JP2007052894A - 再生装置、再生方法、ホログラム記録媒体 - Google Patents

再生装置、再生方法、ホログラム記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で安定にデータ読出が可能、かつ使用性の良好な再生装置の実現。
【解決手段】再生装置にはスキャン機構を設けず、ユーザーが再生装置を持ってホログラム記録媒体上を移動させることで、各要素ホログラムを読み取っていく手動スキャン方式を採用する。そして再生装置は、各要素ホログラムからの読出データについて、まだ記憶されていない読出データを記憶手段に記憶していく。そして記憶手段に所定量の要素ホログラムの読出データが揃った時点で再生データを再構築して生成する。このようなデータ読出動作の際に、データ読出状況、例えば進捗状況やデータ読出位置の位置提示画像(読取マップ表示)を表示させ、ユーザーが読出状況を把握できるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明はデータに応じた画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によってデータを記録するホログラム記録媒体と、その再生装置、再生方法に関するものである。
特許第3596174号公報 特許第3498878号公報 特開2001−183108号公報
物体光と参照光の干渉縞によって各種データを記録するホログラム記録媒体が知られている。そしてホログラム記録媒体は、記録密度を飛躍的に向上させ、著しい大容量化が可能であることも知られており、例えばコンピュータデータや、オーディオやビデオ等のAV(Audio-Visual)コンテンツデータなどに対する大容量のストレージメディアとして有用であると考えられている。
ホログラム記録媒体にデータを記録する際には、データを二次元ページデータとして画像化する。そして液晶パネル等に画像化したデータを表示させ、その液晶パネルを透過した光を物体光、つまり二次元ページデータの像となる物体光をホログラム記録媒体に照射する。加えて、所定の角度から参照光をホログラム記録媒体に照射する。このとき物体光と参照光によって生ずる干渉縞が、ドット状や短冊状などの1つの要素ホログラムとして記録されることになる。つまり1つの要素ホログラムは、1つの二次元ページデータを記録したものとなる。
ところで、例えばシート状等のホログラムメモリを考え、コンピュータデータやAVコンテンツデータなどを記録し、一般ユーザーがホログラムリーダとしての再生装置を用いて、ホログラムメモリに記録されたデータを取得できるようにするシステムを考える。
シート状のホログラムメモリとは、メディア表面としての平面上に多数の要素ホログラムを敷き詰めるように記録するものであり、このメディア表面に対してホログラムリーダを対向させて、各要素ホログラムとして記録されたデータを読み取っていくようにするものである。
このようなシステムを考えた場合、その使用形態やシステム形態に応じて次のような点を考慮することが必要となる。
・ホログラムリーダのユーザーへの安価な提供及びそのための簡易な装置構成。
・ホログラムリーダの安定したデータ再生性能。
・ホログラムリーダによる読取の際の使用性の向上。
本発明では、これらの観点を考慮しつつ、例えばユーザーがホログラム記録媒体からデータ取得できるシステムにおいて好適な再生装置、再生方法、及びホログラム記録媒体を実現することを目的とする。
本発明の再生装置は、画像化したデータの物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記データが要素ホログラムとして記録されたホログラム記録媒体からデータを再生する再生装置である。そして、上記ホログラム記録媒体に再生用参照光を照射する参照光照射手段と、上記再生用参照光が照射されたホログラム記録媒体の上記要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記要素ホログラムの読出データを得るデータ読出手段と、上記読出データが記憶される記憶手段と、上記データ読出手段にて得られた読出データが上記記憶手段に未記憶と判断される場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶されるように制御する読出データ格納制御手段と、上記ホログラム記録媒体からのデータ読出状況を判別し、判別したデータ読出状況を提示させる提示制御手段と、所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成手段とを備える。
また、使用者が再生装置を移動させ、ホログラム記録媒体に対する相対位置を変位させることにより、上記参照光照射手段からの再生用参照光が、上記ホログラム記録媒体上の各要素ホログラムに照射されていくとともに、再生用参照光が照射された要素ホログラムの読出データが上記データ読出手段により得られるものとする。
また上記提示制御手段は、上記ホログラム記録媒体からのデータ読出状況を示す表示を実行させる。或いはデータ読出状況を知らせる音声出力を実行させる。
また上記提示制御手段は、上記ホログラム記録媒体から読み出すデータ量に対して、上記記憶手段への記憶を完了した読出データ量の割合を、データ読出状況として算出して提示させる。
また上記提示制御手段は、上記記憶手段への記憶を完了した読出データに対応する要素ホログラムのホログラム記録媒体上の位置を判別し、上記位置を示す位置提示画像をデータ読出状況として表示させる。特には、上記ホログラム記録媒体には、要素ホログラムとして記録された各データについて、それぞれのデータが記録された要素ホログラムのホログラム記録媒体上の位置を示すマップ情報が記録されたマップ情報格納要素ホログラムが記録されており、上記提示制御手段は、上記データ読出手段によって上記マップ情報格納要素ホログラムから読み出された上記マップ情報を用いて、上記記憶手段への記憶を完了した読出データに対応する要素ホログラムのホログラム記録媒体上の位置を判別する。
また上記提示制御手段は、さらに、上記ホログラム記録媒体に対するスキャン位置を提示させる。
本発明の再生方法は、画像化したデータの物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記データが要素ホログラムとして記録されたホログラム記録媒体に対する再生方法として、上記ホログラム記録媒体に再生用参照光を照射し、上記再生用参照光が照射されたホログラム記録媒体の上記要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記要素ホログラムの読出データを得るデータ読出ステップと、上記データ読出ステップで得られた読出データが記憶手段に記憶されているか否かを判断する判断ステップと、上記判断ステップで、読出データが上記記憶手段に記憶されてないと判断された場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶する読出データ格納制御ステップと、上記ホログラム記録媒体からのデータ読出状況を判別し、判別したデータ読出状況を提示させる提示制御ステップと、所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成ステップとを備える。
本発明のホログラム記録媒体は、画像化したデータの物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記データを要素ホログラムとして記録するホログラム記録媒体であって、主データを記録した通常要素ホログラムと、上記通常要素ホログラムとして記録された各主データについて、それぞれの主データが記録された通常要素ホログラムのホログラム記録媒体上の位置を示すマップ情報を記録したマップ情報格納要素ホログラムとが記録されている。
また上記マップ情報格納要素ホログラムは、ホログラム記録媒体上の要素ホログラム配列上で、行方向、列方向、或いは斜め方向に連続されて、要素ホログラム配列の一端から他端に達するように複数配置されている。
記録するデータを2次元ページデータとして画像化し、1つの要素ホログラムとして記録したホログラム記録媒体に対して、再生装置で各要素ホログラムを読み出していき、再生データを得るようにすることで、例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータを提供できる比較的大容量なストレージメディアシステムを実現できる。
ここで再生装置、再生方法としては、ホログラム記録媒体上の各要素ホログラムからの読出データについては、記憶手段にまだ記憶されていない読出データが得られたときに、記憶手段に記憶する。既に記憶されている読出データが得られた場合は、例えばその読出データを破棄するなどして記憶しない。そして記憶手段に所定量の読出データが揃った時点で再生データを再構築して生成する。
このことは、各要素ホログラムの読み出し順序を規定しないことと、或る要素ホログラムの読出データが重複して読み出されることを許容することになり、換言すれば、各要素ホログラムに対する読み出しスキャンの自由度を高め、またホログラム記録媒体上での要素ホログラムの形成方式にも自由度を高めることになる。
そしてこれは、再生装置にスキャン機構を設けず、ユーザーが再生装置を持ってホログラム記録媒体上を移動させることで、各要素ホログラムを読み取っていくような再生方式にも好適となる。
このとき、スキャンによる各要素ホログラムからのデータ読出状況を表示させ、ユーザーに提示できるようにする。例えば表示或いは音声出力でユーザーに提示する。
なお、上記の所定量とは、再生データ再構築のために必要なデータを取得できた状態とするという意味での所定量であり、必ずしもホログラム記録媒体上の全部の要素ホログラムを読み出すこととをいうものではない。もちろんホログラム記録媒体上の全部の要素ホログラムを読み出せば、再生データ構築のために必要な所定量の要素ホログラムの読出データが得られたと言えるが、例えば同一内容のデータが複数の要素ホログラムで記録されている場合など、全ての要素ホログラムの読出を行わなくても、再生データ構築のために必要な所定量の読出データが得られた状態となる場合もある。
本発明によれば、再生装置側はホログラム記録媒体の各要素ホログラムの読み出しを行うための精密なスキャン機構を設ける必要がない。特に言えば、ユーザーが再生装置をホログラム記録媒体に対向させて移動させるようにすれば(例えば左右に振るなど)、スキャン機構は不要となる。例えば参照光照射手段を機械的に移動させたり、或いは再生像検出のためのレンズ系を移動させるなどの機械的なスキャン機構は不要である。
これにより再生装置の構成を大幅に簡略化し、小型で低価格な装置としてユーザーに提供できる。
また、ユーザーは任意に再生装置を移動させてホログラム記録媒体の読取を行う場合、各要素ホログラムの読み出しは確率的に行われるものとなるが、得られた読出データを記憶手段に記憶していき、所定量の読出データが揃った時点で再生データを再構築して生成する処理を行うことで、再生データを適切に得ることができる。
また例えばユーザーによる手動のスキャンにより、各要素ホログラムの読み出しが確率的に行われることを考えた場合、提示制御手段の処理によりデータ読出状況、つまりデータ読出の進捗状況や、読出済のデータに対応する要素ホログラムの位置提示画像等をユーザーが確認できることが非常に好適となる。これによりユーザーはどれくらいスキャンを行えばよいかが把握できたり、効率の良いスキャン位置を狙うことができるためである。
これによってユーザーの使用性は大幅に向上する。
また、読出済のデータに対応する要素ホログラムの位置提示画像を表示させるには、ホログラム記録媒体に、主データが記録された通常要素ホログラムのホログラム記録媒体上の位置を示すマップ情報を記録しておき、これを読み出すようにすることが適切となる。
