JP2007078062A - 振動エネルギ吸収装置 - Google Patents

振動エネルギ吸収装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007078062A
JP2007078062A JP2005266026A JP2005266026A JP2007078062A JP 2007078062 A JP2007078062 A JP 2007078062A JP 2005266026 A JP2005266026 A JP 2005266026A JP 2005266026 A JP2005266026 A JP 2005266026A JP 2007078062 A JP2007078062 A JP 2007078062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damping force
piston
movement
positive
generating means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005266026A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4852946B2 (ja
Inventor
Hirokazu Iemura
浩和 家村
Ikuo Shimoda
郁夫 下田
Osamu Kochiyama
修 河内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oiles Industry Co Ltd
Original Assignee
Oiles Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oiles Industry Co Ltd filed Critical Oiles Industry Co Ltd
Priority to JP2005266026A priority Critical patent/JP4852946B2/ja
Priority to US12/518,517 priority patent/US8087500B2/en
Priority to TW095147650A priority patent/TWI386565B/zh
Publication of JP2007078062A publication Critical patent/JP2007078062A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4852946B2 publication Critical patent/JP4852946B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】 抵抗力と復帰手段の復元力とを受ける構造物の部位の剛性を特に大きくしなくてもよい振動エネルギ吸収装置及びそれを備えた構造物を提供すること。
【解決手段】 振動エネルギ吸収装置1は、原点位置Oに対して正負の最大変位位置D±maxをH方向に往復動自在な往復動部材2と、往復動部材2のH方向の往復動に対して減衰力Rを生じさせる減衰力発生手段3と、往復動部材2のH方向の往復動において正負の最大変位位置D±maxから原点位置Oまでの夫々のH方向の移動では減衰力発生手段3に一定の減衰力Rを生じさせる一方、これらのH方向の移動に続く原点位置Oから正負の最大変位位置D±maxまでの夫々のH方向の移動では減衰力発生手段3に実質的に減衰力Rを生じさせないように減衰力発生手段3を制御する制御手段4とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、マンション等の集合住宅、事務所ビル、戸建住宅、橋梁等の構造物又は免震化した構造物に生じる振動を早期に減衰させるべくその振動エネルギを吸収する振動エネルギ吸収装置及び斯かる装置を備えた構造物に関する。
この種の振動エネルギ吸収装置(ダンパ)としては、粘性ダンパ、摩擦ダンパ、鉛ダンパ、鋼棒ダンパ等が知られており、斯かる振動エネルギ吸収装置は、構造物を初期位置に復帰させる例えばばね装置と共に構造物に適用される。
特開2003−287079号公報 中田、家村、五十嵐、「実大連結構造物の擬似負剛性付加型セミアクティブ震動制御実験」、土木学会第56回年次学術講演会論文集、社団法人土木学会、平成13年10月、p162−163 家永、五十嵐、鈴木、「MRダンパーの疑似負剛性セミアクティブ制御への適用に関する実時間ハイブリッド実験」、日本地震工学会・大会−2003梗概集、p268−269
