JP2007081089A - 窒化物系半導体発光素子 - Google Patents

窒化物系半導体発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子線照射や高温アニール、又は酸素雰囲気下での合金化熱処理等を行わない場合であっても、密着性に優れ、且つ良好な透光性を有し、低接触抵抗を有する電流拡散性に優れた正極を備えた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】 p型半導体層105上にオーミック接触層107と密着層106を分けて形成し、メッキによって基板110を形成することにより、オーミック接合に優れるとともに、メッキによって基板を作製した際に剥離することがない。これにより、高品質で安定的に製造することが可能な、正極と負極を上下に配置させた半導体発光素子1が得られる。また、p型半導体層上にオーミック接触層を形成し、n型半導体層及び発光層上に絶縁性の保護膜層を形成し、さらに密着層を形成し、メッキによって金属板を形成することでも、同様の効果がある。
【選択図】 図1

Description

本発明は窒化物系半導体発光素子およびその製造方法に関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料としてGaN系化合物半導体材料が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶をはじめとして、種々の酸化物基板やIII−V族化合物を基板として、その上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成される。
サファイア単結晶基板は、GaNとは格子定数が10%以上も異なるが、AlNやAlGaNなどのバッファ層を形成することにより、その上に良好な窒化物半導体を形成することができ、一般的に広く用いられている。サファイア単結晶基板を用いた場合、n型半導体層、発光層、p型半導体層が、この順で積層される。サファイア基板は絶縁体であるので、その素子構造は一般的に、p型半導体層上に形成された正極とn型半導体層上に形成された負極が存在することになる。ITOなどの透明電極を正極に使用してp型半導体側から光を取り出すフェイスアップ方式、Agなどの高反射膜を正極に使用してサファイア基板側から光を取り出すフリップチップ方式の2種類がある。
このように、サファイア単結晶基板は一般的に広く用いられているが、絶縁体であるためにいくつかの問題点がある。
第一に、負極を形成するために発光層をエッチングなどにより除去してn型半導体層を露出させることから負極の部分だけ発光層の面積が減ってしまい、その分、出力が低下する。
第二に、正極と負極が同一面にあるために電流の流れが水平方向になってしまい、局部的に電流密度の高いところができ、素子が発熱してしまう。
第三に、サファイア基板の熱伝導率は低いので、発生した熱が拡散せず素子の温度が上昇してしまう。
以上の問題を解決するため、サファイア単結晶基板上にn型半導体層、発光層、p型半導体層がこの順で積層した素子に導電性基板を接着し、その後、サファイア単結晶基板を除去して、正極と負極を上下に配置させる方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、導電性基板を接着させるのではなく、メッキによって作製する方法が開示されている(例えば、特許文献2)。
また、メッキによって基板を作製する際に、p型半導体層とメッキとの密着性を向上させるため、中間層を成膜する手段も開示されている(例えば、特許文献3)。
導電性基板を接着させる方法には、AuSnなどの低融点金属化合物を接着材とする方法や、真空中でアルゴンプラズマ等を用いて接合面を活性化させ接着する活性化接合等の方法がある。これらの方法では、接着面が極めて平滑であることが要求され、パーティクルなどの異物がある場合にその部分が浮いてしまい、良好に接着できなくなる虞がある等、均一な接着面を形成することは困難であった。
メッキによって基板を作製する場合、異物による影響がほとんど無い点で有利であるが、基板を作製するためには10μm以上の膜厚を必要とするため、p型半導体層との密着性が問題になる。メッキによって基板を作製する場合、p型半導体層上にオーミック接合をさせるためのオーミック接触層を形成し、その後、メッキを施す。特許文献3では、オーミック接触層とメッキ層の間に中間層を用いて密着性を向上させている。
一般に、密着性は金属―金属間やセラミックス―セラミックス間等の同種の物質間では強いが、金属―セラミックス間等の異種の物質間では弱い。金属―セラミックス間の密着性を向上させるためには、セラミックスに対して密着性の良い金属を選択することが一手段として挙げられる。
例えば、ガラス基板にメッキを施す際に、ガラス基板とメッキの間に密着性向上のための付着強化膜をスパッタによって形成し、付着強化膜の材料として、ガラス基板との密着性に優れたCr、Ti、Zr、Si等を用いたものが提案されている(例えば、特許文献4)。
p型半導体層上にオーミック接触層を形成する第一の目的は、良好なオーミック接合を得ることにある。しかしながら、密着性を向上させるためにオーミック接触層に過度の負荷をかけた場合、オーミック接合が低下する危険性がある。
例えば、特許文献3に記載の半導体素子では、500℃で約3分間の熱処理を行うことにより、オーミック接触層とp型半導体層との合金化処理を施して密着性を向上させているが、このような処理によってオーミック性が低下し、ショットキー接合となってしまう虞がある。
