JP6385045B2 - 成形体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、成形体の製造方法に関するものである。
従来、光硬化性樹脂を用いた光造形法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
光造形法では、まず、所望の成形体の三次元データに基づいて、当該三次元データを1つの軸方向に複数層に分割したスライスデータを作成する。次いで、貯留した未硬化の光硬化性樹脂に対し、作成したスライスデータ(例えばn番目の層のスライスデータ)に従って、光を走査しながら照射することで、n番目の層を形成する。このように形成される層を順次積層させることで、所望の三次元形状の成形体を製造する。
特開平09−201877号公報 特開2006−240080号公報
従来知られた方法では、スライスデータに基づいて形成される各層の厚みは、未硬化の光硬化性樹脂の厚みによって制御されている。具体的には、一定の厚みの層を形成し複数層を積層するために、未硬化の光硬化性樹脂を硬化した層に接して一定の厚みで配置し、当該光硬化性樹脂をスライスデータに基づいて光照射することで、厚みを制御した各層を形成している。
例えば、上記特許文献では、硬化した層の上に未硬化の光硬化性樹脂を配置した後、一定の厚みとなるようにスキージで余剰の樹脂を除去しており、操作や製造装置の構成が複雑になっていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光造形法における硬化物の厚み制御をより簡便に行うことが可能な成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様に係る成形体の製造方法は、被成形体の表面と光ファイバーの光射出口との離間距離を所望の値に制御する工程と、前記光射出口と、前記被成形体の表面に供給された未硬化の光硬化性樹脂と、を接触させた状態で、前記光射出口から前記未硬化の光硬化性樹脂に光照射を行う工程と、を有する。
本発明の一態様においては、前記制御する工程に先立って、前記被成形体の表面に前記未硬化の光硬化性樹脂を供給する工程を有する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記供給する工程では、前記未硬化の光硬化性樹脂を前記光ファイバーの端部に付着させた状態で、前記光ファイバーを前記被成形体まで相対移動させ、前記端部に付着した前記未硬化の光硬化性樹脂を供給する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記供給する工程では、前記被成形体の表面に前記未硬化の光硬化性樹脂を塗布する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記供給する工程では、貯留された前記未硬化の光硬化性樹脂に前記被成形体を浸漬させる製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記供給する工程では、前記被成形体の表面に前記未硬化の光硬化性樹脂を連続的に供給する製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記光照射を行う工程では、前記被成形体と前記光射出口とを相対移動させながら連続的に光照射を行う製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記光射出口の表面エネルギーを下げる表面処理を行った前記光ファイバーを用いる製造方法としてもよい。
本発明の一態様においては、前記光射出口に正の屈折力を有するレンズが設けられた前記光ファイバーを用いる製造方法としてもよい。
本発明によれば、光造形法における硬化物の厚み制御をより簡便に行うことが可能な成形体の製造方法を提供することができる。
第1実施形態の成形体の製造方法を実施するために用いる製造装置の一例を示す模式図である。 第1実施形態の成形体の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態の成形体の製造方法を示す工程図である。 第3実施形態の成形体の製造方法を示す工程図である。 第4実施形態の成形体の製造方法を示す工程図である。 第5実施形態の成形体の製造方法を実施するために用いる製造装置の一例を示す模式図である。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例で製造した成形体を示す写真である。
