JP2007079456A - 測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ホログラム記録層を有する記録媒体において、従来よりも簡単で、使いやすい多重記録特性などの測定方法を提供すること。
【解決手段】 記録媒体のホログラムが記録されるホログラム記録層に対し、各ホログラム11、12、13が互いに重ならないように分散させて複数のホログラムを記録してホログラム群11G、12G、13Gを形成し、ホログラム群11G、12G、13Gを必要な回数重畳させて多重記録領域21、31を形成し、記録領域内に多重記録領域を含むホログラムを再生して多重記録時におけるホログラム又はホログラム記録層の特性を測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物体波と参照波によって形成される干渉縞をホログラムとして記録することができるホログラム記録層において、ホログラムを重ねて記録する多重記録時におけるホログラム又はホログラム記録層の特性の測定方法に関する。
ホログラフィを利用して光情報記録媒体に情報を記録するホログラフィック記録は、一般的に、イメージ情報を持った情報光と参照光とを光情報記録媒体の内部で重ね合わせ、そのときにできる干渉縞を光情報記録媒体の情報記録層に書き込むことによって行われる。記録された情報の再生時には、その光情報記録媒体に参照光を照射することにより、干渉縞による回折によってイメージ情報を持つ再生光が再生される。
近年、ホログラフィック記録において、超高密度のデータ密度とするために、ボリュームホログラフィ、特にデジタルボリュームホログラフィが注目を集めている。ボリュームホログラフィとは、光情報記録媒体の厚み方向も積極的に活用して、3次元的に干渉縞を書き込む方式であり、デジタルボリュームホログラフィとは、ボリュームホログラフィと同様の光情報記録媒体と記録方式を用いつつも、記録するイメージ情報は2値化したデジタルパターンに限定した、コンピュータ指向のホログラフィック記録方式である。このデジタルボリュームホログラフィにおいては、例えばアナログ的な絵のような画像情報も、一旦デジタル化して、2次元デジタルパターン情報に符号化し、これをイメージ情報として記録する。再生時は、この2次元デジタルパターン情報を読み出してデコードすることで、元の画像情報に戻して表示する。これにより、再生時にSN比(信号対雑音比)が多少悪くても、微分検出を行ったり、2値化データをコード化しエラー訂正を行ったりすることで、極めて忠実に元の情報を再現することが可能になる。
こうしたボリュームホログラフィにおいては、ホログラム記録層の厚みを増すことで回折効率を高め、多重記録を用いて記録容量を飛躍的に増大させることができるという特徴がある。多重記録とは、既に情報光および記録用参照光を照射してホログラムを記録した領域の一部又は全部に別のホログラムを重ねて記録する方法である。
ホログラムを記録するための記録媒体におけるホログラム記録層は、情報光及び参照光に対して感光性を有するモノマーが混入されており、情報光及び参照光が干渉して形成された干渉縞によってモノマーの一部が反応してポリマーとなることで、屈折率等の光学特性を変化させ、干渉縞(ホログラム)を記録する。つまり、ホログラムを記録することによって、ホログラム記録層中のモノマーの一部が消費される。また、記録された部分のモノマー濃度が減少すると、周囲からモノマーが拡散移動する。
多重記録する場合、徐々にホログラム記録層中のモノマー濃度が減少するため、多重度が増えると情報光及び参照光の光強度を強くしたり、照射時間を長くして露光量を多くする必要があった。この多重度に応じて露光量を変更することをスケジューリングと呼ぶこともある。
従来、多重記録した時のホログラム又はホログラム記録層の特性(以下「多重記録特性」と呼ぶ)を測定する方法として、可変ピッチの渦巻き状シフト多重方式(VPS:Variable Pitch Spiral method)が知られていた(非特許文献1及び2)。このVPS方式は、図6(A)及び(B)に示すように、最後のホログラムが目的の多重度Mとなるように、外側から渦巻き状に(2M1/2−1)×(2M1/2−1)個のホログラムを(スポット径/M1/2)のピッチで移動させながら、多重記録していく方式である。図6では、M=9とし、5×5=25個のホログラムをスポット径の1/3のピッチで渦巻き状に移動させてシフト多重記録している。なお図6(A)ではホログラムの記録領域を、(B)ではホログラムの中心の位置を示している。
すなわち、最初、位置601aを中心としてホログラム601(点線で示す)を記録する。次に、位置601aからスポット径の1/3のピッチ移動した位置602aを中心として、ホログラム602(点線で示す)を記録する。順次、位置603a乃至624aを中心としてホログラム603乃至624を記録し、最後に、多重記録領域全体の中央である位置625aを中心とするホログラム625(太線で示す)を記録し、再生して、SNR(Signal−to−Noise Ratio)、BER(Bit Error Rate)、回折効率などを測定していた。
こうして記録された中央のホログラム625は、それ以前に記録したホログラム601〜624の一部と重畳しており、その多重度は9となる。なお、多重度M=4の場合は9個のホログラムをスポット径の1/2のピッチで移動させればよく、M=25の場合は、81個のホログラムをスポット径の1/5のピッチで移動させればよい。
イシオカ他、「講演番号ThE3、青色レーザー及びランダム位相マスクを用いたコリニア光学のホログラフィック記録システム(Optical Collinear Holographic Recording System Using a Blue Laser and a Random Phase Mask)」、光記録及び光データストレージに関する国際シンポジウム(International Symposium on Optical Memory and Optical Data storage)の技術要約、米国、2005年7月10−14日 サトウ他、「講演番号Th−J−06、可変ピッチ渦巻方法による多重ホログラムの評価(Evaluation of Multiplex Hologram by Variable Pitch Spiral Method)」、光記録に関する国際シンポジウム2004(International Symposium on Optical Memory)の技術要約、韓国、2004年10月11−15日、184−185頁
