JP2007086038A - 光学式ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度化を図りながらも小型化が可能な光学式ガスセンサを提供する。
【解決手段】ガスセル部たるガスセル構造体2は、スラブ型フォトニック結晶31,32を備えるとともに両スラブ型フォトニック結晶31,32の間の空間へ検出対象ガスを導入するガス導入口を有し、光源部たる光源形成構造体1から放射されて一方のスラブ型フォトニック結晶31に交差する方向から入射される赤外光が他方のスラブ型フォトニック結晶32から受光素子部たる受光素子形成構造体3側へ出射されるようにし、かつ、両スラブ型フォトニック結晶31,32間の間隔を検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するように設定してあり、両スラブ型フォトニック結晶31,32によって検出対象ガスの吸収波長に共振する光共振器を構成する。各スラブ型フォトニック結晶31,32は、上記吸収波長に対して共振ピークを有するように屈折率周期構造を設計してある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学式ガスセンサに関するものである。
光学式ガスセンサは、センサ材料として酸化物半導体を用いた半導体式ガスセンサに比べて、識別性が高い、寿命が長いなどの利点がある。ここにおいて、光学式ガスセンサとしては、ガスにより特定波長の光が吸収されることによる光強度の変化を検知するものが広く知られている(例えば、特許文献1参照)
この種の光学式ガスセンサとしては、例えば、図5に示すように、赤外光を放射する黒体輻射光源101を有する光源部100と、検出対象ガスを入れるガスセル部200と、リファレンスセル部300と、光源部100の黒体輻射光源101から放射され両セル部200,300それぞれを通過した赤外光を各別に受光する2つの受光素子(図示せず)を有し両受光素子の出力を比較してガス濃度を求める比較器400とを備えたものが提案されている。なお、ガスセル部200には、検出対象ガスを導入するガス導入口201および検出対象ガスを導出するガス導出口202が設けられている。
特開平5−256778号公報
しかしながら、図5に示した構成の光学式ガスセンサでは、ガスセル部200中の検出対象ガスのガス分子205の光吸収係数が小さく、ガスセル部200内における赤外光の光路長が短くなると感度が低下してしまうので、両受光素子の出力差を十分に大きくするために、現状では各セル部200,300内における赤外光の光路長が10cm〜1m程度になるように設計されており、各セル部200,300の小型化が難しく、センサ全体の小型化が難しかった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、高感度化を図りながらも小型化が可能な光学式ガスセンサを提供することにある。
請求項1の発明は、検出対象ガスの吸収波長を含む波長域の光を放射する光源部と、光源部から放射された光を受光する受光素子部と、光源部と受光素子部との間に設けられ検出対象ガスが導入されるガスセル部とを備え、ガスセル部は、2次元面内に屈折率周期構造を有するスラブ型フォトニック結晶およびスラブ型フォトニック結晶付近へ検出対象ガスを導入するガス導入口が設けられ、光源部から放射されてスラブ型フォトニック結晶に交差する方向から入射される光が受光素子部側へ出射されるようにし、かつ、検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するようにスラブ型フォトニック結晶の屈折率周期構造を設計してあることを特徴とする。
この発明によれば、ガスセル部は、2次元面内に屈折率周期構造を有するスラブ型フォトニック結晶およびスラブ型フォトニック結晶付近へ検出対象ガスを導入するガス導入口が設けられ、光源部から放射されてスラブ型フォトニック結晶に交差する方向から入射される光が受光素子部側へ出射されるようにし、かつ、検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するようにスラブ型フォトニック結晶の屈折率周期構造を設計してあるので、スラブ型フォトニック結晶によって検出対象ガスの吸収波長に共振する光共振器が構成され、検出対象ガスの吸収波長の光の光路長を光源部と受光素子部との間の間隔よりも長くすることができるから、高感度化を図りながらも小型化が可能になる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、ガスセル部は、2つのスラブ型フォトニック結晶が厚み方向に離間して対向配置されるとともにガス導入口が両スラブ型フォトニック結晶の間の空間へ検出対象ガスを導入可能に設けられ、光源部から放射されて一方のスラブ型フォトニック結晶に交差する方向から入射される光が他方のスラブ型フォトニック結晶から受光素子部側へ出射されるようにし、かつ、両スラブ型フォトニック結晶間の間隔を検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するように設定してあることを特徴とする。
