JP2007079785A - 環境変化検知システム - Google Patents

環境変化検知システム Download PDF

Info

Publication number
JP2007079785A
JP2007079785A JP2005265243A JP2005265243A JP2007079785A JP 2007079785 A JP2007079785 A JP 2007079785A JP 2005265243 A JP2005265243 A JP 2005265243A JP 2005265243 A JP2005265243 A JP 2005265243A JP 2007079785 A JP2007079785 A JP 2007079785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tag
reader
frequency
antenna
power level
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005265243A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4747750B2 (ja
Inventor
Shinichi Okada
晋一 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2005265243A priority Critical patent/JP4747750B2/ja
Publication of JP2007079785A publication Critical patent/JP2007079785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4747750B2 publication Critical patent/JP4747750B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】温度などのタグの環境変化に伴ってタグの共振周波数が変化するシステムにおいて、所定の周波数でICタグと交信する一般的なICタグリーダを使用できる環境変化検知システムを提供する。
【解決手段】温度などの環境変化に伴い共振周波数がf1からf2に変化するように設定された共振回路を有する環境変化感知タグ10と、周波数frの電波を送受信でき、送信電力レベルを、高低切換可能とした読取装置20とを備える。いずれの周波数で共振するタグとも通信できる程度に高レベルの送信電力P_Highと、いずれか一方の周波数で共振するタグとしか通信できない程度に低レベルの送信電力P_Lowのそれぞれの送信電力レベルで同じ距離間隔で周波数frの電波を発信してタグ10と通信を試み、その応答の有無に基づいて、共振周波数がf1であるかf2であるかを判定し、そのタグが付された物品の環境変化の有無を検知する。
【選択図】図2

Description

本発明は、温度や湿度等の環境変化に伴い共振周波数が変化するよう設定された無線ICタグを用いて、物品等の環境変化を検知するシステムに関する。
従来、タグは、物品の存在感知や物品の識別を行うために専ら用いられ、物品の輸送または保管中における温度や湿度等環境の変化を把握するためには用いられていなかった。最近では、タグを用いて、簡便に物品の環境変化を把握できる方法が求められるようになってきた。
たとえば、物品の温度等環境変化を簡便に把握するため、環境変化があった場合に共振周波数が変化するように設定された共振回路を有するタグを装着して、変化があった場合となかった場合のそれぞれの共振周波数と同じ周波数にて通信を試み、通信できたか否かにより、所定の環境変化を検知するシステムが提案されている(例えば特許文献1)。
この特許文献1では、共振周波数が変化した場合の所定の共振周波数と同じ周波数にて通信する読取装置と、共振周波数が変化しなかった場合の所定の共振周波数と同じ周波数にて通信する読取装置との2組の読取装置を用意し、前者を異常物品感知リーダとして用い、後者を正常物品管理リーダとして用いる例が開示されている。
特開2005−135132号公報
しかし、変化前の共振周波数に対応した読取装置と変化後の共振周波数に対応した読取装置とを別々に用意したり、複数の周波数を切り換えながら交信をする周波数スキャン型の読取装置を用意したりするのでは、無線ICタグ用の規格に準拠した所定の周波数で無線ICタグと交信する一般的なICタグリーダ(ICタグ用リーダライタを含む)を用いてシステムを構築するのに比べて、システム設計の選択の幅が狭まり、コストも高くなるという問題がある。
本発明は、かかる事情に対処してなされたもので、タグの環境変化に伴ってタグの共振周波数が変化するシステムにおいて、周波数の変化に対応した周波数の読取装置を用意する必要がなく、所定の周波数でタグと交信する一般的なICタグリーダを用いて、より簡便に構築・運用することができる環境変化検知システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による環境変化検知システムは、環境変化に伴い第1の共振周波数から第2の共振周波数へ共振周波数が変化するよう設定された共振回路と該共振回路に接続されたICチップを有する環境変化感知タグと、このタグから非接触式でデータを読み取る読取装置とを備えたシステムであって、読取装置の送信電力レベルを、この読取装置がタグと所定間隔になる位置から所定の周波数の電波を発信したとき、前記第1の共振周波数で共振するタグと通信可能な第1の電力レベルと前記第2の共振周波数のタグと通信可能な第2の電力レベルとに切り換え可能とし、前記タグと通信可能な送信電力レベルに応じて環境変化の有無を判定する第1の判定手段を有することを特徴とする。
本発明において、読取装置は、外部からの指示により送信電力レベルを設定変更できる一式のタグリーダを用いた構成とすることができる。
読取装置は、所定の送信電力レベルのタグリーダと、このタグリーダに接続され、タグと送受信可能なアンテナと、該アンテナと前記タグリーダとの間に配置され、外部からの指示により、所定の電力レベルに減衰または増幅可能な可変電力減衰器または可変電力増幅器とを用いた構成としても良い。もちろん、送信電力レベルの異なる2組のタグリーダを用いて読取装置を構成することも可能である。
また、上記目的を達成するために、本発明の別の一態様による環境変化検知システムは、環境変化に伴い第1の共振周波数から第2の共振周波数へ共振周波数が変化するよう設定された共振回路と該共振回路に接続されたICチップを有する環境変化感知タグと、このタグから非接触式でデータを読み取る読取装置とを備えたシステムであって、読取装置の読取位置を、読取装置の送信電力レベルと周波数を一定にしたとき、前記第1の共振周波数で共振するタグと通信可能な第1の位置と、前記第2の共振周波数で共振するタグと通信可能な第2の位置とに、設置可能とし、前記タグと通信可能な位置に応じて環境変化の有無を判定する第2の判定手段を有することを特徴とする。
上記第1の位置と第2の位置に設置可能とするには、読取装置は、所定の周波数で所定の送信電力レベルで通信する1つのタグリーダに2つのアンテナを用いて、アンテナを切り換え可能とした構成することができる。1つのアンテナで移動式にしてもよい。もちろん、アンテナとタグリーダを2組用意して、それぞれの位置に配置してもよい。
本発明によれば、タグの環境変化に伴ってタグの共振周波数が変化するシステムにおいて、周波数の変化に対応した周波数の読取装置を用意する必要がなく、所定の周波数でICタグと交信するICタグリーダを用いてタグの周波数の変化の有無を検知することができる。よって、本発明によれば、システム設計の選択の幅が広がり、より簡便に構築・運用できる環境変化検知システムを提供することができる。
本発明は、環境変化に伴い所定の第1の共振周波数f1から第2の共振周波数f2へ共振周波数が変化するように設定された共振回路を有する無線ICタグ(以下、環境変化感知タグといい、単にタグということもある。)を用いて、その共振周波数の変化の有無を、そのタグの環境変化ととらえて、環境変化を検知するシステムに関するものである。ここでの「環境変化」とは、タグの置かれた環境の所定の指標が、所定の許容範囲から逸脱するほどの変化があったことを意味し、その指標としては、たとえば、温度、湿度、水分、圧力、気体濃度、加速度、衝撃等が適宜選択される。指標は一つである必要はなく、複合的であってもよい。
ここで、変化前の共振周波数f1と変化後の共振周波数f2とは、予め定められた所定の周波数で、互いに区別できる程度に大きく(例えば3〜5MHz程度)異なる周波数とされる。f1とf2とはどちらが高い周波数でもよいが、f1とf2のいずれか一方は、無線ICタグの規格に準拠した周波数(例えば、13.56MHz帯、900MHz帯、2.45GHz帯などの帯域の所定の周波数)と同一またはその近傍に合わせた周波数とされる。また、無線ICタグのデータを読み取る読取装置の周波数frも、その規格に準拠した周波数とされる。したがって、たとえば、変化前の周波数f1を読取装置の周波数frと同一またはその近傍に合わせた場合には、読取装置は、変化前のタグとは比較的小さい送信電力でも遠くまで通信可能であるが、変化後のタグとは送信電力を大きくするか距離を短くしないと通信できないことになる。変化後の周波数f2を読取装置の周波数frと同一またはその近傍に合わせた場合には、その逆で、読取装置は、変化前のタグとは送信電力を大きくするか距離を短くしないと通信できないが、変化後のタグとは比較的小さい送信電力でも遠くまで通信できることになる。本発明はこのような自然法則を利用したものである。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図面および以下の説明において、同じものには原則として同じ符号や文言を付し、説明を省略する。
(環境変化検知システムの概要)
図1は、本発明を適用した環境変化検知システムの一例の構成の外観を示す図である。同図に示すように、この例は、個別に箱体等に入れて包装して環境変化感知タグ10を付した生鮮食料品等の物品31を、冷凍庫である保管庫310に多数保管しておき、使用する際に、搬送ベルト360に載せ、1個ずつ取り出し、順にゲート210を通過させ、読取装置20にて、タグ10の識別情報を読み取り、共振周波数の変化の有無を判別し、必要に応じて関連処理や処理結果の表示を行い、共振周波数の変化が無かったタグ10Aが付されている物品を良品31A、共振周波数の変化が有ったタグ10Bが付されている物品を不良品31Bとして、区分けするシステムである。
