JP2007083203A - 集塵装置および空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート状導電体からなるアース電極1の全体をシート状絶縁体2で被覆した完全絶縁型アース電極4と、シート状導電体からなり、プラスもしくはマイナスの電圧を印加した電圧印加電極5とを、絶縁性を有するコルゲートシート11を挟みながら交互に積層した集塵部7を構成し、前記集塵部7の全体にシリコーンポリマーの膜を設ける。
【選択図】図1
Description
シート状導電体からなるアース電極1の全体をシート状絶縁体2で被覆し、絶縁性を有する突起3を両面に設けた完全絶縁型アース電極4と、シート状絶縁体2のどちらか一方の面に通風方向において幅の中心を合わせるように、シート状絶縁体2よりも幅の小さいシート状導電体からなる電圧印加電極5を設けてなる片面被覆型電圧印加電極6とを交互に積層してアース電極1をアースに接続し、電圧印加電極5にプラスもしくはマイナスの電圧を印加する集塵部7を構成し、集塵部7の全体にシリコーンポリマーの膜8を設けた集塵部の側面図を図1に、正面図を図2に示す。シート状導電体からなるアース電極1および電圧印加電極5の材質としてはアルミや鉄、ステンレスといった金属板もしくは金属箔や、カーボン樹脂の成形シートなどが良く用いられる。また、図1に示すように完全絶縁型アース電極4は、アース電極1を、アース電極1よりも幅の広い2枚のシート状絶縁体2で挟むようにして貼り合わせることでアース電極1を完全に被覆し絶縁したものとなっている。また、片面被覆型電圧印加電極6は、通風方向においてシート状絶縁体2よりも幅の小さい電圧印加電極5を、幅の中心を合わせるようにシート状絶縁体2のどちらか一方の面に設けたもので、集塵部7の送風方向に対して電圧印加電極5の端面を集塵部7の内部に設けることで、金属など導電性を持つ材料で作られたケースなどへの異常放電を防ぎ、集塵装置を安定して動作させることができる構造となっている。シート状絶縁体2は材質としてPPやPE、PET、PBT、PS、PCといった絶縁性を有する樹脂が主に用いられる。完全絶縁型アース電極4におけるアース電極1はシート状絶縁体2で全体が被覆されるため、電圧印加電極5と直接接触することがなくなり、アース電極1と電圧印加電極5との絶縁を完全に確保することができることから、アース電極1と電圧印加電極5との間で生じるスパークや漏れ電流の増大による電圧の低下を完全に防ぐことができる。また、図1に示すように、完全絶縁型アース電極4の両面にはシート状絶縁体2をプレス成型や真空成型などによって浮き上がらせる、もしくは射出成型などの一体成型を行うなどによって絶縁性を有する突起3が設けられている。この絶縁性を有する突起3によって、完全絶縁型アース電極4の表面と電圧印加電極5とを直接接触させることなく、空気を通過させるための空間を設けながら完全絶縁型アース電極4と片面被覆型電圧印加電極6とを交互に積層することができる。そして集塵部7を、シリコーンポリマーを炭化水素系有機溶剤に溶かした溶液の中に漬け込む、もしくは前記シリコーンポリマーの溶液を吹き付けるなどして、シート状絶縁体2や絶縁性を有する突起3を含む集塵部7全体の表面に絶縁性、撥水性およびミクロな隙間を有するシリコーンポリマーの膜8を設けており、導電成分を含む粉塵9はシリコーンポリマーの膜8が有するミクロな隙間によって非連続的に付着するために、シート状絶縁体2および絶縁性を有する突起3の表面に導電性の膜を作ることを防ぐことができる。このため、電圧印加電極5の持つ電荷が絶縁性を有する突起3、および完全絶縁型アース電極4のシート状絶縁体2の表面を伝わってシート状絶縁体2の表面に発現した電荷を中和し消滅させ、その結果完全絶縁型アース電極4および片面被覆型電圧印加電極6の間に設けられた空間の電場が弱められるということを防止できることから、粉塵を捕集しても高い集塵性能を長期間安定して維持することができる。また、シリコーンポリマーは高い化学的安定性、接着性および弾性を有するため、集塵部7の表面に強固に固着し、弾性かつ化学的安定性を有する膜を形成する。このためシリコーンポリマーの膜8は集塵部7から外力によって剥離したり、水洗などの洗浄によって溶出することがないことから半永久的に安定して高い集塵性能を持つ集塵部7を得ることができる。
