JP2007080563A - 冷陰極表示装置の製造装置および製造方法 - Google Patents

冷陰極表示装置の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】CNTを電子放出部に使用した冷陰極表示装置の画素間の電子放出特性のバラツキを低減する製造装置を提供する。
【解決手段】CNTを電子放出部に使用した冷陰極表示装置10が内部に配置される気密チャンバ(21)と、気密チャンバ内を真空状態にする真空度調整部(21a、21b、23、24)と、真空状態の気密チャンバ内にカーボンと反応し易い所望のガスを導入するガス導入部(26)と、冷陰極電子源に電子放出をさせるために上記ガスが満たされている状態の気密チャンバ内の冷陰極表示装置の少なくともカソード電極とゲート電極の間に電圧を印加する電源部(25)とを有す。
【選択図】図2

Description

この発明は、電子放出部としてカーボンナノチューブを含む冷陰極電子源を使用した冷陰極表示装置の製造装置および製造方法に関し、特に冷陰極電子源での電子放出特性の調整に関するものである。
カーボンナノチューブを使用した冷陰極電子源は、冷陰極を使用した高輝度、広視野角、長寿命、高速応答などの特徴を有する薄型の表示装置である電界放出表示装置(FED)への実用化に向けて注目されている。カーボンナノチューブ(CNT)を冷陰極の電子放出材料として使用する際には、端部を多数個形成することが必要となる。従来、印刷により形成されたCNT膜では、細長いCNTがネットワーク状に形成されている構造となっており、CNTの端部の露出が十分ではなかった。この点を改善する目的で、CNT膜上にレーザを照射して端部を露出する方法がとられていた(例えば特許文献1参照)。
特開2000−036243号公報
しかしながら、この方法では端部の露出箇所を制御することができず、FEDの電子放出部として使用した場合には、画素間の電子放出特性がばらつき表示装置としての特性が不十分であった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、電界放出表示装置の表示パネルである冷陰極表示装置に関し、カーボンナノチューブを電子放出部に使用した冷陰極表示装置の画素間の電子放出特性のバラツキを低減できる冷陰極表示装置の製造装置および製造方法を提供するものである。
この発明は、表示面およびこれに平行なアノード電極を含むアノード板と、このアノード板に対向し、上記表示面の各画素に対応しそれぞれカーボンナノチューブを含有した複数の冷陰極電子源を含むカソード電極を有するカソード板と、前記アノード板とカソード板の間に設けられたゲート電極と、を備えた冷陰極表示装置の製造装置であって、内部に上記冷陰極表示装置が配置される気密チャンバと、上記気密チャンバ内を真空状態にする真空度調整部と、真空状態の上記気密チャンバ内にカーボンと反応し易い所望のガスを導入するガス導入部と、上記冷陰極電子源に電子放出をさせるために上記ガスが満たされている状態の気密チャンバ内の上記冷陰極表示装置の少なくとも上記カソード電極とゲート電極の間に電圧を印加する電源部と、を備えたことを特徴とする冷陰極表示装置の製造装置にある。
カーボンナノチューブを電子放出部に使用した冷陰極表示装置の画素間の電子放出特性のバラツキを低減させることができる。
冷陰極表示装置の電子放出部(冷陰極電子源)を構成しているCNTは、その結晶性の完全性より非常に強固で長寿命な電子源であるが、画素間の特性を揃えることが非常に困難であった。画素間の電子放出特性の特性バラツキは、表示装置として用いた場合、画素間の輝度バラツキとなって現れてくる。画素間の輝度バラツキは、画面上の色むらないしは色輝度差となって現れ、画質の劣化を引き起こすことになる。画素間の特性バラツキの発生しやすい大きな要因は、冷陰極電子源の持つ電子放出特性に起因すると考えられる。冷陰極電子の放出電流値の印加電圧依存性は、飽和特性の無い非常に大きな非線形特性を持っている。すなわち、電子が出易い電子源と出難い電子源が存在した場合、外部電圧を上昇させていけばいく程、前者の電子源と後者の電子源の電流値の差は広がってしまう。また、電子源表面近傍の形状により電子放出に重要な影響を及ぼす表面近傍の電界強度が大きく変化する。以上の影響により、表面形状のわずかな誤差により、バラツキが発生しやすい状況となってしまう。