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態に係る成形体の製造方法について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の成形体の製造方法を実施するために用いる製造装置100の一例を示す模式図である。
製造装置100は、光Lを照射する光源部10と、被成形体1を保持する保持部20と、光源部10および保持部20の運転を制御する制御部(不図示)と、を有している。製造装置100は、被成形体1の表面に供給された未硬化の光硬化性樹脂2(以下、「樹脂2」と略して示す)に光Lを照射し、所望の立体的形状を有する成形体を製造する装置である。
被成形体1としては、樹脂材料、無機材料など種々の材料のものを用いることができる。また、被成形体1の形状は、樹脂2が配置される表面が平面であるものに限らず、曲面を有するものであってもよい。被成形体1は、板状、柱状、球状など種々の形状の部材の他、予め任意の造形法を用いて形成された成形体であってもよい。また、樹脂2を硬化させた際に樹脂2を強固に付着させるため、粗面化や樹脂コーティングなどの表面処理を施したものであってもよい。
本実施形態では、被成形体1として、ガラス製のスライドグラスを用いることとして説明する。
樹脂2としては、未硬化状態で液状の光硬化性樹脂を用いることができる。このような樹脂としては、通常知られたものを用いることができ、エポキシ樹脂、アクリル樹脂およびシリコーン樹脂を例示することができる。
樹脂2には、光重合開始剤やフィラーが含まれていてもよい。例えば、フィラーとして銀微粒子が含まれていると光硬化性の銀ペーストとなり、配線構造の形成に用いることができる。
本実施形態では、樹脂2として紫外線硬化性樹脂を用いることとして説明する。
光源部10は、レーザー光源11と、シャッター12と、対物レンズ13と、光ファイバー14と、第1支持部15と、第2支持部16と、を有している。
レーザー光源11は、樹脂2の光重合を開始させる波長のレーザー光LBを射出する。例えば、樹脂2が紫外線硬化性樹脂である場合は、レーザー光源11として紫外線レーザーを射出する装置を用いることができる。本実施形態では、レーザー光源11は紫外線レーザーを照射することとして説明する。
シャッター12は、レーザー光源11から射出されるレーザー光LBを遮蔽し、または通過させる。これにより、光照射が不要な箇所においては、レーザー光源11を消灯することなく、光照射を停止させることができる。シャッター12は、例えば、不図示の制御部の指示により開閉動作を行う。
対物レンズ13は、レーザー光源11から射出されるレーザー光LBを集光する。これにより、光ファイバー14の一端に効率的にレーザー光LBを導入することができる。
光ファイバー14は、一端側から入射するレーザー光LBを内部で導波し、他端側から射出する。光ファイバー14は、通常知られたものを使用することができ、製造する成形体を造形する際の解像度に応じて、コアの直径を適宜選択することができる。例えば、表面凹凸が少ない成形体のように粗い造形でも構わない場合には、太いコアの光ファイバーを用いることができ、細かな造形処理が必要な部分を成形する場合には、細いコアの光ファイバーを用いることができる。
光ファイバー14の一端は、対物レンズ13を介したレーザー光LBの入射口である。他端は、本発明における光射出口に該当する。
光ファイバー14は、一端側を第1支持部15で支持され、他端側を第2支持部16で支持されている。
第1支持部15は、クランプ151と、ストレインリリーフ152と、3軸ステージ153を有している。クランプ151およびストレインリリーフ152は、光ファイバー14の一端を支持している。3軸ステージ153は、光ファイバー14の一端の空間位置を三次元的に移動させることができる。これにより、対物レンズ13の集光位置と光ファイバー14の一端の位置との位置合わせが容易になる。
第2支持部16は、クランプ161と、ストレインリリーフ162とを有している。クランプ161およびストレインリリーフ162は、光ファイバー14の他端を支持している。第2支持部16は、不図示の基台等に取り付けられ、光ファイバー14の他端の空間位置を固定している。
クランプ161から光ファイバー14の他端までの距離が長いと、光ファイバー14が撓みやすくなり、光照射位置が変化する結果、造形の精度が低下するおそれがある。そのため、第2支持部16が光ファイバー14を支持する位置は、樹脂2に触れない位置で、かつ極力、光ファイバー14の他端に近い位置が好ましい。
