JP2007076320A - インクジェット装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱気インクの初期充填又は脱気インクへの置換を効率的に行うことができるインクジェット装置を提供すること。
【解決手段】本発明のインクジェット装置は、ノズル孔から記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドにインクを供給するためのインク供給源と、インク供給源からインクジェットヘッドへのインクの通路となる配管とを備え、インク供給源が供給するインクは、脱気インクであり、インクは、初期充填又は置換の際に、前記配管内での流れのレイノルズ数が1000以上になるように供給されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のインクジェット装置は、ノズル孔から記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドにインクを供給するためのインク供給源と、インク供給源からインクジェットヘッドへのインクの通路となる配管とを備え、インク供給源が供給するインクは、脱気インクであり、インクは、初期充填又は置換の際に、前記配管内での流れのレイノルズ数が1000以上になるように供給されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、インクの初期充填又は置換を効率的に行うことができるインクジェット装置に関する。
インクジェット記録装置では、インクジェットヘッド(以下、「ヘッド」とも呼ぶ。)の駆動により発生する圧力変動により、インクを吐出する。従って、インク中に気泡が存在していると、ヘッドからの圧力がインクに対して効率的に伝わらず、インクが不吐出になる現象が発生する。
インク中の気泡は、例えば、インク供給源からヘッドへのインクの通路となる配管内にインクを初期充填する際に、配管内に空気が残留し、この残留した空気がインク中に分散するによって発生する。
配管内に残留する空気を除去するために、溶存空気濃度の低いインク(以下、「脱気インク」と呼ぶ。)を供給し、配管内に残留する空気を脱気インク中に溶解させることによって、インク中の気泡の発生を抑制している(例えば、特許文献1を参照。)。
特開昭62−288045号公報
しかし、上記方法では、インクの流速が比較的小さい配管の壁面近傍で、脱気インクがすぐに空気で飽和され、残留空気を溶解させる機能を果たさなくなるという問題がある。また、初期充填終了後に、配管の壁面近傍に残留する空気濃度が高いインクが拡散によって配管内のインク全体に広がり、インクの空気濃度を上昇させるという問題もある。
ところで、配管内にインクを長時間放置すると、配管の壁を透過した空気などが配管内のインクに溶け込んで、配管内のインクの空気濃度が上昇するが、このインクを新しい脱気インクと置換する場合も、配管の壁面近傍に空気濃度が高いインクが残留しやすいので、上記と同様の問題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、脱気インクの初期充填又は脱気インクへの置換を効率的に行うことができるインクジェット装置を提供するものである。
本発明のインクジェット装置は、ノズル孔から記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドにインクを供給するためのインク供給源と、インク供給源からインクジェットヘッドへのインクの通路となる配管とを備え、インク供給源が供給するインクは、脱気インクであり、インクは、初期充填又は置換の際に、前記配管内での流れのレイノルズ数が1000以上になるように供給されることを特徴とする。
本発明者は、インクの初期充填又は置換の際に、前記配管内での流れのレイノルズ数が1000以上になるようにインクを供給すると、比較的短時間で、初期充填又は置換を完了させることができることを見出し、本発明の完成に到った。
本発明において、初期充填又は置換に用いるインクは、脱気インクである。「脱気インク」とは、インクの溶媒中に溶解している空気を脱気モジュール(テフロン(登録商標)やポリエチレン膜のフィルター等)により取り除いたインクである。脱気インク中の溶存空気濃度は、例えば、その飽和濃度の20%(又は10%、5%)以下である。脱気インクを用いて初期充填又は置換を行うことによって、配管内の残存空気を効率的に溶解させて除去することができる。
また、前記インクは、好ましくは、前記レイノルズ数が2300以上になるように供給される。この場合、初期充填又は置換がさらに短時間で行うことができ、さらに、初期充填又は置換の終了後にも空気濃度の上昇量が小さくなる。これは、配管内の流れが完全に乱流になり、配管壁面近傍に空気濃度が高いインクが残留しにくくなるためであると考えられる。
