JP2007076490A - 電動パーキングブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動パーキングブレーキ装置を、電動アクチュエータ20によって制動力を変更されるパーキングブレーキ10と、車両の停車状態から駐車状態への移行を検出する駐車状態検出部と、パーキングブレーキ10が制動状態にある場合に、車両の停車状態から駐車状態への移行に応じてパーキングブレーキ10の制動力を増加させる制御部40とを備える構成とする。
【選択図】図3
Description
このような電動パーキングブレーキは、運転者が電気的なスイッチによって操作できるから、一般的な手動レバーや足踏みペダルによる操作に対して労力が低減され、また、車両の状態に応じて自動的に作動させることによって、ATクリープや坂道の傾斜等に起因する運転者の意図しない車両の動き出しを防止することができ、安全性の向上にも寄与するものである。
これに対し、電動パーキングブレーキは、車両のアイドルアップを検出してそのエンジン回転数の増加に応じて制動力を増加させるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、電動パーキングブレーキは、例えば走行後におけるブレーキドラムとシュー、あるいはブレーキディスクとパッド等のブレーキ摩擦材の温度低下によりこれらの摩擦係数が変化し、当初設定した制動力よりも実際の制動力が低下する場合があった。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡単な構成によって車両の動き出しを防止する電動パーキングブレーキ装置を提供することである。
請求項1の発明は、電動アクチュエータによって制動力を変更されるパーキングブレーキと、車両の停車状態から駐車状態への移行を検出する駐車状態検出部と、前記パーキングブレーキが制動状態にある場合に、前記車両の前記停車状態から前記駐車状態への移行に応じて前記パーキングブレーキの制動力を増加させる制御部とを備える電動パーキングブレーキ装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置において、前記駐車状態検出部は、前記車両のドアロック装置の施錠を検出する施錠検出部を有し、前記制御部は、前記パーキングブレーキが制動状態にありかつ前記停止操作及び前記ドアロックの前記施錠が検出された場合に前記パーキングブレーキの制動力を増加させることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置である。
(1)車両が停車状態から駐車状態に移行する際に、パーキングブレーキの制動力を通常の停車時における制動力よりも増加(増し引き)することによって、駐車中の摩擦材等の温度低下や部材の熱収縮等に伴う摩擦係数の低下に関わらず十分な制動力を発揮させて傾斜等に起因する車両の動き出しを防止することができ、また、再始動時におけるアイドルアップを伴うATクリープによる車両の動き出しを防止することができる。
(2)車両の停車状態から駐車状態への移行を、例えばイグニッションスイッチのオフ操作等の走行用動力源の停止操作に基づいて検出することによって、装置の構成を簡素化することができる。
(3)車両の停車状態から駐車状態への移行を、上述した停止操作に加えてドアロック装置の施錠も用いて検出することによって、例えば給油時におけるエンジンの停止やアイドルストップ状態での停車時に増し引きが行われることを防止し、増し引き動作の頻度を低減して機械的な負担を軽減することができる。
図1は、実施例1の電動パーキングブレーキ装置の機械的構成を示す概略図である。図2は、電動パーキングブレーキ装置の回路構成を示すブロック図である。
電動パーキングブレーキ装置は、パーキングブレーキ10、アクチュエータユニット20、バッテリ30、コントローラ40、操作スイッチ50、車両側ユニット60を備えている。
アクチュエータユニット20は、例えば直流(DC)モータの回転力を減速ギア列によって減速してリードスクリュを回転させ、このリードスクリュにネジ結合されたイコライザによってパーキングブレーキケーブル21を牽引し又は弛緩させるものである。
ここで、アクチュエータユニット20は、パーキングブレーキケーブル21に負荷される張力を調整することによって、制動状態におけるパーキングブレーキ10の制動力を調整する機能を備えている。この張力の調整は、アクチュエータユニット20がパーキングブレーキケーブル21を牽引するストロークを変化させることによって行われ、このためアクチュエータユニット20は、このストロークを検出する図示しないストロークセンサが設けられている。
