JP2007075996A - ワイヤ放電加工方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アプローチ点(O)近傍における被加工物加工面のくい込み形成を抑制する。
【解決手段】 ワイヤ電極と被加工物を相対移動させ、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間に加工エネルギを供給しながら、放電により前記被加工物のセカンドカット以降の加工を行うワイヤ放電加工方法において、アプローチ点の位置を認識する工程と、この認識したアプローチ点と前記加工形状部分における前記ワイヤ電極の中心との距離xを計算する工程と、この距離xに応じて加工時に投入するエネルギが設定された加工エネルギ投入テーブルに基づき、前記計算された距離xに対応した前記加工エネルギで加工を行う工程と、を備えた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、被加工物加工面のくい込みの形成を抑制することができる、ワイヤ放電加工方法及び装置の改良に関するものである。
まず、ワイヤ放電加工において、被加工物加工面のくい込みの形成について説明する。
図6は、ワイヤ放電加工を行う際のワイヤ電極と被加工物との相対移動経路(以下、電極経路と呼ぶ)を示す説明図であり、図において、1は被加工物、2は被加工物1を目的とする輪郭形状に加工する電極経路の加工形状部分(以下、形状部分と呼ぶ)、3は加工開始穴等加工を開始する点(以下、加工開始点と呼ぶ)、4は加工開始点3から形状部分2に至る電極経路の助走経路部分(以下、助走部分と呼ぶ)、Oは形状部分2と助走部分4の接続点(以下、アプローチ点と呼ぶ)である。
また、図7は、図6のアプローチ点O近傍の拡大図であり、図6と同一符号は同一又は相当部分を示している。図7において、5はワイヤ電極、6はくい込みである。
周知のように、ワイヤ放電加工はワイヤ電極5を糸鋸のごとく使用して被加工物1を切り抜く加工法であり、図6のように、形状部分2だけではなく、助走部分4も加工される。
通常のワイヤ放電加工の形状部分2では、ワイヤ電極5の半径、放電ギャップ長や仕上げ加工代等を考慮し、加工形状に対して所定の距離(以下、オフセット量と呼ぶ)だけ隔たった経路を設定し、このオフセット経路に沿ってワイヤ電極5の中心を移動させて加工を行う。即ち、図7に示すように、ワイヤ電極5は加工開始点3から助走部分4を通り、アプローチ点Oから形状部分2へと移動し、形状部分2を一周した後に再びアプローチ点Oから助走部分4を経由し、加工開始点3へ戻る。仕上げ加工が必要であれば、使用する加工電気条件毎にオフセット量を順次設定した電極経路に沿って、ワイヤ電極5の移動を繰り返すことになる。
さて、前記のようにワイヤ電極5を移動させた場合、ワイヤ電極5が形状部分2を一周するにあたり、アプローチ点O以外の形状部分2はワイヤ電極5が1回通過するのみであるが、アプローチ点Oだけはワイヤ電極5が2回通過することになる。
アプローチ点Oの2回目の通過時に加工すべき被加工物1は、既に1回目の通過で除去された後であるので、既に加工された面に対して放電が発生することになり、加工面にはオーバーカットが生じる。従って、アプローチ点O近傍における被加工物1の加工面には、くい込み6が形成され、加工精度悪化の要因となっている。
図8は、日本国特開平4−189421号公報に開示された従来のワイヤ放電加工装置の構成を示す説明図であり、前記くい込みの形成を抑制する方法を示すものである。
