JP2007077942A - クランク室圧縮型2サイクルエンジン及び燃料粒子微細化装置 - Google Patents

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真也 服部
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洋 堀
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Abstract

【課題】構造が簡単で安価な排気ガスに含まれる未燃性炭化水素が少ないクランク室圧縮型2サイクルエンジンを提供する。また、既存のクランク室圧縮型2サイクルエンジンにも装着可能で、排気ガスに含まれる未燃性炭化水素量を抑制ならしめる混合気中の燃料粒子を微細化可能な燃料粒子微細化装置を提供する。
【解決手段】クランク室24と燃焼室15とを連通させる掃気通路17を有するクランク室圧縮型2サイクルエンジン1であって、前記掃気通路17の入口部18、中間部35、又は出口部31の少なくともいずれか1の場所に、前記クランク室24から前記燃焼室15に向かって送出される混合気を衝突させ、前記混合気に含まれる燃料粒子を微細化させる貫通孔52及び/又は流路を備える微細化手段19が装着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、混合気中の燃料粒子を微細化し、排気ガス中の全炭化水素(THC)を低減可能なクランク室圧縮型2サイクルエンジンに関する。また混合気中の燃料粒子を微細化可能な燃料粒子微細化装置に関する。
刈払機やチェーンソー等の携帯型動力作業機に使用されている一般的な2サイクルエンジンは、ピストンが1往復する間に吸気、圧縮、膨張、及び排気の各行程を行う。シリンダには、混合気を吸入する吸気口、燃焼ガスを排気する排気口、混合気を燃焼室に送り燃焼室内の燃焼ガスを追い出す掃気口が設けられており、この吸気口、排気口、掃気口は、シリンダ内を往復動するピストンにより開閉される。
吸気、圧縮、膨張、及び排気の各行程は、次ぎの要領で行われる。ピストンが上昇するに従って、シリンダ下方のクランク室の圧力が低下し、混合気がクランク室へ吸入する(吸気行程)。さらにピストンが上昇するに伴い燃焼室内の混合気は、圧縮され(圧縮行程)、圧縮された混合気は、点火プラグにより点火、燃焼することで体積を膨張させ、ピストンを押し下げる(膨張行程)。ピストンが下降することで、排気口が開き燃焼ガスは排気口から排気し、さらに掃気口から新たな混合気が燃焼室へ導入され、燃焼室内に残留する燃焼ガスが追い出される(排気行程)。このように混合気を燃焼室に送り燃焼室内の燃焼ガスを追い出すため、従来の2サイクルエンジンでは吹き抜けが生じ、排気ガス中に未燃混合気が混入していた。
排気ガス中に未燃混合気が混入しこれらが大気に放出されると、環境汚染につながるため、2サイクルエンジンでは、掃気通路出口部付近の形状を改善することで、掃気通路出口の掃気流の燃焼室への噴出し方向を改善することができ、よって掃気で燃焼ガスを排気口への掃き出す効率を高めると共に、吹き抜けを防止する技術が、従来より、一般的に用いられている。また、前記掃気通路出口における掃気流の燃焼室への掃き出し方向の技術の効果を高めるために、掃気通路のシリンダボア側に内壁を設ける技術がある。内壁がない場合、掃気通路中を流れる掃気流は、シリンダボア内を上下に往復運動するピストンの側面と接触するため、流れに乱れが生じる。これに対して、内壁を設ける場合では、内壁が掃気通路入口より流入した掃気流を掃気通路出口に誘導するガイドとして働き、これにより、掃気流は通路内での流れに乱れが生じることなく、掃気通路出口に誘導されるため、掃気流の流れを掃気通路出口形状に沿った方向に向けることが出来る。一方で、前記掃気通路出口の形状、および内壁の形状については、掃気通路部を含めたシリンダ全体を一体として金型鋳造で成形する場合、型抜きの関係から、形状に制約が生じる。これに対しては、掃気通路部の外側を掃気通路形成フタとして、シリンダ本体とは別体として成形し、これを本体にネジ等で固定することで対処する技術もある。
これら技術とは別に、本発明者らは、以前から燃焼室に送出される混合気の燃焼効率を高める技術に関する研究開発を行っており、これまでにも排気ガス中に混入する未燃混合気を低減、抑制する発明を完成させ、特許出願を行っている。本発明者らが先になした発明は、排気口の中心軸及びシリンダの中心軸を対象軸とするシリンダ内壁に、排気口と反対側の壁面に向かって掃気流を吹上げる3対の掃気口を設けるとともに、これら3対の掃気口は、それぞれの対の掃気口からの掃気流が互いに衝突して燃料粒子の霧化が促進されるように、それぞれの対の掃気口の中心軸の方向を、他の対の掃気口の中心軸の方向と異なるように設けると言うものである(特許文献1参照)。これにより、掃気流の飛散が抑えられ、燃料粒子の霧化作用とあいまって排気ガス中のTHCを低減させることができる。
本発明者ら以外の発明者によっても、燃焼室に送出される混合気の燃焼効率を高める技術が開発、開示されている(例えば特許文献2参照)。特許文献2に記載の技術は、掃気通路における掃気入口付近を絞ることにより、掃気を急激に膨張させ乱流を生じさせることで燃料の霧化を促進させ、排気ガス中のTHCを低減させるとするものである。
さらに、従来の掃気法とは異なり層状掃気と呼ばれる掃気法を採用する2サイクルエンジンも開発されている(例えば特許文献3参照)。この層状掃気は、燃焼室にエアーを混合気に先行して導入することで、排出されるべき燃料ガスと未燃混合気との間にエアー層を形成し、このエアー層により混合気と燃焼ガスとの混合を防止し、混合気の吹き抜け量を低減するとするものである。
また、エンジン出力を向上させるものとして従来技術(例えば特許文献4参照)によれば、クランクシャフトのウエイト部に軽量部材を取り付け、体積を増やせば上死点時と下死点時のクランク室の体積比を増加させることが出来、クランク室圧力を増加させることができる。これにより、掃気流に大きな圧力が生じ燃焼室への混合気の送出量が増加し出力も増加するという技術がある。
特開2005−16488号公報 特開2002−227652号公報 特開2002−129963号公報 特開平9−25926号公報
特許文献1に記載の技術は、3対の掃気口からの掃気流を互いに衝突させることで燃料粒子の霧化を促進させるものであり、これにより掃気流の飛散が抑えられ、燃料粒子の霧化作用とあいまって排気ガス中のTHCを低減させる技術である。特許文献2に記載の技術も、掃気通路における掃気入口付近を絞ることにより、掃気を急激に膨張させ乱流を生じさせることで燃料の霧化を促進させ、排気ガス中のTHCを低減させる技術である。また特許文献3に記載の技術は、層状掃気を採用することで、排気ガス中の有害成分を低減できるとする。但し、特許文献3に記載のエンジンは、特許文献1、又は特許文献2に記載の2サイクルエンジンに比較して構造が複雑である。
特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載の技術も、排気ガス中のTHCを低減させる技術ではあるが、これら技術も完全とは言えず、排気ガス中のTHCをより低減させるためには、さらなる改良、開発が必要である。今後は環境汚染を防止する観点から排気ガス規制がさらに強化されることが予想され、排気ガス中のTHCを抑制する技術開発は急務となっている。排気ガス中のTHCを抑制可能な2サイクルエンジンは、市場性、メンテナンスなど考えれば、構造が簡単で、安価に製造可能なエンジンであることが好ましい。さらに従来のエンジンにも容易に適用することができれば、より好ましい。
本発明の目的は、構造が簡単で安価な排気ガスに含まれる未燃性炭化水素が少ないクランク室圧縮型2サイクルエンジンを提供することにある。また、既存のクランク室圧縮型2サイクルエンジンにも装着可能で、排気ガスに含まれる未燃性炭化水素量を抑制ならしめる混合気中の燃料粒子を微細化可能な燃料粒子微細化装置の提供を目的とする。
本発明は、クランク室と燃焼室とを連通させる掃気通路を有するクランク室圧縮型2サイクルエンジンであって、
該掃気通路の入口部、中間部、又は出口部の少なくともいずれか1の場所に、該クランク室から該燃焼室に向かって送出される混合気を衝突させ、該混合気に含まれる燃料粒子を微細化させる貫通孔及び/又は流路を備える微細化手段が装着されていることを特徴とするクランク室圧縮型2サイクルエンジンである。
