JP2007076090A - 光造形物の製造方法および洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光造形法によって形成した光造形硬化体を洗浄する時に、未硬化樹脂液が残存してしまい、光造形物に微細化に伴い、光造形物の内部空間の精度を高めることが困難であったが、この問題を解決するために、光造形硬化体の洗浄を確実に行う方法、及び造形精度の高い光造形物を製造する方法を提供する。
【解決手段】 光硬化性樹脂に光を照射することにより、光造形硬化体2を生成する工程と、前記光造形硬化体2に対し、毛細管現象により液体を吸収する性質を有する吸収体4を接触させ、当該吸収体に未硬化樹脂液3を吸収させる工程とを有する光造形物の製造方法。
【選択図】図5
【解決手段】 光硬化性樹脂に光を照射することにより、光造形硬化体2を生成する工程と、前記光造形硬化体2に対し、毛細管現象により液体を吸収する性質を有する吸収体4を接触させ、当該吸収体に未硬化樹脂液3を吸収させる工程とを有する光造形物の製造方法。
【選択図】図5
Description
本発明は、光硬化性樹脂液の薄層に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層上にさらに、光硬化性樹脂液の薄層を積層する工程を繰り返すことにより、硬化樹脂層が順次積層された光造形硬化体を形成し、該光造形硬化体に付着した未硬化樹脂液を除去して光造形物とする、光造形物の製造方法および光造形硬化体の洗浄方法に関する。
従来の積層造形方法(以下、「光造形方法」という。)では、造形しようとする立体モデルを複数の層にスライスして得られる断面群のデータに基づいて造形する。通常、最初に最下段の断面に相当する領域において、光硬化性樹脂液からなる薄層の液面に光線を照射する。すると光照射された部分の光硬化性樹脂液の薄層は光硬化し、立体モデルの一断面の硬化樹脂層が造形される。光造形方法では、このような一断面の硬化を繰り返して積層された硬化物(以下、「光造形硬化体」という。)が形成される。つまり、光硬化性樹脂を積層しながら各層に対応する断面データに基づいて光を照射することにより、所望の3次元造形物が形成される(特許文献1、2参照)。
このような手法により形成された光造形硬化体の表面には、通常、未硬化の光硬化性樹脂が付着している。かかる付着した未硬化の光硬化性樹脂を、洗浄液(例えば、エタノールやケトン等の有機溶剤)で洗い流したり、洗浄液に浸漬されて除去することにより、光造形物が得られる。また、洗浄液を貯溜した容器内に浸漬して超音波を付与する(いわゆる、超音波洗浄)ことにより、未硬化の樹脂を除去する手法も知られている。
特開昭56−144478号公報
特開昭62−35966号公報
ところが、光造形物の微小化、複雑化に伴い、複雑な表面の凹部や内部空間を有する光造形硬化体の洗浄において、未硬化の光硬化性樹脂が凹部や内部空間に残留してしまい、所望の光造形物を形成できない場合があった。付着した未硬化の光硬化性樹脂を除去できないと、残存した未硬化樹脂液が徐々に硬化して凹部や内部空間を失わせるため、造形精度が低下する結果となる。また、未硬化樹脂液を除去するために洗浄時間を長時間化させたり、洗浄液を勢いよく吹き付けたりした場合に光造形硬化体の破損などが生じてしまう場合があった。
本発明は、これら光造形方法の抱える課題を解決するためになされたものであり、光造形硬化体の洗浄を確実に行う方法を提供すると共に、造形精度の高い光造形物を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の光造形物の製造方法は、光硬化性樹脂に光を照射することにより、光造形硬化体を生成する工程と、前記光造形硬化体に対し、毛細管現象により液体を吸収する吸収体を接触させ、未硬化樹脂液を吸収させる工程とを有する。また、必要に応じて、さらに前記光造形硬化体を洗浄液によって洗浄する工程を有することも可能である。
吸収体によって未硬化樹脂液を吸収することにより、光造形硬化体を長時間洗浄液に浸漬することなく高精度な光造形物を得ることが可能となる。
吸収体によって未硬化樹脂液を吸収することにより、光造形硬化体を長時間洗浄液に浸漬することなく高精度な光造形物を得ることが可能となる。