[第1の実施形態]
(環境変化検知システムの機能構成)
図2は、本発明の第1の実施形態の機能構成の概略を示した図である。図2において、符号10は環境変化感知タグを示し、符号20は読取装置を示す。符号350を付した破線は電波を示す。符号10の矩形の中に「f1 or f2」と記してあるのは、環境変化感知タグ10(以下、単にタグ10ともいう。)が、周波数f1またはf2で共振するように構成されていることを示している。P_High、P_Low は、読取装置20が、その送信電力レベルを、高レベルP_Highと低レベルP_Lowとで切り換え可能となるよう構成されていることを示している。ここで、送信電力レベルが高レベルP_Highとは、タグ10と読取装置20とを所定の間隔で配置して所定の周波数frの電波を読取装置20からタグ10に向けて発信したとき、f1、f2のうちfrと大きく異なるほうの周波数で共振するタグでも通信可能になるような大きい電力に設定された電力レベルであり、送信電力レベルが低レベルP_Lowとは、f1、f2のうちfrに近いほうの周波数で共振するタグとは通信できるが他方の周波数で共振するタグとは通信できない程度に小さい電力になるよう設定された電力レベルである。このように、読取装置20の送信電力レベルを高低切り換えることにより、読取装置20から発射される電波350の電界および磁界の強弱を切り換えている。そして、本実施形態の読取装置20は、電力レベルを切り換えて電波を送信し、タグ10からの応答の有無を確認することにより、タグ10の周波数の変化の有無を判定しようとするものである。これらの周波数と送信電力レベルの関係およびその設定については、後述する。
図1および図2に示すように、本実施形態の環境変化検知処理システム1は、環境変化感知タグ10と、読取装置20とから構成されている。このタグ10は、アンテナでもある共振回路110を具備した無線ICタグであり、通常時は第1の周波数f1で共振し、環境変化感知後には第2の共振周波数f2へ変化するように構成されている。このタグ10にはICチップが搭載されており、そのICチップのメモリには、少なくともタグ固有の識別情報が格納されていて、読取装置20から非接触で無線通信により読み取ることができるように構成されている。環境変化感知タグ10の詳細については後述する。
図1および図2に示すように、この例では、読取装置20のアンテナ21は、ゲート210を通過する物品31に装着されたタグ10と略一定の距離間隔dになるように、ゲート210内に設置されている。なお、ゲートを設けることは必須ではなく、搬送ベルト360の両脇などに直接、読取装置20のアンテナ21を設置してもよい。タグ10と読取装置20とのアンテナ間の距離間隔dは、アンテナ特性、許容される送信電力レベル、設置場所、運用条件その他の都合を勘案し、予め、調整される。
(読取装置の構成例)
次に、図2を用いて、本実施形態における読取装置20の構成の一例を説明する。
図2に示すように、読取装置20は、所定の周波数frの電波を送受信するアンテナ21と、タグリーダ22と、検知処理部23とから構成されており、これらは一式の読取装置20として機能できるように接続され設定されている。上述したように、読取装置20は、送信電力レベル、より具体的には、タグリーダ22からアンテナ21への供給電力レベルを、2つの電力レベル、高レベルP_Highと低レベルP_Lowとに切り換え可能となるように構成されている。
タグリーダ22は、検知処理部23からの指示に基づいて、アンテナ21を介してタグ10に向けてICタグ用の規格に準拠した所定の周波数frの電波を送信することができる無線送信機である。タグリーダ22は、アンテナ21を介してタグ10からの電波を受信して、受信した信号を検知処理部23が読める所定の形式に変換して検知処理部23に渡す無線受信機でもある。タグリーダ22は、検知処理部23からの指示に基づいて、アンテナ21への供給電力(タグリーダ22の送信電力ともいう)を指示された値に設定できる機能を有する。タグリーダ22の送信電力レベルを高低切り換えることにより、読取装置20のアンテナ21から発射される電波の電界および磁界の強弱を切り換えることができる。タグリーダ22はタグ10への書き込みを行う機能を備えていてもよいが書き込み機能はなくてもよい。
タグリーダ22としては、無線ICタグ用の市販のリーダライタまたはリーダライタモジュールであって、外部のプログラム等から任意に送信電力レベルを設定することが可能なものを用いることができる。タグリーダ22は、独立した筐体に格納されたものであってもよいし、ホストコンピュータに装着できる基板型のものであってもよいし、1チップに収められて基板等に組み込まれるようになっていても良く、いかなる形態で提供されるものであっても良い。また、アンテナ21とタグリーダ22とは一体化していてもよい。
検知処理部23は、環境変化検知処理システム1に必要な種々の処理を行う装置である。検知処理部23は、タグリーダ22に対して、送信電力の電力レベルを高レベルP_Highまたは低レベルP_Lowに設定するよう指示することができる。検知処理部23は、タグリーダ22を介してタグ10に向けて読取指示を出すことができ、タグ10からの応答があれば、タグリーダ22を介してタグ10から識別情報等の読取指示に応じたデータ(応答)を受け取ることができる。検知処理部23は、タグリーダ22を介して、少なくとも、タグ10からの応答の有無を知ることができる。検知処理部23は、タグ10からの応答の有無に基づいて、タグ10の共振周波数の変化の有無を判定することができ、それにより、タグ10が付された物品の環境変化の有無を検知する処理を行うことができる。受け取った応答から必要な情報を取り出すことができ、保存することができ、保存した情報や処理結果を表示することもできる。
検知処理部23は、例えば、本システム用の処理を行うプログラムやデータが格納されたメモリやハードディスク等と、結果を表示できるディスプレイと、プログラムを実行できるMPU等を備えたコンピュータ本体などから構成することができる。タグリーダ22が1チップに収められているなど十分小型のものであれば、タグリーダ22を検知処理部23の中に組み込んで装置を一体化し、全体を片手で持てる程度の携帯型にすることもできる。
図1に示すように、読取装置20には結果を表示するためのディスプレイを設けてもよいが、ディプレイを設けず、異常時(環境変化があったとき)のみランプを点灯したり、ブザーを鳴らしたりするなどのシンプルな構成にしてもよい。
(タグの共振周波数と送信電力レベルの関係)
ここで、変化前の共振周波数f1、変化後の共振周波数f2、読取装置20(タグリーダ22)の周波数fr、及び、読取装置20の送信電力レベルP_High、P_Lowについて、図3〜図5を用いて説明する。
図3は、タグリーダ22に接続されたアンテナ21を、タグのアンテナに向けて、一定の間隔dで配置し、周波数frの電波を発射した場合に、タグからの応答を受け取るために必要な最小の送信電力レベル(最小通信可能電力)を示したグラフである。図3において、横軸はタグの共振周波数の中心を示し、縦軸は、周波数frで共振するタグとの最小通信可能電力を基準(0dB)としてdB(デシベル)で表したものである。同図において、P1は、線Pfとf1との交点に相当する電力レベルであるから、周波数f1で共振するタグとの通信可能最小電力レベルを示し、P2は、周波数f2で共振するタグとの通信可能最小電力レベルを示している。同図に示すように、タグの共振周波数がタグリーダ22の周波数frに近い周波数であれば小さな送信電力レベルでタグとの通信が可能であるが、タグの共振周波数がタグリーダ22の周波数frと大きく異なる周波数であれば大きな送信電力レベルにしないとタグと通信可能にならない。
このように、送信周波数と通信距離を一定に保ち、タグリーダ側の周波数を所定の周波数にした場合、通信可能最小電力とタグの共振周波数とは、おおよそ図3のグラフの線Pfで示すような関係になっている。したがって、通信可能な電力レベルによってタグの周波数を区別するためには、変化前の共振周波数f1と変化後共振周波数f2のいずれか一方を、タグリーダ22の送受信周波数frと同一またはfrの近傍に合わせたほうが好ましい。f1とf2とで、どちらをfrと同一またはfrの近傍に設定してもよいが、図3では、f2をfrの近傍に設定した場合を示している。図3に示すように、f1とf2とは、誤差の範囲ではない程度に大きく異なる周波数にする必要がある。そうすることで、通信可能な送信電力レベルの差により、タグの共振周波数の変化の有無を判定することが可能となる。f1とf2とはどちらが大きくてもよい。f1は例えば図面左側の値でもよいし、frを基準にほぼ線対称の位置になる値(図面右側の(f1))でもよい。
図3に示すように、周波数f2をfrの近傍に合わせてf1をf2と大きく異ならせた場合には、周波数f1で共振するタグと通信可能な最小電力P1は、周波数f2で共振するタグと通信可能な最小電力P2に比べて、桁違いに大きな値となる。周波数f2で共振しているタグと通信するためには、P2以上の大きさの送信電力で電波を送信すれば可能であるが、周波数f1で共振しているタグと通信するためには、P1以上の大きさの送信電力で電波を送信する必要がある。言い換えると、本実施形態における読取装置20は、その高レベルP_Highの送信電力をP1以上の大きさに設定し、低レベルP_Lowの送信電力をP2以上かつP1より小さな大きさに設定すればよい。実際のタグの共振周波数のばらつきや誤差等を考慮すると、図3に示すように、P_LowはP2より少し大きくP1より著しく小さな値になるように設定し、P_HighはP1より少し大きな値になるように設定することが好ましい。そうすることで、実際のタグの共振周波数に多少のばらつきや誤差があっても、タグとの通信可能な電力レベルの相違により、確実に、タグの共振周波数の変化の有無を区別することができる。
図4は、変化前のタグの共振周波数f1、変化後のタグの共振周波数f2、読取装置20の周波数fr、送信電力の高レベルP_High、低レベルP_Lowを、図3に示すような関係で設定して、読取装置20がタグ10に向けて電波を発信したときに、読取装置20がタグ10の応答を受け取れる(通信できる)場合を「○」、タグ10の応答を受け取れない(通信できない)場合を「×」で示したものである。図4に示すように、送信電力P_Highレベルの電波では、f1とf2のいずれの周波数で共振しているタグ10とも通信できるが、送信電力P_Lowレベルの電波では、周波数f1で共振しているタグ10とは通信できず、周波数f2で共振しているタグ10とのみ通信できる。
