JP2007075818A - 有機性廃棄物の処理システム及び処理方法 - Google Patents

有機性廃棄物の処理システム及び処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】処理される廃棄物の性状に応じて効率良く、かつ外部からの水素供与体の添加を殆ど必要とせずに低コストで運転が可能である有機性廃棄物の処理システム及び処理方法を提供する。
【解決手段】有機性廃棄物を嫌気性発酵するメタン発酵槽1と、該メタン発酵槽の消化汚泥を固液分離した分離液を浄化処理する水処理設備を備えた有機性廃棄物の処理システムにおいて、前記水処理設備が、前記分離した分離液を電気分解することにより次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去する電解槽3と、該電解槽の後段に、アルカリ剤の添加により脱窒後の処理液を中和する還元槽12、24を備え、好適には該電解槽3を、該分離液中のBOD/窒素分が約1〜3の範囲内となるように窒素分を低減する構成とするとともに、該電解槽3の後段に、前記処理液を硝化脱窒する処理槽5を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機性廃棄物から主として窒素分を除去する処理に関し、特に夫々の廃棄物性状に適した処理により処理効率を向上させた有機性廃棄物の処理システム及び処理方法に関する。
し尿、浄化槽汚泥、生ごみ、及び家畜糞尿等の有機性廃棄物には、SS(浮遊物質)、窒素分、リン分、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)などの環境や人体に悪影響を及ぼす汚濁物質が含まれており、従来これらを除去する様々な方法が開発、実用化されている。
有機性廃棄物の処理は、主として固液分離によるSSの除去、BOD及びCODの酸化分解、リン、窒素化合物等の無機栄養塩類の除去、汚泥固形物の処理等が単独若しくは複数組み合わせて行われる。
一般に、有機性廃棄物の処理は図10に示されるようなフローにて行われる。
まず、有機性廃棄物をスクリーン8に通して夾雑物を除去し、遠心分離機等の脱水機9により汚泥固形物と分離液とに分離し、分離液をさらに膜分離装置10に通過させて浮遊物を除去した後、硝化・脱窒処理槽14に導入して窒素分を分解除去する。一方、前記脱水機9にて分離した汚泥固形物は可溶化槽13に導き、加温等により汚泥固形物が発酵し易いように可溶化させ、メタン発酵槽1にて嫌気性細菌の作用により汚泥固形物をメタンと二酸化炭素に転換する。そして、メタン発酵槽1の消化汚泥は脱水機2に導入し、分離液を硝化・脱窒処理槽14にて窒素分を除去し、また汚泥固形物は堆肥化、炭化若しくは焼却処理設備に送給する。
従来はかかる方法により廃棄物中の汚濁物質を万遍なく除去する方法が用いられてきたが、処理対象である廃棄物により汚濁物質成分の夫々の含有量に偏りがあるため、何れかの汚濁物質成分が処理後も残留してしまうことがある。特に、富栄養化の原因となる窒素分は、廃棄物を固液分離した際にその殆どが分離液側に移行し濃縮されるため高除去率を達成することは困難である。
一般に窒素分を多く含む廃棄物の処理方法としては、硝化・脱窒処理、嫌気性処理、曝気処理等が多く用いられている。しかし、硝化・脱窒処理ではアンモニア態窒素の酸化のために膨大な曝気動力を必要とし、電力コストが向上し、嫌気性処理では消化液中に多量のアンモニア態窒素が残存して後段の生物処理での窒素負荷が高くなり処理効率が悪化し、また曝気処理の場合には硝酸態窒素が残存するため近年の水質規制に抵触する、といった問題点を有している。
さらに、前記硝化・脱窒処理では、脱窒の際の硝酸呼吸の為に水素供与体が必要となるため通常処理液中の易分解性有機物が利用されるが、効率良く脱窒を行うことができる易分解性有機物量、即ちBODの量が硝酸態窒素含有量の3倍に満たない場合にはメタノール、エタノール等の易分解性の有機物を添加する必要がある。
特に、近年、し尿及び浄化槽汚泥に加えて生ごみの適正処理が求められるようになり窒素分を多く含有する生ごみ主体の廃棄物処理に際して窒素分の除去率を向上させる技術が求められている。
そこで、特開平8−238498号公報(特許文献1)では浄化槽汚泥等の汚泥固形物をオゾン処理したのちに曝気処理し、硝化・脱窒処理を行う処理方法を提案している。これは、汚泥をオゾンと接触させることにより、脱窒菌に資化され易い成分が生成し、またBODの量が増加するため効率良く脱窒・硝化処理が行われるものである。
また、特開2001−113265公報(特許文献2)では、有機性排水・汚泥をアンモニアストリッピングした後にメタン発酵を行う方法を開示している。かかる方法は、アンモニアストリッピングする際に、温度調整を行うとともに強アルカリ液を添加してpH9〜13に保持しており、これによりアンモニアの除去率を向上させている。
これらの方法によれば、アンモニアを含む窒素分を効率良く除去することができるが、窒素分のうち硝酸態窒素を除去することは困難である。そこで、硝酸態窒素を含む溶解性窒素分を効率的に除去する方法として、特開2003−62578公報(特許文献3)では、電気化学的手法により被処理水中の窒素化合物を除去する方法を提案している。
