JP2007076404A - 車両用データ取得システムおよび車両用データ取得装置 - Google Patents

車両用データ取得システムおよび車両用データ取得装置 Download PDF

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Abstract

【課題】事故等の発生の状況を表すデータを取得し、より確実に保存することができる車両用データ取得システムを提供する。
【解決手段】車両用データ取得装置は、音声および車両外の映像の少なくとも一方のデータを所定の周期で区切って継続的に取得する(動画ファイル[+1][0]〜[−3])。事故発生時の衝撃や大音声のような所定のイベントの検出時に複数の取得データを、その取得の時間に応じて定められた所定の順序にネットワークストレージへ送信する。ネットワークストレージは受信した複数の取得データを保存する。所定のイベントの検出時に一旦取得データを区切るようにしてもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載されて映像や音のデータを取得する車両用データ取得システムおよび車両用データ取得装置に関するものである。
現代の車社会においては大小さまざまな交通事故が日常的に発生する。交通事故が発生した場合にさまざまな理由から事故原因の特定が必要となるが、事故後の状態の各車両の損傷度合いや、道路上や道路関連施設等への痕跡のみから事故原因を特定することは困難なケースが多い。関係者からの証言も集められるが、第三者となる目撃者の証言を得られないケースも多く、また当事者の言い分が食い違うことも多い。このように、交通事故の原因特定にはできるだけ多くの正確な情報が必要とされるが、現状では十分な情報を得られない。
交通事故に関してより多くの情報を収集するべく道路上に設置する映像記録装置として、特許文献1に記載の技術が提案されている。
また、同様の目的で車両に搭載して映像を記録する装置として、特許文献2に記載のようなドライブレコーダが提案されている。
一方、携帯電話端末を利用して交通事故に対処する機能として、特許文献3に記載の技術が提案されている。
特許文献4ではカメラ付携帯電話端末を利用して事故現場状況を記録する携帯電話端末用スタンドも提案されている。
特開2003−203290号公報 特開平11−142181号公報 特開2003−219061号公報 特開2005−94792号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、道路上の設置場所でのみしか効果が得られず道路面積の広さから考えて十分とはいえない。
また、特許文献2に記載のようなドライブレコーダは、車両に固定的に装備するもので装置的にも大掛かりとなってしまっている。
特許文献3に記載の技術では、事故発生当時の状況などを記録することはできない。
特許文献4では、衝撃検出後に撮影を開始するため、情報として重要となる事故発生直前の状況を撮影することができない。
本発明はこのような背景においてなされたものであり、事故等の発生の状況を表すデータを取得し、より確実に保存することができる車両用データ取得システムを提供するものである。
本発明による車両用データ取得システムは、車両に搭載される車両用データ取得装置とネットワークストレージとが少なくとも移動体通信網を介して接続されたシステムである。車両用データ取得装置は、音声および車両外の映像の少なくとも一方のデータを所定の周期で区切って継続的に取得し、所定のイベントの検出時に所定の周期で区切られた複数の取得データを、その取得の時間に応じて定められた所定の順序に前記ネットワークストレージへ送信する。前記ネットワークストレージは受信した前記複数の取得データを保存する。
このように車両において取得された音声および映像の少なくとも一方の特定の周期のデータが優先してネットワークストレージに送信され、保存される。すなわち、事故等の状況の分析に有用と思われる部分のデータが、より確実に確保される。
本発明による、車両に搭載される車両用データ取得装置は、音声および車両外の映像の少なくとも一方のデータを所定の周期で区切って継続的に取得するデータ取得手段と、無線通信により外部のデータ記憶手段と接続する無線通信手段と、所定のイベントを検出する検出手段と、前記所定のイベントの検出時に所定の周期で区切られた複数の取得データを、その取得の時間に応じて定められた所定の順序に前記外部のデータ記憶手段へ送信する制御手段とを備えたことを特徴とする。
