JP2008227544A - 窒化物系半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】密着性の高い正電極及び負電極を具備した窒化物系半導体発光素子を得る。
【解決手段】少なくともn型窒化物系半導体層、窒化物系半導体発光層、p型窒化物系半導体層、金属反射層、メッキ層がこの順序で積層されてなる構造の窒化物系半導体発光素子であって、金属反射層とメッキ層の間にメッキ密着層が形成されており、かつ、該メッキ密着層がメッキ層を構成する金属の主成分と同一の成分を50質量%以上有する合金層で構成する。
【選択図】図1
【解決手段】少なくともn型窒化物系半導体層、窒化物系半導体発光層、p型窒化物系半導体層、金属反射層、メッキ層がこの順序で積層されてなる構造の窒化物系半導体発光素子であって、金属反射層とメッキ層の間にメッキ密着層が形成されており、かつ、該メッキ密着層がメッキ層を構成する金属の主成分と同一の成分を50質量%以上有する合金層で構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、窒化物系半導体発光素子及びその製造方法に関し、特に基板剥離工程のための支持基板およびその製造方法に関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料としてGaN系化合物半導体材料が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶をはじめとして種々の酸化物基板やIII―V族化合物を基板として、その上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成される。
サファイア単結晶基板はGaNとは格子定数が10%以上も異なるが、AlNやAlGaNなどのバッファ層を形成することにより、その上に良好な窒化物系半導体が形成でき、一般的に広く用いられている。サファイア単結晶基板を用いた場合、n型GaN半導体層、GaN発光層、p型GaN半導体層がこの順で積層される。サファイア基板は絶縁体であるので、その素子構造は一般的に図4及び図5に示すようになり、p型GaN半導体層上に形成された正電極とn型GaN半導体層上に形成された負電極が共に一方の側の面に存在することになる。ITOなどの透明電極を正電極に使用しp型半導体側から光を取り出すフェイスアップ方式、Agなどの高反射膜を正電極に使用してサファイア基板側から光を取り出すフリップチップ方式の2種類がある。
サファイア単結晶基板はGaNとは格子定数が10%以上も異なるが、AlNやAlGaNなどのバッファ層を形成することにより、その上に良好な窒化物系半導体が形成でき、一般的に広く用いられている。サファイア単結晶基板を用いた場合、n型GaN半導体層、GaN発光層、p型GaN半導体層がこの順で積層される。サファイア基板は絶縁体であるので、その素子構造は一般的に図4及び図5に示すようになり、p型GaN半導体層上に形成された正電極とn型GaN半導体層上に形成された負電極が共に一方の側の面に存在することになる。ITOなどの透明電極を正電極に使用しp型半導体側から光を取り出すフェイスアップ方式、Agなどの高反射膜を正電極に使用してサファイア基板側から光を取り出すフリップチップ方式の2種類がある。
このようにサファイア単結晶基板は一般的に広く用いられているが、絶縁体であるためにいくつかの問題点がある。第一に負電極を形成するために発光層をエッチングなどにより除去してn型半導体層を露出させるために、負電極の部分だけ発光層の面積が減ってしまいその分出力が低下する。第二に正電極と負電極が同一面にあるために電流の流れが水平方向になってしまい局部的に電流密度の高いところができてしまい素子が発熱してしまう。第三にサファイア基板の熱伝導率は低いので発生した熱が拡散せず素子の温度が上昇してしまう。
以上の問題を解決させるために、サファイア単結晶基板上にn型半導体層、発光層、p型半導体層がこの順で積層した素子に導電性基板を接着し、その後にサファイア単結晶基板を除去して、正電極と負電極を上下に配置させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、導電性基板を接着させるのではなく、メッキにより作成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。メッキにより作成する場合、p型半導体層とメッキとの密着性を向上させるために中間層を成膜する手段も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特許第3511970号公報
特開2001−274507号公報
特開2004−47704号公報
以上の問題を解決させるために、サファイア単結晶基板上にn型半導体層、発光層、p型半導体層がこの順で積層した素子に導電性基板を接着し、その後にサファイア単結晶基板を除去して、正電極と負電極を上下に配置させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、導電性基板を接着させるのではなく、メッキにより作成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。メッキにより作成する場合、p型半導体層とメッキとの密着性を向上させるために中間層を成膜する手段も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
導電性基板を接着させる方法には、AuSnなどの低融点金属化合物を接着材として接着させる方法や、真空中でアルゴンプラズマなどで接合面を活性化させて接着させる活性化接合などの方法がある。この方法であると接着面は極めて平滑であることが要求され、パーティクルなどの異物があるとその部分が浮いてしまい接着がうまく行かないなど、均一な接着面を形成することが難しい。