また本発明で、前記微細化手段は、平板状の金網、平板状の貫通孔を有する板状体、平板状のスリット孔を有する板状体、立体的に成形された金網、立体的の成形された貫通孔を有する板状体、立体的の成形されたスリット孔を有する板状体、又は繊維状の部材を絡めて多数の流路を形成した部材の少なくともいずれか1であることを特徴とする請求項1に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジンである。
また本発明で、前記微細化手段は、前記微細化手段が装着される場所の前記掃気通路の横断面積と略同一、又は前記掃気通路の横断面積以上の大きさを有し、前記微細化手段は前記掃気通路の横断面全体を塞ぐように装着されていることを特徴とする請求項1又2に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジンである。
また本発明で、前記微細化手段は、前記掃気通路内を流通する前記混合気の流れ、又は前記掃気通路出口部近傍の掃気流の流れを大きく乱さないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジンである。
また本発明で、前記クランク室圧縮型2サイクルエンジンは、シュニューレ掃気式2サイクルエンジンであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジンである。
また本発明で、前記クランク室圧縮型2サイクルエンジンは、多流掃気式2サイクルエンジンであり、前記微細化手段を少なくとも一部の掃気通路に設けることを特徴とする請求項1から5のいずれか1に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジンである。
また本発明は、クランク室と燃焼室とを連通させる掃気通路を有するクランク室圧縮型2サイクルエンジンの該掃気通路の入口部、中間部、又は出口部の少なくともいずれか1の場所に装着可能で、該クランク室から該燃焼室に向かって送出される混合気を衝突させ、該混合気に含まれる燃料粒子を微細化させる貫通孔及び/又は流路を備えることを特徴とする燃料粒子微細化装置である。
本発明のクランク室圧縮型2サイクルエンジンは、クランク室と燃焼室とを連通させる掃気通路を有するクランク室圧縮型2サイクルエンジンであって、掃気通路の入口部、中間部、又は出口部の少なくともいずれか1の場所に、クランク室から燃焼室に向かって送出される混合気を衝突させ、混合気に含まれる燃料粒子を微細化させる多数の貫通孔及び/又は流路を備える微細化手段が装着されているので、クランク室から燃焼室に向かって送出される混合気に含まれる燃料粒子を微細化することができる。
混合気中の燃料粒子を微細化させることで、燃料粒子と空気との接触面積が増加し、燃焼が容易となり、また空燃比が均一化され燃焼効率が高まる。燃料効率が高まることで、排気ガス中に含まれる未燃分が減少し、従来の2サイクルエンジンに比較して大幅にTHCの排出を抑制することができる。本発明は、微細化手段を装着することで排気ガス中のTHCを抑制するので、構造が簡単で安価に2サイクルエンジンを製造することができる。
また本発明によれば、微細化手段は、平板状の金網、平板状の貫通孔を有する板状体、平板状のスリット孔を有する板状体、立体的に成形された金網、立体的の成形された貫通孔を有する板状体、立体的の成形されたスリット孔を有する板状体、又は繊維状の部材を絡めて多数の流路を形成した部材の少なくともいずれか1であるので、多種類の微細化手段を用いることができる。またいずれの微細化手段も形状、構造が簡単で安価に製造することができる。
また本発明によれば、微細化手段は、微細化手段が装着される場所の掃気通路の横断面積と略同一、又は掃気通路の横断面積以上の大きさを有し、微細化手段は掃気通路の横断面全体を塞ぐように装着されているので、混合気は確実に微細化手段に衝突する。これにより効率的に混合気中の燃料粒子を微細化することが可能となり、結果的に排気ガス中のTHCを低減できる。
また本発明によれば、微細化手段は、掃気通路内を流通する混合気の流れ、又は掃気通路出口部近傍の掃気流の流れを大きく乱さないので、燃焼効率を高めることができる。目開きが均一であるような微細化手段を使用すると、混合気が金網に衝突、通過する際の圧力損失が、均一となる。このため混合気の偏流、流れに乱れが少なく、掃気通路出口における掃気流の噴出し方向を狙った方向に向けることが出来る。このことは、前記背景技術の欄に記載した掃気流の噴出し方向に関する技術と併用しても、阻害することはない。よって、併用することで相加的な排ガス値の改善効果が得られる。
また本発明によれば、クランク室圧縮型2サイクルエンジンは、シュニューレ掃気式2サイクルエンジンであるので、本発明をシュニューレ掃気式2サイクルエンジンに適用することができる。
また本発明によれば、クランク室圧縮型2サイクルエンジンは、多流掃気式2サイクルエンジンであり、微細化手段を少なくとも一部の掃気通路に設けるので、本発明を容易に多流掃気式2サイクルエンジンに適用することができる。
また本発明の燃料粒子微細化装置は、クランク室と燃焼室とを連通させる掃気通路を有するクランク室圧縮型2サイクルエンジンの掃気通路の入口部、中間部、又は出口部の少なくともいずれか1の場所に装着可能で、クランク室から燃焼室に向かって送出される混合気を衝突させ、混合気に含まれる燃料粒子を微細化させる多数の貫通孔及び/又は流路を備えるので、本燃料粒子微細化装置を既存のクランク室圧縮型2サイクルエンジンに装着することで容易に排気ガス中のTHCを低減させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態としてのクランク室圧縮型2サイクルエンジン1の縦断面図である。図2は、微細化手段19(19a、19b)を掃気通路入口部18(18a、18b)に取り付ける要領を説明するための図である。本2サイクルエンジン1はクランク室圧縮型のシュニューレ掃気式2サイクルエンジンであり、シリンダ11内に摺動自在なピストン12を有し、シリンダ11は、シリンダ11の下部をクランクケース13と接続する。シリンダ11は、外面に冷却用のフィン14を有し、シンリダ11の上部に燃焼室15を備える。燃焼室15は、図示を省略した点火プラグを備え、燃焼室15に送られた燃料である混合気を燃焼させる。
またシリンダ11の胴部には、燃焼室15で燃焼した燃焼ガスを排気するための排気口16が設けられている。さらに、混合気を燃焼室15に送り、燃焼室15内の燃焼ガスを追い出すための掃気通路17がシリンダ11の胴部に設けられており、掃気通路17は、一対の掃気通路17a、17bで排気口16を挟むように配列されたシュニューレ掃気方式である。また、掃気通路17の入口部18(18a、18b)には、混合気に含まれる燃料粒子を微細化するための微細化手段19(19a、19b)が設けられている。
ピストン12は、ピストン12を往復動させるコンロッド20と連結し、コンロッド20は、クランクケース13下部に配設されるクランクシャフト21に連結し、ピストン12を往復動させる。クランクケース13は、軸受22、23を介してクランクシャフト21を回転自在に支持するとともに、内部にクランク室24を形成する。
微細化手段19は、金属製の金網であり、金網19は、掃気通路入口部18とほぼ同一の形状を有するが、両端部25(25a、25b)、26(26a、26b)が、掃気通路入口部18に比較して若干長くなっている。これにより金網19は、掃気通路17に入り込むことが防止される。シリンダ11とクランクケース13と接続するシリンダ接続部27の掃気通路入口部18には、金網19の厚さに対応した深さを有し、金網19の形状と略同一の形状を有する凹部28(28a、28b)が設けられている。またシリンダ接続部27には、シリンダ11とクランクケース13との接続位置を決める位置決め用ガイト32a、32bが立設されている。
ガスケット29は、黒鉛などの耐熱性を有するシート状の部材であり、シリンダ接続部27の外周縁と略同一の形状を有し、位置決用ガイト32a、32bに挿入可能な空間部を有する。さらに掃気通路入口部18に該当する部分は、混合気の流通を妨げないように切り取られている。またガスケット29の四隅には、シリンダ11とクランクケース13とを接続するためのボルトが貫通するボルト穴30(30a、30b、30c、30d)が設けられている。