特許第3511970号公報 特開2001−274507号公報 特開2004−47704号公報 特開平11−161933号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、オーミック接合に優れるとともに、メッキによって基板を作製した際に剥離することがなく、高品質で安定的に製造することが可能な、正極と負極を上下に配置させた半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意努力検討した結果、p型半導体層上にオーミック接触層と密着層を分けて形成し、メッキによって金属板を形成することにより、オーミック接合に優れ、且つ、メッキによって基板を作製した際に剥離のないことを見出し、本発明を完成した。また、p型半導体層上にオーミック接触層を形成し、n型半導体層、発光層上に絶縁性の保護膜層を形成し、さらに密着層を形成したうえで、メッキによって金属板を形成することでも、同様の効果があることを見出した。
即ち本発明は以下に関する。
(1)少なくともn型半導体層、発光層、p型半導体層、金属膜層、金属板が、この順序で積層されてなる窒化物系半導体発光素子において、前記p型半導体層に接して形成される第1の金属膜層が、オーミック接触層及び密着層の2層からなり、前記金属板がメッキにより形成されていることを特徴とする窒化物系半導体発光素子。
(2)少なくともn型半導体層、発光層、p型半導体層、金属膜層、金属板が、この順序で積層されてなる窒化物系半導体発光素子において、保護膜が、前記n型半導体層、発光層、及びp型半導体層の側面を覆うように形成され、前記p型半導体層に接して形成される第1の金属膜層がオーミック接触層からなり、前記保護膜に接して形成される第2の金属膜層が密着層からなり、前記金属板がメッキにより形成されていることを特徴とする窒化物系半導体発光素子。
(3)前記オーミック接触層が、Pt、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Agの単体金属、及び/又は、それらの合金からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物系半導体発光素子。
(4)前記オーミック接触層の膜厚が0.1nm〜30nmであることを特徴とする(1)〜(3)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(5)前記密着層が、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの単体金属、及び/又は、それらの合金からなることを特徴とする(1)〜(4)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(6)前記密着層の膜厚が0.1nm〜2μmであることを特徴とする(1)〜(5)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(7)前記オーミック接触層上に、Ag、Al合金からなる反射膜が形成されたことを特徴とする(1)〜(6)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(8)前記金属板の膜厚が10μm〜200μmであることを特徴とする(1)〜(7)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(9)前記金属板が無電解メッキ法により形成されたメッキからなることを特徴とする(1)〜(8)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(10)前記金属板がNiP合金からなることを特徴とする(1)〜(9)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(11)前記第2の金属膜層と前記金属板との間にメッキ密着層が形成されていること特徴とする(1)〜(10)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(12)前記メッキ密着層が、前記金属板をなすメッキの50重量%以上を占める主成分と同一の組成を50重量%以上含有することを特徴とする(11)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(13)前記メッキ密着層がNiP合金からなることを特徴とする(11)又は(12)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(14)少なくともn型半導体層、発光層、p型半導体層、金属膜層、金属板を、この順序で積層する積層工程を有する窒化物系半導体発光素子の製造方法において、前記p型半導体層に接する第1の金属膜層として、オーミック接触層及び密着層の2層を形成し、前記金属板をメッキによって形成することを特徴とする窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(15)少なくともn型半導体層、発光層、p型半導体層、金属膜層、金属板を、この順序で積層する積層工程を有する窒化物系半導体発光素子の製造方法において、保護膜を、前記n型半導体層、発光層、及びp型半導体層の側面を覆うようにして形成し、前記p型半導体層に接する第1の金属膜層としてオーミック接触層を形成し、前記保護膜に接する第2の金属膜層として密着層を形成し、前記金属板をメッキによって形成することを特徴とする窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(16)前記積層工程は、前記n型半導体層を、バッファ層を介して基板上に取り付けて行われ、前記積層工程終了後に、前記基板およびバッファ層を除去することにより、前記n型半導体層を露出させることを特徴とする(14)又は(15)に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(17)前記金属板を形成した後、100℃〜300℃の温度で熱処理することを特徴とする(14)〜(16)に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(18)前記保護膜をCVD法によって形成することを特徴とする(14)〜(17)に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(19)前記密着層をスパッタ法によって形成することを特徴とする(14)〜(18)に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(20)前記金属膜層と前記金属板との間に、スパッタ法によってメッキ密着層を形成すること特徴とする(14)〜(19)に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