かかる方法では、カソードに導電性金属材料、アノードに不溶性材料又はカーボンを用いるとともに、塩化物イオン増量剤と凝集剤を添加した被処理水に電解処理を施すことにより、窒素化合物を除去する構成としている。これにより、生け簀や水族館、プール等において定期的な水の交換をせずに水質を保つことができる。
特開平8−238498号公報 特開2001−113265公報 特開2003−62578公報
しかしながら、前記特許文献1では固液分離していない汚泥を硝化・脱窒処理しているため処理物中のBOD量が高く、これに応じた窒素分量まで低減することは容易であるが、本件発明は窒素含有量に比べBOD含有量が少ない固液分離処理液を対象としているため前記技術を適用することは難しい。さらに、かかる従来技術ではオゾンを利用しているが、オゾンは人体に有害であり装置の運転に際して注意が必要であり、また汚泥をオゾンと十分に接触させて反応させるには滞留時間を大とする必要があり装置が大型化してしまう。
さらに、特許文献2では、アンモニアストリッピングをする際の強アルカリ剤コストが高くつくとともに、アルカリ性の汚泥を後段で中性に戻す際にも中和剤を必要とし、薬剤コストが嵩んでしまう。また、アンモニアの揮散による大気汚染の危険性を伴っている。また、アンモニアストリッピングでは、アンモニア態窒素の除去は可能であるが、硝酸態窒素の除去は困難である。
また、特許文献3は処理対象水を水族館の水槽やプール等の固形物含有量の非常に少ない水としており、本発明のごとく固形物含有量の多いし尿や生ごみ、家畜糞尿等の処理には適用した場合、電極へのスケールの付着が著しく処理効率が非常に悪化するという問題が生じる。
そこで本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、処理される廃棄物の性状に応じて効率良く、かつ外部からの水素供与体の添加を殆ど必要とせずに低コストで運転可能である有機性廃棄物の処理システム及び処理方法を提供することを目的とする。
従って、かかる課題を解決するために本発明は、窒素分を含む有機性廃棄物に硝化・脱窒処理、嫌気性処理、曝気処理のうち少なくとも一の処理を施した後に固液分離した分離液から窒素分を除去する水処理設備を備えた有機性廃棄物の処理システムにおいて、
前記水処理設備が、前記分離液を電気分解することにより次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去する電解槽を備えたことを特徴とする。
かかる発明では、処理液を電気分解することにより処理液中に含有される塩素イオン、水及び硝酸イオンが下記のような反応を示す。
(陽極) 2Cl →Cl+2e
Cl+HO → HClO+HCl
(陰極) NO +6HO+8e→NH+9OH
2HO+2e →2OH+H
陽極では、塩素が発生し、さらにその塩素が水と反応し、強力な酸化力を有する次亜塩素酸(HClO)を生成する。一方、陰極では、分離液中に硝酸イオンが含まれる場合は、アンモニアへ還元される。また、硝酸イオンが含まれない場合は、水の分解により水素が発生する。
分離液中に含まれるアンモニア、若しくは電気分解によって生成したアンモニアは、陽極で生成した次亜塩素酸によって、下記式により反応し、分解、除去される。
2NH+3HClO → N↑+3HCl+3H
このように、従来用いられてきた生物学的な脱窒処理とは異なり物理化学的な処理を行うことにより、溶解性窒素分を含む窒素分を確実かつ安定して高除去率で除去可能であるとともに、脱窒のための栄養源である水素供与体を供給する必要がなくランニングコストの低廉化が可能となる。また、脱窒後の窒素分は窒素ガスの形態で排出されるため二次汚染の心配がない。
尚本発明において、窒素分とはアンモニア態窒素、亜硝酸・硝酸態窒素等をいい、強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去する電解槽では前記式に表される代表的な反応と同時にこれらの酸化分解も行われるものである。
また、従来多用されていた窒素除去処理である生物処理に比べて、設備面積を大幅に低減できる。例えば、生物処理で窒素除去に3日程度要していたのに対し、本発明の電解処理では数時間で処理を行うことができる。また、電解処理は物理化学処理であるため、生物処理に比べて維持管理が容易である。
さらに、硝化・脱窒処理と組み合わせて電解槽を用いる場合には、電解処理の脱窒が硝酸態窒素よりもアンモニア態窒素の方が電力が小さくて済むため、硝化槽における曝気動力を削減できる。即ち、硝化槽ではBODのみを殆ど除去してアンモニア態窒素は一部のみの硝化とし、後段の電解槽でアンモニア態窒素を除去することにより、処理水中から窒素分をほぼ完全に除去することができる。
また、かかる発明は、既設のし尿処理場、下水処理場等のうち、窒素除去が不十分な施設に組み込むことも出来、コンパクトな装置で確実な窒素除去効能が得られる。
また、本発明は、前記有機性廃棄物が生ごみ主体である請求項1記載の有機性廃棄物の処理システムにおいて、前記処理手段として前記有機性廃棄物を嫌気性発酵するメタン発酵槽を備え、該メタン発酵槽の消化汚泥を前記固液分離手段にて固液分離した分離液を前記電解槽に投入して前記分離液に含有される窒素分を除去することを特徴とする。