しかしながら、VPS方式の場合、最後に記録される中央のホログラム(図6においては625)でしか多重記録特性の評価ができない。中央のホログラム625を記録する場合は、その記録領域内の既に記録されたホログラム601〜624が平均的に分散され、多重度の分布も均等となっているから、記録領域の多重度を約8とみなし、ホログラム625の記録再生特性を多重度9の多重記録特性として評価できる(但し後述するように誤差が大きい)。これに対し、それ以外のホログラム(図6における601〜624)を記録する場合は、記録領域内の既に記録されたホログラムの分布が一様ではなく記録領域の多重度が不均一となっており、多重度を特定できない。このため、中央のホログラム以外では多重記録特性を正確に評価できないのである。
より分かりやすく説明するため、図6(C)及び(D)では、ホログラムの形状を正方形とした場合のVPS方式による多重記録を示す。図6(C)及び(D)において、ホログラムの領域中の数字は、その領域の多重度を示し、点線の太線で示す領域がこれからホログラムを記録する領域である。図6(C)は、最後のホログラム625を記録する前の状態であり、ホログラム625の記録領域(点線の太線で示す)は、既に記録されたホログラムによって、多重度が8となっていることが分かる。図6(D)は、7番目のホログラム607を記録する前の状態であり、ホログラム607の記録領域(点線の太線で示す)は、多重度が2、3及び4の領域がそれぞれ全体の1/9、更に多重度が1の領域が1/3、まだホログラムが記録されていないが領域が1/3存在している。このように、記録領域中の多重度が不均一であり、且つホログラム記録層中のモノマーは拡散移動するので、多重記録特性の定量的な評価とすることができなかった。
更に、渦巻き状の周辺のホログラムは、記録領域中にホログラムが全く記録されていない領域や多重度の少ない領域がかなりの割合で含まれるため、記録領域中に高濃度のモノマーが存在しており、記録するために必要な露光量が少なくてすむ。例えば、図6(D)において、ホログラム607の記録領域(点線の太線で示す)には、多重度が2乃至4の領域がそれぞれ全体の1/9と多重度が1の領域が1/3存在しており、平均すると多重度が4/3(1/3+2/9+3/9+4/9)となり、多重度が1よりも大きくなるが、実際には、多重度が1の領域が1/3、まだホログラムが記録されていないが領域が1/3存在しており、これらの領域における高濃度のモノマーによって、少ない露光量でもホログラムの記録が可能となりうる。
その結果、渦巻き状の周辺のホログラムは、目的の多重度におけるモノマー濃度よりも高濃度のモノマーが残存してしまう。このため、周辺のホログラムに重ねて記録される渦巻き状の内側のホログラムも、少ない露光量で記録されることになる。結局、最後に記録される中央のホログラム625においても、図6(C)に示すように、多重度が8とみなせるように多重記録されているはずが、実際に8回多重記録して多重度が8となっている領域に比べて、モノマー濃度が高くなっており、ホログラム625を記録再生することで得られる特性は、多重度9の多重記録特性として誤差が大きいものであった。
また、VPS方式の場合、目的とする多重度Mは、ピッチによって一義的に決まってしまう。このため、異なる多重度の多重記録特性を測定する場合は、また一から渦巻き状の多重記録を行う必要がある。更に、ホログラム記録層の多重度の限界を調べる場合は、ピッチを変えながら、それぞれの多重度について渦巻き状の多重記録を行わなければならなかった。VPS方式においてピッチを変更すると、多重記録の条件も変わってしまうので、各渦巻き状の多重記録におけるスケジューリングもその度に再設計しなければならず、作業量は膨大なものとなってしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ホログラム記録層を有する記録媒体において、従来よりも簡単で、使いやすい多重記録特性などの測定方法を提供することを目的とする。
本発明の測定方法は、記録媒体のホログラムが記録されるホログラム記録層に対し、各ホログラムが互いに重ならないように分散させて複数のホログラムを記録してホログラム群を形成し、前記ホログラム群を必要な回数重畳させて多重記録領域を形成し、記録領域内に前記多重記録領域を含むホログラムを再生して多重記録時におけるホログラム又はホログラム記録層の特性を測定することを特徴とする。
更に、上記測定方法において、前記ホログラム群を形成する際に、前記ホログラム記録層に既に記録されているホログラムの中心と重畳しない位置を中心として当該ホログラム群に含まれる各ホログラムを記録することが好ましい。このような構成を採用することにより、ホログラム記録層中のモノマーの消費をより平均化することができる。
更に、上記測定方法において、前記ホログラム群を形成する際に、当該ホログラム群に含まれる複数のホログラムのうち少なくとも一つのホログラムは、その記録領域中における多重度の分布が均等となるように配置することが好ましい。このような構成を採用することにより、当該ホログラムの記録領域中では、平均的にホログラム記録層中のモノマーが消費されており、そのホログラムの多重度を評価することができる。
更に、上記測定方法において、前記ホログラム群を形成する際に、前記ホログラム記録層に既に記録されているホログラムの中心から最も離間する位置を中心として当該ホログラム群に含まれる各ホログラムを記録することが好ましい。このような構成を採用することにより、ホログラム記録層中のモノマー濃度が高い領域を中心としてホログラムを記録することができ、効率的且つ均一にモノマーを消費することができる。
更に、上記測定方法において、前記各ホログラム群を形成する際に、当該ホログラム群に含まれる複数のホログラムのうち周辺に配置されたものを除いて、各ホログラムの記録領域中における多重度の分布状態が等しくなるように当該ホログラム群に含まれる複数のホログラムを配置することが好ましい。このような構成を採用することにより、多重度が均等に分布した多重記録領域を形成することができる。
更に、上記測定方法において、前記各ホログラム群における複数のホログラムは、隣接するホログラムの中心を直線で結んだ時の中心角が90度となるように規則的に配置されていたり、隣接するホログラムの中心を直線で結んだ時の中心角が60度となるように規則的に配置されていてもよい。これらの構成を採用することにより、各ホログラム群の複数のホログラムを均一に分散させて配置することができ、ホログラム記録層中のモノマーを平均的に消費することができる。