このために、カソード基板として形成したパネル(カソード板)を最終工程にて調整をして、画素間のバラツキを低減できるようにすることが実際の冷陰極表示装置の製造上、非常に重要な工程であるといえる。すなわち、最終工程に近い状況で個別の画素の電子放出特性を揃えるために電子源としてのCNTの形状を調整することが必要である。
一方で、前述のようにCNT自体は結晶性が非常に良く安定な材料であるために、個々のCNTの電子放出特性を揃えるように後加工を施すのは困難であった。しかしながら、CNTは特定のガス雰囲気中においてガスとの反応により焼失(ないしは表面への酸素の付着ないしは雰囲気ガスをイオン化しカソード方向に加速して衝突により崩壊させるイオンボンバートメントなどの効果)により、電子放出特性が劣化することが実験的に明らかとなった。特に所定の真空度下においてその効果が顕著であることも明らかとなった。また、消失の速度は放出されている電流値に応じて速くなることも実験的に明らかとなった。
また一方で、前述のように冷陰極電子源一般の特性として、ゲート・カソード間(GK間)の電圧に応じて電子放出量が非線形に増加する。この結果及び上記の特性を元に、カソード板を所定のガス雰囲気中で所定の電流を放出して駆動させることで、電子放出しているCNTを選択的に焼失させることが可能であり、ひいては画素間の特性を揃えることが可能になる。以下、この発明を実施の形態に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明による製造方法に従って製造される冷陰極表示装置の構成の一例を概略的に示す断面図である。電界放出表示装置用の表示パネルである図1の冷陰極表示装置10において、カソード板1は、ガラス基板からなるカソードパネル1a上にカソード電極を構成するカソード電極層1bが形成され、このカソード電極層1b上に各画素に対応するように冷陰極電子源であるCNT層1cが形成されてなる。カソード電極層1b上にはさらに、電子を引き出すためにゲート電極を構成するゲート電極層3が絶縁層2を介して形成されている。ゲート電極層3には、カソード板1側のカーボンナノチューブ(CNT)層1cからアノード板4側の表示面の蛍光体4cに電子が放射されるように、開口3aが形成されている。後述する図7に示されるように、それぞれ複数本からなるゲート電極層3とカソード電極層1bが互いに交差するようにXY方向に延びて絶縁層2を介して重なる。ゲート電極層3の開口3aはカソード電極層1bと重なる部分にそれぞれ設けられている。
アノード板4は、ガラス基板からなるアノードパネル4a上にアノード電極を構成するアノード電極層4bが形成され、このアノード電極層4b上に各画素に対応するように蛍光体4cとブラックマトリックス4dが形成されてなる。図1には概略的にしか示されていないが、アノード電極層4bは例えば、アノードパネル4aのガラス面にITO(透明導電膜)コート又はアルミバックを塗布するなどして(蛍光体4cとブラックマトリックス4dのカソード側の面上に形成する場合もある)、蛍光体4cの面に高電圧を印加しカソード側から放出される電子が加速し蛍光体4cの面を衝突励起させ発光できるように電圧が印可されるようになっている。そしてカソード電極層1b、ゲート電極層3およびアノード電極層4bは後述する電源部25等に接続されている。ガラス基板からなる両側のサイドスペーサ5は、カソード板1とアノード板4を所定の間隔を空けて互いに対向するように支持し、カソードパネル1a、アノードパネル4aおよび両側のサイドスペーサ5で真空パネルを構成する。
