JP2015197371A - サーモパイル素子およびガス検知器 - Google Patents

サーモパイル素子およびガス検知器 Download PDF

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達典 伊藤
中川 伸一
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伸一 中川
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Masashi Kida
真史 喜田
鬼頭 真一郎
Shinichiro Kito
真一郎 鬼頭
剛 上山
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剛 上山
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Abstract

【課題】 冷接点の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来るサーモパイル素子、およびそのようなサーモパイル素子を備えるガス検知器を提供する。【解決手段】 赤外線検知素子31は、冷接点側平均寸法Lc(ave)とテーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)が1/3以下となる構成である。これにより、熱電対部45のうち、メンブレン部43aと枠部41との境界線から冷接点49までの長さ寸法を一定値以下に制限することができ、熱電対部45の電気抵抗値が大きくなることを抑制できる。また、このようにして枠部41における冷接点49の位置を特定することで、赤外線の受光量に応じて温接点48と冷接点49との温度差を確保でき、赤外線の受光量に応じて熱電対部45の起電力を確保できる。よって、赤外線検知素子31によれば、冷接点49の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来る。【選択図】 図5

Description

本発明は、サーモパイル素子、および測定対象ガスに含まれる特定ガスを検知するガス検知器に関する。
測定対象ガスに含まれる特定ガスを検知するガス検知器が知られており、一例としては、人の呼気に含まれるアルコールを検知するガス検知器が挙げられる。
このようなガス検知器には、受光した赤外線の強度に応じた赤外線検知信号を出力する赤外線検知素子を備えるものがあり、赤外線検知素子の一例として、サーモパイル素子が挙げられる。
サーモパイル素子は、入射した赤外線を熱エネルギーに変換して発生した熱量を温接点と冷接点との温度差として捉え、この温度差を熱電材料により起電力に変換することで、赤外線の光量を電圧信号として出力する。サーモパイル素子は、厚さ数μmのメンブレン部と、厚さ数100μmのリム部からなるダイヤフラム構造をとる。
温接点は、温度変化しやすくするために熱容量の小さいメンブレン部の上に形成される。なお、サーモパイル素子には、入射した赤外線のエネルギーを効率よく熱エネルギーに変換するために赤外線吸収層を、温接点の近傍に備えるものがある。一方、冷接点は、基準温度となるため、赤外線の入射による温度変化は少ない方が好ましく、メンブレン部に対して十分大きい熱容量を持つ厚さ数100μmのリム部の上に形成される。
このような構成のサーモパイル素子は、微小なエネルギーを持つ赤外線の入射を効率よく温接点と冷接点との温度差に変換し、入射する赤外線の光量を電圧として精度良く検出することが出来る。
一方で、サーモパイル素子は、電圧を出力する電子部品であるので、サーモパイル素子自体の電気抵抗値が大きいとノイズの発生源となるため測定精度に悪影響を及ぼすことがあり、サーモパイル素子の電気抵抗値は小さい方が望ましい。
他方、サーモパイル素子としては、温接点での赤外線の吸収量を大きくするために、メンブレン部の中心まで温接点領域を延設した構成が開示されている(特許文献1)。また、サーモパイル素子としては、赤外線の吸収による温度変化の大きい部分であるメンブレン部の対角線付近に温接点を設ける構成が開示されている(特許文献2)。
特開2002−340679号 特開2007−309796号
しかし、上記のサーモパイル素子は、赤外線の入射を大きな起電力変化として捉えており、冷接点と温接点の温度差を大きく検出する方法として、温接点の形状や配置に工夫がなされているが、冷接点に対しては特に配慮されていない。
本発明は、冷接点の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来るサーモパイル素子を提供すること、およびそのようなサーモパイル素子を備えるガス検知器を提供することを目的とする。
(1)本発明の第1の局面におけるサーモパイル素子は、基板と、複数の熱電対が直列接続されて構成されるサーモパイル部と、を備えるサーモパイル素子である。
基板は、板状のリム部と、リム部に周囲が取り囲まれる空洞部と、リム部の表面に配置され、空洞部を閉塞する薄膜状のメンブレン部と、を有する。サーモパイル部は、メンブレン部に温接点が配置され、リム部に冷接点が配置される熱電対を複数有する。