ところで、ばね装置と共に粘性ダンパ、摩擦ダンパ等の振動エネルギ吸収装置を構造物、例えば免震化された構造物に適用すると、振動中、ばね装置の復元力に加えて振動エネルギ吸収装置の抵抗力が構造物に負荷されるために、構造物は、大きな力を受けることになる結果、振動エネルギ吸収装置の抵抗力とばね装置の復元力とを受ける部位の剛性を大きくせざるを得なくなる。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、抵抗力と復帰手段の復元力とを受ける構造物の部位の剛性を特に大きくしなくてもよい振動エネルギ吸収装置及びそれを備えた構造物を提供することにある。
本発明の振動エネルギ吸収装置は、原点位置に対して正負の最大変位位置を往復動自在な往復動部材と、この往復動部材の往復動に対して減衰力を生じさせる減衰力発生手段と、往復動部材の往復動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に減衰力を生じさせる一方、これらの移動に続く原点位置から正負の最大変位位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に実質的に減衰力を生じさせないように減衰力発生手段を制御する制御手段とを具備している。
本発明の振動エネルギ吸収装置によれば、制御手段により往復動部材の往復動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に減衰力を生じさせる一方、これらの移動に続く原点位置から正負の最大変位位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に実質的に減衰力を生じさせないようになっているために、構造物の制震化のために往復動部材を当該構造物に連結して本振動エネルギ吸収装置を構造物に設置しても、地震等による構造物の振動において原点位置から正負の最大変位位置までの夫々の移動では、往復動部材が連結される構造物の部位には振動エネルギ吸収装置の減衰力に基づく力が生じない結果、当該部位の剛性をそれ程大きくしなくてもよく、しかも、地震等による構造物の振動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では、並置される原点復帰装置の復帰力と振動エネルギ吸収装置の減衰力とが相殺される結果、これによっても往復動部材が連結される免震構造物の部位の剛性をそれ程大きくしなくてもよいことになる。
本発明における往復動部材の正負の最大変位位置は、構造物の振動の大きさにより変化し、構造物の振動が大きい場合には大きくなり、逆に構造物の振動が小さい場合には小さくなり、しかも、構造物の振動の減衰と共に小さくなる。
本発明における制御手段は、往復動部材の往復動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に零でない略一定の減衰力を生じさせるべく、減衰力発生手段を制御するようになっていてもよいが、これに代えて、往復動部材の往復動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に徐々に減少する減衰力を生じさせるべく、減衰力発生手段を制御するようになっていてもよい。
減衰力発生手段としては、粘性抵抗、粘弾性抵抗、摩擦抵抗、弾塑性抵抗又はこれらの組み合わせ等を利用したものであればよい。
本発明における制御手段は、オリフィス通路、一方向弁並びにこのオリフィス通路及び一方向弁等で形成された流体回路の連通を制御する制御弁を用いて構成してもよい。
本発明における好ましい例では、往復動部材は、ピストンと、このピストンに連結されたピストンロッドとを具備しており、減衰力発生手段は、ピストンを往復動自在に収容すると共にピストンロッドが貫通したシリンダと、ピストンにより区画されたシリンダ内の一方の室に一方のポートで連通されていると共にピストンにより区画されたシリンダ内の他方の室に他方のポートで連通されている制御オリフィス弁と、シリンダ内に収容された流体とを具備しており、制御手段は、ピストンの往復動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では制御オリフィス弁における流体の通過で減衰力を生じさせる一方、これらの移動に続く原点位置から正負の最大変位位置までの夫々の移動では制御オリフィス弁における流体の通過で実質的に減衰力を生じさせないようにピストンの往復動に基づいて制御オリフィス弁を制御するようになっており、この場合、制御手段は、ピストンの往復動を検出する検出手段を具備しており、この検出手段に基づいて制御オリフィス弁を制御するようになっていてもよい。
ピストンの往復動を検出する場合、検出手段は、ピストン自体の往復動を検出するようにしてもよいが、これに代えて、ピストンロッドの往復動又はピストンロッドが連結される構造物の振動等を検出するようにしてもよい。
流体としては、シリコン系の流動体を好ましい例として挙げることができるが、その他の流体、例えばシリコン系以外のオイル等の液体であってもよい。