更に、上記測定方法において、前記各ホログラム群における複数のホログラムは、隣接するホログラムの中心間のピッチがホログラムの直径となるように配置されていることが好ましい。このような構成を採用することにより、ホログラムの密度を高くでき、多重度を大きくすることができる。
更に、上記測定方法において、前記多重記録領域を形成するホログラム群に含まれる複数のホログラムの少なくとも一つを再生して特性を測定することが好ましい。このような構成を採用することにより、特性測定用のホログラムを別途記録する必要がなくなり、また多重記録特性を測定した後も続けて次のホログラム群を記録することができる。
更に、上記測定方法において、前記再生されるホログラム群のホログラムは、当該ホログラム群に含まれる他のホログラムに囲まれていることが好ましい。このような構成を採用することにより、周囲のホログラムによって平均的にホログラム記録層中のモノマーが消費されているので、多重記録特性の測定結果が安定し、より定量的な評価が可能となる。
更に、上記測定方法において、前記ホログラム群の複数のホログラムは、同じ露光量の光によって記録されることが好ましい。このような構成を採用することにより、ホログラム記録層中のモノマーを均一に消費できる。
更に、上記測定方法において、前記測定される特性は、BER、SER、回折効率、SNR、クロストークノイズ、グレーティングノイズ、多重度に対する露光量の関係又はホログラム記録層のMナンバーであってもよい。
本発明の測定方法によれば、ホログラム群の数を増やすことにより、容易に所定の多重度の多重記録特性を測定することができる。また、ホログラム群の各ホログラムが互いに重ならないように分散されているので、各ホログラム群は、ホログラム記録層中のモノマーを平均的に消費するので、安定した多重記録特性を測定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5を用いて説明する。
本発明の測定方法は、まず、記録媒体のホログラムが記録されるホログラム記録層に対し、各ホログラム11が互いに重ならないように分散させて複数のホログラム11を記録する。この複数のホログラム11によって第1のホログラム群11Gが形成される。第1のホログラム群11Gを記録するに際し、第1のホログラム群11Gの複数のホログラム11は、同じ露光量の光によって記録されていると、均一にモノマーを消費できるので好ましい。図1(A)においては、第1のホログラム群11Gの複数のホログラム11は、それぞれ垂直な行列に沿って配置されており、隣接するホログラムの中心11aを直線で結んだ時の中心角が90度となるように規則的に配置されている。更に、図1(A)においては、第1のホログラム群11Gの複数のホログラム11は、隣接するホログラム11の中心11a間のピッチがホログラムの直径となるように均等に分散させて配置されている。隣接するホログラムの中心間のピッチがホログラムの直径となるように配置されていると、ホログラムの密度を高くでき、多重度を大きくすることができる。
ここで、第1のホログラム群11Gのホログラム11を再生して初期特性を測定しておくことが好ましい。また、特性測定用のホログラムを記録領域内にホログラム11の少なくとも一部を含むように記録し、それを再生して多重記録時におけるホログラム又はホログラム記録層の特性を測定してもよい。
次に、各ホログラム12が互いに重ならないように分散させて複数のホログラム12を記録して第2のホログラム群12Gを形成する。第2のホログラム群12Gの少なくとも一部は、第1のホログラム群11G(図1(B)においては点線で示す)と重畳させる。そして、第1のホログラム群11Gのホログラム11と第2のホログラム群12Gのホログラム12とが重畳して、多重記録領域21(斜線で示す)が形成される。第2のホログラム群12Gを記録するに際し、第2のホログラム群12Gの複数のホログラム12は、同じ露光量の光によって記録されていると、均一にモノマーを消費できるので好ましい。
図1(B)においては、第2のホログラム群12Gの複数のホログラム12は、それぞれ垂直な行列に沿って配置されており、隣接するホログラムの中心12aを直線で結んだ時の中心角が90度となるように、第1のホログラム群11Gと同じ規則で配置されている。更に、図1(B)においては、第2のホログラム群12Gの複数のホログラム12は、隣接するホログラム12の中心12a間のピッチがホログラムの直径となるように均等に分散させて配置されている。
また、図1(B)に示すように、第2のホログラム群12Gの複数のホログラム12は、ホログラム記録層に既に記録されているホログラム11の中心11aと重畳しない位置を中心12aとしている。ホログラム群を形成する際に、ホログラム記録層に既に記録されているホログラムの中心と重畳しない位置を中心として当該ホログラム群に含まれる各ホログラムを記録すると、ホログラム記録層中のモノマーの消費を平均化することができる。
更に、図1(B)の第2のホログラム群12Gの各ホログラム12は、ホログラム記録層に既に記録されているホログラム11の中心11aから最も離間する位置を中心12aとして記録されている。そして、第2のホログラム群12Gに含まれる複数のホログラム12のうち左下の3×3個のホログラム12は、その記録領域中における多重度の分布が均等となっている。また、左下の3×3個のホログラム12は、記録領域中における多重度の分布状態が等しくなっており、多重度が均等に分布した多重記録領域を形成することができる。
ここで、記録領域内に多重記録領域21を含むホログラム11又はホログラム12を再生して多重記録時におけるホログラム又はホログラム記録層の特性を測定してもよい。例えば、ホログラム12からは、既に記録されているホログラム11に重畳させて記録した時の多重記録特性を評価できる。ホログラム11からは、第2のホログラム群12Gを形成する前と形成した後の特性を比較することで、記録領域内に後から他のホログラム12を重畳させて多重記録した時の既に記録されているホログラム11への影響を評価できる。
また、ホログラム群11G又は12Gに含まれるホログラム11又は12ではなく、別途、特性測定用のホログラムを記録領域内に多重記録領域21を含むように記録し、それを再生して多重記録時におけるホログラム又はホログラム記録層の特性を測定してもよい。