またこの場合、マップ情報を記録したマップ情報格納要素ホログラムは、ホログラム記録媒体上の要素ホログラム配列上で、行方向、列方向、或いは斜め方向に連続されて、要素ホログラム配列の一端から他端に達するように複数配置されていれば、最初のスキャンでマップ情報を読み込める可能性が大きく、位置提示画像の表示制御に好適となる。
そして以上のことから本発明によれば、再生装置の簡易で低コストな装置構成、安定したデータ再生性能、使用性の向上という効果を得ることができ、例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータなどをホログラム記録媒体に記録し、これを広く頒布するとともに、一般ユーザーが再生装置を用いて、ホログラム記録媒体に記録されたデータを取得できるようにするシステムなどを想定した場合、非常に好適なものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
[1.ホログラムメモリの記録再生]
[2.再生装置の構成]
[3.ホログラムメモリからのデータ再生及び読出状況表示処理]
[4.要素ホログラムの配置構成]
[5.マップ情報を用いた読出状況表示処理]
[6.スキャン位置の表示処理]
[7.音声による読出状況提示]
[8.変形例]
[1.ホログラムメモリの記録再生]

まず実施の形態におけるホログラムメモリ3の基本的な記録再生動作について図1で説明する。
図1(a)はホログラムメモリ3に対するデータ記録の様子を示している。
記録時には、記録光学系として液晶パネル1、集光レンズ2の他、図示しない光源や所要の光学系素子が配置される。また記録用の参照光(以下、記録参照光L3と言う)が、所定の角度状態でホログラムメモリ3に照射されるようにしている。
例えばコンテンツデータ等としての記録データをホログラムメモリ3に記録する場合、その記録データを図1(c)のように、1つの二次元ページデータとする単位としての所定バイト毎のデータブロックBLKに分割する。そして各データブロックBLKのデータDTを、それぞれ1つの二次元ページデータにエンコードする。なお、各データブロックBLKのデータDTには、そのエンコードの際に、データブロック番号等のデータブロックBLKを識別するアドレス情報や、データブロック(データDT)のデータサイズ、記録データ全体のデータ名称、データサイズ、分割したデータブロック数、データ属性(データ種類や変調方式、圧縮方式等)などの情報がヘッダ情報として付加される。つまり各データDTは、それぞれ上記ヘッダ情報を付加した上で二次元ページデータに変換される。
そして図1(a)に示すように、二次元バーコード状の画像データに変換されたデータDTは、液晶パネル1において二次元ページデータ画像として表示される。
所定の光源から出力され、例えば平行光とされたレーザ光L1は、二次元ページデータ画像が表示された液晶パネル1を通過することで、その二次元ページデータ画像の像としての物体光L2となる。
この物体光L2は、集光レンズ2で集光され、ホログラムメモリ3上にスポットとして集光される。
このとき、ホログラムメモリ3に対しては、所定角度で記録参照光L3が照射されている。これにより物体光L2と参照光L3が干渉し、その干渉縞がドット状の要素ホログラムとして記録されることになる。
なお、このように集光レンズ2を用いる場合、要素ホログラムとして記録されるデータは、集光レンズ2のフーリエ変換作用により、記録データの像のフーリエ像となる。
このようにしてホログラムメモリ3に1つの要素ホログラムが記録されるが、図1(c)の記録データを構成する各データブロックBLKの記録データDTについて、同様に二次元ページデータに変換し、それぞれ要素ホログラムとして記録していく。
各要素ホログラムの記録の際には、図示しない移送機構により、ホログラムメモリ3(ホログラム材料)の位置を移送させ(もしくは記録光学系を移送させ)、要素ホログラムの記録位置をホログラムメモリ3の平面上で僅かにずらせていく。これにより、例えばシート状のホログラムメモリ3に、その平面方向に多数の要素ホログラムが配置されるように記録が行われていくことになる。
以上のように要素ホログラムが記録されたホログラムメモリ3に対しては図1(b)のように再生が行われる。図1(b)に示すコリメータレンズ4及びイメージャ5は、ホログラムリーダとしての後述する再生装置内に設けられる構成である。
ホログラムメモリ3に対しては、記録時の記録参照光L3と同じ照射角度で、再生用の参照光(以下、再生参照光L4と言う)を照射する。再生参照光L4を照射すると、要素ホログラムとして記録された再生像が得られる。つまり二次元ページデータの像が、記録時の液晶パネル1と共役な場所に現れる。これをイメージャ5で読み取ればよい。
即ちホログラムメモリ3からの再生像光L5はコリメータレンズ4で平行光とされ、例えばCCD撮像素子アレイ、もしくはCMOS撮像素子アレイなどで形成されたイメージャ5に入射する。ホログラムメモリ3上でのフーリエ像は、コリメータレンズ4で逆フーリエ変換されて二次元ページデータの像となるため、この二次元ページデータ画像としての再生像がイメージャ5で読み取られる。
イメージャ5は再生像に応じた電気信号としての再生像信号を発生させる。この再生像信号についてデコード処理を行うことで、元々のデータ、つまり記録のために二次元ページデータに変換する前のデータDTが得られることになる。
[2.再生装置の構成]

実施の形態の再生装置としてのホログラムリーダ20について説明する。まず図2で本例のホログラムリーダ20を使用した、ホログラムメモリ3に対するデータ読出スキャン動作を述べる。
図2には一例として、オーディオコンテンツなどのデータが記録されたホログラムメモリ3が、ポスターPT等に貼付されている状態を示している。
実施の形態のホログラムリーダ20は、ユーザーが手に持てる程度に小型軽量の機器とされている。このホログラムリーダ20の筐体上の一面には、上述した再生参照光L4を出力する光源や、ホログラムメモリ3からの再生像光を取り込むためのレンズ系などが形成されている。
ユーザーは図のようにホログラムリーダ20を持って、その筐体の一面側がホログラムメモリ3に対向するようにした状態で近接させ、ホログラムリーダ20を任意の方向に振るようにする。このとき、再生参照光L4が所定角度で照射された要素ホログラムの再生像がホログラムリーダ20によって読み取られていく。
なお、図2(a)にはホログラムリーダ20をホログラムメモリ3から離した状態でユーザーが左右に振るような様子を示しているが、ホログラムリーダ20の筐体の一部をホログラムメモリ3の表面上に接触させた状態で上下左右に振る、つまり摺動させるようなスキャン方式も想定される。
図2(b)は、多数の要素ホログラムh1〜h24が記録されたホログラムメモリ3を模式的に示しているが、ユーザーは任意に、例えば左右にホログラムリーダ20を振ることで、ホログラムメモリ3に対する読出スキャンの軌跡(再生参照光L4のスポットの軌跡)は破線で示すようになる。
実際にユーザーがどのようにホログラムリーダ20を移動させるかは全く不定であるため、再生参照光L4のスポットは、全く不規則かつ不安定に、ホログラムメモリ3上の要素ホログラムに照射される。この状態で、再生参照光L4のスポットが照射された要素ホログラムの再生像がホログラムリーダ20に読み取られていくことになる。つまり各要素ホログラムh1〜h24は、それぞれ、確率的に読み出しが行われる。
例えば要素ホログラムh1は、図1の説明からわかるように、元々の記録データを構成する或るデータブロックBLKのデータDTが記録されたものである。要素ホログラムh2〜h24も、それぞれが、或るデータブロックBLKのデータDTが記録されている。例えば要素ホログラムh1〜h24で、24個のデータブロックBLKにわけられたコンテンツデータが記録されていると仮定する。
ユーザーがホログラムメモリ3の前でホログラムリーダ20を上下左右に振ることを続けると、それぞれの要素ホログラムh1〜h24が、少なくとも一度は読み取れた状態に到達することができる。ホログラムリーダ20内部では、順不同に読み出されてくる各要素ホログラムh1〜h24からの読み出しデータを記憶しておく。そして全ての要素ホログラムh1〜h24のデータが読み出せた時点で、その要素ホログラムh1〜h24の読出データを再構築すれば、元々のコンテンツデータを生成することができる。つまりホログラムメモリ3からデータを再生することができる。
このようにユーザーがホログラムリーダ20をホログラムメモリ3に対向させて上下左右に振ることで、ホログラムメモリ3とホログラムリーダ20の相対位置を変位させ、それによって各要素ホログラムからの読出データを得るスキャン方式(以下、手動スキャンという)を行うホログラムリーダ20の構成を図3で説明する。
図3においてシステムコントローラ21は、例えばマイクロコンピュータにより形成され、ホログラムメモリ3からのデータ読取のための動作を実行するために各部を制御する。
またシステムコントローラ21は操作部33の操作情報を監視し、ユーザーの操作に応じて必要な制御を行う。
またシステムコントローラ21は、表示部34を制御してユーザーに提示する各種の情報の表示を実行させる。
表示部34は、例えばホログラムリーダ20の筐体上に設けられる液晶ディスプレイとその駆動回路で構成され、システムコントローラ21の表示制御に基づいて、動作状態や読出状況の表示を行う。例えば読出状況の表示としては、上記手動スキャンを行っている際に、コンテンツデータ等の記録データのうちの何パーセントの読込が完了しているかを示す進捗状況表示や、読み出したデータについての要素ホログラムの位置を示すような位置提示画像の表示を行う。
ホログラムメモリ3からのデータ読取のために、コリメータレンズ4、イメージャ5,及び参照光光源7を備える。
参照光光源7は、図1に示した記録時の記録参照光L3と同じ角度でホログラムメモリ3に対して再生参照光L4を照射するようにホログラムリーダ20の筐体上に配置されている。つまり再生像光L5を取り込むコリメータレンズ4の位置との相対位置関係が規定される。
例えばLED(Light Emitting Diode)或いは半導体レーザによる参照光光源7は、発光駆動回路30によって発光される。発光駆動回路30は、当該ホログラムリーダ20によってホログラムメモリ3の再生を行う場合に、システムコントローラ21の指示によって参照光光源7を発光駆動する。
コリメータレンズ4はホログラムメモリ3からの再生像光をイメージャ5に導く。イメージャ5は、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の固体撮像素子アレイによって構成され、コリメータレンズ4を介して入射した再生像の光を受光し、電気信号としての再生像信号を出力する。
ホログラムスキャン制御部22は、イメージャ5の動作を制御すると共に、イメージ5によって得られる再生像信号の処理を行う。
即ちホログラムスキャン制御部22は、イメージャ5に対して転送タイミング信号、転送アドレス信号等を供給して、いわゆる撮像動作により固体撮像素子アレイで得られる再生像信号を順次転送出力させる。そしてイメージャ5から転送されたきた再生像信号について、サンプリング処理、AGC処理、A/D変換処理等を施して出力する。
ホログラムスキャン制御部22から出力されるデジタルデータ化された再生像信号は、メモリコントローラ23の制御によってDRAM24に蓄積される。
メモリコントローラ23は、DRAM24、フラッシュメモリ25に格納するデータについての各部の転送制御や、書込/読出制御を行う。
DRAM(Dynamic Random Access Memory)24に蓄積された再生像信号に関する信号処理系として、ホログラム画像処理部27,信号処理部28が設けられる。
またホログラム画像処理部27や信号処理部28と、処理結果や処理に必要な情報についてのシステムコントローラ21とのやりとりを行うためにSRAM(Static Random Access Memory)29が用いられる。
また、フラッシュメモリ25には、例えば上記各部での信号処理に必要な設定値、係数、その他の各種制御パラメータ等が記憶される。