メッキの場合、異物による影響がほとんどないので有利であるが、基板を作成するためには10μm以上の膜厚を必要とするためにp型半導体層との密着性が問題になる。メッキにより基板を作成する場合、p型半導体層上にオーミック接合をさせるためのオーミック接触層を形成し、その後メッキを施す。特許文献3ではオーミック接触層とメッキ層の間に中間層を用いて密着性を向上させている。
特許文献3においては、Niメッキのメッキ下地膜としてAu,AuGeを実施例としてあげているが、これらのメッキ下地膜では十分な密着性を得ることができない。
メッキの場合、異物による影響がほとんどないので有利であるが、基板を作成するためには10μm以上の膜厚を必要とするためにp型半導体層との密着性が問題になる。メッキにより基板を作成する場合、p型半導体層上にオーミック接合をさせるためのオーミック接触層を形成し、その後メッキを施す。特許文献3ではオーミック接触層とメッキ層の間に中間層を用いて密着性を向上させている。
特許文献3においては、Niメッキのメッキ下地膜としてAu,AuGeを実施例としてあげているが、これらのメッキ下地膜では十分な密着性を得ることができない。
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意努力検討した結果、少なくともn型窒化物系半導体層、窒化物系半導体発光層、p型窒化物系半導体層、オーミック接触層、メッキ金属板がこの順序で積層されてなる構造において、オーミック接触層とメッキ金属板の間にメッキ密着層を形成し、かつ、メッキ密着層がメッキ金属板を構成する合金の主成分と同一成分を50質量%以上含有する合金によって形成することにより、密着性の高い剥離のないメッキ基板を作成できることを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は以下の各発明を提供する。
すなわち、(1) メッキ金属板上に少なくともオーミック接触層、p型窒化物系半導体層、窒化物系半導体発光層、n型窒化物系半導体層がこの順序で積層されてなる窒化物系半導体発光素子において、オーミック接触層とメッキ金属板との間にメッキ密着層を具備し、かつ、該メッキ密着層がメッキ金属板を構成する合金の主成分と同一の成分を50質量%以上含有する合金からなる窒化物系半導体発光素子。
(2) 前記メッキ金属板の膜厚が10μm〜200μmである(1)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(3) 前記メッキ金属板がNiP合金からなる(1)または(2)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(4) 前記メッキ金属板がCuまたはCu合金からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(5) 前記メッキ密着層がNiP合金からなる(1)から(4)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(6)前記メッキ密着層がCuまたはCu合金からなることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
(7) 前記メッキ密着層の厚さが0.1nm〜2μmである(1)から(6)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(8) 前記オーミック接触層がPt、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、またはAgの単体金属またはそれらの合金からなる(1)から(7)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(9) 前記オーミック接触層の厚さが0.1nm〜30nmである(1)から(8)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(10) 前記オーミック接触層上にAg又はAl合金からなる反射膜を有する(1)から(9)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(11) 酸化物単結晶もしくは半導体単結晶からなる基板の表面に、少なくともバッファ層、n型窒化物系半導体層、窒化物系半導体発光層、p型窒化物系半導体層、オーミック接触層、メッキ密着層及びメッキ層をこの順序で積層し、その後の工程で基板及びバッファ層を除去した後、電極を形成する窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(12) 前記メッキ密着層をスパッタ法により形成する(11)に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(13) 前記メッキ層を無電解メッキ法により形成する(11)または(12)に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(14) 前記メッキ層を形成した後、100℃〜300℃で熱処理をする(11)から(13)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法である。
すなわち、(1) メッキ金属板上に少なくともオーミック接触層、p型窒化物系半導体層、窒化物系半導体発光層、n型窒化物系半導体層がこの順序で積層されてなる窒化物系半導体発光素子において、オーミック接触層とメッキ金属板との間にメッキ密着層を具備し、かつ、該メッキ密着層がメッキ金属板を構成する合金の主成分と同一の成分を50質量%以上含有する合金からなる窒化物系半導体発光素子。
(2) 前記メッキ金属板の膜厚が10μm〜200μmである(1)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(3) 前記メッキ金属板がNiP合金からなる(1)または(2)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(4) 前記メッキ金属板がCuまたはCu合金からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の窒化物系半導体発光素子。
