JP2007086499A - 光制御シート、面光源装置 - Google Patents

光制御シート、面光源装置 Download PDF

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【課題】ニュートンリングが発生することなく照明光を必要な範囲内に効率よく集光でき、耐環境性に優れ、かつ、生産性のよい光制御シート、面光源装置を提供する。
【解決手段】単位レンズ141の頂点と凹部143の中央とを、シート面に対する法線方向から見たときに重なる位置に配置する。また、凸部142には、反射層144を形成する。この反射層144は、拡散反射面として印刷により形成する。さらに、凸部142の突出量は、5μm以上60μm以下とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、液晶表示装置等の照明に用いられる光制御シート、面光源装置に関するものである。
このような光制御シートとしては、直角プリズムを複数並べたシートが知られている。
しかし、直角プリズムを並べたシートでは、不必要に大きな出射角度方向に出射してしまう光が多いという問題があった。
なお、以下の説明において、入射角度、出射角度とは、シート面(光制御シート全体としてみたときのシート面)に対する角度であって、シート面における法線と光の進む方向とが成す角度を示すものとする。
この不必要に大きな出射角度方向に出射してしまう光を防止するために、出射側にレンズを設け、入射側には、出射側のレンズに対応した遮光部を配置した例が、特許文献1〜3に記載されている。
しかし、出射側がレンズ形状の凹凸形状であり、入射側が平面であると、平坦な面を持つ他の光学シート等と重ね合わせた場合に、ニュートンリングが発生してしまうという問題があった。
また、入射側と出射側とで表面積が異なるため、吸水性や熱伝達性が異なり、入射面側と出射面側とで環境変化に伴う寸法変形量が異なる等、耐環境性が悪いといった問題があった。
さらに、入射側に設けられる遮光部は、出射側のレンズ位置に対応して正確に位置合わせする必要があり、その形成が困難であるという問題があった。
特開平8−95038号公報 特開平10−241434号公報 特開2000−284268号公報
本発明の課題は、ニュートンリングが発生することなく照明光を必要な範囲内に効率よく集光でき、耐環境性に優れ、かつ、生産性のよい光制御シート、面光源装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、直下型の面光源装置に設けられ、光源(13)から出射した光を均一化、及び/又は、収束させる光制御シートであって、出射側に突出して多数並べて配列された少なくとも1種類の単位レンズ(141,241)と、入射側に突出した凸部(142,242)と前記凸部に挟まれた領域である凹部(143,243)とが多数順番に並べられた凹凸形状と、を備え、前記単位レンズの頂点と前記凹部の中央とは、シート面に対する法線方向から見たときに重なる位置に配置されており、前記凸部には、反射層(144,244)が形成されていること、を特徴とする光制御シート(14,24)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光制御シートにおいて、前記反射層(144,244)は、光を拡散反射すること、を特徴とする光制御シート(14,24)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、前記凸部(142,242)の前記凹部(143,243)からの突出量は、5μm以上60μm以下であること、を特徴とする光制御シート(14,24)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記単位レンズ(141,241)と前記凸部(142,242)及び前記凹部(143,243)は、一体で成型されていること、を特徴とする光制御シート(14,24)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、入射側の表面積をSi、出射側の表面積をSoとしたときに、0.8<Si/So<1.2の関係を満足すること、を特徴とする光制御シート(14,24)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記凸部(242)は、前記凹部(243)との境界付近の稜線がなだらかな曲面(242b)となっており、前記反射層(244)は、前記稜線の曲面上にも形成されていること、を特徴とする光制御シート(24)である。