プラス端子31は、コントローラ40に配線(ハーネス)を介して接続されている。このプラス端子31からコントローラ40に電力を供給する配線は、図2に示すように、イグニッション配線31a、常時接続配線31bが設けられている。イグニッション配線31aは、その中間部にイグニッションスイッチのオンオフと連動して導通、遮断が切換えられるイグニッションリレーIが挿入され、車両の走行用動力源であるエンジンのオン時に通電されるものである。また、常時接続配線31bは、イグニッションスイッチの操作に関わらず、常時通電されているものである。
また、マイナス端子32は、車両の車体(ボディ)に対して接地されている。
ECU41は、操作スイッチ50、車両側ユニット60からの入力に応じてパーキングブレーキ10の制動要否を判断するとともに、後述する増し引き制御を行うCPUを備えている。
また、コントローラ40は、上述したイグニッション配線31aの通電有無に基づいて、車両の走行用動力源の停止操作であるイグニッションスイッチのオフ操作を検出する停止操作検出部(駐車状態検出部)としても機能する。
ここで、このときにパーキングブレーキ10が発生する制動力Fsは、そのときの車両のATクリープ力、路面の傾斜度等を考慮して車両の動き出しを防止するように設定され、アクチュエータユニット20は、制動力Fs及び運転時におけるブレーキドラムとシューとの摩擦係数を考慮して予め設定されたストロークSsだけパーキングブレーキケーブル21を牽引する。
図3は、増し引き制御を示すフローチャートである。以下、ステップ毎に順を追って説明する。
(ステップS01:電動パーキングブレーキオン判断)
コントローラ40は、パーキングブレーキ10が所定の制動力Fsを発生する制動状態になっているか否かを判断し、制動状態(電動パーキングブレーキオン)の場合は、車両が停車状態にあるものと判断してステップS02に進み、解除状態(電動パーキングブレーキオフ)の場合は、車両が走行状態にあるものと判断してステップS01を繰返す。
コントローラ40は、イグニッションスイッチにオフ操作がなされたか否かを検出する。この検出は、イグニッション配線31aからの電力供給の有無を監視し、この電力供給の途絶を検出することによって行うことができる。
イグニッションスイッチにオフ操作が行われた場合は、車両が停車状態から駐車状態に移行したと判断してステップS03に進み、オフ操作が行われなかった場合は、車両が依然として停車状態であると判断してステップS01に戻り、それ以降の処理を繰返す。
コントローラ40は、リレー42を介してアクチュエータユニット20に駆動電力を供給し、パーキングブレーキケーブル21を、従前のストロークSsよりも大きいストロークSpまでさらに牽引(増し引き)させて、パーキングブレーキ10の制動力を従前の制動力Fsよりも大きい制動力Fpとして増し引き制御処理を終了する。
(1)電動パーキングブレーキが作動しかつイグニッションスイッチのオフ操作が行われた場合に増し引きを行い、パーキングブレーキ10の制動力を大きくしているから、ブレーキドラム、シューが駐車中に冷却されて摩擦係数が低下しても十分な制動力を確保することができ、傾斜等に起因する駐車中における車両の動き出しを防止することができる。さらに、再始動時にアイドルアップが行われ、ATクリープ力が増大しても、予め制動力を大きくしているから、車両の動き出しを防止することができる。
(2)イグニッションスイッチのオフ操作を、イグニッション配線31aの通電有無に基づいて検出しているから、簡単な構成によって検出することができる。
(3)駐車時に上述した増し引き制御を行っているから、例えば短時間停車する場合等に高頻度で用いられる制動力Fsを、現在のエンジン回転数や傾斜等の車両情報に基づいて小さく設定することができ、装置の耐久性の面において有利である。
(4)増し引き制御は、自動的に行われるから、運転者の負担が増加することがなく便利である。
図4は、実施例2の電動パーキングブレーキ装置における増し引き制御を示すフローチャートである。以下、ステップ毎に順を追って説明する。
(ステップS11:電動パーキングブレーキオン判断)
コントローラ40は、パーキングブレーキ10が制動状態か否かを判断し、制動状態の場合はステップS12に進み、解除状態の場合はステップS11を繰返す。
(ステップS12:イグニッションスイッチオフ判断)