リム部は、自身の表面とメンブレン部との境界から当該表面に沿って外側に向かうに従い厚みを増していくテーパ領域を有している。テーパ領域のうち前記境界に直交し表面に沿う方向の最大長さ寸法をテーパ領域寸法Lとし、前記表面に沿う方向における前記境界から冷接点までの最短距離を冷接点側寸法Lcとし、複数の熱電対における冷接点側寸法Lcの平均値を冷接点側平均寸法Lc(ave)とした場合に、冷接点側平均寸法Lc(ave)とテーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)が1/3以下である。
このように、冷接点側平均寸法Lc(ave)とテーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)が1/3以下である場合には、冷接点は、リム部のテーパ領域のうち前記境界からの距離がテーパ領域寸法Lの1/3以下となる領域に配置される。
これにより、熱電対のうち、前記境界から冷接点までの長さ寸法を一定値以下に制限することができ、熱電対の電気抵抗値が大きくなることを抑制できる。
また、このようにしてリム部における冷接点の位置を特定することで、赤外線の受光量に応じて温接点と冷接点との温度差を確保でき、赤外線の受光量に応じて熱電対の起電力を確保できる。
つまり、このサーモパイル素子は、赤外線の受光量に応じた熱電対の起電力を確実に発生できるとともに熱電対の電気抵抗値を低減できるため、赤外線検出におけるS/N比が良好となり、赤外線の検出精度を向上できる。
よって、このサーモパイル素子によれば、冷接点の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来る。
(2)本発明の他の局面のサーモパイル素子においては、前記表面に沿う方向における前記境界から温接点までの最短距離を温接点側寸法Lhとした場合に、複数の熱電対のうち温接点側寸法Lhが最小値となる最小熱電対において、冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が1.0以上である。
このように、最小熱電対における冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が1.0以上である場合には、最小熱電対のうちメンブレン部に配置される部分(温接点側部分)がリム部に配置される部分(冷接点側部分)よりも大きくなり、赤外線の受光量に応じた温接点と冷接点との温度差をより確実に発生できる。つまり、最小熱電対での赤外線の受光量に応じた起電力を確保できる。
また、最小熱電対以外の熱電対は、温接点側寸法Lhが最小熱電対よりも長いことから、最小熱電対以外の熱電対においても、赤外線の受光量に応じた温接点と冷接点との温度差をより確実に発生でき、赤外線の受光量に応じた起電力を確保できる。
これにより、複数の熱電対が直列接続されて構成されるサーモパイル部は、赤外線の受光量に応じた起電力を確保できる。
よって、このサーモパイル素子は、赤外線の受光量に応じた熱電対の起電力を確実に発生できるため、より一層、赤外線の検出精度を向上できる。
(3)本発明のさらに他の局面のサーモパイル素子においては、空洞部は、平面視四角形であり、複数の熱電対は、空洞部の4辺のうち少なくとも隣り合う2辺のそれぞれに配置され、最小熱電対は、空洞部の同一辺に配置される複数の熱電対の中で当該辺の端部に最も近い位置に配置されるとともに、冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が2.0以下である。
このように、最小熱電対が空洞部の同一辺に配置される複数の熱電対の中で当該辺の端部に最も近い位置に配置されることで、他の辺に配置される熱電対に対して最小熱電対が重なり合うことが生じがたくなる。つまり、メンブレン部に複数の熱電対を配置するにあたり、有限のメンブレン部の面積を効率よく利用することができ、メンブレン部に設けられる熱電対の個数をより多く確保できる。
また、最小熱電対における冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が2.0以下である場合には、最小熱電対のうちメンブレン部に配置される部分(温接点側部分)の大きさを制限できるとともに、メンブレン部における最小熱電対の占有面積を制限できる。
もし、最小熱電対における比率(Lh/Lc)が2.0よりも大きくなると、メンブレン部における最小熱電対の占有面積が大きくなるとともに、メンブレン部に配置可能な熱電対の個数が少なくなり、複数の熱電対による出力が低下する可能性がある。
これに対して、最小熱電対における比率(Lh/Lc)が2.0以下である場合には、メンブレン部において、最小熱電対以外の熱電対のための設置面積を大きく確保することが可能となり、メンブレン部に設けられる熱電対の個数をより多く確保できる。
このように熱電対の個数を増やすことで、複数の熱電対を備えるサーモパイル部としての起電力を大きくすることができ、赤外線検出におけるS/N比が良好となり、赤外線の検出精度を向上できる。
(4)本発明のさらに他の局面のサーモパイル素子においては、冷接点側平均寸法Lc(ave)が50μm以下である。
このような構成を採ることで、熱電対のうち、前記境界から冷接点までの長さ寸法を一定値以下に制限することができ、熱電対の電気抵抗値が大きくなることを抑制できる。
また、このようにしてリム部における冷接点の位置を特定することで、赤外線の受光量に応じて温接点と冷接点との温度差を確保でき、赤外線の受光量に応じて熱電対の起電力を確保できる。