本発明の窒化物系半導体発光素子によれば、p型半導体層上にオーミック接触層と密着層を分けて形成し、メッキによって基板を形成することにより、オーミック接合に優れるとともに、メッキによって基板を作製した際に剥離することがない。これにより、高品質で安定的に製造することが可能な、正極と負極を上下に配置させた半導体発光素子が得られる。
また、p型半導体層上にオーミック接触層を形成し、n型半導体層及び発光層上に絶縁性の保護膜層を形成し、さらに密着層を形成したうえで、メッキによって金属板を形成することでも、同様の効果がある。
以下、本発明の窒化物系半導体発光素子の実施形態について、図面を参照して説明する。
ただし、本発明は以下の各実施形態に限定されるものではなく、例えばこれら実施形態の構成要素同士を適宜組み合わせても良い。
[実施形態1]
図1は、p型半導体層上にオーミック接触層と密着層を分けて形成し、メッキ基板(金属板)を形成した本発明の窒化物系半導体発光素子の一例を示す断面模式図である。
本実施形態の窒化物系半導体発光素子1は、n型半導体層103、発光層104、p型半導体層105、オーミック接触層107及び密着層106(第1の金属膜層)メッキ密着層109、メッキ基板110(金属板)が、この順序で積層(図1の上下方向)されてなる。図1に示す例では、p型半導体層105上面の略中央付近に形成されたオーミック接触層107上に、光の反射を向上させるための反射層108が形成されており、前記メッキ密着層109が、反射層108及び密着層106上に形成されている。密着層106は、p型半導体層105上に形成されるとともに、該p型半導体層105上に積層して形成されたオーミック接触層107及び反射層108を囲うように形成されている。メッキ密着層109は、周縁部109aが密着層106上に積層して形成され、中央部109bが反射層108上に積層して形成されている。そして、本実施形態の窒化物系半導体発光素子1は、n型半導体層103の下面に透明電極111が形成され、該透明電極111の下面に負電極112が形成されるとともに、メッキ基板110の上面に正電極113が形成されることにより、上下電極配置型に概略構成されている。
また、本実施形態の窒化物系半導体発光素子を作製する際は、図2に示す例のように、サファイア基板201上にバッファ層202を介して、n型半導体層203、発光層204、p型半導体層205を積層して窒化物系半導体を形成する。このようにして形成された窒化物系半導体のp型半導体層205上にオーミック接触層207、及び反射層208を積層してから周辺部を除去し、次に密着層206を成膜する。図2に示す例のように、密着層206は、オーミック接触層207及び反射層208を囲むようにして形成されている。
次いで、密着層206及び反射層208の上にメッキを施すことにより、メッキ基板210を形成するが、該メッキ基板210の形成前に、密着層206及び反射層208とメッキ基板210との間の密着性を向上させるため、メッキ密着層209を設けるが、このメッキ密着層209は略しても良い。メッキ基板210形成後、サファイア基板201を剥離し、さらにバッファ層202を除去する。そして、透明電極、正電極及び負電極を形成することにより、図1に示すような透明電極111、正電極113及び負電極112を備え、素子単位で分割することにより、図1に示す窒化物系半導体発光素子1を得ることができる。
本発明の窒化物系半導体発光素子は、上述のような積層工程によって図2に示すような各層が形成され、最終的に、サファイア基板201及びバッファ層202を除去して、メッキ基板210を素子単位で分割することにより、図1に示すような窒化物系半導体発光素子が形成される。
サファイア基板101には、サファイア単結晶(Al;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(AgAl)、ZnO単結晶、LiAlO単結晶、LiGaO単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶などの公知の基板材料を何ら制限無く用いることができる。SiCなどの導電性基板を用いれば、正極と負極を上下に配置させた素子の作製は、基板剥離を行わなくとも可能であるが、その場合には絶縁体であるバッファ層102を使用することができなくなるので、サファイア基板101上に成長する窒化物系半導体層の結晶が劣化してしまい、良好な半導体素子を形成することができない。本発明においては、導電性のSiC、Siを用いた場合でもサファイア基板101の剥離を行う。
バッファ層102は、例えば、サファイア単結晶基板とGaNの格子定数が10%以上も異なるため、その中間の格子定数を有するAlNやAlGaN等が、GaNの結晶性を向上させるために一般的に使用されており、本発明においてもAlNやAlGaNが何ら制限なく用いられる。
窒化物系半導体層は、例えばn型半導体層103、発光層104、p型半導体層105からなるヘテロ接合構造で構成される。窒化物系半導体層としては、一般式AlInGa1−x−yN(0≦x<1、0≦y<1、x+y<1)で表される半導体が多数知られており、本発明においても一般式AlInGa1−x−yN(0≦x<1、0≦y<1、x+y<1)で表される窒化物系半導体が何ら制限なく用いられる。
窒化物系半導体の成長方法は特に限定されず、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HPVE)、分子線エピタキシー法(MBE)等、III族窒化物系半導体を成長させることが知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法である。