この発明によれば、ガスセル部は、2つのスラブ型フォトニック結晶が厚み方向に離間して対向配置されるとともにガス導入口が両スラブ型フォトニック結晶の間の空間へ検出対象ガスを導入可能に設けられ、光源部から放射されて一方のスラブ型フォトニック結晶に交差する方向から入射される光が他方のスラブ型フォトニック結晶から受光素子部側へ出射されるようにし、かつ、両スラブ型フォトニック結晶間の間隔を検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するように設定してあるので、2つのスラブ型フォトニック結晶によって検出対象ガスの吸収波長に共振する光共振器が構成され、1つのスラブ型フォトニック結晶のみによって光共振器が構成される場合に比べて、検出対象ガスの吸収波長の光の光路長をより長くすることができるから、高感度化を図りながらもより一層の小型化が可能になる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、光源部が、通電に伴う発熱により前記光を放射する発熱体部を一表面側に形成した第1のシリコン基板と、発熱体部を熱絶縁する第1の熱絶縁用凹部を第1のシリコン基板との対向面に形成した第2のシリコン基板とを重ね合わせて封着した光源形成構造体からなり、ガスセル部が、半導体基板の一表面に凹所を設けることで形成した第1のスラブに複数の空孔を設けることにより前記一方のスラブ型フォトニック結晶が形成されるとともに、半導体基板の他表面側で前記第1のスラブに対向配置された第2のスラブに複数の空孔を設けることにより前記他方のスラブ型フォトニック結晶が形成されたガスセル構造体からなり、受光素子部が、前記光を受光して電気信号に変換する受光エレメントを一表面側に形成した第3のシリコン基板と、受光エレメントを熱絶縁する第2の熱絶縁用凹部を第3のシリコン基板との対向面に形成した第4のシリコン基板とを重ね合わせて封着した受光素子形成構造体からなり、光源形成構造体と受光素子形成構造体とが半導体基板の厚み方向においてガスセル構造体と重なる形でガスセル構造体に接合されてなることを特徴とする。
この発明によれば、ガスセル部と光源部と受光素子部とをウェハレベルパッケージング技術を利用して一体化することができ、より一層の小型化を図れる。
請求項1の発明は、高感度化を図りながらも小型化が可能になるという効果がある。
以下、本実施形態の光学式ガスセンサについて図1〜図4を参照しながら説明する。
本実施形態の光学式ガスセンサは、検出対象ガスの吸収波長を含む波長域の赤外光を放射する発熱体部11が形成された光源形成構造体1と、光源形成構造体1の発熱体部11から放射された赤外光を受光するボロメータ形の受光エレメント41が形成された受光素子形成構造体3と、光源形成構造体1と受光素子形成構造体3との間に設けられ検出対象ガスが導入されるガスセル構造体2とを備えている。なお、本実施形態では、光源形成構造体1が、検出対象ガスの吸収波長を含む波長域の光を放射する光源部を構成し、受光素子形成構造体3が、光源部から放射された光を受光する受光素子部を構成し、ガスセル構造体2が、光源部と受光素子部との間に設けられ検出対象ガスが導入されるガスセル部を構成している。
本実施形態では、光源形成構造体1が、2枚のシリコン基板10,20を用いて形成され、ガスセル構造体2が、シリコン基板からなる支持基板30aの一表面側にシリコン酸化膜からなる絶縁膜30bを介して単結晶のシリコン層30cが設けられたSOI基板30を用いて形成され、受光素子構造体3が、2枚のシリコン基板40,50を用いて形成されており、ガスセル構造体2と光源形成構造体1とが陽極接合により固着され、ガスセル構造体2と受光素子形成構造体3とが陽極接合により固着されている。なお、上記各シリコン基板10,20,40,50としては、主表面が(100)面で低不純物濃度のp形シリコン基板を採用している。