前記所定のイベントは、例えば、所定のレベル以上の衝撃の発生であり、この場合、前記検出手段は当該衝撃情報を得るための加速度センサを含む。
あるいは、前記所定のイベントは、例えば、所定のレベル以上の音声の発生であり、この場合、前記検出手段は当該衝撃情報を得るためのマイクを含む。
本発明のその他の構成および作用は後述する実施の形態において、詳細に説明される。
本発明によれば、取得した映像や音声のデータを、事故等の発生を契機としてネットワークストレージに送信することにより、より確実に取得データを保存することが可能となる。さらに、所定の周期で取得データを区切ることにより、取り扱うデータの単位を複数とすることにより、全体としてのデータの保全性を高めることができる。また、それらの送信順を任意に設定することができる。
データの保全性が高まることに伴って、車両用データ取得装置自体の耐火性、堅牢性も要求されなくなる。その結果、携帯電話端末を車両用データ取得装置として利用することが容易となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態による携帯電話端末の構成を図1に示し、その動作を以下に説明する。
携帯電話端末100は無線通信インタフェースを介して移動体通信網200に接続される。移動体通信網200には直接的にまたは間接的にネットワークストレージ300に接続される。「間接的に」とは、ネットワークストレージ300(サーバ)がインターネット等の他のネットワークに接続されている場合に、移動体通信網200がゲートウェイ(図示せず)を介して当該他のネットワークに接続されている場合である。
携帯電話端末100は、アンテナ101、携帯電話送受信部102、制御部103、メモリ104、不揮発性メモリ105、RTC(リアルタイムクロック)106、GPS受信機107、操作部108、表示部109、加速度センサ110、マイク111、カメラ112、映像信号処理部113、画像データメモリ114を備える。
アンテナ101は、無線信号(電波)の送受信用のアンテナである。携帯電話送受信部102は、アンテナ101からの受信信号の処理およびアンテナ101へ供給される送信信号の処理を行う部位である。制御部103はCPU等を含み、この端末全体の処理を司る部位である。メモリ104は、制御部103により用いられるデータの一時記憶領域および作業領域を提供する記憶装置である。不揮発性メモリ105は各種データを不揮発的に記憶する記憶装置である。RTC(リアルタイムクロック)106は、カレンダや時計、タイマの機能を提供する部位である。GPS受信機107は、複数の衛星からの電波を受信した端末の現在位置を検出する位置検出装置である。操作部108は、入力キーやボタンなどのユーザ入力インタフェースを提供する部位である。表示部109は、液晶や有機ELなどの表示デバイスを有し、ユーザに対してテキストや画像等の各種情報を表示する部位である。加速度センサ110は、この端末の移動方向や速度(ひいては加速度)を検出する部位である。加速度の大きさから衝撃のレベルを判断することができる。マイク111は、音声を入力する部位であり、本発明では通話用だけでなく事故の際に発生する音も検出する。カメラ112は、デジタル動画像を取得する部位である。映像信号処理部113は、マイク111およびカメラ112に接続され、これらから入力される音声および画像データを処理する部位である。画像データメモリ114は映像信号処理部113の処理により得られた画像データや音声データを符号化処理しデータファイルとして一時的に記憶する記憶部である。
車両側には、携帯電話端末100を、所定の位置(例えば運転手の視野に近い画像が撮影できる位置)にあらかじめ固定用の専用スタンドを設置しておく。専用スタンドには、そこに設置された携帯電話端末100に対して電源を供給する機能を有することが好ましい。これにより、ドライブレコーダとしての使用中に携帯電話端末100のバッテリからの電力消費をなくし、継続した長時間の動作が可能となる。
このように本実施の形態では、車両上の携帯電話端末は走行方向前方に向けて設定する場合を想定する。この場合、車両の後方や左右方向の様子は撮影されないが、事故発生時の前方の様子(例えば信号待ち状態、走行中、右左折中等)が分かれば事故発生時の状況把握に有用な情報となる。