かかる発明は、し尿、浄化槽汚泥、家畜糞尿等の有機性廃棄物に比べて窒素分比率が大きい生ごみを主体とする有機性廃棄物を処理対象としている。これは、前段でメタン発酵を行っているため高分子有機物の分解に伴い発生したアンモニア態窒素を多く含み、さらにメタン発酵後の消化汚泥を固液分離しているため分離液中には非常に高濃度の窒素分が含まれている。従って、かかる発明のように構成することで、高濃度の窒素分を高除去率で処理することができる。
また、本発明は、前記メタン発酵槽に膜分離装置を併設し、嫌気性発酵した後の消化汚泥の一部を該膜分離装置に導き、該膜分離装置にて分離された汚泥固形物を前記メタン発酵槽に返送し、
一方、該膜分離装置を透過した透過液を前記電解槽に導入することを特徴とする。
これにより、可溶化し易く濃度を保持し難い生ごみの嫌気性発酵において、槽内を発酵に最適な濃度に維持することができ嫌気性発酵が促進される。また、膜分離した後の透過液を前記電解槽に導入しており、BODが殆ど含まれない処理液においても窒素分を高分解率で以って除去することができる。
さらに、前記メタン発酵槽に膜分離装置を併設し、嫌気性発酵した後の消化汚泥の一部を該膜分離装置に導き、該膜分離装置にて分離された汚泥固形物を前記メタン発酵槽に返送し、
一方、前記膜分離装置の後段に第2の電解槽を設け、該膜分離装置を透過した透過液を第2の電解槽に導入して処理液中の窒素分を除去する構成としても良い。
前記膜分離装置は限外ろ過膜(UF)、精密ろ過膜(MF)を利用することが好適で、かかる発明のごとく膜分離装置を透過した透過液はSS、BOD、リン分、COD等の殆どが分離され、溶解性の窒素分のみが高濃度で含有されている。そこで、前記第2の電解槽を別系統で設けて前記透過液性状に適した運転をすることで、安定した運転ができるとともに処理後の水の性状を一定に保つことができる。
また、本発明は、有機性廃棄物を固液分離する手段と、分離した分離液を浄化する水処理設備を備えた有機性廃棄物の処理システムにおいて、
前記水処理設備が、前記分離液を電気分解することにより次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去する電解槽と、該電解槽の後段に、アルカリ剤の添加により脱窒後の処理液を中和する還元槽を備えたことを特徴とする。
前記固液分離手段には、重力沈降、浮上分離、機械的脱水、膜分離等の何れかの手段、若しくはこれらを組み合わせた手段が用いられる。好適には機械的脱水装置とその後段に設けられた膜分離装置から構成されるとよい。
かかる発明のように、固液分離した後の分離液を電解槽に導き、生成した次亜塩素酸系の強酸化物質により酸化分解することにより、水素供与体の供給が不要となりランニングコストが削減でき、また窒素を高除去率で以って処理することができる。
さらにまた、本発明は、前記電解槽を、処理中のBOD/窒素分が約1〜3の範囲内となるように窒素分を低減する構成とするとともに、該電解槽の後段に、アルカリ剤の添加により脱窒後の処理液を中和する還元槽を経由して窒素分を低減した処理液を硝化脱窒する処理槽を設けたことを特徴とする。
このように約1〜3の範囲内のBOD/窒素分比率を有する分離液を硝化・脱窒することにより効率良く窒素分を除去できるとともに、前段に電解槽を設けて脱窒を行っているために硝化・脱窒処理槽にかかる負荷が軽減される。
さらに、前記電解槽が、分離液を保持する反応槽と、該反応槽内に対向して配置された電極間の抵抗を測定する手段と、該反応槽内の分離液の塩素分濃度を測定する手段と、を備えるとともに、
前記抵抗測定手段により得られた電極間抵抗値及び前記塩素濃度測定手段により得られた分離液の塩素濃度値のうち少なくとも何れか一方の値に基づき、電極の劣化度を判断する手段を備えるのが好ましい。
かかる発明では、有機性廃棄物を対象としているため、電極にスケールが付着し易い。従って、前記構成とすることにより電極の劣化を容易に判断することができ、円滑な運転を行うことができる。
また、前記反応槽が、該反応槽内の分離液を槽内で循環させる手段を有しており、該循環手段の循環経路上に前記塩素濃度測定手段を設けることが好ましい。
これにより、槽内の濃度分布に関らず塩素濃度を適切に測定することができる。さらに、前記循環手段を設けることにより、別に撹拌手段を設けることなく槽内を撹拌することができ、電解反応効率が向上する。
さらにまた、前記電解槽が、前記反応槽内の泡沫量検出手段を有しており、前記電極劣化判断手段により劣化の判断がされた際に反応槽内の泡沫量を測定し、泡沫量が基準値以上である場合には消泡剤を投入することを特徴とする。
本発明のように処理対象が有機性廃棄物の場合は、泡沫が発生し易く、これにより電極間が短絡して前記抵抗値に異常が発生することがある。従って、異常が発生した場合に、かかる発明のように泡沫量を検出することにより実際に電極の劣化であるのか泡沫による短絡であるのかを判断し、泡沫である場合には消泡剤を投入して電解反応を確実に行わせるようにすると良い。
また、前記電解槽の前段に、分離液の塩素分濃度を測定する第2の塩素濃度測定手段を設けるとともに、これにより測定された塩素イオン濃度に基づき塩素イオン調整剤を投入する手段を設けたことを特徴とする。
