JP2007075728A - 触媒及び改質器 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒の劣化速度を小さくし、触媒の耐久性向上とともに触媒活性の低下を抑制することのできる触媒及び改質器を提供する。
【解決手段】改質器4の流路基板41aと蓋基板41bとの間に形成されたマイクロ流路41cの内壁面に、鉄、ジルコニウム又はセリウムの酸化物を含むCu/ZnO系触媒41eが形成されている。このマイクロ流路41cに、メタノールと水との混合物を流動させることによって水素を生成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、水素を主成分とする生成物に改質するための触媒、その触媒を使用した改質器に関する。
近年では、エネルギー変換効率の高いクリーンな電源として、水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギーを生成する燃料電池が自動車や携帯機器などに応用され始めている。電気化学反応に利用される水素をそのまま気体として貯留して保存するのは安全性の観点から好ましくないことから、メタノール等のアルコールや炭化水素を水素源として貯留する試みがなされている。特に改質型と呼ばれる燃料電池では、貯留したアルコール又は炭化水素を触媒の存在下で改質させることにより生成された水素ガスを直接燃料電池に供給して発電している。メタノールを水素に改質する水蒸気改質反応は次の反応式の通りである。
CHOH+HO→3H+CO
しかし、上記水蒸気改質反応が吸熱反応であるために、系外から反応を促進するための熱を供給する必要がある。そこで、酸素による燃焼熱を利用する内熱型のオートサーマル改質反応(部分酸化発熱反応及び上記水蒸気改質反応)はその課題解決手段として有望な候補である。オートサーマル改質反応での発熱反応は、次の反応式の通りである。
CHOH+1/2O→2H+CO
上記化学反応を促進するメタノール改質用触媒として、銅と亜鉛とを担体に担持した所謂「Cu/Zn系触媒」は、触媒活性が高く、高純度の水素を迅速かつ高効率に製造できるということから、脚光を浴びている(特許文献1参照)。
特開2001−300315号公報
しかしながら、上記メタノールを燃料とした場合の酸化的改質法による水素製造方法において、Cu/Zn系触媒を使用した場合、劣化速度が大きくなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、触媒の劣化速度を小さくし、触媒の耐久性向上とともに触媒活性の低下を抑制することのできる触媒及び改質器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、
水素原子を含む化合物を改質して水素を生成する触媒において、
銅及び酸化亜鉛に加えて、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウムのうちから少なくとも1つを含むことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の触媒において、
鉄、ジルコニウム又はセリウムの含有量は、触媒全体の金属に対するモル分率が0.05〜0.17であることを特徴とする。
このような触媒を用いて、水素を含む化合物と、水と、を混合した混合物から水素を主成分とする生成物に改質することができる。
さらに前記混合物中に酸化剤を混入して水素を主成分とする生成物に改質することもできる。
前記酸化剤は過酸化水素が好適である。
前記化合物がメタノールであることが好適である。
化合物がメタノールであり、過酸化水素がメタノール1モルに対して0.01モル〜1モルの比率で含まれていることが好ましい。
請求項3の発明は、
水素原子を含む化合物を改質して水素を生成する改質器において、
前記化合物が導入される内部空間を形成した本体と、
前記本体の内部空間に配置され、銅及び酸化亜鉛に加えて、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウムのうちから少なくとも1つを含む触媒と、
