状態を示している。
つまり、参照光光源7がホログラムリーダ20Aにおいて固定的に配置されていても、ホログラムリーダ20Aの姿勢方向が逆転されることで、ホログラムメモリ3に照射する再生参照光L4の角度状態を第1の角度と第2の角度で切り換えることができる。
具体的には図17(a)のようにユーザーがホログラムリーダ20Aを持ってホログラムメモリ3に対向させることで、再生参照光L4が第1の角度でホログラムメモリ3に照射され、この状態で手動スキャンを行うことで第1面3Aからデータ読出ができる。
次に、図17(b)のように、ユーザーはホログラムリーダ20Aを上下逆に持ち替える。すると、再生参照光L4が第2の角度でホログラムメモリ3に照射され、この状態で手動スキャンを行うことで第2面3Bからデータ読出ができる。
このホログラムリーダ20Aによりホログラムメモリ3からデータ再生を行う際の処理を図18で説明する。図18はデータ再生時においてシステムコントローラ21の制御に基づいて実行される処理を示している。
システムコントローラ21は再生開始の際に、ステップF201で発光駆動回路30に指示を与え、参照光光源7を発光させ、再生参照光L4をホログラムメモリ3に照射できる状態とする。
この状態でユーザーは、図17(a)のような方向性でホログラムリーダ20Aを持って、ホログラムメモリ3に対向させて手動スキャンさせていく。なお、このときユーザーが図17(b)のように逆方向にホログラムリーダ20Aを持っていても問題はない。ユーザーがどちらの方向性で手動スキャンを開始するかは、単に、第1面3A、第2面3Bのどちらから先に読取が行われるかの違いとなるだけである。
例えばユーザーが図17(a)の方向性で持ったとき、再生参照光L4が第1の角度の状態でホログラムメモリ3に照射されるとすると、手動スキャンによって第1面3Aに記録された各要素ホログラムhAの再生像光L5が順次イメージャ5に検出されることになる。
ステップF202〜F210の処理は図7のステップF103〜F111と同様であるため簡単に述べる。
ステップF202では、イメージャ5及びホログラムスキャン制御部22の動作により、スキャン中の面の或る要素ホログラムの再生像光L5が取り込まれ、再生像信号としてのデジタルデータが得られる。ホログラムスキャン制御部22から出力される、或る要素ホログラムの再生像信号は、メモリコントローラ23によって一旦DRAM24に格納される。
システムコントローラ21は、ステップF202の動作としての要素ホログラムの再生像信号の取込を確認したら、ステップF203の画像処理、ステップF204のデコード処理を実行させる。
ステップF204で或る1つの要素ホログラムについてのデータDTがデコードされたら、ステップF205では、そのデータDTが、既にDRAM24に格納されているか否かを判断する。
ステップF205で、デコードしたデータDTが、まだDRAM24に格納していないものであると判断された場合は、ステップF207に進み、当該デコードしたデータDTを、或る1つの要素ホログラムから読み出したデータとしてDRAM24に格納させる。
ステップF208では、データ読出の進捗状況を計算する。
ステップF209では、現在スキャン中の面からのデータ読み取りが完了したか否か、即ちスキャン中の面から読み出されるべき全データDTがデコードされてDRAM24に格納された状態になっているか否かを判断する。
現在のスキャン中の面における要素ホログラムからのデータ読取が完了していなければ、ステップF210に進み、読取進捗状況を表示部34に表示させる。
そしてステップF202に戻って、続いて再生像光が読み取られてくる要素ホログラムについての処理を同様に実行していく。
ステップF205において、デコードしたデータDTが既にDRAM24に格納されていると判断された場合は、ステップF206に進み、そのデコードデータ、つまり或る要素ホログラムからの読出データを破棄してステップF202に戻る。
また図18には示していないが、ステップF204でデコードエラーとなった場合は、そのデータは破棄してステップF202にもどる。
ステップF209スキャン中の面からのデータ読出が完了と判断されたら、ステップF211に進み、全ての面からのデータ読み取りが完了したか否かを判断する。
そしてまだ読取を行っていない面があればステップF212に進み、システムコントローラ21は、表示部34に、読取角度変更のメッセージを表示させる。
例えば「ホログラムリーダを逆に持ち替えてスキャンして下さい」等のメッセージを表示させる。そしてステップF202に戻る。