図5は、13.56MHz帯のタグ、リーダライタ、アンテナ一式を用いて、タグとリーダライタのアンテナ間距離を一定にして、通信可能最小電力の実験をした結果を示したグラフである。図5において、横軸はタグの共振周波数の中心を示し、縦軸はそのタグと通信ができたときの最小の電力(最小通信可能電力)を示している。左側の縦軸は、13.56MHzで共振するタグとの最小通信可能電力を基準(0dB)としてdB(デシベル)で表したもので、右側の縦軸は、その基準の何倍になるかで表したものである。図5では14.5MHzより大きい周波数については示していないが、図3と同様に、13.56MHzを中心に、略左右対称の関係がおおよそ成り立つことはもちろんである。
図5に示すように、読取装置20のアンテナとタグ10のアンテナ面との距離を一定にした場合、13.56MHzの電波をタグに向けて発射するアンテナを具備した読取装置20が、10.5MHzで共振するタグと通信するには、13.56MHzで共振するタグとの最小通信可能電力の1000倍(30dB)の電力が必要である。したがって、この実験と同条件の場合、例えば、変化前の周波数f1を10.5MHz、変化後の周波数f2を13.56MHzとすると、P1は30dB程度であるから、P_Highを例えば32dBとし、P2は0dBであるから、P_Lowを例えば10dBとすればよいことがわかる。f1を10.5MHzのかわりに16.5MHzにしても同様である。なお、実際のシステムでは、周波数と電力レベルはこの値に限られず、システムの運用環境その他のいろいろな状況を考慮して定めることができる。また、図3〜5の関係は、13.56MHz帯に限られず、他の周波数帯でも同様に成り立つことはもちろんである。例えば、ICタグ用に使われる他の周波数帯として、900MHz帯や、2.45GHz帯などが挙げられるが、これらの周波数帯においても、同様のことが言える。
本実施形態は、タグの共振周波数と最小通信可能電力とのこのような関係を利用して、読取装置20のアンテナへの供給電力レベル(読取装置20の送信電力)を上述のように定められた高レベルP_Highと低レベルP_Lowの2つのレベルの値に設定切換可能とし、いずれの電力レベルで通信できたかにより、タグの周波数が変化前の周波数f1と変化後の周波数f2のいずれであるか、すなわち、環境変化があったか否かを判定しようとするものである。
(環境変化検知システムの動作の一例)
図6に、図3〜図4のような関係になるようにf1、f2、fr、P_High、P_Lowの値を定めた場合について、1つのタグ10が付された物品31についての読取装置20の主要な処理フローを示す。すなわち、変化後の周波数f2をfr近傍に合わせ、変化前の周波数f1を読取装置20の共振周波数frとは離間した値に設定し、P_Highを変化前の周波数f1で共振するタグ10との最小通信可能電力P1より少し大きな値に設定し、P_Lowを変化後の周波数f2で共振するタグ10との最小通信可能電力P2より少し大きくP1より著しく小さな値に設定した場合について、1つのタグ10が付された物品31の環境変化の有無を検知する読取装置20の処理フローの概要を図6に示す。
図6に示すように、読取装置20は、まず、送信電力レベルをP_Highに設定して周波数frの電波を発射して、環境変化感知タグ10のICタグ識別コード等の識別情報の読み取りを試みる(ステップS101)。このステップは、図2に示す読取装置20の構成例では、検知処理部23がタグリーダ22に対して送信電力レベルをP_Highに設定するよう指示したうえで、検知処理部23がタグリーダ22に対してタグ10のICタグ識別コード等の識別情報の読み取り指示をすることで実現することができる。次に、読取装置20は、このタグ10からの応答がなければ(ステップS102のNo)、所定位置にタグ10が存在しないものとして、所定時間経過後、再び読み取りを試みる(ステップS101)。このタグ10からの応答があれば(ステップS102のYes)、受け取った応答から識別情報を取り出して、後の処理で参照できるように、その識別情報を内部メモリ等に保存する(ステップS103)。
図3〜図4に示すように、読取装置20のアンテナ21との所定間隔dの位置にタグ10が存在すれば、送信電力レベルをP_Highに設定して周波数frの電波を発射すれば、f1、f2のいずれの周波数で共振するタグ10であっても、そのタグ10の識別情報を読み取れるはずである。すなわち、このように、最初に送信電力を大きな値に設定して強い電波を発信することで、所定位置にタグ10が存在していれば、確実にタグ10の識別情報を読み取ることができる。
なお、図示しないが、ステップS103で識別情報を読み取って内部メモリ等に保存した後、その識別情報を基に、読取装置20の内部または外部に保存されているデータベースを読み書きして、関連情報の参照や更新処理を行うことも可能である。そうすることにより、変化のあったタグ10が付された物品31についても、変化のなかったタグ10が付された物品31についても、同じように関連情報を処理することができ、付加価値の高いサービスを提供することが可能となる。
次に、読取装置20は、送信電力を低レベルP_Lowに設定して周波数frの電波を発射して、タグ10の識別情報の読み取りを試みる(ステップS104)。このステップも、読取装置20の検知処理部23がタグリーダ22に対して送信電力レベルをP_Lowに設定するよう指示したうえで、検知処理部23がタグリーダ22に対してタグ10のICタグ識別コード等の識別情報の読み取り指示をすることで実現することができる。タグ10からの応答があれば(ステップS105のYes)、読取装置20の検知処理部23は、図4の関係に基づいて、このタグ10は変化後の周波数f2で共振していると判定する(ステップS106)。そして、検知処理部23は、このタグ10の環境変化があったものと判定し、このタグ10が付された物品31は異常物品であると判定する(ステップS107)。タグ10からの応答がなければ(ステップS105のNo)、検知処理部23は、図4の関係に基づいて、このタグ10は変化前の周波数f1で共振していると判定する(ステップS108)。そして、検知処理部23は、タグ10の環境変化はなかったものと判定し、このタグ10が付された物品31は正常物品であると判定する(ステップS109)。この判定結果に基づいて、検知処理部23は、検知結果として、物品31の識別情報と共に環境変化の有無等を表示する(ステップS110)。
このように、本実施形態によれば、読取装置20は、タグ10の共振周波数の変化を区別できる程度に差をつけた2つの送信電力レベル、高レベルP_high、低レベルP_Lowにて、所定位置から一定の周波数frの電波をタグ10に向けて発射して、その応答の有無を確認し、通信可能な電力レベルに応じて共振周波数の変化の有無を判定する判定手段を有する。したがって、本システムは、この判定結果に基づいて物品の環境変化の有無を検知することができる。
この後、図1に示すように、環境変化なしと判定された物品31は、正常物品31Aとして本来の目的のために使用され、環境変化ありと判定された物品31は、異常物品31Bとして回収される。この部分は、特許文献1に記載の処理と同様である。
そして、図1に示すように、読取装置20は、次のタグ10に対して、図6と同じ処理を繰り返す。
(第1の実施形態の効果)
このようにして、第1の実施形態によれば、13.56MHz帯や2.45GHz帯などの所定の周波数で送受信する市販のタグリーダとアンテナであっても、送信電力レベルを外部から制御できる市販のタグリーダとアンテナを選択し、必要な処理を行うプログラム等を作成して市販のコンピュータ等に搭載して検知処理部を構成し、これらを適切に接続して設定することで、タグ10の共振周波数の変化に対応した電力レベルに切換可能とした読取装置20を容易に構成することができる。よって、別々の周波数で通信するタグリーダを用いることなく、環境変化検知システムを構築・運用することができる。
(第1の実施形態の変形例)
図3〜図4、図6に示した例は、変化後のタグ10の共振周波数f2を読取装置20の送受信周波数frの近傍に合わせた場合であったが、これと反対に、変化前のタグ10の共振周波数f1を読取装置20の送受信周波数frの近傍に合わせてもよい。図7〜図9は、この場合について、図2〜図4と同様の方法で示したものである。このように、変化前のタグ10の共振周波数f1を読取装置20の送受信周波数frの近傍に合わせて変化後のタグ10の共振周波数をfrから大きく異ならせた値に設定した場合には、図7に示すように、P1はP2より小さくなるので、P_LowをP1以上かつP2より小さい値に設定し、P_HighをP2以上の値に設定すればよい。そのように設定すると、図8に示すように、送信電力をP_Highレベルに設定した送信電波では、周波数f1で共振しているタグ10とも周波数f2で共振しているタグ10とも通信できるが、送信電力をP_Lowレベルに設定した送信電波では、周波数f1で共振しているタグ10とは通信できず、周波数f2で共振しているタグ10とは通信できる。この場合の読取装置20の処理フローを図9に示す。同図に示すように、f1とf2を逆にしているため、ステップS206〜S209が図6のステップS106〜S109とは逆になるが、ステップS201〜S205までは、図6のステップS101〜S105と変わらない。
また、第1の実施形態の読取装置20の構成は、図2のものに限られず、図10〜図12に示すような変形例にしてもよい。
図10は、第1の実施形態の読取装置20の構成の変形例を示したものである。同図において、符号24Aで示すものは、減衰量を外部からの指示により任意に設定できるプログラマブルアッテネータ (programmable attenuator) 等の可変電力減衰器である。同図に示すように、この例の読取装置20は、アンテナ21Aと、送信電力固定式のタグリーダ22Aと、検知処理部23Aと可変電力減衰器24Aから構成され、可変電力減衰器24Aは、アンテナ21Aとタグリーダ22Aとの間に設けられている。検知処理部23Aは、可変電力減衰器24Aに対し、必要に応じて、電力減衰量を、P_HighからP_Lowまで減衰させるために必要な所定の値または0に設定指示できるよう構成されている。24Aは、所定レベルの電力を減衰できる電力減衰器を通る経路と通らない経路をスイッチにより切り換えられるように構成されていても良い。