また、本発明の光造形方法によって形成された光造形硬化体の洗浄方法は、前記光造形硬化体に対し、毛細管現象により液体を吸収する吸収体を接触させ、未硬化樹脂液を吸収させる工程とを有する。また、必要に応じて、さらに、前記光造形硬化体を洗浄液により洗浄する工程とを有することも可能である。
吸収体によって未硬化樹脂液を吸収した後に洗浄液によって洗浄することにより、効果的に未硬化樹脂液を取り除くことが可能となる。
吸収体によって未硬化樹脂液を吸収した後に洗浄液によって洗浄することにより、効果的に未硬化樹脂液を取り除くことが可能となる。
また、前記未硬化樹脂液を吸収させる工程は、洗浄液に浸漬された前記光造形硬化体に対して、前記吸収体を接触させる工程であることが好ましい。あるいは、前記吸収体を前記光造形硬化体に接触させた後に、前記吸収体および光造形硬化体に対して洗浄液を滴下する工程を有することが好ましい。
ここで、洗浄液としては、未硬化樹脂液を溶解するが、光造形硬化体を溶解又は膨潤させない有機溶媒であれば特に限定されない。洗浄液の好ましい具体例としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類に代表されるアルコール系有機溶剤;アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等に代表されるケトン系有機溶剤;テルペン類に代表される脂肪族系有機溶剤を挙げることができる。
洗浄液に浸漬させることにより、未硬化樹脂液が溶解あるいは粘度が低下するため吸収体による未硬化樹脂液の吸収が容易となる。さらに、前記未硬化樹脂液を吸収させる工程において、加温する、負圧を与えるなどの状態で行われるとより未硬化樹脂液の洗浄の効率を上げることが可能である。
ここで、洗浄液としては、未硬化樹脂液を溶解するが、光造形硬化体を溶解又は膨潤させない有機溶媒であれば特に限定されない。洗浄液の好ましい具体例としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類に代表されるアルコール系有機溶剤;アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等に代表されるケトン系有機溶剤;テルペン類に代表される脂肪族系有機溶剤を挙げることができる。
洗浄液に浸漬させることにより、未硬化樹脂液が溶解あるいは粘度が低下するため吸収体による未硬化樹脂液の吸収が容易となる。さらに、前記未硬化樹脂液を吸収させる工程において、加温する、負圧を与えるなどの状態で行われるとより未硬化樹脂液の洗浄の効率を上げることが可能である。
本発明により、光造形硬化体の洗浄を確実に行うことができると共に形状精度の高い光造形物を製造することが可能となる。本発明は、投影領域を単位として一括露光を繰り返すことにより、光硬化性樹脂液に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層を順次積層して三次元構造を形成する光造形方法においては、該光造形方法で形成される光造形物が微小なものであるため、特に有用である。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。
まず、本発明の光造形物を形成する光造形動作について説明する。図2は、本発明における光造形硬化体2が洗浄される前の状態を示している。光造形硬化体2の形成工程においては、まず、未硬化の光硬化性樹脂液(以下、単に「光硬化性樹脂液」ともいう。)が所定量だけ造形テーブル1上に供給される。テーブル1上の光硬化性樹脂液は、図示しないリコータなどにより、引き伸ばすようにして掃引される。この掃引により、硬化させる一層分のコート層(「薄層」ともいう。)が形成される。このコート層を形成する光硬化性樹脂液の所定箇所に対し、レーザ光や紫外線などが照射される。レーザ光線の場合には、レーザ光線を走査して、照射位置を移動させて照射させる必要がある。このようにして、光の照射を実行することによって、光硬化性樹脂液が硬化し、第1層目の硬化樹脂層が形成される。