ユーザは車両の運転をする際、上記のような専用スタンドに携帯電話端末100を固定し、操作部108を操作して携帯電話端末100をドライブレコーダモードにする。この操作を受けた制御部103は、カメラ112、マイク111および映像信号処理部113の電源を入れて動画撮影を開始する。カメラ112からの動画像信号とマイク111からの音声信号は映像信号処理部113で適切なCODECによる符号化処理を受けて画像データメモリ114に動画ファイル(音声データ付き)としてRTC106による日時情報とともに保存される。この動画ファイルは数秒から十数秒程度ごとの細切れのサイズとする。
個々の動画ファイルのサイズは、携帯電話端末100がこの動画ファイルを携帯電話送受信部102を通じてネットワークストレージ300に転送する際に必要となる時間が十分短くなるようにこれを定める。これは、後で説明する事故発生時の動作において重要となる。携帯電話端末100をドライブレコーダとして用いるドライブレコーダモード中、携帯電話端末100はエンドレスに動画撮影をおこなう。この際、事故発生時より充分前の通常時の画像はドライブレコーダとして必須ではないので、記憶データが一定サイズを超える場合に古い動画ファイルから消去していく。
また、携帯電話端末100がGPS受信機107を持つ場合は、制御部103は定期的にGPS受信機107に対して位置情報獲得を行わせ、得られた位置情報をこの位置情報を得たとき撮影された動画ファイルと関連付けてメモリ104に保存する。また、携帯電話端末100が持つ加速度センサ110により車両の移動方向や速度が得られる場合には、制御部103は位置情報同様に定期的にこの移動方向情報や速度情報をその情報を得たとき撮影された動画ファイルと関連付けてメモリ104に保存する。
事故発生の検出は加速度センサ110および/またはマイク111によりおこなう。加速度センサ110が一定以上の大きさの加速度を検出したことを認知したり、マイク111が一定以上の大音響を検出したことを認知したとき、ドライブレコーダモード中の制御部103は、交通事故が発生したと判断し、事故発生処理動作に入る。このほか、ユーザが操作部108を操作することにより手動で事故発生処理動作に入る手段を備えてもよい。
本実施の形態の第1のドライブレコーダモード(a)では、事故発生処理動作に入った携帯電話端末100の制御部103は、映像信号処理部113に動画ファイルを区切るように指示し、事故発生直前から発生時点までの動画ファイルである動画ファイル[0]を生成させるとともに、録画を継続させる。このとき生成した事故発生直前から発生時点までの動画ファイルを関連付けられた端末の位置情報、移動方向情報、速度情報などとともに携帯電話送受信部102、アンテナ101、移動体通信網200を通じてネットワークストレージ300に転送する。この転送が終了したら、このファイルの直前に生成された動画ファイルである動画ファイル[−1]と関連付けられた情報を同様にネットワークストレージ300に転送する。さらにこの転送が終了した後には事故発生後に取得された動画ファイルである動画ファイル[+1]をネットワークストレージ300に転送する。画像データメモリ114およびメモリ104が不揮発性メモリではない場合は、このネットワークストレージ300への転送と平行して不揮発性メモリ105への動画ファイルや関連情報の退避をおこなう。
このような動作により、車両が交通事故を起こした場合に、その直前直後の映像及び音声情報が携帯電話端末100内の不揮発性メモリ105とネットワークストレージ300に記録される。特に、激しい事故の場合は車両が押しつぶされたり炎上するなどして携帯電話端末100そのものが破壊されてしまう可能性がある。通常のドライブレコーダは堅牢な作りとすることでこのような場合に備えているが、本発明ではこのような場合においても事故直後のわずかな時間、稼動状態が維持できれば、車両外部のネットワークストレージ300に記録を残すことができるため、携帯電話端末100の特別な堅牢性や耐火性等は不要である。
上述の説明では、事故発生を検知した制御部103は映像信号処理部113に対して直ちに動画ファイルを区切るように指示しているが、これはできるだけ短時間で事故直前の動画ファイルである動画ファイル[0]を生成させ、ネットワークストレージ300や不揮発性メモリ105への転送を開始するためである。動画ファイルの保存に当たって、事故発生の検知によって記録時間を変更して通常より短い時間の動画ファイルとして保存するより、あらかじめ決められた時間の動画を記録し保存するほうが短時間で処理できる場合には、あえて事故発生時点で動画ファイルを区切る必要はない。このような動作モードを、本実施の形態の第2のドライブレコーダモード(b)とする。
