JP2007081674A - スピーカおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易かつコストアップを抑えた構造でキャビネットの不要振動を低減する。
【解決手段】 スピーカ1は、磁気回路3と、ボビン4およびボイスコイル5を含むボイスコイルアッシー6と、振動板本体7と、エッジ9と、第1のダンパー10と、第2のダンパー11と、ガスケット12と、リードワイヤ(錦糸線)14と、ダストキャップ15と、を備えている。振動板本体7等からなる第1の振動系と磁気回路3等からなる第2の振動系の等価抵抗、等価質量および等価スティフネスを互いに等しくするため、広い周波数帯域にわたって支持系での振動速度を零にでき、第1および第2の振動系の振動がフレーム8などからなる支持系に伝達されなくなり、キャビネットの不要振動による異常音の発生や音声の劣化を防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種の音響機器に利用可能なスピーカに関する。
音響機器の小型軽量化に伴い、スピーカの小口径化、軽量化および高能率化と、スピーカを組み付けるキャビネットの小型軽量化が要求されている。
スピーカを軽量化するにはスピーカを小口径にすれば良いが、小口径では振動面積が小さくなるため高能率が望めない。したがって、高能率のスピーカを実現するには、小口径による振動面積の減少分を振動速度の増加により補う必要があり、そのためにはスピーカの駆動力の増加などが要求される。
しかしながら、駆動力の増加によってスピーカの高能率化が実現されても、キャビネットにはスピーカの駆動力の反作用が働くため、振動しやすくなる。特に、キャビネットを小型軽量化すると、より振動が大きくなり、異常音の発生や音質の低下を招く。このため、キャビネットの振動を低減する何らかの方策が必要となるが、この方策によりスピーカのコストがアップするのは好ましくない。
キャビネットの振動を低減する従来のスピーカユニットの構成として、磁気回路を背中合わせにした2つのスピーカを設け、外側ヨークを用いて各磁気ギャップの磁気力を高め、最低共振周波数を下げると共に、互いに反対方向に配設した振動板により、音放射力の反作用力を相殺させて、スピーカボックス(キャビネット)の揺動を防止する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、スピーカユニットのメインマグネット又はキャンセルマグネットを利用して、振動板兼用コイルと第1のダンパー(あるいは第2のダンパー)による加振器を構成し、スピーカユニットの放射力に加振器の放射力を相殺させてキャビネットの揺動を抑える技術が開示されている(特許文献2参照)。
また、キャビネットに取り付けられたスピーカの振動板とその後方側のキャビネットとの間に音響空間を形成したスピーカユニット内に、音響空間で加振する加振手段を設けて、スピーカユニットを駆動した時に発生する機械振動とは逆方向の振動を加振手段で発生させて、キャビネットの機械振動を低減する技術が開示されている(特許文献3参照)。
また、磁気回路により生じる磁束とは逆の磁束を生じる逆磁気回路と該逆磁気回路により生じる磁束で駆動される副ボイスコイルとを上記磁気回路の後方に設け、副ボイスコイルの駆動で不要振動をキャンセルして、スピーカユニット自体やキャビネットの不要振動を抑制する技術が開示されている(特許文献4参照)。
特開2000-184482号公報の段落0021 特開平11-252688号公報の段落0016および段落0026 特開平10-178693号公報の請求項1および段落0009 特開平6-217391号公報の請求項1および段落0020
上述した特許文献1では、スピーカユニット内に最低二つのスピーカが必要となり、小型化とコストダウンが図れない。特許文献2では、振動板兼用コイルと第1のダンパー(第2のダンパー)による加振器を必要とし、スピーカの構造が複雑になる。同様に、引用文献3では、スピーカユニットの振動板の振動方向とは反対方向に振動する加振手段を設けなければならない。また、特許文献4では2つの磁気回路と2つのボイスコイルが必要となる。