つまり、このサーモパイル素子は、赤外線の受光量に応じた熱電対の起電力を確実に発生できるとともに熱電対の電気抵抗値を低減できるため、赤外線検出におけるS/N比が良好となり、赤外線の検出精度を向上できる。
よって、このサーモパイル素子によれば、冷接点の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来る。
(5)本発明のさらに別の局面のガス検知器は、測定対象ガスが内部に導入される測定セルと、赤外線を放射する光源と、受光した赤外線の強度に応じた赤外線検知信号を出力する赤外線検知素子と、を備えて、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検知するガス検知器であって、赤外線検知素子は上述のいずれかのサーモパイル素子である。
このように、上述のいずれかのサーモパイル素子を備えるガス検知器は、赤外線の受光量に応じた熱電対の起電力を確実に発生できるとともに熱電対の電気抵抗値を低減できるため、赤外線検出におけるS/N比が良好となり、赤外線の検出精度を向上できる。
よって、このガス検知器によれば、冷接点の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来る。
本発明によれば、冷接点の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来るサーモパイル素子を実現でき、そのようなサーモパイル素子を備えるガス検知器を実現できる。
第1実施形態の非分散型赤外線分析式ガス検知器の内部構成を示す断面図である。 赤外線センサの内部構成を示す断面図である。 赤外線検知素子の外観を表す平面図である。 赤外線検知素子の図3におけるA−A視断面を表す断面図である。 赤外線検知素子のうち最小熱電対の形成領域を拡大した拡大図と、その拡大図におけるB−B視端面の端面構造を表した端面図と、を示した説明図である。 赤外線検知素子における出力および抵抗値を測定した測定結果である。 赤外線検知素子の出力を測定した測定結果である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
図1は、第1実施形態の赤外線検知素子31を有する赤外線センサ15を備える非分散型赤外線分析式ガス検知器1の内部構成を示す断面図である。
この非分散型赤外線分析式ガス検知器1(以下、単に、ガス検知器1ともいう)は、人の呼気に含まれる炭化水素ガスを検知するために用いられる。
ガス検知器1は、光源11と、測定セル13と、赤外線センサ15と、ヒータ17と、を備えている。
光源11は、赤外線を含んだ光を放射する。
測定セル13は、アルミニウム製の円筒形状の部材であり、円筒の軸線方向における一端の内部に光源11が配置される。測定セル13は、光源11から発せられる赤外線を赤外線センサ15に届ける鏡筒の役割を兼ねる。
測定セル13は、光源11より放射される赤外線を反射する内壁面21と、人の呼気が導入されるガス空間23と、測定対象ガス(人の呼気)をガス空間23に導入・排出するためのガス入出部25と、を備えている。
赤外線センサ15は、測定セル13の端部のうち光源11が配置される側とは反対の端部に配置されており、光源11から出力されて測定セル13のガス空間23を通過した赤外線もしくは測定セル13の内壁面21で反射して到達した赤外線の強度に応じた赤外線検知信号を出力する。
図2は、赤外線センサ15の内部構成を示す断面図である。
赤外線センサ15は、赤外線検知素子31と、台座33と、キャップ35と、バンドパスフィルタ37と、を備える。
赤外線検知素子31は、MEMS型(微小電機機械素子型)のサーモパイル素子であり、受光した赤外線の強度に応じた赤外線検知信号を出力する。具体的には、赤外線検知素子31は、照射される赤外線の強度に応じて温度変化すると、その温度変化量ΔTに応じた起電力ΔVを生じ、その起電力ΔVに応じた赤外線検知信号を外部に出力する。なお、赤外線検知素子31の詳細については後述する。
台座33は、赤外線検知素子31を支持する鉄製部材である。台座33を構成する鉄製部材の熱伝導率は、84[W/m・K]である。台座33は、赤外線検知素子31に接続される信号線51を挿通するための挿通孔34を備えている。挿通孔34の内壁には絶縁材料36が配置されており、絶縁材料36は、台座33と信号線51とを電気的に絶縁する。
信号線51は、一端が赤外線検知素子31の電極パッド50に電気的に接続され、他端が外部機器に電気的に接続されることで、赤外線検知信号を外部に出力するための信号経路を形成する。信号線51は、台座33の挿通孔34に挿通された状態で、金製のリードワイヤ54を用いたボンディングにより、赤外線検知素子31の電極パッド50に電気的に接続される。
赤外線検知素子31は、台座33における所定の設置位置に、エポキシ系接着剤により固定される。
キャップ35は、ステンレス合金により構成され、台座33に支持された赤外線検知素子31を収容する素子配置空間55を形成する部材である。キャップ35は、抵抗溶接により台座33と接合されることで、台座33とともに素子配置空間55を形成する。キャップ35は、外部から素子配置空間55に光を取り込む窓部57を備える。
バンドパスフィルタ37は、キャップ35の窓部57を覆うように、エポキシ系接着剤によりキャップ35に固定される。バンドパスフィルタ37は、透過中心波長が3.4[μm]であり、炭化水素ガス検知用のフィルタである。