MOCVD法では、キャリアガスとして水素(H)または窒素(N)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてはアンモニア(NH)、ヒドラジン(N)などが用いられる。
また、ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH)またはジシラン(Si)を、Ge原料としてゲルマン(GeH)を用い、p型にはMg原料としては例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム((EtCp)Mg)を用いる。
オーミック接触層107に要求される性能としては、p型半導体層105との接触抵抗が小さいことが必須である。
オーミック接触層107の材料としては、p型半導体層105との接触抵抗の観点から、Pt、Ru、Os、Rh、Ir、Pd等の白金族、またはAgを用いることが好ましい。さらに好ましくは、Pt,Ir,Rh及びRuであり、Ptが特に好ましい。
オーミック接触層107にAgを用いることは、良好な反射を得るためには好ましいが、接触抵抗はPtよりも大きい。したがって、接触抵抗がそれほど要求されない用途にはAgを用いることも可能である。
オーミック接触層107の厚さは、低接触抵抗を安定して得るために0.1nm以上とすることが好ましい。さらに好ましくは1nm以上であり、均一な接触抵抗が得られる。
また、オーミック接触層107上には、Ag合金等からなる反射層108を設けても良い。Pt、Ir、Rh、Ru、OS、Pd等は、Ag合金と比較すると可視光から紫外領域の反射率が低い。したがって、発光層104からの光が十分に反射せず、発光出力の高い素子を得ることが難しい。この場合、オーミック接触層107を、光が十分に透過するように薄く形成し、Ag合金などの反射層108を形成して反射光を得る方が、良好なオーミック接触が得られ、かつ出力の高い素子を作製することができる。この場合のオーミック接触層107の膜厚は30nm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは10nm以下である。
オーミック接触層107および反射層108の成膜方法については、特に制限されることはなく公知のスパッタ法や蒸着法を用いることができる。
密着層106には、GaNと密着性の良い金属を用いることができる。密着層106の材料としては、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの単体金属、及び/又は、それらを組み合わせた合金を用いることができる。
また、メッキ基板110と、密着層106、オーミック接触層107及び反射層108との間の密着性を向上させるために、メッキ密着層109を形成しても良い。メッキ密着層109の材料は、メッキ基板110に使用するメッキによって異なってくるが、メッキ成分に主に含まれる物質を含んでいた方が密着性を向上させる。例えば、メッキ密着層109は、メッキ基板110の50重量%以上を占める主成分と同一の組成を、50重量%以上含有する構成とすることが好ましい。
また、メッキ基板110にNiPメッキを用いる場合、メッキ密着層109にはNi系合金を用いることが好ましい。さらに好ましくはNiPを用いることである。
密着層106及びメッキ密着層109の厚さは、良好な密着性を得るため、各々0.1nm以上とすることが好ましい。さらに好ましくは1nm以上であり、均一な密着性が得られる。密着層106及びメッキ密着層109の厚さの上限は特に限定されないが、生産性の観点から2μm以下にすることが好ましい。
密着層106、メッキ密着層109の成膜方法については、特に制限されることはなく公知のスパッタ法や蒸着法を用いることができる。スパッタ法は、スパッタ粒子が高エネルギーを持って基板表面に衝突して成膜されるので、密着性の高い膜を得ることができる。したがって、スパッタ法を用いることがより好ましい。
密着層106は、図1に示すようにオーミック接触層107と平行に形成しても良いし、また、図3に示す例のように、オーミック接触層307及び反射層308を覆うように形成する密着層306とすることもでき、適宜採用することができる。
メッキ基板110には、無電解メッキ、電解メッキのどちらでも用いることができる。無電解メッキの場合、材料としてはNiP合金メッキを用いることが好ましい。
メッキ基板110の厚さは、基板としての強度を保つために10μm以上とすることが好ましい。また、メッキ基板110が厚すぎるとメッキの剥離が起こりやすくなり、かつ生産性も低くなるので200μm以下とすることが好ましい。
メッキを実施する際は、窒化物系半導体発光素子の表面を、汎用の中性洗剤等を用いて、予め脱脂洗浄しておくことが好ましい。また、硝酸などの酸を用いてメッキ密着層等の表面に化学エッチングを施すことにより、メッキ密着層上の自然酸化膜を除去するのが好ましい。
NiPメッキ等のメッキ処理方法としては、メッキ浴として、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケルなどのニッケル源と、次亜リン酸塩などのリン源を含むものを用いた無電解メッキ処理法を採用することができる。無電解メッキ法に用いられるメッキ浴として好適な市販品としては、上村工業製のニムデンHDX等がある。無電解メッキ処理を行う際のメッキ浴のpHは4〜10、温度は30〜95℃とすることが好ましい。
また、メッキ基板110には、CuまたはCu合金のメッキを用いても良い。
CuまたはCu合金のメッキ処理方法としては、メッキ浴として、例えば硫酸銅などのCu源を用いる電解メッキ処理法を採用することができる。電気メッキ処理を行う際のメッキ浴のpHは2以下の強酸条件下で実施することが好ましい。温度は10〜50℃とすることが好ましく、常温(25℃)で実施することがより好ましい。電流密度は0.5〜10A/dmで実施することが好ましく、2〜4A/dmで実施することがより好ましい。
また、表面を平滑化させるためにレベリング剤を添加することがより好ましい。レベリング剤に用いられる市販品としては、例えば上村工業製のETN−1−AやETN−1−Bなどが用いられる。