これにより、電解槽内の塩素イオン濃度が適正に保たれ、電解反応が促進され、延いては窒素除去効率が向上する。
また、前記電解槽が、前記反応槽の分離液を槽内で循環させる手段を有しており、該循環手段の循環経路上若しくは電解槽内部に、塩素濃度測定手段、残留塩素測定手段、ORP測定手段、pH測定手段、アンモニア濃度測定手段のうち少なくとも何れかを有し、この測定手段のうち単独若しくは2つ以上を組み合わせて、前記電解槽の電解処理時間を制御することも好適である。
また、前記した発明と略同様の効果を有する処理方法として、本発明は、窒素分を含む有機性廃棄物に硝化・脱窒処理、嫌気性処理、曝気処理のうち少なくとも一の処理を施した後に固液分離した分離液から窒素分を除去する有機性廃棄物の処理方法において、
前記固液分離した分離液を電解槽で電気分解することにより次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去し、該窒素分を除去した脱窒後の処理液にアルカリ剤を添加して中和することを特徴とする。
また、前記有機性廃棄物が生ごみ主体である有機性廃棄物の処理方法であって、該有機性廃棄物をメタン発酵槽により嫌気性発酵し、該嫌気性発酵により生じた消化汚泥を固液分離した分離液を前記電解槽により窒素分を除去し、該窒素分を除去した脱窒後の処理液にアルカリ剤を添加して中和することを特徴とする。
また、前記嫌気性発酵した後の消化汚泥を一部抜き出し、該消化汚泥を膜分離により固液分離した後、分離した汚泥固形物をメタン発酵槽に返送し、一方、分離した透過液を前記電気分解することを特徴とする。
さらにまた浄化槽汚泥主体の有機性廃棄物の処理に際し、該浄化槽汚泥主体の有機性廃棄物を固液分離した後、前記固液分離した分離液を電気分解することにより次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去し、該窒素分を除去した脱窒後の処理液にアルカリ剤を添加して中和することを特徴とする。かかる発明は、特に浄化槽汚泥主体の有機性廃棄物の処理に適している。
さらに、有機性廃棄物が生ごみ主体である有機性廃棄物の処理若しくは浄化槽汚泥主体の有機性廃棄物の処理に際し、前記電気分解で生成した次亜塩素酸系の強酸化物質により処理液中のBOD/窒素分が約1〜3の範囲内となるように窒素分を低減した後、該処理液を該窒素分を除去した脱窒後の処理液にアルカリ剤を添加して中和し、その後硝化脱窒することが好ましい。
また、前記電気分解の際に、前記電解槽内に対向して配置される電極間の抵抗値及び槽内の分離液の塩素濃度値のうち少なくとも何れか一方を測定し、該測定値に基づき前記電極の劣化を判断するのがよい。
このとき、前記電極の劣化が判断された際に、前記槽内の泡沫量を検出し、該泡沫量が基準値以上である場合には消泡剤を投入することが好適である。
さらに、前記電気分解の前に、分離液の塩素イオン濃度を測定し、該測定された塩素イオン濃度に基づき塩素イオン調整剤を投入すると良い。
さらにまた、前記電解槽が、塩素濃度測定手段、残留塩素濃度測定手段、ORP測定手段、pH測定手段、アンモニア濃度測定手段のうち少なくとも何れかを有し、この測定手段のうち単独若しくは2つ以上を組み合わせて、電解槽の電解処理時間を制御することが好適である。
以上記載のごとく、従来用いられてきた生物学的な脱窒処理とは異なり本発明では物理化学的な処理を行うことにより、確実にかつ高除去率で以って脱窒を行うことができるとともに、脱窒のための栄養源である水素供与体を供給する必要がなくランニングコストの低廉化が可能となる。また、脱窒後の窒素分は窒素ガスの形態で排出されるため二次汚染の心配がない。
また、膜分離装置の後段に電解槽を設けて脱窒することにより、BODを殆ど含まない有機性廃水であっても容易に窒素分を除去することができる。
さらにまた、電解槽にてBOD/窒素分が約1〜3となるように脱窒を行った後に硝化・脱窒処理することにより、窒素除去効率を向上させることができる。
また、電解槽内の塩素分濃度、電極間の抵抗値により電極の劣化を判断することにより容易に装置の不具合を検出することができるとともに、処理物がスケールの付着し易い有機性廃棄物であっても、円滑に処理を行うことができる。
また、塩素濃度計、ClO計、pH計、ORP計、アンモニア濃度計により、電解状況を把握することで、精度の高い運転管理・制御を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1実施例に係る有機性廃棄物処理システムの概略構成図、図2は本発明の実施形態に係る処理システムに具備される電解槽の説明図、図3乃至図5は夫々図1の別の実施例である第2乃至第4実施例に係る有機性廃棄物処理システムの概略構成図である。
〔実施例1〕
本第1実施例に係る有機性廃棄物処理システムは、生ごみを主体とした有機性廃棄物の処理に適しており、図1に示されるように、メタン発酵槽1と、該メタン発酵槽1から排出される消化汚泥を遠心分離機等で機械的脱水する脱水機2と、汚泥固形物を脱水分離した後の分離液を脱窒する電解槽3と、アルカリ剤の添加により脱窒後の処理液を中和する還元槽4と、中和された分離液に生物処理を施す硝化・脱窒処理槽5とを備えている。
