JP2007079492A - 画像定着方法及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 静電荷画像現像剤用トナーにより記録媒体表面に形成されたトナー像を、加熱した定着ロールに接触させ、該トナー像を記録媒体表面に押圧することで、該記録媒体表面にトナー像を定着させる定着工程と、該記録媒体にトナー像を定着させた後の定着ロールを清掃する清掃工程と、を有する画像定着方法であって、前記静電荷画像現像剤用トナーは、離型剤の含有量が10〜40質量%であり、かつ、前記定着ロールは、表面の算術平均粗さRaが0.01〜5.0μmの金属ロールであることを特徴とする画像定着方法、及び前記定着工程、前記清掃工程を少なくとも有する画像形成方法。
【選択図】 なし
Description
(1) アルミニウム合金、鉄系金属等の金属からなる円筒体の表面に切削、研削加工を施して、円筒体の両端部の外径を中央部より大きくしてなる鼓形状の円筒体芯金とする。
(2) 円筒体芯金の表面を切削、サンドブラスト、エッチング、液体ホーニング等の手段により粗らす。このように円筒体芯金の表面を粗らすのは、離型層に用いられるフッ素系樹脂が非接着性を有している反面、接着しにくいために、芯金表面にフッ素系樹脂が入り込むようにアンカー効果を持たせるためである。
(4) プライマー層上にフッ素系樹脂塗料を塗布する。フッ素系樹脂塗料には、パーフルオロアルコキシ樹脂(以下、「PFA」という。)、4フッ化エチレン樹脂(以下、「PTFE」という。)等のフッ素系樹脂が用いられるが、PFAであれば、形態を粉体として塗装することができるので、PFAを回収して再利用することができる。このようにプライマー層上に塗布したフッ素系樹脂塗料をフッ素系樹脂の融点以上の雰囲気に20〜40分間放置し、焼成させてフッ素系樹脂被膜よりなる離型層を形成する。
また、近年フルカラー化にともない画質の観点から高光沢な定着画像が求められているが、透明フィルム上に画像表面の粗さRz3〜10μmの範囲に規定することにより画質を損なわず光沢度を得ることを提案している(例えば、特許文献7参照)。
また定着ロールクリーニングにおいては定着ロール表面に残ったトナーを清掃する為に、定着ロール表面を巻取り式のウエブで清掃する方式やクリーニングブレードを使用して定着ロール清掃する方法が提案されている(例えば、特許文献10及び11参照)。
更に、ウエブ材料の工夫もなされており、材料の混合比や耐熱性繊維を配合しクリーニング性を向上させている(例えば、特許文献12参照)。
更に、環境安全の観点からフッ素系樹脂を使用した場合、燃焼廃棄などする場合フッ化物が発生することと焼成されたフッ素樹脂と添加物の分離が困難なことから材料リサイクル/リユースができていないのが現状である。
すなわち本発明は、
<1> 静電荷画像現像剤用トナーにより記録媒体表面に形成されたトナー像を、加熱した定着ロールに接触させ、該トナー像を記録媒体表面に押圧することで、該記録媒体表面にトナー像を定着させる定着工程と、該記録媒体にトナー像を定着させた後の定着ロールを清掃する清掃工程と、を有する画像定着方法であって、前記静電荷画像現像剤用トナーは、離型剤の含有量が10〜40質量%であり、かつ、前記定着ロールは、表面の算術平均粗さRaが0.01〜5.0μmの金属ロールであることを特徴とする画像定着方法である。
本発明の画像定着方法は、静電荷画像現像剤用トナーにより記録媒体表面に形成されたトナー像を、加熱した定着ロールに接触させ、該トナー像を記録媒体表面に押圧することで、該記録媒体表面にトナー像を定着させる定着工程と、該記録媒体にトナー像を定着させた後の定着ロールを清掃する清掃工程と、を有する画像定着方法であって、前記静電荷画像現像剤用トナーは、離型剤の含有量が10〜40質量%であり、かつ、前記定着ロールは、表面の算術平均粗さRaが0.01〜5.0μmの金属ロールであることを特徴とする。
本発明に用いられる定着ロールは、金属ロールであることを特徴とする。金属ロールを使用することにより、一般的な定着ロールのようにトナー像と接触する部材表面にフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂に代表される低表面エネルギー材料を被覆したものに比較して、耐摩耗性が格段に向上する。
また、一般的な定着ロールは剥離爪に代表されるような定着ロール接触型の離型補助機構に対して強度を保つためにフィラーを導入し離型層を硬化する必要がある。さらに定着ロール抵抗に起因した静電的なオフセットを抑制するために離型層中に導電性材料を分散させたりしなければならない。更に、一般的な定着ロールでは、主に定着ロール最表層の低表面エネルギー材料に離型剤供給やクリーニングするため例えば供給ロールやクリーニングウエブ材質を限定しなければならなかった。つまり材質で硬い材料を使用してしまうと定着ロールの表面層を削ってしまう為寿命が短くなってしまう問題がある。