このような構成の赤外線センサ15は、図1に示すように、アルミニウム製の固定治具59により測定セル13の端部に固定される。
ヒータ17は、シリコンラバーヒータであり、測定セル13を取り囲むように配置される。ヒータ17は、40[℃]以上に設定された特定の制御温度(本実施形態では、50[℃]に設定)で、測定セル13を加熱する。
[1−2.ガス検知]
このような構成のガス検知器1は、ガス入出部25を介して測定セル13のガス空間23に人の呼気を導入・排出した上で、ガス空間23に導入された呼気に含まれる炭化水素ガスの濃度を検知する。
つまり、光源11から照射される赤外線は、測定セル13のガス空間23に導入された呼気に含まれる炭化水素ガスに吸収されるため、赤外線センサ15に到達する赤外線の強度は、炭化水素ガスの濃度に応じて変化する。そして、赤外線センサ15(赤外線検知素子31)から出力される赤外線検知信号が炭化水素ガスの濃度に応じて変化することから、赤外線検知信号に基づいて人の呼気に含まれる炭化水素ガスの濃度を検知できる。なお、赤外線センサ15は、バンドパスフィルタ37の透過中心周波数に応じた周波数の赤外線を検知する。
ガス検知器1は、ヒータ17が測定セル13を加熱して測定セル13の内壁面21に結露が生じるのを抑制することで、光源11から照射される赤外線が測定セル13の内壁面21で反射する際の減衰量を低減する。
赤外線検知素子31(特に、赤外線吸収層47)の温度変化は、光源11から測定セル13の内部を介して到達した赤外線の強度に応じたものとなる。
このようにして赤外線検知素子31(特に、赤外線吸収層47)の温度が変化することで、赤外線センサ15は、測定セル13に導入された人の呼気に含まれる炭化水素ガスの濃度に応じた赤外線検知信号を出力する。
よって、このガス検知器1を用いることで、赤外線検知信号に基づいて人の呼気に含まれる炭化水素ガスの濃度を検知することが可能となる。なお、ヒータ17が発する熱は、測定セル13を通じて赤外線センサ15の台座33に伝わり、キャップ35に熱伝導していく。そのため、ヒータ17の加熱によって、キャップ35の表面の結露防止を図ることができる。
[1−3.赤外線検知素子]
赤外線検知素子31の構造について、図3および図4を用いて説明する。
なお、図3は、赤外線検知素子31の外観を表す平面図であり、図4は、赤外線検知素子31の図3におけるA−A視断面を表す断面図である。また、図3では、赤外線検知素子31の構成を簡略化して表しており、具体的には、熱電対部45の個数を実際よりも少なくして熱電対部45の配線パターンを簡略化して表している。赤外線検知素子31における実際の熱電対部45の個数は、276個である。
赤外線検知素子31は、素子基板40を備えており、素子基板40は、枠部41に薄膜部43を積層して構成されている。
枠部41は、厚み寸法が400[μm]のSi(100)単結晶基板を用いて構成されており、その単結晶基板の中央に異方性エッチングによる除去によって形成されたテーパ形状の空間部41aを有している。つまり、枠部41は、空間部41aにおいて、単結晶基板の中央から外側に向かうに従い厚みを増していくテーパ領域を有している。
薄膜部43は、SiO2で形成される厚さ寸法が3000Åの絶縁膜と、Si34で形成される厚さ寸法が3000Åの絶縁膜と、を積層した絶縁膜である。
つまり、赤外線検知素子31は、薄膜部43のうち空間部41aに接するメンブレン部43aと、その外周に位置する枠部41と、を備えるダイヤフラム構造である。
メンブレン部43aは、その大きさが1.8[mm]×1.8[mm]である。枠部41の空間部41aにおけるテーパ領域寸法Lは、280[μm]である。
また、赤外線検知素子31は、複数の熱電対部45および複数のリード部46を有する熱電堆44と、熱電堆44のうち薄膜部43のメンブレン部43aに配置される部分を覆う赤外線吸収層47と、熱電堆44と電気的に接続される電極パッド50と、を備えている。
熱電堆44は、薄膜部43から枠部41にかけて配置された複数の熱電対部45と、複数の熱電対部45を直列接続するための複数のリード部46と、を備える。
複数の熱電対部45は、それぞれ、リンをドープしたポリシリコンで形成されており、薄膜部43の上に配置されている。熱電対部45の端部のうち、赤外線吸収層47に覆われるとともに薄膜部43に配置される端部が温接点48であり、枠部41に配置される端部が冷接点49である。
本実施形態の熱電対部45は、体積抵抗率が1.0×10-5[Ωm]であり、厚み寸法は5000Åであり、線幅寸法は10[μm]である。なお、ここでの線幅寸法とは、温接点48と冷接点49とを結ぶ直線に垂直な方向(幅方向)の寸法を意味している。
リード部46は、熱電対部45の温接点48と冷接点49とを交互に接続して、複数の熱電対部45を電気的に直列接続する。リード部46は、アルミニウムで形成されており、厚み寸法は5000Åであり、線幅寸法は10[μm]である。
なお、図3では、赤外線検知素子31の概略構成を示しており、熱電対部45およびリード部46は、線幅寸法が実際の寸法とは異なる大きさで表されている。
熱電対部45およびリード部46は、互いの配線間隔が少なくとも10[μm]以上となるように配置されている。
リード部46は、電極パッド50にも電気的に接続されている。電極パッド50は、リード部46と同様に、アルミニウムで形成されている。
熱電対部45およびリード部46により形成される熱電堆44の上には、SiO2で構成された厚さ寸法が5000Åの保護膜(図示省略)が形成されている。