このように、スピーカ駆動時のキャビネットの振動を低減する種々の技術が従来から提案されているが、いずれもスピーカユニットの構造が複雑化し、大幅なコストアップになるとという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易かつコストアップを抑えた構造でキャビネットの不要振動を低減できるスピーカおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、キャビネットに固定されるフレームと、磁気回路と、前記磁気回路の磁気ギャップ中に支持されて前後に振動するボビンおよびボイスコイルを含むボイスコイルアッシーと、前記ボイスコイルアッシーに接続される振動板本体と、前記振動板本体と前記フレームとの間に接続されるエッジと、前記振動板の中央部に固着されるダストキャップと、前記ボイスコイルアッシーと前記フレームとの間に接続される第1のダンパーと、前記磁気回路と前記フレームとの間に接続される第2のダンパーと、を備え、前記ボイスコイルアッシー、前記振動板本体、前記エッジ、、前記ダストキャップおよび前記第1のダンパーを含む第1の振動系による振動と、前記磁気回路および前記第2のダンパーを含む第2の振動系による振動とが、前記フレームを含む支持系に伝達されないように、前記第1および第2の振動系の少なくとも一方の機械インピーダンスが調整されることを特徴とするスピーカが提供される。
また、本発明の一態様によれば、キャビネットに固定されるフレームと、磁気回路と、前記磁気回路の磁気ギャップ中に配置されて前記磁気回路で発生された磁界により前後に振動するボビンおよびボイスコイルを含むボイスコイルアッシーと、前記ボイスコイルアッシーに接続される振動板本体と、前記振動板本体と前記フレームとの間に接続されるエッジと、前記振動板本体の中央部に固着されるダストキャップと、前記ボイスコイルアッシーと前記フレームとの間に接続される第1のダンパーと、前記磁気回路と前記フレームとの間に接続される第2のダンパーと、を備えたスピーカの製造方法であって、前記ボイスコイルアッシー、前記振動板本体、前記エッジ、前記ダストキャップおよび前記第1のダンパーを含む第1の振動系による振動と、前記磁気回路および前記第2のダンパーを含む第2の振動系による振動とが、前記フレームを含む支持系に伝達されないように、前記第1および第2の振動系の少なくとも一方の機械インピーダンスを調整することを特徴とするスピーカの製造方法が提供される。
本発明によれば、スピーカ内の第1の振動系と第2の振動系とを互いに逆向きで略等しい速度で振動させるため、簡易かつコストアップを抑えた構造でキャビネットの不要振動を低減できる。これにより、特に、キャビネットの不要振動が問題となる超低域から中域にかけての広帯域でのキャビネットの不要振動を低減し、異常音の発生や音声の劣化を防止でき、音質向上が図れる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るスピーカを備えたスピーカユニットの断面図である。図1のスピーカユニットは、スピーカ1と、スピーカ1が組み付けられるキャビネット2とを備えている。スピーカ1は、磁気回路3と、ボビン4およびボイスコイル5を含むボイスコイルアッシー6と、ボイスコイルアッシー6の先端部に接続される振動板本体7と、振動板本体7の外周縁部とフレーム8の前部段部21との間に接続されるエッジ9と、ボイスコイルアッシー6とフレーム8の中間段部22との間に接続される第1のダンパー10と、磁気回路3とフレーム8との間に接続される第2のダンパー11と、フレーム8の前部段部21にエッジ9の外周縁部を狭持する様に取り付けられるガスケット12と、振動板本体7からフレーム8内の透孔部を通過してフレーム8の外側に引き出されてターミナル13に固定されるリードワイヤ(錦糸線)14と、振動板本体7の中央部に固着されてボイスコイルアッシー6の前面を覆うダストキャップ15と、を備えている。 ボイスコイル5は、磁気回路3内の磁気ギャップ中に支持されている。ボイスコイルアッシー6は、磁気回路3の直流磁界により、前後(スピーカ1の中心軸方向)に振動する。振動板本体7、第1のダンパー10、第2のダンパー11、エッジ9およびガスケット12はいずれも、中心軸を共通とする円環状に形成されており、これらの中心部に円筒状のボビン4が装着されている。なお、振動板本体7等の形状は必ずしも円環状である必要がなく、矩形状や他の任意の形状でもよい。ただし、以下では、振動板本体7等が円環状であるものとして説明を行う。
第2のダンパー11は2つのダンパー部材11a,11bからなり、ダンパー部材11aは磁気回路3の先端部とフレーム8の後部段部23との間に接続され、ダンパー部材11bは磁気回路3の後端部とフレーム8の底部端面24との間に接続されている。なお、第2のダンパー11を構成するダンパー部材の数には特に制限はなく、図示した二つのダンパー部材による構成に限らず、一つのダンパー部材で構成してもよいし、三つ以上のダンパー部材で構成してもよい。