図8において、1は被加工物、5はワイヤ電極、7はワイヤ電極供給手段、8は加工液供給手段、9は駆動手段、10は加工電力供給手段、11は制御手段、12はプログラム自動変換手段である。また、図9は、図8のワイヤ放電加工装置における電極経路の説明図であり、図において、1は被加工物、2は形状部分、3は加工開始点、4A及び4Bは助走部分、OAは第1のアプローチ点、OBは第2のアプローチ点である。
次に動作について説明する。
図8のワイヤ電極供給手段7は、ワイヤ電極5を繰り出し、所定の速度で走行させながら、ワイヤ電極5に適切な張力を付与する。加工液供給手段8は、ワイヤ電極5と被加工物1との極間に加工液を供給する。加工電力供給手段10は、前記極間にパルス状の電圧を印加し、放電を発生させる。プログラム自動変換手段12は、図6のような加工を行う場合において、制御手段11内に格納されている電極経路を記述したプログラムから、オフセット量の設定情報に基づいてアプローチ点Oを抽出し、助走部分4と形状部分2を把握する。次に、形状部分2上に第1のアプローチ点OA及び第2のアプローチ点OBを設定し、助走部分の経路をこれら二つのアプローチ点に接続し(助走部分4A及び4B)、これら二つのアプローチ点間の形状部分の電極経路(図9のアプローチ点OA及びOBの間)を削除するようプログラムを変更し、再び制御手段11内に格納する。
即ち、アプローチ点近傍の電極経路が図6及び図7に示すような場合には、図9に示すように電極経路を変更する。制御手段11は、駆動手段9を駆動し、変更された電極経路に沿ってワイヤ電極5と被加工物1とを相対的に移動させる。
特開平4−189421号公報
以上のように、従来のワイヤ放電加工装置は、プログラム自動変換手段12により、電極経路プログラムに対してワイヤ電極5が助走部分4Aから形状部分2へ入る際に通過する第1のアプローチ点OAと、形状部分2から助走部分4Bへ戻る際に通過する第2のアプローチ点OBとを設け、これら二つのアプローチ点間の形状部分にはワイヤ電極5を通過させないようプログラムを変更することにより、被加工物1加工面のくい込みの形成を抑制している。
このような従来方法では、二つのアプローチ点を設定するべく電極経路プログラムの変更を行うので、ワイヤ電極と被加工物との新たな干渉が生じる危険性がある。また、二つのアプローチ点間の形状において、ある部分ではオーバーカットが発生し、他の部分ではアンダーカットが発生する等、アプローチ点間の距離の調整が困難であるという問題点があった。
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、電極経路プログラムに変更を加えることなく、アプローチ点近傍における被加工物加工面のくい込みの形成を抑制することができるワイヤ放電加工方法及び装置を得ることを目的とする。
この発明に係るワイヤ放電加工方法は、ワイヤ電極と被加工物を相対移動させ、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間に加工エネルギを供給しながら、放電により前記被加工物のセカンドカット以降の加工を行うワイヤ放電加工方法において、オフセットの設定が解除されるアプローチ点の位置を認識する工程と、この認識したアプローチ点と前記加工形状部分における前記ワイヤ電極の中心との距離xを計算する工程と、この距離xに応じて加工時に投入するエネルギが設定された加工エネルギ投入テーブルに基づき、前記計算された距離xに対応した前記加工エネルギで加工を行う工程と、を備えたものである。
この発明に係るワイヤ放電加工方法及び装置は以上のように構成されているため、アプローチ点近傍における被加工物加工面のくい込みの形成を抑制することができ、加工精度を向上することができるという効果を奏する。
実施の形態1.