図2にドライブレコーダモード(a)(b)について示す。図2(a)は事故発生時点で動画ファイルを区切る(記録を一旦停止する)ドライブレコーダモード(a)の場合、図2(b)は事故発生時点で動画ファイルを区切らないドライブレコーダモード(b)の場合の各動画ファイルの様子を示している。図から分かるように、一般に事故発生時点は動画ファイルの境界時点と一致しないため、ドライブレコーダモード(a)では事故発生時点で区切られる動画ファイル[0]の時間的な長さは他の動画ファイルより短くなる。図の例では、動画ファイル[0]が事故発生時点の直前の時間を含む取得データであり、動画ファイル[−1]〜[−3]はそれより前の時点の各周期の取得データを示している。動画ファイル[+1]は動画ファイル[0]の直後の周期の取得ファイルを示している。これらの動画ファイル[0],[−1],[−2],…は、新たな動画ファイルが取得されるたびに、更新される。すなわち、当該新たな動画ファイルが新たな動画ファイル[0]となり、元の動画ファイル[0],[−1],[−2]の添字の数は1だけ増加する。添字の絶対値がある数字に達した動画ファイルはメモリの記憶領域確保のために消去される。動画ファイル[+1]は、事故発生後に取得された1周期分の動画ファイルである。
図示の例では、動画ファイルの送信順序は、動画ファイル[0]、動画ファイル[−1]、[+1]、[−2]、[−3]である。この順序は単にネットワークストレージに到達する順番という意味にとどまらない。事故発生の直後には短時間の間、正常な動作を行い、その後に動作不良となる場合がある(典型的には火災発生などの場合)。すなわち、一般に順番の速い方がより確実にデータの送信が行え、順番の遅い方は送信が行えない可能性が高くなる。そこで、本発明では、事故発生直後に短時間でも動作可能な時間を利用して、事後原因などの究明により重要と思われる時間位置の取得データから順に送信するようにしたものである。この順序は、周期のサイズやドライブレコーダモードによっても変わりうる。例えば、周期が比較的短い場合に第3順位を[+1]でなく[−2]としてもよい。
動画像ファイルを生成する周期は、動画像のサイズやフレームレートやCODECの種類などから決まる動画像ビットレートと、携帯電話端末の上り回線の使用可能な回線速度パケット転送速度とに基づいて決定することができる。事故発生からネットワークストレージヘの転送時間が短いほど、確実に動画ファイルをネットワークに退避できる。また、ある時間のデータを複数のファイルに分散させることにより、ファイルの破損等があっても被害を最小限に抑えることができる。このような観点からは動画像ファイル生成周期は短いほうがよい。しかし、短すぎるとヘッダ付与等のオーバーヘッドの比重が大きくなり、また、記録された動画像から事故原因を解析するに当たっては1ファイルはある程度以上の時間とする方が便利である。したがって、適正な周期は、この兼ね合いを考慮して決定する。
なお、事故発生後に取得するデータは1周期分のみとしたが、複数周期であってもよい。あるいは、後述のように周期のサイズが可変である場合には、周期サイズによって事故発生後に取得する周期数を変化させてもよい。
図3は、ドライブレコーダモード(a)を実現するための制御部の動作例を表すフローチャートである。ドライブレコーダモード(a)と(b)はユーザが選択できるように両方を採用してもよいし、一方のみを採用してもよい。両方が採用されている場合、ユーザは初期設定で予め一方を選択しておく。この選択を行わない場合には、デフォルトに設定されているいずれか一方が自動的に選択される。
携帯電話端末100は、ユーザの操作によりドライブレコーダモード(a)に入り、録画を開始する(S11)。このユーザの操作は、ユーザによる端末の操作の他、単に上記専用スタンドへの端末の載置であってもよい。上述した動画ファイルの生成周期が到来したかを監視する(S12)。
周期到来時には、録画を一旦停止し、直ちに再開する(S13)。これは一旦動画の流れを区切って、ひとまとまりの動画データを確定させるためである。この一旦停止までに撮影された動画データに対応する動画ファイル(音声データを含む)を生成する(S14)。この際、好ましくは、GPS受信機による現在位置の確認および車両の速度や移動方向の確認を行い、これらの情報も生成する。生成されたこれらの情報を追加保存したときの保存データの量が所定量を超える場合には(S15,Yes)、保存されている動画ファイルのうちの最も古い動画ファイルを消去する(S16)。これによって、長時間連続して動画ファイルを生成しつづけても、メモリの記録容量が飽和することが防止される。いずれにせよ、ステップS14で生成された動画ファイルは、上記位置情報等とともにメモリに保存される(S17)。
