JP2007084317A - モーター制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 目標トルクに対応する電流をモーターに流して負荷を駆動するモーター制御装置であって、モーター(2)の回転角加速度(β)を検出する回転角速度検出手段(25)と、負荷である送出しロール(7)の慣性モーメントと回転角加速度(β)とに基づいて、送出しロール(7)の慣性力によるモーター(2)の出力トルクの変動分を演算する変動トルク演算手段(22)と、モーター(2)の出力トルクの変動分に基づいて、この変動分が補償されるようにモーター(2)の目標トルクを補正する目標トルク補正手段(23)と、を備える。
【選択図】 図2
Description
すなわち、この張力制御機器は、例えば、起動、停止に伴ってシート材の送り速度が変化する場合に、該シート材のライン速度の変化量から求めた加速度とロールの慣性モーメントに基づいて、慣性力により発生する張力発生用モーターのトルクの変動分を求め、このトルク変動分を補償することによって上記シート材の張力を一定に保つような制御を実行する。
また、自動扉の開閉用モーターや加圧機の加圧用モーターの制御に本発明を適用すれば、駆動機構の慣性力に起因したモーターのトルク変動を自動的に補償することができるので、低推力設定下でもスムーズな運転が可能となる。
図1は、シート材の巻送り・巻取り装置の構成例を概念的に示している。この巻送り・巻取り装置において、巻芯(芯金)1は送出しモーター2によって、送りローラ3は送りモーター4によって、また巻芯5は巻取りモーター6によって、それぞれ同一方向(時計回り方向)に回転駆動される。
この巻送り・巻取り装置においては、送出し側におけるシート材8の張力が送出しモーター2によるブレーキトルクで与えられ、巻取り側におけるシート材8の張力が巻取りモーター6の駆動トルクによって与えられる。
ここでは、このモーター制御装置を送出しモーター2の制御に適用した場合について説明する。
このモーター制御装置は、慣性モーメント演算部21、変動トルク演算部22、目標トルク補正部23、ロール径演算部24、モーター角速度演算部25、モーター角加速度演算部26、目標トルク演算部27および目標トルク補正部28を備えている。
Dn=Dn-1−tL×(θn−θn-1)/π (1)
(n=1,2,3・・・)
ここで、θn:現サンプリング時点でのモーター回転量(ラジアン)
θn-1:1つ前のサンプリング時点でのモーター回転量
Dn-1:1つ前のサンプリング時点でのロール径
なお、巻送り・巻取り装置の運転開始時には、式(1)におけるDn-1として、送出しロール7の初期径が与えられる。
Tm=FC×Dn/2 (2)
一方、送出しモーター2の停止、起動操作や加減速運転が行われた場合は、上記慣性力に起因するトルク変動が発生するので、上記目標トルクTmを送出しモーター2に発生させるだけでは、シート材8の張力を目標張力FCに維持することができない。
慣性モーメント演算部21、変動トルク演算部22、目標トルク補正部23等は、上記張力の変動が抑制されるように送出しモーター2のトルクを補償する目的で設けたものである。
なお、送出しモーター2と巻芯1との間に適宜な動力伝達機構を介在させる場合には、この動力伝達機構も送出しモーター2の負荷になる。そこで、この場合には、慣性モーメント演算器21において、上記動力伝達機構の慣性モーメントをも含む慣性モーメントを演算する。
ωn=(θn−θn-1)/△t (3)
βn=(ωn−ωn-1)/△t (4)
目標トルク補正部23は、目標トルク演算部27で演算される目標トルクTm=FC×Dn/2と、変動トルク演算部22で演算される変動トルクJL×βnとに基づいて下式(5)の演算を実行し、上記送出しロール7の慣性力による変動トルクの補償が可能な目標トルクTCを得る。
TC=Tm−JL×βn=(FC×Dn/2)−JL×βn (5)
モーターを動力源とする自動扉開閉装置や加圧機などにおいては、可動体の推力を一定値以下に抑えるために、上記モーターの発生トルクを制限することが多い。このトルクを制限した状態では、モーターの加減速時に該モーターの負荷となる駆動系(例えば、プーリー、スクリュー、ラック・ピニオン等を用いた動力伝達機構)の慣性力の影響で上記可動体の動作が遅くなる。
そこで、この実施形態に係るモーター制御装置においては、前記巻送り・巻取り装置と同様に、運転状態と加速トルクを検出し、その検出結果に基づいて上記駆動系の慣性力による影響を自動的に補償するようにしている。
ωn'=(θn’−θn-1’)/△t (6)
βn'=(ωn’−ωn-1’)/△t (7)
目標トルク補正部31は、予め与えられる目標トルクTm’と、変動トルク演算部32で演算される上記変動トルクJL’×β’とに基づいて下式(8)の演算を実行し、上記駆動系の慣性力による変動トルクの補償が可能な目標トルクTC’を得る。
TC’=Tm’ ±JL’×β’ (8)