上述のようにして得られたメッキ基板110の密着性を向上させるため、熱処理を行うことが好ましい。熱処理温度は100〜300℃の範囲とすることが、密着性向上の点から好ましい。熱処理温度を上述の範囲以上とすると、密着性がさらに向上する可能性はあるものの、オーミック性が低下してしまう虞がある。
メッキ基板110の形成後、サファイア基板101の剥離を行う。サファイア基板101を剥離する方法としては、研磨法、エッチング法、レーザリフトオフ法など公知の技術を何ら制限なく用いることが出来る。
サファイア基板101を剥離した後、研磨法、エッチング法などによりバッファ層102を除去し、n型半導体層103を露出させ、該n型半導体層103上に図示略の負極を形成する。負極としては、公知の各種組成及び構造のものを、何ら制限なく用いることが出来る。
また、正極としては、Au、Al、Ni及びCu等の材料を用いた各種構造が公知であり、これら公知の材料を何ら制限なく用いることが出来る。
[実施形態2]
図4は、あらかじめ窒化物系半導体をサファイア基板から分離した後、n型半導体層103の下面に負電極112が形成され、メッキ基板110の上面に正電極111が形成されることにより、上下電極配置型に概略構成された状態を示し、この図4の状態から、図6に示すように、ダイシングラインDL1、DL2に沿って分離することで、図7に示す形状の窒化物系半導体発光素子が得られる。図4に示すような上下電極配置型の構造とする前に、図5に示すように窒化物系半導体層を形成する。
図5に示す例では、窒化物系半導体発光素子を作製する際、サファイア基板(基板)501上にバッファ層502を介して、n型半導体層503、発光層504、p型半導体層505を積層して窒化物系半導体層を形成する。このようにして形成された窒化物系半導体を、サファイア基板501上で各窒化物半導体層からなる素子単位にあらかじめ分割し、露出したp型半導体層505、発光層504及びn型半導体層503を保護膜511で覆う。次いで、p型半導体層505上の保護膜511の一部(p型半導体層505の上面中央付近)を除去する。次いで、オーミック接触層507をp型半導体層505上に形成し、さらに、反射層508をオーミック接触層507上に形成する。次いで、保護膜511、オーミック接触層507側面、p型電極層505の一部、反射層508側面及び上面を覆うように、密着層506を形成する。そして、メッキを施すことにより、メッキ基板510を形成する。メッキ基板510形成後、サファイア基板501を剥離し、さらにバッファ層502を除去する。そして、正電極及び負電極を形成することにより、図4に示すような、正電極513及び負電極512を備えた上下電極配置型の構造となる。
図4に示すように、本実施形態で説明する構造は、n型半導体層403、発光層404、p型半導体層405、オーミック接触層407(第1の金属膜層)及び密着層406(第2の金属膜層)、メッキ基板410(金属板)が、この順序で積層(図4の上下方向)されてなり、オーミック接触層407上には反射層408が形成されている。また、本実施形態では、保護膜411が、n型半導体層403、発光層404及びp型半導体層405の側面を覆うように形成されており、保護膜411の側面には、密着層406及びメッキ密着層409、メッキ基板410(金属板)の延出部410aが、この順で積層されている。
保護膜411は、上述のようにn型半導体層403、発光層404及びp型半導体層405の側面を覆うとともに、図4の上端(先端)411aがp型半導体層405の上面の周縁部405aを覆うように形成されている。本例の保護膜411の下部411bは、n型半導体層403の下面と面一に、周囲方向へ延びて形成されている。
オーミック接触層407は、p型半導体層405上に形成されており、上述のように、上面に反射層408が形成されている。
密着層406は、保護膜411と同様に、上端(先端)406aがp型半導体層405の上面の一部及び保護膜411を覆うように形成されるとともに、オーミック接触層407の側面、及び反射層408の側面と上面を覆うように形成されている。また、下部406bも保護膜411と同様に、下部411bに積層される形で、周囲方向へ延びて形成されている。
上述のように、オーミック接触層407(第1の金属膜層)と密着層406(第2の金属膜層)とは、それぞれp型半導体層405上と保護膜511上とに分けて形成される形となっている。
メッキ基板410は、密着層406を覆うように形成されており、図4に示す例では、メッキ基板410と密着層406との間にメッキ密着層409が形成されている。
本実施形態のように、あらかじめ窒化物系半導体をサファイア基板上で分割する利点としては、窒化物系半導体の応力を緩和できる、レーザリフトオフ法を用いる場合、サファイア基板の剥離が容易に行えること等が挙げられる。
窒化物系半導体をサファイア基板上で分割する方法としては、エッチング法、レーザカッティング法など公知の技術を何ら制限なく用いることが出来る。レーザリフトオフ法を用いて窒化物系半導体を分割する場合、サファイア基板にダメージを与えないようにすることが、良好な基板剥離をする点で好ましい。また、エッチング法で分割する場合には、窒化物系半導体に対してはエッチングレートが早く、サファイア基板に対してはエッチングレートが遅い手法を用いることが好ましい。また、レーザで分割する場合には、GaNとサファイアの吸収波長の違いから、300〜400nmの波長を持ったレーザを用いることが好ましい。
保護膜411は、発光層404及びn型半導体層403が露出した構成とした場合に、p型半導体層405とn型半導体層間403との間での短絡を防止するために設けられる。
保護膜411に用いられる材料は、絶縁体であれば公知の材料を何ら制限なく用いることができ、SiOやSiを用いることが、品質が安定する点でより好ましい。
保護膜411の厚さは、良好な絶縁性を得るために0.1nm以上とすることが好ましい。さらに好ましくは1nm以上であり、均一な密着性が得られる。保護膜411の厚さに特に上限はないが、生産性の観点から1μm以下とすることが好ましい。