ステップS12において判定結果がNoの場合、ステップS18へ進む。ステップS18では、事故と推定される所定のイベントが検出されたかどうかを監視する。このようなイベントとしては、加速度センサ110により検出された所定値を越える加速度の検出、マイク111からの所定レベルを越える大音声の発生等である。このイベントには、ユーザによる指示操作を含んでもよい。これは、端末が事故発生と判断しない場合にもユーザが必要と判断したときに、事故発生時処理を行わせることができるようにするものである。
ステップS18で所定のイベントが検出されたら、上述のステップS13と同様に録画を一旦停止し、直ちに再開する(S19)。そこで、ステップS14と同様に、この一旦停止までに撮影された動画データに対応する動画ファイル[0]を生成するとともに、位置等も確認し、動画ファイルと共に保存し、さらに、動画ファイル[0]の送信を開始する(S20)。この際、当該事故情報の当事者を特定するために、端末100のユーザIDまたは端末IDのようなユーザ情報も送信することが望ましい。ネットワークストレージ300へのデータ転送のために利用する通信プロトコルは任意の既存のものを利用してもよいし、専用の通信プロトコルを用意してもよい。動画ファイルの保存に際して、ステップS15、S16に相当する処理を実行してもよいが、緊急を要するため、メモリの容量に余裕を持たせておくことにより、このようなステップは実行不要とすることができる。
ステップS19で録画が一旦停止されて(リセットされて)から、再度周期が到来したら(S21,Yes)、録画を停止する(S22)。そこで、動画ファイル[+1]を生成すると共に、位置等を確認し、動画ファイルとともに保存する(S23)。このときも、ステップS15,S16のようなステップは実行不要とすることができる。
最後に、メモリに保存されている動画ファイルを位置情報等とともに上述したように、残りの動画ファイルについて所定の順にネットワークストレージ300(図1)へ送信する(S24)。
この処理では、動画ファイル[+1]を取得した後に動画ファイルの送信を開始したが、ステップS20で動画ファイル[0]が確定した後、動画ファイル[+1]の取得を待たずに、動画ファイル[0]の送信を開始してもよい。
図4は、ドライブレコーダモード(b)を実現するための制御部の動作例を表すフローチャートである。
この処理におけるステップS31〜S38は図4のステップS11〜S18と同じであり、重複した説明は省略する。
ステップS38で所定のイベントが検出されたとき、ドライブレコーダモード(b)では、直ちに録画を一旦停止することなく、次の周期到来を待つ(S39)。この周期到来時に、録画を一旦停止し、直ちに再開する(S40)。
以後のステップS42〜S45は図3のS21〜S24と同じであり、重複した説明は省略する。
上記の説明では動画ファイルを生成する周期は固定としたが、回線速度(パケット転送速度)情報が状況に応じて更新可能な場合には、この情報を元に動画像ファイル生成周期を変更してもよい。本発明では携帯電話端末100は移動する車両に搭載されるので、通常の使用状況に比べて受信電波状況は大きく変化する。そのため、状況に応じてデータ転送速度(特にアップリンクのデータ転送速度)が時間と共に変わってくる可能性がある。
動画ファイル生成周期を動的変更する場合のファイル生成周期変更処理のフローチャートを図5に示す。
まず、呼制御にともない基地局から速度通知を受信する(S51)。
続くステップS52では、確認された速度に基づいて、速度に有意な変化があるかをチェックする。有意な変化がなければ、ステップS59へ進み、現行の速度を維持して、今回の処理を終了する。有意な変化がある場合、受信された当該速度情報の速度に応じて適正な周期を算出する(S53)。この場合、概して言えば、パケット転送速度が高ければ周期を長くし、速度が低ければ周期を短くする。周期が長い程、1つの動画ファイルのサイズは大きくなるが、速度が高ければその転送に要する時間は比較的短くて済むからである。逆に速度が低ければ、周期を小さくして1つの動画ファイルを小さくすることにより、必要以上に転送時間が長くならないようにすることができる。