を備えることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の改質器において、
前記本体は、基板の少なくとも片側の面に形成された溝と、前記溝を覆うことによって前記基板との間に前記内部空間である流路を形成する蓋と、を備え、
前記流路内に前記触媒が担持されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載の改質器において、
前記内部空間には、水素原子を含む化合物、水並びに酸化剤が導入されて改質することを特徴とする。
上述の触媒を用いた改質器と、
前記改質器で生成した水素から電気エネルギーを生成する燃料電池と、を備えていることによって発電装置を構成することができる。
このような発電装置において、前記改質器で生成された一酸化炭素を除去する反応器を備えることによって、燃料電池が一酸化炭素によって被毒することを改善することができる。
本発明によれば、銅及び酸化亜鉛に加えて、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウムのうちから少なくとも1つを含むことによって、触媒の劣化速度を小さくでき、触媒の耐久性向上とともに触媒活性の低下を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に係る触媒は、鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)又はセリウム(Ce)の酸化物を含むCu/ZnO系触媒であり、水素を含む炭素化合物と、水と、を混合した混合物から水素を主成分とする生成物に改質するための触媒である。
触媒中に含まれるFe、Zr又はCeの含有量は、触媒全体の重量に対して重量比率0.1%〜30%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは5%から20%の範囲である。含有量を上記範囲とすることによって十分に水素を生成することができる。
次に、本発明に係る触媒の製造方法について説明する。
まず、銅と亜鉛の各金属塩を含む銅・亜鉛水溶液を調整し、その他に、鉄、ジルコニウム又はセリウムを含む水溶液を調整する。
「銅・亜鉛水溶液」は、銅・亜鉛金属塩を水溶性化合物として含んでいれば良いが、「銅・亜鉛水溶液」としては実用上、銅・亜鉛の硝酸塩を含む硝酸銅・硝酸亜鉛水溶液を用いるのが良い。なお、銅・亜鉛は、上記水溶液中に溶解していてもよく、懸濁していてもよい。また、「鉄、ジルコニウム又はセリウムを含む水溶液」としては、硝酸鉄水溶液、硝酸ジルコニウム水溶液又は硝酸セリウム水溶液を用いるのが良い。
さらに、沈殿剤として機能するアルカリ溶液と、銅・亜鉛と、鉄、ジルコニウム又はセリウムとに対して所定比(上記重量比率)のアルミニウムを含むアルミニウム酸化物の懸濁液(アルミニウム酸化物を純水に懸濁させた混合液)とを、調整する(調整工程)。「アルカリ溶液」としては、炭酸ナトリウム水溶液などの炭酸アルカリ溶液を用いても良いし、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのカセイアルカリ溶液を用いても良いし、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液などの重炭酸アルカリ溶液を用いても良いし、他のアルカリ溶液を用いても良い。アルカリ溶液は一般的に取り扱いが難しく高価であるため、取り扱い・経済性の両面から考慮すると、アルカリ溶液として炭酸ナトリウム水溶液を用いるのが好ましい。
調整工程後、銅・亜鉛水溶液としての硝酸銅・硝酸亜鉛水溶液と、鉄、ジルコニウム又はセリウムを含む水溶液としての硝酸鉄水溶液、硝酸ジルコニウム水溶液又は硝酸セリウム水溶液と、アルカリ溶液としての炭酸ナトリウム水溶液とを、同時に攪拌中のアルミニウム酸化物の懸濁液にそれぞれ滴下して沈殿物を形成する(沈殿工程)。