その後、この1層目の光硬化樹脂上に2層目のコート層となる光硬化性樹脂層が積層され、2層目の硬化樹脂層を形成する光照射が行われる。このように光の照射および次層に対応する光硬化樹脂液層の堆積が繰り返されて光造形物が形成される。1層分の積層ピッチ、すなわち、硬化樹脂層1層の厚みは、例えば、従来の一般的な光造形方法においては、20〜200μmであり、後述の、投影領域を単位として一括露光を繰り返すことにより、光硬化性樹脂液に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層を順次積層して三次元構造を形成する光造形方法においては、5〜10μmである。
ここで、本発明の実施形態によって形成された光造形物は、例えば10μm以下の穴状の構造をその内部に多数持つ多孔質状の形状をしており、従来の洗浄方法ではその穴形状の内部にまで洗浄液が到達しにくく、充分に洗浄を行うには長時間洗浄を行う必要がある造形物である。図2には、その穴が縦方向にのみ形成されている場合が示されているが横方向にも多数の穴が形成されているものとする。
本発明は、光造形物の寸法が例えば500μm以下の微小であり、表面に複雑な形状の凹部や内部空間を有する場合に、特に有用である。よって、まず、微小な光造形物を形成する手段の一例として、投影領域を単位として一括露光を繰り返すことにより、光硬化性樹脂液に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層を順次積層して三次元構造を形成する光造形方法(以下、「マイクロ光造形方法」という。)について、説明する。
図1は、マイクロ光造形方法に係る光硬化造形装置(以下、「光造形装置」という)の装置構成の一例を説明するための図である。同図に示すように、光造形装置は、光源10、ディジタルミラーデバイス(以下「DMD」と略記する)20、レンズ30、造形テーブル40、ディスペンサ50、リコータ60、制御部70、記憶部80等を備えている。
光源10には、レーザ光線を発振可能なものが搭載されている。光源10から発生するレーザ光線を、後述する光硬化性樹脂液に照射せしめることにより、光硬化性樹脂液を硬化させることができる。従って、光硬化性樹脂液100を硬化可能な波長のレーザ光線を搭載する必要がある。光源10の具体例としては、405nmのレーザ光を発生させるレーザダイオード(LD)や紫外線(UV)ランプ等を挙げることができる。
ディジタルミラーデバイス(DMD)20は、テキサス・インスツルメンツ社によって開発されたデバイスであり、CMOS半導体上に独立して動くマイクロミラーが数十万〜数百万個、例えば、48万〜131万個敷き詰められているものである。個々のマイクロミラーは、静電界作用によって、それぞれ独立に対角線を軸に約±10度、例えば、±12度程度傾けることが可能である。個々のマイクロミラーの角度を制御することにより、後述する造形テーブルに形成された光硬化性樹脂液の所望の位置に光照射することができる。
DMD20に備えられたマイクロミラーは、各マイクロミラーのピッチの1辺の長さが約10μm、例えば、13.68μmの四角形の形状を有している。隣接するマイクロミラーの間隔は、例えば1μmである。本実施形態1で用いたDMD20の全体は、40.8×31.8mmの四角形状を有し(うち、ミラー部は、14.0×10.5mmの四角形状を有する。)、1辺の長さが13.68μmのマイクロミラー786,432個により構成されている。光源10から出射されたレーザ光線は、DMD20の構成部材であるマイクロミラーによって反射される。そして、DMD20において、集光レンズ30に向かって反射されたレーザ光線が造形テーブル40上の光硬化性樹脂液100に照射されることになる。
レンズ30は、DMD20によって反射されたレーザ光線を光硬化性樹脂液100上に導き、投影領域を形成する役割を担う。レンズ30は、凸レンズを用いた集光レンズであってもよいし、凹レンズを用いてもよい。凹レンズを用いると、DMD20の実サイズよりも大きな投影領域を得ることができる。本実施形態に係るレンズ30は、凸レンズからなる集光レンズであって、入射光を約15倍縮小し、光硬化性樹脂液100により形成されたコート層90上に集光している。