保持部20は、載置台21と、xyz軸自動ステージ22と、z軸ステージ23とを有している。
載置台21は、被成形体1を載置する。
xyz軸自動ステージ22は、例えば、不図示の制御部の指示により、成形体の製造中に載置台21をx,y,z軸方向に自動的に動かす。これにより、xyz軸自動ステージ22は、光ファイバー14の他端と被成形体1および被成形体1上に供給されている樹脂2との相対位置を変更する。
z軸ステージ23は、例えば、被成形体1の高さ位置の初期状態を設定する際に用いる。
図2は、本実施形態の成形体の製造方法を示す工程図である。図では、光ファイバー14のコアを符号141、クラッドを符号142として示している。
まず、図2(a)に示すように、光ファイバー14の他端14aを、所定の位置に配置した未硬化の光硬化性樹脂2Aに接触させ、他端14aに樹脂2を付着させる。その後、樹脂2を他端14aに付着させた状態で、光ファイバー14を被成形体1まで相対移動させ、他端14aに付着した樹脂2を被成形体1の表面1aに付着させて供給する(供給する工程)。
次いで、図2(b)に示すように、コア141の端部である光射出口141aと、表面1aとの離間距離Hを所望の値に制御する(制御する工程)。
次いで、光射出口141aと、被成形体1の表面に供給された樹脂2と、を接触させた状態で、光射出口141aから樹脂2に光Lを照射する(光照射を行う工程)。これにより、光射出口141aと表面1aとの間の樹脂2が硬化する。樹脂2の硬化物の高さは、離間距離Hに等しい。すなわち、離間距離Hを機械的に制御することにより、樹脂2の硬化物の高さを制御することができる。そのため、従来の方法のように未硬化の光硬化性樹脂の厚みを制御する必要がなく、容易に樹脂2の硬化物の高さを制御することができる。
次いで、図2(c)に示すように、光ファイバー14を光照射方向とは交差する方向(図では、表面1aの面方向)に光ファイバー14を相対移動させる。樹脂2の硬化物は、光射出口141aに付着した状態で生成するが、光ファイバー14を光照射方向とは交差する方向に移動させることで、硬化物と光射出口141aとが容易に剥離する。その後、残存する樹脂2を適宜溶剤で洗浄する。これにより、高さが離間距離Hに制御された円柱状の成形体3を破損することなく得ることができる。
また、図2(b)に示す樹脂2の液滴内で、被成形体1の表面1aの面方向に、光ファイバー14を二次元的に相対移動させることで、表面1aの面方向に広がる層状の成形体3が得られる。
このとき、液滴の量が多い場合は、さらに離間距離Hを制御して、層状の成形体3の上に繰り返し成形体を形成することにより、複数層が積層した成形体を製造することができる。
また、液滴の量が少ない場合には、層状の成形体3の上で図2(a)(b)(c)と同様の操作を行うことにより、複数層が積層した成形体を製造することができる。
なお、光ファイバー14のコアの直径が大きい場合や、光射出口141aと樹脂2との親和性が高い場合には、光射出口141aと樹脂2の硬化物との剥離強度が樹脂2の硬化物と表面1aとの剥離強度よりも大きくなる場合がありうる。そのような場合、光ファイバー14を移動させても、光射出口141aと樹脂2の硬化物とが剥離する前に、樹脂2の硬化物が表面1aから剥離し、破損するおそれがある。
このような場合、予め光射出口の表面エネルギーを低下させる表面処理を行い、光射出口141aと樹脂2の硬化物との剥離強度を未処理の場合よりも下げておくとよい。このような処理としては、例えば、光射出口141aの表面をフッ素コートする処理が挙げられる。
その後、図2(d)に示すように、表面1aにおいて図2(a)(b)(c)の工程を繰り返すことで、表面1aの任意の箇所に成形体3を形成することができる。すなわち、図2(b)で示した樹脂2の液滴の配置位置とは異なる位置に、成形体3を形成することができる。そのため、成形体の形成が必要な箇所に少量の樹脂2を供給して、所望の成形体を製造することが可能である。
成形体3の形状は、上述の離間距離Hの他、光ファイバー14のコア141の直径、レーザー光源11の出力、光Lの照射時間、等を変更することにより制御可能である。例えば、レーザー光源11の出力(射出光強度)を上げると射出される光Lが射出方向に広がりやすく、その結果、円錐台状の成形体が得られる。
以上のような成形体の製造方法によれば、光造形法における硬化物の厚み制御をより簡便に行うことができる。