以下、本発明の実施例について説明する。以下に示す実施例は、例示であり、本発明の範囲は、実施例の内容に限定されない。
1.インクジェット装置
まず、実施例1で用いるインクジェット装置について説明する。本実施例のインクジェット装置は、ノズル孔(図示せず)から記録媒体1にインク滴3を吐出するインクジェットヘッド(以下、「ヘッド」とも呼ぶ。)5と、ヘッド5にインクを供給するためのインク供給源7と、インク供給源7からヘッド5へのインクの通路となる配管9とを備える。ヘッド5と配管9とは、マニホールド部品11を介して接続されている。マニホールド部品11には、廃液管13も接続されている。
まず、実施例1で用いるインクジェット装置について説明する。本実施例のインクジェット装置は、ノズル孔(図示せず)から記録媒体1にインク滴3を吐出するインクジェットヘッド(以下、「ヘッド」とも呼ぶ。)5と、ヘッド5にインクを供給するためのインク供給源7と、インク供給源7からヘッド5へのインクの通路となる配管9とを備える。ヘッド5と配管9とは、マニホールド部品11を介して接続されている。マニホールド部品11には、廃液管13も接続されている。
インク供給源7は、インクを収容するインク袋15と、インク袋に対して圧力を加えてインクを配管9に送出する加圧ポンプ17とを備える。インク袋15は、PETフィルム、Al箔及びPETフィルムをこの順で積層したフィルムで形成され、その内容量は、2Lである。Al箔は、空気透過性が低いので、インク袋15中のインクは、空気濃度が低い状態に保たれる。インク袋15は、筐体19によって気密的に囲まれ、インク袋15と筐体19との間に、加圧ポンプ17が加圧空気を送り込むことによって、インク袋15が加圧される。筐体19は、ステンレス鋼で形成されている。インク袋15と筐体19とは、Oリング(図示せず)を用いて気密的に接合されている。なお、インク供給源7の構成は、上記のものに限定されず、例えば、インク供給源7を単にインクを貯蔵するインクタンクとし、廃液管13に負圧ポンプを取り付け、この負圧ポンプを作動させることによって、インク供給源7から配管9にインクを供給するようにしてもよい。従って、インク供給源7は、能動的又は受動的にインクを供給する。
配管9は、テフロンからなり、内径φ2mm、外形φ4mm、配管長1mである。配管9は、コック21を介してインク袋15に連結されており、コック21の開閉によって、インク袋15から配管9へのインクの流入が制御される。配管9の材料、形状等は、上記以外のものであってもよい。配管9は、テフロン以外にも、種々のプラスチックや金属・合金等で形成することができる。
マニホールド部品11は、配管9から供給されたインクの一部をヘッド5に供給し、残りを廃液管13に排出する機能を有する。廃液管13への通路は、インクの初期充填又は置換の際にのみ開き、通常動作時は閉じている。本実施例では、マニホールド部品11を介して、ヘッド5と配管9を連結しているが、ヘッド5と配管9を直接連結し、ヘッド5に廃液口を設け、これに廃液管を接続する構成にしてもよい。
ヘッド5は、本実施例ではシェアモード型のものを使用したが、本発明は何れのタイプのヘッドに対しても適用可能である。
廃液管13は、テフロンからなり、内径φ2mm、外形φ4mmである。廃液管13には、インライン式の酸素濃度計(ハックウルトラアナリティスジャパンインク社製、モデル:3621/5120)23を設けている。廃液管13を通ったインクは、廃液管13の端部から廃液容器25内に放出される。
2.インク置換実験
上記インクジェット装置の配管内に空気濃度が飽和したインクを充填し、これを後述する脱気インクに置換する実験を行った。以下、これについて詳細に説明する。
上記インクジェット装置の配管内に空気濃度が飽和したインクを充填し、これを後述する脱気インクに置換する実験を行った。以下、これについて詳細に説明する。
2−1.脱気インク
この実験では、溶媒(水)、熱硬化性樹脂、顔料(コバルト化合物、カドミウム化合物等)を含有したインクを用いた。このインクの粘度は5cP、密度は1g/cm3であった。粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いて測定した。
この実験では、溶媒(水)、熱硬化性樹脂、顔料(コバルト化合物、カドミウム化合物等)を含有したインクを用いた。このインクの粘度は5cP、密度は1g/cm3であった。粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いて測定した。