(5) 前記メッキ密着層がNiP合金からなる(1)から(4)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(6)前記メッキ密着層がCuまたはCu合金からなることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
(7) 前記メッキ密着層の厚さが0.1nm〜2μmである(1)から(6)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(8) 前記オーミック接触層がPt、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、またはAgの単体金属またはそれらの合金からなる(1)から(7)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(9) 前記オーミック接触層の厚さが0.1nm〜30nmである(1)から(8)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(10) 前記オーミック接触層上にAg又はAl合金からなる反射膜を有する(1)から(9)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子。
(11) 酸化物単結晶もしくは半導体単結晶からなる基板の表面に、少なくともバッファ層、n型窒化物系半導体層、窒化物系半導体発光層、p型窒化物系半導体層、オーミック接触層、メッキ密着層及びメッキ層をこの順序で積層し、その後の工程で基板及びバッファ層を除去した後、電極を形成する窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(12) 前記メッキ密着層をスパッタ法により形成する(11)に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(13) 前記メッキ層を無電解メッキ法により形成する(11)または(12)に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
(14) 前記メッキ層を形成した後、100℃〜300℃で熱処理をする(11)から(13)のいずれか1つに記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法である。
本発明の窒化物系半導体発光素子は、オーミック接触層とメッキ金属板との間にメッキ密着層を形成し、かつ、そのメッキ密着層が前記メッキ金属板を構成している主成分と同一の成分を、50質量%以上含有する合金から形成することにより、密着性のより高い剥離のない素子を作成でき、その結果として正電極と負電極を上下に配置させた発光素子を高品質で安定的に作成することを可能にする。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照にして説明する。ただし、本発明は以下の各実施形態に限定されるものではなく、例えばこれら実施形態の構成要素同士を適宜組み合わせても良い。
図1は本発明の窒化物系半導体発光素子の断面構造を示した模式図である。
本発明の窒化物系半導体発光素子10は、メッキ金属板9上に、メッキ密着層8、厚さ30nmのAgからなる反射層7、厚さ1.5nmのPtからなるオーミック接触層6、p型窒化物系半導体層5としてコンタクト層をなす厚さ150nmのMgドープp型GaN、窒化物系半導体発光層4、n型窒化物系半導体層3としてコンタクト層をなす厚さ5μmのSiドープn型GaN層が順次積層され、メッキ金属板9の表面に正電極13、また、n型窒化物系半導体層3の表面には透明電極11を介して負電極12が形成されている。
窒化物系半導体発光層4は、厚さ30nmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層、厚さ30nmのSiドープGaN障壁層および厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N井戸層を5回積層して最後に障壁層を設けた多重井戸構造の発光層、及び厚さ50nmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層を順次積層して構成してある。
Ptからなるオーミック接触層6及びAgからなる反射層7はいずれもスパッタ法により成膜することができ、PtおよびAgのパターンも公知のフォトリソグラフィー技術およびリフトオフ技術を用いて形成することができる。
図1は本発明の窒化物系半導体発光素子の断面構造を示した模式図である。
本発明の窒化物系半導体発光素子10は、メッキ金属板9上に、メッキ密着層8、厚さ30nmのAgからなる反射層7、厚さ1.5nmのPtからなるオーミック接触層6、p型窒化物系半導体層5としてコンタクト層をなす厚さ150nmのMgドープp型GaN、窒化物系半導体発光層4、n型窒化物系半導体層3としてコンタクト層をなす厚さ5μmのSiドープn型GaN層が順次積層され、メッキ金属板9の表面に正電極13、また、n型窒化物系半導体層3の表面には透明電極11を介して負電極12が形成されている。
窒化物系半導体発光層4は、厚さ30nmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層、厚さ30nmのSiドープGaN障壁層および厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N井戸層を5回積層して最後に障壁層を設けた多重井戸構造の発光層、及び厚さ50nmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層を順次積層して構成してある。