上述したように、ボイスコイルアッシー6は、磁気回路3内の磁気ギャップに、振動板本体7と第1のダンパー10により支持されるため、ボイスコイルアッシー6の振動は直接的には磁気回路3に伝わらない。このため、ボイスコイルアッシー6を中心とする振動(以下、第1の振動系)は、磁気回路3を中心とする振動(以下、第2の振動系)とは性質が異なっており、これらの振動が互いに干渉を起こすと、異常音が発生したり、音質が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態は、第1の振動系と第2の振動系とが互いに逆向きで略等しい速度で振動するようにして、これら振動を互いに相殺させる。
第1の振動系の主な振動源は、ボイスコイルアッシー6、振動板本体7、エッジ9、第1のダンパー10、リードワイヤ14である。振動は空気を伝わるため、第1の振動系の振動には、振動板本体7等に接するキャビネット2内の空気が必須である。
第2の振動系の主な振動源は、磁気回路3と第2のダンパー11であるが、磁気回路3と第2のダンパー11に接するキャビネット2内の空気も必須である。
フレーム8、ガスケット12、ターミナル13およびキャビネット2は、主に第1の振動系と第2の振動系を支持する支持系として機能するが、第1の振動系と第2の振動系の各振動が釣り合っていないと、フレーム8が振動し、その結果、キャビネットが不要振動して、異常音等が発生する。
第1の振動系、第2の振動系および支持系は、機械等価回路で表すことができる。機械等価回路は、等価機械抵抗(以下では等価抵抗と呼ぶ)、等価質量および等価スティフネスで構成される。等価抵抗は、電磁制動抵抗と摩擦抵抗などを含んでいる。第1の振動系における等価抵抗のうち主なものは電磁制動抵抗である。一方、第2の振動系には電磁制動抵抗は存在しない。このため、後述するように、第1の振動系と第2の振動系の等価抵抗を一致させるには、第2の振動系に意図的に何らかの機械抵抗を付加して等価抵抗を調整する必要がある。
機械抵抗を付加する方策としては、例えば、第2の振動系における第2のダンパー11の透気度や粘性を調整して粘性抵抗を変更する。より具体的には、第2のダンパー11自体に粘弾性物質を使用して、せん断応力を高めて粘性抵抗を上げたり、第2のダンパー11の表面に粘弾性物質を塗布して同様に粘性抵抗を上げる手法が考えられる。この場合、粘弾性物質として、ゴム(例えばブチルゴム)や樹脂系の処理剤(例えば、酢酸n-ブチルを含む処理剤)などを使用することができる。
等価質量は、第1の振動系と第2の振動系を構成する各構成部品の質量と付加質量からなる。付加質量とは、振動板本体7、エッジ9、ダストキャップ15および磁気回路3などの振動面が空気から受ける反作用による質量である。第1の振動系と第2の振動系の等価質量を一致させるための主な方策は、第1の振動系と第2の振動系の各構成部品の質量を調整することである。
第2の振動系の中には、質量の大きい磁気回路3が存在するため、第1の振動系と第2の振動系で等価質量を一致させるには、第1の振動系の質量を増加させるのが望ましい。より具体的には、ダストキャップ15の材料として、積層紙や高密度の物質(例えば、セラミックや非鉄金属など)を採用し、ダストキャップ15の外径と厚さを調整して第1の振動系の質量を増加する。これにより、第1の振動系と第2の振動系の等価質量を一致させることができる。
等価スティフネスは、第1の振動系と第2の振動系の弾力性の度合いを指す。第1の振動系の等価スティフネスは主に、第1のダンパー10とエッジ9によるスティフネスと、キャビネット2内の空気によるスティフネスとにより決まる。第2の振動系の等価スティフネスは主に、第2のダンパー11を構成する2つのダンパー部材のスティフネスにより決まる。
キャビネット2内の空気のスティフネスは、キャビネット2内の容積を変更することで調整可能である。第1のダンパー10と第2のダンパー11のスティフネスは、材料や形状を変更するか、あるいは添加剤を加えることで調整可能である。
図2は図1のスピーカに対応する機械等価回路の一例を示す回路図である。図示のように、第1の振動系、支持系および第2の振動系は直列接続されている。
第1の振動系は、等価抵抗R1と、等価質量M1と、等価スティフネスの逆数1/S1とを直列接続した回路で表される。この回路には、振動を起こさせる駆動力F1が駆動源として与えられる。この駆動力F1は、磁気回路3の直流磁界中に置かれたボイスコイル5の作用により発生する。
第2の振動系は、等価スティフネスの逆数1/S2と、等価抵抗R2と、等価質量M2とを直列接続した回路で表される。この回路には、振動を起こさせる駆動力F2が駆動力として与えられる。この駆動力F2は、第1の振動系が振動を行ったときに、その振動を妨げる向きに働く駆動力であり、駆動力F2=−駆動力F1で表される。すなわち、駆動力F1,F2は、向きが正反対で、大きさが同じである。