なお、後述するように信号処理部28でデコードされたデータは、DRAM24に格納されるものとして説明するが、信号処理部28でデコードされたデータについてはフラッシュメモリ25に格納するようにしてもよい。
ホログラム画像処理部27は、再生像信号について、光学的な原因によるデータ値の変動である光学歪み補正や、明るさ調整、画像位置ズレ補正、画像回転ズレ補正を行う。またイメージャ5によっては階調のある撮像データとして再生像信号が得られるが、これを白黒の二値に変換する二値化処理も行う。ホログラムメモリ3から読み取るべきデータは、元々の記録データを白黒の二値のデータとして二次元ページデータ化されたものであるからである。
信号処理部28は、二次元の画像パターンとして二値化された再生像信号、つまり1つの要素ホログラムから得られたデータについて、デコード処理やエラー訂正処理を行い、元のデータDTを得る。即ち、1枚の二次元画像としての再生像信号から、図1(c)に示したような1つのデータブロックBLKとしてのデータ列を生成する。
信号処理部28は、デコードした1つのデータブロックBLKのデータDTを、メモリコントローラ23に受け渡す。メモリコントローラ23は、デコードしたデータDTをDRAM24に格納させる。或いは後述するが、既にDRAM24に同一のデータブロックのデータ(つまりデータ内容が同一のデータ)が存在する場合は、メモリコントローラ23はデコードされたデータDTを破棄する。
信号処理部28でデコードされたデータDTがDRAM24に格納されていくが、スキャンが進むことで、例えば図2の要素ホログラムh1〜h24のそれぞれから読み出されたデータDTがDRAM24に格納された状態となる。メモリコントローラ23は、格納された各データDTを元々のデータブロックBLKとしての所定のアドレス順に並べて再構築し、記録された元のデータ、例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータを生成する。
再構築されて生成されたデータは、外部インターフェース26を介して外部機器100、例えばパーソナルコンピュータや、オーディオプレーヤ或いはビデオプレーヤ等のAV装置、又は携帯電話器等の外部機器に対して、ホログラムメモリ3からの再生データとして転送される。外部インターフェース26は例えばUSBインターフェース等が想定される。もちろん外部インターフェース26はUSB以外の規格のインターフェースでもよい。ユーザーは外部機器側で、ホログラムメモリ3からの再生データを利用できる。例えばパーソナルコンピュータでコンピュータデータを利用したり、AV装置や携帯電話等で、AVコンテンツデータを再生させることができる。
なお図示していないが、所定の記録メディアに対して記録を行うメディアドライブを設け、再生データを、そのメディアドライブにより記録メディアに記録されるようにしてもよい。
記録メディアとしては、例えば光ディスク、光磁気ディスク等が想定される。例えばCD(Compact Disc)方式、DVD(Digital Versatile Disc)方式、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標)方式、ミニディスク(Mini Disc)方式などの各種方式の記録可能型のディスクが記録メディアとして考えられる。これらのディスクが記録メディアとされる場合、メディアドライブは、ディスク種別に対応したエンコード処理、エラー訂正コード処理、或いは圧縮処理等を施して、データをディスクに記録する。
また記録メディアとしてハードディスクも想定され、その場合、メディアドライブは、いわゆるHDD(ハードディスクドライブ)として構成される。
さらに記録メディアは、固体メモリを内蔵した可搬性のメモリカード、或いは内蔵型固体メモリとしても実現でき、その場合メディアドライブは、メモリカード或いは内蔵型固体メモリに対する記録装置部として構成され、必要な信号処理を行ってデータ記録を行う。
さらには、例えば記録メディアに記録したAVコンテンツ等のデータをメディアドライブで再生し、その再生したAVコンテンツ等のデータをデコードして出力する音声再生出力系、映像再生出力系を備えることは当然考えられる。
またメディアドライブで再生したデータを外部インターフェース26を介して外部機器に転送することもできる。
さらに上記のCD、DVD、ブルーレイディスク、ミニディスク、メモリカード等の可搬性の記録メディアに記録した場合は、その記録メディアを外部機器で再生させることで、ユーザーはホログラムメモリ3から読み出した再生データを利用できる。
[3.ホログラムメモリからのデータ再生及び読出状況表示処理]

このホログラムリーダ20によりホログラムメモリ3からデータ再生を行う際の処理を図4で説明する。図4はデータ再生時においてシステムコントローラ21の制御に基づいて実行される処理を示している。
例えばユーザーは、操作部33から再生開始の操作を行った後、図2のようにホログラムリーダ20をホログラムメモリ3に対向させて任意に移動させることになる。
システムコントローラ21は、操作部33を用いた再生開始の操作を検知したら、ステップF101として、発光駆動回路30に指示を与え、参照光光源7を発光させる。つまり再生参照光L4をホログラムメモリ3に照射できる状態とする。
この状態でユーザーがホログラムリーダ20をホログラムメモリ3に対向させて移動させることで、各要素ホログラムの再生像光L5が順次イメージャ5に検出されることになる。
ステップF102では、イメージャ5及びホログラムスキャン制御部22の動作により、或る要素ホログラムの再生像光L5が取り込まれ、再生像信号としてのデジタルデータが得られる。ホログラムスキャン制御部22から出力される、或る要素ホログラムの再生像信号は、メモリコントローラ23によって一旦DRAM24に格納される。
システムコントローラ21は、ステップF102の動作としての要素ホログラムの再生像信号の取込を確認したら、ステップF103の画像処理、ステップF104のデコード処理を実行させる。
即ちステップF103ではDRAM24に取り込んだ再生像信号をホログラム画像処理部27に転送させ、画像処理として、光学歪み補正、明るさ調整、画像位置ズレ補正、画像回転ズレ補正、二値化を実行させる。
またステップF104では、画像処理を終えた再生像信号を信号処理部28に転送させ、デコード処理を実行させる。
ステップF104で或る1つの要素ホログラムについてのデータDTがデコードされたら、ステップF105では、そのデータDTが、既にDRAM24に格納されているか否かを判断する。例えばデコードしたデータDTに含まれているアドレス、データブロック番号などを確認し、これと同一のアドレス、データブロック番号のデータDTが既にDRAM24に格納されているか否かを確認すればよい。
同じデータDTが既にDRAM24に格納されている場合とは、今回読み込んだ要素ホログラムが、以前に読み込まれていた場合である。ホログラムメモリ3に対しては上述の通りユーザーの手動スキャンによって各要素ホログラムの読み出しが行われるため、同じ要素ホログラムが複数回読み出されることがあるためである。
逆に、今回デコードしたデータDTと同一のデータDTがDRAM24に格納されていない場合とは、或る要素ホログラムから、はじめてのデータDTの読み出しができた場合である。
ステップF105で、デコードしたデータDTが、まだDRAM24に格納していないものであると判断された場合は、ステップF107に進み、当該デコードしたデータDTを、或る1つの要素ホログラムから読み出したデータとしてDRAM24に格納させる。
ステップF108では、データ読出の進捗状況を計算する。
ホログラムメモリ3からのデータ読出の際に、1つの要素ホログラムからは1つのブロックBLKのデータDTが読み出されるが、この読出動作は、元の記録データとしての図1(c)に示した全てのブロックBLKのデータDTが読み出されるまで行われる。つまり元の記録データを構成する全てのデータブロックBLKのデータDTがデコードされ、ステップF107の処理でDRAM24に格納できた時点で、データ読出が100%完了できたことになる。
そしてステップF108での進捗状況の計算とは、その時点で、何パーセントのデータDTをデコードし、DRAM24に格納したかの計算となる。
上述したように、記録時に各要素ホログラムに記録されたデータDTのヘッダ情報においては、記録データ全体(例えばコンテンツデータ全体)のデータサイズや、分割したデータブロック数が記録されている。従って、最初に或る1つの要素ホログラムからのデータDTがデコードできた時点で、システムコントローラ21は読み出すべき全体のデータサイズやデータブロック数を確認できる。
このため、進捗状況の計算は、既にDRAM24に格納したデータDTとしての全体のデータサイズと、再生すべき全体のデータサイズ(元の記録データ全体のサイズ)から進捗状況が何パーセントであるかを求めることができる。
或いは、全体のデータブロック数と、DRAM24に格納したデータDT(つまり1データブロック)の数から、読出の進捗状況が何パーセントであるか求めることができる。
なお、ステップF108で、必要な全ての要素ホログラムの読取が完了すること、つまりデータ読取の進捗状況が100%完了となるのは、以上のように再生データ(=元の記録データ)を構成する全てのデータブロックBLKのデータDTの読み取れたか否かという条件で判断するものであり、ホログラムメモリ3の全ての要素ホログラムの読取を完了したか否かという判断とする必要はない。後述するが、同一のデータ内容を記録した要素ホログラムが複数記録されている場合があるためである。さらには、全てのデータブロックを読み込まなくとも、エラー訂正処理やデータ補間処理で元々の記録データを構築できる場合もあるためである。
ステップF109では、データ再生に必要な所定量のデータ読み取りが完了したか否か、即ち所定量のデータDTがデコードされてDRAM24に格納された状態になっているか否かを判断する。これは、ステップF108で計算した読取の進捗状況が100%となったか否かの判断となる。
要素ホログラムからのデータ読取が100%完了という状態に達していなければ、ステップF110に進み、読取進捗状況を表示部34に表示させる。この場合、ステップF108で計算した読取進捗状況に応じた表示を実行させることになる。
そしてステップF102に戻って、続いて再生像光が読み取られてくる要素ホログラムについての処理を同様に実行していく。
ステップF110の読取進捗状況の表示の例を図5に示す。図5(a)にはホログラムメモリ3上の要素ホログラムを○及び●で示している。また破線でユーザーの手動スキャンの軌跡を示している。
手動スキャンが破線のように行われた場合、●の要素ホログラムが読み取られたことになる。仮に、○又は●で示す49個の要素ホログラムによって、49個のデータブロックBLKに分割された各データDTがホログラムメモリ3に記録されているとすると、図5(a)のように16個の●の要素ホログラムの読取が完了した時点、つまりステップF107で16個目のデータDTがDRAM24に格納された時点で、ステップF108で計算される読取進捗状況は32%となる。
この場合、ステップF110では、例えば図5(b)のように表示部34に、進捗状況バー40を表示させ、32%読込完了という状況をユーザーに提示する。
また、図5(a)の手動スキャンから引き続いて、図5(c)の破線で示すように手動スキャンが行われたとする。この時点までで●で示した読取済の要素ホログラムは87%に達しており、つまり再生すべきデータの87%のデータ読出が完了していることとなる。この場合にはステップF110の処理で、図5(d)のように表示部34における進捗状況バー40及び表示数値が87%読込完了という表示状態になる。
つまり手動スキャンとそれに伴うステップF102〜F108の動作が繰り返し行われていくことに従って、表示部34では進捗状況バー40のパーセンテージ表示が進行していくことになり、ユーザーは、これを見ることで、あとどれくらい手動スキャンを行う必要があるのかを認識できる。