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態の成形体の製造方法を示す工程図である。本実施形態においては、第1実施形態において示した製造装置100を用いることとして説明する。
まず、図3(a)に示すように、被成形体1の表面に樹脂2を塗布し、樹脂2の塗膜を形成する(供給する工程)。塗膜の形成方法については、スクリーン印刷法、スピンコート法、インクジェット印刷法、バーコート法等の公知の印刷方法を採用することができる。
次いで、図3(b)に示すように、コア141の端部である光射出口141aと、表面1aとの離間距離Hを所望の値に制御する(制御する工程)。
次いで、光射出口141aと、被成形体1の表面に供給された樹脂2と、を接触させた状態で、光射出口141aから樹脂2に光Lを照射する(光照射を行う工程)。
次いで、図3(c)に示すように、光ファイバー14を光照射方向とは交差する方向(図では、表面1aの面方向)に光ファイバー14を相対移動させる。その際、図に示すように被成形体1と光射出口141aとを相対移動させながら連続的に光照射を行うこともできる。これにより、円柱状の硬化物が光射出口141aの移動方向で接触しながら連続的に形成され、その結果、高さが離間距離Hに制御された帯状の成形体4が得られる。
また、第1実施形態と同様に、被成形体1の表面1aの面方向において光ファイバー14を二次元的に相対移動させることで、表面1aの面方向に広がる層状の成形体4や、複数層が積層した成形体を製造することができる。
以上のような成形体の製造方法によっても、光造形法における硬化物の厚み制御をより簡便に行うことができる。
[第3実施形態]
図4は、第3実施形態の成形体の製造方法を示す工程図である。本実施形態においては、第1実施形態において示した製造装置100を用いることとして説明する。
まず、図4(a)に示すように、貯留部50の中に樹脂2を貯留し、載置台51に載置された被成形体1を貯留された樹脂2の中に浸漬する(供給する工程)。
次いで、コア141の端部である光射出口141aと、表面1aとの離間距離Hを所望の値に制御する(制御する工程)。次いで、光射出口141aと、被成形体1の表面に供給された樹脂2と、を接触させた状態で、光射出口141aから樹脂2に光Lを照射する(光照射を行う工程)。
次いで、図4(b)に示すように、光ファイバー14を光照射方向とは交差する方向(図では、表面1aの面方向)に光ファイバー14を移動させる。その際、図に示すように被成形体1と光射出口141aとを相対移動させながら連続的に光照射を行うことで、高さが離間距離Hに制御された帯状の成形体5、または層状の成形体5が得られる。
また、第1実施形態と同様に、被成形体1の表面1aの面方向において光ファイバー14を二次元的に相対移動させることで、表面1aの面方向に広がる層状の成形体5や、複数層が積層した成形体を製造することができる。
以上のような成形体の製造方法によれば、光造形法における硬化物の厚み制御をより簡便に行うことができる。
[第4実施形態]
図5は、第4実施形態の成形体の製造方法を示す工程図である。
図5(a)に示す成形体(被成形体)6は、例えば光造形法を用いて作製した成形体である。光造形法を用いて作製した成形体6は、高さ方向に複数層を積層して成形するが、層の端部に段差(図中、符号6xで示す)が生じ、なめらかな表面となりにくい。これは、通常の光造形法では、光の照射方向が複数層の積層方向と一致しているため、積層方向に対し傾斜する面の形成が困難であることに起因している。
このような成形体6に対し、まず、図5(a)に示すように、段差部分6xに、上記第1実施形態の製造方法と同様に、光ファイバー14の端部に付着させた樹脂2を供給する。その際、光ファイバー14からの光照射方向が、積層方向に対して成形体6の内向き傾斜するように光ファイバー14の姿勢を制御する。
次いで、光射出口141aと成形体6の表面との離間距離を所望の値に制御する(制御する工程)。離間距離の制御は、成形体6の実測値に基づいて行ってもよく、例えば、成形体6を製造する際に用いるCADデータに基づいた概算値に基づいて行ってもよい。
次いで、光射出口141aと、被成形体1の表面に供給された樹脂2と、を接触させた状態で、光射出口141aから樹脂2に光Lを照射する(光照射を行う工程)。