本発明による構造物は、上記のいずれかの態様の振動エネルギ吸収装置に構造物の振動を往復動部材で受けるように連結されており、ここで、構造物は、積層ゴム、すべり部材、ローラ部材等で免震化されていてもよく、この場合、構造物は、振動後に構造物を初期位置に復帰させる復帰手段に連結されているとよく、斯かる復帰手段は、好ましくは構造物と構造物が設置される地盤との間に介在された弾性装置を具備しており、弾性装置は、積層ゴム支承及びコイルばねのうちの少なくとも一つを具備していてもよい。
本発明によれば、抵抗力と復帰手段の復元力とを受ける構造物の部位の剛性を特に大きくしなくてもよい振動エネルギ吸収装置及びそれを備えた構造物を提供することができる。
次に本発明及びその実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1において、本例の振動エネルギ吸収装置1は、原点位置O(図1、図4及び図6に示す位置)に対して正負の最大変位位置D±max(図3及び図5に示す位置)をH方向に往復動自在な往復動部材2と、往復動部材2のH方向の往復動に対して減衰力Rを生じさせる減衰力発生手段3と、往復動部材2のH方向の往復動において正負の最大変位位置D±maxから原点位置Oまでの夫々のH方向の移動では減衰力発生手段3に一定の減衰力Rを生じさせる一方、これらのH方向の移動に続く原点位置Oから正負の最大変位位置D±maxまでの夫々のH方向の移動では減衰力発生手段3に実質的に減衰力Rを生じさせない、即ち実質的に零の減衰力Rを生じさせるように減衰力発生手段3を制御する制御手段4とを具備している。
往復動部材2は、ピストン5と、ピストン5に固着して連結されたピストンロッド6と、ピストンロッド6の一端部に固着された取り付け部7とを具備している。
減衰力発生手段3は、ピストン5をH方向に往復動自在に収容すると共にピストンロッド6が貫通したシリンダ10と、ピストン5により区画されたシリンダ10内の一方の室11に一方のポート12で連通されていると共にピストン5により区画されたシリンダ10内の他方の室13に他方のポート14で連通されている制御オリフィス弁15と、シリンダ10内に収容された流体、例えばシリコンオイル16とを具備している。
制御オリフィス弁15は、ポート12から供給されてポート14に向かう又はポート14から供給されてポート12に向かうシリコンオイル16が流れると共に径が制御されるようになっているオリフィス通路を有しており、斯かるオリフィス通路をシリコンオイル16が流れることによる流動抵抗により減衰力Rを生じさせるようになっている。
制御手段4は、ピストン5のH方向の往復動を検出する検出手段21と、検出手段21からの検出結果に基づいて制御オリフィス弁15のオリフィス通路の径を制御するマイクロコンピュータ等を具備した制御部22とを具備している。
検出手段21は、ピストン5の位置を夫々検出すると共にH方向に並んで配された三個の検出器23、24及び25を具備しており、検出器23は、H方向においてシリンダ10の略中央位置に、検出器24は、H方向においてH1方向のピストン5の略最大移動可能位置に、検出器24は、H方向においてH1方向と反対の方向であるH2方向のピストン5の最大移動可能位置に夫々配されており、斯かる検出器23、24及び25としては、磁気センサ等の非接触形のセンサを用いることができる。
制御部22は、検出手段21の検出器23、24及び25からの検出結果に加算、減算、微分、積分等の処理を施してピストン5の正負の最大変位位置D±max及び原点位置Oへの到来並びにピストン5の移動方向を判断するようになっている。
制御手段4は、ピストン5のH方向の往復動において正負の最大変位位置D±maxから原点位置Oまでの夫々の移動では制御オリフィス弁15のオリフィス通路におけるシリコンオイル16の通過で所定の減衰力Rを生じさせる一方、これらの移動に続く原点位置Oから正負の最大変位位置±maxまでの夫々の移動では制御オリフィス弁15のオリフィス通路におけるシリコンオイル16の通過で実質的に減衰力Oを生じさせないようにピストン5のH方向の往復動に基づいて、本例では検出手段21からの検出結果に基づいて、制御オリフィス弁15を制御するようになっている。
以上の振動エネルギ吸収装置1は、図2に示すように、基礎を含む地盤31に対してH方向(水平方向)に可動となるように転動自在なころ32を介して地盤31上に設置されて免震化された構造物33にピストンロッド6が取り付け部7を介して構造物33のH方向の振動を受けるように連結される一方、シリンダ10が地盤31に固定されて使用される。
構造物33を初期位置に復帰させる復帰手段は、構造物33と構造物33が設置される地盤31との間に介在されたコイルばね35からなる弾性装置を具備しており、弾性係数Kを有したコイルばね35は、地震による構造物33のH方向の振動において伸縮し、地震が収まると構造物33を振動前の初期位置(原点位置Oに相当)にその復元力(弾性力)により復帰させるようになっている。取り付け部7を介する往復動部材2のピストンロッド6の構造物33側への連結は、構造物33に振動が生じていなくコイルばね35により構造物33が初期位置に復帰されて静止されている状態で、図1に示すようにピストン5がH方向においてシリンダ10の略中央に位置、即ち原点位置Oに位置するようになされる。