ユーザーは上記のメッセージ表示に従って、例えば図17(a)の状態から図17(b)の状態に持ち替える。すると、再生参照光L4が第2の角度の状態でホログラムメモリ3に照射される状態となり、手動スキャンによって第2面3Bに記録された各要素ホログラムhBの再生像光L5が順次イメージャ5に検出されることになる。
その状態で、ステップF202以降の処理を上記同様に行うことで、今度は第2面3Bの各要素ホログラムhBからデータ読出が行われていくことになる。そして順不同に読み出されてくる要素ホログラムhBからの読出データDTがDRAM24に蓄積されていく。
ある時点で、ステップF209で、スキャン中の面からのデータ読出完了と判断されたら、ステップF211に進む。
ホログラムメモリ3が第1面3A、第2面3Bの2つの面として角度多重記録されたものである場合、この時点でステップF211で全ての面の読取完了となる。
この場合、ステップF213に進み、表示部34で読取完了表示を行う。つまり進捗状況バー40及び数値を100%完了の状態で表示させる。またこのとき、スキャン完了として、ユーザーに手動スキャンを終わらせるメッセージを表示してもよい。
そしてステップF214では、システムコントローラ21はメモリコントローラ23に指示し、DRAM24に格納された読出データDTを再構築させる。即ちこの時点で所定量のデータ、即ち元々の記録データを構成する全てのデータブロックのデータがDRAM24に格納されているため、各データブロックBLKのデータを抽出してデータブロック番号順に並べ、再生データを生成する。例えばコンテンツデータとしての再生データを生成する。この再生データは、その後例えば外部インターフェース26から外部機器100に出力される。
システムコントローラ21はステップF215で発光駆動回路30に指示して参照光光源7をオフとさせる。以上でホログラムメモリ3からの再生が完了し、システムコントローラ21は再生処理を終える。
以上の処理からわかるように本例のホログラムリーダ20では、ユーザーにホログラムリーダ20Aの持ち方の変更を促し、ユーザーがそれに従って手動スキャンの途中で持ち替えを行うことで、1つの参照光光源7を有するのみで、第1面3A、第2面3Bに角度多重記録されたホログラムメモリ3からデータ再生を行うことができる。
これにより、ホログラムリーダとしてのさらなる構成の簡略化を実現できる。
なお、このようにユーザーが手動スキャン時に持つ方向を変更する場合、ステップF203の画像処理で、付加的な処理が必要となる。
例えば図17(a)の状態で第1面3Aのスキャンを行い、図17(b)の状態で第2面3Bのスキャンを行うとすると、イメージャ5で検出される再生像が、第1面3Aの要素ホログラムhAの場合と第2面3Bの要素ホログラムhBの場合で上下逆になる。
従って、例えば第2面3Bをスキャンしているときは、ステップF203で、要素ホログラムhBの再生像光の検出画像について上下反転処理を行う必要がある。
但し、ホログラムメモリ3の生成時において、第2面3Bの要素ホログラムhBの記録時にあらかじめ二次元ページデータを反転させるようにすれば、上記上下反転処理は不要である。
さらには記録時に、二次元ページデータを上下回転対称の状態に形成するようにしても、上記の上下反転処理は不要となる。
なお、以上の実施の形態のホログラムリーダ20Aにおいては、本発明の請求項4、請求項5の再生装置の構成要件に、以下の部位又は処理機能が対応する。
参照光照射手段:参照光光源7及び発光駆動回路30。
告知手段:表示部34、システムコントローラ21の表示制御機能(ステップF212)。
データ読出手段:コリメータレンズ4、イメージャ5、ホログラムスキャン制御部22、ホログラム画像処理部27、信号処理部28。
記憶手段:DRAM24。
読出データ格納制御手段:メモリコントローラ23、システムコントローラ21のDRAM24の制御機能(ステップF205,F207)。
再生データ生成手段:メモリコントローラ23、システムコントローラ21のデータ再構築機能(ステップF214)。
また本発明の再生方法の構成要件は、以下のように対応する。
第1のデータ読出ステップ:ステップF212のメッセージ表示を行う前におけるステップF201〜F204。
第1の判断ステップ:ステップF212のメッセージ表示を行う前におけるステップF205。
第1の読出データ格納制御ステップ:ステップF212のメッセージ表示を行う前におけるステップF207。
第2のデータ読出ステップ:ステップF212のメッセージ表示後におけるステップF202〜F204。
第2の判断ステップ:ステップF212のメッセージ表示後におけるステップF205。
第2の読出データ格納制御ステップ:ステップF212のメッセージ表示後のステップF207。
再生データ生成ステップ:ステップF214。
[6.変形例]