Ptからなるオーミック接触層6及びAgからなる反射層7はいずれもスパッタ法により成膜することができ、PtおよびAgのパターンも公知のフォトリソグラフィー技術およびリフトオフ技術を用いて形成することができる。
図2は、本発明の窒化物系半導体発光素子を形成するために使用する、メッキ金属板基板101の断面を示した模式図である。このメッキ金属板基板101は、サファイアからなる基板1上にバッファ層2を介して半導体発光構造3〜5、オーミック接触層6、反射層7、メッキ密着層8及びメッキ金属板9を形成したものである。このようなメッキ金属板基板101を形成した後、サファイアからなる基板1及びバッファ層2を研磨除去し、図3に示すようなメッキ金属基板102とし、この両面に電極を形成して図1に示すような構造の半導体発光素子10を形成する。
メッキ金属板基板101を形成するための基板1には、サファイア単結晶(Al2O3;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(AgAl2O4)、ZnO単結晶、LiAlO2単結晶、LiGaO2単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶などの公知の基板材料を何ら制限無く用いることができる。SiCなどの導電性基板を用いれば、正電極と負電極を上下に配置させた発光素子の作成は基板剥離をしなくとも可能であるが、その場合、絶縁体であるバッファ層を使用することができなくなるので、その上に成長する窒化物系半導体層の結晶が劣化してしまい良好な素子を形成することができない。本発明においては、導電性のSiC、Siを用いた場合でも基板剥離は実施する必要がある。
バッファ層2は、基板と基板上に形成する結晶層との格子定数の不整合に起因する応力の影響を緩和するためのものであって、例えばサファイア単結晶基板とGaNの格子定数が10%以上も異なるために、GaNの結晶性を向上させるために一般的にその中間の格子定数を有するAlNやAlGaNなどが使用されており、本発明においてもAlNやAlGaNが何ら制限なく用いることができる。
バッファ層2は、基板と基板上に形成する結晶層との格子定数の不整合に起因する応力の影響を緩和するためのものであって、例えばサファイア単結晶基板とGaNの格子定数が10%以上も異なるために、GaNの結晶性を向上させるために一般的にその中間の格子定数を有するAlNやAlGaNなどが使用されており、本発明においてもAlNやAlGaNが何ら制限なく用いることができる。
バッファ層2表面には半導体発光構造を形成する。図2に示したメッキ金属板基板101では、いずれも窒化物系半導体で形成してあり、n型窒化物系半導体層3、窒化物系半導体発光層4、p型窒化物系半導体層5から構成される。発光構造は例えばダブルヘテロ(DH)構造や量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造等公知の発光構造がいずれも利用できる。
窒化物系半導体としては一般式AlxInyGa1−x−yN(0≦x<1、0≦y<1、x+y<1)で表される半導体が多数知られており、本発明においてもこれら一般式で表される窒化物系半導体を何ら制限なく用いることができる。
これらの窒化物系半導体の形成方法は特に限定されず、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HPVE)、分子線エピタキシー法(MBE)、などIII族窒化物系半導体を成長させることが知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法である。
窒化物系半導体としては一般式AlxInyGa1−x−yN(0≦x<1、0≦y<1、x+y<1)で表される半導体が多数知られており、本発明においてもこれら一般式で表される窒化物系半導体を何ら制限なく用いることができる。
これらの窒化物系半導体の形成方法は特に限定されず、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HPVE)、分子線エピタキシー法(MBE)、などIII族窒化物系半導体を成長させることが知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法である。
MOCVD法では、キャリアガスとして水素(H2)または窒素(N2)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてはアンモニア(NH3)、ヒドラジン(N2H4)などが用いられる。また、ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH4 )またはジシラン(Si2H6)を、Ge原料としてゲルマン(GeH4)を用い、p型にはMg原料としては例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム((EtCp)2Mg)を用いる。
オーミック接触層6はp型窒化物系半導体層5と反射層7とをオーミック接触させるためのものであって、オーミック接触層6に要求される性能としてはp型窒化物系半導体層5との接触抵抗が小さいことが必須である。オーミック接触層6の材料はp型窒化物系半導体層5との接触抵抗の観点から、Pt、Ru、Os、Rh、Ir、Pd等の白金族またはAgが好ましい。さらに好ましくはPt,Ir,RhおよびRuである。なかでもPtが特に好ましい。Agを用いることは良好な反射を得るためには好ましいが、接触抵抗はPtよりも低い。したがって接触抵抗がそれほど要求されない用途にはAgを用いることも可能である。オーミック接触層6の厚さは、低接触抵抗を安定して得るために0.1nm以上とすることが好ましい。さらに好ましくは1nm以上であり、均一な接触抵抗が得られる。