この状態で、ピストン5が原点位置O(D=0)に存在していることを示す検出手段21からの検出結果を受ける制御部22は、制御オリフィス弁15のオリフィス通路の径を最大にするように、換言すれば、制御オリフィス弁15のオリフィス通路にシリコンオイル16が流れても実質的に減衰力Rを生じさせない(R=0)ように、制御オリフィス弁15を制御する。構造物33が地震によりH方向に振動されてピストンロッド6を介してピストン5が最初に例えば図3に示すようにH方向においてH1方向に移動されると、室11側のシリコンオイル16が制御オリフィス弁15のオリフィス通路を介して室13側に流動し、而して、減衰力発生手段3は、略中央位置(原点位置O、D=0)からH1方向の正の最大変位位置(D=D+max)までのピストン5のH1方向の移動では、制御オリフィス弁15の最大径にされたオリフィス通路に基づく図7の直線41で示す零の反力(抵抗)Rを発生してこれをピストンロッド6に与えることになる。
更に、図3に示すようにH1方向の正の最大変位位置(D=D+max)にピストン5が移動された後に、ピストン5がH方向においてH1方向と反対の方向であるH2方向に移動され始めると、検出手段21からの検出結果を受ける制御部22は、ピストン5がH1方向の正の最大変位位置(D=D+max)に到達してH方向においてH1方向と反対の方向であるH2方向に移動され始めたということを判断して、直ちに、制御オリフィス弁15のオリフィス通路の径を小さくして制御オリフィス弁15のオリフィス通路にシリコンオイル16が流れると一定の減衰力Rを生じさせるように制御オリフィス弁15を制御する。この状態で、ピストン5がH2方向に移動されると、今度は、室13側のシリコンオイル16が制御オリフィス弁15のオリフィス通路を介して室11側に流動する結果、減衰力発生手段3は、正の最大変位位置(D=D+max)からH2方向の略中央位置(原点位置O、D=0)までのピストン5のH2方向の移動では、制御オリフィス弁15の縮小されたオリフィス通路に基づく図7の曲線42で示す一定の反力(抵抗)Rを発生してこれをピストンロッド6に与えることになる。
更に、図3に示すように正の最大変位位置(D=D+max)からH2方向にピストン5が移動された後に、図4に示すようにピストン5が略中央位置(原点位置O、D=0)に到達すると、検出手段21からの検出結果を受ける制御部22は、ピストン5が略中央位置(D=0)に到達したということを判断して、直ちに、制御オリフィス弁15のオリフィス通路の径を最大にするように、換言すれば、制御オリフィス弁15のオリフィス通路にシリコンオイル16が流れても実質的に減衰力Rを生じさせない(R=0)ように、制御オリフィス弁15を制御する。
ピストン5がシリンダ10の略中央位置(D=0)から更にH2方向に継続して移動されると、減衰力発生手段3は、ピストン5のH2方向の略中央位置(D=0)からH2方向の移動では、制御オリフィス弁15の最大径にされたオリフィス通路に基づく図7の直線43で示す零の反力(抵抗)Rを発生してこれをピストンロッド6に与えることになる。
図4に示すように略中央位置(D=0)からH2方向の移動でピストン5が図5に示すようにH2方向の負の最大変位位置(D=−max)に到達後に、ピストン5がH方向においてH2方向と反対の方向であるH1方向に再び移動され始めると、検出手段21からの検出結果を受ける制御部22は、ピストン5がH2方向の負の最大変位位置(D=D−max)に到達してH方向においてH2方向と反対の方向であるH1方向に移動され始めたということを判断して、直ちに、制御オリフィス弁15のオリフィス通路の径を小さくして制御オリフィス弁15のオリフィス通路にシリコンオイル16が流れると一定の減衰力Rを生じさせるように制御オリフィス弁15を制御する。この状態で、ピストン5がH1方向に移動されると、再び室11側のシリコンオイル16が制御オリフィス弁15のオリフィス通路を介して室13側に流動する結果、減衰力発生手段3は、負の最大変位位置(D=D−max)からH1方向の略中央位置(原点位置O、D=0)までのピストン5のH1方向の移動では、制御オリフィス弁15の縮小されたオリフィス通路に基づく図7の曲線44で示す一定の反力(抵抗)Rを発生してこれをピストンロッド6に与えることになる。
更に、図5に示すように負の最大変位位置(D=D−max)からH1方向にピストン5が移動された後に、図6に示すようにピストン5が略中央位置(原点位置O、D=0)に到達すると、検出手段21からの検出結果を受ける制御部22は、ピストン5が略中央位置(D=0)に到達したということを判断して、直ちに、制御オリフィス弁15のオリフィス通路の径を最大にするように、換言すれば、制御オリフィス弁15のオリフィス通路にシリコンオイル16が流れても実質的に減衰力Rを生じさせない(R=0)ように、制御オリフィス弁15を制御し、而して、減衰力発生手段3は、略中央位置(原点位置O、D=0)からH1方向の正の最大変位位置(D=D+max)までのピストン5のH1方向の移動では、再び図7の直線41で示す零の反力(抵抗)Rを発生してこれをピストンロッド6に与えることになる。