これにより、図5(b)に示すように、新たな硬化物7で段差部分6xを埋めることができ、成形体の表面の段差を低減させることができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、被成形体として種々の形状を有するものを採用することができ、所定の形状の被成形体にさらに構造を追加することが可能となる。例えば、目的とする成形体の大まかな形状を光造形で成形し、次いで、本実施形態の製造方法を用いて、目的とする成形体の微細な形状を成形する、といった段階的な成形が可能となる。このような段階的な成形を行うと、微細な形状を成形する加工精度ですべての作業を行った場合と比べ、作業時間を短縮することができる。
[第5実施形態]
図6は、第5実施形態の成形体の製造方法を実施するために用いる製造装置200の一例を示す模式図である。図6(a)は製造装置200の全体構成を示す図であり、第1実施形態の図1に対応する図である。図6(b)は、製造装置200における光ファイバー14の他端側を示す拡大図である。
図6(a)に示すように、製造装置200は、光Lを照射する光源部10と、被成形体1を保持する保持部20と、被成形体1の表面に樹脂2を供給する供給部30と、光源部10、保持部20および供給部30の運転を制御する制御部(不図示)と、を有している。製造装置200は、第1実施形態で示した製造装置100と供給部30の構成が異なっており、他の構成は共通している。
供給部30は、樹脂2を貯めるタンク31と、樹脂2を流動させるポンプ32と、樹脂2が流動する配管33と、を有している。
ポンプ32は、配管33の経路内に配置され、制御部からの指示により所定量の樹脂2を配管33内に流動させる。
配管33は、一端がタンク31に接続され、他端が被成形体1の表面に配置している。配管33には、ポンプ32と他端との間において光ファイバー14が挿入されている。配管33の他端からは、光ファイバー14の他端が露出している。
詳しくは、図6(b)に示すように、光ファイバーの他端14aは、配管33の他端33aよりも外部に突出している。配管33内を流動する樹脂2は、他端33aから排出され、被成形体1の表面1aに供給される。供給される樹脂2は、光ファイバー14の他端14aに接触しながら表面1aに供給される。
このような構成の製造装置200を用いると、例えば、被成形体1の表面1aに樹脂2を連続的に供給し、光射出口141aと成形体6の表面との離間距離を所望の値に制御し、光射出口141aと、被成形体1の表面に供給された樹脂2と、を接触させた状態で、光射出口141aから樹脂2に光Lを照射することで、高さが離間距離Hに制御された成形体8を容易に製造することができる。
なお、まず光射出口141aと成形体6の表面との離間距離を制御した後に、供給部30から表面1aに樹脂2の供給を開始しつつ光照射を行うこととしてもよい。
以上のような成形体の製造方法によれば、光造形法における硬化物の厚み制御をより簡便に行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述した光ファイバー14の代わりに、光射出口141aに光射出口に正の屈折力を有するレンズを設けた光ファイバーを用いて成形体を製造することとしてもよい。レンズを設けることで、光射出口141aから離れたレンズの焦点位置で樹脂2を硬化させることができる。そのため、硬化物が光射出口141aに付着しにくく、成形体の破損を抑制することができる。
また、上記第2実施形態においては、樹脂2の塗膜を形成した後に光射出口141aと表面1aとの離間距離を制御することとしたが、予め光射出口141aと表面1aとの離間距離を制御した後に、光射出口141aに接触するように樹脂2を供給することとしてもよい。
[実施例]
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、上述した図1の製造装置を用いた。各構成については、以下の装置を用い確認実験を行った。
光ファイバー:シングルモード光ファイバー(SM300、Thorlabs社製)
レーザー光源:CUBE 375−16C(COHERENT社製、発振波長:377nm)
光硬化性樹脂:TSR−DA3(開発品、シーメット社製、Opt. Mater. Express, vol. 3, Issue 6, pp.875-883 (2013).の記載を参照)
(光照射条件の影響)
スライドグラス上に光硬化性樹脂を配置し、光硬化性樹脂に光ファイバーの先端を接触させた状態で光照射を行い、円柱状の成形体を製造した。その際、光照射条件として、光照射時間、およびレーザー光源の出力を変化させて、得られる成形体の直径を測定した。成形体の直径は、走査型電子顕微鏡により撮像した顕微鏡写真から求めた。