以上のような構成の下、シリンダ接続部27に設けられた凹部28に金網19を嵌入し、ガスケット29を介して、シリンダ11とクランクケース13とを図示を省略したボルトで接続する。これによりシリンダ11とクランクケース13とが一体的に結合される。ガスケット29を介して、シリンダ11とクランクケース13とを接続することにより、シリンダ11とクランクケース13との接続部からの混合気の漏洩を防止することが可能となるとともに、ガスケット29とシリンダ接続部27とにより金網19が固定される。
上記のような構成を有するクランク室圧縮型2サイクルエンジン1は、既存の2サイクルエンジン同様、ピストン12が上昇するに従って、クランク室24内の圧力が低下し、図示を省略した気化器を介して混合気がクランク室24に導かれる。さらにピストン12が上昇するに伴い燃焼室15内の混合気は圧縮され、圧縮された混合気は、図示を省略した点火プラグにより点火、燃焼することで体積を膨張させ、ピストン12を押し下げる。ピストン12が下降することで、まず排気口16が開き、燃焼ガスは排気口16から排気し、さらに掃気通路出口31(31a、31b)が開く。またピストン12が下降することで、クランク室24の混合気が圧縮される。掃気通路出口31が開くと同時期に、クランク室24から混合気が掃気通路17へ送出され、混合気は、掃気流となって燃焼室15に流入する。掃気流は、排気口16とは反対の壁面に衝突、反転した後に、燃焼ガスを燃焼室15から排気口16に掃き出す。
本実施形態のクランク室圧縮型2サイクルエンジン1は、従来の2サイクルエンジンと異なり、掃気通路入口部18に混合気に含まれる燃料粒子を微細化するための微細化手段19を有する。このため混合気がクランク室24から掃気通路17へ送出されるとき、混合気が微細化手段19である金網に衝突する。混合気中の燃料粒子が、クランク室圧力による正圧かつ高圧の状態で金網19に衝突すると燃料粒子に機械的なせん断力が生じ、燃料粒子は微細化される。また金網19に付着した燃料粒子には、混合気の流れによるせん断力が生じ、燃料粒子は金網19から部分的に剥離することで微細化される。
燃料粒子が微細化されると、燃料粒子と空気との接触面積が増加し、燃焼効率がよくなる。さらに、燃料粒子が微細化されることで混合気の空燃比が均一化され、局所的に存在していた過濃空燃比も改善されることから、燃焼ガス(排気ガス)中に含まれるTHC濃度が減少する。このように本発明のクランク室圧縮型2サイクルエンジン1は、非常に簡単な構成で燃焼ガス中に含まれるTHC濃度を減少させることができる。
上記のように本発明は、掃気通路17の入口部18に、混合気に含まれる燃料粒子を微細化するための微細化手段19を有する点に特徴がある。混合気を微細化する手段としては、背景技術の欄に記載したように、特開2002−227652号公報に、掃気通路における掃気入口付近を絞ることにより、掃気ガスを急激に膨張させ乱流を生じさせることで燃料を微細化させる技術が提案されている。本発明は、混合気中の燃料粒子を金網19に衝突させることで、燃料粒子にせん断力を生じさせ、燃料粒子を微細化させるものであり、特開2002−227652号公報の技術とは微細化のメカニズムが異なる。
また、本発明のクランク室圧縮型2サイクルエンジンでは、混合気に含まれる燃料粒子を微細化するための微細化手段19が金網である。このことから掃気通路入口部18の横断面の目開き、開口率などが同一である。また金網19が、掃気通路入口部18に、混合気の流れに直交配置されるため、混合気の流速が掃気通路17の横断面方向で均一となりやすい。これに対して、特開2002−227652号公報に開示された技術は、強制的にスワール(渦流)様乱流を生じさせるため、混合気の流速が掃気通路の横断面方向で均一となりにくい。本発明では混合気の偏流、流れに乱れが少ないため、掃気通路出口における掃気流の噴出し方向を狙った方向に向けることができる。このことは前記背景技術の欄で記載した掃気流の噴出し方向に関する技術と併用しても、阻害することはない。よって、併用することで、相加的な排ガス値の改善効果が得られる。
上記第1実施形態では、混合気に含まれる燃料粒子を微細化するための微細化手段19(19a、19b)として金網を用いた例を説明したけれども、混合気に含まれる燃料粒子を微細化するための微細化手段19は、金網に限定されるものではない。また微細化手段19の取り付け位置も掃気通路入口部18に限定されるものはない。微細化手段19は、多数の貫通孔を有するものであれば良く金網以外にも、例えば、打抜金網とも呼ばれ、金属製の板に貫通孔を穿設した部材であるパンチングメタル、貫通孔を設けた黒鉛シートなどを用いることができる。また微細化手段の形状、構造も、図1及び図2に示した微細化手段19に限定されるものではない。微細化手段19の取り付け位置も掃気通路中間部35、掃気通路出口部31とすることができる。
図3は、本発明の第一実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着された微細化手段19に代わる第2の微細化手段の斜視図である。第2の微細化手段は、図2に示す第1の微細化手段19と同様、シリンダ接続部27に取付け使用するが、図2に示す第1の微細化手段19と異なり、シリンダ接続部27に凹部28を設けることなく取り付けることができる点に特徴を有する。図1又は図2に対応する部分には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図3(a)は、パンチンングメタル51を用いた微細化手段50の斜視図である。パンチグメタル51とは、金属製の板に貫通孔52を穿設した部材であり、打抜金網とも呼ばれ、多くの種類のパンチグメタルが市販されている。貫通孔52も円形に限定されず、六角形などの形状を有してもよい。パンチングメタル51は、ガスケット29の内側に接着され、中央部には、位置決め用ガイド32a、32bに挿入可能な開口部を有する。パンチングメタル51は、シリンダ接続部27に取付けられたときは、掃気通路入口部18(18a、18b)全体を覆うことができる。ガスケット29の外周縁は、シリンダ接続部27の外周縁と同一であり、パンチグメタル51の厚さは、ガスケット29の厚さと比較して、同一又は若干薄くなっている。
このように構成された微細化手段50を図2と同様、シリンダ接続部27とクランクケース13との間に配設し、シリンダ11とクランクケース13とを図示を省略したボルトで接続する。パンチングメタル51の周囲をガスケット29が囲み、またパンチグメタル51の厚さは、ガスケット29の厚さと比較して同一又は若干薄くなっているため、ガスケット29が、シリンダ11とクランクケース13との接続部をシールし、接続部から混合気が漏洩することを防止するとともに、パンチングメタル51が、接合部に確実に固定される。パンチングメタル51は、安価で入手も容易であるから、微細化手段50を装着したクランク室圧縮型2サイクルエンジン1を安価に製造することができる。
図3(a)の構成を採用すると、図2で示したような微細化手段19を嵌入するための凹部28をシリンダ接続部27に設ける必要がない。これはパンチングメタル51をガスケット29の内側に設け、パンチングメタル51とガスケット29の厚さをほぼ同一としたことによる。このような微細化手段50は、製作が容易でかつ微細化手段50を嵌入するための凹部28をシリンダ接続部27に設ける必要がないため、既存の2サイクルエンジンにも容易に適用することができる。
なお、図3(a)ではパンチングメタル51は、シリンダ接続部27の全周を覆うように設けられているけれども、図2と同様、掃気通路入口部18(18a、18b)に対応する部分のみであってもよい。またここではパンチングメタル51とガスケット29とが接着され、一体となった例を示しているけれども、この点についても図2と同様、パンチングメタル51とガスケット29とを分離した構造であってもよい。パンチングメタル51とガスケット29とを接着しなくても、パンチングメタル51とガスケット29の厚さをほぼ同一とすることで、パンチングメタル51を所定の位置に固定することができる。