第1の振動系と第2の振動系の振動は、第1のダンパー10と第2のダンパー11を介して支持系であるフレーム8に伝達される。支持系は、図2に示すように、第1の振動系と同じ等価スティフネスの逆数1/S1と、等価抵抗R3と、等価質量M3と、第2の振動系と同じ等価スティフネスの逆数1/S2とを直列接続したものである。支持系には、第1の振動系と第2の振動系の振動が伝達されるだけで、それ自身では駆動源を持たない。
第1の振動系の機械インピーダンスZ1と第2の振動系の機械インピーダンスZ2はそれぞれ、図2の等価回路より、(1)式および(2)式で表される。
Z1=R1+jωM1+S1/jω …(1)
Z2=R2+jωM2+S2/jω …(2)
また、第1の振動系の駆動力F1と第2の振動系の駆動力F2はそれぞれ、図2の等価回路より、(3)式および(4)式で表される。
F1=(R1+jωM1+S1/jω)・V1−S1/jω・V3 …(3)
F2=(R2+jωM2+S2/jω)・V2−S2/jω・V3 …(4)
V1,V2,V3はそれぞれ第1の振動系、第2の振動系および支持系の振動速度である。上述したように、駆動力F1,F2は互いに作用・反作用の関係にあり、F1=−F2が成り立つため、この関係を(3)式と(4)式に適用することにより、(5)式が得られる。
R1・V1+jωM1・V1+(S1・V1−S1・V3)/jω
=−R2・V2−jωM2・V2−(S2・V2−S2・V3)/jω …(5)
(5)式の左辺と右辺はそれぞれ、位相が互いに異なる3つの項を有する。これら位相の異なる3つの項はそれぞれ、左辺と右辺で等しくなることから、以下の(6)〜(8)式が成り立つ。
R1・V1=−R2・V2 …(6)
M1・V1=−M2・V2 …(7)
S1・V1−S1・V3=−S2・V2+S2・V3 …(8)
ここで、等価抵抗R1,R2が互いに等しく、かつ等価質量M1,M2が互いに等しいとすると、(6)式または(7)式より、以下の(9)式が成り立つ。
V1=−V2 …(9)
さらに、等価スティフネスS1,S2が互いに等しいとすると、(8)式と(9)式より、以下の(10)式が成り立つ。
V3=0 …(10)
V3は支持系の振動速度であり、(10)式は支持系が振動しないことを示している。したがって、超低域から中域にかけての広い周波数帯域内で支持系が振動しない条件、すなわち(10)式を満たすには、等価抵抗R1,R2が互いに等しく、等価質量M1,M2も互いに等しく、かつ等価スティフネスS1,S2も互いに等しいことが必要である。このとき、第1の振動系の振動速度V1は、第2の振動系の振動速度V2と大きさが同じで、方向が正反対になる。
ところが、実際には、等価抵抗R1,R2、等価質量M1,M2および等価スティフネスS1,S2をそれぞれ完全に一致させることは困難である。このため、完全に一致させないまでも、これらの値を可能な限り近づけることにより、(11)式の関係を得ることができる。
V1≒−V2 …(11)
(11)式の関係が成り立てば、第1および第2の振動系の各振動の大きさが大体同じで、振動の方向がほぼ逆になることを示しており、互いの振動の大部分を相殺することができる。これにより、支持系の振動速度V3も零に近づき(V3≒0)、キャビネット2の振動を低減できる。
このように、第1の実施形態では、第1および第2の振動系の等価抵抗、等価質量および等価スティフネスのそれぞれが第1および第2の振動系で等しくなるようにしたため、広い周波数帯域にわたって支持系での振動速度を零にでき、第1および第2の振動系の振動が支持系に伝達されなくなり、異常音の発生や音声の劣化を防止できる。
本実施形態では、第1および第2の振動系を構成する各構成部品の材料や形状等を調整することにより、等価抵抗、等価質量および等価スティフネスのそれぞれを第1および第2の振動系で等しくするため、構成部品を追加したり、構造を複雑化したりする必要がなく、簡易な構造で、かつ安価に本実施形態のスピーカ1を作製可能である。
上述したように、理想的には、第1および第2の振動系の等価抵抗、等価質量および等価スティフネスのそれぞれが第1および第2の振動系で等しくなるようにするのが望ましいが、簡易的に、等価抵抗、等価質量および等価スティフネスの少なくとも一つを調整して(11)式が成り立つようにした場合でも、キャビネット2の振動を低減できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、スペーサを設けて、第1および第2のダンパー11をより強固にフレーム8に固定するものである。
図3は本発明の第2の実施形態に係るスピーカ1を備えたスピーカユニットの断面図である。図3では、図1と共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