その保護層の上には、赤外線吸収層47が、薄膜部43のメンブレン部43aに配置される熱電堆44(熱電対部45およびリード部46)を覆うように配置されている。赤外線吸収層47は、カーボンで構成されるとともに、厚さ寸法が5[μm]である。
この赤外線検知素子31は、照射される赤外線の強度に応じて赤外線吸収層47が温度変化すると、その温度変化量ΔTに応じた起電力ΔVを生じ、その起電力ΔVに応じた赤外線検知信号を電極パッド50から外部に出力する。
詳細には、MEMS型サーモパイル素子としての赤外線検知素子31は、枠部41(冷接点49)は台座33(図2参照)に対して熱的に接触しており、一方、薄膜部43(温接点48)は台座33や冷接点49から熱的に分離された構造である。換言すれば、枠部41は台座33に接しており、薄膜部43は枠部41の上部で架橋されるように配置されると共に台座33から離間してなる。温接点48の上には赤外線吸収層47が形成されており、外部から赤外線が赤外線吸収層47に照射されたとき、赤外線吸収層47が温度変化(ΔT)する。サーモパイルは温度変化量に応じて起電力(ΔV)を生じるため、この起電力より赤外線の強度(I)を求めることが出来る。
次に、赤外線検知素子31における複数の熱電対部45の配置について説明する。
図3に示すように、複数の熱電対部45は、それぞれの長さ寸法(換言すれば、温接点48と冷接点49との距離)が、配置領域によって異なる。具体的には、四角形のメンブレン部43aにおける各辺において、辺の中央位置に配置される熱電対部45の長さ寸法が最長であり、辺の両端に向かうに従い熱電対部45の長さ寸法が短くなるように、複数の熱電対部45が配置されている。複数の熱電対部45のうち長さ寸法が最小となるものを最小熱電対45aと定義する。
ここで、赤外線検知素子31のうち最小熱電対45aの形成領域を拡大した拡大図と、その拡大図におけるB−B視端面の端面構造を表した端面図と、を示した説明図を図5に示す。図5では、左側領域に拡大図を示し、右側領域に端面図を示す。なお、図5の拡大図は、図3の赤外線検知素子31のうち左下領域を拡大した拡大図に相当する。
熱電対部45のうち、メンブレン部43aと枠部41との境界線から温接点48までの距離を温接点側寸法Lhとし、メンブレン部43aと枠部41との境界線から冷接点49までの距離を冷接点側寸法Lcとする。
なお、複数の熱電対部45は、いずれも冷接点側寸法Lcは同一寸法であるが、それぞれの温接点側寸法Lhは配置位置によって異なる。そして、最小熱電対45aは、複数の熱電対部45のうち長さ寸法が最小となる熱電対部であり、複数の熱電対部45のうち温接点側寸法Lhが最小値となる熱電対部である。
複数の熱電対部45における冷接点側寸法Lcの平均値を冷接点側平均寸法Lc(ave)とした場合、本実施形態の冷接点側平均寸法Lc(ave)は、50[μm]である。上述したように、枠部41の空間部41aにおけるテーパ領域寸法Lは280[μm]であることから、冷接点側平均寸法Lc(ave)とテーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)は、およそ0.18(=50/280)である。
複数の熱電対部45のうち、温接点側寸法Lhが最小値となる最小熱電対45aにおいては、温接点側寸法Lhが50[μm]であり、冷接点側寸法Lcが50[μm]である。つまり、最小熱電対45aにおいては、冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が1.0である。
また、赤外線検知素子31の抵抗値(換言すれば、複数の熱電対部45の合計抵抗値)は、約286[kΩ]である。
[1−4.比率(Lc(ave)/L)に対する出力および抵抗値の測定]
冷接点側平均寸法Lc(ave)とテーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)を変化させた場合の赤外線検知素子における出力および抵抗値を測定した。
本測定では、比率(Lc(ave)/L)を0.07から0.36までの範囲内で変化させて、出力および抵抗値をそれぞれ測定した。
赤外線検知素子における出力および抵抗値を測定した測定結果を図6に示す。測定結果は、比率(Lc(ave)/L)が0.07であるときの出力および抵抗値をそれぞれ「1.0」とした場合の相対値としての数値を表している。
まず、赤外線検知素子の出力については、図6に示すように、比率(Lc(ave)/L)が0.07〜0.29の範囲内では、出力の大きさに変化はないが、比率(Lc(ave)/L)が0.36になると、わずかに出力の大きさが低下している。これは、枠部41とメンブレン部43aとの境界線から「テーパ領域寸法Lの約1/3」の範囲においては、枠部41の温度分布がほぼ一定であることを示している。
他方、赤外線検知素子の抵抗値については、図6に示すように、比率(Lc(ave)/L)が大きくなるに従い、抵抗値が大きくなる。
このことから、比率(Lc(ave)/L)が1/3よりも大きくなる場合には、赤外線検知素子の出力が向上することは見込めず、出力が低下するとともに、抵抗値が増加することとなる。
この測定結果によれば、赤外線検知素子は、比率(Lc(ave)/L)が1/3以下となるように構成する(換言すれば、[数1]を満たすように構成する)ことで、温接点と冷接点の温度差を十分に取ることができ、抵抗値を低減でき、良好なS/N比(信号とノイズの比)を実現できることが判る。