一般にオフセット現象は、高温オフセットと呼ばれるものと低温オフセットと呼ばれるものに大別されるが、高温オフセットは溶融したトナーが熱定着ロールに付着することにより、また低温オフセットは溶融していないトナー粒子が熱定着ロールに付着することによるもので、熱定着ロールの表面温度の分布状態、トナー画像面との接触面積、トナー特性等により決定される。
本発明に用いられる静電荷画像現像用トナー(以下、「本発明に係るトナー」という場合がある。)は、離型剤の含有量が10〜40質量%であることを特徴とする。該離型剤の含有量は、15〜30質量%であることが好ましく、20〜25質量%であることがより好ましい。前記離型剤の含有量が10%未満の場合、前記金属ロールとの定着に関して十分な離型層形成ができず部分的に高温オフセットが発生してしまう。また、前記離型剤の含有量が40%より多い場合、十分な離型層形成はできるものの離型剤による定着時の画像ずれ等の問題が発生する。これは定着ロール表面とトナー像面の間に離型剤が多量に介在ししていることとにより摩擦抵抗が下がり定着ロールとトナー画像面、又は定着ロール同士でスリップしているためと推定できる。
好ましい本発明に係るトナーの製造方法は、少なくとも粒子径が1μm以下の、第1の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液と、を混合し前記第1の樹脂微粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含むコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、前記コア凝集粒子の表面に第2の樹脂微粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集工程と、前記コア/シェル凝集粒子を前記第1の樹脂微粒子または前記第2の樹脂微粒子のガラス転移温度以上に加熱し融合・合一する融合・合一工程と、を少なくとも経る製造方法である。尚、このような本発明に係るトナーの作製に好適な製造方法の詳細については後述する。
・式(1) (表面性指標値)=(比表面積実測値)/(比表面積計算値)
〔但し、式(1)中、比表面積計算値は、6Σ(n×R2)/{ρ×Σ(n×R3)}で表され、前記比表面積計算値を表す式において、nはコールターカウンターにおけるチャンネル内の粒子数(個/1チャンネル)を表し、Rはコールターカウンターにおけるチャンネル粒径(μm)を表し、ρはトナー密度(g/μm3)を表す。また、前記チャンネルの分割数は16である。なお、分割の大きさはlogスケールで0.1間隔である。〕
尚、比表面積計算値は、上記の比表面積計算値を表す式に示したようにコールターカウンターの各チャンネルの粒径とその粒径の粒子数を測定し、各粒子を球換算して、粒度分布を加味した形で求めた。また、比表面積実測値は、ガス吸着・脱着法に基づき測定され、ラングミュラ比表面積を求めることにより得られる。測定装置としては、コールターSA3100型(コールター株式会社製)や、ジェミニ2360/2375(島津製作所製)等を使用することができる。
・式(2) SF1=ML2/(4A/π)×100
〔但し、式(2)において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。〕
前記形状係数SF1が120未満であると、一般に画像形成の際に転写工程で残存トナーが生じるため、この残存トナーの除去が必要となるが、残存トナーをブレード等によりクリーニングする際のクリーニング性を損ないやすく、結果として画像欠陥を生じる場合がある。一方、前記形状係数SF1が135を超える場合には、トナーを現像剤として使用する場合に、現像器内でのキャリアとの衝突によりトナーが破壊される場合がある。この際、結果として微粉が増加したり、これによってトナー表面に露出した離型剤成分により感光体表面等が汚染され帯電特性を損なうことがあるばかりでなく、微粉に起因するかぶりの発生等の問題を起こすことがある。
更に、離型剤の160℃における粘度η1と200℃における粘度η2との比(η2/η1)は、0.5〜0.7の範囲内が好ましい。η2/η1が0.5より小さいと低温度時のブリード量が少なくコールドオフセットを生じる場合がある。また、0.7より大きいと高温での定着の際のブリード量が多くなり、ワックスオフセットを生じることがあるばかりでなく、剥離の安定性に問題を生じる場合がある。
本発明に係るトナーに用いられる離型剤は、前述のとおり、酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックス(以下、「変性ポリエチレンワックス」という場合がある。)が好ましい。
前記変性ポリエチレンワックスは、ポリエチレンワックスと無水マレイン酸をグラフト重合することにより得られる酸変性ポリエチレンワックスと、少なくとも1つのヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンとを、ヒドロシリル化反応させることにより得られる。
ポリエチレンワックスと無水マレイン酸のグラフト重合には、公知のグラフト重合法を用いることが出来る。