光源形成構造体1は、上述の2枚のシリコン基板10,20のうちの一方のシリコン基板(以下、第1のシリコン基板と称す)10の一表面側(図1における上面側)に上述の発熱体部11が形成されるとともに発熱体部11を第1のシリコン基板10の厚み方向において他の部位と熱絶縁する空洞部12が形成され、また、上述の2枚のシリコン基板10,20のうちの他方のシリコン基板(以下、第2のシリコン基板と称す)20における第1のシリコン基板10との対向面に当該第2のシリコン基板20と上述の発熱体部11とを熱絶縁する熱絶縁用凹部21が形成されている。ここで、光源形成構造体1は、第1のシリコン基板10と第2のシリコン基板20とを重ね合わせて真空中において陽極接合技術を利用して封着することで、両シリコン基板10,20により構成される気密容器内に発熱体部11が配置され、発熱体部11の周囲が真空となっている。なお、発熱体部11から放射された赤外光は第2のシリコン基板20を透過してガスセル構造体2へ入射する。
光源形成構造体1の発熱体部11は、第1のシリコン基板10の上記一表面側に形成した高濃度(例えば、1020cm-3程度)の不純物拡散層(例えば、ボロンを高濃度に拡散した不純物拡散層)により構成されており、厚み方向に貫通し空洞部12に連通した複数の円形状の空孔11bが周期的に設けられている。具体的には、発熱体部11は、単位格子が正三角形の仮想的な2次元三角格子の各格子点に対応する各部位に空孔11bが設けられている。また、第1のシリコン基板10における空洞部12は、発熱体部11から離れるにつれて開口面積が徐々に小さくなる形状に形成されている。したがって、本実施形態では、第1のシリコン基板10の上記一表面側にリソグラフィ技術および不純物拡散技術などを利用して発熱体部11を形成した後で、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して空孔11bを形成してから、アルカリ系溶液(例えば、EPW、KOH、TMAHなどの水溶液)を用いた異方性エッチング技術を利用して空洞部12を形成することができる。
また、光源形成構造体1の第1のシリコン基板10は、発熱体部11と電気的に接続された通電用電極(図示せず)が上記一表面側に形成されるとともに、各通電用電極それぞれと電気的に接続された貫通配線(図示せず)が厚み方向に沿って形成されており、上記一表面とは反対側の他表面に、各貫通配線それぞれと電気的に接続された2つの通電用のパッド(図示せず)が形成されている。なお、各貫通配線は、第1のシリコン基板10における各貫通配線のそれぞれの形成予定部位に貫通孔を形成し、各貫通孔それぞれの内面にシリコン酸化膜からなる絶縁膜を成膜した後、貫通配線それぞれの一部となる金属層をスパッタ法により成膜してから、当該金属層をシード層として電解メッキ法により各貫通孔の内側を埋め込む金属部を析出させることにより形成してある。
しかして、光源形成構造体1は、一対の通電用のパッド間に外部から通電して発熱体部11を発熱させることにより発熱体部11から赤外光を放射させることができ、発熱体部11から放射された赤外光は第2のシリコン基板20を透過して放射される。なお、本実施形態では、発熱体部11を不純物拡散層により構成してあるが、発熱体部11は不純物拡散層に限らず、黒体輻射と同様の放射スペクトルが得られればよく、例えば、NiCrなどの電熱合金材料からなる電熱合金層や、Irのような貴金属材料から貴金属層を採用してもよい。また、第1のシリコン基板10の上記一表面側に発熱体部11を他の部位と熱絶縁するために空洞部12を形成してあるが、空洞部12を形成する代わりに、多孔質シリコン層からなる断熱部を形成するようにしてもよい。
ガスセル構造体2は、上述のSOI基板30を用いて形成されており、それぞれ2次元面内に屈折率周期構造を有する2つのスラブ型フォトニック結晶31,32がSOI基板30の一表面側(図1における上面側)で厚み方向に離間して対向配置され、両スラブ型フォトニック結晶31,32の間に矩形枠状のスペーサ部33が介在している。
ここにおいて、一方のスラブ型フォトニック結晶(以下、第1のスラブ型フォトニック結晶と称す)31は、SOI基板30の他表面(図1における下面)にシリコン層30cに達する深さの凹所34を形成することによってシリコン層30cの一部からなるスラブ31aを形成した後で、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して周期的に並んだ複数の円形状の空孔31bを設けることで屈折率周期構造(以下、第1の屈折率周期構造と称す)が形成されている。すなわち、第1のスラブ型フォトニック結晶31は、複数の空孔31bが、スラブ31aの厚み方向に直交する面内で2次元的な周期構造を有するように配列されており、スラブ31aを構成する高屈折率媒質と空孔31b内の空気からなる低屈折率媒質とで第1の屈折率周期構造が形成されている。具体的には、スラブ31aにおいて、単位格子が正三角形の仮想的な2次元三角格子の各格子点に対応する各部位に空孔31bを形成してある。