造形テーブル40は、平板状の載置台からなる。造形テーブル40上で、光硬化性樹脂液100のコート層90が形成され、レンズ30を介してレーザ光線が照射されて光硬化性樹脂液100の硬化が行われる。造形テーブル40は、図示しない駆動機構、即ち移動機構によって、水平移動及び垂直移動が移動自在に構成されている。この駆動機構により、所望の範囲に亘って光造形を行なうことができる。ディスペンサ50は、光硬化性樹脂液100を収容し、予め定められた量の光硬化性樹脂液100を所定位置に供給可能なように構成されている。また、リコータ60は、例えば、ブレード機構と移動機構を備え、光硬化性樹脂液100を均一に塗布可能なように構成されている。
制御部70は、露光データを含む制御データに応じて光源10、DMD20、造形テーブル40、ディスペンサ50、リコータ60を制御する。制御部70は、典型的には、コンピュータに所定のプログラムをインストールすることによって構成することができる。典型的なコンピュータの構成は、中央処理装置(CPU)とメモリとを含んでいる。CPUとメモリとは、バスを介して補助記憶装置としてのハードディスク装置などの外部記憶装置に接続される。この外部記憶装置が、制御部70の記憶部80として機能する。記憶部80として機能するフレキシブルディスク装置、ハードディスク装置、CD−ROMドライブ等の記憶媒体駆動装置は、各種コントローラを介してバスに接続される。フレキシブルディスク装置等の記憶媒体駆動装置には、フレキシブルディスク等の可搬型記憶媒体が挿入される。記憶媒体にはオペレーティングシステムと協働してCPUなどに命令を与え、本実施形態を実施するための所定のコンピュータプログラムを記憶することができる。
記憶部80には、造形しようとする立体モデルを複数の層にスライスして得られる断面群の露光データを含む制御データが格納されている。制御部70は、記憶部80に格納された露光データに基づいて、主としてDMD20における各マイクロミラーの角度制御、造形テーブル40の移動(即ち、立体モデルに対するレーザ光の照射範囲の位置)を制御し、立体モデルの造形を指示する。
コンピュータプログラムは、メモリにロードされることによって実行される。コンピュータプログラムは、圧縮したり、複数に分割して記憶媒体に記憶することができる。さらに、ユーザ・インターフェース・ハードウェアを備えることができる。ユーザ・インターフェース・ハードウェアとしては、例えば、マウスなどの入力をするためのポインティング・デバイス、キーボード、あるいは視覚データをユーザに提示するためのディスプレイなどがある。
光硬化性樹脂液100としては、レーザ光線によって硬化するものを選定する。レーザ光線としては、例えば可視光、紫外光を好適に用いることができる。例えば、15μm以上(500mJ/cm2)の硬化深度を有し、粘度が1500〜2500Pa・s(25℃)の405nm対応のアクリル系樹脂を用いることができる。
次に、本実施形態に係る光造形装置の光造形動作について説明する。まず、ディスペンサ50に未硬化状態の光硬化性樹脂液100を収容する。造形テーブル40は初期位置にある。ディスペンサ50は、収容された光硬化性樹脂液100を所定量だけ造形テーブル40上に供給する。リコータ60は、光硬化性樹脂液100を引き伸ばすようにして掃引し、硬化させる一層分のコート層90を形成する。
光源10から出射したレーザ光線は、DMD20に入射する。DMD20は、記憶部80に格納された露光データに応じて制御部70により制御され、制御部70により光硬化性樹脂液100により形成されたコート層90の所望の位置にレーザ光線が照射されるようにマイクロミラーの角度が調整される。これにより、そのマイクロミラーを反射したレーザ光線が集光レンズ30を介して光硬化性樹脂液100のコート層90に照射され、その他のマイクロミラーを反射したレーザ光線は光硬化性樹脂液100のコート層90に照射されない。光硬化性樹脂液100へのレーザ光線の照射は例えば0.4秒間行なわれる。このとき、光硬化性樹脂液100のコート層90への投影領域は例えば、1.3×1.8mm程度であり、0.6×0.9mm程度まで縮小することもできる。投影領域の面積は、通常、100mm2以下であることが望ましい。