まず、この発明の原理を説明する。
図1は、アプローチ点近傍での加工の様子を示す説明図であり、セカンドカット以降の加工の場合を示している。図1において、1は被加工物、1aは加工面、1bは前加工面、2は形状部分、5はワイヤ電極、Rはワイヤ電極5の半径であり、簡単のため、放電ギャップ長はワイヤ電極5の半径Rに含めて考える。また、Dは加工深さ、Oはアプローチ点、Pはワイヤ電極5と被加工物1の加工面1aとの接点、Qはワイヤ電極5と前加工面1bとの交点、xはアプローチ点Oと形状部分2におけるワイヤ電極5の中心との距離である。また、O'、P'、Q'は、ワイヤ電極5がアプローチ点Oの手前の距離xの位置にある場合における、各々、点O、P、Qに対応する点であり、Mは弧PQと弧P'Q'の交点である。
例えば、図6の電極経路のようにワイヤ電極5の中心がアプローチ点Oを経由して形状部分2を略一周した後、図1の点O'まで達したとする。
通常は被加工物1の弧P'Q'に対向した部分を加工するが、図から明らかなようにワイヤ電極5がアプローチ点Oを通過した際に被加工物1は既に加工されているため、ワイヤ電極5の中心が点O'に達した際にワイヤ電極5が被加工物1に対向しているのは弧P'Mに過ぎない。このような単位移動距離当たりの加工体積の減少はx<2・{R-(R-D)(1/2)の場合に生じる。
このように加工体積が減少しているにもかかわらず一定の加工エネルギを投入するために、前記のようなくい込みが形成されると考えられる。従って、加工体積に対応して加工エネルギを減少させることにより、アプローチ点O近傍における被加工物1加工面のくい込みの形成を抑制することができる。
図2は、この発明の実施の形態に係るワイヤ放電加工方法及び装置のアプローチ点近傍における加工エネルギの減少方法の説明図であり、図1と同一符号は同一又は相当部分を示している。図2(a)において、dxはワイヤ電極5が点O'から進む微小距離、SMは弧PM、弧P'M、直線PP'で囲まれる面積、Smはワイヤ電極5の中心が点O'に達した場合の加工体積である。板厚を単位長さとし、ワイヤ電極5の長さ方向に垂直な平面における加工部分の断面積で加工体積を表現している。
ワイヤ電極5がアプローチ点Oでの既加工部分に差し掛かっていない通常加工の場合の加工体積Snは次式(1)で表わすことができる。
Sn=D・dx (1)
他方、ワイヤ電極5の中心が点O'に達した場合の加工体積SMは、弧PM、弧P'M、直線PP'で囲まれる面積SMの微小距離dxによる減少分に等しいから、次式(2)が成り立つ。
Sm=(dSM/dx)・dx (2)
面積SMは、図2(b)に示すように、直線OM、直線PP'及び弧P'Mで囲まれたA部、直線OM、直線O'M及び直線PP'で囲まれたB部、並びに、直線O'M、直線PP'及び弧PMで囲まれたC部に分割できる。
A部とC部の面積は等しいので、この面積をSAとし、B部の面積をSB、直線O'P'と直線O'Mとのなす角をθとすると、次式(3)が成り立つ。
(1/2)・Rtanθ=Rθ/2+SA+SB (3)
また、B部は高さR(1−cosθ)、頂角2θの二等辺三角形であるため、次式(4)が成り立つ。
SB=R(1−cosθ)tanθ (4)
式(3)、(4)から、面積SM=2SA+SBは次式(5)で表わすことができる。
SM=R(2Sinθ−Sinθcosθ−θ) (5)
式(5)の両辺をxで微分し、x/2=RSinθを考慮すると、次式(6)が成り立つ。
dSM/dx=R(1−cosθ) (6)
また、通常加工時に対する加工エネルギ投入比率Dtyを加工体積比に等しく設定すれば、被加工物加工面のくい込みの形成は抑制できると考えられるため、次式(7)が成り立つ。
Dty=Sm/Sn (7)
従って、cosθ=(R−(x/2)2(1/2)/Rを考慮し、式(2)、式(6)、式(7)より、アプローチ点Oからの距離xと加工エネルギ投入比率Dtyの関係は、式(8)のようになる。
Dty={R−(R−(x/2)2(1/2)}/D (8)
図3は、アプローチ点Oからの距離xと加工エネルギ投入比率Dtyの関係を示す図であり、図3の曲線aが式(8)の関係を図示したものである。
即ち、曲線aのようにアプローチ点までの距離xが小さくなるに従って放物線状に加工エネルギ投入比率Dtyを減少させればよい。