保護膜411の成膜方法については、特に制限されることはなく公知のCVD法やスパッタ法や蒸着法を用いることができる。保護膜411は半導体層の側面に形成する必要があるため、側面への被覆性に優れたCVD法を用いることが特に好ましい。保護膜411は、その目的からすると半導体層の側面にのみ形成されればよいが、マスキングの精度を考慮した場合、図4に示すように、p型半導体層405にも一部被覆されるように形成することが好ましい。
なお、本実施形態のサファイア基板401、バッファ層402、窒化物系半導体層(n型半導体層403、発光層404、p型半導体層405)、オーミック接触層407、密着層406、メッキ密着層409、メッキ基板410には、実施形態1と同様のものを用いることができる。
また、密着層406は保護膜411上に形成されるが、同時にp型半導体層405上に形成された構成としても良い。
また、図5に示すサファイア基板501の剥離方法としては、実施形態1と同様の方法で行うことができる。
また、正極、負極には実施形態1と同様のものを用いることができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
[実施例1]
(作製方法)
本実施例では、図1の断面模式図に示すような窒化物系半導体発光素子を作成した。
まず、サファイア基板101上に、AlNからなるバッファ層102(厚さ10nm)を介して、厚さ5μmのSiドープn型GaNコンタクト層、厚さ30nmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層、厚さ30nmのSiドープGaN障壁層および厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重井戸構造の発光層、厚さ50nmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層、厚さ150nmのMgドープp型GaNコンタクト層を順に積層した。
次いで、窒化物系半導体のp型コンタクト層(p型半導体層105)上に、厚さ1.5nmのPt層と、厚さ5nmのCr層を、図1に示すようにスパッタ法により成膜した(オーミック接触層107の形成)。そして、Pt層上に厚さ30nmのAgをスパッタ法により成膜した(反射層108の形成)。Pt、CrおよびAgのパターンは、公知のフォトリソグラフィー技術およびリフトオフ技術を用いた。
次いで、厚さ30nmのNiP合金(Ni:80at%、P:20at%)を、スパッタ法により成膜した。そして、NiP合金膜表面を硝酸水溶液(5N)に浸漬し、温度25℃、時間30秒で処理して酸化皮膜を除去した。
次いで、メッキ浴(上村工業製、ニムデンHDX−7G)を用いて、NiP合金膜上に、50μmのNiP合金からなる無電解メッキ層を形成し、メッキ金属基板(メッキ基板110)を得た。この際の処理条件はpH4.6、温度90℃、時間3時間とした。次いで、このメッキ金属基板を水洗、乾燥した後、クリーンオーブンを用いて250℃の条件下で1時間処理した。
次いで、サファイア基板101及びバッファ層102を研磨法により剥離し、n型半導体層103を露出させた。
次いで、n型半導体層103の表面に、ITO(SnO:10wt%)を400nm蒸着により成膜した。次いで、ITO表面上の中央部に、Cr(40nm)、Ti(100nm)、Au(1000nm)からなる負極を、蒸着法により成膜した(図2の負電極212参照)。負電極のパターンは、公知のフォトリソグラフィー技術及びリフトオフ技術を用いた。
また、p型半導体表面上には、Au(1000nm)からなる正極を、蒸着法により成膜した(図2の正電極213参照)。
次いで、ダイシングにより分割し、350μm角の窒化物系半導体素子とした。
(評価方法)
密着性を評価するため、メッキ金属基板(メッキ基板110)を作製して熱処理をした後に膜剥離試験を実施した。剥離試験は、JISに規定された方法(JIS H8062−1992)に、ヒートショック試験を組み合わせた加速試験を採用した。
まず、金属膜層、メッキ金属板にカッターナイフを用いて直線状の引っかき傷を1mm間隔の碁盤目状に入れた。この引っかき傷の深さは、サファイア基板101表面に到達する深さとした。次いで、これを400℃のオーブン内で30分加熱した後に、温度20℃に水中で急冷、乾燥させた。
次いで、引っかき傷を入れたメッキ金属板表面部分に粘着テープ(ニチバン製、セロハンテープ、幅12mm)を貼り付け、これを隙間無く密着させた後、テープをメッキ金属板表面から引き剥がした。この際、引っかき傷によって区画された1mm四方のメッキ金属板表面区画100個の内、引き剥がされずに残った区画を計数した。即ち、残った区画が100個であれば、膜剥がれが無いものと判断できる。
[実施例2〜13、比較例1〜7]
オーミック接触層、密着層、メッキ基板、メッキ密着層の各組成及び膜厚と、メッキアニールの各温度及び時間を、表1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様にして窒化物系半導体発光素子を作製し、各々評価を行った。
なお、密着層がない比較例1、2については、密着層の部分にその境界部も含めてオーミック接触層を成膜した。
オーミック接触層、密着層、メッキ密着層については、スパッタ法を用いて成膜した。
また、メッキ基板にCuを用いた実施例10では、以下の条件でメッキを施した。Cuのメッキ条件としては、CuSO:80g/L、硫酸:200g/L、レベリング剤(上村工業製ETN−1−A:1.0mL/L,ETN−1−B:1−mL/L)を使用し、電流密度2.5A/dmで常温にてメッキを実施した。メッキ時間は3時間とし、50μmのCu膜を成膜した。また陽極には含リン酸銅を使用した。
[実施例14]
本実施例では、図4の断面模式図に示すような窒化物系半導体発光素子を作成した。