以上実施の形態を説明してきたが、本発明としての変形例は多様に考えられる。
実施の形態では第1面3A、第2面3Bとして2つの面に要素ホログラムを角度多重記録したホログラムメモリ3を例に挙げたが、さらに異なる参照光角度により第3面、第4面等、より多数の面が多重記録されたホログラムメモリに対応する再生装置も実現できる。その場合、図6の参照光光源の数を面数に応じて用意し、スキャンする面毎に切り替えるようにすればよい。
また、図15のように1つの参照光光源7を有する場合においても、ホログラムリーダ20Aをユーザーに4方向に持ち替えさせることを想定すれば、第4面まで多重記録したホログラムメモリを用いたシステムを構築できる。
また、図6のように参照光光源を複数備え、これを切り換えて各面の要素ホログラムの読み出しを行う場合において、図7の処理としては、例えば第1面3Aの読取を完了した時点で参照光光源7Aをオフとし、参照光光源7Bをオンとするように切換を行うようにしたが、参照光光源の切換タイミングとしては、多様な例が考えられる。
例えば0.1秒、0.5秒、1秒などの所定の短い期間毎に、参照光光源7A、7Bを順次切り換えながら発光させていくような切り換え方式も適切である。例えばユーザーの手動スキャンの過程における一振り、例えば左右の一振りにおいては、そのスキャン軌跡の往路と復路がほぼ同一となるようなことも考えられる。短い期間毎に参照光光源7A、7Bを切り換えていけば、この往路と復路で、第1面3A、第2面3Bにおいて平面上には略同一位置となる要素ホログラムhA、hBを読み取ることのできる可能性も高くなり、スキャンの効率化を期待できる。
また、例えば3秒程度などの間隔で参照光光源7A、7Bを切り換えるようにしてもよい。さらには、DRAM24に格納されたデータDTa、DTbの量、割合などに応じて参照光光源7A、7Bを切り換えるようにしてもよい。
いずれにしても、最終的にDRAM24に、再生データ構築可能な所定量のデータが格納される状態になるようにすればよく、例えば第1面3A、第2面3Bの読取順序や読取期間の設定、つまり参照光光源7A、7Bの切り換え制御のタイミングは多様に考えられる。
また、ホログラムリーダ20,20Aにおいて表示部34に加えて、或いは表示部34を設けずに、音声合成部及びスピーカを設けるようにし、各種音声出力を実行できるようにすることも考えられる。
例えば図18のステップF212で、持ち替えのメッセージを表示するとともに、そのメッセージ音声を出力することで、ユーザーは持ち替えのタイミングを認識しやすくなり、使用上、好適である。或いはステップF212でメッセージ表示を行う際に、電子音やメロディ音、効果音等を出力してユーザーに注意を促し、持ち替えタイミングに気づきやすいようにすることもできる。
もちろんメッセージ表示を行わずに、音声メッセージでユーザーに持ち替えを告知するのみでもよい。
また上記各例では、手動スキャン中に読出状況表示を行うようにしているが、読出状況表示としては図5のような進捗状況バー40に代えて、円形などの他の形状のイメージで進捗状況を表示しても良いし、数字でパーセンテージを表示するのみでも良い。また液晶ディスプレイではなく複数のLEDを用いて、順次点灯させることで進捗状況を表現するような表示方式でもよい。
また、ホログラムリーダ20の本体の表示部34だけでなく、或いはそれに代えて、外部インターフェース26で接続された外部機器の表示部に、読出状況の表示を実行させることも考えられる。
さらに音声出力により読出状況をユーザーに提示しても良い。例えば進捗状況に応じて「25%読取完了」「50%読取完了」などのようなメッセージ音声を出力することが考えられる。
なお、実施の形態で説明したホログラムメモリ3は密着コピーによる大量複製も容易に可能である。
従って例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータなどをホログラム記録媒体に記録し、これを広く頒布するとともに、一般ユーザーが再生装置(ホログラムリーダ20)を用いて、ホログラムメモリ3に記録されたデータを取得できるようにするシステムなどを想定した場合、非常に好適なものとすることができる。