図3のスピーカ1は、フレーム8の内周面に沿って配置されるスペーサ31,32を有する。これらスペーサ31,32は、接着剤等によりフレーム8に固定されている。スペーサ31は磁気回路3を取り囲むように配置され、その前面および後面には第2のダンパー11(11a,11b)の外周縁部が固定されている。スペーサ32は、スペーサ31の前方に配置され、その前面には第1のダンパー10の外周縁部が固定されている。
スペーサ31,32を設けることにより、第1および第2のダンパー10,11をより強固にフレーム8に固定することができ、第1および第2のダンパー10,11の振動をより確実に抑制できる。したがって、上述した第1および第2の振動系の振動も抑制できる。
なお、スペーサの個数や配置場所は図3に示したものに限定されない。例えば、図4はスペーサ31のみを設ける例を示している。この場合、第2のダンパー11はスペーサ31を介してフレーム8に固定されるが、第1のダンパー10は、図1と同様に、フレーム8に直接接続される。なお、図4とは異なり、図3のスペーサ32のみを設けてもよい。
このように、第2の実施形態では、スペーサ31,32を設けることにより、第1および第2のダンパー10,11をより堅固にフレーム8に固定でき、第1および第2のダンパー10,11の振動をより確実に抑制できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、フレーム8に空気抵抗調整用の制動部を設けるものである。
図5は本発明の第3の実施形態に係るスピーカ1を備えたスピーカユニットの断面図である。図5のスピーカ1は、図1のスピーカ1の構造に加えて、フレーム8の底面の一部に空気抵抗調整用の制動部33を設けている。この制動部33を設けることで、磁気回路3の後方側の空気抵抗を調整でき、第2の振動系の機械インピーダンスを調整することができる。
図5のフレーム8は、上下に重ね合わされる2つの部材8a,8bからなり、部材8a,8bの間に第2のダンパー11のダンパー部材11bが取り付けられている。
制動部33の材料としては、グラスファイバ、フェルトあるいはポリエステルウールなどが適用可能である。
制動部33の形状は、必ずしも図5に示したものに限定されない。例えば、図6に示すように、フレーム8の底面全体を制動部33にしていてもよい。あるいは、図7に示すように、フレーム8の底面の内周面に沿って制動部33を配置してもよい。あるいは、図8に示すように、中心軸方向断面がU字形状の制動部33をフレーム8の底面側に配置してもよい。図8の場合、フレーム8と接触する制動部33の前部端面で第2のダンパー11bの外周縁部を固定している。
このように、第3の実施形態では、フレーム8の後端部に空気抵抗調整用の制動部33を設けるため、第2の振動系の機械インピーダンスを調整でき、理想的な機械インピーダンスを設定可能となる。
(その他の実施形態)
図5〜図8のような制動部33を設けたスピーカに、図3や図4で説明したスペーサ31,32を設けてもよい。例えば、図5のスピーカに図3と同様のスペーサ31,32を設けると図9のような断面構造になる。また、図5のスピーカに図4と同様のスペーサ31を設けると図10のような断面構造になる。
上述した各実施形態では、内磁型の磁気回路3を設ける例を説明したが、本発明は図11のような外磁型の磁気回路3を有するスピーカ1にも適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係るスピーカを備えたスピーカユニットの断面図。 図1のスピーカに対応する機械等価回路の一例を示す回路図。 本発明の第2の実施形態に係るスピーカ1を備えたスピーカユニットの断面図。 スペーサ31のみを設ける例を示す図。 本発明の第3の実施形態に係るスピーカ1を備えたスピーカユニットの断面図。 フレーム8の底面全体を制動部にした例を示す断面図。 フレーム8の底面の内周面に沿って制動部を配置した例を示す断面図。 中心軸方向断面がU字形状の制動部33をフレーム8の底面側に配置した例を示す断面図。 図5のスピーカに図3と同様のスペーサ31,32を設けた例を示す断面図。 図5のスピーカに図4と同様のスペーサ31を設けた例を示す断面図。 外磁型の磁気回路3を有するスピーカを備えたスピーカユニットの断面図。
符号の説明
1 スピーカ
2 キャビネット
3 磁気回路
4 ボビン
5 ボイスコイル
6 ボイスコイルアッシー
7 振動板本体
8 フレーム
9 エッジ
10 第1のダンパー
11 第2のダンパー
12 ガスケット
13 ターミナル
14 リードワイヤ
15 ダストキャップ