[1−5.最小熱電対の比率(Lh/Lc)に対する出力の測定]
複数の熱電対部のうち温接点側寸法Lhが最小値となる最小熱電対に関して、冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)を変化させた場合に、赤外線検知素子における出力がどのような変化を表すかを測定した。
本測定では、最小熱電対の比率(Lh/Lc)を0.5から3.0までの範囲で変化させて、赤外線検知素子の出力を測定した。
赤外線検知素子の出力を測定した測定結果を図7に示す。測定結果は、最小熱電対の比率(Lh/Lc)が0.5であるときの出力を「1.0」とした場合の相対値としての数値を表している。
図7に示すように、赤外線検知素子の出力は、最小熱電対の比率(Lh/Lc)が1.0以上の場合には、最小熱電対の比率(Lh/Lc)が1.0未満の場合に比べて、変化の傾きが小さくなる。換言すれば、最小熱電対の比率(Lh/Lc)が1.0未満の場合には、最小熱電対の比率(Lh/Lc)が小さくなるに従い、赤外線検知素子の出力が大幅に低下する傾向がある。これは、最小熱電対の比率(Lh/Lc)が1.0未満の場合には、温接点と冷接点との温度差が生じがたくなるために、赤外線検知素子の出力が大幅に低下しやすくなると考えられる。
基本的に、サーモパイル素子としての赤外線検知素子では、メンブレン部のうち中心領域が赤外線の入射による温度変化が大きい領域となるため、温接点は、メンブレン部のうち中心領域により近い位置に設けることが望ましい。この点を考慮すると、複数の熱電対部は、それぞれの温接点がメンブレン部の対角線付近に設けられるように配置することになり、この場合、複数の熱電対部は、メンブレン部の角部に近づくほど温接点側寸法Lhは小さくなる。
この点と図7の測定結果とを考慮すると、最小熱電対の比率(Lh/Lc)が1.0未満となるまで熱電対部を配置する場合、比率(Lh/Lc)が1.0未満の熱電対部による出力向上の効果は小さいものの、赤外線検知素子としての抵抗値が大きくなると考えられる。
このため、赤外線検知素子は、最小熱電対の比率(Lh/Lc)が1.0以上となるように構成する((換言すれば、[数2]を満たすように構成する)ことで、最小熱電対による出力向上を図りつつ、赤外線検知素子としての抵抗値の増大を抑制できる。
[1−6.出力および抵抗値の比較試験]
本発明を適用した赤外線検知素子において、赤外線検出精度が向上したことを確認するために実施した試験の試験結果について説明する。
本試験では、本発明の実施例としての2種類の赤外線検知素子と、比較例としての2種類の赤外線検知素子と、を用いて、それぞれの出力および抵抗値を測定した。
実施例1,2および比較例1,2のそれぞれにおける「冷接点側平均寸法Lc(ave)とテーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)」、「最小熱電対における比率(Lh/Lc)」、「熱電対の個数」は、それぞれ[表1]に示すとおりである。
実施例1,2および比較例1,2のそれぞれにおける「抵抗値」および「出力」の測定結果を、[表1]に示す。なお、「出力」については、比較例1の出力を「1.0」とした場合の相対値としての数値を表している。
実施例1,2は、比較例1と比較においては、最小熱電対における冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が小さい値となっており、出力が15〜16%向上している。
ここで、実施例1,2のように、最小熱電対における比率(Lh/Lc)が2.0以下である場合には、最小熱電対のうちメンブレン部に配置される部分(温接点側部分)の大きさを制限できるとともに、メンブレン部における最小熱電対の占有面積を制限できる。
これに対して、比較例1のように、最小熱電対における比率(Lh/Lc)が2.0よりも大きい場合には、メンブレン部における最小熱電対の占有面積が大きくなるとともに、メンブレン部に配置可能な熱電対の個数が少なくなり、複数の熱電対による出力が低下することが判る。
つまり、実施例1,2のように、最小熱電対における比率(Lh/Lc)が2.0以下である場合には、メンブレン部において、最小熱電対以外の熱電対のための設置面積を大きく確保することが可能となり、メンブレン部に設けられる熱電対の個数をより多く確保できる。
このため、赤外線検知素子は、最小熱電対の比率(Lh/Lc)が2.0以下となるように構成する((換言すれば、[数3]を満たすように構成する)ことで、熱電対の個数を増やすことができるため、複数の熱電対を備えるサーモパイル部としての起電力を大きくすることができ、赤外線検出におけるS/N比が良好となり、赤外線の検出精度を向上できる。
また、[表1]に示す測定結果によれば、実施例1,2は、比較例1と比較すると、出力が15〜16%向上し、抵抗値は10〜13kΩ(4〜5%)の増加に留まっている。即ち、本発明の構成を用いることにより、抵抗値の過大な上昇を伴わず、出力を向上させることが出来る。
さらに、実施例1,2は、比較例2と比較すると、出力は同程度であるが、抵抗値は44〜47kΩ(13〜14%)低減している。即ち、本発明の構成を用いることにより、同程度の出力を維持しつつ、抵抗値の低減を図ることができる。
[1−7.効果]