請求項7の発明は、透過型表示部(11)を背面から照明する面光源装置であって、複数の光源(13)を並べた光源部(12,13)と、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光制御シート(14,24)と、を備える面光源装置である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)単位レンズの頂点と凹部の中央とは、シート面に対する法線方向から見たときに重なる位置に配置されており、凸部には、反射層が形成されているので、ニュートンリングが発生することなく照明光を必要な範囲内に効率よく集光でき、かつ、生産性をよくできる。
(2)反射層は、光を拡散反射するので、光の利用効率が高く、また、オーバーコート等が必要なく、生産性を高めることができる。
(3)凸部の凹部からの突出量は、5μm以上60μm以下であるので、不要な方向へ出射する光を少なくしながら、印刷による反射層の形成を容易にできる。
(4)単位レンズと凸部及び凹部は、一体で成型されているので、生産性がよく、また、耐環境性を高くできる。
(5)入射側の表面積をSi、出射側の表面積をSoとしたときに、0.8<Si/So<1.2の関係を満足するので、耐環境性を高くできる。
(6)凸部は、凹部との境界付近の稜線がなだらかな曲面となっており、反射層は、稜線の曲面上にも形成されているので、不要な方向へ出射する光を殆ど無くすことができる。
照明光を必要な範囲内に効率よく集光し、耐環境性を高め、かつ、生産性をよくするという目的を、入射側の形状を凹凸形状とすることにより実現した。
図1は、本発明による面光源装置を含む透過型表示装置の実施例1を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
本実施例における透過型表示装置10は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル11,反射板12,発光管13,光制御シート14,乳白板16等を備え、LCDパネル11に形成される映像情報を背面から照明して表示する装置である。なお、LCDパネル11を背面から照明する面光源装置としては、反射板12,発光管13,光制御シート14,乳白板16が該当している。
LCDパネル11は、透過型の液晶表示素子により形成されており、30インチサイズ、800×600ドットの表示を行うことができる。LCDパネル11は、発光管13の長手方向に沿った方向が、水平方向として使用され、発光管13が並ぶ方向が、垂直方向として使用される。
発光管13は、バックライトの光源部を形成する線光源の冷陰極管であり、本実施例では、略75mm間隔で等間隔に6本が並列に並べられている。発光管13の背面には、反射板12が設けられている。
反射板12は、発光管13の光制御シート14とは反対側(背面側)の全面にわたって設けられており、背面側へ進む照明光を拡散反射して光制御シート14方向(出射方向)へ向かわせ、入射光照度を均一に近付ける働きを持つ。
乳白板16は、無指向性の光拡散特性を有した拡散板であり、光制御シート14の光源側に配置されている。
図2は、光制御シート14を示す斜視図である。
光制御シート14は、発光管13から出射した光の輝度ムラを低減させて均一化するとともに必要な出射角度範囲内に出射光を集光するレンズシートであり、出射側に光を収束して出射する単位レンズ141が形成されている。単位レンズ141は、連続する楕円筒の一部の形状となっており、光制御シート14の出射側表面は、この単位レンズ141が平行に多数並べて配置されている。単位レンズ141の並ぶ方向は、発光管13の並ぶ方向と一致している(図1参照)。
本実施例の光制御シート14は、屈折率1.49の透明なPMMA(Polymethyl Methacrylate:アクリル樹脂)を用いた押し出し成型により一体成型されている。
光制御シート14の成型に押し出し法を用いて両面の賦型を同時に行うことにより、生産性をよくできる。また、光制御シート14の入射側と出射側とが同じ材料により形成されているので、吸水率や線膨張係数が等しくなる。よって、温度及び湿度の変化があったとしても、入射側と出射側が略同様な挙動をして、片面のみに大きな変形や反り等が発生することがなく、耐環境性を高めることができる。
なお、光制御シート14は、PMMAに限らず、光透過性の有る他の熱可塑性樹脂を適宜選択して使用してもよい。また、光制御シート14は、紫外線硬化樹脂を用いた紫外線成型と呼ばれる方法により作製してもよい。
図3は、光制御シート14を図2中に矢印で示したS1−S2断面で切断した断面図である。なお、図3は、図中の上方が出射側となっている。
単位レンズ141は、図3に示した断面において、長半径が400μm、短半径が200μmの楕円筒の一部形状がピッチ300μmで並べられており、その長軸が光制御シート14のシート面に対して直交している。
光制御シート14の入射側には、凸部142,凹部143,反射層144が設けられている。