また、前記「ポリエチレンワックス」とは、ポリエチレンを不活性ガス雰囲気下、熱分解することにより得られる分岐状のアルカンとアルケンのワックス状混合物である。このようなポリエチレンワックスは市販品を使用することが出来る。例えば、東洋ペトロライト株式会社からポリワックス500という商品名で入手可能である。
前記R1〜R7で表されるメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基は、直鎖状でも分岐状であってもよいが、特に直鎖状が好ましい。
また、前記変性ポリエチレンワックスの、120℃においてコーン角1.34degを用いたE型粘度計で測定した粘度、ηs120は、10〜30mPa・sの範囲内であることが好ましく、15〜25mPa・sの範囲内であることがより好ましい。粘度ηs120が、10mPa・sより低いと、定着の際の溶出性は良好となるが、画像上に形成される離型剤層が不均一となり、金属ロール定着の際に剥離ムラを生じ、可視的には画像光沢ムラを生じさせる場合がある。また30mPa・sよりも高いと、離型剤の溶出性が低下し、金属ロール定着の際に、画像と金属ロールを剥離するのに充分な離型剤が供給されず、剥離不良が発生する場合がある。
測定は具体的には次のように行う。まず、循環装置の温度を目的の温度にセットし、空の試料測定用のカップと、空の参照用カップと、コーンとを測定装置にセットし、オイルを循環させながら恒温に保つ。次に温度が安定したところで、試料測定用カップ内に試料を1g入れ、コーンを静止状態で10分間静置させる。安定後、コーンを回転させ、測定を行う。コーンの回転速度は、60rpmとする。測定は、3回行い、その平均値を粘度ηsとする。
また、得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
本発明に係るトナーに用いられる着色剤としては、黒顔料としてカーボンブラック、磁性粉等が挙げられる。
黄色顔料として、例えば、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等が挙げられる。
赤色顔料として、ベンガラ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が挙げられる。
青色顔料として、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレート等が挙げられる。
また、これらを混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
また、これらの着色剤は、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述したようなホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、着色剤粒子分散液を作製することができる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。本発明に係るトナーへの着色剤の添加量は、トナーに含まれる樹脂100質量部に対して4〜20質量部の範囲内が好適である。
前記疎水化処理は、疎水化処理剤に前記無機酸化物微粒子を浸漬等することにより行うことができる。前記疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シランカップリング剤が好適に挙げられる。
次に、本発明に係るトナーを製造する際に好適なコア/シェル構造のトナーの製造方法について説明する。
すなわち、前記好適なトナーの製造方法は、少なくとも粒子径が1μm以下の、第1の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液と、を混合し前記第1の樹脂微粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含むコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、前記コア凝集粒子の表面に第2の樹脂微粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集工程と、前記コア/シェル凝集粒子を前記第1の樹脂微粒子または前記第2の樹脂微粒子のガラス転移温度以上に加熱し融合・合一する融合・合一工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
前記好適なトナーの製造方法でトナーを作製することにより、離型剤の含有量が10〜40%の範囲内にある本発明に係るトナーを容易に得ることができる。
次に、樹脂微粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合し、第1の樹脂微粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ所望のトナー径にほぼ近い径を持つ、第1の樹脂微粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