再生されるホログラムは、その記録領域中における多重度の分布が均等となっていることが好ましい。記録領域中における多重度の分布が均等であれば、平均的にホログラム記録層中のモノマーが消費されており、そのホログラムの多重度を評価することができる。第2のホログラム群12Gのホログラム12を再生するのであれば、上述したとおり、左下の3×3個のホログラム12の何れかを再生することが好ましい。
また、ホログラム11を再生する場合、再生されるホログラムは、ホログラム群11Gに含まれる他のホログラム11に囲まれていることが好ましく、ホログラム12を再生する場合、再生されるホログラムは、ホログラム群12Gに含まれる他のホログラム12に囲まれていることが好ましい。例えば、第1のホログラム群11Gであれば、図1(A)の中央に位置する2×2のホログラム11の何れかであり、第2のホログラム群12Gであれば、図1(B)の中央2×2のホログラム12の何れかである。この場合、周囲のホログラムによって平均的にホログラム記録層中のモノマーが消費されているので、多重記録特性の測定結果が安定し、より定量的な評価が可能となる。図1においては、4×4=16個のホログラムを記録しているが、最低3×3=9個のホログラムをホログラム群として記録すれば、中央のホログラムが他のホログラムに囲まれることになり好ましい。
更に、各ホログラム13が互いに重ならないように分散させて複数のホログラム13を記録して第3のホログラム群13Gを形成する。第3のホログラム群13Gの少なくとも一部は、第1又は/及び第2のホログラム群11G、12G(図1(C)においては点線で示す)と重畳させる。そして、ホログラム11、ホログラム12及びホログラム13の内、2つ又は3つのホログラムが重畳した多重記録領域31(斜線で示す)が形成される。第3のホログラム群13Gを記録するに際し、第3のホログラム群13Gの複数のホログラム13は、同じ露光量の光によって記録されていると、均一にモノマーを消費できるので好ましい。
図1(C)においては、第3のホログラム群13Gの複数のホログラム13は、それぞれ垂直な行列に沿って配置されており、隣接するホログラムの中心13aを直線で結んだ時の中心角が90度となるように、第1及び第2のホログラム群11G、12Gと同じ規則で配置されている。更に、図1(C)においては、第3のホログラム群13Gの複数のホログラム13は、隣接するホログラム13の中心13a間のピッチがホログラムの直径となるように均等に分散させて配置されている。
また、図1(C)に示すように、第3のホログラム群13Gの複数のホログラム13は、ホログラム記録層に既に記録されているホログラム11、12の中心11a、12aと重畳しない位置を中心13aとしている。更に、図1(C)の第3のホログラム群13Gの各ホログラム13は、ホログラム記録層に既に記録されているホログラム11、12の中心11a、12aから最も離間する位置を中心13aとして記録されている。そして、第3のホログラム群13Gに含まれる複数のホログラム13のうち左上の3×3個のホログラム13は、その記録領域中における多重度の分布が均等となっている。また、左上の3×3個のホログラム13は、記録領域中における多重度の分布状態が等しくなっており、多重度が均等に分布した多重記録領域を形成することができる。
ここで、記録領域内に多重記録領域31を含むホログラム11、ホログラム12又はホログラム13を再生して多重記録時におけるホログラム又はホログラム記録層の特性を測定してもよい。また、別途、特性測定用のホログラムを記録領域内に多重記録領域31を含むように記録し、それを再生して多重記録時におけるホログラム又はホログラム記録層の特性を測定してもよい。
図1(C)において、第3のホログラム群13Gのホログラム13を再生するのであれば、左上の3×3個のホログラム13の何れかを再生すると、その記録領域中における多重度の分布が均等となっているため好ましい。特に、第3のホログラム群13Gの中央に位置する2×2のホログラム13(太線で示す)は、他のホログラム13に周囲を囲まれているため、再生するホログラムとしてより好ましい。
このようにして、ホログラム群を一つの層として、積層して多重記録領域を形成し、多重記録領域を含むホログラムの多重記録特性を測定すれば、各多重度の多重記録特性を容易に測定することができ、均一にモノマーを消費させることができ、安定した多重記録特性の測定を行うことができる。
図1(D)は、図1(A)に示す第1のホログラム群と同じ規則性を有するホログラム群を9回重畳させて多重記録領域を形成した状態を示す図である。第9のホログラム群19Gを太線で示し、他のホログラム群を点線で示す。
図1(D)においても、9個のホログラム群の各ホログラムは、全て異なる位置を中心として記録されている。なお、同一の位置を中心として、光の照射角度、光の波長または参照光のパターンを変更して多重記録してもよいが、光の照射角度、光の波長または参照光のパターンを変更しなければならない。但し、ホログラム群の照射位置の変化を周期的に変化させることで、変更の回数を減らすこともできる。例えば、第100のホログラム群までは、各ホログラムを全て異なる位置を中心として記録し、第101のホログラム群の各ホログラムは、光の照射角度、光の波長または参照光のパターンを変更し、それぞれ第1のホログラム群の各ホログラムと同じ位置を中心として記録し、その後、第102〜第200のホログラム群までは、それぞれ第2〜第100のホログラム群までの各ホログラムの中心と同じ位置を中心として記録してもよい。
更に、図1(D)の第2乃至第9のホログラム群の各ホログラムは、ホログラム記録層に既に記録されているホログラムの中心から最も離間する位置を中心として記録されている。既に記録されているホログラムの中心から最も離間する位置を中心として記録すると、ホログラム記録層中のモノマー濃度が高い領域を中心としてホログラムを記録することができ、効率的且つ均一にモノマーを消費することができる。
図2は、隣接するホログラムの中心を直線で結んだ時の中心角が90度となるように規則的に配置されたホログラム群を重畳させる場合において、各ホログラム群を記録する際のホログラムの中心から最も離間する位置を説明するための図である。図2においては、第1のホログラム群の4つのホログラムの中心a1、a2、a3、a4(●)によって構成される正方形a1234内における他のホログラム群のホログラムの中心の配置を示す。なお、図2における各中心の図形を括弧の中に示す。以下も同じ。
最初は、正方形a1234の中心b1(■)が、既に記録されているホログラムの中心a1、a2、a3、a4から最も離間する位置となり、第2のホログラム群12Gのホログラム12の中心となる。