図4のステップF105において、デコードしたデータDTが既にDRAM24に格納されていると判断された場合は、ステップF106に進み、そのデコードデータ、つまり或る要素ホログラムからの読出データを破棄してステップF102に戻る。即ちこれは、同一の要素ホログラムの読み出しが既に行われていた場合である。或いは後述する同一のデータ内容を記録した要素ホログラムが複数ホログラムメモリ3に記録されている場合に、今回読み出した要素ホログラムとは別の要素ホログラムから同一のデータDTが既に読み出されていた場合である。
なお、図4には示していないが、ステップF104でデコードエラーとなる場合がある。例えば或る要素ホログラムの再生像信号が得られた場合でも、スキャン位置が適切ではなかったなどの理由で良好な読取ができず、適正なデコードができなかったような場合は、そのデータは破棄してステップF102にもどればよい。
ここまでの処理が繰り返されていくことにより、ホログラムメモリ3上の要素ホログラムがユーザーの手動スキャンに応じて順不同に読み出され、DRAM24には、図1(c)の各データブロックBLKのデータDTが順不同に蓄積されていく。
ステップF108で、読取進捗状況が100%と計算され、ステップF109でホログラムメモリ3からの所定量のデータ読み出しが完了したと判断されたら、処理はステップF111に進み、表示部34に読取完了表示を行う。つまり進捗状況バー40及び数値を100%完了の状態で表示させる。またこのとき、スキャン完了として、ユーザーに手動スキャンを終わらせるメッセージを表示してもよい。
そしてステップF112では、システムコントローラ21はメモリコントローラ23に指示し、DRAM24に格納された読出データDTを再構築させる。即ち各データブロックBLKのデータを抽出してデータブロック番号順に並べ、再生データを生成する。例えばコンテンツデータとしての再生データを生成する。この再生データは、その後例えば外部インターフェース26から外部機器100に出力される。
以上でホログラムメモリ3からの再生が完了するため、システムコントローラ21はステップF113で発光駆動回路30を制御して参照光光源7をオフとさせ、再生参照光L4の照射を終了させる。以上で再生処理を終える。
以上の処理からわかるように本例のホログラムリーダ20では、ホログラムメモリ3上の各要素ホログラムについて、読み込む順番にこだわらずに、読み取れた要素ホログラムの読出データからDRAM24に格納していく。このとき、表示部34にはスキャン(データ読取)の進捗状況を表示させていく。
そして所定量の要素ホログラムの読み出しが完了した時点で、データを再構築し、元々のコンテンツデータ等のデータ、つまり再生データを生成するものである。
このような処理を行うことで、図2で説明したような手動スキャンによってホログラムメモリ3からのデータ再生が可能となる。
そしてこのことは、参照光光源7やコリメータレンズ4,イメージャ5による再生像光の検出系において、スキャン機構を設ける必要はなくなり、これらは装置内に固定的に配置されればよい。従って、ホログラムリーダ20を簡易な構成とし、低コストで実現できる。
また、各要素ホログラムの読み出しは確率的に行われるものとなるが、得られた読出データをDRAM24に格納し、また同一の読出データが得られた場合はそれを破棄し、必要量の読出データが揃った時点で再生データを再構築して生成する処理を行うことで、再生データを適切に得ることができる。
さらにユーザーにとっては、再生しようとするときに、単にホログラムリーダ20をホログラムメモリ3に対向させて任意に移動させればよく、感覚的に容易であり、困難な操作を要求するものではない。このため使用性も良いものとなる。
さらには進捗状況表示によって、どれくらいスキャンを完了したか、或いはあとどれくらい手動スキャンを続ければよいかが把握できることは、使用性の向上に非常に有効である。例えばやみくもに手動スキャンを続けることは、ユーザーにとっては使用感が悪いものとなるが、ユーザーが進捗状況を把握できることで、このような点は解消される。
そしてこれらのことから、例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータなどをホログラムメモリ3に記録し、これを広く頒布するとともに、一般ユーザーがホログラムリーダ20を用いて、ホログラムメモリ3に記録されたデータを取得できるようにするシステムの実現に好適となる。
なお、以上の実施の形態のホログラムリーダ20においては、本発明の再生装置の請求項の構成要件には、以下の部位又は処理機能が対応する。
参照光照射手段:参照光光源7及び発光駆動回路30。
データ読出手段:コリメータレンズ4、イメージャ5、ホログラムスキャン制御部22、ホログラム画像処理部27、信号処理部28。
記憶手段:DRAM24。
読出データ格納制御手段:メモリコントローラ23、システムコントローラ21のDRAM24の制御機能(ステップF105,F107)。
提示制御手段:システムコントローラ21の表示制御機能(ステップF108,F110)。
再生データ生成手段:メモリコントローラ23、システムコントローラ21のデータ再構築機能(ステップF108,F109)。
また本発明の再生方法の請求項の構成要件は、以下のように対応する。
データ読出ステップ:ステップF101〜F104。
判断ステップ:ステップF105。
読出データ格納制御ステップ:ステップF107。
提示制御ステップ:ステップF108,F110。
再生データ生成ステップ:ステップF108,F109。
再生装置(ホログラムリーダ20)の構成は上記図3の構成に限られない。ホログラムメモリ3から再生したデータの出力形態も多様に考えられる。
またホログラムメモリ3は、それ自体がコンピュータデータやAVコンテンツデータ等の提供媒体として、現在一般に流通しているCD、DVDのようなパッケージメディア形態でユーザーに販売、提供されるものでもよいし、ポスターや書籍などに貼付されたり印刷形成されて、ユーザーがホログラムリーダを用いて、各種データ等を入手できるような形態とされてもよい。
[4.要素ホログラムの配置構成]

ところで、上記のように手動スキャンで再生を行うホログラムリーダ20を用いる場合には、ホログラムメモリ3としてより好適な要素ホログラムの配置構成が考えられる。これについて説明する。
上記図2(b)には模式的な例として、ホログラムメモリ3に要素ホログラムh1〜h24が記録されている状態を示したが、これは例えば元々の記録データを24個のデータブロックBLKに分割し、各データブロックBLKのデータDTを、それぞれ24個の要素ホログラムh1〜h24として記録した状態として述べた。なお、もちろん24個としたのは説明のために簡略化した例にすぎず、より多数の要素ホログラムを記録することが可能である。
例えばこのような場合、図4のステップF109で所定量のデータ読み出しが完了したと判断されるのは、24個の要素ホログラムh1〜h24の全てについてのデータDTの読出が完了した時点となる。
ここで手動スキャンで再生を行うホログラムリーダ20は、各要素ホログラムh1〜h24を確率的に読み出すものであることを考えると、ホログラムメモリ3上の全ての要素ホログラムh1〜h24をまんべんなく取り込むことが困難になる場合があり得る。
つまり手動スキャンはあくまでユーザーの動作であるので、ユーザーが任意にホログラムリーダ20を移動させるときに、なかなかスキャンできない要素ホログラムが生ずることがある。言い換えれば再生参照光L4が照射されない要素ホログラムが生ずることがある。そして例えば要素ホログラムh5の読取がなかなかできないでいると、その要素ホログラムh5に記録されたデータブロックBLKのデータDTが読み込めず、ステップF109で所定量のデータ読み出し完了と判断されない状態が続き、ユーザーがいつまでも手動スキャンを続けなければならないという事態が生ずることがあり得る。
このようなことを考えると、手動スキャンにより再生を行うシステムでは、各データDTの読取確率を上げることが重要となる。
そして各データDTの読取確率を上げるには、ホログラムメモリ3に同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録しておくことが適切となる。
図6に例を示す。
ここではホログラムメモリ3上に、要素ホログラムh1〜h36が記録されているとしている。元々の記録データは、36個のデータブロックBLKに分割し、その各データブロックBLKのデータを、それぞれ要素ホログラムh1〜h36として記録する。要素ホログラムh1〜h36はそれぞれ別のデータブロックBLKのデータDTを記録したもので、読み出されるデータ内容が異なる。
そして図6では、ホログラムメモリ3上に144個の要素ホログラムが記録されている状態を示しているが、これは要素ホログラムh1〜h36がそれぞれ4個づつ記録された状態である。同一符号を付した要素ホログラムは、同一のデータ内容の要素ホログラムである。例えば要素ホログラムh1は、元の記録データの1番目のデータブロックBLKのデータDTを記録したものである。
そして破線部MHとして例えば要素ホログラムh6に注目すると、同一のデータ内容である4つの要素ホログラムh6は、縦横方向にまとめられてそれぞれが正方形頂点位置に配置される。他の要素ホログラムも同様であり、4つがまとめられて配置されている。
このように同一のデータ内容を有する要素ホログラムが複数記録されるようにすると、手動スキャンによって不規則に各要素ホログラムが読み出される場合において、各データの読出の確率が高まることになる。
これによりステップF109で所定量のデータ読出が完了したと判断される状態に早く達することができ、ユーザーが長い時間手動スキャンを続けることをなるべく回避できるようになる。
さらに手動スキャンの場合、スキャン位置がランダムであることに加えて、手ぶれも避けられないが、そのような事情を考慮すると、同一のデータ内容の要素ホログラムをまとめて配置すると、手ぶれ等があっても、まとめられたうちの1つの要素ホログラムに再生参照光L4を照射できる確率が高く、これも各データDTの読取確率を上げ、スキャン時間の短縮につながる。
図7は、要素ホログラムの並ぶ各行及び各列が互い違いにずれながら配置されている例である。
このホログラムメモリ3には、それぞれデータ内容が異なる要素ホログラムh1〜h81が記録されている。そして破線部MHとして例えば2つの要素ホログラムh1を示しているが、このように各要素ホログラムh1〜h81については斜め方向に隣り合う2つの要素ホログラムとして、同一のデータ内容の要素ホログラムが記録されている。
この例も、手ぶれやスキャン軌跡のランダム性に対しても各データDTの読出確率を上げることができる。特には、手動スキャンが左右方向又は上下方向のいずれの方向に行われても、同一のデータ内容の要素ホログラムが2つだけでありながら、図6の例と同等程度の読出確率を得ることができる。
つまりこの例は、同一のデータ内容の要素ホログラムの数を最小限としながら、ホログラムメモリ3としての記憶容量の増大を見込むことができる。
例えば図6,図7のように同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録することで、各データDTの読取確率向上、スキャン時間の短縮に有効であるが、同一のデータ内容の要素ホログラムを何個記録するか、或いは平面上にどのような位置に配置するかは、記録データのサイズ、つまりデータブロックBLKの数や、ホログラムメモリ3に記録可能な要素ホログラムの数に応じて決められればよい。
同一データ内容の各要素ホログラムを図6,図7のように隣接して配置しても良いし、離散的に配置しても良い。
また同一データ内容の各要素ホログラムを規則的に配置してもよいしランダムに配置しても良い。もちろん、ランダムな手動スキャンに対して読取確率を高めるような配置が好適である。