上記沈殿工程では、触媒においてアルミニウム酸化物を担体とするため、硝酸銅・硝酸亜鉛水溶液と、硝酸鉄水溶液、硝酸ジルコニウム水溶液又は硝酸セリウム水溶液と、炭酸ナトリウム水溶液とをアルミニウム酸化物の懸濁液にそれぞれ滴下するが、アルミニウム酸化物を用いずに、硝酸銅・硝酸亜鉛水溶液と、硝酸鉄水溶液、硝酸ジルコニウム水溶液又は硝酸セリウム水溶液と、炭酸ナトリウム水溶液とを同時に攪拌中の蒸留水に滴下して沈殿物を形成するようにしても良い。
沈殿工程後、沈殿物を含む混合液を濾過し、濾過後に残った沈殿物を蒸留水中で所定の温度で加熱しながら攪拌して洗浄し、この濾過・洗浄工程を1回又は複数回繰り返し行う。ただし、1回目の洗浄は、沈殿工程で保持する温度より高い温度で行う。最後の洗浄を終えたら、沈殿物を含む蒸留水を再度濾過して沈殿物を得る(濾過・洗浄工程)。
濾過・洗浄工程後、最後の濾過後に残った沈殿物を100℃程度で乾燥させ、乾燥後の沈殿物を所定温度で焼成する(乾燥・焼成工程)。乾燥・焼成工程の処理により、ペレット状に圧縮成形された触媒前駆体(Cu/ZnO/Fe/Al化合物、Cu/ZnO/ZrO/Al化合物又はCu/ZnO/CeO/Al化合物)を得る。
乾燥・焼成工程後、触媒前駆体について、水素を含む気流中で加熱して水素還元処理による活性化を経て(還元工程)、触媒前駆体から触媒としてのCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/Fe/Al化合物、Cu/ZnO/ZrO/Al化合物又はCu/ZnO/CeO/Al化合物)を製造することができる。また、Cu/ZnO/Fe/ZrO/Al化合物、Cu/ZnO/Fe/CeO/Al化合物、Cu/ZnO/ZrO/CeO/Al化合物、Cu/ZnO/Fe/ZrO/CeO/Al化合物もその効果が期待される。
次に、本発明に係る触媒を使用した改質方法について説明する。
まず、炭化水素やアルコール、エーテルといった構成原子に水素を含む炭素化合物と、水とを混合する。好ましくは、過酸化水素等の酸化剤を混合する。
炭化水素は、炭素と水素とのみからなる有機化合物である。アルコールは、脂肪族炭化水素の1個又は複数個の水素原子を水酸基で置換した有機化合物であり、メタノール、エタノール等があるが、これらに限定されない。また、エーテルはジメチルエーテルが好適であるが、これに限らない。
酸化剤は、分解されて生じる酸素以外の副生成物が、後述する改質器や燃料電池等において不活性であり、これらで引き起こされる改質反応や電気化学反応を著しく阻害しないことが望ましい。過酸化水素として過酸化水素水を用いる場合には、過酸化水素水に水が含まれているため、過酸化水素水の濃度によっては水素を含む炭素化合物と、過酸化水素水と、を混合するだけでも水素の水蒸気改質が可能である。また、アルコールについてもアルコール水溶液を用いても良く、アルコール水溶液の濃度によっては水素を含む炭素化合物と、過酸化水素水と、を混合するだけでも良い。特に、酸化剤として過酸化水素を使用した場合は、メタノール1モルに対して過酸化水素が0.01モル〜1モルの比率で含まれていることが好ましい。
そして、構成原子に水素を含む炭素化合物と、水と、過酸化水素との混合物を触媒に接触させるが、その混合物が液体である場合には効率的に改質反応を引き起こすため、その混合物を気化させて均一に分散させることが好ましい。ここで、その混合物を触媒に接触させる時にその混合物をヒータ等で加熱して、混合物を気化させても良いし、混合物を触媒に接触させる前に混合物をヒータ等で加熱して、気化して得られた混合気を触媒に接触させても良い。さらには、水素を含む炭素化合物と、水と、過酸化水素とを別個に気化させて、これらの気体を混合して、その混合気を触媒に接触させても良い。ヒータは、印加電圧に応じて加熱する電気抵抗体でもよく、または燃料を燃焼する燃焼器であってもよい。燃焼器は、燃料電池において電気化学反応に用いられずに残った水素に酸素を加えて燃焼することが好ましい。
水素を含む炭素化合物と、水と、過酸化水素との混合物を触媒に接触させると、触媒反応が起こるが、活性を高めるために反応系を加熱するのが望ましい。例えば、アルコールとしてメタノールを用いる場合には、反応温度を230℃以上に加熱すると良い。