図2はこの発明による冷陰極表示装置の製造装置の構成の一例を示す図である。図2の製造装置20において、気密チャンバ21内の設置スペースには、後述する図3に示す状態の冷陰極表示装置10が配置されている。加熱部であるヒータ22は冷陰極表示装置10を加熱するためのものである。排気口21aと吸気口21bは気密チャンバ21内部の圧力(真空度)を調整するためのもので、排気口21aにはターボ分子ポンプ、イオンポンプ、クライオポンプ等からなる圧力調整のための排気用のポンプ23、吸気口21bには開閉バルブ24が接続されている(排気口21a、吸気口21b、ポンプ23、開閉バルブ24で真空度調整部を構成する)。電源部25は気密チャンバ21の外部より冷陰極表示装置10を駆動するための電源一式を模式的に示したもので、各種電源を含む。ガス導入部26はバルブ21cを介して気密チャンバ21内に外部よりガスを供給するためのものである。圧力計27は気密チャンバ21内の圧力又は真空度を計測して表示するもので、真空圧計がより望ましい。その他の部分については後述する。
また図3には、図2の気密チャンバ21内に配置される電子放出特性の調整の処理前の真空用のシールを施す前の状態の冷陰極表示装置10の状態を示す。冷陰極表示装置10のカソードパネル1aとアノードパネル4aはそれぞれの両側のサイドスペーサ5との間に、加熱することにより溶融する真空シール用のシール部材となるフリットガラス6を挟んだ状態にあり、これらのパネルやスペーサの間がシールされて互いに固定されていない状態にある。サイドスペーサ5のそれぞれアノードパネル4a及びカソードパネル1aに接する両端面にはフリットガラス6が塗布されている。本実施の形態においては、フリットガラス6を用いているが、ガラス間の真空を保持できるシールが可能なシール材料であれば適用可能であり、以下に説明する効果に変わりはない。また、内部に対真空応力用のスペーサを別途配置する冷陰極表示装置の形態もあるが、以下に説明する作用に影響を与えるものではないため、この発明により同様の効果を得ることができる。
図4にはこの発明による冷陰極表示装置の製造方法のフローチャートを示し、以下これに従って手順を説明する。まず各パーツがそれぞれに形成されたカソード板1(ゲート電極層3も取り付けられたもの)、アノード板4および両側のサイドスペーサ5が図3に示すようにフリットガラス6が塗布され、これを挟み込んだ状態で気密チャンバ21内に配置される(ステップS1)。
次に、気密チャンバ21内の圧力を減圧して真空状態が実現できるように、図2に示す開閉バルブ24を閉じた状態でポンプ23により排気口21aから排気を行う。この段階では、フリットガラス6が固着していないので、カソードパネル1a、アノードパネル4aおよび両側のサイドスペーサ5の隙間より内部ガスが吸引され冷陰極表示装置10の内部も気密チャンバ21とほぼ同程度の真空度を維持できることになる(ステップS2)。
次に、ガス導入部26からバルブ21cを介して例えば酸素ガスを気密チャンバ21内部に導入する。この場合、図2には明示していないが、バルブ21cとしてスローリークバルブ等を使用して、これを介して内部にガスを導入することにより、内部の真空度を例えば133.32×10−5Pa(=10−5Torr)程度ないしはそれ以上(133.32×10−5Pa以下の圧力の意味)となるように制御することが可能となる(ステップS3)。
この状態すなわち真空に近い圧力下の酸素ガス雰囲気中で、図2の電源部25からカソード板1上に配置されているカソード電極層1bとゲート電極層3、およびアノード板4上に配置されているアノード電極層4bに所定の電圧を印加して冷陰極表示装置10を駆動する。このとき、前述のように構造上ないしはCNTの形状的な要因により電子放出し易い画素が存在したとすると、その画素に対応するCNT層1c(冷陰極電子源)から電子が放出されることになる。酸素雰囲気中でCNTから電子放出を行うとCNTの先端部分と雰囲気酸素との間で反応を起こして、CNTが焼失ないしは表面にガスが吸着される。この結果として、電子放出し難くなるように形状ないしは表面の仕事関数が変化する(ステップS4)。