完全絶縁型アース電極4と片面被覆型電圧印加電極6との間に3次元の網目構造を持つ多孔体10を挟んで積層することで構成された集塵部7の全体に、シリコーンポリマーの膜8を設けた集塵部を図3に示す。多孔体10は3次元の方向に網目状の立体構造を成す繊維状基材からなっており、空気が通過できる空間を内部に持つ。材質としてはPPやPE、PET、PBT、もしくはポリウレタンなどといった絶縁性を有する樹脂が主に用いられる。このような3次元の網目構造を持つ多孔体10を完全絶縁型アース電極4と片面被覆型電圧印加電極6との間に挟むことで、完全絶縁型アース電極4と片面被覆型電圧印加電極6との間に空気を通過させる空間を設けることができる。また、図には示していないが集塵部7全体の表面には絶縁性、撥水性およびミクロな隙間を有するシリコーンポリマーの膜8を設けており、導電成分を含む粉塵9が非連続的に付着することからシート状絶縁体2および多孔体10の表面に導電性の膜を作ることを防ぐことができる。このためシート状絶縁体2の表面に発現した電荷が消滅することがなく、多孔体10によって設けられた空間の電場が弱まることがないことから、粉塵を捕集しても高い集塵性能を長期間安定して維持することができる。また、シリコーンポリマーは高い化学的安定性、接着性および弾性を有するため、集塵部7の表面に強固に固着し、弾性かつ化学的安定性を有する膜を形成する。このためシリコーンポリマーの膜8は集塵部7から外力によって剥離したり、水洗などの洗浄によって溶出することがないことから半永久的に安定して高い集塵性能を持つ集塵部を得ることができる。
完全絶縁型アース電極4と片面被覆型電圧印加電極6との間にコルゲートシート11を挟んで積層することで構成された集塵部の全体に、シリコーンポリマーの膜8を設けた集塵部7を図4に示す。コルゲートシート11は図4に示すとおり波状の形状となっており、材質としてはPPやPET、PBTもしくはPCなどといった絶縁性を有する樹脂が主に用いられる。コルゲートシート11を完全絶縁型アース電極4と片面被覆型電圧印加電極6との間に挟むことで、完全絶縁型アース電極4と片面被覆型電圧印加電極6との間に空気を通過させる空間を規則的な配列で均一に設けることができる。また、集塵部7全体の表面には絶縁性、撥水性およびミクロな隙間を有するシリコーンポリマーの膜8を設けており、導電成分を含む粉塵9が非連続的に付着することからシート状絶縁体2およびコルゲートシート11の表面に導電性の膜を作ることを防ぐことができる。このためシート状絶縁体2の表面に発現した電荷が消滅することがなく、コルゲートシート11によって設けられた空間の電場が弱まることがないことから、粉塵を捕集しても高い集塵性能を長期間安定して維持することができる。また、シリコーンポリマーは高い化学的安定性、接着性および弾性を有するため、集塵部7の表面に強固に固着し、弾性かつ化学的安定性を有する膜を形成する。このためシリコーンポリマーの膜8は集塵部7から外力によって剥離したり、水洗などの洗浄によって溶出することがないことから半永久的に安定して高い集塵性能を持つ集塵部7を得ることができる。
上記実施の形態3で示した集塵部を有する集塵装置の集塵効率を評価した実験結果を以下に示す。図5に示すように、集塵効率を求める際は、温湿度制御可能な実験室で、ダクトを用いて上流側から荷電部101、集塵部7、送風機12の順番で設置した実験装置を作成し、面風速が1.4m/sとなるように送風機12を設定して集塵効率を求めた。そしてリオン製パーティクルカウンターKC18を用い、荷電部の上流側および集塵部の下流側の空気中に含まれる粒径0.1μm以上の粉塵を測定し、以下の式を用いて集塵効率を算出した。
η:集塵効率(%)、Cin:荷電部上流側の粉塵濃度(個/L)、Cout:集塵部下流側の粉塵濃度(個/L)
実験に用いた荷電部101は幅100、高さ50mmの開口寸法、25mmの奥行寸法を持つABS製ボックスに80μmの径を持つタングステン製の線状電極102を3本水平に設置し、線状電極102の中心に位置するようにアース対向板103を16mmの間隔で4枚設置したものを用いた。線状電極102に約4kVの電圧を印加し、温湿度20℃40%RHで評価する際は5μA、30℃80%RHで評価する際は10μAの放電電流となるようにコロナ放電を起こして通過する粉塵を帯電させた。
2 シート状絶縁体
3 絶縁性を有する突起
4 完全絶縁型アース電極
5 電圧印加電極
6 片面被覆型電圧印加電極
7 集塵部
8 シリコーンポリマーの膜
9 導電成分を含む粉塵
10 多孔体
11 コルゲートシート
12 送風機
13 完全絶縁型電圧印加電極
Claims (24)
- シート状導電体からなる電極の全体を絶縁体で被覆し、アースに接続した完全絶縁型アース電極と、シート状導電体からなり、プラスもしくはマイナスの電圧を印加した電圧印加電極とを、絶縁性を有するスペーサーを挟みながら交互に積層した集塵部を構成し、前記完全絶縁型アース電極の表面にシリコーンポリマーの膜を設けることを特徴とする集塵装置。