凹部143は、その中心がシート面に対する法線方向から見たときに単位レンズ141の頂点と重なる位置に幅150μmで配置されている。
凸部142は、凹部143に挟まれた部分に凹部143からの突出量が50μmとなるように設けられており、その幅は、150μmである。
また、光制御シート14の厚さは、350μmである。
ここで、凸部142の凹部143からの突出量をTとすると、5μm≦T≦60μmの範囲であることが望ましい。突出量Tの下限値は、後述の反射層144を印刷により形成することを前提とした場合、特別なマスキングなどをすることなく印刷できる限界値から決められた値である。また、突出量Tの上限値は、凸部142の側面142aから照明光が入射すると、そのまま大きな出射角度で出射してしまう(図4の光線D参照)ので、そのような光の量が許容できる範囲として決められた値である。
図6は、出射角度に対する放射輝度の分布を凸部142の凹部143からの突出量Tごとに示した図である。図6において、曲線T1は、凸部142の突出量5μmの場合を示し、曲線T2は、凸部142の突出量30μmの場合を示し、曲線T3は、凸部142の突出量60μmの場合を示し、曲線T4は、凸部142の突出量90μmの場合を示し、曲線Pは、比較例として断面形状が直角二等辺三角形形状である直角プリズムを複数並べたシートの場合を示している。
曲線T1〜T3については、出射角度の小さな範囲の放射輝度が比較例に比べて高く、また、出射角度の大きな範囲(不必要な範囲)の放射輝度の上昇が、比較例に比べて低く、理想的な分布となった。なお、この曲線T1〜T3の測定に使用した光制御シート14では、いずれも容易に反射層144を形成できた。
これに対して、曲線T4の測定に使用した光制御シート14では、反射層144の形成は容易に行えたものの、出射角度の大きな範囲(不必要な範囲)の放射輝度の上昇が、比較例と同程度まで発生してしまっている。
このように、凸部142の突出量Tは、5μm≦T≦60μmの範囲内であることが望ましい。
反射層144は、凸部142の入射側表面に形成されており、照明光を拡散反射する拡散反射面となっている。本実施例の反射層144は、顔料として酸化チタンを使用した白色インキを凸部142の入射側表面に印刷することにより形成されている。上記白インキを使用すると、反射しない光は、拡散透過するので光の利用効率を高くできる。この反射層144を白色インキ等の拡散反射面とせずに、アルミニウムや銀等を用いた反射面としてしまうと、幾分かの光は吸収してしまい、光の利用効率がよくない。また、これらの金属を使用すると、酸化によって黒化や反射率低下の現象が起こることがあり、これを防ぐためオーバーコート層等を設ける必要があり、コストアップに繋がってしまう。よって、この反射層144は、白色インキ等の拡散反射面とすることが望ましい。
図4は、光制御シート14に入射する光の進み方を説明する図である。
光線A及び光線Bのように、凹部143に入射する光は、小さな出射角度(シート面に対する法線方向に近い方向)で出射する。
また、光線Cのように凸部142の入射側に向いた面に到達する光は、反射層144により反射されて光源側に戻されて再利用される。
なお、光線Dのように凸部142の側面142aに入射する光は、不必要な大きな出射角度方向へ出射してしまうが、先に説明したように、凸部142の突出量Tを適切な範囲に制限したので、そのような光は、僅かであって問題とならない。
本実施例によれば、出射側に単位レンズ141を配置し、入射側に拡散反射を行う反射層144を設けたので、乳白板16と重ね合わせてもニュートンリングが発生することなく照明光を必要な範囲内に効率よく集光できる。また、光制御シート14を同一の材料により一体成型し、かつ、入射側と出射側の表面積を略等しくしたので、高い耐環境性を実現した。さらに、光制御シート14を押し出し成型により一体成型し、かつ、凸部142に反射層144を印刷により形成したので、生産性をよくできる。
図5は、本発明による面光源装置を含む透過型表示装置の実施例2を示す図である。
実施例2の光制御シート24は、実施例1の光制御シート14の凸部142の形状を改良して凸部242とした形態である。したがって、前述した実施例1と同様の機能を果たす部分には、末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
凸部242は、実施例1の凸部142における凹部143との境界付近の稜線を丸めてなだらかな曲面242bとしたものである。また、反射層244は、この曲面242b上にも形成されている。この曲面242bを設けたことにより、実施例1の凸部142の側面142aに相当する部分を略無くすことができる。そして、曲面242b上には、拡散反射をする反射層244が形成され、さらに形状が曲面であることから、光線Eのように進んできた光であっても、図4中の光線Dのように進むことなく、反射層244により拡散反射され、その一部は再利用される。したがって、不必要な大きな出射角度で出射してしまう光をさらに少なくできる。