前記メタン発酵槽1では、槽内の嫌気性菌の作用により廃棄物中の高分子有機物が二酸化炭素、メタン、アンモニア等へ分解される。ここで発生したメタンは発電装置等に送給され有効利用される。このとき、回収したメタンガスを元に発電した電力を前記電解槽3に送電して利用してもよい。
また、前記メタン発酵槽1から排出される消化汚泥は脱水機2により固液分離され、汚泥固形物は堆肥化、炭化若しくは焼却設備に送られ、一方分離液は電解槽3に送給される。
前記電解槽3は、メタン発酵後の固液分離した分離液を電気分解して次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化性物質によりアンモニア態窒素を酸化分解する。かかる電解槽3は図2に示されるように、分離液を受け入れる反応槽31と、該反応槽31内に導入された分離液内に浸漬するように、対向して配された陽極32と陰極33からなる電極と、該電極に接続される電源装置34とを有している。
そして、各電極での代表的な反応として、分離液中に含有される塩素イオン、水及び硝酸イオンにより下記の反応が引起される。
(陽極) 2Cl →Cl+2e
Cl+HO → HClO+HCl
(陰極) NO +6HO+8e→NH+9OH
2HO+2e →2OH+H
陽極では、塩素が発生し、さらにその塩素が水と反応し、強力な酸化力を有する次亜塩素酸(HClO)を生成する。一方、陰極では、分離液中に硝酸イオンが含まれる場合は、アンモニアへ還元される。また、硝酸イオンが含まれない場合は、水の分解により水素が発生する。
分離液中に含まれるアンモニア、若しくは電気分解によって生成したアンモニアは、陽極で生成した次亜塩素酸によって、下記式により反応し分解、除去される。
2NH+3HClO → N↑+3HCl+3H
かかる電解槽3は、電極の付着物質を除去するために一定期間毎に逆電圧をかけたり、処理を停止して洗浄したりして電解効率を維持することが好ましい。
また、本実施例のように後段に硝化・脱窒処理槽を設ける場合は、脱窒後の処理液の成分比(BOD/窒素分)が約1〜3となるように、電解槽3での滞留時間、電解槽3の容積、若しくは電極に印加する電圧値等を制御するとよい。
そして、前記電解槽3にて脱窒された処理液は前記還元槽4に導入される。該処理液は前記電解槽3にて生成した強酸化物質により酸性状態であるため、還元槽4で苛性ソーダ等のアルカリ剤の添加により中和する。
中和した処理液は硝化・脱窒処理槽5に導き、槽内で硝化菌、脱窒菌等の作用によりさらに脱窒する。
このとき、前記電解槽3にて、分離液に含まれるBOD及び窒素分の成分比率をBOD/窒素分=約1〜3となるまで窒素分を低減させた場合、処理液中の水素供与体が好適な量含まれるため高効率で以って脱窒を行うことができる。
該脱窒・硝化処理槽5で窒素分含有量が排出基準値以下に除去された処理液は、外部へ放流若しくは高度処理設備へ送られる。
このように、かかる実施例では、従来用いられてきた生物学的な脱窒処理とは異なり物理化学的な処理を行うことにより、確実かつ安定して窒素の高除去率が達成できるとともに、脱窒のための栄養源である水素供与体を供給する必要がなくランニングコストの低廉化が可能となる。また、脱窒後の窒素分は窒素の形態で排出されるため二次汚染の心配がない。
尚、本実施例では、前記電解槽3で排水基準値以下に窒素分を低減可能な場合には硝化・脱窒処理槽5を具備しなくても良い。
〔実施例2〕
図3及び図4は前記第1実施例と同様に、生ごみ主体の有機性廃棄物を処理するシステムであり、図3に示される第2実施例では、メタン発酵槽1により高分子有機物を分解された後の消化汚泥を脱水機2に導入するとともに、該消化汚泥の一部を抜き出して膜分離装置6に導入する。該膜分離装置6は、限外ろ過膜(UF)、精密ろ過膜(MF)を利用することが好ましい。膜分離装置6にて消化汚泥を分離した汚泥固形物は前記メタン発酵槽1に返送される。これにより、生ごみ等の分解し易い廃棄物の処理においても、メタン発酵槽内の濃度が好適に保たれ、嫌気性発酵が効率良く行われる。一方、膜分離装置6を透過した透過液は、SS、BOD、リン分、COD等が殆ど分離除去され、溶解性の窒素分が高濃度で含有された状態で電解槽3に送給される。
前記メタン発酵槽1から排出された消化汚泥の一部は脱水機2により汚泥固形物と分離液とに固液分離され、該汚泥固形物は堆肥化、炭化若しくは焼却設備に送られ、分離液は電解槽3に送給される。
かかる電解槽3は、前記第1実施例と同様の構成を有しており、ここで生成された次亜塩素酸系の強酸化物質により前記膜分離装置6及び脱水機2より導入された分離液中の窒素分が分解除去される。
そして、電解槽3にて脱窒された処理液は還元槽4にてアルカリ剤により中和された後に硝化・脱窒処理槽5に導かれ、窒素分濃度を排出基準値以下まで低下させた後に放流若しくは高度処理設備へ送給される。
〔実施例3〕
図4に示される第3実施例では、前記膜分離装置6を透過した透過液に脱窒を施す第2の電解槽7を設けている。該第2の電解槽7は前記電解槽3と同様の構成を有している。該第2の電解槽7にて脱窒された処理液は前記電解槽3よりの処理液と併せて還元槽4にて中和され、硝化・脱窒処理される。
前記膜分離装置6では、溶解性の窒素分以外の殆ど全ての汚濁物質が除去されるため膜分離後の透過液は高濃度の窒素分を含むこととなる。そこで、かかる実施例のような構成とすることで、夫々の処理液の性状に適した処理を行うことができ処理システムの安定運転が容易となる。