また、図6,図7における破線部MHのような同一データ内容でまとめられた複数の要素ホログラムの固まりを、ホログラムメモリ3上に複数設けることで、さらに各データDTの読出確率を上げることができる。
ここでホログラムメモリ3上の要素ホログラムの間隔について述べる。各要素ホログラムについては、それぞれ以下の点を考慮して離間間隔が設定されている。
各要素ホログラム間の距離を狭めれば狭めるほど記録密度が上がりホログラムメモリ3の記憶容量を上げることができるものの、再生時に再生参照光L4が要素ホログラムより大きい場合には隣接する要素ホログラムからの再生信号も拾ってしまうことになり、クロストークが生じてしまう。
例えば図8(a)に要素ホログラムh1と、その周囲に間隔を詰めて要素ホログラムh2,h3,h4,h5が配置されている状態を示している。そして参照光光源7からの再生参照光L4のスポットSPが、1つの要素ホログラムのサイズより大きな径となっている。
この場合、図のように再生参照光L4のスポットSPが要素ホログラムh1の真上にきたときに、そのスポットSP内に周囲の要素ホログラムh2,h3,h4,h5も入ってしまう。すると、イメージャ5には要素ホログラムh1の再生像光に加えて、要素ホログラムh2,h3,h4,h5のそれぞれの一部の再生像光も検出されてしまうことになり、クロストークが生ずる。当然ながらこのような状態では要素ホログラムh1の再生像信号が劣化した状態となる。つまり各要素ホログラムからのデータDTの再生精度が低下する。
一方、クロストークが問題にならないように各要素ホログラム間距離を十分に離してしまうと、スキャン時に各要素ホログラムの間を通過してしまう場合も生じ、データを読み取ることができなくなる確率が高まる。図9(b)に例を示すが、例えば要素ホログラムh1、h2の間にクロストークが発生しない十分な離間距離をとると、図のように再生参照光L4のスポットSPが要素ホログラムh1、h2の間を抜けるように照射されることもある。当然、手動スキャンの際の各要素ホログラムの読出確率が低下してしまい好ましくない。
そこで各要素ホログラムについては、この図9(a)(b)の中間程度の離間距離を設定することになる。即ちクロストークが多少生じても、データDTのデコードに支障がない程度に、各要素ホログラムの離間距離を設定するものである。
このとき手動スキャンによっては、スポットSPが確実に各要素ホログラムの真上を通過して読めるという保証はない。そこで上述のように、各要素ホログラムに記録してある2次元ページデータ(データDT)の中にデータブロックBLKを示すアドレス情報を埋め込み、ユーザーにホログラムメモリ3全体を複数回、なぞるようにスキャンしてもらう。そしてホログラムリーダ20は、読めた各要素ホログラムのデータDTから順次DRAM24に格納し、必要量の要素ホログラムを読み終えてから、DRAM24上のデータを再構築して再生データを得るシステムとしている。
このように十分にクロストークが小さくなる程度まで各要素ホログラム間の距離を開けると、手動スキャン時に読み取れる確率が減っていくので総スキャン時間が長くなる可能性がある。これに対しては、冗長度が増えることにより総容量は減少してしまうが、上記各例のように同じデータを書いた要素ホログラムを複数記録することにより、各データの読出確率を向上させ、スキャン時間を短縮できるものである。
続いて、スキャン時間の低減やデータ読取性能の点で、より有効な要素ホログラムの配置例を説明する。
上記のように要素ホログラムの離間距離を詰めるとクロストークが生ずるが、その隣接する要素ホログラムが同一のデータ内容のものであれば、同じ像がイメージャ5上に結像するので、像のズレがなければそれはノイズ成分とはならない。つまりクロストークとはならない。
図9でこれを説明する。
図9は、図1で説明したように記録時に用いる液晶パネル1、集光レンズ2と、記録再生されるホログラムメモリ3、及びホログラムリーダ20内のコリメータレンズ4とイメージャ5の関係を模式的に示している。
図9(a)は、要素ホログラムh1の記録再生時の様子を示している。
液晶パネル1には、要素ホログラムh1の記録のための二次元ページデータが表示されている状態として、各LCD画素G1〜G11を示している。このときの液晶パネル1及び集光レンズ2と、ホログラムメモリ3との位置関係を光軸J1で示している。
液晶パネル1の各LCD画素G1〜G11のパターンの物体光L2は集光レンズ2によって要素ホログラムh1の形成位置に照射される。この図では物体光L2をLCD画素G4,G6から見た状態で示しているが、この要素ホログラムh1は、液晶パネル1の各画素G1〜G11の位置情報が、物体光L2としての光線の角度情報に変換されて記録されていることに相当する。
要素ホログラムh1の再生時には、要素ホログラムh1からの再生像光L5が、図のようにイメージャ5の検出画素g1〜g11に検出される。即ち液晶パネル1のLCD画素G1の情報が検出画素g1に検出され、LCD画素G2の情報が検出画素g2に検出され・・・という状態となる。
ここで図9(b)に液晶パネル1及び集光レンズ2と、ホログラムメモリ3との位置関係を光軸J2にシフトした状態を考える。即ち要素ホログラムh1に隣接する要素ホログラムh2を記録する場合である。
この要素ホログラムh2も、液晶パネル1の各画素G1〜G11の位置情報が、物体光L2としての光線の角度情報に変換されて記録されていることに相当する。この要素ホログラムh2に対して要素ホログラムh1の再生時の再生参照光L4が照射されてしまうとする。要素ホログラムh1の再生時において要素ホログラムh2から得られる再生像光L5も、液晶パネル1のLCD画素G1の情報がイメージャ5の検出画素g1に検出され、LCD画素G2の情報が検出画素g2に検出され・・・という状態となる。
図9(a)(b)では、液晶パネル1のLCD画素G4,G6に注目して示しているが、つまり、要素ホログラムh1の再生時に、イメージャ5の検出画素g6に検出される情報は、図9(a)のように要素ホログラムh1についてのLCD画素G6の情報であり、同時に図9(b)のように要素ホログラムh2についてのLCD画素G6の情報である。
同様に、要素ホログラムh1の再生時に、イメージャ5の検出画素g4に検出される情報は、要素ホログラムh1についてのLCD画素G4の情報であり、同時に要素ホログラムh2についてのLCD画素G4の情報である。
つまりは、再生時には同じ角度の光線束はイメージャ5の同じ検出画素上に結像するように配置させているため、隣接する要素ホログラムh1、h2が、異なるデータ内容であると、クロストークが問題となる。
ところが要素ホログラムh1、h2が、同一のデータ内容であれば、イメージャ5の各検出画素g1〜g11には、それぞれ要素ホログラムh1、h2から同じ情報が検出されることになり、クロストークは問題とはならない。
以上のように、同一のデータ内容の要素ホログラムは、クロストークの問題を考慮しなくても良いことを考えると、以下のような配置が考えられることになる。
図10は、同一のデータ内容の複数の要素ホログラムが、密接した状態で位置的にまとめられて記録されるようにした例である。特には、各要素ホログラムが縦方向及び横方向に配列される状態に記録される場合に、同一のデータ内容の複数の要素ホログラムが、縦横方向に密接した状態でまとめられて記録されている。
この図10では、ホログラムメモリ3に、それぞれ異なるデータ内容の要素ホログラムh1〜h49が記録されるが、その要素ホログラムh1〜h49がそれぞれ4個づつ密着状態で記録されている。例えば破線部MHとして示す4つの要素ホログラムh1のように、同一のデータ内容の要素ホログラムが4つづつ密接記録されている。
同一のデータ内容である4つの要素ホログラムh1は、縦横方向にまとめられてそれぞれが正方形頂点位置に配置される。他の要素ホログラムも同様であり、4つがまとめられて配置されている。もちろん密接された4つの要素ホログラムは、同一のデータ内容であるため、クロストークの問題はない。
そしてこのように同一のデータ内容の要素ホログラムを密接状態でまとめて配置することで、手ぶれ等があっても、まとめられた要素ホログラムからデータDTを読み取れる確率は一層高くなる。さらに、その上で、同一のデータ内容の要素ホログラムを密着状態として記録密度を高めることで、ホログラムメモリ3上のスペースを有効に使用し、より多数の要素ホログラムを記録できる。このためホログラムメモリ3の記憶容量の確保、或いは増大という点でも適している。
なお、同一のデータ内容である例えば4つの要素ホログラムが縦横方向に密着してまとめられた固まりがホログラムメモリ3の平面上に複数形成されるようにすれば、さらにスキャン軌跡のランダム性に対しても読出確率を上げることができる。
図11は、縦方向(列方向)に同一のデータ内容の要素ホログラムを密着状態で配置した例である。ホログラムメモリ3には、それぞれデータ内容が異なる要素ホログラムh1〜h12が記録されている。そして各要素ホログラムh1〜h12は、それぞれ多数形成され、縦方向に密着配置されている。例えば要素ホログラムh12について破線部MHとして示すように、同一のデータ内容の要素ホログラムh12が、縦方向に密着した状態で一列の要素ホログラムを成している。
このようにすると、ユーザーがホログラムメモリ3を横切るように手動スキャンさせれば、ほぼ確実に全ての要素ホログラムh1〜h12のデータDTを読み込めることになる。つまり各データブロックBLKのデータDTの読取確率を大幅に向上させ、手動スキャンの時間を短縮できる。
例えばこの図10,図11のように、同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録する場合に、互いを密接状態に記録するようにしてもよい。
もちろん具体的な配置例は、さらに多様に考えられる。実際には、ホログラムメモリ3に記録しようとするデータのサイズとともに読取確率を考慮して決定されればよい。
手動スキャンを用いるため、要素ホログラムの配置は特定の配置に決定することも不要であり、記録するデータ(コンテンツデータ等)によって最適な配置が決められればよい。
そして、以上の各例のように、同一のデータ内容の要素ホログラムが複数設けられる場合でも、図4の処理により再生動作及び進捗状況表示が同様に実行できる。
特にステップF108では、読込進捗状況を、読み出した要素ホログラムの数ではなく、DRAM24に格納したデータDTの数(データブロックBLKの数)と元の記録データのデータブロックBLKの数から算出したり、或いはDRAM24に格納済の全データのサイズと元の記録データの全体のサイズから算出することで、同一のデータ内容の要素ホログラムが何個記録されていても、またどのような配置で記録されていても、進捗状況表示には影響がなく、正しくユーザーに読取進捗状況を提示できる。
[5.マップ情報を用いた読出状況表示処理]

続いて、再生時(手動スキャン時)の読出状況表示として、位置提示画像を表示する例を説明する。位置提示画像とは、例えば図16で後述する読取マップ表示41のように、読取を終えた要素ホログラムのホログラムメモリ3上の位置をイメージ的に示す画像である。
まず、位置提示画像の表示をホログラムリーダ20で行うシステムに好適なホログラムメモリ3について説明する。
図12(a)にホログラムメモリ3上の要素ホログラムについて示しているが、ここでは○はデータDT、即ち記録再生の主たる目的となる主データが記録された通常の要素ホログラム、◎はマップ情報が記録された要素ホログラムを示している。以下、説明上の区別のため、○の要素ホログラムを「通常要素ホログラム」、◎の要素ホログラムを「マップ情報格納要素ホログラム」という。ここでいう通常要素ホログラムは、図1〜図11で説明してきた各例の要素ホログラムと同一の要素ホログラムである。
マップ情報とは、少なくともデータDTとして各データブロックBLKが記録された通常要素ホログラムのホログラムメモリ3上での配置位置を判別することのできるデータであり、読取マップ表示41の処理に用いるデータである。