レンズ30に、凹レンズを用いることにより、投影領域を6×9cm程度まで拡大することもできる。投影領域をこのサイズを超えて拡大すると、投影領域に照射されるレーザ光線のエネルギー密度が低くなるため、光硬化性樹脂液100の硬化が不十分となることがある。レーザ光線の投影領域のサイズよりも大きい立体モデルを形成する場合には、例えば造形テーブル40を移動機構によって水平移動させることにより、レーザ光線の照射位置を移動させて全造形領域を照射する。投影領域毎に1ショットずつレーザ光線の照射を実行していく。
このようにして、投影領域を移動させて、各投影領域を単位としてレーザ光線の照射、即ち露光を実行することによって、光硬化性樹脂液100のコート層90が硬化し、第1層目の硬化樹脂層が形成される。1層分の積層ピッチ、即ち、硬化樹脂層1層の厚みは、例えば、1〜50μm、好ましくは、2〜10μm、さらに好ましくは、5〜10μmである。従来の光造形方法では、造形物の解像度を上げることが困難であり、典型的な解像度は、数10μmであって、より高解像度を要するマイクロ機械部品の製造に用いることは困難であった。本実施形態に係る光造形方法によれば、例えば、解像度を積層方向に5μm程度、造形テーブルと平行な平面方向解像度を2μm程度に上げることができる。
続いて、同様の工程で所望形状の立体モデルの2層目を同時形成する。具体的には、1層目として形成された硬化樹脂層の外側にディスペンサ50より供給された光硬化性樹脂液100をリコータ60によって立体モデルを越えて引き伸ばされるように均一厚さに塗布する。そして、レーザ光線を照射することにより、第2層目の硬化樹脂層を第1層目の硬化樹脂層の上に形成する。以下同様にして第3層目以降の硬化樹脂層を順次堆積させる。そして、最終層の堆積終了後、造形テーブル40上に形成された造形物を取り出す。造形物は、表面に付着した未硬化の光硬化性樹脂液を洗浄その他の方法で除去する。その後、必要に応じて造形物は、紫外線ランプ等により照射し又は加熱して、硬化を更に進行させてもよい。
実施の形態1
以下、本発明の実施の形態1の光造形硬化体の洗浄方法について図を参照して説明する。上述したように、図2は、光造形硬化体が、造形された直後の状態を示している。図2に示した状態では光造形硬化体2に対して未硬化樹脂液3が付着している。本実施の形態においては、この状態の光造形硬化体2に対し、図3に示すように未硬化樹脂液を吸収することが可能な吸収体4を接触させる。この吸収工程時に用いられる吸収体4としては、その吸収体4が有する毛細管現象によって液体(未硬化樹脂液)を吸収するものが好ましい。このように毛細管現象によって未硬化樹脂液3を吸収する吸収体4としては例えば、コットンなどの繊維間に液体を吸収し保持する材料、あるいは光造形物の微細性を考慮して産業用に開発された低発塵ワイパーなどが好ましい。また、吸収体4としては横方向の穴からも未硬化樹脂液3を吸収するために、その形状が光造形硬化体2の周囲を覆えるような布状の柔軟性を有するものが好ましい。
以下、本発明の実施の形態1の光造形硬化体の洗浄方法について図を参照して説明する。上述したように、図2は、光造形硬化体が、造形された直後の状態を示している。図2に示した状態では光造形硬化体2に対して未硬化樹脂液3が付着している。本実施の形態においては、この状態の光造形硬化体2に対し、図3に示すように未硬化樹脂液を吸収することが可能な吸収体4を接触させる。この吸収工程時に用いられる吸収体4としては、その吸収体4が有する毛細管現象によって液体(未硬化樹脂液)を吸収するものが好ましい。このように毛細管現象によって未硬化樹脂液3を吸収する吸収体4としては例えば、コットンなどの繊維間に液体を吸収し保持する材料、あるいは光造形物の微細性を考慮して産業用に開発された低発塵ワイパーなどが好ましい。また、吸収体4としては横方向の穴からも未硬化樹脂液3を吸収するために、その形状が光造形硬化体2の周囲を覆えるような布状の柔軟性を有するものが好ましい。
このように、毛細管現象によって液体を吸収する吸収体4を光造形硬化体2に接触させることにより、光造形物2に残存する未硬化樹脂液3が粘性を有していても毛細管現象により、未硬化樹脂液を吸収することが可能となる。また、毛細管現象を利用しているため光造形硬化体の数μm程度の孔からも効果的に未硬化樹脂液3を吸収することが可能となる。