21 フレームの前部段部
22 フレームの中間段部
23 フレームの後部段部
24 フレームの底部端面
31,32 スペーサ
33 制動部

Claims (10)

  1. キャビネットに固定されるフレームと、
    磁気回路と、
    前記磁気回路の磁気ギャップ中に支持されて前後に振動するボビンおよびボイスコイルを含むボイスコイルアッシーと、
    前記ボイスコイルアッシーに接続される振動板本体と、
    前記振動板本体と前記フレームとの間に接続されるエッジと、
    前記振動板本体の中央部に固着されるダストキャップと、
    前記ボイスコイルアッシーと前記フレームとの間に接続される第1のダンパーと、
    前記磁気回路と前記フレームとの間に接続される第2のダンパーと、を備え、
    前記ボイスコイルアッシー、前記振動板本体、前記エッジ、前記ダストキャップおよび前記第1のダンパーを含む第1の振動系による振動と、前記磁気回路および前記第2のダンパーを含む第2の振動系による振動とが、前記フレームを含む支持系に伝達されないように、前記第1および第2の振動系の少なくとも一方の機械インピーダンスが調整されることを特徴とするスピーカ。
  2. 前記第1の振動系と前記第2の振動系とが互いに逆向きで略等しい速度で振動するように、前記第1および前記第2の振動系の等価抵抗を一致させ、かつ等価質量を一致させることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記第1および第2の振動系が互いに逆向きで略等しい速度で振動するように、前記第1および第2のダンパーの少なくとも一方の透気度と粘性の少なくとも一方を調整して前記第1および前記第2の振動系の等価抵抗を一致させることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ。
  4. 前記第1および第2の振動系の各振動が前記支持系に伝達されないように、前記第1および前記第2の振動系の等価スティフネスを一致させることを特徴とする請求項2または3に記載のスピーカ。
  5. 前記振動板本体から、あるいは前記ボイスコイルアッシーから、前記フレームに形成された透孔部を介して前記フレームの外側に引き出されるリードワイヤを備え、
    前記第1の振動系は、前記リードワイヤを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスピーカ。
  6. 前記第2のダンパーは、前記磁気回路および前記フレームのそれぞれ異なる場所に接続される複数枚のダンパー部材を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスピーカ。
  7. 前記フレームの少なくとも一部領域の内周面に沿って配置されるスペーサを備え、
    前記第1および第2のダンパーの少なくとも一方の外周縁部は前記スペーサに接続されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のスピーカ。
  8. 前記フレームの後端部に接続され前記第2の振動系の機械インピーダンスを調整する制動部材を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスピーカ。
  9. 前記制動部材の中心軸方向断面はU字形状であり、その外側端部に前記第2のダンパーの外周縁部が接続されることを特徴とする請求項8に記載のスピーカ。
  10. キャビネットに固定されるフレームと、
    磁気回路と、
    前記磁気回路の磁気ギャップ中に支持されて前後に振動するボビンおよびボイスコイルを含むボイスコイルアッシーと、
    前記ボイスコイルアッシーに接続される振動板本体と、
    前記振動板本体と前記フレームとの間に接続されるエッジと、
    前記振動板本体の中央部に固着されるダストキャップと、
    前記ボイスコイルアッシーと前記フレームとの間に接続される第1のダンパーと、
    前記磁気回路と前記フレームとの間に接続される第2のダンパーと、を備えたスピーカの製造方法であって、
    前記ボイスコイルアッシー、前記振動板本体、前記エッジ、前記ダストキャップおよび前記第1のダンパーを含む第1の振動系による振動と、前記磁気回路および前記第2のダンパーを含む第2の振動系による振動とが、前記フレームを含む支持系に伝達されないように、前記第1および第2の振動系の少なくとも一方の機械インピーダンスを調整することを特徴とするスピーカの製造方法。
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