コントローラ40は、イグニッションスイッチのオフ操作有無を検出し、オフ操作が行われた場合はステップS13に進み、オフ操作が行われなかった場合はステップS11に戻り、それ以降の処理を繰返す。
コントローラ40は、車両側ユニット60から伝達されたドアロックアクチュエータ61の作動状態に基づいて、ドアロック装置が施錠されたか否かを検出する。
そして、施錠が行われた場合はステップS14に進み、施錠が行われなかった場合はステップS11に戻り、それ以降の処理を繰返す。
(ステップS14;電動パーキングブレーキ増し引き)
上述した実施例1のステップS03と同様に増し引きを行い、増し引き制御処理を終了する。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)各実施例は、イグニッションスイッチのオフ操作、ドアロック装置の施錠動作に基づいて車両の停車状態から駐車状態への移行を検出しているが、これに限らず、他の要素に基づいて停車状態から駐車状態への移行を検出してもよい。例えば、車両側ユニットと通信可能なキーレスエントリ・スタート用発信機との通信可否、搭乗者のシートへの着座有無、乗降時に跳ね上げ可能なステアリングホイールの跳ね上げ操作等に基づいて駐車状態への移行を検出するようにしてもよい。
(2)各実施例は、車両の走行用動力源としてエンジンを用い、その停止操作入力部としてイグニッションスイッチを設けていたが、例えば走行用動力源は、二次電池や燃料電池によって駆動される電気モータや、エンジンと電気モータとを組み合わせたハイブリッドシステムであってもよく、停止操作入力部は、例えばそのメインスイッチであってもよい。
(3)各実施例のパーキングブレーキは、フットブレーキ用のブレーキディスクの内径側に配置されたドラムを用いるものであるが、パーキングブレーキの形式は他の形式であってもよく、例えば、フットブレーキ用のディスクブレーキ及びドラムブレーキとその摩擦材を共用し、パーキングブレーキと一体化したものであってもよい。このようなパーキングブレーキは、走行中摩擦材が高温となることから、冷却に伴う摩擦係数の変化が大きく、本発明の効果がより顕著となる。
(4)各実施例のパーキングブレーキは、ボディ側に固定された電動アクチュエータを用い、パーキングブレーキケーブルを介してパーキングブレーキを駆動するものであったが、本発明はこれに限らず、例えば電動アクチュエータをホイールハブ側に設けてパーキングブレーキと一体化したいわゆるビルトイン型の電動パーキングブレーキにも適用することができる。
(5)各実施例は、キーレスエントリによって制御されるドアロックアクチュエータが出力する信号に基づいてドアロック装置の施錠を検出しているが、これに限らず、他の方式によって検出してもよい。例えば、ユーザがキーを挿入して回転操作するキーシリンダの動作に基づいて施錠を検出するようにしてもよい。
20 アクチュエータユニット
30 バッテリ
31a イグニッション配線
I イグニッションリレー
40 コントローラ
50 操作スイッチ
60 車両側ユニット
61 ドアロックアクチュエータ
Claims (3)
- 電動アクチュエータによって制動力を変更されるパーキングブレーキと、
車両の停車状態から駐車状態への移行を検出する駐車状態検出部と、
前記パーキングブレーキが制動状態にある場合に、前記車両の前記停車状態から前記駐車状態への移行に応じて前記パーキングブレーキの制動力を増加させる制御部と
を備える電動パーキングブレーキ装置。 - 請求項1に記載の電動パーキングブレーキ装置において、
前記駐車状態検出部は、前記車両の走行用動力源の停止操作が検出される停止操作検出部を有し、
前記制御部は、前記パーキングブレーキが制動状態にありかつ前記停止操作が検出された場合に前記パーキングブレーキの制動力を増加させること
を特徴とする電動パーキングブレーキ装置。 - 請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置において、
前記駐車状態検出部は、前記車両のドアロック装置の施錠を検出する施錠検出部を有し、
前記制御部は、前記パーキングブレーキが制動状態にありかつ前記停止操作及び前記ドアロックの前記施錠が検出された場合に前記パーキングブレーキの制動力を増加させること
を特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
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