図3(b)は、ガスケット29を用いた微細化手段55の斜視図である。微細化手段55は、図3(a)の微細化手段50と類似の形状を有するが、パンチングメタル51の代りに、パンチングメタル51に対応する領域のガスケット29に直接貫通孔52が穿設されている。ガスケット29は、黒鉛シートなど耐熱性を有する部材からなり、貫通孔52も容易に穿設することが可能である。ガスケット29を用いた微細化手段55は、混合気を微細化させる機能と、シリンダ11とクランクケース13との接続部の気密性を確保する機能を同時に有するため、便利であり、安価に製造することができる。微細化手段55の貫通孔52が円形に限定されない点、掃気通路入口部18(18a、18b)部分にのみ貫通孔52を設けてもよい点などは、図3(a)の微細化手段50の場合と同じである。
図3(c)は、金網58を用いた微細化手段57の斜視図である。微細化手段57は、図3(a)の微細化手段50と類似の形状を有し、微細化手段50のパンチングメタル51に代わり、金網58が用いられている。微細化手段57は、図2と同様、金網が使用されているが、図2と比較すると、掃気通路入口部18(18a、18b)以外の部分についても、金網58が設けられている点、金網58とガスケット29とが接着され、一体となった点が異なる。さらに図3(a)、3(b)と同様、図2と異なり、金網58を嵌入するための凹部28をシリンダ接続部27に設ける必要がない。この微細化手段57も、微細化手段50、55と同様、安価に製造可能であり、クランク室圧縮型2サイクルエンジンへ1への装着も容易である。
図4は、本発明の第一実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着された微細化手段19に代わる第3の微細化手段であり、部材を組立る前の状態を示す図である。図1から図3に対応する部分には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図1から図3に示す第1微細化手段19、第2微細化手段50、55、57は、単一の部材から成っていたが、微細化手段は、単一の部材で形成されるものに限定されない。図4に示す微細化手段60は、2枚のガスケット61、62で、スリット孔63を有する金属板64、及びスリット孔65を有する金属板66を挟みこむことで形成される。ガスケット61、62は、シリンダ接続部27の外周縁と略同一の外周縁を有し、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着されたとき、掃気通路入口部18(18a、18b)を塞がない幅のシール部67、68を有する。
金属板64のスリット孔63、金属板66のスリット孔65は、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着されたとき、掃気通路入口部18(18a、18b)を覆う位置に設けられている。また、スリット孔63、65は、各々金属板の外周縁69、70、内周縁71、72に貫通しないように設けられており、これにより微細化手段60をクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着しても気密性が確保される。金属板64及び金属板66を重ねるとき、金属板64のスリット孔63と金属板66のスリット孔65とが直交するように重ねることで、矩形の貫通孔を形成させることができる。これにより金網同様、混合気中の燃料粒子を微細化せることができる。
図4に示す微細化手段60も、図3(a)、図3(b)、図3(c)に示す第2微細化手段50、55、57と同様、微細化手段を嵌入するための凹部28を必要としない。金属板64、66の中央部には、位置決め用ガイド32a、32bに挿入可能な開口部が設けられている。微細化手段60をクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着するときは、ガスケット61、62で金属板64、66を挟みこむ形でこれらを位置決め用ガイド32a、32bに通し、シリンダ11とクランクケース13とを接続する。この点は第2微細化手段50、55、57と同一である。微細化手段60をクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着する際は、金属板64と金属板66との間の気密性を確保する必要があるが、気密性の確保は、金属板64と金属板66との接触面を接着剤で接着させることで行うことができる。なお、予めガスケット61、金属板64、66、及びガスケット62を接着剤などで接着しておいてもよいことは言うまでもない。
次ぎに、微細化手段の取り付け位置、及びその取り付け要領について説明する。図5は、本発明の第1実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着された微細化手段19に代わる第4の微細化手段80を示す図である。図5(a)は、微細化手段80の斜視図、図5(b)は、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に微細化手段を取り付けた状態を示す部分断面図である。図1から図4に対応する部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第1から第3の微細化手段は、掃気通路入口部18に取り付けられていたが、第4の微細化手段80は、混合気を衝突し微細化する微細化部81(81a、81b)が、掃気通路の中間部35(35a、35bは図示省略)に取り付けられている。
第4の微細化手段80は、図3(c)と同様、ガスケット29の内側に金網58を有し、金網58は、ガスケット29に接着されている。さらに微細化手段80は、金網58に固着された掃気通路中間部35(35a、35bは図示省略)の横断面と略同一の形状の天面(上面)81(81a、81b)を有する凸部材82(82a、82b)を一対有する。凸部材82が一対設けられているのは、本クランク室圧縮型2サイクルエンジン1が2流掃気式エンジンであることによる。凸部材82は、掃気通路中間部35の横断面と略同一の大きさの天面81と、天面81を支持する支持部83(83a、83b)とからなる。天面81及び支持部83は、金網からなり、支持部83は、下部の金網58、及び天面81の金網と固着されている。支持部83の底面(天面81と反対側)は、空間となっており、支持部83の内部も空洞となっている。
この微細化手段80を、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に取り付けるときは、微細化手段80の凸部材82を掃気通路17内に挿入し、ガスケット29を介して、シリンダ11とクランクケース13とを接続することで行う。このように基本的な取り付け方法は、第1から第3の微細化手段と同一であり、微細化手段80の取り付けを容易に行うことができる。これにより第1から第3の微細化手段と異なり、微細化部81を掃気通路中間部35に取り付けることができる。本微細化手段80を構成する天面81の金網は、掃気通路17の横断面と略同一の大きさを有するため、天面81は、掃気通路17の外壁33、内壁34に接するように挿入される。天面81と掃気通路中間部35との間にほとんど隙間がないため、混合気は確実に天面81の金網に衝突し、効率的に混合気に含まれる燃料粒子を微細化することができる。立体的な形状とすることについては、支持部材83の部分を掃気通路より大きめに成形することでシリンダ接続部27との挟着に加えて、支持部材83部分の圧入による固定方法を得ることができ、微細化手段の剛性を向上させると共に振動に対して強くすることができる。このことは、前記背景技術の欄に記載の内壁を設けたエンジンとは異なり、内壁のないエンジンでは特に有効である。
第4の微細化手段80では、金網58をガスケット29の内側に設けた例を示したけれども、金網58は必ずしも必要ではない。ガスケット29に凸部材82を直接固着させてもよい。また、下部の金網58及び天面81の金網と固着し、天面の金網81を支持する支持部材83も、金網である必要はない。天面の金網81を支持可能な部材であればよく、板状の部材、又は棒状の部材を使用することもできる。さらに、天面の部材も金網に限定されるものではなく、先に示したパンチングメタルなどであってもよい。