以上のような工程を経ることで、酸素雰囲気中でGK間に電圧を印加して電子を放出させつつ酸素と反応させるエージングプロセスにおいて、GK間の電圧を徐々に変化させることにより、画素間で電子放出特性が異常に高い素子すなわちCNT層1cの特性を調整し、電子放出特性を低減することが可能となり、結果としてカソード板1上のCNT層1c間すなわち画素間の電子放出特性のバラツキを抑制することが可能となる。図5は真空度(Pa)で示された酸素ガスの圧力と電子放出特性劣化時間1/e(時間)との関係を示している。図5に示されたように、酸素雰囲気が133.32×10−5Pa近傍で電子放出特性の劣化時間が非常に大きく変化し、より真空度の悪い状態では非常に早く特性が劣化することが分かる。この結果より、雰囲気の真空度としては133.32×10−5Paより低真空度(例えば真空度ということから圧力133.32×10−5Pa以上133.32Pa未満、実験データのある範囲では圧力133.32×10−5Pa以上133.32×10−3Pa以下の範囲)で実施することが有利であることが解る。なお、図5はTorrで測定したものをPaに換算したものであり、従って雰囲気の真空度の精度としては実際には例えば133×10−5Paより低真空度(例えば真空度ということから圧力133×10−5Pa以上133Pa未満、実験データのある範囲では圧力133×10−5Pa以上133×10−3Pa以下の範囲)程度である。
以上の工程を経た状態で、図2のヒータ22で冷陰極表示装置10をシール部材であるフリットガラス6の溶融温度より低い温度で加熱することにより、カソードパネル1a、アノードパネル4a、両側のサイドスペーサ5で囲まれた冷陰極表示装置10の内部などに含まれているガスを冷陰極表示装置10の外へ放出させて、冷陰極表示装置10の封止後の高真空を実現しやすい状態にする(ステップS5)。そして更にヒータ22でフリットガラス6の溶融温度以上の温度で加熱してフリットガラス6を溶融させた後に温度を下げ、ガラス管形状の冷陰極表示装置10を内部が真空の状態でフリットガラス6によりシール(封止)させて完成させることで(ステップS6)、冷陰極表示装置10を製造することができる。なお、封着後は気密チャンバ21内から酸素ガスを排気口21aを介して排気し、また開閉バルブ24を開放して吸気口21bを介して外部から空気を取り入れて、気密チャンバ21内を大気圧に戻す(ステップS7)。
なお上記説明では、酸素ガスによる反応により電子放出特性の微調整を行っているが、カーボンと反応し易いOH基を有するガスを供給して反応を起こさせ、仕事関数を変化させることで、酸素を供給する場合と同様にバラツキを抑制することも可能である。また、放出した電子により雰囲気ガスがイオン化され、イオンがカソード側に飛来することによる物理的な衝突によりCNTの形状を制御することも可能である。この場合においては雰囲気ガスとしては、酸素ガス、OH基を持ったガスなどのほかに各種のガスを用いることが考えられる。この発明で使用するカーボンと反応し易いガスとは、これらの性質の少なくとも1つを有するガスをいう。
また上記説明では、特に放出される電流値については記載していないが、よく知られているようにCNT1本あたり1μA程度の電流を流すことでCNTの温度を1000℃近くまで加熱することが可能となる。従って、酸素ガスあるいはOH基を持ったガスの雰囲気内で、例えば1画素当たりすなわち図1の断面図に示されている1つのCNT層1c当たり、1μA以上の電流を流してCNTを加熱することにより、CNTとガスとの反応を促進させてより短時間で画素間のバラツキを低減できることが可能となる。この結果として製造工程のスループットが改善され効率よくFEDを製造することが可能となり、低コストが実現できるようになる。
実施の形態2.