以下、H1方向の正の最大変位位置(D=+max)まで再びピストン5が移動された以後は、ピストン5がH2方向及びH1方向に振動する限りにおいて上記の動作を繰り返して、振動エネルギ吸収装置1は、図7に示す直線41、曲線42、直線43及び曲線44で示す減衰ループからなる減衰力R(反力R)をピストンロッド6に与えることになる結果、構造物33の地震によるH方向の振動を減衰させる。そして振動エネルギ吸収装置1では、構造物33の地震によるH方向の振動の振幅及び速度の減少と共に直線41、曲線42、直線43及び曲線44で示される減衰ループが小さくなって、その減衰ループで示される減衰を構造物33の地震によるH方向の振動に対して与えることになり、構造物33の振動が収まると、コイルばね35の復元力によって構造物33は初期位置に配される。
ところで、構造物33の振動中において構造物33には、ピストン5のH方向の各位置Dに対して図7に示す復元力直線45で表されるようなコイルばね35の復元力Rと振動エネルギ吸収装置1の減衰力R(反力R)とが負荷されることになるのであるが、振動エネルギ吸収装置1が構造物33の位置Dの変位に対して所謂負の剛性を有したものとなるために、構造物33に負荷される振動エネルギ吸収装置1の減衰力Rとコイルばねの復元力Rとの合力が比較的小さくなり、これら合力を受ける構造物33の剛性を特に大きくしなくてもよくなる。
即ち、振動エネルギ吸収装置1によれば、制御手段4により往復動部材2のH方向の往復動において正負の最大変位位置D±maxから原点位置Oまでの夫々の移動では減衰力発生手段3に一定の減衰力を生じさせる一方、これらの移動に続く原点位置Oから正負の最大変位位置D±maxまでの夫々の移動では減衰力発生手段3に実質的に減衰力を生じさせないようになっているために、構造物33の制震化のために往復動部材2を当該構造物33に連結して振動エネルギ吸収装置1を構造物33に設置しても、地震等による構造物33の振動において原点位置Oから正負の最大変位位置D±maxまでの夫々の移動では、往復動部材2が連結される構造物33の部位には振動エネルギ吸収装置1の減衰力に基づく力が生じない結果、当該部位の剛性をそれ程大きくしなくてもよく、しかも、地震等による構造物33の振動において正負の最大変位位置D±maxから原点位置Oまでの夫々の移動では、並置されるコイルばね35の復帰力と振動エネルギ吸収装置1の減衰力とが相殺される結果、これによっても往復動部材2が連結される構造物33の部位の剛性をそれ程大きくしなくてもよいことになる。
上記は、ころ32によって免震化された構造物33の例であるが、これに代えて、滑り部材等を介して構造物33を地盤31に対してH方向に可動となるように地盤31上に設置して免震化してもよく、更には、例えば積層ゴム支承でもって免震化された構造物でもよく、この場合には、コイルばね35を省いて、弾性装置としての積層ゴム支承に復帰機能を担わせてもよく、更には、構造物としては免震化されていない構造物であってもよく、この場合には、復帰手段を特に構造物とは別体に設けないで構造物自体に復帰機能を備えさせてもよい。また、制御オリフィス弁15のオリフィス通路の通路抵抗を調節して免震化された構造物又は免震化されていない構造物に図7の直線41、曲線52、直線43及び曲線54又は直線41、曲線62、直線43及び曲線64で表されるような最適な減衰ループが得られるようにしてもよい。なお、図7に示す曲線は、説明のための原理的な曲線であって、実際には例えば曲線42と直線43とは、原点(=0)を通ることなしに結ばれることになり、曲線44と直線41とについても同様である。
また、制御手段4は、正負の最大変位位置D±maxから原点位置Oまでは、制御オリフィス弁15のオリフィス通路を一定の縮小された径にするように、減衰力発生手段3の制御オリフィス弁15を制御したが、これに代えて、往復動部材2のH方向の往復動において正負の最大変位位置D±maxから原点位置Oまでの夫々の移動では減衰力発生手段3に徐々に減少する減衰力Rを生じさせるべく、制御オリフィス弁15のオリフィス通路の径を徐々に縮小するように減衰力発生手段3の制御オリフィス弁15を制御してもよく、更には、制御手段4及び減衰力発生手段3は、検出器23、24及び25、制御部22及び制御オリフィス弁15等の電気的に作動するものを含むことなしに、停電でも動作し得る機械的なもので構成してもよい。
本発明の実施の形態の好ましい一例の説明図である。 図1に示す例を構造物に用いた例の説明図である。 図2に示す例の動作説明図である。 図2に示す例の動作説明図である。 図2に示す例の動作説明図である。 図2に示す例の動作説明図である。 図2に示す例の動作説明図である。
符号の説明
1 振動エネルギ吸収装置
2 往復動部材
3 減衰力発生手段
4 制御手段