この図10の構成では、タグリーダ22Aおよびアンテナ21Aを、電力制御可能なものにする必要はなく、より容易に入手可能な、送信電力固定式のリーダライタモジュールとアンテナ一式を用いることができる。タグ10とアンテナ21Aとの距離dは、用いるタグリーダ22Aの送信電力レベルに合わせて、適宜調整される。
なお、符号24Aは、電力減衰器とは逆に、増幅量を任意に設定できるプログラマブルアンプリファイヤ (programmable amplifier) 等の可変電力増幅器であってもよく、減衰器と増幅器の組み合わせであってもよいことはもちろんである。こうすることにより、用いるタグリーダ22Aの出力電力レベルや設置場所等の関係で制限があって、減衰器だけではアンテナ21Aへの供給電力レベルを調整しきれない場合であっても、所望の電力レベルに調整することが可能となる。すなわち、外部から指示可能な可変電力減衰器と可変電力増幅器とを適宜組み合わせて24Aを構成し、検知処理部23Aから24Aに対し電力減衰量または電力増幅量を指示することにより、アンテナ21Aへの供給電力の電力レベル、もしくは、読取装置20からの送信電力を、上記説明したP_HighとP_Lowとに切換可能になるように、読取装置20を容易に構成することができる。
この図10の構成例の場合、このように、電力レベルを設定する方法が図2の場合と若干異なるが、アンテナ21Aへの供給電力の電力レベルを高低切り換えることができるという点では同じであるから、環境変化検知のための処理フローの概要は、図6または図9に示したのと同じである。その他の事項は、上記第1の実施形態の説明と概ね同様である。
図11は、第1の実施形態の読取装置20の構成の他の変形例を示したものである。同図に示すように、この例の読取装置20は、アンテナ21B1とタグリーダ22B1の1セットと、アンテナ21B2とタグリーダ22B2の1セットと、検知処理部23Bとから構成され、検知処理部23Bは、タグリーダ22B1と22B2の両方に接続されている。タグリーダ22B1からアンテナ21B1への供給電力(送信電力)は高レベルP_Highとされ、タグリーダ22B2からアンテナ21B2への送信電力は低レベルP_Lowとされている。この例の場合、検知処理部23Bは、タグリーダ22B1と22B2とを必要に応じて切り換えて通信できるように構成されている。この図11の構成例であっても、読取装置20の送信電力レベルを高低切り換えることができるという点では同じであるから、環境変化検知のための処理の基本的な流れは、図6または図9と同じである。この構成では、送信電力レベルが異なるタグリーダとアンテナのセットを2組用いるので、装置が大きくなるというデメリットはあるが、タグリーダ(リーダライタモジュール)の選択の幅は広がるというメリットがある。
図12は、第1の実施形態の読取装置20の構成のさらに他の変形例を示したものである。同図に示すように、この例の読取装置20は、送信電力が高レベルP_Highに設定されたアンテナ21C1と、送信電力が低レベルP_Lowに設定されたアンテナ21C2との2種類のアンテナと、タグリーダ22Cと、検知処理部23Cとから構成され、送信電力レベルの異なる2種類のアンテナ21C1、21C2は、共に、1のタグリーダ22Cに接続されている。タグリーダ22Cからアンテナ21C1への供給電力は高レベルP_Highに設定され、タグリーダ22Cからアンテナ21C2への供給電力は低レベルP_Lowに設定されている。この構成では、2つのアンテナの切換は、検知処理部23Cからの指示に基づきタグリーダ22Cが担う。このように構成しても、読取装置20は、送信電力を高レベルP_Highと低レベルP_Lowとで切り換えてタグ10と通信することができ、その応答の有無に基づいて、タグの共振周波数の変化の有無を判定することができ、環境変化の有無を判定することができる。この図12の構成例であっても、読取装置20の送信電力レベルを高低切り換えることができるという点では同じであるから、環境変化検知のための処理の基本的な流れは、図6または図9と同じである。この構成では、タグリーダ22Cの構成が若干複雑になるが、送信電力レベルが異なるタグリーダを用意する必要がない分、図11の場合に比べて場所をとらずに済む。なお、この構成の場合にも図2のところで説明したのと同様に、タグリーダ22Cと検知処理部23Cとが同じ筐体内に組み込まれていてもよいことはもちろんである。
(タグの構成例)
次に、本実施形態で用いる環境変化感知タグ10の一例について説明する。
図13は、環境変化感知タグ10の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、環境変化感知タグ10は、共振回路110と環境変化感知部120とICチップ130とから構成されている。共振回路110は、環境変化感知部120が環境変化を感知すると共振周波数が第1の共振周波数f1から第2の共振周波数f2へ変化するように構成された共振回路である。通常時の共振周波数f1は例えば10.5MHz、変化後の共振周波数f2は例えば13.56MHzとなるように構成されている。共振回路110は、読取装置20と交信するためのアンテナでもあり、読取装置20のアンテナからタグ10に向けて発射された電波を、電磁誘導により電力に変換する回路でもある。環境変化感知部120は、所定の温度に達して所定時間経過すると環境変化があったものとして感知する機能を備えている。ICチップ130は、図示を省略した演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いてリーダライタとの通信制御や応答処理など各種の演算処理を実行する。また、ROMには、タグ10の製造時に、個々のICタグに固有に付与された識別情報であるICタグ識別コードが記憶され、このICタグ識別コードは書き換え不能となっている。
この環境変化感知タグ10の1つの具体例を、図14〜図16を用いて説明する。このタグ10では、環境変化感知部120として所定の温度に達して所定時間経過すると切断される温度ヒューズを用いている。なお、このタグ10は、例えば、幅45mm、長さ76mm程度の大きさの平板形状のものである。
図14は、このタグ10の構成の一例を、温度ヒューズ120が搭載された面から透視的に示した概略的な平面図である。図14において、左下がりの平行斜線を付した領域は、表(おもて)面に形成された導体パターン10aを示しており、右下がりの平行斜線を付した領域は、裏面に形成された導体パターン10bを示している。図15は、図14のタグ10のおもて面(温度ヒューズ120を搭載する面)に形成された導体パターン10aを黒塗りの領域で示した図であり、図16は、図14のタグ10を構成する導体回路の電気的な機能構成を示す図である。
図14および図15に示すように、このタグ10は、絶縁性基材11の片面に搭載された温度ヒューズ120と、それと同一面にコイル状の導体パターンとして形成されたアンテナコイル113と、このアンテナコイル113に電気的に接続されたICチップ130と、誘電体でもある絶縁性基材11を挟んで両面に形成された導体パターンからなる調整可能容量部(容量調整可能キャパシタ)115および116と、表裏両面の導体パターンを電気的に接続する接続部117および118とから構成されている。調整可能容量部115および116は、その一部を切り落とすことでその容量を調整することができるようになっている。なお、接続部117および118は、両面から押しつぶして電気的に接続したカシメ接続部で構成することができるが、周知のスルーホールで構成してもよい。また、容量部は予め計算や実験等により設定された容量の固定容量部でもよい。
この温度ヒューズ120の外形は、図14に示すような四隅が丸くなった略長方形であり、その幅は5〜10mm程度、長さは20〜35mm程度、厚さは20〜100μm程度である。この温度ヒューズ120は、一方の面に露出した導電性の端子121および122と、これらの端子を電気的に接続する連結部123を含む構成となっており、表面が絶縁性の収縮フィルムで覆われている。端子121および122は、少なくとも裏面が露出されており、図15に示す導体パターンの一部として形成された端子部121aおよび121bに熱圧着等の公知の手段によりそれぞれ電気的に接続されるように構成されている。この温度ヒューズ120は、初期状態では図14に示すように連結部123が端子121と122を接続しているが、所定温度(たとえば50℃)に達して所定時間(たとえば10分)経過すると、連結部123の一部が溶断されることにより、端子121と122との間の導通が切断され、元には戻らないように構成されている。
図15において符号120aで示したものは、温度ヒューズ120が搭載される領域である。121aは、温度ヒューズ120の接続端子121が接続される端子部、122aは温度ヒューズ120の接続端子122が接続される端子部である。115aは、調整可能容量部15の一方の面を構成する導体パターンであり、116aは、調整可能容量部16の一方の面を構成する導体パターンである。図15に示すように、121aと116a、122aと115aは、それぞれ連続した導体パターンとなっているので、それぞれ電気的に接続されているが、121aと122aは離間しているので電気的に切断されている。このように構成された導体パターン10aの121aと122a間に温度ヒューズ120を介装して電気的に接続すると、図16に電気的構成を示す導体回路が構成される。
図14〜図16に示すように、アンテナコイル113と容量部115および/または116とで共振回路が構成される。アンテナコイル113と容量部115と容量部116とは並列に接続され、温度ヒューズ120が切断されると容量部116との導通が切断されるようになっている。すなわち、温度ヒューズ120が切断されると、容量部116の容量分減少するので、共振周波数が変化するように構成されている。すなわち、アンテナコイル113のインダクタンスをL、容量部115の容量をC1、容量部116の容量をC2とすると、温度ヒューズ導通時の共振周波数f1は、1/(2π(L(C1))1/2)で表され、温度ヒューズ切断時の共振周波数f2は、1/(2π(L(C1+C2))1/2)で表された周波数となるから、温度ヒューズ120が切断されると共振周波数が上がる。したがって、このように構成されたタグを物品に装着して輸送・保管等した後、タグの共振周波数が元のままか上がったか否かを調べることで、温度ヒューズが切断されたかどうかがわかり、結果として、輸送・保管中に、所定の温度に達して所定時間経過したか否かがわかる。温度ヒューズ120は、切断されると元には戻らない付加逆性の電気電子部品なので、メモリをリセットするなどの不正手段を防ぐことができるという点で、物品の輸送・保管等の状況管理には適している。