オーミック接触層6上にはAg、Alなどの反射層7を用いても良い。Pt,Ir,Rh、Ru、OS,PdなどはAg,Alと比較すると可視光から紫外領域の反射率が低い。したがって、窒化物系半導体発光層4からの光が十分に反射せずに出力の高い素子を得ることが難しい。この場合、オーミック接触層6を光が十分に透過するほどに薄く形成し、Ag、Alなどの反射層7を形成して反射光を得る方が良好なオーミック接触が得られ、かつ出力の高い素子を作成することができる。この場合、オーミック接触層6の膜厚は30nm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは10nm以下である。オーミック接触層6および反射層7の成膜方法については、特に制限されることはなく公知のスパッタ法や蒸着法を用いることができる。
オーミック接触層6上にはAg、Alなどの反射層7を用いても良い。Pt,Ir,Rh、Ru、OS,PdなどはAg,Alと比較すると可視光から紫外領域の反射率が低い。したがって、窒化物系半導体発光層4からの光が十分に反射せずに出力の高い素子を得ることが難しい。この場合、オーミック接触層6を光が十分に透過するほどに薄く形成し、Ag、Alなどの反射層7を形成して反射光を得る方が良好なオーミック接触が得られ、かつ出力の高い素子を作成することができる。この場合、オーミック接触層6の膜厚は30nm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは10nm以下である。オーミック接触層6および反射層7の成膜方法については、特に制限されることはなく公知のスパッタ法や蒸着法を用いることができる。
オーミック接触層6の表面には、メッキ密着層8を介してメッキ層9を形成する。
メッキ密着層8は、メッキ層9を構成する金属成分の主成分と同一の成分を50質量%以上有している合金で形成する。例えば、メッキ層9として無電解NiPを使用する場合はNiが主成分であるので、メッキ密着層8にはNiを主成分として50質量%以上含有する金属で形成することが好ましい。さらに好ましくは、メッキ密着層8にもNiPの第二成分であるPを含んでいることである。すなわち、メッキ密着層8とメッキ層9を同一成分の合金で構成することが好ましい。組成比はあまり重要ではない。あらかじめメッキ層9と同一の合金層を強固に形成しておくことが有効である。
メッキ密着層8は、メッキ層9を構成する金属成分の主成分と同一の成分を50質量%以上有している合金で形成する。例えば、メッキ層9として無電解NiPを使用する場合はNiが主成分であるので、メッキ密着層8にはNiを主成分として50質量%以上含有する金属で形成することが好ましい。さらに好ましくは、メッキ密着層8にもNiPの第二成分であるPを含んでいることである。すなわち、メッキ密着層8とメッキ層9を同一成分の合金で構成することが好ましい。組成比はあまり重要ではない。あらかじめメッキ層9と同一の合金層を強固に形成しておくことが有効である。
メッキ密着層8の厚さは良好な密着性を得るために0.1nm以上とすることが好ましい。さらに好ましくは1nm以上であり、この程度の厚さにすれば均一な密着性が得られる。厚さの上限は特に限定されないが、生産性の観点から2μm以下にすることが好ましい。
メッキ密着層8の形成方法については、特に制限されることはなく公知のスパッタ法や蒸着法を用いることができる。スパッタ法はスパッタ粒子が高エネルギーを持って基板表面に衝突して成膜されるので、密着性の高い膜を得ることができる。したがって、スパッタ法を用いる方がさらに好ましい。このようにあらかじめ密着性の高い膜を形成した後、厚さの厚いメッキ層を形成する。
メッキ密着層8の形成方法については、特に制限されることはなく公知のスパッタ法や蒸着法を用いることができる。スパッタ法はスパッタ粒子が高エネルギーを持って基板表面に衝突して成膜されるので、密着性の高い膜を得ることができる。したがって、スパッタ法を用いる方がさらに好ましい。このようにあらかじめ密着性の高い膜を形成した後、厚さの厚いメッキ層を形成する。
メッキ層9は発光素子の主要部分を支持するための支持基体となるもので、発光素子の主要部分を支持するのに充分な厚さと強度を有している必要がある。すなわち、メッキ層9は発光構造を支持するためのメッキ金属板となるものである。
メッキ層9の形成には無電解メッキ、電気メッキのどちらを用いることもできる。無電解メッキの場合は、材料としてNiP合金を用いることがこの好ましい。電解メッキの場合は、材料としてCuまたはCu合金を用いることがこの好ましい。
メッキ層9の厚さは、基板としての強度を保つために10μm以上とすることが好ましい。厚くなるとメッキの剥離が起こりやすくなり、かつ生産性も低くなるので200μm以下であることが好ましい。
メッキ層9の形成には無電解メッキ、電気メッキのどちらを用いることもできる。無電解メッキの場合は、材料としてNiP合金を用いることがこの好ましい。電解メッキの場合は、材料としてCuまたはCu合金を用いることがこの好ましい。
メッキ層9の厚さは、基板としての強度を保つために10μm以上とすることが好ましい。厚くなるとメッキの剥離が起こりやすくなり、かつ生産性も低くなるので200μm以下であることが好ましい。
メッキを実施する前には、汎用の中性洗剤等を用いて脱脂洗浄することが好ましい。また、硝酸などの酸を用いてメッキ密着層などの表面を化学エッチングを施すことによりメッキ密着層上の自然酸化膜を除去するのが好ましい。
NiPメッキなどのメッキ処理方法としては、メッキ浴として、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケルなどのニッケル源と、次亜リン酸塩などのリン源を含むものを用いた無電解メッキ処理法を採用することができる。無電解メッキ法に用いられるメッキ浴として好適な市販品としては、例えば上村工業製のニムデンHDXなどがある。無電解メッキ処理を行う際のメッキ浴のpHは4〜10、温度は30〜95℃とすることが好ましい。