式(8)の関係は被加工物の加工面が完全に平面の場合であり、実際には仕上げ加工をする前の加工面には凹凸が多くあるため、加工深さ方向に一様に被加工物が存在しているわけではない。例えば荒加工直後のように加工面が波打っている場合には、加工表面からの距離に比例して加工体積が増大すると考えられるので、図3のbのように、アプローチ点までの距離xが小さくなるに従って加工エネルギ投入比率Dtyを直線的に減少させた方がよい場合もある。
また、被加工物の加工面が細かいクレータで覆われており、最終仕上げ加工等でこれらクレータの深さ程度の非常に薄い加工を実施する場合には、加工表面近くでは被加工物はほとんど存在せず、加工深さの増大に伴って加工体積が急激に増大すると考えられるので、加工エネルギ投入比率Dtyを図3のcのようにアプローチ点に近づくに従って急激に低下させた方がよい場合もある。
このように、アプローチ点O近傍での加工エネルギ投入比率Dtyの設定は加工条件に応じて調節が必要であるが、アプローチ点に近づくほど加工エネルギを小さくする必要がある点に変わりはない。また、このような加工条件に応じた加工エネルギの調節量は、予め実験等により設定しておくことができる。
なお、近年のワイヤ放電加工において形状部分の屈曲部を精度良く加工するために一般的に用いられるコーナ制御をアプローチ点近傍で働かせた場合、アプローチ点近傍はコーナではないにもかかわらず、インコーナとみなされるため、加工エネルギを増大させる方向へ制御されるので、アプローチ点近傍における被加工物加工面のくい込みの形成がさらに悪化する。
以上のように、この発明の原理は、アプローチ点に近づくに従って加工エネルギを減少させることにより、アプローチ点近傍における被加工物加工面のくい込みの形成を抑制するものである。
図4は、この発明の実施の形態に係るワイヤ放電加工装置の構成を示す説明図であり、図において、1は被加工物、5はワイヤ電極、7はワイヤ電極供給手段、8は加工液供給手段、9は駆動手段、10は加工電力供給手段、11は制御手段、13は加工エネルギ調節手段、14は加工エネルギ投入比率テーブルである。
また、図5は、加工エネルギ投入比率テーブル14の一例を示す図であり、荒加工後の仕上げ加工であるセカンドカットの場合およびその後さらに行う仕上げ加工であるサードカットの場合のアプローチ点からの距離xと加工エネルギ投入比率Dtyの関係を示している。
即ち、サードカットの場合を例にとって説明すると、アプローチ点からの距離xが82μmを超えている場合には加工エネルギ投入比率Dtyは100%、即ち通常通りの加工エネルギを投入し、アプローチ点からの距離xが82μm以下の場合には加工エネルギ投入比率Dtyを90%、即ち通常時から加工エネルギを10%減少させ、アプローチ点からの距離xが73μm以下、62μm以下、48μm以下、28μm以下の場合には加工エネルギ投入比率Dtyをそれぞれ70%、50%、30%、10%とすることを示している。
従って、アプローチ点からの距離xが短くなるに従って、加工エネルギを5段階にわたり徐々に減少させることを示している。
このように図5の加工エネルギ投入比率テーブル14は、アプローチ点からの距離xに従って加工エネルギ投入比率を5段階に変化させる例を示しているが、この段階数はいくつでも良く、所望の加工精度に応じて適宜設定することができる。
次に、動作について説明する。
ワイヤ放電加工装置の基本的な動作は、背景技術の図8について説明した動作と同様であるため、説明を省略する。
図4の加工エネルギ調節手段13は、制御手段11内に格納されている電極経路を記述したプログラムから、オフセットの設定情報に基づき、オフセットの設定が解除されるアプローチ点の位置を認識する。例えば、オフセット解除が記述されているNCコードのブロック開始時のワイヤ電極中心の座標を認識すればよい。
この認識は加工前に加工経路全体を図示しない表示手段に描画するために制御手段11がNCプログラムを読み込む際に行ってもよいが、周知のように、ワイヤ放電加工装置内の制御手段は、一般にNCプログラムを加工中のブロックから数ブロック先まで先読みしているので、加工中に前記の認識を行うこともできる。
また、加工エネルギ調節手段13は、加工中に前記オフセットの設定が解除されるアプローチ点の座標と電極経路の加工形状部分における現在のワイヤ電極中心の座標との距離を計算し、加工エネルギ投入比率テーブル14を用いて投入すべき加工エネルギの比率を求め、加工電力供給手段10に対して加工エネルギを所定の割合で減少させるようにパラメータの変更を行う。例えば、検出された放電周波数が加工エネルギ減少率に見合う値に減少するまで休止時間を増大させればよい。