まず、サファイア基板401上に、AlNからなるバッファ層402(厚さ10nm)を介して、厚さ5μmのSiドープn型GaNコンタクト層、厚さ30nmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層、厚さ30nmのSiドープGaN障壁層および厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重井戸構造の発光層、厚さ50nmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層、厚さ150nmのMgドープp型GaNコンタクト層を順に積層した。
次いで、ドライエッチングによりバッファ層402に至るまで窒化物系半導体を掘り、図6に示すように分割した。
そして、窒化物系半導体のp型コンタクト層(p型半導体層405)上に、厚さ1.5nmのPt層(オーミック接触層407)を、該Pt層の上に厚さ30nmのAg層(反射層408)を、スパッタ法により成膜した。
保護膜411は、図4及び図6に示すように、p型半導体層405、発光層404、n型半導体層403を覆うために、ドライエッチング部412とp型半導体405表面の外周部に100nm成膜した。
Pt、Cr及び保護膜411のパターンは、公知のフォトリソグラフィー技術およびリフトオフ技術を用いた。
保護膜411の成膜には、SiHとOを用いたCVD法を用いた。
次いで、厚さ5nmのCrと厚さ30nmのNiP合金(Ni:80at%、P:20at%)を、スパッタ法により成膜した。そして、NiP合金膜表面を硝酸水溶液(5N)に浸漬し、温度25℃、時間30秒で処理し、酸化皮膜を除去した。
次いで、メッキ浴(上村工業製、ニムデンHDX−7G)を用いて、NiP合金膜上に50μmのNiP合金からなる無電解メッキを形成し、メッキ金属基板(メッキ基板410)を得た。この際の、処理条件はpH4.6、温度90℃、時間3時間とした。次いで、このメッキ金属基板を水洗、乾燥した後、クリーンオーブンを用いて250℃の条件下で1時間処理した。
次いで、サファイア基板401及びバッファ層402をレーザリフトオフ法により剥離し、n型半導体層403を露出させた。
次いで、n型半導体層403の表面に、ITO(SnO:10wt%)を400nm、蒸着により成膜した。次いで、ITO表面上の中央部に、Cr(40nm)、Ti(100nm)、Au(1000nm)からなる負極を、蒸着法により成膜した。負電極のパターンは、公知のフォトリソグラフィー技術及びリフトオフ技術を用いた。
また、p型半導体表面上には、Au(1000nm)からなる正極を、蒸着法により成膜した。
次いで、ダイシングにより分割し、350μm角の窒化物系半導体素子とした。
各実施例及び比較例の作製条件、及び評価結果を表1に示す。
Figure 2007081089
[評価結果]
表1に示すように、Crからなる密着層、及びNi−20Pからなるメッキ密着層を設けた、実施例1に示す本発明の窒化物系半導体発光素子は、剥離が全く発生しなかった。また、密着層にV、Ti、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの各材料を用いた、実施例2〜9の窒化物系半導体発光素子も、剥離は全く発生しなかった。また、オーミック層にRu,Rh,Pdを用いた実施例11〜13の窒化物半導体発光素子も、剥離は全く発生しなかった。
また、Cuからなるメッキ密着層を設けるとともに、Cuからなるメッキ基板を設けた実施例10の窒化物系半導体発光素子も剥離は全く発生しなかった。
また、実施例11の窒化物系半導体発光素子(表1には記載せず)も、残留区画数が100であり、剥離は生じなかった。
上述のように、本発明の窒化物系半導体発光素子は、何れの実施例においても高い評価が得られた。
これに対して、密着層およびメッキ密着層のない比較例1においては、残留区画数が0であり、全て剥離していることが分かる。
また、比較例2のようにメッキ密着層を設けるだけでも、剥離防止のある程度の効果はあるももの、残留区画数は24であり、3/4程度の剥離が生じていることが分かる。同様に密着層をを設けるだけでも、剥離防止のある程度の効果はあるももの、残留区画数は52であり、1/2程度の剥離が生じていることが分かる。
また、比較例4のように、Crからなる密着層の膜厚が0.5nmと薄い場合は、残留区画数が78と、剥離の度合いはかなり改善されるものの、完全に剥離を防止することができないことが分かる。
また、比較例5のように、メッキ基板に対してアニールを行わなかった場合には、残留区画数が45であり、半分以上の剥離が生じていることが分かる。なお、この場合の剥離は、全てがメッキ基板からのものであり、密着層からの剥離は観察されなかった。
オーミック層の膜厚は、オーミック層が無くとも、あるいは40nmと厚い場合でも、比較例6、7に示すように残留区画数が100と剥離は生じなかった。しかしながら、オーミック層がない比較例6ではVfの上昇が観察された。また、オーミック層が40nmと厚い比較例7では反射率が低下し出力の低減が生じてしまった。
本発明によって提供される窒化物系半導体発光素子は、優れた特性と安定性を有し、発光ダイオードおよびランプ等の材料として有用である。
本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の一例を示す図であり、断面構造を示した模式図である。 本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の一例を示す図であり、断面構造を示した模式図である。 本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の他例を示す図であり、断面構造を示した模式図である。 本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の他例を示す図であり、断面構造を示した模式図である。 本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の他例を示す図であり、断面構造を示した模式図である。 本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の分離前の状態を示す平面図である。 本発明の窒化物系化合物半導体発光素子の分離後の状態を示す平面図である。