その後、本実施の形態では、通常の洗浄液(例えば有機溶剤であるアセトンやエタノールなど)による浸漬洗浄あるいは超音波洗浄が行われる(不図示)。本実施の形態によれば、この洗浄液による洗浄は従来と同程度、あるいは従来よりも短時間であっても充分な効果が得られることが本件発明者らによって確認されている。その理由としては、洗浄液による洗浄の前に、吸収体4によって未硬化樹脂液3が吸収されているため、従来、未硬化樹脂液3が残っていたことにより洗浄液が浸透しにくくなっていた部分にも洗浄液が充分に浸透し、上記の吸収過程で吸収し切れなかった残存する未硬化樹脂液を洗浄できれば、未硬化樹脂液を効果的に除去することが可能となるためであると考えられる。
このように本実施の形態によれば、光造形法によって形成された光造形硬化体を洗浄するに際し、吸収体4を利用して毛細管現象により未硬化樹脂液3を吸収し、その後、洗浄液による洗浄を行うことで、従来では洗浄液が浸透せず、充分な洗浄が行われなかった部分に対しても効果的な洗浄を行うことができる。そのため、未硬化樹脂液の除去をより確実に行うことが可能となり、光造形物の精度を向上させることが可能となる。また、洗浄液による洗浄時間を短くすることができるため、有機溶剤に長時間浸されることもなく、光造形硬化体が変形してしまうのを防ぐことが可能である。
実施の形態2
以下に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態では実施の形態1における吸収体4による未硬化樹脂液3の吸収工程に先立って、光造形硬化体2が有機溶剤などの洗浄液5(例えばエタノール)に浸漬される点が第1の実施形態と異なっている(図4参照)。ここで、光造形硬化体2が浸漬される洗浄液は未硬化樹脂液3を溶解し、硬化した樹脂は溶解しないような液体である。そして、洗浄液5に浸漬された光造形硬化体2に、上述した吸収体4を接触させる(図5参照)。この時、吸収体4には未硬化樹脂液3と洗浄液5が吸収される。その後、第1の実施の形態と同様に光造形硬化体2を洗浄液に浸漬しての超音波洗浄などが行われる(不図示)。この洗浄液による洗浄時間は、従来の洗浄時間に比して充分に短く設定することが可能である。
以下に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態では実施の形態1における吸収体4による未硬化樹脂液3の吸収工程に先立って、光造形硬化体2が有機溶剤などの洗浄液5(例えばエタノール)に浸漬される点が第1の実施形態と異なっている(図4参照)。ここで、光造形硬化体2が浸漬される洗浄液は未硬化樹脂液3を溶解し、硬化した樹脂は溶解しないような液体である。そして、洗浄液5に浸漬された光造形硬化体2に、上述した吸収体4を接触させる(図5参照)。この時、吸収体4には未硬化樹脂液3と洗浄液5が吸収される。その後、第1の実施の形態と同様に光造形硬化体2を洗浄液に浸漬しての超音波洗浄などが行われる(不図示)。この洗浄液による洗浄時間は、従来の洗浄時間に比して充分に短く設定することが可能である。
実施の形態2によれば吸収体4による未硬化樹脂液3の吸収に先立って、光造形硬化体2が洗浄液5に浸漬される。そのため、この時に未硬化樹脂液3が溶解あるいは粘度が低下し、吸収体4による未硬化樹脂液3の吸収がより容易となる。また、洗浄液として用いられる液体は通常揮発性が高いため、その揮発に伴い未硬化樹脂液3が押し出されるという効果も考えられる。そのため、揮発性を高めるために吸収体4を接触させるときに、数十度程度に加温しておくとより一層の効果を得ることが可能である。第2の実施の形態によれば、吸収体4を接触させたときに吸収体4によって吸収される未硬化樹脂液3の量が増加し、吸収体4による洗浄の効率が上昇する。また、その後の洗浄液による洗浄工程を短時間に設定することが可能となる。
なお、上記の説明では光造形硬化体2を洗浄液に浸漬させた後に吸収体4を接触させるものとしたが、この工程は逆でも良い。つまり先に吸収体4を光造形硬化体2に接触させ、洗浄液5を造形物2上に滴下するなどして、未硬化樹脂液3と洗浄液5を吸収体4に吸収させても同様の効果を得ることが可能である。
実施の形態3
以下に本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態は、吸収体による吸収工程が第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態では、吸収体4が光造形硬化体2と接触する面の反対面に負圧機構6が設けられている(図6参照)。この負圧機構6とは例えば大気を吸引するバキューム機構であったり、吸収体が把持される把持部を減圧する機構であればよい。