図6は、本発明の第4の微細化手段80の変形例で微細化手段90を示す図である。図6(a)は、微細化手段90の斜視図、図6(b)は、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に微細化手段90を取り付けた状態を示す部分断面図である。図5(a)、5(b)と対応する部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図6に示す微細化手段90も、図5に示す第4の微細化手段80と同様、微細化手段90の天面91(91a、91b)が掃気通路の中間部35(35a、35bは図示省略)に位置している。図5に示した微細化手段80と図6に示した微細化手段90とを比較すると、天面91の形状が異なるのみで他の形態、構成、部材等は同一である。図1から図5に示した微細化手段の微細化部は、平面であったが、微細化部は平面に限定されず、図6の微細化手段90のように曲面であってもよい。
図7は、本発明の第1実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着された微細化手段19に代わる第5の微細化手段100を示す図である。図7(a)は、微細化手段100の斜視図、図7(b)は、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に微細化手段100を取り付けた状態を示す部分断面図である。図1から図6に対応する部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第5の微細化手段100は、第1から第4の微細化手段と異なり、混合気を微細化する微細化部105(105a、105b)が掃気通路出口部31(31a、31bは図示省略)に取り付けられている。
図7(a)に示す微細化手段100は、図5(a)、5(b)に示す第4の微細化手段80と類似の構造を有する。また微細化手段100の取り付け要領も、図5(a)、図5(b)に示す微細化手段80と類似する。微細化手段100は、第4の微細化手段80と同様、ガスケット29の内側に金網58を有し、金網58はガスケット29に接着されている。さらに微細化手段100は、金網58に固着された掃気通路17の形状と略同一の形状を有する凸部材102(102a、102b)を一対有する。凸部材102が一対設けられているのは、本クランク室圧縮型2サイクルエンジン1が2流掃気式エンジンであることによる。
凸部材102は、金網からなり、凸部材102の下部104(104a、104b)は、金網58と固着されている。凸部材102の底面(金網58と接触する部分)は、空間となっており、凸部材102の内部も空洞となっている。凸部材102の上部101(101a、101b)は、掃気通路出口部31(31a、31bは図示省略)近傍の形状に一致しており、微細化手段100を本クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に取り付けると、凸部材102の先端部105(105a、105b)が掃気通路出口部31に位置する。
この微細化手段100を、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に取り付けるときは、第四の微細化手段80と同様の方法で行えばよい。ここでは、微細化手段100全体を金網で形成する例を示したけれども、第四の微細化手段80同様、必ずしも全体を金網で形成する必要はなく、凸部材102の先端部(微細化部)105のみを金網で形成してもよい。
図8は、本発明の第5の微細化手段100の変形例である微細化手段110の斜視図である。図7(a)、7(b)と対応する部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。微細化手段110は、掃気通路出口部31に対応する部分にのみ金網115(115a、115b)を有し、金網115は、支持部材113(113a、113b)、114(114a、114b)で支持され、支持部材113、114は、ガスケット29に固着されている。ガスケット29には、掃気通路入口18に該当する部分に開口部が設けられている。この微細化手段110は、微細化手段100と同様、掃気通路17に挿入し使用する。なお、金網115に変りパンチングメタルなど貫通孔52を有する部材を使用可能なことは、前述の通りである。
図9は、本発明の第2実施形態としてのクランク室圧縮型2サイクルエンジン2の一部を示す斜視図である。図9(a)は、第6の微細化手段120を取外した状態を示す分解図であり、図9(b)は、微細化手段120をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す図である。図1から図8に対応する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態に示す2サイクルエンジンは、シリンダ11の両側面に着脱可能な一対の掃気通路形成蓋36(36a、36bは図示省略)を有する。この点が本クランク室圧縮型2サイクルエンジン2の特徴であり、この点、及び微細化手段120を除き、他の構成は第1実施形態に示したクランク室圧縮型2サイクルエンジン1と同一である。
クランク室圧縮型2サイクルエンジン2は、シリンダ11の側面に掃気通路形成蓋36を有する。掃気通路形成蓋36は、シリンダ11の側面に設けられた開口部37(37a、37bは図示省略)に取り付けられ使用される。掃気通路形成蓋36は、冷却用フィン38(38a、38bは図示省略)を有する外壁39(39a、39bは図示省略)と外壁39に直交し、シリンダ11の開口部37に挿入される凸部40(40a、40bは図示省略)を有する。掃気通路形成蓋36が開口部37に取り付けられたとき、凸部40の先端側の壁面41(41a、41bは図示省略)は、掃気通路17の外壁面33と面一となり、掃気用通路17の一部を形成する。シリンダ11の側面に設けられた開口部37は、掃気通路中間部35(35a、35bは図示省略)から掃気通路出口部31(31a、31bは図示省略)に位置し、微細化手段である金網120(120a、120bは図示省略)を支持可能な支持部42(42a、42bは図示省略)を有する。
クランク室圧縮型2サイクルエンジン2も第1実施形態と同様、混合気中の燃料粒子を微細化可能な微細化手段120を備える。微細化手段120は金網で形成され、掃気通路17の中間部35の横断面と支持部42とを併せた大きさ、形状を有する。このため微細化手段120がクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けられたときは、金網120は、掃気通路17の中間部35の横断面を隙間なく覆うことが可能であるとともに、金網120の一部は、支持部42で支持される。
以上に構成の下、金網120をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けるときは、金網120を開口部37の支持部42に載せた後、掃気通路形成蓋36をシリンダ11の開口部37に挿入し、図示を省略したボルトでシリンダ11と掃気通路形成蓋36とを固着する。シリンダ11と掃気通路形成蓋36とのシール性確保は、シリンダ11と掃気通路形成蓋36との間に挿入するガスケット121(121a、121bは図示省略)を介して行う。このように掃気通路中間部35に取り付けられた金網120は、支持部42、及び掃気通路形成蓋36の凸部40により固定される。これにより掃気通路中間部35に微細化手段120を装着することができる。
上記のようにクランク室圧縮型2サイクルエンジン2は、シリンダ11の両側面に、掃気通路中間部35から掃気通路出口部31に位置する着脱可能な一対の掃気通路形成蓋36を有するので、簡単に微細化手段120を掃気通路中間部35に装着することができる。ここで使用可能な微細化手段120も金網で形成することが可能であり、簡単にまた安価に製造することができる。微細化手段として金網以外にパンチングメタルなどを使用可能な点は、本発明の第1の実施形態と同じである。
図10は、本発明の第2実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着された微細化手段120に代わる第7の微細化手段130を示す図である。図10(a)は、微細化手段130を取外した状態を示す分解図であり、図10(b)は、微細化手段130を2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す図である。図9(a)、図9(b)対応する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。図9に示した微細化手段120が平面形状であったのに対し、図10に示す微細化手段130(130a、130bは図示を省略)は、中央に凹部131(131a、131bは図示を省略)を有する。