このインクの溶媒に溶解した空気をテフロン製の脱気フィルター(ジャパンゴアテックス社製、型式DM−P02)を用いて除去した。空気を除去した後のインクを「脱気インク」と呼ぶ。この脱気インクをインク袋15内に充填した。
2−2.空気濃度が飽和したインクの充填
次に、配管9内に脱気インクを充填し、コック21を閉じ、24時間放置した。テフロンは、空気透過性を有するので、24時間経過後には配管9内の脱気インクは、空気濃度が飽和する。この状態のインクを「飽和インク」と呼ぶ。
次に、配管9内に脱気インクを充填し、コック21を閉じ、24時間放置した。テフロンは、空気透過性を有するので、24時間経過後には配管9内の脱気インクは、空気濃度が飽和する。この状態のインクを「飽和インク」と呼ぶ。
充填直後及び24時間経過後に、酸素濃度計23を用いて配管9内のインク中の酸素濃度を測定し、その濃度を2.6倍することによってインク中の空気濃度を求めた。2.6倍としたのは、以下の通りである。
(1)空気濃度=酸素濃度+窒素濃度と定義する。
(2)酸素濃度/窒素濃度=(酸素分圧×酸素溶解度)/(窒素分圧×窒素溶解度)である。「溶解度」とは、1atmのときに1Lの水に溶解する質量である。
(3)空気中の酸素分圧/窒素分圧=158mmHg/590mmHgである。
(4)0℃での酸素溶解度/窒素溶解度=0.068g/0.029gである。本実施例での実験は室温(約25℃)で行なわれ、温度が変化すると溶解度の絶対値は変化するが、その比は大きくは変化しないと考えられるため、0℃での溶解度の比を採用した。
(5)上記(3)と(4)の値を上記(2)に代入すると、酸素濃度/窒素濃度=0.628になり、窒素濃度=約1.6×酸素濃度になる。
(6)上記(5)で得られた式を上記(1)に代入すると、空気濃度=約2.6×酸素濃度となる。従って、酸素濃度を2.6倍することによってインク中の空気濃度を求めた。
充填直後及び24時間経過後のインク(すなわち、脱気インク及び飽和インク)中の空気濃度は、それぞれ、1.0ppm、21.4ppmであった。
(1)空気濃度=酸素濃度+窒素濃度と定義する。
(2)酸素濃度/窒素濃度=(酸素分圧×酸素溶解度)/(窒素分圧×窒素溶解度)である。「溶解度」とは、1atmのときに1Lの水に溶解する質量である。
(3)空気中の酸素分圧/窒素分圧=158mmHg/590mmHgである。
(4)0℃での酸素溶解度/窒素溶解度=0.068g/0.029gである。本実施例での実験は室温(約25℃)で行なわれ、温度が変化すると溶解度の絶対値は変化するが、その比は大きくは変化しないと考えられるため、0℃での溶解度の比を採用した。
(5)上記(3)と(4)の値を上記(2)に代入すると、酸素濃度/窒素濃度=0.628になり、窒素濃度=約1.6×酸素濃度になる。
(6)上記(5)で得られた式を上記(1)に代入すると、空気濃度=約2.6×酸素濃度となる。従って、酸素濃度を2.6倍することによってインク中の空気濃度を求めた。
充填直後及び24時間経過後のインク(すなわち、脱気インク及び飽和インク)中の空気濃度は、それぞれ、1.0ppm、21.4ppmであった。
2−3.最初のインク置換
次に、配管9内に新しい脱気インクを流し、酸素濃度計23によって測定される空気濃度が十分に低くなるまでの時間及び流したインク量を測定した。つまり、配管9内の飽和インクを新しい脱気インクで置換し、置換に要する時間及びインク量を測定した。
次に、配管9内に新しい脱気インクを流し、酸素濃度計23によって測定される空気濃度が十分に低くなるまでの時間及び流したインク量を測定した。つまり、配管9内の飽和インクを新しい脱気インクで置換し、置換に要する時間及びインク量を測定した。
インクの置換の際に、配管内を流れるインクの流れのレイノルズ数を変化させ、それぞれの条件での、置換に要する時間及びインク量を測定した。具体的には、表1に示す7つの条件で測定を行った。
表1の各項目の値は、次のようにして決定した。まず、「レイノルズ数」は、測定対象にしたい値を選択した。「必要流速」は、「レイノルズ数=(流体の密度)・(管の直径)・(流体の流速)/流体の粘度」という一般的な公式に、上記した、インクの密度及び粘度、及び配管の直径を代入して求めた。「必要圧力」は、必要流速を達成するのに必要な圧力であり、予め配管9径及び長さから圧力損失の計算を行い、予備的な実験で必要流量に対する圧力を求めた。加圧ポンプ17の仕事量により、インク袋15に加える圧力を制御し、それによって、配管9内を流れるインクの流れのレイノルズ数を制御した。
以上の条件で飽和インクを脱気インクで置換するのに要した時間及びインク量を図2及び表2に示す。