なお、保存されている複数の動画ファイルのうち、古いもの程、現在の速度とは異なる速度に対応した周期となっている可能性があるが、動画ファイルの転送の順位は最近のものが優先されるので、現在の速度に適した周期とすることは意味がある。
算出された周期が予め定めた最低周期より低い場合には(S54,No)、当該最低周期をファイル生成周期に設定する(S57)。ファイル生成周期を必要以上に低い周期とすると、1つの動画ファイルが大きくなりすぎるため、これを防止するためである。算出された周期が予め定めた最高周期より高い場合には(S55,Yes)、当該最高周期をファイル生成周期に設定する(S58)。ファイル生成周期を必要以上に高い周期とすると、1つの動画ファイルが小さくなりすぎるため、これを防止するためである。算出された周期が最低周期と最高周期の間である場合には、算出された周期をファイル生成周期に設定する(S56)。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、移動体通信網200(例えば無線基地局)が事故発生時の最初の動画ファイルの転送となる動画ファイル[0]の転送を検知する手段(後述)を有しているものとする。移動体通信網200は、この検知により同一無線基地局に接続する他の携帯電話端末の通信を一時的に制限して事故に遭遇した携帯電話端末100の動画像ファイル転送を最優先することで、より短時間に確実に転送できるようにサポートできるシステムとなっていることが望ましい。
一般に移動体無線通信網では、接続する携帯電話端末は送信出力や送信タイミングなどを無線基地局からの指令により制御されている。この制御は通常は最大数の携帯電話端末が接続でき、また個々の端末が平等に利用可能な無線資源を分かち合うように制御されている。この制御を一時的に、事故発生を通知してきた携帯電話端末に対して無線資源を集中的(優先的)に割り振ること(具体的には他の携帯電話端末の通信を一時的に制限し、事故発生通知をしてきた携帯電話端末に単位時間当たりのデータ転送量が増加するように無線資源を優先的に割り当てること)で、事故発生通知してきた携帯電話端末の動画像ファイル転送を最高速度(=最短時間)で実行させることができる。このような措置は緊急的な措置であり、移動体通信網200は全ての動画ファイルの転送終了後に直ちにこの措置を終了させる。移動体通信網200が事故発生時の動画ファイル[0]の転送を検知する手段としては、制御チャネル等を使用して携帯電話端末100が移動体通信網200に対して通知するという方法を用いることができる。
図6に、第2の実施の形態における携帯電話端末100と移動体通信網200とネットワークストレージ300(サーバ)の間の処理シーケンスの一例を示す。
今、携帯電話端末100はドライブレコーダモードにおいて継続的に動画ファイルを生成し、保存しているものとする(S71)。そこで、携帯電話端末100は、事故発生が推定された所定のイベントを検出したら(S72)、移動体通信網200(無線基地局)へ事故発生の通知を行う(S74)。端末100は、上述したように、所定イベントの検出後も動画ファイル[0][1]の生成を行う(S73)。そこで、無線基地局は当該通知を発した端末100に対して無線資源の集中的な割り当てを行う(S75)。
端末100は割り当てられた無線資源を利用して動画ファイルおよび位置情報等(およびユーザ情報)を無線基地局を介してネットワークストレージ300へ送信する(S76,S77)。ネットワークストレージ300は、受信した動画ファイルおよび位置情報等をユーザ情報とともに記憶装置内に保存する(S78)。無線基地局は端末100からの動画ファイル送信終了通知(S79)を受信することにより(または基地局側で資源割り当て時に起動されるタイマのタイムアウトにより)当該通信の終了を検出したら、当該端末100に対する無線資源集中割り当てを解除する(S80)。
なお、ユーザによる恣意的な本措置の利用を防止するために、ユーザの手動による事故発生時処理が起動された場合には事故発生通知(S74)を行わないようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
例えば、上記の説明では主として映像および音声のデータ取得について説明したが、音声データのみの取得について本発明を適用することも可能である。