CuまたはCu合金のメッキ処理方法としては、メッキ浴として、例えば硫酸銅などのCu源を用いる電解メッキ処理法を採用することができる。電気メッキ処理を行う際のメッキ浴のpHは2以下の強酸条件下で実施することが好ましい。温度は10〜50℃とすることが好ましく、さらには常温(25℃)で実施することがさらに好ましい。電流密度は0.5〜10A/dm2で実施することが好ましい。さらに好ましく電流密度は2〜4A/dm2で実施することである。表面を平滑化させるためにレベリング剤を添加することがより好ましい。レベリング剤に用いられる市販品としては、例えば上村工業製のETN−1−AやETN−1−Bなどが用いられる。
このようにして得られたメッキ層の密着性を向上させるために熱処理することが好ましい。熱処理温度は100〜300℃が密着性向上のために好ましい。これ以上温度を上げると密着性はさらに向上するかもしれないが、オーミック性が低下してしまう危険性がある。
NiPメッキなどのメッキ処理方法としては、メッキ浴として、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケルなどのニッケル源と、次亜リン酸塩などのリン源を含むものを用いた無電解メッキ処理法を採用することができる。無電解メッキ法に用いられるメッキ浴として好適な市販品としては、例えば上村工業製のニムデンHDXなどがある。無電解メッキ処理を行う際のメッキ浴のpHは4〜10、温度は30〜95℃とすることが好ましい。
CuまたはCu合金のメッキ処理方法としては、メッキ浴として、例えば硫酸銅などのCu源を用いる電解メッキ処理法を採用することができる。電気メッキ処理を行う際のメッキ浴のpHは2以下の強酸条件下で実施することが好ましい。温度は10〜50℃とすることが好ましく、さらには常温(25℃)で実施することがさらに好ましい。電流密度は0.5〜10A/dm2で実施することが好ましい。さらに好ましく電流密度は2〜4A/dm2で実施することである。表面を平滑化させるためにレベリング剤を添加することがより好ましい。レベリング剤に用いられる市販品としては、例えば上村工業製のETN−1−AやETN−1−Bなどが用いられる。
このようにして得られたメッキ層の密着性を向上させるために熱処理することが好ましい。熱処理温度は100〜300℃が密着性向上のために好ましい。これ以上温度を上げると密着性はさらに向上するかもしれないが、オーミック性が低下してしまう危険性がある。
メッキ層の形成後、サファイアなどの基板をバッファ層とともに剥離して、図3に示すようなメッキ金属基板102とする。基板剥離の方法としては、研磨法、エッチング法、レーザリフトオフ法など公知の技術を何ら制限なく用いることが出来る。
基板を剥離した後、研磨法、エッチング法などによりバッファ層を除去し、図3に示すようなn型窒化物系導体層3を露出させる。
次いで、n型窒化物系半導体層上3に負電極12を形成する。負電極12としては、各種組成および構造の負電極が公知であり、これら公知の負電極を何ら限なく用いることが出来る。例えはn型窒化物系半導体層上3の全面に電圧を印可させるためにITO等の透明電極11を形成し、Cr,Ti,Au3層を積層した負電極12を形成する。
メッキ層9の表面に形成する正電極23は、Au,Al,NiおよびCu等の材料を用いた各種構造が公知であり、これら公知の材料を何ら制限なく用いることが出来る。
このようにして密着性の高い正電極及び負電極を具備した窒化物系半導体発光素子を得る。
基板を剥離した後、研磨法、エッチング法などによりバッファ層を除去し、図3に示すようなn型窒化物系導体層3を露出させる。
次いで、n型窒化物系半導体層上3に負電極12を形成する。負電極12としては、各種組成および構造の負電極が公知であり、これら公知の負電極を何ら限なく用いることが出来る。例えはn型窒化物系半導体層上3の全面に電圧を印可させるためにITO等の透明電極11を形成し、Cr,Ti,Au3層を積層した負電極12を形成する。
メッキ層9の表面に形成する正電極23は、Au,Al,NiおよびCu等の材料を用いた各種構造が公知であり、これら公知の材料を何ら制限なく用いることが出来る。
このようにして密着性の高い正電極及び負電極を具備した窒化物系半導体発光素子を得る。
(実施例1)
サファイアからなる基板上に、厚さ10nmのAlNからなるバッファ層を介して、厚さ5μmのSiドープn型GaNコンタクト層、厚さ30nmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層、厚さ30nmのSiドープn型GaN障壁層および厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重井戸構造の発光層、厚さ50nmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層、厚さ150nmのMgドープp型GaNコンタクト層を順に積層した。
窒化物系半導体のp型コンタクト層上に厚さ1.5nmのPt層をスパッタ法により成膜した。その後、Pt層上に厚さ30nmのAgをスパッタ法により成膜した。PtおよびAgのパターンは、公知のフォトリソグラフィー技術およびリフトオフ技術を用いた。
サファイアからなる基板上に、厚さ10nmのAlNからなるバッファ層を介して、厚さ5μmのSiドープn型GaNコンタクト層、厚さ30nmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層、厚さ30nmのSiドープn型GaN障壁層および厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重井戸構造の発光層、厚さ50nmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層、厚さ150nmのMgドープp型GaNコンタクト層を順に積層した。