図2は、時間の経過に対する空気濃度比の変化の態様を示すグラフである。空気濃度比は、飽和状態での空気濃度に対する割合を示す。図2のグラフ中の記号「Re」は、レイノルズ数を示す。例えば、「Re100」は、レイノルズ数が100となる条件で脱気インクを流したことを示している。図2を見ると、何れの条件の場合でも時間の経過と共に空気濃度比が下がっており、下がる速さは、レイノルズ数が大きい条件のものほど速いことが分かる。また、レイノルズ数が100の条件では、30分が経過しても空気濃度比が一定にならないのに対し、レイノルズ数が1000以上の条件では、15分以内に空気濃度比が一定になっていることが分かる。従って、レイノルズ数が1000以上の条件でインクの置換を行うことによって、インクの置換を素早く行うことができることが分かる。
次に、空気濃度比が一定になるまでに使用したインク量を表2に示す。使用したインク量は、廃液容器25に溜まったインクの量から求めた。
表2より、レイノルズ数を100から1000に上げると、必要なインク量は増加するが、さらにレイノルズ数を大きくすると、必要なインク量が徐々に減少することが分かる。
2−4.2回目のインク置換
最初のインク置換で、空気濃度比が一定になった時点で、コック21を閉じ、脱気インクの流れを止めた。その状態で4時間放置した。その後、レイノルズ数が100になる条件で脱気インクを流し、時間の経過に対する空気濃度比の変化を測定した。その結果を図3に示す。図3のグラフ中の「Re2000」等の表示は、図2のグラフ中のものと対応している。例えば、Re2000は、最初のインク置換時に、レイノルズ数が2000になる条件で脱気インクを流したことを示している。
最初のインク置換で、空気濃度比が一定になった時点で、コック21を閉じ、脱気インクの流れを止めた。その状態で4時間放置した。その後、レイノルズ数が100になる条件で脱気インクを流し、時間の経過に対する空気濃度比の変化を測定した。その結果を図3に示す。図3のグラフ中の「Re2000」等の表示は、図2のグラフ中のものと対応している。例えば、Re2000は、最初のインク置換時に、レイノルズ数が2000になる条件で脱気インクを流したことを示している。
図3を見ると、時間の経過が0、すなわち脱気インクを流す直前の空気濃度比は、最初のインク置換時のレイノルズ数が小さいものほど、高くなっている。これは、最初のインク置換時のレイノルズ数が小さいものほど、4時間の放置の間に空気濃度比が大きく上昇したことを示している。この原因は、最初のインク置換時のレイノルズ数が小さいものほど、配管9の壁面近傍に空気濃度比が高いインクが残留し、そのインクが4時間の放置の間にインク全体に拡散し、インク全体の空気濃度比が大きく上昇したためであると考えられる。また、最初のインク置換時のレイノルズ数が2300以上の場合は、空気濃度比の上昇が極めて小さいことが分かる。これは、レイノルズ数が2300以上の条件で最初のインク置換を行うと、配管9の壁面近傍に空気濃度比が高いインクがほとんど残留しないことを示している。最初のインク置換時のレイノルズ数が2300以上の場合でも、いくらかは空気濃度比が上昇しているが、これは主に、4時間の放置の間に空気がテフロン製の配管9の壁面を通過して、インク内に溶け込んだことが原因であると思われる。
図3を見ると、脱気インクを流し始めた後は、最初のインク置換時のレイノルズ数がいくらの場合であっても、空気濃度比はほぼ同じ速度で低下する。従って、最初のインク置換時のレイノルズ数が大きい場合ほど、空気濃度比が一定になるまでの時間が短い。特に、最初のインク置換時のレイノルズ数が2300以上の場合は、極めて短い時間で、空気濃度比が一定になっていることが分かる。
2−5.3回目のインク置換
2回目のインク置換で、空気濃度比が一定になった時点で、コック21を閉じ、脱気インクの流れを止めた。その状態で4時間放置した。その後、レイノルズ数が100になる条件で脱気インクを流し、時間の経過に対する空気濃度比の変化を測定した。3回目のインク置換でも、2回目のインク置換と同様の結果が得られた。
2回目のインク置換で、空気濃度比が一定になった時点で、コック21を閉じ、脱気インクの流れを止めた。その状態で4時間放置した。その後、レイノルズ数が100になる条件で脱気インクを流し、時間の経過に対する空気濃度比の変化を測定した。3回目のインク置換でも、2回目のインク置換と同様の結果が得られた。
2回目及び3回目のインク置換に使用したインクの量を表3に示す。使用したインク量は、廃液容器25に溜まったインクの量から求めた。
表3を見ると、最初のインク置換でのレイノルズ数を2300以上にしておくと、2回目及び3回目のインク置換に必要なインク量が極めて少なくなることが分かる。
図3及び表3の結果を総合すると、最初のインク置換でのレイノルズ数を2300以上にしておくと、単に酸素濃度計23によって測定される空気濃度が低くなるだけでなく、配管9の壁面近傍に空気濃度比が高いインクを残留させないようにすることができ、インク置換終了後の空気濃度比の上昇も抑制することができる。