また、他方のスラブ型フォトニック結晶(以下、第2のスラブ型フォトニック結晶と称す)32は、SOI基板30のシリコン層30c上に所定膜厚のシリコン酸化膜からなる絶縁層を堆積させた後に当該絶縁層上に多結晶シリコン層を堆積し、その後、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して多結晶シリコン層の一部からなるスラブ32aに周期的に並んだ複数の円形状の空孔32bを設けることで屈折率周期構造(以下、第2の屈折率周期構造と称す)が形成されている。すなわち、第2のスラブ型フォトニック結晶32は、複数の空孔32bが、スラブ32aの厚み方向に直交する面内で2次元的な周期構造を有するように配列されており、スラブ32aを構成する高屈折率媒質と空孔32b内の空気からなる低屈折率媒質とで第2の屈折率周期構造が形成されている。なお、上述のスペーサ部33は、第2のスラブ型フォトニック結晶32を形成した後で上記絶縁層をパターニングすることによって上記絶縁層の一部により構成されている。
また、ガスセル構造体2は、両スラブ型フォトニック結晶31,32の間の空間へ検出対象ガスを導入するガス導入口36が設けられている。言い換えれば、ガス導入口36は両スラブ型フォトニック結晶31,32の間の空間へ検出対象ガスを導入可能に設けられている。ここにおいて、ガスセル構造体2は、上述のSOI基板30の上記他表面の周部に上記凹所34と連通したガス導入用凹部35が形成されており、ガス導入用凹部35の内面と光源形成構造体1の露出表面とで囲まれた空間がガス導入口36を構成している。なお、本実施形態では、上述のSOI基板30がガスセル構造体2の基礎となる半導体基板を構成しているが、ガスセル構造体2の基礎となる半導体基板はSOI基板30に限らず、例えば、シリコン基板でもよい。
ところで、各スラブ型フォトニック結晶31,32は、スラブ31a,32aに交差する方向から入射される赤外光のうち検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するように各屈折率周期構造が設計されている。具体的には、例えば、各スラブ型フォトニック結晶31,32における空孔31b,32bの配列方向の周期(各スラブ型フォトニック結晶31,32の屈折率周期構造の周期であって2次元三角格子の格子点間の距離)をaとすれば、周期aは上記吸収波長の半波長程度(例えば、上記吸収波長の2分の1)に設定すればよい。なお、スラブ型フォトニック結晶において特定波長の光に対して共振ピークを有する面内共振モードは、刊行物1(Shanhui Fan,et al,「Analysis of guided resonances in photonic crystal slabs」,PHYSICAL REVIEW B,VOLUME 65,235112)において「guided resonances」として報告されている。
また、ガスセル構造体2は、光源形成構造体1から放射されて第1のスラブ型フォトニック結晶31に交差する方向から入射される光が第2のスラブ型フォトニック結晶32から受光素子形成構造体3側へ出射されるようにし、かつ、両スラブ型フォトニック結晶31,32間の間隔を検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するように設定してある。ここにおいて、両スラブ型フォトニック結晶31,32間の間隔は上記絶縁層の厚さ(上記所定膜厚)により決まるので、上記所定膜厚は所望の両スラブ型フォトニック結晶31,32間の間隔に等しくなるように設計すればよい。なお、対向配置した2つのスラブ型フォトニック結晶により光共振器が形成されることは、例えば刊行物2(Wonjoo Suh,et al,「Displacement-sensitive photonic crystal structures based on guided resonance in photonic crystal slabs」,APPLIED PHYSICS LETTERS,VOLUME 82,p1999-2001,2003)に記載されている。
受光素子形成構造体3は、上述の2枚のシリコン基板40,50のうちの一方のシリコン基板(以下、第3のシリコン基板と称す)40の一表面側(図1における下面側)に上述の受光エレメント41が形成されるとともに受光エレメント41を第3のシリコン基板40の厚み方向において他の部位と熱絶縁する空洞部42が形成され、また、上述の2枚のシリコン基板40,50のうちの他方のシリコン基板(以下、第4のシリコン基板と称す)50における第3のシリコン基板40との対向面に当該第4のシリコン基板50と上述の受光エレメント41とを熱絶縁する熱絶縁用凹部51が形成されている。ここで、受光素子形成構造体3は、第3のシリコン基板40と第4のシリコン基板50とを重ね合わせて真空中において陽極接合技術を利用して封着することで、両シリコン基板40,50により構成される気密容器内に受光エレメント41が配置され、受光エレメント41の周囲が真空となっている。