また、実施の形態1においては加熱状態を実現するために、ゲート電極層3、カソード電極層1b間(GK間)に電圧を印加してCNT層1cに電流を通電しCNTの抵抗を用いた自己発熱現象を利用していたが、図4のステップS4aに示すように製造装置20に組み込まれているヒータ22を用いて加熱の一部を肩代わりすることによっても同様の結果を得ることができるとともに、ヒータ22により追加加熱をすることで自己発熱を用いた場合に比べて必要な電流値を低減できることになる。この結果として、GK間の放電によるエージング中の基板破損不具合の低減が可能になり、製造の歩留まりを向上することが可能となる。
製造装置20の構成は図2に示すものと同じであり、例えば冷陰極表示装置10のカソードパネル1aをヒータ22のヒータ板上に配置し、150℃に加熱する。150℃の加熱温度はカソード電極層1bに接続されている電流導入ラインの耐熱温度により制限されている。CNTの大気中の燃焼温度は一般に500℃であり、電子ビームを放出することによる自己発熱温度を350℃程度にすれば前述の酸素ガスと反応して電子放出特性のよすぎるCNT(図1,3で1cで示されるCNT層の電子放出を行う冷陰極電子源の部分)の特性を抑制することが可能となる。
CNTの温度上昇を500℃から350℃に低減することのメリットについて説明すると、CNTの温度上昇が自己発熱と熱伝導による釣り合いと考える場合、輻射による放出エネルギーは温度に比例する。従って、自己発熱による必要発生熱量も両者の間で温度に比例した量となる。自己発熱の場合、発生熱量は電流値の二乗に比例するために、結果として必要電流値は温度の平方根に比例することとなり、ヒータによる追加加熱を行なった場合、必要電流値は80%になる。以上のように、自己発熱を用いる場合に必要とされる電流値はヒータを追加することにより80%程度に低減されるために、電流を発生するのに必要なGK電圧の低減が可能となり、GK間の放電によるエージング中の基板破損不具合の低減が可能になる等、製造時のスループットの更に大きな改善効果が期待できる。
実施の形態3.
図6はこの実施の形態による冷陰極表示装置10と電源部25との間の電気的接続を示す図であり、(a)はこの実施の形態の場合、(b)はこの実施の形態を適用しない場合をそれぞれ示す。
この実施の形態を説明する前に、図7に図1のゲート電極層3を含めたカソード板1上のより詳細な構成を示す。カソード板1のカソード電極層1bは、カソード板1の主面1dであるカソードパネル1a上にこれに平行な面内の互いに直交するXY方向の一方の方向に複数に分割され長手方向に沿って冷陰極電子源(図示省略)がそれぞれに形成された複数本のカソードライン1e1、1e2、・・・1enからなる。ゲート電極層3は、上記XY方向の他方の方向に複数に分割され長手方向に沿って冷陰極電子源からの電子をアノード板4側に通過させる複数の開口3aをそれぞれに有する複数本のゲートライン3e1、3e2、・・・3enからなる。ゲートライン3e1、3e2、・・・3enがカソードライン1e1、1e2、・・・1en上に、互いに直交する方向に間に絶縁層2(図7では図示省略)を介して間隔をあけて重ねられるようにして構成される。カソードライン1e1、1e2、・・・1enのゲートライン3e1、3e2、・・・3enとの交点に当たる部分が冷陰極電子源の図1,3で1cで示される部分になり、この部分のゲートライン3e1、3e2、・・・3enには開口3aがそれぞれ形成されている。
この実施の形態の特徴は図6の(a)に示すように、冷陰極表示装置10と電源部25の接続回路において、カソードライン1e1、1e2、・・・1en毎に個別に抵抗7を配置している点である。このように抵抗7を配置することにより、放電による冷陰極表示装置10破損を低減できると共に後述のようにスループットの改善に効果がおおきい。なおこの実施の形態においては抵抗値として20MΩを配置している。
このように、カソードライン1e1、1e2、・・・1en毎に抵抗7を配置することによる効果について以下に説明する。すなわち図6の(b)に示すように、カソードライン1e1、1e2、・・・1enを1本にまとめて1個の抵抗7を配置する場合には、ある特定の画素すなわち冷陰極電子源が電子を放出し易い構造を持っている場合、その画素が放出する電流による抵抗での電圧降下により他の画素には十分な電圧が印加されないことになる。この結果として、画素電流値の平均化が一画素ずつ実施されることになり、非常に長時間の作業となる。一方、本実施の形態のように抵抗が各カソードライン毎に配置される場合においては、前述のような一個の画素のみ電子を放出し、その画素以外の画素は殆ど電子を放出しないという不具合が発生し難くなり工程の効率化が図られ、生産性が向上することになる。
実施の形態4.