次に、正方形a1122の中心c1(▲)、正方形a1143の中心c2(▲)、正方形b1243の中心c3(▲)、正方形a4145の中心c4(▲)が、既に記録されているホログラムの中心a1〜4、b1から最も離間する位置となる。なお、中心b2〜5(□)は、正方形a1234の外側における第2のホログラム群12Gのホログラム12の中心である。中心c1〜4 (▲)間の距離がホログラムの直径よりも長い場合、中心c1〜4 (▲)の全てを第3のホログラム群のホログラムの中心とすることができる。また、中心c1〜4 (▲)間の距離がホログラムの直径よりも短い場合は、中心c1とc4の組と中心c2とc3の組の何れか一方を選択して、第3のホログラム群のホログラムの中心とし、他の一方を第4のホログラム群のホログラムの中心とする。なお、中心c1とc4間の距離及び中心c2とc3間の距離は、第1のホログラム群のホログラム間の距離(例えばa1〜a2)と同じであり、互いのホログラムは重ならないので、同じホログラム群とすることができる。
更に、正方形a1112の中心d1(★)、正方形c1231の中心d2(★)、正方形c2144の中心d3(★)、正方形b1334の中心d4(★)が、既に記録されているホログラムの中心a1〜4、b1、c1〜4から最も離間する位置となる。中心d1〜4 (★)間の距離がホログラムの直径よりも短い場合は、中心d1〜4 (★)を一つずつ第5〜第8のホログラム群のホログラムの中心として選択する。ここで、2番目に選択するホログラム群のホログラムの中心は、最初に選択したホログラム群のホログラムの中心(例えばd1)と隣接する中心(d2、d3)以外の中心(d4)を選択すると、平均的にモノマーを消費することができ好ましい。
その後、正方形a1511、正方形c1622、正方形a1127、正方形d1121、正方形d2283、正方形c2113、正方形b1234、正方形c2349、正方形d3144、正方形d43103、正方形a43411及び正方形c43412の中心e1〜12(○)が、既に記録されているホログラムの中心a1〜4、b1、c1〜4、d1〜4から最も離間する位置となる。なお、中心d5〜12(☆)は、中心d1〜4 (★)のホログラムを有するホログラム群の正方形a1234の外側におけるホログラムの中心である。
そして、中心e1〜12(○)において、ホログラムの直径よりも近い距離に位置する中心同士が、別のホログラム群となるように選択する。例えば、中心e1(○)のホログラムと中心e10、11、12(○)のホログラムは重ならないので、中心e1(○)と中心e10、11、12(○)の何れか一つは、同じホログラム群とすることができる。最も密度を高くして、図1のようにホログラムの中心間をホログラムの直径とした場合、中心e1とe11の組、中心e2とe12の組、中心e3とe5の組、中心e4、中心e6、中心e7、中心e8とe10の組、中心e9の8のホログラム群を記録することができ、それぞれ第9〜第16のホログラム群の何れかのホログラムの中心として選択することになる。
ここで、e1〜12の中心を選択する場合も、平均的にモノマーを消費するため、隣接する中心を連続して選択しないことが好ましい。特に、複数の選択可能な中心の中から、既に選択して記録したホログラムの中心から最も離間した位置とすることが好ましい。例えば、中心e1とe11の組をホログラムの中心として選択して、第9のホログラム群を記録したら、次は、中心e7をホログラムの中心として第10のホログラム群を記録する。その後、中心e2とe12の組か中心e6の何れかを第11のホログラム群のホログラムの中心として選択し、他方を第12のホログラム群のホログラムの中心として選択する。更に、中心e3とe5の組、中心e4、中心e8とe10の組、中心e9の一つを第13のホログラム群のホログラムの中心として選択し、その対角に位置する中心を第14のホログラム群のホログラムの中心として選択し、残った2つの一方を第15のホログラム群、他方を第16のホログラム群のホログラムの中心としてそれぞれ選択する。
図3は、隣接するホログラムの中心を直線で結んだ時の中心角が60度となり、ホログラムの中心間のピッチがホログラムの直径となるように規則的に配置されたホログラム群を重畳させる場合において、各ホログラム群を記録する際のホログラムの中心から最も離間する位置を説明するための図である。図3においては、中央に1つのホログラムを配置し、その周囲に6つのホログラムを配置し、全体として正六角形となるホログラム群を使用した。図3において、第1のホログラム群の7つのホログラムについては、中心a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7(●)を示したが、第2のホログラム群以降は、各ホログラム群の中央のホログラムの中心のみを示すこととする。
最初は、第1のホログラム群の隣接するホログラムによって構成される正三角形a123の中心b1(■)及び正三角形a156の中心b2(■)が、既に記録されているホログラムの中心a1〜7から最も離間する位置となり、第2または第3のホログラム群のホログラムの何れかの中心となる。なお、他の三角形、例えば正三角形a134等の中心は、第2または第3のホログラム群における周辺のホログラムの中心となる。
次は、第1のホログラム群の中央のホログラムの中心a1と第2または第3のホログラム群のホログラムの中心とによって構成される正三角形T(一つだけ一点鎖線で例示した)の中心c1、c2、c3、c4、c5、c6(▲)が、既に記録されているホログラムの中心a1〜7、b1〜n(nは図示していない第2または第3のホログラム群のホログラムの中心の数)から最も離間する位置となり、第4乃至第9のホログラム群のホログラムの何れかの中心となる。なお、例えば中心c1を第4のホログラム群の中心として選択した場合は、次の第5のホログラム群の中心としては、多重度の偏りを防ぐため、隣接する中心c2とc6(▲)以外の中心c3、c4、c5を選択することが好ましい。
更に、正三角形a123や正三角形b123と合同な正三角形の中心d1〜18(★)が、既に記録されているホログラムの中心a1〜7、b1〜n、c1〜m(mは図示していない第4乃至第9のホログラム群のホログラムの中心の数)から最も離間する位置となり、第10乃至第27のホログラム群のホログラムの何れかの中心となる。ここで、平均的にモノマーを消費するため、隣接する中心を連続してホログラム群のホログラムの中心として選択しないことが好ましい。特に、複数の選択可能な中心の中から、既に選択して記録したホログラムの中心から最も離間した位置とすることが好ましい。