この場合、図示するようにホログラムメモリ3上に、マップ情報格納要素ホログラムを除いて12行×12列で通常要素ホログラムが配列されるとしたとき、その配列の中央に+字状にマップ情報格納要素ホログラムが記録されるようにしている。各マップ情報格納要素ホログラムは、それぞれが同一内容のマップ情報が記録されている。つまり、ホログラムリーダ20は、少なくとも1つのマップ情報格納要素ホログラムを読み取れば、そのホログラムメモリ3についてのマップ情報を得ることができる。
そして+字状にマップ情報格納要素ホログラムを配置するのは、手動スキャン開始後に早い時点で確実にマップ情報を取り込めるようにするためである。即ち最初に一度手動スキャン軌跡がホログラムメモリ3上を横切った時点で、マップ情報格納要素ホログラムをスキャンできるようにする。
例えば図に示すA方向に手動スキャンが行われたとしても、またB方向に手動スキャンが行われたとしても、それらの手動スキャンの際に、少なくとも1つのマップ情報格納要素ホログラムを読み込めることになる。
マップ情報格納要素ホログラムに記録されたマップ情報は、例えば図12(b)のようなデータである。
図12(a)はマップ情報格納要素ホログラムを除けば、行番号0〜11の12行、列番号0〜11の12列で144個の通常要素ホログラムが記録された例としているが、この各通常要素ホログラムは、それぞれが元々の記録データを144個のデータブロックBLKにわけて記録した場合の、各データDTであると仮定する。つまり144個の通常要素ホログラムは、全て異なるデータブロックBLKのデータDTを記録したものであるとする。
この場合マップ情報は、元々の記録データの各データブロックBLKをブロック番号(BLK1、BLK2・・・BLK144)について、そのブロック番号のデータを記録した通常要素ホログラムの配置位置を、例えば行番号、列番号で示している。例えばデータブロックBLK1を記録した通常の要素ホログラムが0行0列に記録されており、またデータブロックBLK2を記録した通常の要素ホログラムが0行1列に記録されており・・・といったことを示す情報である。
ホログラムリーダ20は、ホログラムメモリ3からこのようなマップ情報を取り込めば、通常要素ホログラムから読み出し、デコードしてDRAM24に格納したデータDTについては、そのヘッダ情報に含まれるデータブロック番号から、その読み込んだ通常要素ホログラムのホログラムメモリ3上での配置位置を知ることができる。従って、既に読込を終えた通常要素ホログラムの位置を提示する読取マップ表示41を実行できる。
なお、ホログラムリーダ20の動作説明の前に、図13,図14で要素ホログラムの各種好適な配置例を示しておく。
図13(a)は、m行n列に配列される要素ホログラムにおいて、X状にマップ情報格納要素ホログラムを配置した例である。
図13(b)は、m行n列に配列される要素ホログラムにおいて、右上頂点から左下頂点にかけて斜め方向にマップ情報格納要素ホログラムを配置した例である。
図14(a)は、m行n列に配列される要素ホログラムにおいて、最上段の行と、左端の列を全てマップ情報格納要素ホログラムとした例である。
図14(b)は、m行n列に配列される要素ホログラムにおいて、中央の1列全部をマップ情報格納要素ホログラムとした例である。
図12(a)、図13(a)(b)、図14(a)(b)のいずれも、マップ情報格納要素ホログラムは、ホログラムメモリ3の要素ホログラム配列上で、行方向、列方向、或いは斜め方向に連続されて、要素ホログラム配列の一端から他端に達するように複数配置されている。
これらのようにマップ情報格納要素ホログラムを配置すれば、ホログラムリーダ20は、スキャン軌跡が不定の手動スキャン開始直後に、ほぼ確実にマップ情報格納要素ホログラムを読み込むことができ、その後の手動スキャン実行中にマップ情報を用いた表示が可能となる。
なお、マップ情報格納要素ホログラムの配置例は、さらに多様に考えられる。手動スキャン開始後に早い時点で読み込める確率が高くなるようにすることが適切である。
図15,図16で読取マップ表示を実行するホログラムリーダ20の動作を説明する。図15はデータ再生時においてシステムコントローラ21の制御に基づいて実行される処理である。
ホログラムメモリ3からの再生を開始する場合、システムコントローラ21はステップF201として、発光駆動回路30に指示を与え、参照光光源7を発光させる。この状態でユーザーが手動スキャンを行うことで、各要素ホログラムの再生像光L5が順次イメージャ5に検出されることになる。
ステップF202では、イメージャ5及びホログラムスキャン制御部22の動作により、或る要素ホログラムの再生像光L5が取り込まれ、再生像信号としてのデジタルデータが得られる。ホログラムスキャン制御部22から出力される、或る要素ホログラムの再生像信号は、メモリコントローラ23によって一旦DRAM24に格納される。
システムコントローラ21は、ステップF202の動作としての要素ホログラムの再生像信号の取込を確認したら、ステップF203の画像処理、ステップF204のデコード処理を実行させる。
即ちステップF203ではDRAM24に取り込んだ再生像信号をホログラム画像処理部27に転送させ、画像処理として、光学歪み補正、明るさ調整、画像位置ズレ補正、画像回転ズレ補正、二値化を実行させる。
またステップF204では、画像処理を終えた再生像信号を信号処理部28に転送させ、デコード処理を実行させる。
ステップF204で或る1つの要素ホログラムについてのデータがデコードされたら、ステップF205では、そのデータがマップ情報であるか否かを判別する。つまりそのとき読み取られた要素ホログラムが、マップ情報格納要素ホログラムであったのか通常要素ホログラムであったのかを判断することになる。
デコードされたデータがマップ情報でない場合、つまり読み取られた要素ホログラムが通常要素ホログラムであって、記録データの或るデータブロックBLKのデータDTであった場合は、ステップF208に進む。そしてそのデータDTが、既にDRAM24に格納されているか否かを判断する。例えばデコードしたデータDTに含まれているアドレス、データブロック番号などを確認し、これと同一のアドレス、データブロック番号のデータDTが既にDRAM24に格納されているか否かを確認すればよい。
ステップF208で、デコードしたデータDTが、まだDRAM24に格納していないものであると判断された場合は、ステップF210に進み、当該デコードしたデータDTを、或る1つの通常要素ホログラムから読み出したデータとしてDRAM24に格納させる。
そしてステップF211でデータ読出の進捗状況を計算する。この場合は、マップ情報を用いるのではなく、例えば図4のステップF108と同様に読出進捗状況を計算すればよい。例えば進捗状況の計算は、既にDRAM24に格納したデータDTとしての全体のデータサイズ(又はデータブロック数)と、再生すべき元の記録データの全体のデータサイズ(又が記録データ全体のデータブロック数)から進捗状況が何パーセントであるかを求めればよい。
ステップF212では、所定量のデータDTの読み取りが完了したか否かを判断する。これは、ステップF211で計算した読取の進捗状況が100%となったか否かの判断となる。
ホログラムメモリ3からのデータ読取が100%完了という状態に達していなければ、ステップF213に進み、既にマップ情報が取込済であるか否かを判断する。マップ情報がまだ取り込めていない場合は、ステップF202に戻って、続いて再生像光が読み取られてくる要素ホログラムについての処理を同様に実行していく。
またステップF208において、デコードしたデータDTが既にDRAM24に格納されていると判断された場合は、ステップF209に進み、そのデコードデータ、つまり或る通常要素ホログラムからの読出データを破棄してステップF202に戻る。
なお、図15には示していないが、ステップF204でデコードエラーとなった場合も、そのデータは破棄してステップF202にもどればよい。
ステップF205で、デコードされたデータがマップ情報であると判別された場合は、ステップF206に進み、既にマップ情報が取込済であるか否かを判断する。
最初にマップ情報がデコードされた場合は、まだ取込済ではないため、ステップF207に進んで、そのデコードされたマップ情報を取り込む。例えばDRAM24或いはSRAM29の所定の領域に記憶し、その後参照できるようにする。
そしてステップF202に戻る。
一旦マップ情報をステップF207で取り込んだ後は、その後マップ情報格納要素ホログラムの読取が行われてステップF206に進んでも、すでに取込済であるため、ステップF209に進んで読み取ったデータ(マップ情報)を破棄してステップF202に戻ればよい。
マップ情報を取り込んだ後において、通常要素ホログラムが読み出され、ステップF210→F211→F212→F213と進んだときは、ステップF214に進むことになる。ステップF214では、システムコントローラ21はマップ情報を用いて読取マップ表示データを生成する。そしてステップF215で、表示部34において読取マップと進捗状況を表示させる。そしてステップF215に戻る。
マップ情報を取り込んだ後は、通常要素ホログラムをスキャンしてデコードしたデータDTをDRAM24に格納していく毎に、ステップF215での表示処理が行われるため、スキャンの進行に伴って、読取マップと進捗状況の表示が、徐々に読取済部分が多くなるように進行していくことになる。
ステップF214,F215による表示例を図16に示す。
図16(a)に表示部34の表示例を示しているが、表示部34には読取マップ表示41と進捗状況バー40が表示される。
進捗状況バー40によっては、ステップF211で計算された読取済のデータDTのパーセンテージが示される。
読取マップ表示41は、表示エリアでホログラムメモリ3の平面を表現し、その平面上で、■の部分として、読取済の要素ホログラム(データDT)の位置を示すものとしている。
例えば図16(b)に、ホログラムメモリ3に対する手動スキャンの軌跡を破線で示しており、読み取られた通常要素ホログラムを●、まだ読み取っていない通常要素ホログラムを○で示している。破線のように手動スキャンが行われて●の要素ホログラムについての読み取り、つまりデコードしたデータDTのDRAM24への格納が完了した時点では、その●の要素ホログラムの位置に応じて、図16(a)のように読取マップ表示41が行われることになる。
上述したように、図12(b)のマップ情報には、デコードしたデータDTのブロック番号に対して、要素ホログラムの配置位置が記憶されている。
従ってシステムコントローラ21は、DRAM24に格納したデータDTのブロック番号を取得し、マップ情報からブロック番号に対応する配置位置を求めれば、図16(a)のようにデータ取込済の要素ホログラムの位置を示すような読取マップ表示41を実行させることができる。
ここまでの処理が繰り返されていくことにより、ホログラムメモリ3上の通常要素ホログラムがユーザーの手動スキャンに応じて順不同に読み出され、DRAM24には、図1(c)の各データブロックBLKのデータDTが順不同に蓄積されていく。
ステップF211で、読取進捗状況が100%と計算され、ステップF212で所定量のデータDTの読み取りが完了したと判断されたら、処理はステップF217に進み、表示部34に読取完了表示を行う。つまり進捗状況バー40及び数値を100%完了の状態で表示させる。読取マップ表示41は、平面上が全て■となる。
またこのとき、スキャン完了として、ユーザーに手動スキャンを終わらせるメッセージを表示してもよい。
そしてステップF217では、システムコントローラ21はメモリコントローラ23に指示し、DRAM24に格納された読出データDTを再構築させる。即ち各データブロックBLKのデータを抽出してデータブロック番号順に並べ、再生データを生成する。
その後システムコントローラ21はステップF218で発光駆動回路30を制御して参照光光源7をオフとさせ、再生参照光L4の照射を終了させる。以上で再生処理を終える。
なお、進捗状況バー40の表示については、マップ情報の読込前の時点でも可能であるため、ステップF213で、マップ情報取込前と判断されているときに表示を開始しても良い。