このようにして構成された無線ICタグである温度ヒューズ付きタグ10は、温度異常を感知することに伴い第1の共振周波数から第2の共振周波数へ共振周波数が変化するよう設定された共振回路を有している。
なお、ICチップ130としては、フィリップス社の I-CODE SLIチップや、インフィニオンテクノロジーズ社のmy-dチップ等、ICタグ用のチップとして市場で入手可能なものを、用途に合わせて適宜用いることができる。
(タグの実施形態の変形例)
上記タグの実施形態においては、ヒューズ切断の前後でアンテナコイルのインダクタンスLを変化させず、コンデンサの容量を変化させることにより共振周波数を変化させているが、アンテナコイルのインダクタンスLを変化させることにより共振周波数を変化させてもかまわない。また、特許文献1の段落0011に記載のように、温度変化に応じて容量が変化するセラミックコンデンサ等を用いて共振回路を構成してもよい。
上記タグの実施形態では、環境変化に伴い共振周波数が10.5MHzから13.56MHzに変化するタグの例を示した。しかし、共振周波数はこれに限られるものではない。例えば、周波数帯は13.56MHz帯に限られず、900MHz帯や2.45GHz帯で無線通信するRFIDシステムにおいても適用可能である。タグ側及び読取装置側の構成は、それぞれの周波数帯の波長、通信特性、通信方式、通信規格等に合わせて、適宜設計することが可能である。また、周波数の変化の幅は3MHzに限られず、5MHz程度であってもよい。その周波数帯域の中で許される幅の範囲内で、かつ、誤差の範囲ではない明らかな変化であると読み取れる程度の変化幅であればよい。また、上記実施形態では、環境変化に伴い共振周波数が高く(大きく)なる例を示したが、環境変化に伴い共振周波数が低く(小さく)なってもよい。13.56MHz帯の場合には、ヒューズが切断されると共振周波数は高くなったが、900MHz帯や2.45GHz帯の場合には、ヒューズが切断されると共振周波数が高くなるとは限らず、共振周波数が低くなることもある。
また、上記では、13.56MHz帯のタグを例に説明したので、読取装置から受け取った電磁波を電磁誘導により電力を生起させて駆動する方式であったが、他の周波数帯のタグにする場合には、その周波数帯で一般的な方式、たとえば受信した電波を整流して電力に変換する方式で駆動するようにすればよい。また、タグ10は、電池内蔵型にして、受信電波によらず自身の内蔵電力により駆動する方式にしても良い。
(第1の実施形態およびその変形例の効果)
以上説明したように、第1の実施形態およびその変形例は、タグ10と読取装置20のアンテナ21との間隔を一定にして、読取装置20のアンテナへの供給電力レベルを高低切り換えて、所定の送受信周波数frでタグと通信を試みて、その応答の有無に応じて、タグ10の周波数の変化の有無を判定し、それにより、タグ10が付された物品の環境変化の有無を検知するものである。
このようにして、本実施形態およびその変形例によれば、特許文献1に記載のものと異なり、周波数の異なる2組の読取装置を用意する必要がない。本実施形態およびその変形例によれば、環境変化検知システムは、標準的な周波数の読取装置20を一式用意すればよく、読取装置20は、市販のリーダライタモジュール等のタグリーダとアンテナを組み合わせて、いろいろに構成できるので、システム設計の自由度が広がり、低コストで環境変化検知システムを構築・運用することができる。
[第2の実施形態]
図17〜図26は、第2の実施形態およびその変形例を説明するための図である。図17〜図19は、本実施形態およびその変形例における環境変化感知タグ10と読取装置20(20D、20E、20F)との位置関係と読取装置20の構成の概略を示した図である。図20、図21、図24はタグの共振周波数と最大通信距離との関係を示した図である。図20、図22、図23は、変化後の共振周波数f2を読取装置20の周波数fr近傍に合わせた場合を示す図、図24〜図26は、変化前の共振周波数f1を読取装置20の周波数fr近傍に合わせた場合を示す図である。環境変化感知タグ10は、第1の実施形態と同じであるので、タグについての詳細な説明は省略する。また、図17〜図26において、第1の実施形態と同じものには原則として同じ符号を付し、説明を省略する。
(概要)
図17〜図26に示すように、第2の実施形態は、読取装置20の送信電力レベルPと周波数frを一定にして、タグ10のアンテナ110と読取装置20のアンテナ21との距離を遠近(長短)異ならせて通信を試み、タグ10からの応答の有無に応じて、タグ10の共振変化数の変化の有無を判定するものである。
ここで、図面に示したD_farとは、読取装置20の送信電力レベルPと周波数frを一定にして、変化前の周波数f1と変化後の周波数f2とのうちいずれか一方の周波数を読取装置20の周波数frの近傍に合わせ、他方の周波数を読取装置20の周波数frと大きく異ならせた場合に、frの近傍の周波数で共振するほうのタグとは通信できるが他方の周波数で共振するタグとは通信できない程度に遠い距離(広い間隔)であり、D_nearとは、f1とf2のいずれの周波数で共振するタグとも通信可能な程度に近い距離(狭い間隔)である。これらについては後述する。
(読取装置の構成例)
まず、第2の実施形態における読取装置の構成例を、その変形例も含めてまとめて説明する。
図17は、アンテナを2つ接続することが可能なリーダライタモジュール(タグリーダ)を用いて読取装置20Dを構成した例である。同図に示すように、この例では、読取装置20Dは、アンテナへの供給電力Pが同一に設定され、同じ電力レベルの電波を発信できる2つのアンテナ21Dと、1つのタグリーダ22Dと、1つの検知処理部23Dからなり、これらは、読取装置20Dとして機能するように接続され設定されている。
2つのアンテナ21Dは、同一のタグリーダ22Dに接続されている。一方のアンテナ21Dは、タグ10のアンテナ110から近い距離、D_near程度離れた位置、に設置され、他方のアンテナ21Dは、タグ10のアンテナ110から遠い距離、D_far程度離れた位置、に設置されている。タグリーダ22Dは、検知処理部23Dからの指示により、D_nearの位置に配置されたアンテナ21DとD_farの位置に配置されたアンテナ21Dのうちのいずれを用いて通信するかを切り換えることが可能となっている。
検知処理部23Dは、環境変化検知処理システム1に必要な種々の処理を行う装置である。検知処理部23Dは、タグリーダ22Dに対して、2つのうちのいずれのアンテナを用いて通信するかを指示することができ、タグリーダ22Dを介して、そのアンテナからタグ10に向けて電波を発信し、その応答の有無およびその応答の内容を知ることができるように構成されている。
この2つのアンテナ21Dからは、いずれも同じ周波数frかつ同じ送信電力Pで電波が発射されるが、タグ10に届く電波の電界および磁界の強度は、遠距離D_farに配置されたアンテナ21Dから発射される電波352の方が、近距離D_nearに配置されたアンテナ21Dから発射される電波351よりも小さくなる(弱くなる)。したがって、検知処理部23Dは、2つのアンテナ21Dを切り換えてタグ10と通信を試み、その応答の有無を知ることにより、タグ10の共振周波数の変化の有無を判定することができ、環境変化の有無を判定することができる。
図17の構成によれば、読取装置20Dのアンテナが2つになるので、アンテナ1つの場合に比べて広い場所が必要となるが、タグリーダ22Dは1つで済むので、その設置場所は狭くてもよく、コストも抑えられる。
図18は、1つのアンテナ21Eを移動可能とし、アンテナ21Eを移動させることにより、タグ10からの距離を遠近切り換えて通信できるようにした例である。同図に示すように、この例では、読取装置20Eは、所定の周波数frで送信電力レベルPの電波を発信できる1つのアンテナ21Eおよび1つのタグリーダ22Eと、1つの検知処理部23Eからなり、これらは、読取装置20Eとして機能するように接続され設定されている。1つのアンテナ21Eは、タグリーダ22Eに接続されており、タグ10のアンテナ110から距離D_near離れた位置と、タグ10のアンテナ110から距離D_far離れた位置との間を往復できるように構成されている。検知処理部23Eは、本システムに必要な種々の処理を行う装置である。検知処理部23Eは、タグリーダ22Eを介して、または、アンテナ21Eを移動させるために設けたアンテナ移動機構26Eを通じて、アンテナ21EをD_nearまたはD_farの位置にそれぞれ移動させることができ、そのアンテナの位置で、タグリーダ22Eを介してタグ10に向けて電波を発信し、その応答を受け取ることができるように構成されている。このアンテナ21Eを移動させる機構26Eとしては、たとえば、所定のD_near、D_farの間隔になるような位置にストッパーを設けた機械式または電動式のスライド機構などが考えられる。
すなわち、この例では、1つのアンテナ21Eからは、近距離D_nearに配置された場合と遠距離D_farに配置された場合とで、いずれも周波数frかつ送信電力Pで電波が発射されるが、タグ10に届く電波の電界および磁界の強度は、遠距離D_farに配置されたアンテナ21Eから発射される電波352の方が、近距離D_nearに配置されたアンテナ21Eから発射される電波351よりも小さくなる(弱くなる)。したがって、検知処理部23Eは、1つのアンテナ21Eを移動させてタグとの距離間隔を遠近切り換えてタグ10と通信を試み、その応答の有無を知ることにより、タグ10の共振周波数の変化の有無を判定することができ、環境変化の有無を判定することができる。
図18の構成によれば、アンテナ21Eを移動させるための仕組み26Eを用意する必要がある点で構成が複雑になるおそれはあるが、用意すべきアンテナとタグリーダ(リーダライタモジュール)が1組でよいという利点はある。
図19は、タグリーダ22Fとアンテナ21Fを2セット用いて、一方のアンテナ21Fをタグ10から近い位置、距離D_near離間した位置、に配置し、他方のアンテナ21Fをタグ10から遠い位置、距離D_far離間した位置、に配置した例である。同図に示すように、この例では、読取装置20Fは、送信電力レベルPで周波数frの電波を発信できるアンテナ21Fとこれに接続されたタグリーダ22Fのセット2組と、この2つのタグリーダ22Fに接続された1つの検知処理部23Fから構成されている。検知処理部23Fは、本システムに必要な種々の処理を行う装置である。検知処理部23Fは、2つのタグリーダ22Fを必要に応じて切り換えて、タグリーダ22Fを介して、遠近異なる距離からタグ10に向けて電波を発信し、その応答の有無およびその応答の内容を知ることができるように構成されている。