図3の各ホログラム群において、中央に位置するホログラムは、他のホログラムによって囲まれており、平均的にホログラム記録層中のモノマーが消費されている。このため、各ホログラム群のホログラムを再生して多重記録特性を測定する場合は、中央のホログラムを再生すると、多重記録特性の測定結果が安定し、より定量的な評価が可能となるので好ましい。また、図3の各ホログラム群において、隣接するホログラムの中心間のピッチがホログラムの直径となるように配置されているので、ホログラムの充填密度を高くすることができ、多重度を大きくすることができる。
なお、図3の各ホログラム群においては、中央のホログラムを囲うのに必要な6個のホログラムしか示していないが、更に隣接するホログラムの中心を直線で結んだ時の中心角が60度となるようにホログラムを記録すれば、周辺に配置されたホログラムを除いて、各ホログラムの記録領域中における多重度の分布状態が等しくなるように記録される。
図4は、ホログラム群における複数のホログラムの配置についての他の実施態様である。図4は、各ホログラム群41G、42G、43G…において、複数のホログラム41、42、43を互いを重ならないようにランダムに配置して記録媒体のホログラム記録層2に記録した場合である。この場合、各ホログラム群における単位面積当たりのホログラム数から、多重度を算出することができる。単位面積当たりのホログラム数は、多重度を大きくするため多い方が好ましい。単位面積当たりのホログラム数を多くするため、ホログラムの直径間のピッチがホログラムの直径となるようにするとよい。また、各ホログラム群の単位面積当たりのホログラム数が同じである方が安定した多重記録特性を得ることができるので好ましい。再生するホログラムの数(標本)を増やすことによって、より平均的な多重記録特性を得ることができる。
測定する特性としては、BER(Bit Error Rate)、SER(Sinble Error Rate)、回折効率、SNR(Signal−to−Noise Ratio)、クロストークノイズ、グレーティングノイズ、多重度に対する露光量の関係又はホログラム記録層のMナンバーである。
BERは、記録した情報と再生した情報をビット毎に対比した時の誤りの割合を意味する。SERは、記録する情報を一定情報量の単位毎に符号化して、2次元パターン情報のシンボル単位を生成し、2次元パターン情報のシンボル単位を平面的に配置して情報光用空間変調パターンを形成して、情報光用空間変調パターンによって情報光を生成した場合に、再生したときの再生光の空間変調パターンを情報光用空間変調パターンとビット毎に対比するのではなく、シンボル単位毎に対比した時の誤りの割合を意味する。回折効率は、再生用参照光の強度と再生光の強度の比から求められ、SNRは、再生光の信号とノイズの比から求められる。
クロストークノイズとは、再生した時に、記録領域に既に記録されているホログラムによる影響に関する。例えば、第3のホログラム群のホログラムを再生したのに、第2のホログラム群のホログラムの一部を再生した場合の第2のホログラム群のホログラムによる再生信号のことである。
グレーティングノイズとは、ホログラムを記録する際に、ホログラム記録層中に記録されたホログラムによって、記録するホログラムに与える影響に関する。例えば、第3のホログラム群を記録する場合は、ホログラム記録層中には多くても2個のホログラムしか記録されていないため、ホログラムは正確に記録されるが、第100のホログラム群を記録する場合においては、既に最大100個のホログラムが記録されており、ホログラムを正確に記録できず、再生したときにエラーとなる現象などである。
多重度に対する露光量の関係は、各ホログラム群を記録する時に情報光と記録用参照光の光強度やレーザーのパルス数を少しずつ増やしながら、記録再生を繰返して、十分な再生強度を得ることができた露光量を測定し、これを各多重度で測定すればよい。この測定結果によって、スケジューリングを行うことができる。そして、各ホログラム群を記録する際には、その多重度に適した露光量を選択し、ホログラム群の複数のホログラムを同じ露光量の光によって記録することが好ましい。更に、再生時における再生用参照光の最適化にも利用可能である。
ホログラム記録層のMナンバー(M/#とも表記する)は、ホログラム記録層における多重度の限界値に関する特性であり、ホログラム群をどれだけ積層できるかによって測定することが可能である。
図5は、ホログラムを記録再生して特性を測定する測定装置の実施形態を示す概略構成図である。測定装置110は、記録再生用光源111、コリメータレンズ112、偏光ビームスプリッタ113、空間光変調器(情報表現手段)114、1対のリレーレンズ115a、115b、ミラー116、4分の1波長板117、対物レンズ118、光検出手段119を備えている。また、図5において、情報が記録される記録媒体1は、第1透明基板1a、ホログラム記録層2、反射層3および第2透明基板1bを備えている。
記録再生用光源111は、情報を記録するための情報光および記録用参照光を形成するための光および情報を再生するための再生用参照光を形成するための光を射出する。光源111としては、コヒーレントな直線偏光の光線束を発生する例えば半導体レーザを用いることができる。この記録再生用光源111としては、高密度記録を行うために波長が短い方が有利であり、青色レーザやグリーンレーザを採用することが好ましい。また、光源111として、固体レーザーを使用することもできる。
コリメータレンズ112は記録再生用光源111からの発散光線束をほぼ平行光線とするものである。
偏光ビームスプリッタ113は、直線偏光(例えばP偏光)を反射または透過し、当該偏光に垂直な直線偏光(例えばS偏光)を透過または反射するような半反射面113aを有している。図5においては、偏光ビームスプリッタ113は、記録再生用光源111から射出された光線束を空間光変調器114に向けて反射し、空間光変調器114で偏光方向が90度回転された情報光および参照光を透過する。