符号の説明
1、2、3…窒化物系半導体発光素子、101、201、301、401、501…サファイア基板(基板)、102、202、302、402、502…バッファ層、103、203、303、403、503…n型半導体層、104、204、304、404、504…発光層、105、205、305、405、505…p型半導体層、106、206、306、406、506…密着層、107、207、307、407、507…オーミック接触層、108、208、308、408、508…反射層、109、209、309、409、509…メッキ密着層、110、210、310、410、510…メッキ基板(金属板)、411、511…保護膜

Claims (20)

  1. 少なくともn型半導体層、発光層、p型半導体層、金属膜層、金属板が、この順序で積層されてなる窒化物系半導体発光素子において、
    前記p型半導体層に接して形成される第1の金属膜層が、オーミック接触層及び密着層の2層からなり、
    前記金属板がメッキにより形成されていることを特徴とする窒化物系半導体発光素子。
  2. 少なくともn型半導体層、発光層、p型半導体層、金属膜層、金属板が、この順序で積層されてなる窒化物系半導体発光素子において、
    保護膜が、前記n型半導体層、発光層、及びp型半導体層の側面を覆うように形成され、
    前記p型半導体層に接して形成される第1の金属膜層がオーミック接触層からなり、
    前記保護膜に接して形成される第2の金属膜層が密着層からなり、
    前記金属板がメッキにより形成されていることを特徴とする窒化物系半導体発光素子。
  3. 前記オーミック接触層が、Pt、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Agの単体金属、及び/又は、それらの合金からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物系半導体発光素子。
  4. 前記オーミック接触層の膜厚が0.1nm〜30nmであることを特徴とする請求項1〜3に記載の窒化物系半導体発光素子。
  5. 前記密着層が、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの単体金属、及び/又は、それらの合金からなることを特徴とする請求項1〜4に記載の窒化物系半導体発光素子。
  6. 前記密着層の膜厚が0.1nm〜2μmであることを特徴とする請求項1〜5に記載の窒化物系半導体発光素子。
  7. 前記オーミック接触層上に、Ag、Al合金からなる反射膜が形成されたことを特徴とする請求項1〜6に記載の窒化物系半導体発光素子。
  8. 前記金属板の膜厚が10μm〜200μmであることを特徴とする請求項1〜7に記載の窒化物系半導体発光素子。
  9. 前記金属板が無電解メッキ法により形成されたメッキからなることを特徴とする請求項1〜8に記載の窒化物系半導体発光素子。
  10. 前記金属板がNiP合金からなることを特徴とする請求項1〜9に記載の窒化物系半導体発光素子。
  11. 前記第2の金属膜層と前記金属板との間にメッキ密着層が形成されていること特徴とする請求項1〜10に記載の窒化物系半導体発光素子。
  12. 前記メッキ密着層が、前記金属板をなすメッキの50重量%以上を占める主成分と同一の組成を50重量%以上含有することを特徴とする請求項11に記載の窒化物系半導体発光素子。
  13. 前記メッキ密着層がNiP合金からなることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の窒化物系半導体発光素子。
  14. 少なくともn型半導体層、発光層、p型半導体層、金属膜層、金属板を、この順序で積層する積層工程を有する窒化物系半導体発光素子の製造方法において、
    前記p型半導体層に接する第1の金属膜層として、オーミック接触層及び密着層の2層を形成し、
    前記金属板をメッキによって形成することを特徴とする窒化物系半導体発光素子の製造方法。
  15. 少なくともn型半導体層、発光層、p型半導体層、金属膜層、金属板を、この順序で積層する積層工程を有する窒化物系半導体発光素子の製造方法において、
    保護膜を、前記n型半導体層、発光層、及びp型半導体層の側面を覆うようにして形成し、
    前記p型半導体層に接する第1の金属膜層としてオーミック接触層を形成し、
    前記保護膜に接する第2の金属膜層として密着層を形成し、
    前記金属板をメッキによって形成することを特徴とする窒化物系半導体発光素子の製造方法。
  16. 前記積層工程は、前記n型半導体層を、バッファ層を介して基板上に取り付けて行われ、
    前記積層工程終了後に、前記基板およびバッファ層を除去することにより、前記n型半導体層を露出させることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
  17. 前記金属板を形成した後、100℃〜300℃の温度で熱処理することを特徴とする請求項14〜16に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
  18. 前記保護膜をCVD法によって形成することを特徴とする請求項14〜17に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
  19. 前記密着層をスパッタ法によって形成することを特徴とする請求項14〜18に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
  20. 前記金属膜層と前記金属板との間に、スパッタ法によってメッキ密着層を形成すること特徴とする請求項14〜19に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
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