すなわち、この2組のタグリーダ22Fおよびアンテナ21Fからは、いずれも同じ周波数frかつ同じ送信電力Pで電波が発射されるが、タグ10に届く電波の電界および磁界の強度は、遠距離D_farに配置されたアンテナ21Fから発射される電波352の方が、近距離D_nearに配置されたアンテナ21Fから発射される電波351よりも小さくなる(弱くなる)。したがって、検知処理部23Fは、2組のタグリーダ22Fおよびアンテナ21Fを切り換えてタグ10と通信を試み、その応答の有無を知ることにより、タグ10の共振周波数の変化の有無を判定することができ、環境変化の有無を判定することができる。
図19の構成によれば、タグリーダ22Fとアンテナ21Fを2セット必要とするので設置場所がかさむという不便はあるが、ごく普通のリーダライタとアンテナを用いてシステムを構成することができ、図18で必要だったアンテナ移動機構なども不要であるという点で単純で、システム構築・運用のコストを抑えることができる。
なお、図17〜19において、検知処理部23(23D、23E、23F)は、第1の実施形態で説明したのと同様、例えば、本システム用のプログラムやデータが格納されたメモリやハードディスク等と、結果を表示できるディスプレイと、プログラムを実行できるMPU等を備えたコンピュータ本体などから構成することができる。タグリーダ22(22D、22E、22F)は、独立した筐体に格納されたものであってもよいし、検知処理部23のコンピュータ本体に装着できる基板型のものであってもよいし、1チップに収められてコンピュータ本体に実装できるようになっていても良く、いかなる形態で提供されるものであっても良い。タグリーダ22が1チップに収められているなど十分小型のものであれば、タグリーダ22を検知処理部23の中に組み込んで装置を一体化し、全体を片手で持てる程度の携帯型にすることができる。
(タグの共振周波数と通信可能距離との関係)
ここで、変化前の共振周波数f1、変化後の共振周波数f2、読取装置20(タグリーダ22)の周波数fr、及び、タグ10のアンテナ110と読取装置20のアンテナ21との距離間隔について、図20〜図22を用いて説明する。
図20は、タグリーダ22に接続されたアンテナ21を、タグのアンテナ110に向けて、一定の送信電力レベルで周波数frの電波をタグに向けて発射した場合に、タグからの応答を受け取ることができる最大の通信距離を示したグラフである。図20において、横軸はタグの共振周波数の中心を示し、縦軸は、最大通信距離を示している。
最大通信距離とタグの共振周波数とは、一般にこのような関係になっている。そのため、変化前の共振周波数f1と変化後共振周波数f2のいずれか一方を、タグリーダ22の送受信周波数frと同一または近傍に合わせたほうが好ましい。f1とf2とで、どちらをfrの近傍に設定してもよいのであるが、図20では、f2をfrの近傍に合わせた場合を示している。図20に示すように、f1とf2とは、誤差の範囲ではない程度に大きく異なる周波数である必要がある。f1とf2とはどちらが大きくてもよい。f1は例えば図面左側の値でもよいし、frを基準にほぼ線対称の位置になる値(図面右側の(f1))でもよい。
図20に示すように、変更後の周波数f2をfrの近傍に合わせた場合には、変更前の周波数f1で共振しているタグと通信可能な最大通信距離D1は、f2で共振しているタグと通信可能な最大通信距離D2よりも小さくなる(近距離になる)。すなわち、周波数f2で共振しているタグと通信するためには、グラフ上の折れ線Dfと線f2との交点に相当する最大通信距離D2以下で、D1より大きい距離間隔D_farになるように、タグ10とアンテナ21とを設置すればよい。一方、f1で共振しているタグと通信するためには、グラフ上の折れ線Dfと線f1との交点に相当する最大通信距離D1以下の距離間隔D_nearになるように、タグ10とアンテナ21とを設置すればよい。この場合、タグ10とアンテナ21とが距離間隔D_nearとなるように設置された読取装置20では、周波数f1で共振しているタグと通信できるのはもちろんであるが、周波数f2で共振しているタグとも通信できる。
図21は、図20の関係が成り立つことの一例を確認するため、13.56MHz帯のタグ、リーダライタ、アンテナ一式を用いて、タグのアンテナとリーダライタのアンテナとの距離間隔を変化させ、リーダライタから一定の電力レベルで周波数13.56MHzの電波を発信し、タグと通信できたときの最大の通信距離を調べる実験をした結果を示したグラフである。図21において、縦軸は、最大通信距離(単位はmm)を示し、横軸はタグの共振周波数(単位はMHz)を示す。図21では14.5MHzより大きい周波数については示していないが、図20と同様に、13.56MHzを中心に、略左右対称の関係がおおよそ成り立つことはもちろんである。
図21に示すように、読取装置20のからアンテナ21発信する電波の電力レベルと周波数を一定にした場合、10mmの距離間隔で読取装置20のアンテナ21を設置した場合には、10.5MHzで共振したタグとも通信でき、13.56MHzで共振したタグとも通信でき、90mmの距離間隔で読取装置20のアンテナ21を設置した場合には、10.5MHzで共振したタグとは通信できないが、13.56MHzで共振したタグとは通信できる。したがって、例えば、変化前の周波数f1を10.5MHz、変化後の周波数f2を13.56MHzとすると、距離間隔D_nearを例えば10mmにし、距離間隔D_farを90mmにすればよいことがわかる。グラフで示された交点の値(その周波数での最大通信距離)よりも少し小さめの値にするのは、実際のタグの周波数やその他のばらつきを考慮してのことである。f1を10.5MHzのかわりに16.5MHzにしても同様である。
図22は、f1、f2、fr、D_near、D_farを図20のような関係で設定して、読取装置20から電波を発信したときに、読取装置20が環境変化感知タグ10の応答を受け取れる(通信できる)場合を「○」、タグ10の応答を受け取れない(通信できない)場合を「×」で示したものである。図22に示すように、距離間隔D1およびD_nearでは、周波数f1で共振しているタグとも周波数f2で共振しているタグとも通信できるが、距離間隔D2およびD_farでは、周波数f1で共振しているタグとは通信できず、周波数f2で共振しているタグと通信できるのみである。すなわち、D_nearの位置でもD_farの位置でも通信できれば読取装置20の周波数fr近傍の周波数f2に共振したタグであり、D_farでは通信できないがD_nearで通信できればfrと大きく離れた周波数のf1に共振したタグであると判定できる。
実際のシステムでは、周波数と距離間隔は図21に示した値に限られず、システムの運用環境その他のいろいろな状況を考慮して定めることができる。また、図20〜22の関係は、13.56MHz帯に限られず、他の周波数帯でも同様に成り立つことはもちろんである。例えば、ICタグ用に使われる他の周波数帯として、900MHz帯や、2.45GHz帯などが挙げられるが、これらの周波数帯においても、同様のことが言える。
本実施形態は、タグの共振周波数と最大通信距離とのこのような関係を利用して、読取装置20のアンテナ21とタグ10のアンテナ110との距離間隔を遠距離D_farと近距離D_nearになるような位置にアンテナ21を設置できるようにして、いずれの位置で通信できたかにより、タグの周波数が変化前の周波数f1と変化後の周波数f2のいずれであるか、すなわち、環境変化があったか否かを判定しようとするものである。
(第2の実施形態における読取装置の処理フローの例)
図23に、図20〜図22のようにf1、f2、fr、D_near、D_farを定めた場合について、1つのタグ10が付された物品31についての読取装置20(20D、20E、20F)の主要な処理フローを示す。すなわち、変化後の周波数f2を読取装置20の周波数fr近傍に合わせ、変化前の周波数f1をfrとは離間した値に設定し、D_nearを変化前の周波数f1で共振するタグとの最大通信距離D1より少し小さい値に設定し、D_farを変化後の周波数f2で共振するタグとの最大通信距離D2より少し小さい値に設定した場合について、1つのタグ10が付された物品31の環境変化があったか否かを判定するまでの、読取装置20の処理フローの概要を図23に示す。
図23に示すように、読取装置20(20D、20E、20F)は、距離間隔D_nearの位置に設置されたアンテナ21で周波数frの電波を発射して、環境変化感知タグ10のICタグ識別コード等の識別情報の読み取りを試みる(ステップS301)。タグ10からの応答がなければ(ステップS302のNo)、所定時間経過後、再び読み取りを試みる(ステップS301)。タグ10からの応答があれば(ステップS302のYes)、読み取った応答から識別情報を取り出して、その識別情報を保存する。
読取装置20のアンテナ21との所定間隔D_nearの位置にタグ10が存在するときに周波数frの電波を発射すれば、図22に示すように、f1、f2のいずれの周波数で共振するタグであっても、そのタグの識別情報を読み取れるはずである。すなわち、このように、最初に近距離から電波を発信することで、所定位置にタグ10が存在していれば、タグ10には読取装置20と通信するのに十分な強さの電波が届くから、タグ10は読取装置20からの質問に応答することができ、読取装置20はその応答を受け取れ、確実にタグ10の識別情報を読み取ることができる。
なお、図示しないが、識別情報を読み取って内部メモリ等に保存した後、その識別情報を基に、読取装置20の内部または外部に保存されているデータベースを読み書きして、関連情報の参照や更新処理を行うことも可能である。そうすることにより、変化のあったタグが付された物品31についても、変化のなかったタグが付された物品31についても、同じように関連情報を処理することができ、付加価値の高いサービスを提供することが可能となる。