Claims (9)

  1. 原点位置に対して正負の最大変位位置を往復動自在な往復動部材と、この往復動部材の往復動に対して減衰力を生じさせる減衰力発生手段と、往復動部材の往復動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に減衰力を生じさせる一方、これらの移動に続く原点位置から正負の最大変位位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に実質的に減衰力を生じさせないように減衰力発生手段を制御する制御手段とを具備している振動エネルギ吸収装置。
  2. 制御手段は、往復動部材の往復動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に略一定の減衰力を生じさせるべく、減衰力発生手段を制御するようになっている請求項1に記載の振動エネルギ吸収装置。
  3. 制御手段は、往復動部材の往復動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では減衰力発生手段に徐々に減少する減衰力を生じさせるべく、減衰力発生手段を制御するようになっている請求項1に記載の振動エネルギ吸収装置。
  4. 往復動部材は、ピストンと、このピストンに連結されたピストンロッドとを具備しており、減衰力発生手段は、ピストンを往復動自在に収容すると共にピストンロッドが貫通したシリンダと、ピストンにより区画されたシリンダ内の一方の室に一方のポートで連通されていると共にピストンにより区画されたシリンダ内の他方の室に他方のポートで連通されている制御オリフィス弁と、シリンダ内に収容された流体とを具備しており、制御手段は、ピストンの往復動において正負の最大変位位置から原点位置までの夫々の移動では制御オリフィス弁における流体の通過で減衰力を生じさせる一方、これらの移動に続く原点位置から正負の最大変位位置までの夫々の移動では制御オリフィス弁における流体の通過で実質的に減衰力を生じさせないようにピストンの往復動に基づいて制御オリフィス弁を制御するようになっている請求項1から3のいずれか一項に記載の振動エネルギ吸収装置。
  5. 制御手段は、ピストンの往復動を検出する検出手段を具備しており、この検出手段に基づいて制御オリフィス弁を制御するようになっている請求項4に記載の振動エネルギ吸収装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の振動エネルギ吸収装置に構造物の振動をその往復動部材で受けるように連結されている構造物。
  7. 免震化された構造物であって、振動後に構造物を初期位置に復帰される復帰手段に連結されている請求項6に記載の構造物。
  8. 復帰手段は、構造物と構造物が設置される地盤との間に介在された弾性装置を具備している請求項7に記載の構造物。
  9. 弾性装置は、積層ゴム支承及びコイルばねのうちの少なくとも一つを具備している請求項8に記載の構造物。
JP2005266026A 2005-09-13 2005-09-13 振動エネルギ吸収装置 Active JP4852946B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005266026A JP4852946B2 (ja) 2005-09-13 2005-09-13 振動エネルギ吸収装置
US12/518,517 US8087500B2 (en) 2005-09-13 2006-12-13 Vibrational energy absorbing apparatus
TW095147650A TWI386565B (zh) 2005-09-13 2006-12-19 Vibration absorption device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005266026A JP4852946B2 (ja) 2005-09-13 2005-09-13 振動エネルギ吸収装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007078062A true JP2007078062A (ja) 2007-03-29
JP4852946B2 JP4852946B2 (ja) 2012-01-11