実施例2では、配管9の材料をテフロンからステンレス鋼に変更した。その他の構成、実験条件等は、実施例1と同様である。
1.最初のインク置換
実施例1と同様の条件で、配管9内の飽和インクを脱気インクに置換した。空気濃度比が一定になるまでに要した時間は、実施例1の場合よりも少し短かった。これは、配管9の材料を、空気透過性が極めて小さいステンレス鋼に変更したためであると考えられる。
実施例1と同様の条件で、配管9内の飽和インクを脱気インクに置換した。空気濃度比が一定になるまでに要した時間は、実施例1の場合よりも少し短かった。これは、配管9の材料を、空気透過性が極めて小さいステンレス鋼に変更したためであると考えられる。
2.2回目のインク置換
実施例1と同様に、最初のインク置換後、コック21を閉じ、脱気インクの流れを止めた。その状態で4時間放置した。その後、実施例1と同様に、レイノルズ数が100になる条件で脱気インクを流し、時間の経過に対する空気濃度比の変化を測定した。その結果、実施例2では、最初のインク置換のレイノルズ数が2300以上の場合、4時間の放置の間に、空気濃度比がほとんど上昇していないことが分かった。また、最初のインク置換のレイノルズ数が2300より小さい場合、空気濃度比は上昇したが、上昇の程度は、実施例1の場合よりも小さかった。これは、配管9の材料を、空気透過性が極めて小さいステンレス鋼に変更したためであると考えられる。
実施例1と同様に、最初のインク置換後、コック21を閉じ、脱気インクの流れを止めた。その状態で4時間放置した。その後、実施例1と同様に、レイノルズ数が100になる条件で脱気インクを流し、時間の経過に対する空気濃度比の変化を測定した。その結果、実施例2では、最初のインク置換のレイノルズ数が2300以上の場合、4時間の放置の間に、空気濃度比がほとんど上昇していないことが分かった。また、最初のインク置換のレイノルズ数が2300より小さい場合、空気濃度比は上昇したが、上昇の程度は、実施例1の場合よりも小さかった。これは、配管9の材料を、空気透過性が極めて小さいステンレス鋼に変更したためであると考えられる。
3.3回目のインク置換
実施例1と同様の方法で、3回目のインク置換を行った。また、2回目及び3回目のインク置換に使用したインクの量を求めた。その結果、実施例1と同様に、最初のインク置換のレイノルズ数が2300以上の場合、2回目及び3回目のインク置換に必要なインク量が極めて少なくなることが分かった。
実施例1と同様の方法で、3回目のインク置換を行った。また、2回目及び3回目のインク置換に使用したインクの量を求めた。その結果、実施例1と同様に、最初のインク置換のレイノルズ数が2300以上の場合、2回目及び3回目のインク置換に必要なインク量が極めて少なくなることが分かった。
(その他)
上記実施例では、水を溶媒とするインクを用いたが、有機溶剤等を溶媒とするインクを用いた場合でも同様の結果が得られると考えられる。
上記実施例では、飽和インクを脱気インクに置換する場合(メンテナンス作業)について実験を行ったが、配管内に脱気インクを初期充填する場合についても、同様の結果が得られると考えられる。
上記実施例では、水を溶媒とするインクを用いたが、有機溶剤等を溶媒とするインクを用いた場合でも同様の結果が得られると考えられる。
上記実施例では、飽和インクを脱気インクに置換する場合(メンテナンス作業)について実験を行ったが、配管内に脱気インクを初期充填する場合についても、同様の結果が得られると考えられる。
1:記録媒体 3:インク滴 5:インクジェットヘッド 7:インク供給源 9:配管 11:マニホールド部品 13:廃液管 15:インク袋 17:加圧ポンプ 19:筐体 21:コック 23:酸素濃度計 25:廃液容器
Claims (3)
- ノズル孔から記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドにインクを供給するためのインク供給源と、インク供給源からインクジェットヘッドへのインクの通路となる配管とを備え、
インク供給源が供給するインクは、脱気インクであり、
インクは、初期充填又は置換の際に、前記配管内での流れのレイノルズ数が1000以上になるように供給されることを特徴とするインクジェット装置。 - インクは、前記レイノルズ数が2300以上になるように供給される請求項1に記載の装置。
- インク供給源は、インクを送出するための加圧ポンプを備え、
前記レイノルズ数は、加圧ポンプの仕事量により制御される請求項1に記載の装置。
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