JP2007081145A - ダミーウエハー - Google Patents
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Abstract
【課題】SiO2膜/Siウエハーと同等の研磨特性を有し、光学式センサーによる認識が可能で、SiO2膜/Siウエハーのような薄膜構造ではないため繰り返し使用することができ、極めて長寿命なダミーウエハーを得る。
【解決手段】SiO2を95重量%以上含有する、着色された石英ガラス基材よりなる、CMP研磨パッドの表面調整用ダミーウエハーであって、その組成(重量%)としてはSiO2:95〜99.99%および着色成分:0.01〜5%、着色成分としては、C、SiC、Si、Nb、Tiから選ばれる1種以上が好ましいものであり、例えば、非晶質シリカ粉末と着色成分とを混合して成形した後、焼結する製法や、非晶質シリカ粉末と着色成分とを混合して成形した後、高圧条件下で溶融するという製法によって得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】SiO2を95重量%以上含有する、着色された石英ガラス基材よりなる、CMP研磨パッドの表面調整用ダミーウエハーであって、その組成(重量%)としてはSiO2:95〜99.99%および着色成分:0.01〜5%、着色成分としては、C、SiC、Si、Nb、Tiから選ばれる1種以上が好ましいものであり、例えば、非晶質シリカ粉末と着色成分とを混合して成形した後、焼結する製法や、非晶質シリカ粉末と着色成分とを混合して成形した後、高圧条件下で溶融するという製法によって得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明はCMP(化学的機械的研磨)用研磨パッドの表面調整に使用する着色されたダミーウエハーに関するものである。
半導体デバイスの微細化、多層配線化が進むに従い、シリコンウエハー表面に形成された絶縁膜(SiO2等)や金属膜の高い平坦性が求められるようになってきている。この平坦化方法の代表的なものとして、CMPが挙げられる。CMPとは、研磨定盤上に発泡ポリウレタンやポリエステル不織布からなる研磨パッドを貼り、シリカ等の研磨粒子を含むスラリーを供給しながら、絶縁膜や金属膜が形成されたシリコンウエハー(製品ウエハー)を押し当てて回転させることにより研磨し、高平坦性を得る研磨手法である。
このCMP工程において、ダミーウエハーは以下のような目的に使用されている。
(1)研磨パッドを交換した場合、通常ダイヤモンドドレッサーにより目立てを行った後、更に研磨特性を安定させるため、ダミーウエハーにより目慣らしを行なうため。この目慣らしでは、通常数枚から10数枚のダミーウエハーを使用する。
(2)(1)のように調整した研磨パッドであっても、研磨回数を重ねるうちに、目詰まりをおこしてしまうため、再度ダイヤモンドドレッサーによる目立てを行った後、ダミーウエハーにより目慣らしを行うため。
このように研磨パッドを調整するためのダミーウエハーは、研磨を実施する製品ウエハーと同等の被研磨特性を有している必要があり、例えば、SiO2絶縁膜を設けた製品ウエハーの研磨工程に用いるダミーウエハーはSiO2で構成されている必要がある。
しかし、自動化された半導体製造工程において、各種ウエハーは光学式センサーによって認識され、自動搬送されなければならないため、光学式センサーで検出できない透明な石英ガラスダミーウエハーは使用できない。そのため、一般的にはシリコンウエハー上にSiO2を成膜したものがダミーウエハーとして使用されている。
上記のSiO2を成膜したシリコンウエハー(以後SiO2膜/Siウエハーと記載)は、膜の磨耗により数回しか使用できないため、多大なコストを費やしていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、SiO2膜/Siウエハーと同等の被研磨特性を有し、光学式センサーによる認識が可能であり、かつ極めて長寿命なダミーウエハーを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、二酸化珪素を95重量%以上含有する、着色された石英ガラス基材よりなる、CMP(化学的機械的研磨)研磨パッドの表面調整用ダミーウエハーに関するものであり、具体的には、着色された石英ガラス基材が、二酸化珪素:95〜99.99重量%および着色成分:0.01〜5重量%(合計100重量%)からなり、石英ガラスの着色成分としては、炭素、炭化珪素、珪素、ニオブおよびチタンからなる群より選ばれる1種以上のものを例示することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のダミーウエハーは、被研磨特性がSiO2膜/Siウエハーと比較して大きく異なったものとならないよう、SiO2:95〜99.99重量%、着色成分:0.01〜5重量%(合計100重量%)からなるものが好ましい。