上記実施の形態においては、製造装置20から外部に電力導入線を取り出すときに、全てのカソードライン1e1、1e2、・・・1enおよびゲートライン3e1、3e2、・・・3enをそれぞれ1まとめにして実施していた。この実施の形態においては、全てのカソードラインおよびゲートラインから個々に接続線を外部に取り出すようにしている点に特徴がある。このようにすることにより以下に説明するように、処理時間の短縮が可能となり効率的な製造ができる。
この実施の形態では、初めに、上記実施の形態と同様な方法により、冷陰極表示装置10のGK間に所定の試験電圧を印加して各画素の電子放出特性を測定しておく(図4のステップS4b、S4c)。そこで例えば図1に示すように、冷陰極表示装置10のアノードパネル4a側に、アノードパネル4aの各画素毎(すなわち表示面の各蛍光体4c)の発光状態を評価する照度計や光検出センサ等の照度検出センサ(図示せず)を各画素毎に設けた発光状態測定部28を備えておき、発光状態から各画素の電子放出特性(画素位置と発光状態)を測定する。また、図1に示すアノード電極層4bは一般には各画素毎にマトリックス状に分割されており、アノード電極層4bの各画素に対応する部分の電流をモニタするアノード電流測定部29を設けておき、アノードに流れる電流値から各画素の電子放出特性(画素位置と電流値)を測定する。なお、発光状態測定部28、アノード電流測定部29は電子放出特性測定部を構成する。
以上の測定により、各画素毎の電子放出特性が測定されると、電源部25は電子放出特性の測定結果に従って、電子放出特性が異常な画素のGK間に選択的に電圧を印加して対応する冷陰極電子源1cに電子放出させる(ステップS4d)。電源部25は、図7に示す各カソードライン1e1、1e2、・・・1enおよびゲートライン3e1、3e2、・・・3enに個別に接続されており、カソードライン1e1、1e2、・・・1enとゲートライン3e1、3e2、・・・3enからそれぞれ1つを選択することにより、所望の画素のGK間に電圧を印加させることができる。このとき雰囲気は実施の形態1と殆ど同様の酸素雰囲気としておく。このように、各画素を選択して電子放出させることにより、選択的に電子放出特性を制御することが可能となる。以上のような処理を施すことにより、電子放出特性の制御、調整に必要とされる処理時間が短縮されるなどの効率的な処理が可能になる。
この発明による製造方法に従って製造される冷陰極表示装置の構成の一例を概略的に示す断面図である。 この発明による冷陰極表示装置の製造装置の構成の一例を示す図である。 図2の気密チャンバ内に配置される電子放出特性の調整の処理前の真空用のシールを施す前の状態の冷陰極表示装置の状態を示す図である。 この発明による冷陰極表示装置の製造方法の例を示すフローチャートである。 図5は真空度で示された酸素ガスの圧力と電子放出特性劣化時間1/e(時間)との関係を示す図である。 この発明の実施の形態3による冷陰極表示装置と電源部との間の電気的接続を説明するための図である。 図1のゲート電極層を含めたカソード板上のより詳細な構成を説明するための図である。
符号の説明
1 カソード板、1a カソードパネル、1b カソード電極層(カソード電極)、1c CNT層(冷陰極電子源)、1d 主面、1e1〜1en カソードライン、2 絶縁層、3 ゲート電極層(ゲート電極)、3a 開口、3e1〜3en ゲートライン、4 アノード板、4a アノードパネル、4b アノード電極層(アノード電極)、4c 蛍光体、4d ブラックマトリックス、5 サイドスペーサ、6 フリットガラス、7 抵抗、10 冷陰極表示装置、20 製造装置、21 気密チャンバ、21a 排気口、21b 吸気口、21c バルブ、22 ヒータ、23 ポンプ、24 開閉バルブ、25 電源部、26 ガス導入部、27 圧力計、28 発光状態測定部、29 アノード電流測定部。