また第1および第2の凝集工程において用いられる、第1の樹脂微粒子、第2の樹脂微粒子、着色剤粒子、離型剤粒子の粒子径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100〜300nmの範囲内であることがより好ましい。
尚、洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
尚、定着オイルの25℃における粘度は、離型剤の粘度測定同様にE型粘度計によって測定を行った。
本発明の画像形成方法は、少なくとも、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷画像現像剤用トナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、該像担持体表面に形成されたトナー像を記録媒体表面に転写し、記録媒体表面にトナー像を形成する転写工程と、前記記録媒体表面に形成されたトナー像を、加熱した定着ロールに接触させ、該トナー像を記録媒体表面に押圧することで、該記録媒体表面にトナー像を定着させる定着工程と、該記録媒体表面にトナー像を定着させた後の定着ロールを清掃する清掃工程と、を有する画像形成方法であって、前記静電荷画像現像剤用トナーは、離型剤の含有量が10〜40質量%であり、かつ、前記定着ロールは、表面の算術平均粗さRaが0.01〜5.0μmの金属ロールであることを特徴とする。
−金属ロールAの作製−
材質:SUS304
寸法:外形φ35mm/内径φ25mm/長さ385mm(円筒体)
表面の算術平均粗さ:Ra1.0μm(切削・研磨による表面加工)
金属ロールAの表面の算術平均粗さの測定は、接触型表面粗さ測定機(サーフコム1400A:(株)東京精密製)を使用した。測定条件はJIS B0602:94に基づき、評価長さ4.0mm、カットオフ値0.80mm、測定速度0.30mm/s、傾斜補正を最小二乗直線補正で行った。尚、評価長さ、カットオフ値の記載がない場合はJIS B0602:94の記載に基づいて、評価長さ、カットオフ値を標準値にしたために省略したものである。
表面の算術平均粗さRaを0.07μmにした以外は金属ロールAと同様の加工をして金属ロールBを作製した。
表面の算術平均粗さRaを2.8μmにした以外は金属ロールAと同様の加工をして金属ロールCを作製した。
表面の算術平均粗さRaを4.8μmにした以外は金属ロールAと同様の加工をして金属ロールDを作製した。
材質をSUS304からAlに変えた以外は金属ロールAと同様の加工をして金属ロールEを作製した。
表面の算術平均粗さRaを7.2μmにした以外は金属ロールAと同様の加工をして金属ロールFを作製した。
金属ロールBを更に電解研磨をかけて、表面の算術平均粗さRa0.005μmにした金属ロールGを作製した。
Al製の円筒体に高熱伝導性のシリコーンゴムよりなる耐熱性弾性層(ゴム硬度33°)を3mmの厚さに形成した下地ロールの上に、PFA組成物(MP102:三井・デュポン社製)を30μmの厚みにコーティングし、230℃で3時間焼き付けを行い、表面層を形成することにより、低表面エネルギー被覆定着ロールHを作製した。得られた定着ロールをブラスト処理して表面の算術平均粗さがRa1.8μmのロールを得た。
定着ロールHの表面をブラスト処理を省いた以外は定着ロールHと同様の製法で低表面エネルギー被覆定着ロールIを作製した。表面の算術平均粗さRaは0.8μmであった。
表面の算術平均粗さRaを0.52μmにした以外は金属ロールAと同様の加工をして金属ロールBを作製した。
(樹脂微粒子分散液1の調製)
・スチレン(和光純薬製):325部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):75部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9部
・1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5部
・ドデカンチオール(和光純薬製):2.7部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、さらに、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで充分にフラスコ内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量42%のアニオン性の樹脂微粒子分散液1を得た。
樹脂微粒子分散液1中の樹脂微粒子は、中心粒径が196nm、ガラス転移温度が51.5℃、重量平均分子量Mwが32400であった。
・スチレン(和光純薬製):280部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):120部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)1.5部をイオン交換水550部に溶解した溶液をフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、さらに、過硫酸アンモニウム0.4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで充分にフラスコ内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量42%のアニオン性の樹脂微粒子分散液2を得た。