次に、読取装置20は、距離間隔D_farの位置に設置されたアンテナ21で周波数frの電波を発射して、環境変化感知タグ10のICタグ識別コード等の識別情報の読み取りを試みる(ステップS304)。タグ10からの応答があれば(ステップS305のYes)、図22の関係に基づいて、このタグ10は変化後の周波数f2で共振していると判定する(ステップS306)。そして、検知処理部23は、タグ10の環境変化があったものと判定し、このタグ10が付された物品31は異常物品であると判定する(ステップS307)。タグ10からの応答がなければ(ステップS305のNo)、図22の関係に基づいて、このタグ10は変化前の周波数f1で共振していると判定する(ステップS308)。そして、検知処理部23は、タグ10の環境変化はなかったものと判定し、このタグ10が付された物品31は正常物品であると判定する(ステップS309)。この判定結果に基づいて、検知処理部23は、検知結果として、物品31の識別情報と共に環境変化の有無等を表示する(ステップS310)。
このように、本実施形態によれば、読取装置20は、タグ10の共振周波数の変化を区別できる程度に、読取装置20とタグ10との距離を遠近異ならせて、電波を発信してその応答の有無を確認し、通信可能な距離に応じてタグの共振周波数の変化の有無を判定する判定手段を有する。したがって、本システムは、この判定結果に基づいて物品の環境変化の有無を検知することができる。
この後、図1に示すように、環境変化なしと判定された物品31は、正常物品31Aとして本来の目的のために使用され、環境変化ありと判定された物品31は、異常物品31Aとして回収される。この部分は、特許文献1に記載の処理と同様である。
そして、読取装置20は、次の物品31に付されたタグ10の環境変化を検知するため、図22と同じ処理を繰り返す。
(第2の実施形態における読取装置の処理フローの他の一例)
次に、以上の例とは逆に、変化前の周波数f1を読取装置20の周波数frと同一またはfrの近傍にし、変化後の周波数f2を読取装置20の周波数frと大きく異ならせ場合について、図24〜26を用いて、説明する。
この場合、図24に示すように、D_nearを、変化後の周波数f2で共振するタグとの最大通信距離D2よりも少し小さい値にし、D_farを、変化前の周波数f1で共振するタグとの最大通信距離D1よりも少し小さい値となるように設定する。そのように設定すると、図25に示すように、変化前の周波数f1で共振するタグとは、D_near、D_farのいずれの間隔で配置した読取装置20からも通信できる(応答がある)が、変化後の周波数f2で共振するタグとは、D_nearの間隔で配置した読取装置20からでないと通信できない(応答がない)。すなわち、D_nearの間隔になる位置にアンテナが配置された読取装置20からは、周波数f1で共振しているタグとも周波数f2で共振しているタグとも通信できるが、D_farの間隔になる位置アンテナが配置された読取装置20からは、周波数f1で共振しているタグとは通信できず、周波数f2で共振しているタグとは通信できる。この場合の読取装置20の処理フローを図26に示す。同図に示すように、f1とf2を逆にしているため、ステップS406〜S409が図23のステップS306〜S309とは逆になるが、ステップS401〜S405までは、図23のステップS301〜S305と変わらない。
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、第2の実施形態およびその変形例によれば、読取装置側の送受信周波数と電力レベルを固定にしたまま、タグとの通信可能な距離の遠近に基づいて、タグの共振周波数の変化の有無を判定するので、ICタグ用の一般的なリーダライタとアンテナを用いてシステムを構成することができる。第1の実施形態に比べると、アンテナの位置決めや配置が容易ではなく、読取装置の構成も大きくなりがちであるという難点はあるが、システム構成の選択の幅が広がり、低コストで構築・運用できるシステム構成が可能となるという効果が得られる。
[他の実施形態]
なお、図示しないが、読取装置20とタグ10との間に、電波を部分的に遮蔽することと素通しすることとを切り換えることのできる遮蔽器のようなものを置いて、検知処理部から指示してこの遮蔽器を切り換えるようにしてもよい。このようにした場合、読取装置20からの見かけ上の送信電力は同じであっても、読取装置20からタグ10へ実際上の送信電力を切り換えることが可能である。それにより、タグ10に届く電波の電界及び磁界の強さを切り換えられるから、上記説明したのと同様の判定手段により、環境変化の有無を検知することができる。
本発明を適用した環境変化検知システムの一例の外観を示す図。 第1の実施形態の構成を模式的に示す図。 タグの共振周波数と最小通信可能電力との関係を模式的に示すグラフ。 図3のようにタグの共振周波数と読取装置の送信電力を設定した場合の通信可否の関係を示す図。 13.56MHz帯におけるタグの共振周波数と最小通信可能電力との関係の実験結果を示すグラフ。 図3の関係に基づいて環境変化の有無を判定する処理の流れを示す図。 共振周波数と最小通信可能電力との関係を模式的に示すグラフ。 図7のようにタグの共振周波数と読取装置の送信電力を設定した場合の通信可否の関係を示す図。 図7の関係に基づいて環境変化の有無を判定する処理の流れを示す図。 第1の実施形態の一の変形例の構成を模式的に示す図。 第1の実施形態の他の変形例の構成を模式的に示す図。 第1の実施形態のさらに他の変形例の構成を模式的に示す図。 本発明の一実施形態で用いる環境変化感知タグの機能構成の一例を示すブロック図。 本発明の一実施形態で用いる環境変化感知タグの一例を一方の面から示す図。 図14に示した環境変化感知タグの表面の導体パターンを示す図。 図14に示す環境変化感知タグの等価回路図。 第2の実施形態の構成例を模式的に示す図。 第2の実施形態の他の構成例を模式的に示す図。 第2の実施形態のさらに他の構成例を模式的に示す図。 タグの共振周波数と最大通信距離との関係を模式的に示すグラフ。 13.56MHz帯におけるタグの共振周波数と最大通信距離との関係の実験結果を示すグラフ。 図20のようにタグの共振周波数と読取装置の配置間隔を設定した場合の通信可否の関係を示す図。 図20の関係に基づいて環境変化の有無を判定する処理の流れを示す図。 タグの共振周波数と最大通信距離との関係を模式的に示すグラフ。 図24のようにタグの共振周波数と読取装置の配置間隔を設定した場合の通信可否の関係を示す図。 図24の関係に基づいて環境変化の有無を判定する処理の流れを示す図。
符号の説明
1…環境変化検知システム、10…環境変化感知タグ(温度ヒューズ付きタグ)、110…タグのアンテナ、113…アンテナコイル、120…環境変化感知部(温度ヒューズ)、130…ICチップ、20…読取装置、21…読取装置のアンテナ、22…タグリーダ(リーダライタモジュール)、23…検知処理部、24…可変減衰器、31…物品、350…電波。

Claims (8)

  1. 環境変化に伴い第1の共振周波数から第2の共振周波数へ共振周波数が変化するよう設定された共振回路と該共振回路に接続されたICチップを有する環境変化感知タグと、
    前記タグから非接触式でデータを読み取る読取装置とを備えたシステムであって、
    前記読取装置の送信電力レベルを、前記読取装置が前記タグと所定間隔の位置から所定の周波数の電波を発信したとき、前記第1の共振周波数で共振する前記タグと通信可能な第1の電力レベルと前記第2の共振周波数の前記タグと通信可能な第2の電力レベルとに切り換え可能とし、前記タグと通信可能な送信電力レベルに応じて前記環境変化の有無を判定する第1の判定手段を有することを特徴とする環境変化検知システム。
  2. 前記読取装置は、
    外部からの指示により送信電力レベルを設定変更できるタグリーダと、
    前記タグリーダに接続され、前記タグリーダを介して送信電力レベルを前記第1の電力レベルまたは前記第2の電力レベルに設定変更して前記タグと通信を試み、前記タグと通信可能な送信電力レベルに応じて前記環境変化の有無を判定する第1の判定手段を有する検知処理部と、
    を具備したことを特徴とする請求項1に記載の環境変化検知システム。
  3. 前記読取装置は、
    所定の送信電力レベルのタグリーダと、
    前記タグリーダに接続され、前記タグと送受信可能なアンテナと、
    該アンテナと前記タグリーダとの間に配置され、外部からの指示により、前記第1の電力レベルと前記第2の電力レベルとになるよう減衰または増幅可能な可変電力減衰器または可変電力増幅器と、
    前記タグリーダおよび前記可変電力減衰器若しくは前記可変電力増幅器に接続され、前記可変電力減衰器または可変電力増幅器に対して前記第1の電力レベルまたは前記第2の電力レベルにするよう指示する手段と、前記タグリーダを介して前記タグと通信を試み、前記タグと通信可能な送信電力レベルに応じて前記環境変化の有無を判定する第1の判定手段を有する検知処理部と、
    を具備したことを特徴とする請求項1に記載の環境変化検知システム。
  4. 前記読取装置は、
    送信電力レベルを前記第1の電力レベルとした第1のタグリーダと、
    送信電力レベルを前記第2の電力レベルとした第2のタグリーダと、
    前記第1のタグリーダ及び前記第2のタグリーダに接続され、前記第1のタグリーダと前記第2のタグリーダとを切り換えて前記タグと通信を試み、前記タグと通信可能な送信電力レベルに応じて前記環境変化の有無を判定する第1の判定手段を有する検知処理部と、
    を具備したことを特徴とする請求項1に記載の環境変化検知システム。
  5. 前記読取装置は、
    送信電力レベルを前記第1の電力レベルとした第1のアンテナと、
    送信電力レベルを前記第2の電力レベルとした第2のアンテナと、
    前記第1および第2のアンテナが接続され、外部からの指示に基づいて前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとを切り換え可能とした第3のタグリーダと、
    前記第3のタグリーダに接続され、前記第3のタグリーダを介して前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとを切り換えて前記タグと通信を試み、前記タグと通信可能な送信電力レベルに応じて前記環境変化の有無を判定する第1の判定手段を有する検知処理部と、
    を具備したことを特徴とする請求項1に記載の環境変化検知システム。
  6. 環境変化に伴い第1の共振周波数から第2の共振周波数へ共振周波数が変化するよう設定された共振回路と該共振回路に接続されたICチップを有する環境変化感知タグと、
    前記タグから非接触式でデータを読み取る読取装置とを備えたシステムであって、
    前記読取装置の読取位置が、前記読取装置の送信電力レベルと周波数を一定にしたとき、前記第1の共振周波数で共振する前記タグと通信可能な第1の位置と、前記第2の共振周波数で共振する前記タグと通信可能な第2の位置とに、設置可能とし、前記タグと通信可能な位置に応じて前記環境変化の有無を判定する第2の判定手段を有することを特徴とする環境変化検知システム。