本発明の実施の形態のホログラムメモリの記録再生原理の説明図である。 実施の形態のホログラムメモリの角度多重記録の説明図である。 実施の形態の角度多重記録されたホログラムメモリの説明図である。 実施の形態のホログラムメモリに対する再生動作の説明図である。 実施の形態のホログラムメモリに対する手動スキャンの説明図である。 実施の形態のホログラムリーダのブロック図である。 実施の形態のホログラムリーダの再生処理のフローチャートである。 実施の形態の読取進捗状況表示の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを記録したホログラムメモリの例の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを記録したホログラムメモリの例の説明図である。 要素ホログラムの配置とクロストークの関係の説明図である。 隣りあう要素ホログラムのイメージャ検出位置の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを密接させて記録したホログラムメモリの例の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを密接させて記録したホログラムメモリの例の説明図である。 実施の形態の他のホログラムリーダのブロック図である。 実施の形態の1つの参照光光源による読取動作の説明図である。 実施の形態の1つの参照光光源による読取の際の手動スキャンの説明図である。 実施の形態の1つの参照光光源で再生を行うホログラムリーダの再生処理のフローチャートである。
符号の説明
3 ホログラムメモリ、4 レンズ、5 イメージャ、7,7A、7B 参照光光源、20,20A ホログラムリーダ、21 システムコントローラ、22 ホログラムスキャン制御部、23 メモリコントローラ、24 DRAM、27 ホログラム画像処理部、28 信号処理部、30 発光駆動回路、34 表示部、40 進捗状況バー表示

Claims (7)

  1. 画像化されたデータの物体光と第1の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第1の要素ホログラムと、画像化されたデータの物体光と第2の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第2の要素ホログラムとが記録されたホログラム記録媒体からデータを再生する再生装置として、
    上記ホログラム記録媒体に再生用参照光を照射する参照光照射手段と、
    上記参照光照射手段による再生用参照光の照射角度を第1の角度、第2の角度に切り換える参照光照射角度制御手段と、
    上記参照光照射手段から上記第1の角度の再生用参照光が照射されたときに、ホログラム記録媒体の上記第1の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第1の要素ホログラムの読出データを得、また上記参照光照射手段から上記第2の角度の再生用参照光が照射されたときに、ホログラム記録媒体の上記第2の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第2の要素ホログラムの読出データを得るデータ読出手段と、
    上記読出データが記憶される記憶手段と、
    上記データ読出手段にて得られた読出データが上記記憶手段に未記憶と判断される場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶されるように制御する読出データ格納制御手段と、
    所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成手段と、
    を備えることを特徴とする再生装置。
  2. 使用者が再生装置を移動させ、ホログラム記録媒体に対する相対位置を変位させたときに、上記参照光照射手段からの再生用参照光が、上記ホログラム記録媒体上の各要素ホログラムに照射されていくとともに、
    記録時の記録用参照光と同じ角度の状態で再生用参照光が照射された要素ホログラムの読出データが上記データ読出手段により得られることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  3. 上記参照光照射手段は、上記ホログラム記録媒体に上記第1の角度で再生用参照光を照射する第1の光源と、上記ホログラム記録媒体に上記第2の角度で再生用参照光を照射する第2の光源を備えると共に、
    上記参照光照射角度制御手段は、上記第1の光源又は上記第2の光源を選択的に駆動させることで、上記参照光照射手段による再生用参照光の照射角度を上記第1の角度と上記第2の角度とで切り換えることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  4. 上記参照光照射角度制御手段は、上記第1の光源と上記第2の光源のうちの1つの光源を駆動させている状態で、その光源からの再生用参照光に対応する要素ホログラムについての必要量の読出データが上記記憶手段に記憶されたら、駆動する光源を他の光源に切り換えるように制御することを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
  5. 画像化されたデータの物体光と第1の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第1の要素ホログラムと、画像化されたデータの物体光と第2の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第2の要素ホログラムとが記録されたホログラム記録媒体からデータを再生する再生装置として、
    1つの光源を有し、上記ホログラム記録媒体に上記光源からの再生用参照光を照射する参照光照射手段と、
    上記参照光照射手段からの再生用参照光の上記ホログラム記録媒体に対する照射角度の変更を使用者に求める告知を行う告知手段と、
    上記参照光照射手段から第1の角度の状態で再生用参照光が照射されたときに、ホログラム記録媒体の上記第1の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第1の要素ホログラムの読出データを得、また上記参照光照射手段から第2の角度の状態で再生用参照光が照射されたときに、ホログラム記録媒体の上記第2の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第2の要素ホログラムの読出データを得るデータ読出手段と、
    上記読出データが記憶される記憶手段と、
    上記データ読出手段にて得られた読出データが上記記憶手段に未記憶と判断される場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶されるように制御する読出データ格納制御手段と、
    所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成手段と、
    を備えることを特徴とする再生装置。
  6. 使用者が再生装置を移動させ、ホログラム記録媒体に対する相対位置を変位させたときに、上記参照光照射手段からの再生用参照光が、上記ホログラム記録媒体上の各要素ホログラムに照射されていくとともに、
    記録時の記録用参照光と同じ角度の状態で再生用参照光が照射された要素ホログラムの読出データが上記データ読出手段により得られることを特徴とする請求項5に記載の再生装置。
  7. 画像化されたデータの物体光と第1の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第1の要素ホログラムと、画像化されたデータの物体光と第2の角度で照射される記録用参照光とを用いて形成された第2の要素ホログラムとが記録されたホログラム記録媒体からデータを再生する再生方法として、
    上記ホログラム記録媒体に第1の角度で再生用参照光を照射し、ホログラム記録媒体の上記第1の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第1の要素ホログラムの読出データを得る第1のデータ読出ステップと、
    上記第1のデータ読出ステップで得られた読出データが記憶手段に記憶されているか否かを判断する第1の判断ステップと、
    上記第1の判断ステップで、上記第1のデータ読出ステップで得られた読出データが上記記憶手段に記憶されてないと判断された場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶する第1の読出データ格納制御ステップと、
    上記ホログラム記録媒体に第2の角度で再生用参照光を照射し、ホログラム記録媒体の上記第2の要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記第2の要素ホログラムの読出データを得る第2のデータ読出ステップと、
    上記第2のデータ読出ステップで得られた読出データが記憶手段に記憶されているか否かを判断する第2の判断ステップと、
    上記第2の判断ステップで、上記第2のデータ読出ステップで得られた読出データが上記記憶手段に記憶されてないと判断された場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶する第2の読出データ格納制御ステップと、
    所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成ステップと、
    を備えたことを特徴とする再生方法。
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