尚、前記膜分離装置のろ過速度を保持するために、定期的に前記電解槽から処理液を抜き出して該膜分離装置に導入しても良く、これにより電解槽にて生成された次亜塩素酸系強酸化物質の洗浄効果によりろ過速度を回復できる。
〔実施例4〕
次に、図5に示される本発明の第4実施例につき説明する。本実施例は有機性廃棄物を固液分離した後に生物学的処理、物理化学的処理により汚濁物質の除去処理を行う構成としている。
かかる処理システムは、まず有機性廃棄物をスクリーン8に通して除渣した後、脱水機9により汚泥固形物と分離液とに分離し、該汚泥固形物を可溶化槽13に導入して加温等により汚泥中の有機物を可溶化させ、メタン発酵槽14に導入する。該メタン発酵槽14で高分子有機物の分解を行った後に消化汚泥は堆肥化、炭化若しくは焼却処理設備に送給する。
一方、前記脱水機9にて固形物を分離された分離液は、膜分離装置10に導入されて分離液中のBOD、SS等を除去された後、電解槽11に導かれる。このとき、前記膜分離を透過しない固形分は前記脱水機9の上流側に返送されて再度処理される。
電解槽11は、前記第1乃至第3実施例と同様の構成を有しており、分離液中に含まれる塩類、塩素及び水等が電気分解して生成した次亜塩素酸系の強酸化物質により、分離液に含有される窒素分が分解除去される。
そして、前記電解槽11にて排出基準値以下まで窒素分を除去された分離液は、還元槽12にてアルカリ剤により中和された後に放流若しくは高度処理設備に送られる。
かかる第4実施例では、有機性廃棄物を、脱水機9及び膜分離装置10の組み合わせにより、窒素分以外の汚濁物質を含む汚泥固形物と、アンモニア態窒素等の溶解性窒素分を含む透過液とに分離し、該透過液をさらに電解槽11にて脱窒することにより、アンモニア態窒素等の溶解性窒素分を確実にかつ高除去率で処理することができる。尚、処理液の窒素分濃度が高い場合には、還元槽12の後段に硝化・脱窒処理槽を設けてもよい。このとき、前記電解槽11で透過液中のBODと窒素分の比率をBOD/窒素分=約1〜3とすることが好ましく、これにより前記硝化・脱窒処理槽にて効率良く脱窒処理を行うことができる。
また、前記電解槽3の別の実施形態として、図6に各種測定手段を備えた電解槽を示す。
図6において、電解槽23は、分離液を保持する反応槽23aと、該反応槽23a内に対向して配置される陽極32及び陰極33と、これらの電極に導線を介して接続される電源装置34と、該電源装置34により電極間に印加される電圧を測定する電圧計34bと、該電極間の抵抗値を測定する抵抗計34aと、前記反応槽23aの下部より分離液を抜き出して該反応槽上部へ導入する循環ポンプ35と、循環経路上に設置され分離液中の塩素分濃度を測定する第1Cl濃度計38と、同様に循環経路上に配置するバルブ37と、前記抜き出された分離液を外部へ排出する経路上に配置するバルブ36と、を備えた構成となっている。
さらに、前記電解槽23の上流側には、前記脱水機2等の固液分離装置を経て固形分と分離された分離液を貯留する原水タンク29が配設され、該原水タンク29内には分離液中の塩素分濃度を検出する第2Cl濃度計39が備えられるとともに、NaClaq若しくはNaClO等の塩素イオン調整剤42の添加手段が具備されている。
また、前記抵抗計34a、第1Cl濃度計38、第2Cl濃度計39は制御回路43に接続され、該制御回路43に基づき前記電源装置34の印加電圧、電圧のON/OFF及びバルブ制御回路44によるバルブ36、37の開閉が制御される。
かかる電解槽23では、電解処理はバッチ式で行われ前記図2に示した化学反応式と同様の反応が各電極で行われる。通常運転においては、バルブ36を閉、バルブ37を開として分離液中の窒素分が基準値以下となるまで前記循環ポンプ35により分離液が槽内を循環するようにしている。
そして、電解処理の際に前記抵抗計34a及び第1Cl濃度計38により電極間の抵抗値、反応槽23a内の分離液の塩素分濃度を測定する。抵抗値及びCl濃度が基準範囲内でない場合には、分離液の異常若しくは電極の劣化等の装置不良が検出され、適正な電解処理が行われない。即ち、抵抗値が高い場合にはスケールの付着、電極の消耗等、抵抗値が低い場合には泡沫量の増加による短絡等が原因として考えられる。また、Cl濃度の系時変化を追跡して電解処理状況を把握することも可能である。これは、Cl濃度が減少傾向にある場合はアンモニア態窒素の残存、即ち脱窒不備が示唆され、反応装置の停止、液全量の引き抜き等の応急処置が必要となる。
かかる実施形態では、対象処理水が有機性排水であるため最も頻度が高く現れる異常としては、電極へのスケールの付着による電極劣化、及び泡沫量の増加による電極間の短絡が考えられる。従って、本実施形態では前記抵抗計34a、第1Cl濃度計38のうち少なくとも何れか一方により測定された値が、前記制御回路43により異常値と判定された場合には電極の劣化と判断し、電源装置34及び前記バルブ駆動回路44に信号を送信し、該電源装置34のOFF及びバルブ駆動回路44によりバルブ36を開、バルブ37を閉として分離液を引き抜くように制御する。