また、着色成分としては、被研磨特性がSiO2膜/Siウエハーと比較して大きく異なったものとならず、かつ、その後に研磨を実施する製品ウエハーへの汚染等を引き起こさないものであれば、使用する光学式センサーの波長等を考慮して適宜選択することができる。また、その含有量も、被研磨特性がSiO2膜/Siウエハーと比較して大きく異なったものとならず、光学式センサーでの認識が問題無く可能であり、製品ウエハーへの汚染等を引き起こさないことを考慮して適宜選択すれば良い。更に、着色成分の含有態様としては、粒子形状でも、原子レベルで均一に分散されていても良い。
本発明の石英ガラスダミーウエハーの着色成分としては、具体的には、例えば、炭素、炭化珪素、珪素、ニオブおよびチタンからなる群より選ばれる1種以上を例示することができる。これらの着色成分は、半導体製造工程で比較的忌避されない元素であることに加えて、特に良好な遮光性能が得られるため、光学式センサーによる認識が容易となり好ましい。
更に具体的には、炭素源としてはグラファイト粉末や結晶質炭素微粒子、非晶質炭素微粒子、あるいは有機物を加熱処理により炭化したものを例示することができる。炭化珪素源、珪素源としてはSiC微粒子、Si微粒子が例示することができる。ニオブ源またはチタン源としては、これらの元素を少なくとも1種含有してなる化合物を例示でき、例えば、五塩化ニオブ等のハロゲン化物やチタニウムテトライソプロポキシド等の有機金属錯体等を挙げることができる。
本発明のダミーウエハーの好ましい組成(重量%)としては、SiO2:着色成分として95〜99.99:0.01〜5、より好ましくは、99〜99.95:0.05〜1、更に好ましくは、99.5〜99.9:0.1〜0.5である。
但し、光学センサー等における認識、被研磨体への汚染や、着色成分と二酸化珪素との反応を抑制する目的等、本発明の効果を損なわない範囲において、更に第三成分等を添加してもよい。
また、本発明のダミーウエハーは、Si、Alおよび着色成分を構成する元素以外の金属元素の各含有量が1ppm以下であることが好ましく、0.7ppm以下が更に好ましい。金属不純物を少なくすることで、製品ウエハーに高純度が要求される場合であっても、使用が可能となる。
このようなダミーウエハーの製造方法としては、例えば、非晶質シリカ粉末と着色成分とを混合して成形した後、例えば真空中で焼結するという製法や、非晶質または結晶質シリカ粉末と着色成分とを混合して成形した後、高圧条件下で熔融するという製法、あるいは非晶質または結晶質シリカ粉末と着色成分とを混合した後、真空中で熔融する製法等によって黒色石英ガラスを製造し、ダミーウエハーとすることができる。
着色成分として炭素を用いる場合、これらの製造過程において、炭素がシリカと反応することを防止するために、炭素としては結晶性の炭素微粒子を用いることが望ましい。炭素微粒子の平均粒径(1次粒径)としては、同一添加量でより高い遮光性能が得られるよう、均質に分散可能とするために、0.05〜1μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.07〜0.5μmである。炭素添加量としては0.05〜1重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%である。このダミーウエハーの密度としては、ダミーウエハーとしての使用時に割れ等の不具合を生じにくくするために、2.15〜2.21g/cm3であることが好ましい。
また、本発明のダミーウエハーは、前記着色成分を含有する石英ガラスと透明な石英ガラスとの複合体としても使用可能である。複合体の態様としては、例えば、着色成分を含有する石英ガラスと透明な石英ガラスのウエハー同士とを接合する形式であっても良いし、透明な石英ガラスを主成分とし、光学式センサーの認識に関与する一部のみに着色成分を埋入する形式でも良い。
以上のように、本発明によれば、SiO2膜/Siウエハーと同等の被研磨特性を有し、かつ光学式センサーにより認識可能なCMP用ダミーウエハーを提供することができる。このダミーウエハーはSiO2膜/Siウエハーのような薄膜構造ではないため繰り返し使用することができ、極めて長寿命という特徴を有するため、このダミーウエハーを使用することにより、SiO2膜/Siウエハーを使用する場合と比較し、大幅なコスト低減が達成される。