本実施例によれば、曲面242bを設け、その上に反射層244を設けたので、さらに集光率及び光の利用効率を高くできる。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)各実施例において、線光源を並列に並べた面光源装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、点光源を用いる面光源装置であってもよい。
(2)各実施例において、光制御シートは、1種類の単位レンズが出射側に並べられている例を示したが、これに限らず、複数種類の単位レンズを組み合わせて出射側に配置してもよい。
(3)各実施例において、光制御シートを上下方向で光の制御を行うことができるように1枚配置した例を示したが、これに限らず、例えば、上下方向で光の制御を行う光制御シートと同様な光制御シートを左右方向の制御を行うことができるようにもう1枚さらに配置してもよい。
(4)各実施例において、吸水性や熱伝達性の影響を受けて光制御シートの変形が問題となる場合には、入射側の表面積をSi、出射側の表面積をSoとしたときに、0.8<Si/So<1.2の関係を満足するようにしてもよい。上記式を満足するということは、吸水性や熱伝達性の影響を受ける入射側の表面積と出射側の表面積が、ほぼ等しいということである。よって、温度及び湿度の変化があったとしても、入射側と出射側が略同様な影響を受けることとなり、片面のみに大きな変形や反り等が発生することがなく、耐環境性を高めることができる。
本発明による面光源装置を含む透過型表示装置の実施例1を示す図である。 光制御シート14を示す斜視図である。 光制御シート14を図2中に矢印で示したS1−S2断面で切断した断面図である。 光制御シート14に入射する光の進み方を説明する図である。 本発明による面光源装置を含む透過型表示装置の実施例2を示す図である。 出射角度に対する放射輝度の分布を凸部142の凹部143からの突出量Tごとに示した図である。
符号の説明
10 透過型表示装置
11 LCDパネル
12 反射板
13 発光管
14 光制御シート
141,241 単位レンズ
142,242 凸部
142a 側面
242b 曲面
143,243 凹部
144,244 反射層
16 乳白板

Claims (7)

  1. 直下型の面光源装置に設けられ、光源から出射した光を均一化、及び/又は、収束させる光制御シートであって、
    出射側に突出して多数並べて配列された少なくとも1種類の単位レンズと、
    入射側に突出した凸部と前記凸部に挟まれた領域である凹部とが多数順番に並べられた凹凸形状と、
    を備え、
    前記単位レンズの頂点と前記凹部の中央とは、シート面に対する法線方向から見たときに重なる位置に配置されており、
    前記凸部には、反射層が形成されていること、
    を特徴とする光制御シート。
  2. 請求項1に記載の光制御シートにおいて、
    前記反射層は、光を拡散反射すること、
    を特徴とする光制御シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、
    前記凸部の前記凹部からの突出量は、5μm以上60μm以下であること、
    を特徴とする光制御シート。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
    前記単位レンズと前記凸部及び前記凹部は、一体で成型されていること、
    を特徴とする光制御シート。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
    入射側の表面積をSi、出射側の表面積をSoとしたときに、
    0.8<Si/So<1.2
    の関係を満足すること、
    を特徴とする光制御シート。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
    前記凸部は、前記凹部との境界付近の稜線がなだらかな曲面となっており、
    前記反射層は、前記稜線の曲面上にも形成されていること、
    を特徴とする光制御シート。
  7. 透過型表示部を背面から照明する面光源装置であって、
    複数の光源を並べた光源部と、
    請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光制御シートと、
    を備える面光源装置。
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