また、抵抗値若しくは塩素濃度により電極の劣化が判断された場合に、まず不図示の泡沫検出計により槽内の泡沫量を検出することが好ましい。該泡沫検出計により泡沫量が基準値以上を示した場合には消泡剤41を投入して泡沫を消滅させる。これにより、前記抵抗値若しくは塩素濃度の異常が泡沫による短絡であった場合に、運転を停止することなく対処することができる。
尚、電解処理では塩素分濃度がCl=2000mg/L程度での運転が適正である。これは、濃度が2000mg/Lを大幅に超える値である場合には電解反応が適切に行われずに脱窒効率の低下が懸念され、1000ml/L程度の場合には電極の消耗が著しく電極劣化が生じるためである。
従って、高塩濃度分離液の場合には希釈処理を行い、低塩濃度分離液の場合には塩素イオンを増量させる必要がある。
電解処理状況を把握するものとして、ClO計46(残留塩素計)がある。ClO濃度が増加傾向にある場合は、脱窒が完了しているにも関わらず、電解が進行していることが示唆され、分離液へのトリハロメタン類の流出が懸念されるので、電解槽23の停止、液全量引き抜き等の応急処置が必要である。
また、前記の測定器のほか、pH計47、ORP計48、アンモニア濃度計49等を適宜単独で若しくは併用して各種測定を行うことで、より精度の高い運転管理・制御が可能となる。
〔実施例5乃至7〕
さらに、図7乃至図9は既設の廃棄物処理システムに前記電解槽23を組み込んだシステムである第5乃至第7実施例である。
図7は本発明の第5実施例で、例えば固形分濃度が約2〜3%のし尿等の処理に適している。かかるシステムは、スクリーン20で処理水中の夾雑物を除去した後に、硝化・脱窒処理槽21にて硝化・脱窒を行い窒素分を除去した後に、固液分離装置22で固液分離する。固液分離した汚泥の一部は適宜硝化・脱窒処理槽21内に返送して硝化・脱窒素槽内の硝化・脱窒菌濃度を維持するようにする。該固液分離装置22は、膜分離槽、沈殿槽、脱水装置等が好適に用いられる。
前記固形物を分離した分離液は前記電解槽23に導入し、前記電解反応により残存した窒素分を除去する。そして、窒素分が規制値以下となった処理水は還元槽24にて中和して放流若しくは高度処理して系外へ排出する。一方、前記固液分離装置22により分離した汚泥及び電解槽23にて引き抜かれた汚泥は適宜汚泥処理設備25に導入して処理する。
かかる実施例によれば、硝酸態窒素及びアンモニア窒素を含む窒素分を高除去率で以って処理できるとともに、各窒素分の性質に応じた処理を行っているため効率良く処理でき、また電力コストを削減することができる。
図8は前記第5実施例と同様にし尿等の固形分濃度が低い有機性廃棄物の処理に適し、かかるシステムは前記第5実施例と略同様の構成をしており、前記硝化・脱窒処理槽21の代わりに第1消化槽26、第2消化槽27を配設した構成となっている。前記第1消化槽26及び第2消化槽27では、メタン発酵等の嫌気性処理を行っており、消化処理後の固液分離装置22の後段に電解槽23を配設している。
これにより、消化液中に残存した多量のアンモニア態窒素を効率良く除去することができる。
図9は、家畜糞尿等のように窒素分を多く含有し、比較的固形物の多い有機性廃棄物に適しており、前記第5実施例と略同様の構成となっている。かかるシステムでは、まずスクリーン20により夾雑物を除去した後に曝気槽28にて通気撹拌下で廃棄物中の有機物を酸化し、後段の沈殿槽22aで固形物を沈殿分離する。分離液は原水タンク29に一時的に貯留し、電解槽23a若しくは23bに導入する。該電解槽23a、23bは並列に接続され、夫々バルブにより分離液の導入を制御している。前記図6にて説明した各種測定器により電極劣化等の判断がなされた時に、一方の電解槽を停止して他方の電解槽に分離液を導入する。これにより、電解槽に不具合が発生した場合においても直ぐに他方の電解槽を利用して処理を行うことができ、処理効率が向上する。
尚、図7乃至図9において、前記電解槽23として図2に用いた実施形態に係る電解槽を利用しても良いことは勿論である。
以上記載した如く本発明によれば、処理される廃棄物の性状に応じて効率良く、かつ外部からの水素供与体の添加を殆ど必要とせずに低コストで運転可能である有機性廃棄物の処理システム及び処理方法を得ることが出来る。
本発明の第1実施例に係る有機性廃棄物処理システムの概略構成図である。 本発明の実施形態に係る処理システムに具備される電解槽の説明図である。 本発明の第2実施例に係る有機性廃棄物処理システムの概略構成図である。 本発明の第3実施例に係る有機性廃棄物処理システムの概略構成図である。 本発明の第4実施例に係る有機性廃棄物処理システムの概略構成図である。 図2の別の実施形態に係る電解槽の構成図である。 本発明の第5実施例に係る有機性廃棄物処理システムの概略構成図である。 本発明の第6実施例に係る有機性廃棄物処理システムの概略構成図である。 本発明の第7実施例に係る有機性廃棄物処理システムの概略構成図である。 従来の有機性廃棄物処理システムの全体構成図である。
符号の説明
1 メタン発酵槽
2 脱水機
3、11、23 電解槽
4、12、24 還元槽
5、14、21 硝化・脱窒処理槽
6 膜分離装置
7 電解槽
9 脱水機
10 膜分離装置
13 可溶化槽
22 固液分離装置
32 陽極
33 陰極
34 電源装置
34b 抵抗計
38 第1Cl検出計
39 第2Cl検出計