Claims (7)

  1. 表示面およびこれに平行なアノード電極を含むアノード板と、このアノード板に対向し、上記表示面の各画素に対応しそれぞれカーボンナノチューブを含有した複数の冷陰極電子源を含むカソード電極を有するカソード板と、前記アノード板とカソード板の間に設けられたゲート電極と、を備えた冷陰極表示装置の製造装置であって、
    内部に上記冷陰極表示装置が配置される気密チャンバと、
    上記気密チャンバ内を真空状態にする真空度調整部と、
    真空状態の上記気密チャンバ内にカーボンと反応し易い所望のガスを導入するガス導入部と、
    上記冷陰極電子源に電子放出をさせるために上記ガスが満たされている状態の気密チャンバ内の上記冷陰極表示装置の少なくとも上記カソード電極とゲート電極の間に電圧を印加する電源部と、
    を備えたことを特徴とする冷陰極表示装置の製造装置。
  2. 上記気密チャンバ内で上記冷陰極表示装置を加熱する加熱部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷陰極表示装置の製造装置。
  3. 上記ガス導入部が上記気密チャンバ内の圧力を調整するバルブを含み、上記ガスとして酸素ガスを導入し上記気密チャンバ内の真空度はガス圧力を133×10−5Pa以上とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷陰極表示装置の製造装置。
  4. 上記カソード板のカソード電極が、カソード板の主面に設けられた複数本のカソードラインからなり、上記電源部が上記カソードライン毎に別々の抵抗を介して接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の冷陰極表示装置の製造装置。
  5. 上記アノード板の表示面の蛍光体での発光状態又はアノード板側に流れる電流から上記各冷陰極電子源での電子放出特性を測定する電子放出特性測定部をさらに備え、
    上記ゲート電極が、上記各カソードラインと直交しこれと重なる部分にそれぞれ開口を有する複数本のゲートラインからなり、
    上記電源部が、上記各カソードラインおよび各ゲートラインに個別に接続され、上記電子放出特性測定部の電子放出特性の測定結果に従って上記冷陰極電子源を選択的に電子放出させるように電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載の冷陰極表示装置の製造装置。
  6. 表示面を有するアノード板と、このアノード板に対向し、上記表示面の各画素に対応しそれぞれカーボンナノチューブを含有した複数の冷陰極電子源を含むカソード電極を有するカソード板と、前記アノード板とカソード板の間に設けられたゲート電極と、を備えた冷陰極表示装置の製造方法であって、
    真空状態に近い圧力下でカーボンと反応し易いガスが導入された気密チャンバ内で、シール前の上記冷陰極表示装置の少なくとも上記カソード電極とゲート電極の間に電圧を印加して上記各冷陰極電子源から電子を放出させて電子放出特性を調整することを特徴とする冷陰極表示装置の製造方法。
  7. 加熱により溶融するシール部材が予め上記冷陰極表示装置に取り付けられており、
    上記各冷陰極電子源の電子放出特性調整後に、上記冷陰極表示装置を加熱して上記冷陰極表示装置内に残留する上記ガスを追い出す工程と、
    さらに加熱して上記シール部材を溶融させた後に温度を下げて上記冷陰極表示装置をシールする工程と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法。
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