以下に本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態は、吸収体による吸収工程が第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態では、吸収体4が光造形硬化体2と接触する面の反対面に負圧機構6が設けられている(図6参照)。この負圧機構6とは例えば大気を吸引するバキューム機構であったり、吸収体が把持される把持部を減圧する機構であればよい。
このように吸収体4が光造形硬化体2と接触する面の反対側に負圧機構6を設けることで、吸収体によって吸収された未硬化樹脂液には、吸収体の反対面へ吸引される力が働く。その結果、毛細管現象を利用した吸収体4の吸収効率が上昇するため、吸収工程時に吸収される未硬化樹脂液3の量も増加する。つまり、吸収体4による洗浄の効率も上昇する。その結果、その後の洗浄液による洗浄工程もより短く設定することが可能となり、光造形硬化体の洗浄の効率がさらに向上する。
以上、本発明の実施の形態に基づいて詳細に説明したが、本発明によれば、数μm程度の穴を有するような光造形硬化体であっても効果的に未硬化樹脂液を除去することが可能であり、光造形物の高精度化が可能となる。また、本発明は、当業者であれば適宜変更が可能である。例えば、第2の実施の形態と第3の実施の形態を組み合わせてもよく、また、光硬化性樹脂と洗浄液の種類は、当業者において適宜好適な組み合わせを用いることが可能である。
1 造形テーブル
2 光造形硬化体
3 未硬化樹脂液
4 吸収体
5 洗浄液
6 負圧機構
2 光造形硬化体
3 未硬化樹脂液
4 吸収体
5 洗浄液
6 負圧機構
Claims (7)
- 光硬化性樹脂液の薄層に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層上にさらに、光硬化性樹脂液の薄層を積層する工程を繰り返すことにより、硬化樹脂層が順次積層された光造形硬化体を形成し、該光造形硬化体に付着した未硬化樹脂液を除去して光造形物とする、光造形物の製造方法において、
光硬化性樹脂に光を照射することにより、光造形硬化体を生成する工程と、
前記光造形硬化体に対し、毛細管現象により液体を吸収する吸収体を接触させ、未硬化樹脂液を吸収させる工程とを有する光造形物の製造方法。 - 前記光造形物の製造方法はさらに前記光造形硬化体を洗浄液によって洗浄する工程を有することを特徴とする請求項1記載の光造形物の製造方法。
- 光硬化性樹脂液の薄層に選択的に光を照射して硬化樹脂層を形成し、該硬化樹脂層上にさらに、光硬化性樹脂液の薄層を積層する工程を繰り返すことにより、硬化樹脂層が順次積層された光造形硬化体を形成する光造形方法によって形成された光造形硬化体の洗浄方法であって、
前記光造形硬化体に対し、毛細管現象により液体を吸収する吸収体を接触させ、未硬化樹脂液を吸収させる工程と、
前記光造形物を洗浄液により洗浄する工程とを有する光造形硬化体の洗浄方法。 - 前記未硬化樹脂液を吸収させる工程は、洗浄液に浸漬された前記光造形硬化体に対して、前記吸収体を接触させる工程であることを特徴とする請求項3に記載の光造形硬化体の洗浄方法。
- 前記光造形硬化体の洗浄方法は、さらに、前記吸収体を前記光造形硬化体に接触させた後に、前記吸収体および光造形硬化体に対して洗浄液を滴下する工程を有することを特徴とする請求項3に記載の光造形硬化体の洗浄方法。
- 前記未硬化樹脂液を吸収させる工程は、加温された状態で行われることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の光造形硬化体の洗浄方法。
- 前記未硬化樹脂液を吸収させる工程において、前記吸収体の前記光造形硬化体と接触しない面に負圧が与えられていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の光造形硬化体の洗浄方法。
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