43 制御回路
44 バルブ制御回路

Claims (11)

  1. 窒素分を含む有機性廃棄物に硝化・脱窒処理、嫌気性処理、曝気処理のうち少なくとも一の処理を施す処理手段と、前記処理手段で処理された有機性廃棄物を固液分離する固液分離手段と、該固液分離手段にて固液分離した分離液から窒素分を除去する水処理設備を備えた有機性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記水処理設備が、前記分離液を電気分解することにより次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去する電解槽と、該電解槽の後段に、アルカリ剤の添加により脱窒後の処理液を中和する還元槽を備えたことを特徴とする有機性廃棄物の処理システム。
  2. 前記有機性廃棄物が生ごみ主体である請求項1記載の有機性廃棄物の処理システムにおいて、前記処理手段として前記有機性廃棄物を嫌気性発酵するメタン発酵槽を備え、該メタン発酵槽の消化汚泥を前記固液分離手段にて固液分離した分離液を前記電解槽に投入して前記分離液に含有される窒素分を除去することを特徴とする有機性廃棄物の処理システム。
  3. 前記メタン発酵槽で嫌気性発酵した後の消化汚泥を固液分離手段に導く経路から分岐した経路に膜分離装置を設け、前記メタン発酵槽で嫌気性発酵した後の消化汚泥の一部を該膜分離装置に導き、該膜分離装置にて分離された汚泥固形物を前記メタン発酵槽に返送し、
    一方、該膜分離装置を透過した透過液を前記電解槽に導入することを特徴とする請求項2記載の有機性廃棄物の処理システム。
  4. 有機性廃棄物を固液分離する手段と、分離した分離液を浄化する水処理設備を備えた有機性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記水処理設備が、前記分離液を電気分解することにより次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去する電解槽と、該電解槽の後段に、アルカリ剤の添加により脱窒後の処理液を中和する還元槽を備えたことを特徴とする有機性廃棄物の処理システム。
  5. 前記固液分離手段は、機械的脱水装置とその後段に設けられた膜分離装置とから構成されることを特徴とする請求項4記載の有機性廃棄物の処理システム。
  6. 前記電解槽を、処理中のBOD/窒素分が約1〜3の範囲内となるように窒素分を低減する構成とするとともに、該電解槽の後段に、アルカリ剤の添加により脱窒後の処理液を中和する還元槽を経由して窒素分を低減した処理液を硝化脱窒する処理槽を設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載の有機性廃棄物の処理システム。
  7. 窒素分を含む有機性廃棄物に硝化・脱窒処理、嫌気性処理、曝気処理のうち少なくとも一の処理を施した後に固液分離した分離液から窒素分を除去する有機性廃棄物の処理方法において、
    前記固液分離した分離液を電解槽で電気分解することにより次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去し、該窒素分を除去した脱窒後の処理液にアルカリ剤を添加して中和することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  8. 前記有機性廃棄物が生ごみ主体である請求項7記載の有機性廃棄物の処理方法であって、該有機性廃棄物をメタン発酵槽により嫌気性発酵し、該嫌気性発酵により生じた消化汚泥を固液分離した分離液を前記電解槽により窒素分を除去し、該窒素分を除去した脱窒後の処理液にアルカリ剤を添加して中和することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  9. 前記嫌気性発酵した後の消化汚泥を一部抜き出し、該消化汚泥を膜分離により固液分離した後、分離した汚泥固形物をメタン発酵槽に返送し、
    一方、分離した透過液を前記電気分解することを特徴とする請求項8記載の有機性廃棄物の処理方法。
  10. 有機性廃棄物を固液分離した後、該分離した分離液を浄化する有機性廃棄物の処理方法において、
    浄化槽汚泥主体の有機性廃棄物を固液分離した後、前記固液分離した分離液を電気分解することにより次亜塩素酸系の強酸化物質を生成し、該強酸化物質の酸化作用により分離液に含有される窒素分を除去し、該窒素分を除去した脱窒後の処理液にアルカリ剤を添加して中和することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  11. 有機性廃棄物が生ごみ主体である有機性廃棄物の処理若しくは浄化槽汚泥主体の有機性廃棄物の処理に際し、前記電気分解で生成した次亜塩素酸系の強酸化物質により処理液中のBOD/窒素分が約1〜3の範囲内となるように窒素分を低減した後、該処理液を該窒素分を除去した脱窒後の処理液にアルカリ剤を添加して中和し、その後硝化脱窒することを特徴とする請求項8乃至10の何れか一に記載の有機性廃棄物の処理方法。
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