混合物のうち水素を含む炭素化合物と水とが触媒により反応し、水素濃度が高い生成物が生成される(水蒸気改質反応)。一方、混合物のうち過酸化水素が分解して酸素が生成され、その酸素と構成原子に水素を含む炭素化合物とが反応し、水素濃度が高い生成物が生成される(発熱酸化反応)。水蒸気改質反応及び発熱酸化反応は、相互に熱交換を行うため反応が定常的になればヒータでの熱量を抑えることができる。以上により、水素を生成することができる。
なお、過酸化水素等の酸化剤を使用しない場合には、別途酸素や空気を反応系に導入すれば良い。
次に、上述の改質方法を行うために使用する改質器及び改質器を備えた発電装置について説明する。
図1は、改質方法に使用される改質器4を搭載した発電装置1のブロック図である。
発電装置1は、メタノールと、水と、過酸化水素との混合液を貯留した燃料容器2と、燃料容器2から供給された混合液を気化する気化器3と、気化器3から供給された混合気を触媒により水素リッチな生成ガスに改質する改質器4と、改質器4から供給された生成ガスの中から燃料電池を劣化する要因となる一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器5と、一酸化炭素除去器5から供給された生成ガス中の水素ガスの電気化学反応により電気エネルギーを生成する燃料電池6と、を備える。ここで、発電装置1は、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、PDA、電子手帳、腕時計、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ゲーム機器、遊技機、家庭用電気機器、その他の電子機器に用いられる。この場合、気化器3、改質器4、一酸化炭素除去器5及び燃料電池6からなる発電装置本体は電子機器本体に搭載されており、燃料容器2は電子機器本体を介して発電装置本体に対して着脱可能に設けられている。燃料容器2が電子機器本体を介して発電装置本体に装着された場合、燃料電池2から気化器3に混合液が供給されるようになっている。燃料電池6により生成された電気エネルギーは電子機器本体を駆動するために用いられる。
燃料電池6は、触媒微粒子を含有又は付着させた燃料極(水素極)と、触媒微粒子を含有又は付着させた酸素極(空気極)と、燃料極と酸素極との間に挟持された固体高分子電解質膜と、を備える。
図2は、本発明に係る触媒が用いられた改質器4の正面、側面及び平面を示す斜視図であり、図3は図2におけるIII−III矢視断面図である。図4は流路基板41aの上面図、図5は図4におけるV−V矢視断面図、図6は流路基板41aの下面図である。
改質器4は、金属、セラミック、シリコン、アルミニウム、ガラス等の材料から板状に形成された流路基板41aと蓋基板41bとを互いに重ね合わせて接合した構造を有している。流路基板41aの蓋基板41bとの接合面には葛折り状の溝が凹んだ状態に形成されており、この溝に蓋をするように流路基板41aに蓋基板41bを接合することによって、この溝が流路基板41aと蓋基板41bとの接合部に設けられたマイクロ流路41cとなる。ここで、流路基板41aと蓋基板41bとが改質器4の本体であり、マイクロ流路41cが本体内に形成された内部空間である。蓋基板41bのみにマイクロ流路が形成されていてもよく、流路基板41a及び蓋基板41bの両者にマイクロ流路が形成されていてもよい。流路基板41aと蓋基板41bは後述する陽極接合によって接合される場合、基板間の界面において、一方が可動イオンとなる酸素イオンの供給源となり、他方が酸素イオンと結合することになるため、金属(又はシリコン)基板、ガラス基板の組合せや、ガラス基板、接合用金属膜が被膜されたガラス基板の組合せや、金属基板、接合用ガラス膜が被膜された金属基板の組合せが好適である。
流路基板4aの接合面とは反対側の面には薄膜ヒータ41dが形成されている。薄膜ヒータ41dは電気エネルギーにより発熱する電熱膜であり、具体的には電気抵抗性発熱体、半導体性発熱体を薄膜状に成膜したものである。マイクロ流路41cの壁面には、本発明に係る触媒41eが形成されている。