受光素子形成成構造体3の受光エレメント41は、第3のシリコン基板40の上記一表面側に形成した高濃度(例えば、1020cm-3程度)の不純物拡散層(例えば、ボロンを高濃度に拡散した不純物拡散層)により構成されており、厚み方向に貫通し空洞部42に連通した複数の空孔41bが周期的に設けられている。具体的には、受光エレメント41は、単位格子が正三角形の仮想的な2次元三角格子の各格子点に対応する各部位に空孔41bが設けられている。また、第3のシリコン基板40における空洞部42は、受光エレメント41から離れるにつれて開口面積が徐々に小さくなる形状に形成されている。したがって、本実施形態では、第3のシリコン基板40の上記一表面側にリソグラフィ技術および不純物拡散技術などを利用して受光エレメント41を形成した後で、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して空孔41bを形成してから、アルカリ系溶液(例えば、EPW、KOH、TMAHなどの水溶液)を用いた異方性エッチング技術を利用して空洞部42を形成することができる。
また、受光素子形成構造体3の第3のシリコン基板40は、受光エレメント41と電気的に接続された検出用電極(図示せず)が上記一表面側に形成されるとともに、各検出用電極それぞれと電気的に接続された貫通配線(図示せず)が厚み方向に沿って形成されており、上記一表面とは反対側の他表面に、各貫通配線それぞれと電気的に接続された2つの検出用のパッド(図示せず)が形成されている。なお、各貫通配線は、第3のシリコン基板40における各貫通配線のそれぞれの形成予定部位に貫通孔を形成し、各貫通孔それぞれの内面にシリコン酸化膜からなる絶縁膜を成膜した後、各貫通孔それぞれの内側に貫通配線それぞれの一部となる金属層をスパッタ法により成膜してから、当該金属層をシード層として電解メッキ法により各貫通孔の内側を埋め込む金属部を析出させることにより形成してある。また、本実施形態では、受光エレメント41と両検出用電極とで受光素子を構成している。
しかして、受光素子形成構造体3は、光源形成構造体1から放射されガスセル構造体2を通過した赤外光が第4のシリコン基板50を透過して受光エレメント41に照射され、当該受光エレメント41の抵抗値が変化する。なお、受光エレメント41の抵抗値は一対の検出用のパッドを通して検出される。
また、受光素子形成構造体3の第4のシリコン基板50におけるガスセル構造体2との対向面には、ガスセル構造体2の第2のフォトニック結晶32およびスペーサ部33を収納する収納凹所52が形成されており、収納凹所52の周部が第2のフォトニック結晶32およびスペーサ部33を囲む矩形枠状のフレーム部53を構成しているが、当該フレーム部53は第4のシリコン基板50におけるガスセル構造体2との対向面に収納凹所52を形成せずに、第4のシリコン基板50におけるガスセル構造体2との対向面上に積層した絶縁膜をパターニングすることにより形成してもよい。
以上説明した本実施形態の光学式ガスセンサでは、ガスセル部を構成するガスセル構造体2が厚み方向に対向配置された2つのスラブ型フォトニック結晶31,32を備えるとともに両スラブ型フォトニック結晶31,32の間の空間へ検出対象ガスを導入するガス導入口36を有しており、光源形成構造体1から放射されて第1のスラブ型フォトニック結晶31に交差する方向から入射される赤外光が第2のスラブ型フォトニック結晶32から受光素子形成構造体3側へ出射されるようにし、かつ、両スラブ型フォトニック結晶31,32間の間隔を検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するように設定してあるので、両スラブ型フォトニック結晶31,32によって検出対象ガスの吸収波長に共振する光共振器が構成され、検出対象ガスの吸収波長の赤外光の光路長を両スラブ型フォトニック結晶31,32間の間隔よりも長くすることができるから、高感度化を図りながらも小型化が可能になる。
また、本実施形態の光学式ガスセンサでは、光源形成構造体1と受光素子形成構造体3とが上記半導体基板たるSOI基板30の厚み方向においてガスセル構造体2と重なる形でガスセル構造体2に接合されており、光源形成構造体1および受光素子形成構造体3にはそれぞれ上述の貫通配線が形成されているので、ガスセル構造体2と光源形成構造体1と受光素子形成構造体3とをウェハレベルパッケージング技術を利用して一体化することができ、より一層の小型化を図れる。