本発明をさらに詳細に説明するために、以下の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において製造したウエハーは全てφ200mm×0.725mmtに加工し、得られたウエハーの特性は次のように測定した。
(密度)
ウエハーの密度はアルキメデス法により測定し、表1に結果を示した。
(透過率)
ウエハーの透過率は分光光度計を用いて測定し、表1には波長660nmで測定した値を示した。
(光学センサーの認識試験)
光学式センサーによるウエハーの認識試験は、波長660nmの透過型センサーを用いて認識するか否かを試験し、その結果を表1に示した。
(研磨量)
ウエハーの研磨量は、ダイヤモンドドレッサーによるCMPパッドの目立てとダミーウエハーによる1分間の目慣らし(ダミー研磨)とを5回実施した後、その研磨パッドでウエハー上のSiO2膜を1分間研磨し、その研磨量を測定した。結果を表1に示す。
(寿命試験)
ウエハーの寿命試験は、ダミー研磨を繰り返した後のウエハーの状態から、継続使用が可能か否かを判断した。実施例1および比較例2について測定した結果を表1に示す。
(密度)
ウエハーの密度はアルキメデス法により測定し、表1に結果を示した。
(透過率)
ウエハーの透過率は分光光度計を用いて測定し、表1には波長660nmで測定した値を示した。
(光学センサーの認識試験)
光学式センサーによるウエハーの認識試験は、波長660nmの透過型センサーを用いて認識するか否かを試験し、その結果を表1に示した。
(研磨量)
ウエハーの研磨量は、ダイヤモンドドレッサーによるCMPパッドの目立てとダミーウエハーによる1分間の目慣らし(ダミー研磨)とを5回実施した後、その研磨パッドでウエハー上のSiO2膜を1分間研磨し、その研磨量を測定した。結果を表1に示す。
(寿命試験)
ウエハーの寿命試験は、ダミー研磨を繰り返した後のウエハーの状態から、継続使用が可能か否かを判断した。実施例1および比較例2について測定した結果を表1に示す。
実施例1
石英粉を酸水素火炎中で熔融することによって製造した熔融石英ガラスを平均粒径が0.3μmとなるように粉砕したシリカ粉と、平均粒径が0.07μmのグラファイト粉末とを、グラファイト粉末の含有量が0.2重量%となるよう、ボールミル混合を行い、得られた混合粉末を金型プレス成形により成形後、真空雰囲気中で1350℃で焼成することにより、黒色石英ガラスインゴットを製造し、それよりダミーウエハーを製造した。
石英粉を酸水素火炎中で熔融することによって製造した熔融石英ガラスを平均粒径が0.3μmとなるように粉砕したシリカ粉と、平均粒径が0.07μmのグラファイト粉末とを、グラファイト粉末の含有量が0.2重量%となるよう、ボールミル混合を行い、得られた混合粉末を金型プレス成形により成形後、真空雰囲気中で1350℃で焼成することにより、黒色石英ガラスインゴットを製造し、それよりダミーウエハーを製造した。
得られたウエハーの透過スペクトルを図1に示す。また、得られたウエハーのICP−MS(高周波誘導結合プラズマ−質量分析)による不純物分析を行なったところ、Ca:0.24ppm,Fe:0.22ppm、K:0.67ppm、Mg:0.02ppmおよびNa:0.33ppmであった。
実施例2
実施例1において使用したグラファイト粉末のかわりに平均粒径が0.5μmの炭化珪素粒子を含有量が1重量%となるよう使用し、成形後、98MPa、1800℃で加熱処理した他は実施例1と同様にして黒色石英ガラスからなるダミーウエハーを製造した。
実施例1において使用したグラファイト粉末のかわりに平均粒径が0.5μmの炭化珪素粒子を含有量が1重量%となるよう使用し、成形後、98MPa、1800℃で加熱処理した他は実施例1と同様にして黒色石英ガラスからなるダミーウエハーを製造した。
実施例3
平均粒径200μmの石英粉末と五塩化ニオブとを、ニオブの含有量が0.5重量%となるよう、メタノール溶液中で混合後、150℃で乾燥し、カーボン容器に充填して真空中で1750℃で熔融することにより、黒色石英ガラスインゴットを製造し、それよりダミーウエハーを製造した。
平均粒径200μmの石英粉末と五塩化ニオブとを、ニオブの含有量が0.5重量%となるよう、メタノール溶液中で混合後、150℃で乾燥し、カーボン容器に充填して真空中で1750℃で熔融することにより、黒色石英ガラスインゴットを製造し、それよりダミーウエハーを製造した。
実施例4