窒化物系半導体のp型コンタクト層上に厚さ1.5nmのPt層をスパッタ法により成膜した。その後、Pt層上に厚さ30nmのAgをスパッタ法により成膜した。PtおよびAgのパターンは、公知のフォトリソグラフィー技術およびリフトオフ技術を用いた。
次に厚さ30nmのNiP合金膜(Ni:80at%、P:20at%)をスパッタ法により成膜し、メッキ密着層とした。
NiP合金膜表面を硝酸水溶液(5N)に浸漬し、温度25℃で30秒間処理し酸化皮膜を除去した。
次いで、メッキ浴(上村工業製、ニムデンHDX−7G)を用いて、NiP膜上に50μmのNiP合金からなる無電解メッキ層を形成し、メッキ金属基板を得た。この際の、処理条件はpH4.6、温度90℃、時間3時間とした。次いで、このメッキ金属基板を水洗、乾燥した後、クリーンオーブンを用いて250℃の条件下で1時間処理した。
次いで、サファイア基板およびバッファー層を研磨法により剥離しn型半導体層を露出させた。
NiP合金膜表面を硝酸水溶液(5N)に浸漬し、温度25℃で30秒間処理し酸化皮膜を除去した。
次いで、メッキ浴(上村工業製、ニムデンHDX−7G)を用いて、NiP膜上に50μmのNiP合金からなる無電解メッキ層を形成し、メッキ金属基板を得た。この際の、処理条件はpH4.6、温度90℃、時間3時間とした。次いで、このメッキ金属基板を水洗、乾燥した後、クリーンオーブンを用いて250℃の条件下で1時間処理した。
次いで、サファイア基板およびバッファー層を研磨法により剥離しn型半導体層を露出させた。
n型半導体層表面に厚さ400nmのITO(SnO2:10質量%)膜を蒸着により成膜した。次いで、ITO表面上の中央部に厚さ40nmのCr、厚さ100nmのTi、厚さ1000nmのAuからなる負電極を蒸着法により成膜した。負電極のパターンは、公知のフォトリソグラフィー技術およびリフトオフ技術を用いた。
p型半導体表面上には厚さ1000nmのAuからなる正電極を蒸着法により成膜した。
次いで、ダイシングにより所定の大きさに分割して図1に示す構造の窒化物系半導体素子をとした。
密着性を評価するために、メッキ金属基板を作成し熱処理をした後に、膜剥離試験を実施した。剥離試験はJIS H8062−1992に規定された方法に、ヒートショック試験を組み合わせた加速試験を採用した。
すなわち、まず、オーミック接触層とメッキ金属板にカッターナイフを用いて直線状の引っかき傷を1mm間隔の碁盤目状に入れた。この引っかき傷の深さは、サフィイア基板表面に到達する深さとした。次いで、これを200℃のオーブン内で30分加熱した後に、温度20℃に水中で急冷、乾燥させた。
次いで、引っかき傷を入れたメッキ金属板表面部分に粘着テープ(ニチバン製、セロハンテープ、幅12mm)を貼り付け、これを隙間無く密着させた後に、このテープをメッキ金属板表面から引き剥がした。この際、引っかき傷によって区画された1mm四方のメッキ金属板表面区画100個の内、引き剥がされずに残った区画を計数した。すなわち、100個であれば膜はがれが無いといえる。結果を表1に示す。
p型半導体表面上には厚さ1000nmのAuからなる正電極を蒸着法により成膜した。
次いで、ダイシングにより所定の大きさに分割して図1に示す構造の窒化物系半導体素子をとした。
密着性を評価するために、メッキ金属基板を作成し熱処理をした後に、膜剥離試験を実施した。剥離試験はJIS H8062−1992に規定された方法に、ヒートショック試験を組み合わせた加速試験を採用した。
すなわち、まず、オーミック接触層とメッキ金属板にカッターナイフを用いて直線状の引っかき傷を1mm間隔の碁盤目状に入れた。この引っかき傷の深さは、サフィイア基板表面に到達する深さとした。次いで、これを200℃のオーブン内で30分加熱した後に、温度20℃に水中で急冷、乾燥させた。
次いで、引っかき傷を入れたメッキ金属板表面部分に粘着テープ(ニチバン製、セロハンテープ、幅12mm)を貼り付け、これを隙間無く密着させた後に、このテープをメッキ金属板表面から引き剥がした。この際、引っかき傷によって区画された1mm四方のメッキ金属板表面区画100個の内、引き剥がされずに残った区画を計数した。すなわち、100個であれば膜はがれが無いといえる。結果を表1に示す。
(実施例2−3、比較例1−3)
メッキ密着層及びメッキ金属板の組成、膜厚を表1に示すようにそれぞれ変化させた条件で窒化物系半導体発光素子を作成した。メッキ層は組成をNi−20P、厚さを50μmとし、メッキ密着層以外は実施例1と同様に作製して、実施例1と同様に膜剥離試験を実施した。これらの結果を表1にまとめて示す。
メッキ密着層及びメッキ金属板の組成、膜厚を表1に示すようにそれぞれ変化させた条件で窒化物系半導体発光素子を作成した。メッキ層は組成をNi−20P、厚さを50μmとし、メッキ密着層以外は実施例1と同様に作製して、実施例1と同様に膜剥離試験を実施した。これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例4)
メッキ密着層としてNiP合金膜の代わりにCuをスパッタ法より30nm成膜し、かつ、メッキ層としてはNiP合金膜の代わりにCuを電解メッキで50μm成膜した以外は実施例1と同様に窒化物系半導体発光素子を作製して、実施例1と同様に膜剥離試験を実施した。その結果を表1に示す。
Cuのメッキ条件としては、CuSO4:80g/L、硫酸:200g/L、レベリング剤(上村工業製ETN−1−A:1.0mL/L,ETN−1−B:1−mL/L)を使用し、電流密度2.5A/dm2で常温にてメッキを実施した。メッキ時間は3時間とし50μmのCu膜を成膜した。また陽極には含リン酸銅を使用した。
メッキ密着層としてNiP合金膜の代わりにCuをスパッタ法より30nm成膜し、かつ、メッキ層としてはNiP合金膜の代わりにCuを電解メッキで50μm成膜した以外は実施例1と同様に窒化物系半導体発光素子を作製して、実施例1と同様に膜剥離試験を実施した。その結果を表1に示す。