Family

ID=37938602

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005266026A Active JP4852946B2 (ja) 2005-09-13 2005-09-13 振動エネルギ吸収装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4852946B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101307458B1 (ko) * 2011-12-06 2013-09-11 건국대학교 산학협력단 구조물 진동 계측 및 제어를 위한 변위 및 속도 센서 내장형 오일댐퍼
JP2016505738A (ja) * 2012-12-14 2016-02-25 オハイオ ユニバーシティ リセット式半受動剛性ダンパ及びその使用方法
KR20160097245A (ko) * 2013-12-03 2016-08-17 에이제이에이 엔터프라이스 피티이 엘티디 패널 어셈블리
JP2016166668A (ja) * 2015-03-03 2016-09-15 株式会社免制震ディバイス 構造物の振動抑制装置
JP2017187092A (ja) * 2016-04-04 2017-10-12 株式会社免制震ディバイス 構造物の振動抑制装置
CN107724762A (zh) * 2017-11-10 2018-02-23 智性科技南通有限公司 粘滞和摩擦耗能双功能阻尼器
JP2019196818A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 清水建設株式会社 減衰機構
KR102322744B1 (ko) 2013-12-03 2021-11-04 에이제이에이 엔터프라이스 피티이 엘티디 패널 어셈블리

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0226335A (ja) * 1988-07-15 1990-01-29 Toyota Motor Corp ショックアブソーバの減衰力制御方法
JP2004301306A (ja) * 2003-04-01 2004-10-28 Hirokazu Iemura 負の剛性を有する振動エネルギ吸収装置及びそれを備えた構造物
JP2004346950A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Koyo Seiki Kk 制振用オイルダンパー

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0226335A (ja) * 1988-07-15 1990-01-29 Toyota Motor Corp ショックアブソーバの減衰力制御方法
JP2004301306A (ja) * 2003-04-01 2004-10-28 Hirokazu Iemura 負の剛性を有する振動エネルギ吸収装置及びそれを備えた構造物
JP2004346950A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Koyo Seiki Kk 制振用オイルダンパー

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101307458B1 (ko) * 2011-12-06 2013-09-11 건국대학교 산학협력단 구조물 진동 계측 및 제어를 위한 변위 및 속도 센서 내장형 오일댐퍼
JP2016505738A (ja) * 2012-12-14 2016-02-25 オハイオ ユニバーシティ リセット式半受動剛性ダンパ及びその使用方法
KR20160097245A (ko) * 2013-12-03 2016-08-17 에이제이에이 엔터프라이스 피티이 엘티디 패널 어셈블리
KR102322744B1 (ko) 2013-12-03 2021-11-04 에이제이에이 엔터프라이스 피티이 엘티디 패널 어셈블리
JP2016166668A (ja) * 2015-03-03 2016-09-15 株式会社免制震ディバイス 構造物の振動抑制装置
JP2017187092A (ja) * 2016-04-04 2017-10-12 株式会社免制震ディバイス 構造物の振動抑制装置
CN107724762A (zh) * 2017-11-10 2018-02-23 智性科技南通有限公司 粘滞和摩擦耗能双功能阻尼器
JP2019196818A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 清水建設株式会社 減衰機構
JP7133974B2 (ja) 2018-05-10 2022-09-09 清水建設株式会社 減衰機構

Also Published As

Publication number Publication date
JP4852946B2 (ja) 2012-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4852946B2 (ja) 振動エネルギ吸収装置
EP2093454B1 (en) Vibration energy absorber
JP2014158022A (ja) 定常振動防止システムおよびその防振システムの制御方法
KR20110055213A (ko) 통합제진시스템 및 이를 이용한 진동제어방법
CN110835886A (zh) 桥墩减震装置
JP2019183906A (ja) マスダンパ
JP6205229B2 (ja) 免震建物の制振方法及び装置
KR20090058430A (ko) 납-고무베어링과 전동식 브레이크가 장착된 준능동동조질량감쇠기
KR101316458B1 (ko) 댐퍼장치
TWI386565B (zh) Vibration absorption device
JP4591242B2 (ja) 振動エネルギ吸収装置
JP2017531790A (ja) リフティングシステム、電気的な検査のための方法、振動減衰器及び機械アセンブリ
KR101927863B1 (ko) 자기유변감쇠기와 토글가새를 결합한 면진장치
JP4543784B2 (ja) 長ストローク用ダンパ
JP4258254B2 (ja) 負の剛性を有する振動エネルギ吸収装置及びそれを備えた構造物
CN107783382B (zh) 减振器、减小干扰振动的方法和光刻机
JP2008202371A (ja) 建物の能動型制振装置
JP3463110B2 (ja) 免震床の三次元免震装置
Yamaguchi et al. Linear friction damper consisting of cylindrical friction block and inclined lever (Investigation of fundamental property)
CN116623822B (zh) 一种球面静压支承调谐质量阻尼系统
RU2382254C1 (ru) Виброизолятор
JP2006258141A (ja) 揺動体に対するコリオリ力を利用した吸振器
JP2022183508A (ja) 制振装置
JP2005069339A (ja) 振動吸収装置
JPS6224144Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110927

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111010

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4852946

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250