平均粒径200μmの非晶質シリカ粉末とチタニウムテトライソプロポキシドとを、チタンの含有量が0.5重量%となるよう、エタノール溶液中で混合後、150℃で乾燥し、カーボン容器に充填して真空中で1750℃で熔融することにより、黒色石英ガラスインゴットを製造し、それよりダミーウエハーを製造した。
平均粒径200μmの非晶質シリカ粉末とチタニウムテトライソプロポキシドとを、チタンの含有量が0.5重量%となるよう、エタノール溶液中で混合後、150℃で乾燥し、カーボン容器に充填して真空中で1750℃で熔融することにより、黒色石英ガラスインゴットを製造し、それよりダミーウエハーを製造した。
実施例5
実施例1で得られたダミーウエハーから調製した0.425mmtのウエハーと、天然結晶性シリカ粉末を原料とし、火炎熔融法にて製造した透明石英ガラスから調製した0.300mmtの透明石英ガラスウエハーとを、1150℃にて熱圧着することにより接合体を製造した。
実施例1で得られたダミーウエハーから調製した0.425mmtのウエハーと、天然結晶性シリカ粉末を原料とし、火炎熔融法にて製造した透明石英ガラスから調製した0.300mmtの透明石英ガラスウエハーとを、1150℃にて熱圧着することにより接合体を製造した。
比較例1
天然結晶性シリカ粉末酸を原料とし、火炎熔融法にて製造した透明石英ガラスから石英ガラスウエハーを製造した。
天然結晶性シリカ粉末酸を原料とし、火炎熔融法にて製造した透明石英ガラスから石英ガラスウエハーを製造した。
比較例2
Siウエハーを熱酸化し、Siウエハー上に約900nmのSiO2膜を製造したウエハーを製造した。
Siウエハーを熱酸化し、Siウエハー上に約900nmのSiO2膜を製造したウエハーを製造した。
表1に示したように本発明のダミーウエハーは、SiO2膜/Siウエハーと同等の被研磨特性であり、かつ光学式センサーにより認識可能な特性を有していた。また、SiO2膜/Siウエハーは3回のダミー研磨で継続使用が不可となったのに対し、本発明のダミーウエハーは薄膜構造ではないため、50回のダミー研磨でも継続使用に支障を来さなかった。
Claims (6)
- 二酸化珪素を95重量%以上含有する、着色された石英ガラス基材よりなる、CMP(化学的機械的研磨)研磨パッドの表面調整用ダミーウエハー。
- 着色された石英ガラス基材の組成が、二酸化珪素:95〜99.99重量%および着色成分:0.01〜5重量%(合計100重量%)であることを特徴とする請求項1記載のダミーウエハー。
- 石英ガラス基材の着色成分が、炭素、炭化珪素、珪素、ニオブおよびチタンからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のダミーウエハー。
- 着色された石英ガラス基材として、着色成分が平均粒径0.05〜1μmの結晶質炭素微粒子であって、該結晶質炭素微粒子が0.05〜1重量%分散され、密度が2.15〜2.21g/cm3である黒色石英ガラスを用いてなる請求項1記載のダミーウエハー。
- Si、Al、着色成分元素以外の金属元素の含有量が1ppm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のダミーウエハー。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の着色された石英ガラス基材と他の石英ガラス基材とを接合してなる、CMP(化学的機械的研磨)研磨パッドの表面調整用ダミーウエハー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005267267A JP2007081145A (ja) | 2005-09-14 | 2005-09-14 | ダミーウエハー |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008124208A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-05-29 | Shin Etsu Chem Co Ltd | Soq基板の製造方法 |
JP2008254166A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-10-23 | Hoya Corp | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスク製造方法および磁気ディスク用ガラス基板 |
-
2005
- 2005-09-14 JP JP2005267267A patent/JP2007081145A/ja active Pending
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