微細化手段130は、金網で形成され、凹部131が掃気通路17の中間部35に嵌りこむ。また凹部131の周囲の金網132(132a、132bは図示省略)が、シリンダ11の開口部37(37a、37bは図示省略)の支持部42(42a、42bは図示省略)で支持される。このような構成を有する微細化手段130は、図9に示す微細化手段120と同様の方法でクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着される。
微細化手段130は、中央に凹部131を有し、これが掃気通路17に配設されることで、混合気中の燃料粒子が、微細化手段130の微細化部である凹部131の底面133(133a、133bは図示省略)の金網に衝突することで微細化される。図9の微細化手段120に比較して形状が複雑であるが、プレス機で比較的簡単に製造することができる。ここでは、微細化手段全体130を金網で形成する例を示したけれども、凹部131の底面133のみを金網で形成してもよいことはもちろんである。
図11は、本発明の第2実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着された微細化手段120に代わる第8の微細化手段140を示す図である。図11(a)は、微細化手段140を取外した状態を示す分解図であり、図11(b)は、微細化手段140を図11(a)と反対の方向から見た斜視図、図11(c)は、微細化手段140をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す図である。第8の微細化手段140(140a、140bは図示を省略)は、第6の微細化手段120、及び第7の微細化手段130と異なり、微細化手段140が掃気通路出口部31(31a、31bは図示省略)に装着されている。図9、図10に対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
微細化手段140は、第6の微細化手段120、及び第7の微細化手段130と同様、金網で構成される。微細化手段140は、第6の微細化手段120、及び第7の微細化手段130と同様、シリンダ11の側面に設けられた開口部37(37a、37bは図示を省略)から挿入され、掃気通路形成蓋36(36a、36bは図示を省略)、シリンダ11、及び掃気通路内壁34とで掃気通路出口部31(31a、31bは図示省略)で固定される。
微細化手段140は、微細化手段130と同様、中央に凹部141(141a、141bは図示省略)を有し、凹部141の周囲には、微細化手段140を掃気通路出口部31に固定するための固定部を有する。微細化手段140をシリンダ11の開口部37に挿入すると、微細化手段140の固定部の上部143(143a、143bは図示省略)が、開口部37のシリンダ11の壁面に、また固定部の下部144(144a、144bは図示省略)が、掃気通路17の内壁34に当接する。
これにより、微細化手段140は、シリンダ11側に入り込むことなく、位置が固定される。このとき凹部141の先端145(145a、145bは図示省略)が、シリンダ内壁43と面一、又は若干引っ込んでいるので(掃気通路中間部35側)、ピストン12が往復動をしても微細化手段140に衝突することはない。また、凹部141の先端部145は、掃気通路出口部31と略同一の形状を有し、掃気通路出口部31を隙間なく覆う。混合気中の燃料粒子は、微細化手段140の微細化部である凹部141の先端145の金網に衝突することで微細化される。
第8の微細化手段140も、図10に示す第7の微細化手段130と同様、プレス機で比較的簡単に製造することができる。なお、このとき凹部141の先端部145が、シリンダの内壁43より飛び出してはいけないこと言うまでもない。またここでは、微細化手段全体140を金網で形成する例を示したけれども、凹部141の先端部145のみ金網であってもよいことは、第7の微細化手段130と同一である。
図12は、本発明の第2実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着された微細化手段120に代わる第9の微細化手段150を示す図である。図12(a)は、微細化手段150を取外した状態を示す分解図であり、図12(b)は、微細化手段150をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す図である。第9の微細化手段150(150a、150bは図示を省略)は、微細化手段150が掃気通路入口部18(18a、18bは図示を省略)、及び掃気通路中間部35(35a、35bは図示を省略)に装着されている点に特徴を有する。図1から図11に対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
微細化手段150は、第2の微細化手段の一つである微細化手段57と、第6の微細化手段120(120a、120bは図示省略)とを併せ持った微細化手段である。微細化手段57は、図1、図2と同じようにシリンダ接続部27に装着され、微細化手段120は、図9と同じようにシリンダ11の側面の開口部37(37a、37bは図示省略)に装着される。個々の取り付け要領も、第2の微細化手段、及び第6の微細化手段の取り付け要領と同じである。このように微細化手段は、必ずしも一箇所にのみ設ける必要はなく、図12に示すように掃気通路入口部18、及び掃気通路中間部35に装着してもよい。さらに掃気通路入口部18、掃気通路中間部35、及び掃気通路出口部31の3箇所に微細化手段を設けてもよい。
図13は、本発明の第2実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着された微細化手段120に代わる第10の微細化手段160を示す図である。図13(a)は、微細化手段160を取外した状態を示す分解図であり、図13(b)は、微細化手段160をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す部分断面図である。第10の微細化手段160は、第1から9の微細化手段とは異なり、微細化手段160として、グラスウール、ネットワイヤなど繊維状の部材を絡めて所定の形状としたものである。図1から図12に対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
第1から9の微細化手段には、金網、パンチングメタル又は貫通孔52を穿設したガスケットなど、貫通孔等(金網の開き目を含む)が形成されていたが、本微細化手段160は、貫通孔等の代わりに、繊維状の部材を絡めることで、多数の小さな迷路状の流路を形成し、これにより混合気中の燃料粒子を微細化させるものである。多数の小さな迷路状の流路も、貫通孔等と同様の機能を発揮し、混合気が繊維状の部材を絡めた微細化手段160に衝突することで燃料粒子が微細化される。また繊維状部材に付着した燃料粒子には、混合気の流れによるせん断力が生じ、燃料粒子は繊維状部材から部分的に剥離することで微細化される。
微細化手段160(160a、160b)は、断面が掃気通路17と略同一の断面を有し、高さは掃気通路入口部18(18a、18bは図示省略)から、掃気通路35のほぼ中央部に相当する高さ(後述の支持部42の高さ)を有する。微細化手段160は、次ぎの要領で2サイクルエンジン2に取り付けることができる。微細化手段160をシリンダ接続部27の底部から掃気通路17へ挿入し、ガスケット170を介してクランクケース13とシリンダ11とを接続する。ガスケット170は、掃気通路入口部18に該当する位置に開口部171(171a、171b)を有する。
この開口部171は、混合気の流れを阻害しない程度の開口面積をもった格子状の孔となっていることから、微細化手段160を支持することが可能である。よって、微細化手段160を掃気通路内17に挿入し、ガスケット170を介してシリンダ11とクランクケース13とを接続すると、ガスケット170は、シリンダ11とクランクケース13との接続部の気密性を確保すると同時に、微細化手段160が、クランク室24内へ落下することを防止する。