また、本実施形態の光学式ガスセンサでは、光源形成構造体1および受光素子形成構造体3それぞれの小型化を図りながらも、発熱体部11および受光エレメント41それぞれの周囲が真空となっているので、発熱体部11および受光エレメント41とそれぞれの周囲との熱容量差を大きくすることができ、応答速度の高速化を図れる。
ところで、上記実施形態における各スラブ型フォトニック結晶31,32は、スラブ31a,32aに対して、単位格子が正三角形の仮想的な2次元三角格子の各格子点に対応する各部位に円形状の空孔31b,32bを設けることにより形成されているが、単位格子は正三角形に限らず、例えば正方形でもよく、この場合には単位格子が正方形の仮想的な2次元正方格子の各格子点に対応する部位に空孔31b,32bを設ければよい。また、上記実施形態では、各スラブ型フォトニック結晶31,32の屈折率周期構造を形成するためにスラブ31a,32aに多数の円形状の空孔31b,32bを形成してあるが、空孔31b,32bの開口形状は円形状の形状に限定するものではなく、例えば三角形状や四角形状など別の開口形状でもよい。
また、上記実施形態では、ガスセル部たるガスセル構造体2が、2つのスラブ型フォトニック結晶31,32を有しているが、一方のスラブ型フォトニック結晶31のみを設けて上記ガス導入口36から当該スラブ型フォトニック結晶31付近へ検出対象ガスが導入されるように構成してもよい。
実施形態を示す概略断面図である。 同上を示す概略分解断面図である。 同上を示す概略斜視図である。 同上の要部斜視図である。 従来例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 光源形成構造体
2 ガスセル構造体
3 受光素子形成構造体
10 シリコン基板(第1のシリコン基板)
11 発熱体部
20 シリコン基板(第2のシリコン基板)
30 SOI基板
31 スラブ型フォトニック結晶
31a スラブ
31b 空孔
32 スラブ型フォトニック結晶
32a スラブ
32b 空孔
40 シリコン基板(第3のシリコン基板)
41 受光エレメント
50 シリコン基板(第4のシリコン基板)

Claims (3)

  1. 検出対象ガスの吸収波長を含む波長域の光を放射する光源部と、光源部から放射された光を受光する受光素子部と、光源部と受光素子部との間に設けられ検出対象ガスが導入されるガスセル部とを備え、ガスセル部は、2次元面内に屈折率周期構造を有するスラブ型フォトニック結晶およびスラブ型フォトニック結晶付近へ検出対象ガスを導入するガス導入口が設けられ、光源部から放射されてスラブ型フォトニック結晶に交差する方向から入射される光が受光素子部側へ出射されるようにし、かつ、検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するようにスラブ型フォトニック結晶の屈折率周期構造を設計してあることを特徴とする光学式ガスセンサ。
  2. ガスセル部は、2つのスラブ型フォトニック結晶が厚み方向に離間して対向配置されるとともにガス導入口が両スラブ型フォトニック結晶の間の空間へ検出対象ガスを導入可能に設けられ、光源部から放射されて一方のスラブ型フォトニック結晶に交差する方向から入射される光が他方のスラブ型フォトニック結晶から受光素子部側へ出射されるようにし、かつ、両スラブ型フォトニック結晶間の間隔を検出対象ガスの吸収波長に対して共振ピークを有するように設定してあることを特徴とする請求項1記載の光学式ガスセンサ。
  3. 光源部が、通電に伴う発熱により前記光を放射する発熱体部を一表面側に形成した第1のシリコン基板と、発熱体部を熱絶縁する第1の熱絶縁用凹部を第1のシリコン基板との対向面に形成した第2のシリコン基板とを重ね合わせて封着した光源形成構造体からなり、ガスセル部が、半導体基板の一表面に凹所を設けることで形成した第1のスラブに複数の空孔を設けることにより前記一方のスラブ型フォトニック結晶が形成されるとともに、半導体基板の他表面側で前記第1のスラブに対向配置された第2のスラブに複数の空孔を設けることにより前記他方のスラブ型フォトニック結晶が形成されたガスセル構造体からなり、受光素子部が、前記光を受光して電気信号に変換する受光エレメントを一表面側に形成した第3のシリコン基板と、受光エレメントを熱絶縁する第2の熱絶縁用凹部を第3のシリコン基板との対向面に形成した第4のシリコン基板とを重ね合わせて封着した受光素子形成構造体からなり、光源形成構造体と受光素子形成構造体とが半導体基板の厚み方向においてガスセル構造体と重なる形でガスセル構造体に接合されてなることを特徴とする請求項2記載の光学式ガスセンサ。
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