- シート状導電体からなる電極の全体を絶縁体で被覆し、アースに接続した完全絶縁型アース電極と、シート状導電体からなり、プラスもしくはマイナスの電圧を印加した電圧印加電極とを、絶縁性を有するスペーサーを挟みながら交互に積層した集塵部を構成し、前記絶縁性を有するスペーサーの表面にシリコーンポリマーの膜を設けることを特徴とする集塵装置。
- シート状導電体からなる電極の全体を絶縁体で被覆し、アースに接続した完全絶縁型アース電極と、シート状導電体からなり、プラスもしくはマイナスの電圧を印加した電圧印加電極とを、絶縁性を有するスペーサーを挟みながら交互に積層した集塵部を構成し、前記集塵部の全体にシリコーンポリマーの膜を設けることを特徴とする集塵装置。
- 絶縁性を有するスペーサーとして、完全絶縁型アース電極の両面に絶縁性を有する突起を設けることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の集塵装置。
- 絶縁性を有するスペーサーが3次元の網目構造を持つ多孔体であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の集塵装置。
- 絶縁性を有するスペーサーがコルゲートシートであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の集塵装置。
- コルゲートシートの材質がポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項6記載の集塵装置。
- 完全絶縁型アース電極における絶縁体および絶縁性を有するスペーサーの材質が絶縁性の樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の集塵装置。
- 通風方向において絶縁体よりも幅の小さいシート状導電体からなる電極を、幅の中心を合わせるように絶縁体のどちらか一方の面に設けたものを電圧印加電極とすることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の集塵装置。
- 集塵部の全体にシリコーンポリマーの膜を設ける方法として、シリコーンポリマーの溶液に集塵部ごと浸漬した後に乾燥させることを特徴とする請求項3乃至9いずれかに記載の集塵装置。
- シリコーンポリマー溶液の溶媒として、無極性の有機溶剤を用いることを特徴とする請求項10記載の集塵装置。
- 集塵部に誘電体材料を添着することを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載の集塵装置。
- 誘電体材料がチタン酸バリウムであることを特徴とする請求項12記載の集塵装置。
- 集塵部に抗菌作用を有する抗菌剤を添着したことを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の集塵装置。
- 抗菌剤がチタニアもしくはシリカアルミナに銀成分を固定化したものであることを特徴とする請求項14記載の集塵装置。
- 集塵部に抗黴作用を有する抗黴剤を添着したことを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の集塵装置。
- 集塵部にウイルス不活化作用を有する抗ウイルス剤を添着したことを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の集塵装置。
- 抗ウイルス剤がフェノール性水酸基を分子構造に持つポリフェノール類であることを特徴とする請求項17記載の集塵装置。
- 集塵部にアレルゲン不活化作用を有する抗アレルゲン剤を添着したことを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の集塵装置。
- 抗アレルゲン剤が少なくとも一箇所にフェノール性水酸基を有する芳香族ヒドロキシ化合物であることを特徴とする請求項19記載の集塵装置。
- 抗菌、ウイルス不活化およびアレルゲン不活化作用を有する薬剤を混合した液を集塵部に一括して添着することを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の集塵装置。
- 集塵部の風上にイオン化手段を設けることを特徴とする請求項1乃至21いずれかに記載の集塵装置。
- 集塵部と送風機を備えた集塵装置の吹出口に、空気をイオン化して粉塵を帯電させるイオン化手段を設けることを特徴とする請求項1乃至21いずれかに記載の集塵装置。
- 請求項1乃至23いずれかに記載の集塵装置を備えた空調装置。
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