図7は、光照射条件が成形体の形状への影響を調べた実験結果を示すグラフである。図7において、横軸は光照射時間(単位:秒)を示し、縦軸は成形体の直径(単位:μm)を示している。
図に示すように、照射時間が長いほど成形体の直径は増加傾向にあり、レーザー光の出力を増加させると成形体の直径は増加傾向にあることが分かった。
(成形体の製造)
第1実施形態で示した方法で、さらに光照射をしながらスライドグラスと光ファイバーの先端とを相対移動させることで、成形体を製造した。成形条件は、以下の通りであった。
レーザー光源出力(射出光強度):0.1μW
走査速度:10μm/秒
図8に得られた成形体の顕微鏡写真を示す。
図8(a)〜(c)の成形体は、スライドグラスと光射出口との離間距離を10μmに制御して製造した。
図8(d)の成形体は、スライドグラスと光射出口との離間距離を10μmに制御して第1層目を形成し、その後、スライドグラスと光射出口との離間距離を2μmずつ離間させながら、各層の高さを制御して複数層を積層させた。
図8(a)〜(c)に示すように、スライドグラス上の任意の箇所に、光ファイバーの先端に付着させた光硬化性樹脂のみを用いて文字を描くことができた。
また、図8(d)に示すように、複数層を積層させたピラミッド状の立体を成形することができた。
以上の結果から、本発明が有用であることが分かった。
1、6…被成形体、1a…表面、2…樹脂(光硬化性樹脂)、3,4,5,6,8…成形体)、H…離間距離、L…光、14…光ファイバー、141a…光射出口

Claims (6)

  1. 被成形体の表面と光ファイバーの光射出口との離間距離を所望の値に制御する工程と、
    前記光射出口と、前記被成形体の表面に供給された未硬化の光硬化性樹脂と、を接触させた状態で、前記光射出口から前記未硬化の光硬化性樹脂に光照射を行う工程と、を有し、
    前記制御する工程に先立って、前記被成形体の表面に前記未硬化の光硬化性樹脂を供給する工程を有し、
    前記供給する工程では、前記未硬化の光硬化性樹脂を前記光ファイバーの端部に付着させた状態で、前記光ファイバーを前記被成形体まで相対移動させ、前記端部に付着した前記未硬化の光硬化性樹脂を供給することによって、前記被成形体を前記未硬化の光硬化性樹脂に浸漬することなく前記未硬化の光硬化性樹脂を供給する成形体の製造方法。
  2. 被成形体の表面と光ファイバーの光射出口との離間距離を所望の値に制御する工程と、
    前記光射出口と、前記被成形体の表面に供給された未硬化の光硬化性樹脂と、を接触させた状態で、前記光射出口から前記未硬化の光硬化性樹脂に光照射を行う工程と、を有し、
    前記制御する工程に先立って、前記被成形体の表面に前記未硬化の光硬化性樹脂を供給する工程を有し、
    前記供給する工程では、前記被成形体の表面に前記未硬化の光硬化性樹脂を塗布することによって、前記被成形体を前記未硬化の光硬化性樹脂に浸漬することなく前記未硬化の光硬化性樹脂を供給する成形体の製造方法。
  3. 被成形体の表面と光ファイバーの光射出口との離間距離を所望の値に制御する工程と、
    前記光射出口と、前記被成形体の表面に供給された未硬化の光硬化性樹脂と、を接触させた状態で、前記光射出口から前記未硬化の光硬化性樹脂に光照射を行う工程と、を有し、
    前記光照射を行う工程に先立って、前記被成形体の表面に前記未硬化の光硬化性樹脂を供給する工程を有し、
    前記供給する工程では、先端が前記被成形体の表面に配置された配管を介して前記被成形体の表面に前記未硬化の光硬化性樹脂を連続的に供給することによって、前記被成形体を前記未硬化の光硬化性樹脂に浸漬することなく前記未硬化の光硬化性樹脂を供給する成形体の製造方法。
  4. 前記光照射を行う工程では、前記被成形体と前記光射出口とを相対移動させながら連続的に光照射を行う請求項から3のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  5. 前記光射出口の表面エネルギーを下げる表面処理を行った前記光ファイバーを用いる請求項1からのいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  6. 前記光射出口に正の屈折力を有するレンズが設けられた前記光ファイバーを用いる請求項1からのいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
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