以上の図15の処理例によれば、図4で説明した処理に加え、手動スキャンの進行に伴って、読取済み位置が■で埋められていくような読取マップ表示41が実行される。
このような表示を行うことで、ユーザーは手動スキャンの際に視覚的に読込状況を把握でき、使用上好適である。さらに読取マップ表示41によっては、ホログラムメモリ3上での読取済、未読取の位置を概略的に知ることができるため、未読取の部分を狙うように手動スキャンを行って、なるべく効率的に手動スキャンが完了するようにすることもできる。
ところで、手動スキャンにおいて各データDTの読出確率を上げるため、同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録するとよいということを図6〜図11で述べた。
これらのように同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録する場合には、読取マップ表示41については、以下のようにすればよい。
図17は、通常要素ホログラムh1〜h36が、それぞれ4個づつ記録されたホログラムメモリ3を示している。また、◎で示すマップ情報格納要素ホログラムが、+字状に配置されている。
例えばこのように同一のデータ内容の通常要素ホログラムが複数記録されている場合、マップ情報格納要素ホログラムに記録するマップ情報は、例えば図18のような内容とする。即ちデータブロック番号に対応して記録位置を示す内容とすることは図12(b)と同様であるが、各データブロックのデータDTは複数の通常要素ホログラムに記録されていることから、その各通常要素ホログラムの配置位置を示すようにする。
例えば図17の例の場合、データブロック番号BLK1のデータDTを記録した4個の要素ホログラムh1は、0行0列、2行6列、10行0列、9行6列に記録されている。従ってマップ情報には、図18のようにデータブロック番号BLK1に対応して、0行0列、2行6列、10行0列、9行6列の情報を示すようにする。
ホログラムリーダ20側のステップF214,F215の処理としては、読取が完了したデータブロックについては、そのデータブロック番号からマップ情報を参照し、マップ情報に対応して記憶されている配置位置の全てを、読取済として表示させるようにすればよい。例えば0行0列の通常要素ホログラムh1からデータブロック番号BLK1のデータDTを読み出した際には、0行0列、2行6列、10行0列、9行6列の4カ所を「読取済」として■で示されるような読取マップ表示41を実行させる。
この処理による表示例を図19,図20で説明する。図20は図17と同様のホログラムメモリ3を示しているが、このホログラムメモリ3に対して破線に示すように行番号1の行に沿って手動スキャンが行われたとする。
この場合、行番号1の行に記録された通常要素ホログラムh7,h8,h9,h10,h11,h12,h31,h32,h33,h34,h35,h36が読み出されたことになるが、これらと同一のデータ内容である破線で囲った通常要素ホログラムも、その記録されたデータは既に読取済となる。
このため表示部34には、図20のように1行分のスキャンが行われた時点で、図19のように、同一のデータ内容の要素ホログラムを含んで読取済であることを示すように表示させればよい。つまり図18のようなマップ情報を参照して、読み取ったデータDTのデータブロック番号に対応する記録位置を■で表示させれば、図19のような読取マップ表示41が行われる。
このようにすれば、同一のデータ内容の通常要素ホログラムが複数記録される場合であっても、ユーザーが知りたい読取状況を、読取マップ表示41において適切に表現できることになる。
[6.スキャン位置の表示処理]

次に、上述してきた読取マップ表示41上にスキャン位置を示す例を説明する。
スキャン位置の表示とは、ユーザーが手動スキャンしているときに、その読み取り位置、即ち再生参照光L4が照射されている位置を示す表示であり、例えば図22に示すように、スキャンマーカー42を読取マップ表示41上に表示させる。このスキャンマーカー42を、ユーザーの手動スキャンに伴って表示位置が移動されるように表示させる。
図21にスキャンマーカー42の表示を含む処理を示す。なお図21のステップF201〜F218は、上記図15と同様であり、これらのステップについては重複説明を避ける。この図21では、図15の処理にステップF220,F221,F222が追加されたものである。
或る通常要素ホログラムからのデータがデコードされ、ステップF205からF220に進んだ場合、システムコントローラ21は、その時点でマップ情報が取込済であるか否かを判断する。即ちステップF207の処理が行われた後であるか否かの判断である。
まだマップ情報を取り込む前であれば、ステップF208に進む。
マップ情報を取り込んだ後においてステップF220に進んだときは、ステップF221に進んで、スキャン位置を判別する。これは、図12(b)のようなマップ情報を参照すればよい。つまりデコードされたデータDTのデータブロック番号から、読み取られた通常要素ホログラムのホログラムメモリ3上の記録位置としての行番号、列番号をマップ情報から得る。
そしてステップF222で、読取マップ表示41上で、判別した行番号、列番号に相当する位置にスキャンマーカー42を表示させる。
この処理の後、ステップF208に進む。
この図21の処理が行われることで、図22のように読取マップ表示41とともにスキャンマーカー42が表示され、しかも、そのスキャンマーカー42はユーザーの手動スキャンの軌跡を示すように移動されていくことになる。
スキャンマーカー42によってユーザーは、ホログラムメモリ3のどのあたりをスキャンしているかを確認できる。従ってこのスキャンマーカー42を読取マップ表示41上で表示することで、ユーザーは、まだ読み取っていない位置を狙うように手動スキャンを行うことが容易となり、手動スキャンを効率よく進めることができ、使用性はさらに良好となる。
なお、ステップF202で或る通常要素ホログラムが読み取られたときに、ステップF208の判別処理の前にステップF221,F222のスキャンマーカー表示処理が行われることは、その通常要素ホログラムが読取済であるか未読取であるかにかかわらず、当該通常要素ホログラムの位置を提示するようにスキャンマーカー42が表示されることを意味する。これによって、スキャンマーカー42はユーザーの手動スキャンに応じてスムースに移動するように表示されることになる。
ところで、マップ情報が図12(b)のようにデータブロック番号としてのアドレスと記録位置が1:1に対応している場合は、ステップF221でスキャン位置、つまり読み出された通常要素ホログラムの位置を、そのままマップ情報から判別できるが、同一のデータ内容の通常要素ホログラムが複数記録されている場合は、スキャンマーカー42の表示のために、同一データ内容の通常要素ホログラムを区別できるような情報をマップ情報に含める必要がある。
例えば図18のようなマップ情報の場合、データブロック番号=BLK1のデータがデコードされたときに、スキャン位置、つまり読み出された通常要素ホログラムh1は、0行0列、2行6列、10行0列、9行6列のいずれの通常要素ホログラムか判別できない。
そこで、同一のデータ内容の各要素ホログラムの記録位置を判定するため、例えばサブアドレスを各要素ホログラムのヘッダ及びマップ情報に加える。
例えばデータブロック番号BLK1とともに、4つの通常要素ホログラムh1を区別するサブアドレスAD1,AD2,AD3,AD4を設定する。
そして0行0列の通常要素ホログラムh1にはデータブロック番号BLK1及びサブアドレスAD1が記録され、2行6列の通常要素ホログラムh1にはデータブロック番号BLK1及びサブアドレスAD2が記録され、10行0列の通常要素ホログラムh1にはデータブロック番号BLK1及びサブアドレスAD3が記録され、9行6列の通常要素ホログラムh1にはデータブロック番号BLK1及びサブアドレスAD4が記録されるようにする。
これをマップ情報で判別できるようにする。例えばデータブロック番号BLK1に対応して、サブアドレスAD1〜AD4を記録し、サブアドレスAD1〜AD4に対応させて0行0列、2行6列、10行0列、9行6列の各記録位置の情報を記録しておく。
このようにすれば、同一のデータ内容の通常要素ホログラムが複数記録される場合でも、スキャンマーカー42を正しく表示できる。
[7.音声による読出状況提示]

上述してきた各例では、進捗状況バー40や読取マップ表示41を行うことでユーザーにホログラムメモリ3からのデータ読出状況を提示するようにしたが、表示ではなく音声によりデータ読出状況をユーザーに提示しても良い。
音声によりデータ読出状況を提示する構成としたホログラムリーダ20Aを図23に示す。なお図3と同一部分は同一符号を付し、説明を省略する。
このホログラムリーダ20Aは、表示部が設けられず、音声合成部35及びスピーカ36が設けられている。音声合成部35はシステムコントローラ21の指示に基づいて例えばメッセージ音声としての音声信号を生成し、スピーカ36に供給して音声出力させる。
図24に、データ読出状況を音声出力する場合の処理を示している。なお図24に示すステップF101〜F109及びステップF112,F113は、図4と同様であるため説明を省略する。
この図24の処理でも図4と同様に、ステップF109で所定量のデータ読取が完了したか否かを判断するが、まだ所定量のデータDTの読み取りが完了していなければ、ステップF120に進む。このステップF120では、ステップF108で計算した進捗状況としてのパーセンテージが、ユーザーに告知するパーセンテージに達したか否かを判断する。
例えばユーザーに告知するパーセンテージとして、10%刻みを設定しておく。つまり10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%を告知パーセンテージとして設定する。
ステップF120の処理は、その時点の進捗状況が、この告知パーセンテージのいずれかに達したか否かを判断することになる。
新たにいずれかの告知パーセンテージに達したタイミングでなければ、そのままステップF102に戻って処理を続ける。
ステップF108で算出した進捗状況のパーセンテージが、告知パーセンテージの1つに達した場合は、ステップF120からF121に進む。そしてシステムコントローラ21は、当該告知パーセンテージを表す音声信号の生成を音声合成部35に指示し、スピーカ36から音声出力させる。
この処理により、例えば読出進捗状況が30%に達した時点では、「30%読取完了しました」という音声が出力され、またその後読出進捗状況が40%に達した時点では、「40%読取完了しました」という音声が出力されることになる。
なお、告知パーセンテージの設定は、5%刻み、25%刻みなどとして等間隔に設定しても良いし、等間隔でない設定としてもよい。例えば25%、50%、75%、80%、90%、95%などのように100%完了に近づくほど細かく告知するように設定してもよい。
ステップF109で所定量のデータDTの読み取りが完了したと判断されたら、ステップF122に進む。このときシステムコントローラ21は、音声合成部35に指示して読取完了の音声メッセージを出力させる。例えば「100%読取完了しました。スキャンを終了して下さい」などの音声を出力させる。
そしてステップF112でDRAM24に格納したデータを再構築して再生データを得、またステップF113で参照光光源7をオフにさせて再生処理を終える。
以上のように、データ読出状況を音声でユーザーに告知するようにしても、ユーザーは読取状況を把握しながら手動スキャンを実行できるので、使用上、好適である。
また表示部を設けずに音声出力で告知するようにすれば、筐体上に表示部を確保することが不要となるため、ホログラムリーダ20Aの小型化に有利となる。
もちろん、表示部を設けて上述したように進捗状況バー40や読取マップ表示41を実行させつつ、音声出力により進捗状況を告知するような例も考えられる。