一方、微細化手段160の掃気通路出口部31(31a、31bは図示省略)側への移動は、微細化手段固定部材180(180a、180bは図示省略)により制限される。微細化手段固定部材180は、掃気通路中間部35の横断面と微細化手段固定部材180を支持可能な支持部42(42a、42bは図示省略)とからなる面積を有する。シリンダ11の側面に設けられた開口部37(37a、37bは図示省略)から微細化手段固定部材180を挿入すると、微細化手段固定部材180は、掃気通路中間部35を覆うとともに、支持部42で支持される。
微細化手段固定部材180のうち、掃気通路中間部35を覆う部分には、微細化手段160の移動を制限し、混合気の流れを阻害しない開口部181(181a、181bは図示省略)が設けられているので、混合気の流れを阻害することはない。微細化手段固定部材180は、ガスケット121(121a、121bは図示省略)を介して掃気通路形成蓋36(36a、36bは図示省略)で固定される。掃気通路形成蓋36の取り付け要領は、図9から図12に示す取り付け要領と同じである。
また第10の微細化手段160は、次ぎの要領で形成し、クランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着することもできる。ガスケット170を介してクランクケース13とシリンダ11とを接続した後、シリンダ11の開口部37から繊維状の部材を掃気通路17に押し込み充填する。繊維状部材が開口部37の支持部42の高さまで充填されたら、微細化手段固定部材180を挿入し、ガスケット121(121a、121bは図示省略)を介して掃気通路形成蓋36(36a、36bは図示省略)で固定する。掃気通路形成蓋36の取り付け要領は、図9から図12に示す取り付け要領と同じである。この方法によれば、微細化手段160を予め成形しておく必要がなく、装着が容易である。
以上本発明の第1の実施形態、及び第2の実施形態では、2流掃気式のクランク室圧縮型2サイクルエンジンに微細化手段を装着し使用する例を示したけれども、クランク室圧縮型2サイクルエンジンは、2流掃気式の2サイクルエンジンに限定されるものではなく、4流掃気式など多流掃気式の2サイクルエンジンなどにも適用可能なことは当然である。例えば、第1から第3、第6、第8の微細化手段のような、板状体の微細化手段は、それぞれ第1実施形態のエンジン1のシリンダ接続面27、若しくは第2実施形態のエンジン2のシリンダ掃気通路の開口部37に取り付けるため、掃気通路の形状が2流掃気式、4流掃気式に関らず、装着することが可能である。
図14は、本発明の第3実施形態としての4流掃気式2サイクルエンジン3の一部を示す斜視図である。図14(a)は、第11の微細化手段190を取外した状態を示す分解図であり、図14(b)は、微細化手段190を4流掃気式2サイクルエンジン3に取り付けた状態を示す部分断面図である。図1から図13に対応する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
ここで示す4流掃気式2サイクルエンジン3は、図10に示す2流掃気式2サイクルエンジン2と類似の形状を有し、掃気通路17が隔壁44(44a、44bは図示省略)で分離され、一の掃気通路17が2分割されている点で2流掃気式2サイクルエンジン2と異なる。図14(a)、図14(b)に示した4流掃気式2サイクルエンジン3に適用可能な微細化手段190は、図10(a)、図10(b)の2流掃気式2サイクルエンジン2に取り付ける微細化手段130に対応する。
微細化手段190(190a、190bは図示省略)と微細化手段130とを比較すると、微細化手段190には、掃気通路17の隔壁44に相当する仕切り部191(191a、191bは図示省略)が形成されており、この仕切り部191を境界として、左右に各々凹部192a、192cが設けられている。微細化手段190を4流掃気式2サイクルエンジン3に取り付けると、微細化手段190の凹部192a、192cが各々掃気通路45a、45cに嵌入する。これにより各々の掃気通路45a、45cを流通する混合気に含まれる燃料粒子を微細化することができる。
図15は、本発明の第4実施形態としての4流掃気式2サイクルエンジン4に装着された微細化手段200を示す図である。図15(a)は、第12の微細化手段200の斜視図であり、図15(b)は、微細化手段200を4流掃気式2サイクルエンジン4に取り付けた状態を示す部分断面図である。図1から図14に対応する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、ここで示す4流掃気式2サイクルエンジン4は、図1に示す2流掃気式2サイクルエンジン1と類似の形状を有し、掃気通路17が隔壁で分離され、一の掃気通路17が2分割されている点で2流掃気式2サイクルエンジン1と異なる。
微細化手段200と微細化手段100とを比較すると、微細化手段200には、掃気通路17の数だけ凸部202(202a、202b、202c、202d)が形成されている。凸部202aと凸部202c、凸部202bと凸部202dとの間には、掃気通路の仕切り部に対応した空間が設けられている。微細化手段200の4流掃気式2サイクルエンジン4への取付方法は、微細化手段100を2流掃気式2サイクルエンジン1へ取付る要領と同一である。
このように2流掃気式2サイクルエンジンであっても、4流掃気式2サイクイルエンジン3であっても、微細化手段の基本的な構造、形状は同一であり、掃気通路の形状に併せた微細化手段を用いればよい。これは第1から第12に示した微細化手段の全てに共通する。
以上、本発明の実施形態として第1から第4の実施形態を示し、微細化手段も第1から第12の形態を示したけれども、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。本発明は、掃気通路入口部18、中間部35、又は出口部31の少なくともいずれか1箇所以上に微細化手段を配設し、掃気通路17を流通する混合気に含まれる燃料粒子を微細化手段に衝突させ、燃料粒子を微細化させる点に特徴を有する。よって、この本発明のポイントを逸脱しない範囲で実施形態を変更して使用することができる。
微細化手段は、貫通孔等(含む金網の開き目)、又は小さな流路の周囲の部材(貫通孔等を形成する部材)に混合気中の燃料粒子を衝突させることで、燃料粒子にせん断力を与え燃料粒子を微細化させる。また微細化手段を形成する部材に混合気中の燃料粒子が付着すると、燃料粒子には、混合気の流れによるせん断力が生じ、燃料粒子は部材から部分的に剥離することで微細化される。よって、燃料粒子を微細化させるには、微細な貫通孔等、又は微細な流路を多く設けることが望ましいが、一方で、微細な貫通孔等は、混合気が通過する際の圧力損失を上昇させる。混合気が掃気通路17を通過するときの圧力損失が上昇すると、燃焼室15への混合気の送出量が低下し、出力が低下することも想定されるため、貫通孔等の大きさ、数、長さ(部材の厚さ)、又は流路の長さ、数などは、これらの点も考慮して決めることが望ましい。
また、圧力損失の問題については、クランク室圧力を増加させ、圧力損失の損失分を補うことができれば、十分な混合気の送出量を得ることができ、出力の低下を防ぐことができる。クランク室圧力を増加させる方法については、前記背景技術の欄に記載のクランクシャフトのウエイト部に重量を増加させることなく体積を増やすことで、1次圧縮比を増加させる技術などがあり、これらの技術と微細化手段を組み合わせることで、より微細化手段を有効利用できる。
(実施例)次ぎに本発明の実施例を示す。
下記要領で、燃焼ガス中のTHC濃度を測定した。エンジンには、排気量約55ccの4流掃気式2サイクルエンジンを使用し、微細化手段には、図3(c)に示す微細化手段57を用いた。微細化手段は、20〜40メッシュの金網であり、装着位置は、掃気通路入口部18とした。比較例として、微細化手段を装着しない場合の燃焼ガス中のTHC濃度も併せて測定した。測定の結果を図16に示した。図16により、微細化手段を設けない場合に比べて排ガス中のTHCが大幅に改善されていることがわかる。
以上記載したように本発明のクランク圧縮型2サイクルエンジンは、微細化手段が装着されているので、効率的に燃焼ガス中のTHCを低減させることができる。本発明で使用する微細化手段は構成が非常に簡単で、安価にまた簡単に製造することができる。よって、微細化手段が装着されたクランク室圧縮型2サイクルエンジンであっても、安価に製造することができる。さらに微細化手段は、2サイクルエンジンへの装着方法も簡単で、既存のクランク室圧縮型2サイクルエンジンを改良することなく装着することができる。