Cuのメッキ条件としては、CuSO4:80g/L、硫酸:200g/L、レベリング剤(上村工業製ETN−1−A:1.0mL/L,ETN−1−B:1−mL/L)を使用し、電流密度2.5A/dm2で常温にてメッキを実施した。メッキ時間は3時間とし50μmのCu膜を成膜した。また陽極には含リン酸銅を使用した。
(比較例4−6)
メッキ密着層としてCuの代わりに表1に示す組成と厚さを有するメッキ密着層を用いた以外は実施例4と同様に窒化物系半導体発光素子を作製して、実施例1と同様に膜剥離試験を実施した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、NiPからなるメッキ層では、メッキ密着層の無い比較例1や、メッキ密着層にNiPを含まないAuを用いた比較例2、AuGe合金を用いた比較例3は、密着性が良くないことが分かる。一方、メッキ密着層にメッキ金属板と同じ成分であるNiPを成膜した実施例1−3は、密着性が良好であることがわかる。
また、Cuからなるメッキ層の場合も同様に、メッキ密着層が無い比較例4や、メッキ密着層にCuを含まないAuを用いた比較例5、AuGe合金を用いた比較例6は、密着性が良くないことが分かる。一方、メッキ密着層にメッキ金属板と同じ成分であるCuを成膜した実施例4は、密着性が良好であることがわかる。
メッキ密着層としてCuの代わりに表1に示す組成と厚さを有するメッキ密着層を用いた以外は実施例4と同様に窒化物系半導体発光素子を作製して、実施例1と同様に膜剥離試験を実施した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、NiPからなるメッキ層では、メッキ密着層の無い比較例1や、メッキ密着層にNiPを含まないAuを用いた比較例2、AuGe合金を用いた比較例3は、密着性が良くないことが分かる。一方、メッキ密着層にメッキ金属板と同じ成分であるNiPを成膜した実施例1−3は、密着性が良好であることがわかる。
また、Cuからなるメッキ層の場合も同様に、メッキ密着層が無い比較例4や、メッキ密着層にCuを含まないAuを用いた比較例5、AuGe合金を用いた比較例6は、密着性が良くないことが分かる。一方、メッキ密着層にメッキ金属板と同じ成分であるCuを成膜した実施例4は、密着性が良好であることがわかる。
1・・・・・基板、2・・・・・バッファ層、3・・・・・n型窒化系物半導体層、4・・・・・窒化物系半導体発光層、5・・・・・p型窒化物系半導体層、6・・・・・オーミック接触層、7・・・・・反射層、8・・・・・メッキ密着層、9・・・・・メッキ層(メッキ金属板)、10・・・・・窒化物系半導体発光素子、11・・・・・透明電極、12・・・・・負電極、13・・・・・正電極、101,102・・・・・メッキ金属基板
Claims (14)
- メッキ金属板上に少なくともオーミック接触層、p型窒化物系半導体層、窒化物系半導体発光層、n型窒化物系半導体層がこの順序で積層されてなる窒化物系半導体発光素子において、オーミック接触層とメッキ金属板との間にメッキ密着層を具備し、かつ、該メッキ密着層がメッキ金属板を構成する合金の主成分と同一の成分を50質量%以上含有する合金からなることを特徴とする窒化物系半導体発光素子。
- 前記メッキ金属板の膜厚が10μm〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物系半導体発光素子。
- 前記メッキ金属板がNiP合金からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化物系半導体発光素子。
- 前記メッキ金属板がCuまたはCu合金からなることを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物系半導体発光素子。
- 前記メッキ密着層がNiP合金からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
- 前記メッキ密着層がCuまたはCu合金からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
- 前記メッキ密着層の厚さが0.1nm〜2μmであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
- 前記オーミック接触層がPt、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、またはAgの単体金属またはそれらの合金からなることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
- 前記オーミック接触層の厚さが0.1nm〜30nmであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
- 前記オーミック接触層上にAg又はAl合金からなる反射膜を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
- 酸化物単結晶もしくは半導体単結晶からなる基板の表面に、少なくともバッファ層、n型窒化物系半導体層、窒化物系半導体発光層、p型窒化物系半導体層、オーミック接触層、メッキ密着層及びメッキ層をこの順序で積層し、その後の工程で基板及びバッファ層を除去した後、電極を形成することを特徴とする窒化物系半導体発光素子の製造方法。
- 前記メッキ密着層をスパッタ法により形成することを特徴とする請求項11に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
- 前記メッキ層を無電解メッキ法により形成することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
- 前記メッキ層を形成した後、100℃〜300℃で熱処理をすることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子の製造方法。
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