以上説明したように、本実施形態の赤外線検知素子31は、冷接点側平均寸法Lc(ave)とテーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)がおよそ0.18(=50/280)であり、比率(Lc(ave)/L)が1/3以下となる構成である。
このように、冷接点側平均寸法Lc(ave)とテーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)が1/3以下である場合には、冷接点49は、枠部41のテーパ領域のうちメンブレン部43aと枠部41との境界線からの距離がテーパ領域寸法Lの1/3以下となる領域に配置される。
これにより、熱電対部45のうち、メンブレン部43aと枠部41との境界線から冷接点49までの長さ寸法を一定値以下に制限することができ、熱電対部45の電気抵抗値が大きくなることを抑制できる。
また、このようにして枠部41における冷接点49の位置を特定することで、赤外線の受光量に応じて温接点48と冷接点49との温度差を確保でき、赤外線の受光量に応じて熱電対部45の起電力を確保できる。
つまり、この赤外線検知素子31は、赤外線の受光量に応じた熱電対部45の起電力を確実に発生できるとともに熱電対部45の電気抵抗値を低減できるため、赤外線検出におけるS/N比が良好となり、赤外線の検出精度を向上できる。
よって、赤外線検知素子31によれば、冷接点49の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来る。
また、赤外線検知素子31は、最小熱電対45aにおける冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が1.0である。
このように、最小熱電対45aにおける比率(Lh/Lc)が1.0以上である構成の赤外線検知素子31は、最小熱電対45aのうちメンブレン部43aに配置される部分(温接点側部分)が枠部41に配置される部分(冷接点側部分)よりも大きくなり、赤外線の受光量に応じた温接点48と冷接点49との温度差をより確実に発生できる。つまり、最小熱電対45aでの赤外線の受光量に応じた起電力を確保できる。
また、最小熱電対45a以外の熱電対部45は、温接点側寸法Lhが最小熱電対45aよりも長いことから、最小熱電対45a以外の熱電対部45においても、赤外線の受光量に応じた温接点48と冷接点49との温度差をより確実に発生でき、赤外線の受光量に応じた起電力を確保できる。
これにより、複数の熱電対部45が直列接続されて構成される熱電堆44は、赤外線の受光量に応じた起電力を確保できる。
よって、赤外線検知素子31は、赤外線の受光量に応じた熱電対部45の起電力を確実に発生できるため、より一層、赤外線の検出精度を向上できる。
また、赤外線検知素子31は、最小熱電対45aにおける冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が1.0であることから、最小熱電対45aにおける比率(Lh/Lc)が2.0以下となる構成である。
このような構成の赤外線検知素子31は、最小熱電対45aのうちメンブレン部43aに配置される部分(温接点側部分)の大きさを制限できるとともに、メンブレン部43aにおける最小熱電対45aの占有面積を制限できる。
これにより、メンブレン部43aにおいて、最小熱電対45a以外の熱電対部45のための設置面積を大きく確保することが可能となり、メンブレン部43aに設けられる熱電対部45の個数をより多く確保できる。
このように熱電対部45の個数を増やすことで、複数の熱電対部45を備える熱電堆44としての起電力を大きくすることができ、赤外線検出におけるS/N比が良好となり、赤外線の検出精度を向上できる。
次に、赤外線検知素子31は、複数の熱電対部45における冷接点側寸法Lcの平均値である冷接点側平均寸法Lc(ave)が50μmである。
このように、冷接点側平均寸法Lc(ave)が50μm以下である構成を採ることで、熱電対部45のうち、メンブレン部43aと枠部41との境界線から冷接点49までの長さ寸法を一定値以下に制限することができ、熱電対部45の電気抵抗値が大きくなることを抑制できる。
また、このようにして枠部41における冷接点49の位置を特定することで、赤外線の受光量に応じて温接点48と冷接点49との温度差を確保でき、赤外線の受光量に応じて熱電対部45の起電力を確保できる。
つまり、赤外線検知素子31は、赤外線の受光量に応じた熱電対部45の起電力を確実に発生できるとともに熱電対部45の電気抵抗値を低減できるため、赤外線検出におけるS/N比が良好となり、赤外線の検出精度を向上できる。
よって、赤外線検知素子31によれば、冷接点49の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来る。
さらに、赤外線センサ15は、赤外線検知素子31および台座33を備えて構成される。このように、上述の効果を奏する赤外線検知素子31を備える赤外線センサ15は、赤外線の受光量に応じた熱電対の起電力を確実に発生できるとともに熱電対の電気抵抗値を低減できるため、赤外線検出におけるS/N比が良好となり、赤外線の検出精度を向上できる。
よって、赤外線センサ15によれば、冷接点の構成を特定しつつ、赤外線の光量を精度良く検出することが出来る。
[1−8.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