さらに本実施形態では、シュニューレ掃気式2サイクルエンジンについて説明したけれども、本発明は、空気先導層状掃気式2サイクルエンジン、排気先導層状掃気式2サイクルエンジン、4サイクルエンジンにも適用することができる。これらエンジンに本発明の微細化手段を装着することで、燃焼ガス中のTHCをより減少させることができる。また燃焼効率を高めることもできる。
本発明の第1実施形態としてのクランク室圧縮型2サイクルエンジン1の縦断面図である。 本発明の第1実施形態としてのクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に微細化手段19を取り付ける要領を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着された微細化手段19に代わる第2の微細化手段の斜視図であり、図3(a)は、パンチンングメタル51を用いた微細化手段50、図3(b)は、ガスケットを用いた微細化手段55、図3(c)は、金網58用いたとしての微細化手段57の斜視図である。 本発明の第1実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着された微細化手段19に代わる第3の微細化手段60であり、部材を組立る前の状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着された微細化手段19に代わる第4の微細化手段80を示す図であり、図5(a)は、微細化手段80の斜視図、図5(b)は、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に微細化手段80を取り付けた状態を示す部分断面図である。 本発明の第4の微細化手段80の変形例である微細化手段90を示す図であり、図6(a)は、微細化手段90の斜視図、図6(b)は、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に微細化手段90を取り付けた状態を示す部分断面図である。 本発明の第1実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン1に装着された微細化手段19に代わる第5の微細化手段100を示す図であり、図7(a)は、微細化手段100の斜視図、図7(b)は、クランク室圧縮型2サイクルエンジン1に微細化手段100を取り付けた状態を示す部分断面図である。 本発明の第5の微細化手段100の変形例である微細化手段110の斜視図である。 本発明の第2実施形態としてのクランク室圧縮型2サイクルエンジン2の一部を示す斜視図であり、図9(a)は、微細化手段120を取外した状態を示す分解図であり、図9(b)は、微細化手段120をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着された微細化手段120に代わる第7の微細化手段130を示す図であり、図10(a)は、微細化手段130を取外した状態を示す分解図であり、図10(b)は、微細化手段130をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着された微細化手段120に代わる第8の微細化手段140を示す図であり、図11(a)は、微細化手段140を取外した状態を示す分解図であり、図11(b)は、微細化手段140を図11(a)と反対の方向から見た斜視図、図11(c)は、微細化手段140をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着された微細化手段120に代わる第9の微細化手段150を示す図であり、図12(a)は、微細化手段150を取外した状態を示す分解図であり、図12(b)は、微細化手段150をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に示すクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に装着された微細化手段120に代わる第10の微細化手段160を示す図であり、図13(a)は、微細化手段160を取外した状態を示す分解図であり、図13(b)は、微細化手段160をクランク室圧縮型2サイクルエンジン2に取り付けた状態を示す図である。 本発明の第3実施形態としての4流掃気式2サイクルエンジン3の一部を示す斜視図であり、図14(a)は、第11の微細化手段190を取外した状態を示す分解図であり、図14(b)は、微細化手段190を4流掃気式2サイクルエンジン3に取り付けた状態を示す部分断面図である。 本発明の第4実施形態に示す4流掃気式2サイクルエンジン4に装着された第12の微細化手段200を示す図であり、図15(a)は、第12の微細化手段200の斜視図、図15(b)は、微細化手段200を4流掃気式2サイクルエンジン4に取り付けた状態を示す部分断面図である。 本発明の実施例の結果を示す図である。
符号の説明
1、2 クランク室圧縮型2サイクルエンジン
3、4 4流掃気式2サイクルエンジン
13 クランクケース
15 燃焼室
16 排気口
17 掃気通路
18 掃気通路入口部
19 金網
24 クランク室
31 掃気通路出口部
35 掃気通路中間部
50、55、57 微細化手段
51 パンチングメタル
52 貫通孔
58 金網
60 微細化手段
63、65 スリット孔
80、90 微細化手段
100、110 微細化手段
120、130 微細化手段
140、150 微細化手段
160、190 微細化手段
200 微細化手段

Claims (7)

  1. クランク室と燃焼室とを連通させる掃気通路を有するクランク室圧縮型2サイクルエンジンであって、
    該掃気通路の入口部、中間部、又は出口部の少なくともいずれか1の場所に、該クランク室から該燃焼室に向かって送出される混合気を衝突させ、該混合気に含まれる燃料粒子を微細化させる貫通孔及び/又は流路を備える微細化手段が装着されていることを特徴とするクランク室圧縮型2サイクルエンジン。
  2. 前記微細化手段は、平板状の金網、平板状の貫通孔を有する板状体、平板状のスリット孔を有する板状体、立体的に成形された金網、立体的の成形された貫通孔を有する板状体、立体的の成形されたスリット孔を有する板状体、又は繊維状の部材を絡めて多数の流路を形成した部材の少なくともいずれか1であることを特徴とする請求項1に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジン。
  3. 前記微細化手段は、前記微細化手段が装着される場所の前記掃気通路の横断面積と略同一、又は前記掃気通路の横断面積以上の大きさを有し、前記微細化手段は前記掃気通路の横断面全体を塞ぐように装着されていることを特徴とする請求項1又2に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジン。
  4. 前記微細化手段は、前記掃気通路内を流通する前記混合気の流れ、又は前記掃気通路出口部近傍の掃気流の流れを大きく乱さないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジン。
  5. 前記クランク室圧縮型2サイクルエンジンは、シュニューレ掃気式2サイクルエンジンであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジン。
  6. 前記クランク室圧縮型2サイクルエンジンは、多流掃気式2サイクルエンジンであり、前記微細化手段を少なくとも一部の掃気通路に設けることを特徴とする請求項1から5のいずれか1に記載のクランク室圧縮型2サイクルエンジン。
  7. クランク室と燃焼室とを連通させる掃気通路を有するクランク室圧縮型2サイクルエンジンの該掃気通路の入口部、中間部、又は出口部の少なくともいずれか1の場所に装着可能で、該クランク室から該燃焼室に向かって送出される混合気を衝突させ、該混合気に含まれる燃料粒子を微細化させる貫通孔及び/又は流路を備えることを特徴とする燃料粒子微細化装置。
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