ところで、ここでは進捗状況としてのパーセンテージを音声で告知する例としたが、手動スキャンのガイド音声を出力するようにしてもよい。
上述した読取マップ表示41のためのマップ情報を用いれば、ユーザーがホログラムメモリ3上のどのあたりをスキャンしているかを判断できる。例えばユーザーがなかなかスキャンしないような位置も判別できる。
例えばユーザーの手動スキャンが、なかなかホログラムメモリ3上の右上のあたりに達しないような状況を判別したら、「右上あたりをスキャンして下さい」等のメッセージ音声を出力させるような処理が考えられる。
このようなガイド音声によっても、ユーザーに手動スキャンを効率的に進めさせることができ、スキャン時間の短縮に有効である。
[8.変形例]

以上実施の形態を説明してきたが、本発明としての変形例は多様に考えられる。
読出状況表示としては、図5のような進捗状況バー40に代えて、円形などの他の形状のイメージで進捗状況を表示しても良いし、数字でパーセンテージを表示するのみでも良い。また液晶ディスプレイではなく複数のLEDを用いて、順次点灯させることで進捗状況を表現するような表示方式でもよい。読取マップ表示も同様に、多様な表示態様が想定される。
また、ホログラムリーダ20の本体の表示部34だけでなく、或いはそれに代えて、外部インターフェース26で接続された外部機器の表示部に、読出状況の表示を実行させることも考えられる。
また読取マップ表示41の表示処理に用いるマップ情報の内容は多様に考えられ、少なくとも読取済のデータのホログラムメモリ3上での位置情報が確認できるようにすればよい。そしてマップ情報の形式、つまり各データについての要素ホログラムの位置情報を示すための形式は、図12(b)、図18の例に限られず、どのようなものでも良い。
さらにマップ情報には、元の記録データの名称、データ属性、総容量、データブロック数などの管理情報を含ませるようにしてもよい。特にその場合、各通常要素ホログラムに記録するデータDTのヘッダには、少なくともデータブロック番号等のアドレスを入れておけばよいものとすることもできる。
或いは、各通常要素ホログラムに記録されたデータDTのヘッダに、上記マップ情報のような配置位置情報を含むようにしてもよい。即ち各通常要素ホログラムが自身の記録位置の情報を含むようにする。このようにすれば、必ずしもマップ情報格納要素ホログラムを用意しなくとも、読取マップ表示を実行することができる。
また図23のように音声出力機能を備える場合、読取処理の実行中に、電子音やメロディを発生させ、スキャン実行中であることをユーザーに伝えるようにしてもよい。例えば読取開始から読取完了までの期間、メロディを流す。ユーザーには、その電子音やメロディが流れている間は、手動スキャンを行う期間であると認識させる。このようにしてユーザーの適切な手動スキャン動作を促すこともできる。
なお、実施の形態で説明したホログラムメモリ3は密着コピーによる大量複製も容易に可能である。
従って例えばコンピュータデータやAVコンテンツデータなどをホログラム記録媒体に記録し、これを広く頒布するとともに、一般ユーザーが再生装置(ホログラムリーダ20)を用いて、ホログラムメモリ3に記録されたデータを取得できるようにするシステムなどを想定した場合、非常に好適なものとすることができる。
本発明の実施の形態のホログラムメモリの記録再生原理の説明図である。 実施の形態のホログラムメモリに対する手動スキャンの説明図である。 実施の形態のホログラムリーダのブロック図である。 実施の形態のホログラムリーダの再生処理のフローチャートである。 実施の形態の読取進捗状況表示の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを記録したホログラムメモリの例の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを記録したホログラムメモリの例の説明図である。 要素ホログラムの配置とクロストークの関係の説明図である。 隣りあう要素ホログラムのイメージャ検出位置の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを密接させて記録したホログラムメモリの例の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを密接させて記録したホログラムメモリの例の説明図である。 実施の形態のマップ情報格納要素ホログラムを有するホログラムメモリの説明図である。 実施の形態のマップ情報格納要素ホログラムの配置例の説明図である。 実施の形態のマップ情報格納要素ホログラムの配置例の説明図である。 実施の形態のホログラムリーダの再生処理のフローチャートである。 実施の形態の読取マップ表示の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録するとともにマップ情報格納要素ホログラムを有するホログラムメモリの例の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録した場合のマップ情報の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録した場合の読取マップ表示の説明図である。 実施の形態の同一のデータ内容の要素ホログラムを複数記録した場合の読取マップ表示に対応するスキャン動作の説明図である。 実施の形態のスキャンマーカー表示を実行する処理例のフローチャートである。 実施の形態のスキャンマーカー表示の説明図である。 実施の形態の音声出力による提示を行うホログラムリーダのブロック図である。 実施の形態の音声出力による提示を含む処理のフローチャートである。
符号の説明
3 ホログラムメモリ、4 レンズ、5 イメージャ、7 参照光光源、20,20A ホログラムリーダ、21 システムコントローラ、22 ホログラムスキャン制御部、23 メモリコントローラ、24 DRAM、27 ホログラム画像処理部、28 信号処理部、30 発光駆動回路、34 表示部、35 音声合成部、36 スピーカ、40 進捗状況バー表示、41 読取マップ表示、42 スキャンマーカー表示

Claims (11)

  1. 画像化したデータの物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記データが要素ホログラムとして記録されたホログラム記録媒体からデータを再生する再生装置として、
    上記ホログラム記録媒体に再生用参照光を照射する参照光照射手段と、
    上記再生用参照光が照射されたホログラム記録媒体の上記要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記要素ホログラムの読出データを得るデータ読出手段と、
    上記読出データが記憶される記憶手段と、
    上記データ読出手段にて得られた読出データが上記記憶手段に未記憶と判断される場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶されるように制御する読出データ格納制御手段と、
    上記ホログラム記録媒体からのデータ読出状況を判別し、判別したデータ読出状況を提示させる提示制御手段と、
    所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成手段と、
    を備えることを特徴とする再生装置。
  2. 使用者が再生装置を移動させ、ホログラム記録媒体に対する相対位置を変位させることにより、上記参照光照射手段からの再生用参照光が、上記ホログラム記録媒体上の各要素ホログラムに照射されていくとともに、
    再生用参照光が照射された要素ホログラムの読出データが上記データ読出手段により得られることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  3. 上記提示制御手段は、上記ホログラム記録媒体からのデータ読出状況を示す表示を実行させることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  4. 上記提示制御手段は、上記ホログラム記録媒体からのデータ読出状況を知らせる音声出力を実行させることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  5. 上記提示制御手段は、上記ホログラム記録媒体から読み出すデータ量に対して、上記記憶手段への記憶を完了した読出データ量の割合を、データ読出状況として算出して提示させることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  6. 上記提示制御手段は、上記記憶手段への記憶を完了した読出データに対応する要素ホログラムのホログラム記録媒体上の位置を判別し、上記位置を示す位置提示画像をデータ読出状況として表示させることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  7. 上記ホログラム記録媒体には、要素ホログラムとして記録された各データについて、それぞれのデータが記録された要素ホログラムのホログラム記録媒体上の位置を示すマップ情報が記録されたマップ情報格納要素ホログラムが記録されており、
    上記提示制御手段は、上記データ読出手段によって上記マップ情報格納要素ホログラムから読み出された上記マップ情報を用いて、上記記憶手段への記憶を完了した読出データに対応する要素ホログラムのホログラム記録媒体上の位置を判別することを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
  8. 上記提示制御手段は、さらに、上記ホログラム記録媒体に対するスキャン位置を提示させることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  9. 画像化したデータの物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記データが要素ホログラムとして記録されたホログラム記録媒体に対する再生方法として、
    上記ホログラム記録媒体に再生用参照光を照射し、上記再生用参照光が照射されたホログラム記録媒体の上記要素ホログラムから得られる再生像を検出し、上記再生像から上記要素ホログラムの読出データを得るデータ読出ステップと、
    上記データ読出ステップで得られた読出データが記憶手段に記憶されているか否かを判断する判断ステップと、
    上記判断ステップで、読出データが上記記憶手段に記憶されてないと判断された場合に、上記読出データを上記記憶手段に記憶する読出データ格納制御ステップと、
    上記ホログラム記録媒体からのデータ読出状況を判別し、判別したデータ読出状況を提示させる提示制御ステップと、
    所定量の読出データが上記記憶手段に記憶された場合に、上記記憶手段に記憶されている読出データを用いて再生データを生成する再生データ生成ステップと、
    を備えたことを特徴とする再生方法。
  10. 画像化したデータの物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記データを要素ホログラムとして記録するホログラム記録媒体であって、
    主データを記録した通常要素ホログラムと、
    上記通常要素ホログラムとして記録された各主データについて、それぞれの主データが記録された通常要素ホログラムのホログラム記録媒体上の位置を示すマップ情報を記録したマップ情報格納要素ホログラムと、
    が記録されていることを特徴とするホログラム記録媒体。
  11. 上記マップ情報格納要素ホログラムは、ホログラム記録媒体上の要素ホログラム配列上で、行方向、列方向、或いは斜め方向に連続されて、要素ホログラム配列の一端から他端に達するように複数配置されていることを特徴とする請求項10に記載のホログラム記録媒体。
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