本発明の実施の形態による携帯電話端末の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における両ドライブレコーダモード(a)(b)の説明図である。 本発明の実施の形態におけるドライブレコーダモード(a)を実現するための制御部の動作例を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるドライブレコーダモード(b)を実現するための制御部の動作例を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態における動画ファイル生成周期を動的変更する場合のファイル生成周期変更処理のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における携帯電話端末と移動体通信網とネットワークストレージ(サーバ)の間の処理シーケンスの一例を示す図である。
符号の説明
100…携帯電話端末、101…アンテナ、102…携帯電話送受信部、103…制御部、104…メモリ、105…不揮発性メモリ、107…受信機、108…操作部、109…表示部、110…加速度センサ、111…マイク、112…カメラ、113…映像信号処理部、114…画像データメモリ、200…移動体通信網、300…ネットワークストレージ

Claims (10)

  1. 車両に搭載される車両用データ取得装置とネットワークストレージとが少なくとも移動体通信網を介して接続された車両用データ取得システムであって、
    車両用データ取得装置は、音声および車両外の映像の少なくとも一方のデータを所定の周期で区切って継続的に取得し、所定のイベントの検出時に所定の周期で区切られた複数の取得データを、その取得の時間に応じて定められた所定の順序に前記ネットワークストレージへ送信し、
    前記ネットワークストレージは受信した前記複数の取得データを保存する
    ことを特徴とする車両用データ取得システム。
  2. 前記車両用データ取得装置は前記所定のイベントの発生時にその旨を前記移動体通信網へ通知し、この通知を受けた前記移動体通信網は、当該車両用取得装置に対して単位時間当たりのデータ転送量が増加するよう無線資源を優先的に割り当てることを特徴とする請求項1記載の車両用データ取得システム。
  3. 車両に搭載される車両用データ取得装置であって、
    音声および車両外の映像の少なくとも一方のデータを所定の周期で区切って継続的に取得するデータ取得手段と、
    無線通信により外部のデータ記憶手段と接続する無線通信手段と、
    所定のイベントを検出する検出手段と、
    前記所定のイベントの検出時に所定の周期で区切られた複数の取得データを、その取得の時間に応じて定められた所定の順序に前記外部のデータ記憶手段へ送信する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用データ取得装置。
  4. 前記所定のイベントは所定のレベル以上の衝撃の発生であり、前記検出手段は当該衝撃情報を得るための加速度センサを含むことを特徴とする請求項3記載の車両用データ取得装置。
  5. 前記所定のイベントは所定のレベル以上の音声の発生であり、前記検出手段は当該衝撃情報を得るためのマイクを含むことを特徴とする請求項3記載の車両用データ取得装置。
  6. 前記データ取得手段は、前記所定周期の到来の有無にかかわらず、前記所定のイベントが検出された時点でデータの取得を一旦停止して、直ちに再開し、少なくとも次の1周期分のデータを取得してデータの取得を終了することを特徴とする請求項3記載の車両用データ取得装置。
  7. 前記データ取得手段は、前記所定のイベントが検出された後に前記周期が到来したとき、データの取得を一旦停止して、直ちに再開し、少なくとも次の1周期分のデータを取得してデータの取得を終了することを特徴とする請求項3記載の車両用データ取得装置。
  8. 前記所定の順序として、前記所定のイベントの検出直前の時間を含む周期に対応する取得データを最優先に送信することを特徴とする請求項3、6または7記載の車両用データ取得装置。
  9. 前記所定のイベントの検出直前の時間を含む周期に対応する取得データに続いて、その前の周期の取得データを次順に送信することを特徴とする請求項8記載の車両用データ取得装置。
  10. アップリンクデータの転送速度を検出する手段と、検出された転送速度に応じて前記周期を可変設定する手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載の車両用データ取得装置。
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