樹脂微粒子分散液2中の樹脂微粒子は中心粒径が150nm、ガラス転移温度が53.2℃、重量平均分子量Mwが691200、数平均分子量Mnが244900であった。
・カーボンブラック(リーガル330:キャボット社製):30部
・アニオン界面活性剤(ニュ−レックスR:日本油脂(株)製):2部
・イオン交換水:220部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分予備分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機:杉野マシン製)を用い圧力245Mpaで15分間分散処理を行い、着色剤粒子の中心粒径が354nmで固形分が20.0%の着色剤粒子分散液1を得た。
・青色顔料(銅フタロシアニンC.I.Pigment Blue15:3:大日精化製):45部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機:杉野マシン製)を用い圧力245Mpaで15分間分散処理を行い、着色剤粒子の中心粒径が462nmで固形分量が20.0%の着色剤粒子分散液2を得た。
・パラフィンワックス HNP9(融点75℃:日本精鑞製):45部
・カチオン性界面活性剤Neogen RK(第一工業製薬製):5部
・イオン交換水:200部
上記成分を混合し100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離形剤粒子の中心粒径が196nm、固形分量が22.0%の離型剤粒子分散液1を得た。
・ポリエチレンwax PolyWax725(PW725、融点103℃ 東洋ペトロライト製):45部
・カチオン性界面活性剤Neogen RK(第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
上記成分を混合し95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離形剤粒子の中心粒径が186nm、固形分量が22.0%の離型剤粒子分散液2を得た。
・樹脂微粒子分散液1:106部
・樹脂微粒子分散液2:36部
・着色剤粒子分散液1:30部
・離型剤粒子分散液1:91部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した溶液を得た。
次いで、この溶液にポリ塩化アルミニウム0.4部を加えてコア凝集粒子を作製し、ウルトラタラックスを用いて分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコ内の溶液を攪拌しながら49℃まで加熱し、49℃で60分保持した後、ここに樹脂微粒子分散液1を緩やかに36部を追加し、コア/シェル凝集粒子を作製した。その後、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液のpHを5.6にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した後、冷却し、着色剤濃度26.4%の黒色トナーを得た。
離型剤粒子分散液1の配合量を45.5部に変えた以外はトナーAの作製と同様にトナーを作製し、平均粒径6.5μmのトナーBを得た。
離型剤粒子分散液1の配合量を182部に変えた以外はトナーAの作製と同様にトナーを作製し、平均粒径5.7μmのトナーCを得た。
離型剤粒子分散液1の配合量を22.7部に変えた以外はトナーAの作製と同様にトナーを作製し、平均粒径6.0μmのトナーDを得た。
離型剤粒子分散液1の配合量を204.5部に変えた以外はトナーAの作製と同様にトナーを作製し、平均粒径6.1μmのトナーEを得た。
離型剤粒子分散液1を離型剤粒子分散液2に変えた以外はトナーAの作製と同様にトナーを作製し、平均粒径6.0μmのトナーFを得た。
着色剤粒子分散液1を着色剤粒子分散液2に変えた以外はトナーAの作製と同様にトナーを作製し、平均粒径6.3μmのトナーGを得た。
トナーA〜Gの各々のトナー100部と、外添剤として疎水性シリカ微粒子TS720(キャボット社製)0.3部とをヘンシェルミキサーでそれぞれ混合して、外添トナーA〜Gを作製した(トナーAと外添剤を混合したものを外添トナーA、トナーBと外添剤を混合したものを外添トナーBとし、同様に外添トナーC〜Gを作製。)。
・フェライト粒子(平均粒径50μm、体積電気抵抗108Ω・cm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体:1.6部
(共重合比40:60、Mw=5万)
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製):0.12部