なお、前記アプローチ点の座標及びワイヤ電極中心の座標間の距離の計算は、例えば、コーナ制御で用いられているコーナ入口からの手前距離を計算する既知の方法を流用することができる。
例えばサードカットを行った場合において、(A)この発明に係るアプローチ点近傍の加工エネルギの減少を行わない場合と(B)この発明に係るアプローチ点近傍の加工エネルギの減少を行った場合(図5の加工エネルギ投入比率テーブル14を使用した場合)とを比較した実験例において、(A)ではくい込みの深さが約4μmであったものが、(B)ではくい込みが被加工物加工面の面粗さの範囲内となる程度まで抑制できることを確認できた。
以上のように、この発明によれば、アプローチ点通過の際に加工エネルギを減少させるので、アプローチ点近傍における被加工物加工面のくい込みの形成を抑制することができる。
以上の説明においては、アプローチ点の座標と電極経路の加工形状部分における現在のワイヤ電極中心の座標との距離がワイヤ電極の単位移動距離当たりの被加工物の加工体積が減少する範囲内である場合に、ワイヤ電極の単位移動距離当たりの加工エネルギを減少させて加工を行う場合を示したが、前記加工体積が減少する範囲内において、この範囲よりも小さい範囲(第2の範囲)を所望の加工精度に応じて設定して、この第2の範囲内において、ワイヤ電極の単位移動距離当たりの加工エネルギを減少させて加工を行ってもよい。
このように構成しても、アプローチ点近傍における被加工物加工面のくい込みの形成を抑制することができる。
以上の説明においては、形状部分から助走部分へ戻る時、即ちオフセットが解除される2回目のアプローチ点通過の際に加工エネルギを減少させたが、助走部分から形状部分へ入る時、即ちオフセットが設定される1回目のアプローチ点通過の際に加工エネルギを減少させてもよい。
あるいは、前記1回目のアプローチ点通過の際及び前記2回目のアプローチ点通過の際の両方において、加工エネルギを減少させてもよい。
また、以上の説明においては、休止時間を用いて加工エネルギを調節する例を示したが、ピーク電流又は印加電圧等、加工エネルギに影響を与えるパラメータを用いて加工エネルギを調節することができる。
あるいは、単位移動距離当たりの加工エネルギを減少させればよいのであるから、電極移動速度を増大させてもよい。
即ち、加工エネルギ調節手段として電極移動速度を用いることとし、加工電力供給手段10の設定を変更するのではなく、制御手段11の設定を変更するように構成することもできる。
あるいは、加工エネルギを極端に減少させる場合には、加工電力供給手段を切り離すとか、電圧パルスの印加タイミングを発生する発振器の動作を停止させる等の方法によっても、所望の加工エネルギの減少を実現することができる。
また、以上の説明のように加工エネルギ投入比率テーブル14を用いて投入すべき加工エネルギの比率を求めるのではなく、アプローチ点からの距離と加工エネルギ調節量との間に関数を定義し、この関数に従って計算した結果を基に加工エネルギを調節してもよい。
また、以上の説明においては、図5のように仕上げ加工回数に従って加工エネルギの調節量を切り替える例を示したが、ワイヤ電極の直径及び材質、被加工物の板厚及び材質、ピーク電流等の加工電力供給手段の設定、平均加工電圧等のサーボ設定、並びに、オフセット量等の加工量設定等に応じて加工エネルギの調節量を切り替えることにより、様々な加工条件に対応することができる。
また、以上の説明においては、アプローチ点を自動で認識する場合を説明したが、ユーザがアプローチ点又はアプローチ点近傍の加工エネルギの調整を開始する地点を指定できる特別なコードを経路プログラム中に挿入できるよう構成してもよい。
以上のように、この発明に係るワイヤ放電加工方法及び装置は、特に、高い加工精度が要求されるワイヤ放電加工に用いられるのに適している。
アプローチ点近傍での加工の様子を示す説明図である。 この発明の実施の形態に係るワイヤ放電加工方法及び装置のアプローチ点近傍における加工エネルギの減少方法の説明図である。 アプローチ点からの距離xと加工エネルギ投入比率Dtyの関係を示す図である。 この発明の実施の形態に係るワイヤ放電加工装置の構成を示す説明図である。 加工エネルギ投入比率テーブルの一例を示す図である。 ワイヤ放電加工を行う際の電極経路を示す説明図である。 図6のアプローチ点近傍の拡大図である。 従来のワイヤ放電加工装置の構成を示す説明図である。 図8のワイヤ放電加工装置における電極経路の説明図である。

Claims (11)