素子基板40がダイヤフラム構造の基板の一例に相当し、メンブレン部43aがメンブレン部の一例に相当し、枠部41がリム部の一例に相当し、空間部41aが空洞部の一例に相当し、熱電堆44がサーモパイル部の一例に相当し、熱電対部45が熱電対の一例に相当し、赤外線検知素子31がサーモパイル素子の一例に相当する。メンブレン部43aと枠部41との境界線がリム部とメンブレン部との境界の一例に相当する。
台座33が支持部の一例に相当し、非分散型赤外線分析式ガス検知器1がガス検知器の一例に相当する。
[2.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態の赤外線検知素子31は、冷接点側平均寸法Lc(ave)とテーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)がおよそ0.18となる構成であるが、比率(Lc(ave)/L)はこの数値に限られることはなく、本発明が採りうる範囲において任意の値を採ることができる。具体的には、比率(Lc(ave)/L)は、1/3以上となる範囲内で任意の値を採ることができる。
また、上記実施形態の赤外線検知素子31は、最小熱電対45aにおける冷接点側寸法Lcと温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が1.0となる構成であるが、最小熱電対における比率(Lh/Lc)はこの数値に限られることはなく、本発明が採りうる範囲において任意の値を採ることができる。具体的には、最小熱電対における比率(Lh/Lc)は、1.0以上2.0以下の範囲内で任意の値を採ることができる。
また、上記実施形態の赤外線検知素子31は、冷接点側平均寸法Lc(ave)が50μmであるが、冷接点側平均寸法Lc(ave)はこの数値に限られることはなく、本発明が採りうる範囲において任意の値を採ることができる。具体的には、冷接点側平均寸法Lc(ave)は、50μm以下となる範囲内で任意の値を採ることができる。
また、複数の熱電対は、冷接点側寸法Lcが全ての熱電対で同じ寸法となる構成に限られることはなく、熱電対ごとに冷接点側寸法Lcが異なる寸法となるように構成しても良い。
1…非分散型赤外線分析式ガス検知器、15…赤外線センサ、31…赤外線検知素子、40…素子基板、41…枠部、41a…空間部、43…薄膜部、43a…メンブレン部、44…熱電堆、45…熱電対部、45a…最小熱電対、46…リード部、47…赤外線吸収層、48…温接点、49…冷接点、50…電極パッド。

Claims (5)

  1. 板状のリム部と、前記リム部に周囲が取り囲まれる空洞部と、前記リム部の表面に配置され、前記空洞部を閉塞する薄膜状のメンブレン部と、を有する基板と、
    前記メンブレン部に温接点が配置され、前記リム部に冷接点が配置される熱電対を複数有すると共に、複数の前記熱電対が直列接続されて構成されるサーモパイル部と、
    を備えるサーモパイル素子であって、
    前記リム部は、自身の表面と前記メンブレン部との境界から当該表面に沿って外側に向かうに従い厚みを増していくテーパ領域を有しており、
    前記テーパ領域のうち前記境界に直交し前記表面に沿う方向の最大長さ寸法をテーパ領域寸法Lとし、前記表面に沿う方向における前記境界から前記冷接点までの最短距離を冷接点側寸法Lcとし、複数の前記熱電対における冷接点側寸法Lcの平均値を冷接点側平均寸法Lc(ave)とした場合に、
    前記冷接点側平均寸法Lc(ave)と前記テーパ領域寸法Lとの比率(Lc(ave)/L)が1/3以下であること、
    を特徴とするサーモパイル素子。
  2. 前記表面に沿う方向における前記境界から前記温接点までの最短距離を温接点側寸法Lhとした場合に、
    複数の前記熱電対のうち前記温接点側寸法Lhが最小値となる最小熱電対において、前記冷接点側寸法Lcと前記温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が1.0以上であること、
    を特徴とする請求項1に記載のサーモパイル素子。
  3. 前記空洞部は、平面視四角形であり、
    前記複数の熱電対は、前記空洞部の4辺のうち少なくとも隣り合う2辺のそれぞれに配置され、
    前記最小熱電対は、前記空洞部の同一辺に配置される複数の前記熱電対の中で当該辺の端部に最も近い位置に配置されるとともに、前記冷接点側寸法Lcと前記温接点側寸法Lhとの比率(Lh/Lc)が2.0以下であること、
    を特徴とする請求項2に記載のサーモパイル素子。
  4. 前記冷接点側平均寸法Lc(ave)が50μm以下であること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のサーモパイル素子。
  5. 測定対象ガスが内部に導入される測定セルと、
    赤外線を放射する光源と、
    受光した前記赤外線の強度に応じた赤外線検知信号を出力する赤外線検知素子と、
    を備えて、前記測定対象ガスに含まれる特定ガスを検知するガス検知器であって、
    前記赤外線検知素子は、請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のサーモパイル素子であること、
    を特徴とするガス検知器。
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