なお、上記式(8)の右辺第2項の+符号および−符号は、それぞれ上記自動扉開閉装置の扉、あるいは上記加圧機の加圧部材が加速および減速される場合に採用される。
一方、自動扉開閉装置の扉、あるいは加圧機の加圧部材が加減速運動する状態では、つまり、上記変動トルクが発生する状態では、目標トルクTm’を変動トルクJL’×βn’で補正した目標トルクTC’がトルク制御部36に出力される。
2 送出しモーター
3 送りローラ
4 送りモーター
5 巻芯
6 巻取りモーター
7 送出しロール
8 シート材
9 巻取りロール
10,11 回転量センサ
21 慣性モーメント演算部
22 変動トルク演算部
23 目標トルク補正部
24 ロール径演算部
25 モーター角速度演算部
26 モーター角加速度演算部
27 目標トルク演算部
28 トルク制御部
31 目標トルク補正部
32 変動トルク演算部
33 モーター角速度演算部
34 モーター角加速度演算部
35 速度制限部
36 トルク制御部
Claims (12)
- 目標トルクに対応する電流をモーターに流して負荷を駆動するモーター制御装置であって、
前記モーターの回転角加速度を検出する回転角加速度検出手段と、
前記負荷の慣性モーメントと前記回転角加速度とに基づいて、前記負荷の慣性力による前記モーターの出力トルクの変動分を演算する変動トルク演算手段と、
前記モーターの出力トルクの変動分に基づいて、この変動分が補償されるように前記モーターの目標トルクを補正する目標トルク補正手段と、
を備えることを特徴とするモーター制御装置。 - 前記負荷は、巻芯と該巻芯に巻かれたシート材とで構成されて、該シート材を送出するために前記モーターで回転駆動される送出しロールであることを特徴とする請求項1に記載のモーター制御装置。
- 前記送出しロールの径を検出するロール径検出手段と、
前記送出しロールの径、および該送出しロールから引張送出される前記シート材の目標張力に基づいて前記目標トルクを演算する目標トルク演算手段と、
前記負荷の慣性モーメントを演算する慣性モーメント演算手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のモーター制御装置。 - 前記ロール径検出手段は、前記送出しロールの初期径と、前記シート材の厚みと、前記送出しロールの回転量とに基づいて前記送出しロールの径を演算するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のモーター制御装置。
- 前記慣性モーメント演算手段は、前記巻芯の慣性モーメント、前記シート材の密度、幅および前記送出しロールの径に基づいて該送出しロールの慣性モーメントを演算するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のモーター制御装置。
- 前記負荷は、巻芯と該巻芯に巻かれたシート材とで構成されて、該シート材を巻取るために前記モーターで回転駆動される巻取りロールであることを特徴とする請求項1に記載のモーター制御装置。
- 前記巻取りロールの径を検出するロール径検出手段と、
前記巻取りロールの径および該巻取りロールに巻き取られる前記シート材の目標張力に基づいて前記目標トルクを演算する目標トルク演算手段と、
前記負荷の慣性モーメントを演算する慣性モーメント演算手段と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載のモーター制御装置。 - 前記ロール径検出手段は、前記巻取りロールの初期径と、前記シート材の厚みと、前記巻取りロールの回転量とに基づいて該巻取りロールの径を検出するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のモーター制御装置。
- 前記慣性モーメント演算手段は、前記巻芯の慣性モーメント、前記シート材の密度、幅および前記巻取りロールの径に基づいて該巻取りロールの慣性モーメントを演算するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のモーター制御装置。
- 前記負荷は、前記モーターを動力原とする自動扉の駆動機構であることを特徴とする請求項1に記載のモーター制御装置。
- 前記負荷が、前記モーターを動力原とする加圧機の駆動機構であることを特徴とする請求項1に記載のモーター制御装置。
- 前記モーターの角速度を検出する各速度検出手段と、
前記モーターの角速度を目標角速度と比較し、前記モーターの角速度が前記目標角速度を超えた場合に、前記目標トルク補正手段で補正された目標トルクを所定値だけ減少させる速度制限手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項10または11に記載のモーター制御装置。
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