・架橋メラミン樹脂(数平均粒子径;0.3μm):0.3部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製し、この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。
キャリアを94部と外添トナーAを6部とを5分間V型ブレンダーで混合し現像剤Aを作製した。外添トナーB〜Gそれぞれについても、現像剤Aと同様にして現像剤B〜Gを作製した。
画像形成装置(DocuCentre450CP改造機:富士ゼロックス(株)社製、定着ロールを表1に記載の金属ロールA〜G、J及び低表面被覆定着ロールH、Iに変更し、定着ロールクリーナーを下記の定着ロールクリーナーに変更した。)を用い、表1に記載の現像剤A〜Gを用いて下記画質評価(初期、10万枚後、30万枚後)を行った。その評価結果を表2に示す。この際、現像剤をトナー載り量4.5g/m2に調整して画出しした後、プロセススピード280mm/secにて定着した。なお、画像形成に際して用いた用紙(記録媒体)としてはC2紙(富士ゼロックス(株)社製)を用いた。また、表1において、定着ロール離型剤供給の欄の「有」は、記録媒体表面にトナー像を定着させる際、定着オイル(KF96H10000cs(信越化学工業(株)製)、25℃における粘度が10000mm2/s)を7×10-3μl/cm2供給したことを意味する。
尚、上記画像形成は、帯電工程と、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを有するものである。
・剥離性
トナー画像を定着させる際の、定着ロールからのトナー画像の剥離を以下の基準で評価した。その結果を表2に示す。また、表2中、各注釈は以下の弊害が発生したことを表す。*1:画像表面荒れ、*2:高温オフセット、*3:スリップによる画像ずれ。
○:剥離がスムースで、実用上問題の無いレベルである。
△:一部剥離不良が起こっているが実用上問題ないレベルである。
×:定着時の剥離が不充分で、実用上問題となるレベルである。
××:定着時に剥離補助部材等に接触し画像欠損が起こるレベル、また一部定着ロールへの巻きつきが起こるレベルである。
得られた定着画像を以下の基準で評価した。その結果を表2に示す。また、表2中、各注釈は以下の弊害が発生したことを表す。*1:画像表面荒れ、*2:高温オフセット、*3:スリップによる画像ずれ。
○:画像を軽く爪で擦った際に、画像に欠損が発生せず、実用上問題の無いレベルである 。
△:画像を軽く爪で擦った際に、一部画像欠陥があるものの実用問題の無いレベルである 。
×:画像を軽く爪で擦った際に、画像に欠損が発生し、実用上問題となるレベルである。
××:画像を軽く爪で擦った際に、画像が欠損し殆どの画像が欠損し記録媒体から取れてしまうレベルである。
実施例1〜9それぞれにおいて、表3に示すようにトナー像を定着させる際に供給した定着オイルを供給しなかったこと以外、実施例1〜9それぞれと同様にして、それぞれ画像定着及び画像形成を実施(実施例10〜18)し、評価した。その結果を表4に示す。
・ポリエチレンワックス ポリワックス500(融点88℃ 東洋ペトロライト社製)100部を、攪拌機、温度計、窒素導入管、冷却管を付したフラスコに仕込み、窒素気流下120℃で加熱溶融した。次に、無水マレイン酸を5.0部、ベンゾイルパーオキサイドを1.0部を順次添加し、2時間反応攪拌した。反応終了後、攪拌下180℃、5.0mmHgの真空で1時間保つことにより未反応の無水マレイン酸やパーオキサイド分解物等の揮発成分を除去し、酸変性ポリエチレンワックスを得た。
・下記式(4)で表されるポリオルガノシロキサン:340部
・トルエン:1000部
以上を、還流装置、温度計、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた3Lセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下95℃まで加熱し攪拌した。ついで塩化白金酸を、金属白金に換算して濃度が15ppmとなるよう添加し、6時間反応させた。反応後、減圧下でトルエンを除去し、融点75℃、ηs120 18.0Pa・sの酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックス1を得た。
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):3.6部
・イオン交換水:400部
以上の成分を85℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液3を調整した。離型剤粒子分散液3における離型剤[酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックス1]の平均粒径は0.23μm、固形分比率は20%であった。