  1. ワイヤ電極と被加工物を相対移動させ、前記ワイヤ電極と前記被加工物との極間に加工エネルギを供給しながら、放電により前記被加工物のセカンドカット以降の加工を行うワイヤ放電加工方法において、
    アプローチ点の位置を認識する工程と、
    この認識したアプローチ点と前記加工形状部分における前記ワイヤ電極の中心との距離xを計算する工程と、
    この距離xに応じて加工時に投入するエネルギが設定された加工エネルギ投入テーブルに基づき、前記計算された距離xに対応した前記加工エネルギで加工を行う工程と、
    を備えたことを特徴とするワイヤ放電加工方法。
  2. 距離xは、放電ギャップ長を含めて考慮したワイヤ電極の半径R、加工深さDとした場合、2・{R−(R−D)(1/2)未満となった場合に、加工エネルギ投入テーブルに基づき前記加工エネルギを減少させて加工を行うことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工方法。
  3. 距離xは、放電ギャップ長を含めて考慮したワイヤ電極の半径R、加工深さDとした場合、2・{R−(R−D)(1/2)未満の範囲内であって、この範囲よりも小さい範囲である第2の範囲となった場合に、加工エネルギ投入テーブルに基づき前記ワイヤ電極の減少させて加工を行うことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工方法。
  4. 距離xの距離が小さいほど、加工エネルギを小さくすることを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のワイヤ放電加工方法。
  5. 加工エネルギ投入テーブルとして、距離xに対応して加工エネルギ投入比率を予め設定した加工エネルギ投入比率テーブルを用いてパラメータを変更し、加工エネルギを減少させることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のワイヤ放電加工方法。
  6. 加工エネルギは、休止時間またはピーク電流または印加電圧の変更、あるいは電極移動速度を増大させることにより、距離xの減少に伴い前記ワイヤ電極の単位移動距離当たりの加工エネルギを減少させることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載のワイヤ放電加工方法。
  7. 駆動手段によりワイヤ電極と被加工物とを相対移動させ、前記ワイヤ電極と被加工物との極間に加工電力供給手段により加工エネルギを供給し、放電により前記被加工物の加工を行うワイヤ放電加工装置において、
    アプローチ点とワイヤ電極の中心との距離に応じて、加工時に投入するエネルギが設定されたセカンドカット以降の加工における加工エネルギ投入テーブルと、
    オフセットの設定が解除されるアプローチ点の位置を認識し、この認識したアプローチ点と前記ワイヤ電極の中心との距離xを求め、上記加工エネルギ投入テーブルを用いて、上記加工電力供給手段に対して加工エネルギを減少させるべくパラメータ変更を行う加工エネルギ調整手段と、
    を備えたことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  8. 加工エネルギ投入テーブルは、放電ギャップ長を含めて考慮したワイヤ電極の半径R、加工深さDとした場合、距離xが2・{R−(R−D)(1/2)未満となった場合に、加工エネルギを小さくするよう設定されていることを特徴とする請求項7に記載のワイヤ放電加工装置。
  9. 加工エネルギ投入テーブルは、距離xが小さいほど前記加工エネルギを小さくするように設定されていることを特徴とする請求項7または8に記載のワイヤ放電加工装置。
  10. 距離xに対応した加工エネルギ投入テーブルとして、ワイヤ電極の直径及び材質、被加工物の板厚及び材質、加工電力供給手段の設定、サーボ設定、並びに、加工量設定に応じて加工エネルギの調節量を切り替えることを特徴とする請求項7または8に記載のワイヤ放電加工装置。
  11. 加工エネルギ調整手段は、休止時間またはピーク電流または印加電圧の変更、あるいは電極移動速度を増大させることにより、距離xの減少に伴い前記ワイヤ電極の単位移動距離当たりの加工エネルギを減少させることを特徴とする請求項7乃至10何れかに記載のワイヤ放電加工装置。
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