空間光変調器114は、格子状に配列された多数の画素を有し、各画素毎に出射光の位相又は/および強度を変調することができる透過型又は反射型の空間光変調器を使用することができる。空間光変調器114としては、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)やマトリクス型の液晶素子を使用することができる。DMDは、入射した光を画素ごとに反射方向を変えることで強度を空間的に変調したり、入射した光を画素ごとに反射位置を変えることで位相を空間的に変調することができる。液晶素子は、画素ごとに液晶の配向状態を制御することで、入射した光の強度や位相を空間的に変調することができる。例えば、各画素毎に出射光の位相を、互いにπラジアンだけ異なる2つの値のいずれかに設定することによって、光の位相を空間的に変調することができる。図5において空間光変調器114は、入射光の偏光方向に対して、出射光の偏光方向を90°回転させるようになっている。
そして、空間光変調器114の表示面に表示された情報光用空間変調パターンおよび参照光用空間変調パターンによって、光源111からの光を空間的に変調することにより、情報光および参照光を生成することができる。なお、情報光と参照光を生成する空間光変調器114を別々に設けることもできる。例えば、光源111からの光をビームスプリッタ等により分割して、一方の光を第一の空間光変調器によって空間的に変調して情報光を生成し、他方の光を第二の空間光変調器によって空間的に変調して参照光を生成してもよい。この場合は、情報光用空間変調パターンと参照光用空間変調パターンを対物レンズ118の入射瞳面において結像させる必要があるため、情報光を生成する空間光変調器と参照光を生成する空間光変調器を共役な関係とし、一対のリレーレンズ115a、115bによって伝搬させる。
一対のリレーレンズ115a、115bは、空間光変調器114から対物レンズ118までの間に配置されており、空間光変調器114に表示された像を対物レンズ118の入射瞳面に結像するように配置されている。すなわち、空間光変調器114から第1のリレーレンズ115aまでの距離が第1のリレーレンズ115aの焦点距離f1となり、第2のリレーレンズ115bから対物レンズ118の入射瞳面までの距離が第2のリレーレンズ115bの焦点距離f2となり、第1および第2のリレーレンズ115a、115b間の距離が第1のリレーレンズ115aの焦点距離f1と第2のリレーレンズ115bの焦点距離f2の和となるように配置されている。
また、図5において、一対のリレーレンズ115a、115bは、対物レンズ118から光検出手段119までの間に配置されており、再生用の参照光によって記録媒体1のホログラム記録層2から発生した再生光の対物レンズ118の射出瞳面における像を再び結像するように配置されている。すなわち、対物レンズ118の射出瞳面から第2のリレーレンズ115bまでの距離が焦点距離f2となり、第1のリレーレンズ115aから光検出手段119までの距離が焦点距離f1となり、第1および第2のリレーレンズ115a、115b間の距離が焦点距離f1と焦点距離f2の和となるように配置されている。
なお、一対のリレーレンズ115a、115bの配置は、他の光学素子を適宜配置することで変化する。例えば、第1のリレーレンズ115aから光検出手段119までの間に拡大レンズを配置すれば、第1のリレーレンズ115aと拡大レンズの入射瞳面までの距離が焦点距離f1となるように配置される。
ミラー116は、光の進行方向を対物レンズ118に向けて反射するものであり、光学系の構成によっては不要である。
4分の1波長板117は、互いに垂直な方向に振動する偏光の光路差を4分の1波長変化させる位相板である。4分の1波長板117によってP偏光の光は円偏光に変化され、更に、この円偏光の光が4分の1波長板117を通過するとS偏光に変化されることになる。この4分の1波長板117によって、再生時における再生用の参照光と再生光を偏光ビームスプリッタ113で分離することができる。
対物レンズ118は、記録時においては、入射瞳面に結像した情報光および参照光を記録媒体1に照射し、ホログラム記録層2において干渉させて記録するものであり、また再生時においては、入射瞳面に結像した参照光を記録媒体1に照射し、記録媒体1のホログラム記録層2から発生した再生光を入射して射出瞳面に結像させるものである。
光検出手段119は、格子状に配列された多数の受光画素を有し、各受光画素毎に受光した光の強度を検出できるようになっている。光検出手段119としては、CCD型固体撮像素子やMOS型固体撮像素子を用いることができる。また、光検出手段119として、MOS型固体撮像素子と信号処理回路とが1チップ上に集積されたスマート光センサ(例えば、文献「O plus E,1996年9月,No.202,第93〜99ページ」参照。)を用いてもよい。このスマート光センサは、転送レートが大きく、高速な演算機能を有するので、このスマート光センサを用いることにより、高速な再生が可能となり、例えば、G(ギガ)ビット/秒オーダの転送レートで再生を行うことが可能となる。
ホログラムを記録する際の動作を説明すると、光源111から射出した光は、コリメータレンズ112によって平行光とされ、偏光ビームスプリッタ113によって空間光変調器114に向けて反射される。そして、空間光変調器114に表現された情報光用空間変調パターンおよび参照光用空間変調パターンによって情報光および記録用の参照光が生成される。情報光および記録用の参照光は、偏光ビームスプリッタ113を通過して、一対のリレーレンズ115a、115bによって、対物レンズ118の入射瞳面に空間光変調器114で表現された空間変調パターンが結像するように伝搬される。その途中、ミラー116によって対物レンズ118に向けて反射され、4分の1波長板117を通過する。そして、対物レンズ118によって記録媒体1に照射され、記録媒体1のホログラム記録層2に情報光および記録用の参照光の干渉縞が記録される。
更に、再生装置としての動作を説明すると、光源111から射出した光は、コリメータレンズ112によって平行光とされ、偏光ビームスプリッタ113によって空間光変調器114に向けて反射される。そして、空間光変調器114に表現された参照光用空間変調パターンによって再生用の参照光が生成される。なお、再生時における再生用の参照光の参照光用空間変調パターンは、記録媒体に記録された情報が記録される際に照射された記録用の参照光の参照光用空間変調パターンである。再生用の参照光は、偏光ビームスプリッタ113を通過して、一対のリレーレンズ115a、115bによって、対物レンズ118の入射瞳面に空間光変調器114で表現された参照光用空間変調パターンが結像するように伝搬される。その途中、ミラー116によって対物レンズ118に向けて反射され、4分の1波長板117を通過する。そして、対物レンズ117によって記録媒体1に照射され、記録媒体1のホログラム記録層2に記録された干渉縞によって回折され、記録時における情報光と同じ情報を有する再生光を発生する。
再生光は、記録媒体1の反射層3によって記録媒体1から対物レンズ118に向かって射出し、対物レンズ118によってその射出瞳面に情報光用空間変調パターンを結像し、かかる像を光検出手段119に再び結像されるように一対のリレーレンズ115a、115bによって伝搬される。その間に、再生光は、4分の1波長板117を通過し、ミラー116によって偏光ビームスプリッタ113に向けて反射される。その後、再生光は、照射時の再生用の参照光と比べて4分の1波長板117を2回通過しているので偏光方向が90°ずれているため、偏光ビームスプリッタ113によって、光検出手段119に向けて反射される。最後に光検出手段119によって再生光の空間変調パターンが検出され、検出された情報は、制御手段(図示せず)に送られ、制御手段においてデコードされ情報を再生する。
上記測定装置において、複数のホログラムを記録するために情報光、記録用参照光及び再生用参照光の照射位置を記録媒体の表面と平行な方向に相対的に移動させる必要がある。ここで、情報光、記録用参照光及び再生用参照光を照射するピックアップ装置を移動させてもよいし、記録媒体を移動させてもよいし、ピックアップ装置と記録媒体の両方を移動させてもよい。ホログラムの記録再生装置と同様に、円形の記録媒体を回転させながら、記録媒体の半径方向にピックアップ装置を移動させてもよい。また、適当な露光量などを照射するため、同一位置で、光の強度を徐々に変化させたり、パルス数を変化させる場合では、光学系または記録媒体の一方を固定しておき、他方を移動させる方が好ましい。特に、光学系は僅かな変位であってもホログラムの品質に影響するため、変位しないように光学系を固定し、記録媒体を例えばXYステージによって移動させる方がより正確に特性を測定することができ好ましい。
このように、本発明の測定方法によって測定される特性は、記録媒体それ自体の開発にも利用できるし、記録再生装置における記録再生条件の条件出しに適用して、記録再生装置の開発にも利用できる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
(A)乃至(D)は本発明の測定方法の一実施態様の概略図 各ホログラム群の配置を説明するための図 各ホログラム群の配置を説明するための図 本発明の測定方法の他の実施態様の概略図 測定装置の実施形態を示す概略構成図 (A)乃至(D)は、従来の測定方法の概略図
符号の説明
11、12、13 ホログラム
11a、12a、13a ホログラムの中心
11G、12G、13G、19G ホログラム群
21、31 多重記録領域

Claims (12)

  1. 記録媒体のホログラムが記録されるホログラム記録層に対し、各ホログラムが互いに重ならないように分散させて複数のホログラムを記録してホログラム群を形成し、
    前記ホログラム群を必要な回数重畳させて多重記録領域を形成し、
    記録領域内に前記多重記録領域を含むホログラムを再生して多重記録時におけるホログラム又はホログラム記録層の特性を測定することを特徴とする測定方法。
  2. 前記ホログラム群を形成する際に、前記ホログラム記録層に既に記録されているホログラムの中心と重畳しない位置を中心として当該ホログラム群に含まれる各ホログラムを記録することを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
  3. 前記ホログラム群を形成する際に、当該ホログラム群に含まれる複数のホログラムのうち少なくとも一つのホログラムは、その記録領域中における多重度の分布が均等となるように配置することを特徴とする請求項1または2に記載の測定方法。
  4. 前記ホログラム群を形成する際に、前記ホログラム記録層に既に記録されているホログラムの中心から最も離間する位置を中心として当該ホログラム群に含まれる各ホログラムを記録することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の測定方法。
  5. 前記各ホログラム群を形成する際に、当該ホログラム群に含まれる複数のホログラムのうち周辺に配置されたものを除いて、各ホログラムの記録領域中における多重度の分布状態が等しくなるように当該ホログラム群に含まれる複数のホログラムを配置することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の測定方法。
  6. 前記各ホログラム群における複数のホログラムは、隣接するホログラムの中心を直線で結んだ時の中心角が90度となるように規則的に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の測定方法。
  7. 前記各ホログラム群における複数のホログラムは、隣接するホログラムの中心を直線で結んだ時の中心角が60度となるように規則的に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の測定方法。
  8. 前記各ホログラム群における複数のホログラムは、隣接するホログラムの中心間のピッチがホログラムの直径となるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の測定方法。
  9. 前記多重記録領域を形成するホログラム群に含まれる複数のホログラムの少なくとも一つを再生して特性を測定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の測定方法。
  10. 前記再生されるホログラム群のホログラムは、当該ホログラム群に含まれる他のホログラムに囲まれていることを特徴とする請求項9に記載の測定方法。
  11. 前記ホログラム群の複数のホログラムは、同じ露光量の光によって記録されることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の測定方法。
  12. 前記測定される特性は、BER、SER、回折効率、SNR、クロストークノイズ、グレーティングノイズ、多重度に対する露光量の関係又はホログラム記録層のMナンバーであることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の測定方法。
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