前記式(4)で表されるポリオルガノシロキサンのかわりに、下記式(5)で表されるポリオルガノシロキサンを用いた以外は、離型剤粒子分散液3の調整と同様に操作し、離型剤粒子分散液4を調整した。離型剤粒子分散液4における離型剤[酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックス2]の平均粒径は0.25μm、固形分比率は20%であった。
実施例1〜9それぞれにおいて、表5に示すように離型剤粒子分散液1(離型剤として「HNP9」を使用)又は離型剤粒子分散液2(離型剤として「PW725」を使用)の代わりに、前記離形剤粒子分散液3(離型剤として「酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックス1」を使用)を用いたこと以外、実施例1〜9それぞれと同様にして、それぞれ画像定着及び画像形成を実施し(実施例19〜27)、評価した。その結果を表6に示す。
実施例1〜9それぞれにおいて、表5に示すように離型剤粒子分散液1(離型剤として「HNP9」を使用)又は離型剤粒子分散液2(離型剤として「PW725」を使用)の代わりに、前記離形剤粒子分散液4(離型剤として「酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックス2」を使用)を用いたこと以外、実施例1〜9それぞれと同様にして、それぞれ画像定着及び画像形成を実施し(実施例28〜36)、評価した。その結果を表6に示す。
尚、表5中離型剤の種類の欄に、変性PEワックス1と記載されているものは、酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックス1を含有している離型剤粒子分散液3を用いていることを示し、変性PEワックス2と記載されているものは、酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックス2を含有している離型剤粒子分散液4を用いていることを示す。
Claims (6)
- 静電荷画像現像剤用トナーにより記録媒体表面に形成されたトナー像を、加熱した定着ロールに接触させ、該トナー像を記録媒体表面に押圧することで、該記録媒体表面にトナー像を定着させる定着工程と、該記録媒体にトナー像を定着させた後の定着ロールを清掃する清掃工程と、を有する画像定着方法であって、
前記静電荷画像現像剤用トナーは、離型剤の含有量が10〜40質量%であり、
かつ、前記定着ロールは、表面の算術平均粗さRaが0.01〜5.0μmの金属ロールであることを特徴とする画像定着方法。 - 前記記録媒体表面へのトナー像の定着を、25℃における粘度が5000〜30000mm2/s(5000〜30000cs(センチストークス))である定着オイルを供給しながら行うことを特徴とする請求項1に記載の画像定着方法。
- 前記離型剤は、ポリエチレンワックス及び無水マレイン酸をグラフト重合することにより得られる酸変性ポリエチレンワックスと、少なくとも1つのヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンと、をヒドロシリル化反応させることにより得られる酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像定着方法。
- 少なくとも、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷画像現像剤用トナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、該像担持体表面に形成されたトナー像を記録媒体表面に転写し、記録媒体表面にトナー像を形成する転写工程と、前記記録媒体表面に形成されたトナー像を、加熱した定着ロールに接触させ、該トナー像を記録媒体表面に押圧することで、該記録媒体表面にトナー像を定着させる定着工程と、該記録媒体表面にトナー像を定着させた後の定着ロールを清掃する清掃工程と、を有する画像形成方法であって、
前記静電荷画像現像剤用トナーは、離型剤の含有量が10〜40質量%であり、
かつ、前記定着ロールは、表面の算術平均粗さRaが0.01〜5.0μmの金属ロールであることを特徴とする画像形成方法。 - 前記記録媒体へのトナー像の定着を、25℃における粘度が5000〜30000mm2/s(5000〜30000cs(センチストークス))である定着オイルを供給しながら行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
- 前記離型剤は、ポリエチレンワックス及び無水マレイン酸をグラフト重合することにより得られる酸変性ポリエチレンワックスと、少なくとも1つのヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンと、をヒドロシリル化反応させることにより得られる酸変性・シリコーン変性ポリエチレンワックスであることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成方法。
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