  7. 前記読取装置は、
    前記第1の位置に設置された第1のアンテナと、
    前記第2の位置に設置された第2のアンテナと、
    前記第1および第2のアンテナが接続され、外部からの指示に基づいて前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとを切り換え可能とした第3のタグリーダと、
    前記第3のタグリーダに接続され、前記第3のタグリーダを介して前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとを切り換えて前記タグと通信を試み、前記タグと通信可能なアンテナの位置に応じて前記環境変化の有無を判定する第2の判定手段を有する検知処理部と、
    を具備したことを特徴とする請求項6に記載の環境変化検知システム。
  8. 前記読取装置は、
    読取位置を前記第1の位置として設置された第1のタグリーダと、
    読取位置を前記第2の位置として設置された第2のタグリーダと、
    前記第1のタグリーダ及び前記第2のタグリーダに接続され、前記第1のタグリーダと前記第2のタグリーダとを切り換えて前記タグと通信を試み、前記タグと通信可能な読取位置に応じて前記環境変化の有無を判定する第2の判定手段を有する検知処理部と、
    を具備したことを特徴とする請求項6に記載の環境変化検知システム。
JP2005265243A 2005-09-13 2005-09-13 環境変化検知システム Expired - Fee Related JP4747750B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005265243A JP4747750B2 (ja) 2005-09-13 2005-09-13 環境変化検知システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005265243A JP4747750B2 (ja) 2005-09-13 2005-09-13 環境変化検知システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007079785A true JP2007079785A (ja) 2007-03-29
JP4747750B2 JP4747750B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=37940047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005265243A Expired - Fee Related JP4747750B2 (ja) 2005-09-13 2005-09-13 環境変化検知システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4747750B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010146468A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Denso Wave Inc 通信システム
JP2014135012A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Fujitsu Ltd Rfidタグシステム、rfidタグ、及び、温度検出方法
JP2014190857A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Denso Wave Inc 含水率推定システム、無線タグリーダ
CN113039558A (zh) * 2018-11-02 2021-06-25 柯尼卡美能达株式会社 检测系统、以及读取器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002150248A (ja) * 2000-11-14 2002-05-24 Dainippon Printing Co Ltd 衝撃感知センサ付きデータキャリア装置
JP2003323595A (ja) * 2002-05-01 2003-11-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非接触icカードリーダライタ装置
JP2004348559A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Sharp Corp Idタグシステムおよびidタグならびにidタグリーダ・ライタ
JP2005157485A (ja) * 2003-11-20 2005-06-16 Dainippon Printing Co Ltd 非接触型の通信応答体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002150248A (ja) * 2000-11-14 2002-05-24 Dainippon Printing Co Ltd 衝撃感知センサ付きデータキャリア装置
JP2003323595A (ja) * 2002-05-01 2003-11-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非接触icカードリーダライタ装置
JP2004348559A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Sharp Corp Idタグシステムおよびidタグならびにidタグリーダ・ライタ
JP2005157485A (ja) * 2003-11-20 2005-06-16 Dainippon Printing Co Ltd 非接触型の通信応答体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010146468A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Denso Wave Inc 通信システム
JP2014135012A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Fujitsu Ltd Rfidタグシステム、rfidタグ、及び、温度検出方法
JP2014190857A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Denso Wave Inc 含水率推定システム、無線タグリーダ
CN113039558A (zh) * 2018-11-02 2021-06-25 柯尼卡美能达株式会社 检测系统、以及读取器
CN113039558B (zh) * 2018-11-02 2023-11-03 柯尼卡美能达株式会社 检测系统、以及读取器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4747750B2 (ja) 2011-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7696884B2 (en) Systems and methods for enhancing the magnetic coupling in a wireless communication system
KR100963477B1 (ko) 패치 안테나
JP4183707B2 (ja) 非接触リーダおよび/またはライタを具える情報処理装置、および磁気的結合用のコイル・アンテナ
US10049238B2 (en) Encoded information reading terminal with item locate functionality
US10089502B2 (en) Method for determining existence of wideband impedance matching circuit in a wireless IC device system
JP2006295729A (ja) Rfidタグおよびアンテナ配置方法
US6992634B2 (en) Antenna device commonly used for two frequencies
CN102804488A (zh) 使用双共振的近场通信天线
JP2005244778A (ja) 小型アンテナ及びそれを備えた無線タグ
TW201347295A (zh) 適用於無線射頻識別標籤的不連續迴圈天線,及相關的元件、系統以及方法
US10289877B2 (en) Directional antenna for RFID tag finder
JP2006262055A (ja) アンテナモジュール及びこれを備えた携帯情報端末
KR100693204B1 (ko) Nfc용 안테나, 그를 구비한 nfc 단말기, rf안테나, 그리고 그를 구비한 ic카드
US20100090914A1 (en) Radio communication apparatus and method for making radio communication apparatus
WO2021039662A1 (ja) タグ
JP4747750B2 (ja) 環境変化検知システム
EP2779305B1 (en) Multi-Loop Antenna System for Contactless Applications
US7372410B2 (en) Antenna unit
JP2017531893A (ja) 複数の構成を可能とする非接触式バイオメトリック識別デバイス
JP2007072706A (ja) Simホルダー
CN107968673B (zh) 基于柔性电路板的通信装置
JP7286969B2 (ja) Rfidシステムおよびリーダライタ装置
KR100867853B1 (ko) Rfid 안테나 및 rfid 태그
KR100862477B1 (ko) Rfid 태그
JP2010252203A (ja) ループアンテナ及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110411

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees