JP2007078809A - 偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶表示装置に用いることで表示画面の四隅部における光漏れを確実に防止できる偏光板、およびその偏光板を用いた高品位な表示が行える液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 縦サイズがV、横サイズがHの偏光膜と、該偏光膜の表裏面に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板13,15であって、二枚の透明保護膜の一方が光学異方性を有する光学補償シートであり、偏光板に内接する最小の長方形の四隅の角部Cそれぞれが、該角部Cから縦方向に2cm以上、V/2以下の前記長方形の縦辺上にある第1の点P1と、角部Cから横方向に2cm以上、H/2以下の長方形の横辺上にある第2の点P2とを、曲率が2cm以上の偏光板外側に向けて凸となる曲線F1、又は一本の線分F2、複数の線分F3で結んだ形状とした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、偏光板及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板とから構成されている。現在主流であるTNモードのTFT液晶表示装置においては、特許文献1記載のように光学補償シートを偏光板と液晶セルとの間に挿入し、表示品位の高い液晶表示装置を実現している。しかし、この方法によると液晶表示装置自体が厚くなる等の問題点があった。
そこで、特許文献2には、偏光膜の片側に位相差フィルム(光学補償シート)、他方の面に保護膜を有する偏光板を用いることで、液晶表示装置を厚くすることなく、正面あるいは斜め方向から見た場合のコントラストを高くすることができる液晶表示装置が提案されている。しかし、この提案では、光学補償シートに、熱等の歪みにより、液晶表示装置の端部に予期しない位相差が発生しやすく、耐久性に問題があることがわかった。つまり、この位相差により液晶表示装置に黒表示時に額縁状の光漏れ(液晶表示装置の端部での透過率の上昇)が生じ、液晶表示装置の表示品位が低下してしまうという問題があった。また、この光漏れは偏光板を液晶セルに貼り合せる方向によっては額縁状ではなく、液晶表示装置の四隅のコーナー部に生じて問題となる場合もあった。
歪みによる位相差発生の問題に対し、特許文献3および特許文献4においては、透明支持体上にディスコティック(円盤状)化合物からなる光学異方性層を塗設した光学補償シートを直接偏光板の保護膜として用いることが提案されており、かかる提案により液晶表示装置を厚くすることなく、上述の耐久性に関する問題を解決した。
しかし、液晶表示装置は大型化の傾向にあり、たとえば17インチ以上の大型パネルからなる液晶表示装置に装着した場合には、上述の光学補償シートを保護膜に用いた偏光板が装着された液晶表示装置であっても、高温高湿などの環境に置くと、上記熱歪みによる光漏れが発生しやすいことが判明し、さらに画面の四隅部の光漏れが発生し難い偏光板が望まれていた。
特許文献5においては、偏光板の四端に曲率を持たせることにより表示ムラを改良することが述べられている。特許文献6および7においては、液晶表示素子の角部を滑らかな曲線で形成することによりラビングなどの配向処理の際にラビングスジなどの欠陥を防止することが述べられている。ただし、いずれも1cm以下の曲率を持たせたものであり、表示画面の大きさに影響が出るほどの大きさの曲率を有する偏光板の例はない。
特開平8−50206号公報 特開平1−68940号公報 特開平7−191217号公報 欧州特許出願公開第911656号明細書 特開平8−6014号公報 特開平5−323302号公報 特開平10−213801号公報
ところで、偏光板に光学補償シートを含む透明保護膜を貼り合わせた場合、熱歪みの発生は特に顕著となり、これによる画面表示品質の劣化が激しくなる。上記の特許文献5,6,7においては、偏光板や液晶表示素子の角部に曲率をもたせているが、1cm以下の曲率であるため、この程度の曲率では熱歪みによる画面表示品質の劣化が免れない。
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶表示装置に用いることで表示画面の四隅部における光漏れを確実に防止できる偏光板、およびその偏光板を用いた高品位な表示が行える液晶表示装置を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記の偏光板あるいは液晶表示装置により達成される。
(1) 縦サイズがV、横サイズがHの偏光膜と、該偏光膜の表裏面に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板であって、前記二枚の透明保護膜の一方が光学異方性を有する光学補償シートであり、前記偏光板に内接する最小の長方形の四隅の角部それぞれが、該角部から縦方向に2cm以上、V/2以下の前記長方形の縦辺上にある第1の点と、前記角部から横方向に2cm以上、H/2以下の前記長方形の横辺上にある第2の点とを、曲率が2cm以上の偏光板外側に向けて凸となる曲線、又は一本の線分で結んだ形状を有していることを特徴とする偏光板。
(2) 縦サイズがV、横サイズがHの偏光膜と、該偏光膜の表裏面に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板であって、前記二枚の透明保護膜の一方が光学異方性を有する光学補償シートであり、前記偏光板に内接する最小の長方形の四隅の角部それぞれが、該角部から縦方向に2cm以上、V/2以下の前記長方形の縦辺上にある第1の点と、前記角部から横方向に2cm以上、H/2以下の前記長方形の横辺上にある第2の点との間が、複数本の線分により結ばれて、各線分の接続部における劣角がいずれも鈍角である形状を有していることを特徴とする偏光板。
(3) 前記光学補償シートが、セルロースアセテートフィルムであることを特徴とする(1)又は(2)記載の偏光板。
(4) 前記光学補償シートが、セルロースアセテートフィルムと、該セルロースアセテートフィルム上に形成され液晶性化合物からなる光学異方性層とを有することを特徴とする(1)又は(2)記載の偏光板。
(5) 液晶セルと、該液晶セルの表裏面に配置された二枚の偏光板とを具備し、前記偏光板の少なくとも一方が、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
本発明の偏光板及びこれを用いた液晶表示装置によれば、特に17インチ以上の大サイズの液晶表示装置において、高温高湿の環境に晒された後などでも表示画面の四隅部の光漏れを確実に防止することができる。
以下、本発明に係る偏光板及びこれを用いた液晶表示装置の好適な実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
本発明においては、液晶表示装置の液晶セルの両側に配置される偏光板のうち、少なくとも一方を、その四隅の形状を大きく切り欠くことで、表示画面四隅部における光漏れが発生し難い液晶表示装置の構成としたことに特徴を有している。
以下、液晶表示装置とそれに用いられる偏光板を説明する。
図1は本発明に係る液晶表示装置の概略図、図2は図1に示す液晶表示装置のA−A断面図である。
図1、図2に示すように、液晶表示装置100は、液晶セル11と、液晶セル11の表裏面に配置された二枚の偏光板13,15とを具備し、これら偏光板13(15)の少なくとも一方が、偏光膜17と、偏光膜17の表裏面に配置された二枚の透明保護膜19a(19b),21a(21b)を備え、これら二枚の透明保護膜19a,21a(19b,21b)の一方(好ましくは透明保護膜19a,19b)が光学異方性を有する光学補償シートとなっている。液晶セル11と偏光板13,15との間は粘着層23であって、双方を接着している。他方の透明保護膜は光透過率が80%以上の通常のポリマーフィルムを用いることができる。該ポリマーフィルムとしてセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。セルロースアセテートフィルムについては、光学補償シートに用いられる支持体として記載するもの(後述)と同じものを用いることができる。
本発明に係る偏光板は、液晶セル11の両側に偏光軸が互いに直交するように、かつ液晶セル11の辺部と平行もしくは直角になるように配置して構成する。特に、バックライトで裏側から照明する構成が好ましい構成である。表示側となる表側の偏光板は、その最外表面に耐擦傷性や防眩性、反射防止等の機能を有する機能性フィルムを設けることが好ましい。
また、本発明は、TNモード、OCB、VA、IPS、STN、HAN、ECBなどの液晶表示装置等の液晶表示装置に適用することができる。光学補償シートは、TNモード、OCB、VA、IPS等の液晶表示装置に有利に利用できる。
ここで、上記の液晶セル11は、二枚のガラス基板の間に透明電極、配向膜、液晶物質、配向膜、透明電極、カラーフィルタなどがこの順に積層された板状の画像表示体である。
本発明の特徴部分である偏光板13,15は、液晶セル11の平面サイズに合わせて形成され、図3に偏光板の角部の拡大図を示すように、その四隅の角が大きく切り欠かれている。切り欠きの形状は、次のように規定できる。
図1に示すように、偏光板13,15の縦サイズをV、横サイズをHとする。そして、この偏光板に内接する最小の長方形を想定する。この長方形は図3に点線で角部が示される。長方形の角部Cは偏光板上には存在しない仮想点であり、この角部Cから縦方向、横方向にそれぞれ長さL(本実施形態では2cm)の縦辺及び横辺上の位置をそれぞれS1,S2とする。
切り欠きの形状は、角部Cから縦方向に2cm以上、V/2以下の前記長方形の縦辺上にある第1の点P1と、同じく角部Cから横方向に2cm以上、H/2以下の前記長方形の横辺上にある第2の点P2とを、曲率半径がL(2cm)以上の偏光板外側に向けて凸となる曲線Fとして規定できる。また、この曲線Fの代わりにP1とP2とを一本の線分で結んだ形状Fとしてもよい。
液晶表示装置100の四隅に発生する光漏れは、高温高湿の履歴によっては、5〜10cm以上のものが発生する。これが、光漏れよりも小さい曲率の曲線あるいは直線状の切り欠きあるいはその範囲の形状の切り欠きを偏光板13,15の角部に設けることで光漏れを著しく改良できる。例えば17インチ以上の大サイズの液晶表示装置では、曲線あるいは直線状の切り欠きは1cmでは効果がほとんどなく、2cm以上必要である。切り欠きの大きさは液晶表示装置の大きさによるが、2cm以上で、液晶表示装置の辺(つまり、偏光板の辺)の2分の1以下であれば任意に選択することができる。
図4は図2に示される曲率の異なる複数の曲線Fの一例を表す説明図である。曲線Fは、図4に曲率を異ならせて複数示した曲線F1a、F1b、F1c、F1dのように、いずれであっても構わない。このように、S1及びS2を通る半径Lの曲線Fと偏光板13,15の横幅中央点OH及び縦幅中央点OVを通る線分F1xで囲まれる領域(S1−S2−OH−OV)に偏光板13,15の角部が存在することにより、画面四隅部での光漏れが発生し難い偏光板にすることができる。
一方、曲線FとC−S1、C−S2の線分で結ばれる領域R1に角部が存在する場合には、切り欠きの効果が薄れ、湿度変動などによる偏光板の伸縮によって液晶表示装置に歪みが生じ、特に、偏光板13(15)が透明保護膜19a,21a(19b,21b)を備えている多層構造であるために、上記効果を十分に享受することができなくなる。
図5は図3に示されるP1とP2を複数本の線分により結んだ一例を表す説明図である。偏光板13,15の角部となるP1とP2を結ぶ形状は、曲線や1本の線分に限らず複数本(図示例では3本)の線分F3で形成することもできる。ただし、その場合には、各線分の接続部における劣角α(図中、α1、α2、α3、α4)がいずれも鈍角であることが条件となる。劣角とは、一般に次のように定義される。平面上の一点Oから出る2つの半直線を考えると、それによって平面は点Oが見込む2つの領域に分割される。この場合、点Oの回りに角が2つ現れるが、角度が大きい方が優角、角度が小さい方が劣角である。なお、優角と劣角の和は一定である。
なお、第1の点P1と第2の点P2は、図3に示す許容範囲WV、WHの中で任意に設定することができる。従って、偏光板は点対称な形状に限らず、種々の形状をとることができる。
図6は偏光板の形状例(a)〜(c)を示す説明図である。
図6(a)に示すように、偏光板13,15は、四隅の角部を全て同じ形状にすることなく、それらの一部を異なる形状にすることができる。図示のように角部31を他の角部より大きい切り欠きにすることで、偏光板の向きや方向を規定することができる。向きや方向を所望の方向に揃えることで、液晶セル11への組み付けの際に品質を一定にすることができる。
また、液晶セル11の大きさは、偏光板13,15以上の大きさがあればよく、長方形であることを要しない。つまり、図6(b)に示すように、偏光板13,15は、方形に限らず楕円形にすることもできる。また、図6(c)に示すように、半径2cm以上の曲率半径を有する円形にすることもできる。多くの液晶表示装置は長方形であるが、楕円形や円形にした場合に、本発明の偏光板を用いることができる。
次に、本発明に係る偏光板の、偏光膜、光学補償シート、粘着剤の材料及び製法について説明する。
上記偏光膜としては、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造され、たとえば特開2004−163606号公報に記載の方法により作製することができる。
本発明で用いられる光学補償シートとしては、例えば、トリアセチルセルロースやノルボルネン類の重合体等の高分子の光学補償性フィルム、または透明支持体上に液晶化合物からなる光学異方性層が備えられているフィルムを用いることができる。
高分子の光学補償シートや光学補償シートの透明支持体としては、特に制限無く使用することができるが、光透過率が80%以上の通常のポリマーフィルムを用いることが好ましい。該ポリマーフィルムを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース))、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリカーボネートおよびポリスルホンが含まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、アートン(JSR(株)製)、ゼオノア(日本ゼオン(株)製)など)を用いてもよい。さらに、主として、トリアセチルセルロースまたはノルボルネンからなる支持体を用いることが特に好ましい。ここで「主として」とは上記ポリマーが、支持体である高分子フィルム中50%以上であることを意味する。
本発明ではセルロースエステルを用いることが好ましいが、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましいが、セルロースアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
セルロースアセテートの酢化度は59.0乃至61.5%の範囲にあることが好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上(好ましくは330以下)であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値は、1.0乃至1.7の範囲にあることが好ましく、1.3乃至1.65の範囲にあることがさらに好ましく、1.4乃至1.6の範囲にあることが最も好ましい。
本発明のセルロースアセテートとして、特開平11−5851号公報の段落番号0043乃至0044に記載されている合成例1、段落番号0048乃至0049に記載されている合成例2、そして段落番号0051乃至0052に記載されている合成例3の合成方法により得られたセルロースアセテートを用いることができる。
本発明では、特開2001−249223号公報等に記載されている、下記式(I)で定義されるレターデーション(Re)が20乃至70nmであり、かつ下記式(II)で定義されるレターデーション(Rth)が70乃至400nmであるセルロースアセテートフィルムも好ましく用いることができる。
(I) Re=(nx−ny)×d
(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式(I)において、nxはフィルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率、nyはフィルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dは単位をnmとするフィルムの厚さを表わす。このセルロースアセテートフィルムにより、フィルムのみで液晶セルを光学的に補償する光学補償シートとして用いることができる。
セルロースアセテートフイルムを光学補償シートの支持体として使用する場合、レターデーション値を調整するために、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を使用することが好ましい。このレターデーション上昇剤としては、たとえば、トリアジン類(好ましくは1,3,5−トリアジン環を有する化合物、例えばトリフェニル−1,3,5−トリアジン、トリ−m−トリル−1,3,5−トリアジンなど)、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジエステル類(p―n−ヘキシルフェノールのジエステル、p―n−アミルフェノールのジエステル 等)を挙げる事が出来る。また、本発明に好ましく用いられるレターデーション上昇剤については、特開2001−249223号公報に記載されている。その他の具体例としては、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、PCT/JP00/02619号明細書等に記載されている。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。レタデーション上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ましい。ポリマーフィルムとしてセルロースアセテートフィルムを用いる場合、前記の芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.05乃至15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。セルロースアセテートフイルムは、さらに上述した延伸処理によりレターデーションを調整することができる。
セルロースアセテートフイルムには、機械的物性を改良するためにポリエステルウレタンを添加することが好ましい。本発明に好ましく用いられるポリエステルウレタンとしては、特開2005−37808号公報に記載の化合物などが挙げられる。
ポリエステルウレタンをセルロースアセテートフイルムに添加することにより、高温および低温における耐折強度および引裂き強度が大きくなり、そして、フイルムが裂けるような不都合がなくなる。さらに、低温、高湿における可塑剤の移行を防止できる。そのため、フイルム相互が接着せず、かつ非常に柔軟性があり、しわもきしむことのない透明で光沢のあるフイルムが得られる。
セルロースアセテートフイルムには機械的物性を改良するために、上記のポリエステルウレタンに代え、またはポリエステルウレタンと併用して、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルなどの可塑剤を用いることができる。本発明に好ましく用いられる可塑剤については、特開2005−37808号公報に記載の化合物などが挙げられる。
セルロースアセテートフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ましく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
上記セルロースアセテートフイルムを製造する方法及び設備は、セルロースアセテートフィルム製造に供する、従来公知の溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。中でもソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。セルロースアセテートフイルムの製造方法については発明協会公開技報(公技2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)、特開2003−279736号公報等に記載されている。
セルロースアセテートフイルムは、仮想歪みを低減させるために、延伸処理することが好ましい。延伸することにより、延伸方向の仮想歪みが低減できるので、面内すべての方向で歪みを低減するために二軸延伸をおこなってもよい。
二軸延伸には、同時二軸延伸法と逐次二軸延伸法があるが、連続製造の観点から逐次二軸延伸方法が好ましく、ドープを流延した後、バンドもしくはドラムよりフイルムを剥ぎ取り、幅方向(長手方法)に延伸した後、長手方向(幅方向)に延伸される。延伸方法については特開2003−279736号公報等に記載されている。
セルロースアセテートフイルムの厚さは、40乃至140μmであることが好ましく、50乃至120μmであることがさらに好ましい。
セルロースアセテートフイルムは表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号明細書に記載のように、下塗り層を設けることも好ましい。フイルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアセテートフイルムの温度をTg(ガラス転移温度)以下、具体的には150℃以下(好ましくは100℃以上)とすることが好ましい。
偏光板の透明保護膜として使用する場合、偏光子との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることが更に好ましい。アルカリ鹸化処理の方法については特開2004−163606号公報等に記載されている。
吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量を示す。額縁状の透過率上昇を防止するために、セルロースアセテートフイルムの吸湿膨張係数は、30×10-5/%RH以下とすることが好ましく、15×10-5/%RH以下とすることが更に好ましく、10×10-5/%RH以下とすることが最も好ましい。また、吸湿膨張係数は小さい方が好ましいが、通常は1.0×10-5/%RH以上の値である。吸湿膨張係数の測定方法、吸湿膨張係数を小さくする方法については特開2004−163606号公報等に記載されている。
本発明の偏光板を構成する粘着剤層に用いる粘着剤(接着剤と呼ばれるものも含まれ得る)の素材としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等の感圧系の粘着剤が好ましい。
粘着剤には架橋剤を含有することができる。また、架橋剤に、必要に応じて従来公知の粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を適宜使用することができる。
偏光板上への粘着剤の形成方法としては、偏光板に粘着剤の溶液を塗布し乾燥する方法、粘着剤層を設けた離型シートにより転写する方法等の従来公知の方法が挙げられる。粘着剤層の厚さは特に限定されないが、乾燥膜厚で1〜40μm程度とするのが好ましい。以上のようにして粘着剤層付き偏光板が得られる。
次に、本発明に係る偏光板の第2実施形態を説明する。
図7は本実施形態における偏光板の層構成を示す断面図である。なお、図2に示す部材と同じ部材に対しては同一の符号を付与することでその説明を省略又は簡単にする。
偏光板41は、偏光膜17と、偏光膜17の表裏面に配置された二枚の透明保護膜43,45を備え、これら透明保護層43,45の片方には、偏光膜17とは反対側の外面に液晶性化合物からなる光学異方性層47が形成されている(図では一例として透明保護層43側に設けている)。
また、偏光板41の四隅の角部における切り欠きの形状は、第1実施形態と同様である。
本実施形態の光学補償シートは、支持体(以下、上記支持体の好ましい例示であるセルロースアセテートフィルムを支持体の代表として用いて説明する)43,45の上に、液晶性化合物から形成された光学異方性層47を設けてある。また、その場合には、セルロースアセテートフイルム43とその上に設ける光学異方性層47との間に配向膜を設けることが好ましい。
配向膜は光学異方性層に用いる液晶性化合物を一定の方向に配向させる働きをする。従って、配向膜は液晶性化合物から形成された光学異方性層を有する光学補償シートを製造する上では必須である。しかし、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、光学補償シートの構成要素としては必ずしも必須のものではない。すなわち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみをセルロースアセテートフイルム上に転写して光学補償シートを作製することも可能である。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。ポリビニルアルコールが、好ましいポリマーである。疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向膜は、一種類のポリマーから形成することもできるが、架橋された二種類のポリマーからなる層をラビング処理することにより形成することがさらに好ましい。少なくとも一種類のポリマーとして、それ自体架橋可能なポリマーか、架橋剤により架橋されるポリマーのいずれかを用いることが好ましい。配向膜に用いられるポリマー化合物、塗布方法などについては特開平2002−90541号公報、特開2005−37808号公報にくわしく記載されている。
液晶性化合物から形成される光学異方性層は、セルロースアセテートフイルム上に設けられた配向膜などの他の層を介して、または直接に形成することができる。光学異方性層に用いる重合性基を有する液晶性化合物には、棒状液晶性化合物および円盤状液晶性化合物が用いられる。光学異方性層は、液晶性化合物および必要に応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を配向膜の上に塗布し、重合反応により液晶化合物の配向を固定することで形成できる。
塗布液の調整に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
光学異方性層47の厚さは、0.1乃至20μmであることが好ましく、0.5乃至15μmであることがさらに好ましく、1乃至10μmであることが最も好ましい。
本発明に用いる液晶化合物としては、棒状液晶性化合物、円盤状液晶性化合物が挙げられ、特に円盤状液晶性化合物を用いることが好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。
棒状液晶性化合物については季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。また、特開2005−37808号公報に記載の化合物などが挙げられる。
光学異方性層43,45は、棒状液晶性化合物あるいは後述の重合性開始剤や任意の添加剤(例、可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエステル、1,3,5−トリアジン化合物、カイラル剤)を含む液晶組成物(塗布液)を、配向膜の上に塗布することで形成することができる。
円盤状(ディスコティック)液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルを挙げることができる。さらに、円盤状液晶性化合物としては、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造のものも含まれ、液晶性を示す。また、本発明において、円盤状液晶性化合物から形成する光学異方性層は、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、低分子の円盤状液晶性化合物が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。円盤状液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報、特開2005−37808号公報に記載されている。円盤状液晶性化合物の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。また、円盤状液晶性化合物の使用方法等については特開2005−37808号公報に記載がある。
本発明においては、液晶化合物が重合性基を有しているので配向させた液晶性化合物の配向状態を維持して固定することができ、これにより光学異方性層の配向性が固定される。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5乃至5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm 乃至50J/cm の範囲にあることが好ましく、20乃至5000mJ/cm の範囲にあることがより好ましく、100乃至800mJ/cm の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。以上のように、セルロースアセテートフイルム上に光学異方性層を設けることにより光学補償シートを作製することができる。
液晶表示装置は、見るときの角度によって表示色や表示コントラストが変化するという視野角特性の問題があるが、光学補償シートを用いることにより視野角特性を改良することができる。また、光学補償シートは、正面から見たときのコントラスト及び表示色を改良する効果もあり、高品位の液晶表示装置を提供することができる。このような光学補償シートの光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には表示モードの違いに応じて決定するが、上記の液晶化合物を用いると、液晶セルの様々な表示モードに対応する様々な光学的性質に容易に製造することができる。
また、セルロースアセテートフイルム上に光学異方性層を設けない場合には、製造工程が簡略化され、コストダウンが図られる。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
<セルロースアセテート溶液組成>
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 50質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 10質量部
別のミキシングタンクに、下記レターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション上昇剤溶液25質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、3.5質量部であった。
Figure 2007078809
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%のフイルムを、130℃の条件でテンターを用いて25%の延伸倍率で横延伸して、セルロースアセテートフイルム(厚さ:80μm)を製造した。
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。作製したセルロースアセテートフイルムにケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と作製したセルロースアセテートフイルムの遅相軸とは平行になるように配置した。偏光膜の透過軸と市販のセルローストリアセテートフイルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして20インチ大の偏光板を作製した。さらに偏光板の4隅部分を表1のように裁断し、形状の異なる偏光板を得た。
NR(ペールクレープ)60質量部、SBR(B/S=71/29)30質量部、ポリイソブチレン10質量部、ポリテルペン樹脂(軟化点115℃)60質量部、水添ロジンイソブチレン10質量部、抗酸化剤(2,6−ジ−t−ブチル−4−クルゾール)2質量部を、固形分が20%となるようにn−ヘキサンに溶解した。先に作製した偏光板の光学異方性層がある面に、この粘着剤シロップを乾燥後の粘着剤層の厚さが30μmになるように塗布し剥離紙を粘合して偏光板を作製した。
こうして得られた偏光板を、市販されているシャープ株式会社製LC−20S4−S(20インチテレビ)の液晶セルから偏光板を剥がしたものに貼り付けた。このとき、表裏2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。そして、偏光板を貼り付けた液晶セルを温湿度条件60℃95%のインキュベーターに500時間入れ、取り出した後、液晶表示装置に組み直して、前面黒表示状態を暗室にて目視で観察して画面4隅の光漏れを評価した。結果は5段階で評価し、5がもっとも良好であり3が実用許容レベルである。
結果を表1に示す。切り込みのない長方形の偏光板を用いた比較例1−1は、4隅に5cm程の大きさの光漏れが発生し5点評価の1点である。1cmの曲率の円形または直線状の切り込みのある偏光板を用いた比較例1−2、比較例1−3では比較例1−1と同程度の大きさの光漏れが発生した。これに対し2cm以上の曲率の円形または直線状の切り込みのある偏光板を用いた実施例1−1〜実施例1−9では光漏れが2〜3mmの大きさになり、実用許容レベル以上であった。
Figure 2007078809
実施例1において、20インチ大の偏光板を作製することに代えて37インチ大の偏光板を作製すること、シャープ株式会社製LC−20S4−S(20インチテレビ)に代えてシャープ株式会社製LC−37AD5(37インチテレビ)を使用する以外はまったく同様の方法で試験を行った。
結果を表2に示す。切り込みのない長方形の偏光板を用いた比較例2−1は4隅に10cm程の大きさの光漏れが発生し5点評価の1点である。1cmの曲率の円形または直線状の切り込みのある偏光板を用いた比較例2−2、比較例2−3では比較例2−1と同程度の大きさの光漏れが発生した。これに対し2cmの曲率の円形または直線状の切り込みのある偏光板を用いた実施例2−1〜実施例2−9では光漏れが1cm以下の大きさになり、実用許容レベルであった。また3cm以上の曲率の円形または直線状の切り込みのある偏光板を用いた実施例2−2〜実施例2−4及び実施例2−6〜実施例2−9では光漏れが2〜3mm程度の大きさになり、実用許容レベル以上であった。
Figure 2007078809
(セルロースアセテートフイルムの作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液(ドープ)を調製した。
<セルロースアセテート溶液組成>
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 250質量部
メタノール(第2溶媒) 20質量部
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が40質量%のフィルムをバンドから剥がし、120℃の熱風を吹かせながら搬送方向に101%のドローをかけながら搬送しつつ、テンターで幅方向に3%拡幅しながら乾燥させた。次いでテンタークリップを外した後、フイルムを140℃の熱風で20分乾燥し、残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフイルム(厚さ:110μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフイルムを2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥し鹸化処理を行った。
(配向膜の形成)
作製したセルロースアセテートフイルム上に、下記の組成の塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。次に、セルロースアセテートフイルムの長手方向と平行な方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
<配向膜塗布液組成>
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1質量部
Figure 2007078809
(光学異方性層の形成・光学補償シートの作製)
配向膜上に、下記の円盤状(液晶性)化合物91.0g、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)9.0g、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)2.0g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.5g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)3.0g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.0gを、200gのメチルエチルケトンに溶解した塗布液を#3.6のワイヤーバーで6.0cc/m2塗布した。これを130℃の恒温ゾーンで2分間加熱し、円盤状化合物を配向させた。次に60℃の雰囲気下で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し円盤状化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
Figure 2007078809
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、以上のように作製した光学補償シートを、以上記載の鹸化処理を行った後、セルロースアセテートフイルムが偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸とセルロースアセテートフイルムの遅相軸とは平行になるように配置した。市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に保護膜として貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。この偏光板の片面にアクリル系粘着剤を乾燥後の厚みが25μmとなるように形成し、偏光板の端の辺に対し吸収軸角度を平行あるいは直角となるように20インチ大の偏光板を作成した。
NR(ペールクレープ)60質量部、SBR(B/S=71/29)30質量部、ポリイソブチレン10質量部、ポリテルペン樹脂(軟化点115℃)60質量部、水添ロジンイソブチレン10質量部、抗酸化剤(2,6−ジ−t−ブチル−4−クルゾール)2質量部を、固形分が20%となるようにn−ヘキサンに溶解した。先に作製した偏光板の光学異方性層がある面に、この粘着剤シロップを乾燥後の粘着剤層の厚さが30μmになるように塗布し剥離紙を粘合して偏光板を作製した。
こうして得られた偏光板を、パイレックスガラス板に貼り付けた。このとき、表裏2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。そして、偏光板を貼り付けた液晶セルを温湿度条件60℃95%のインキュベーターに500時間入れ、取り出した後、2000cd/m2のライトテーブルの上に設置し暗室にて目視で観察して画面4隅の光漏れを5段階で評価した。
結果を表3に示す。切り込みのない長方形の偏光板を用いた比較例3−1は4隅に6cm程の大きさの光漏れが発生し5点評価の1点である。1cmの曲率の円形または直線状の切り込みのある偏光板を用いた比較例3−2、比較例3−3では比較例3−1と同程度の大きさの光漏れが発生した。これに対し2cmの曲率の円形または直線状の切り込みのある偏光板を用いた実施例3−1〜実施例3−9では光漏れが1cm以下の大きさになり、実用許容レベルであった。また4cm以上の曲率の円形または直線状の切り込みのある偏光板を用いた実施例3−2〜実施例3−4及び実施例3−6〜実施例3−9では光漏れが2〜3mm程度の大きさになり、実用許容レベル以上であった。
Figure 2007078809
本発明に係る液晶表示装置の概略図である。 図1に示す液晶表示装置のA−A断面図である。 偏光板の角部の拡大図である。 図2に示される曲率の異なる複数の曲線F1の一例を表す説明図である。 図3に示すP1とP2を複数本の線分により結んだ一例を表す説明図である。 偏光板の形状例(a)〜(c)を示す説明図である。 他の本実施形態における偏光板の層構成を示す断面図である。
符号の説明
11 液晶セル
13,15 偏光板
17 偏光膜
19a,19b,21a,21b 透明保護膜
41 偏光板
43,45 透明保護膜
47 光学異方性層
100 液晶表示装置
α 劣角

Claims (5)

  1. 縦サイズがV、横サイズがHの偏光膜と、該偏光膜の表裏面に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板であって、
    前記二枚の透明保護膜の一方が光学異方性を有する光学補償シートであり、
    前記偏光板に内接する最小の長方形の四隅の角部それぞれが、該角部から縦方向に2cm以上、V/2以下の前記長方形の縦辺上にある第1の点と、前記角部から横方向に2cm以上、H/2以下の前記長方形の横辺上にある第2の点とを、曲率が2cm以上の偏光板外側に向けて凸となる曲線、又は一本の線分で結んだ形状を有していることを特徴とする偏光板。
  2. 縦サイズがV、横サイズがHの偏光膜と、該偏光膜の表裏面に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板であって、
    前記二枚の透明保護膜の一方が光学異方性を有する光学補償シートであり、
    前記偏光板に内接する最小の長方形の四隅の角部それぞれが、該角部から縦方向に2cm以上、V/2以下の前記長方形の縦辺上にある第1の点と、前記角部から横方向に2cm以上、H/2以下の前記長方形の横辺上にある第2の点との間が、複数本の線分により結ばれて、各線分の接続部における劣角がいずれも鈍角である形状を有していることを特徴とする偏光板。
  3. 前記光学補償シートが、セルロースアセテートフィルムであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の偏光板。
  4. 前記光学補償シートが、セルロースアセテートフィルムと、該セルロースアセテートフィルム上に形成され液晶性化合物からなる光学異方性層とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の偏光板。
  5. 液晶セルと、該液晶セルの表裏面に配置された二枚の偏光板とを具備し、前記偏光板の少なくとも一方が、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
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