図7は蓋基板41bの上面図、図8は図7におけるVIII−VIII矢視断面図である。蓋基板41bには、流路基板41aのマイクロ流路41cの両端部と対応する位置に、厚さ方向に貫通する導入孔41f、排出孔41gが設けられている。導入孔41fは気化器3から反応物を反応流路へ案内し、排出孔41gは反応流路から生成物を排出し、一酸化炭素除去器5へ案内する。
ここで、本発明に係る触媒41eを改質器4のマイクロ流路41cに充填する二つの充填方法についてそれぞれ説明する。図9は、触媒41eをマイクロ流路41cに充填する第一の充填方法を経時的に示した図面であり、図10は、触媒41eをマイクロ流路41cに充填する第二の充填方法を経時的に示した図面である。
[第一の充填方法]
始めに、サンドブラスト等で削ることにより葛折り状のマイクロ流路41cが予め形成された流路基板41aを準備し(図9(a)参照)、流路基板41aの一方の面上(マイクロ流路41cが形成された面上)にドライフィルムからなるフォトレジスト42を貼り付ける(図9(b)参照)。フォトレジスト42を貼り付けたら、フォトレジスト42をパターニングしてフォトレジスト42のマイクロ流路41cに対応する部分に開口部43を形成する(図9(c)参照)。
なお、図9(a)〜図9(c)に示す工程では、マイクロ流路41cが予め形成された流路基板41aにフォトレジスト42を貼り付けてパターニングしているが、マイクロ流路41cが形成される前の流路基板41aにフォトレジスト42を貼り付けて葛折り状にパターニングし、パターニング後のフォトレジスト42をマスクとしてエッチングすることによってマイクロ流路41cを形成してもよい。
開口部43を形成したら、マイクロ流路41cの内壁面及び開口部43の内壁面を含むフォトレジスト42の表面に、触媒前駆体を溶媒中に分散させた分散液を塗布して、触媒前駆体層44(図9(d)参照)を形成する。溶媒中に分散させる触媒前駆体は、上記乾燥・焼成工程の処理に供される前の触媒前駆体であって、詳しくは上記濾過・洗浄工程において最後の濾過の処理で形成された沈殿物である。
触媒前駆体層44を形成したら、フォトレジスト42とその面上に形成された不要の触媒前駆体層44とを、機械的力により流路基板41aから引き剥がして除去し、マイクロ流路41cの内壁面にのみ触媒前駆体層44を残存させる(図9(e)参照)。ただし、フォトレジスト42を除去する場合に、流路基板41aの表面上にレジスト残渣(スカム)が僅かに残存したときには、当該レジスト残渣を酸素プラズマアッシングにより除去するのがよい。
フォトレジスト42を除去したら、流路基板41aの他方の面上(マイクロ流路41cが形成されていない面上)に葛折り状の金属酸化物等からなる電気発熱抵抗体であるヒータ41dを成膜し、ヒータ41dに加熱するための配線を接続する(図9(f)参照)。ヒータ41dを成膜したら、流路基板41aの一方の面上に蓋基板41aを重ね合わせ、300〜800℃程度の高温環境下において流路基板41a側が陽極で蓋基板41b側が陰極となるように1kV程度の電圧を印加し、蓋基板41bと流路基板41aとを陽極接合する(図9(g)参照)。ヒータ41dは、マイクロ流路41cを流れる流体を加熱するものであるのでマイクロ流路41cと平面的に見て重なるように配置させてもよい。またヒータは、マイクロ流路41cが形成される前の段階で流路基板41aに形成されていてもよい。
蓋基板41bと流路基板41aとを陽極接合したら、ヒータ41dを作動させて流路基板41aを加熱し、マイクロ流路41cの内壁面に残存した触媒前駆体層44を乾燥・焼成する。この乾燥・焼成工程は、ヒータ41dでの加熱の代わりに、陽極接合された蓋基板41b及び流路基板41aを加熱炉内に入れて加熱することによってなされてもよい。触媒前駆体層44を乾燥・焼成したら、マイクロ流路41cの一端部41hと他端部41iにそれぞれ配管をそれぞれ接続し、ヒータ41dの再度の作動により流路基板41aを加熱した状態で一方の管から他方の管に向けてマイクロ流路41c中で水素(水素を含む混合気体でもよい。)を流通させ、触媒前駆体層44について水素還元処理をおこなう。
以上の工程を経ることで、触媒前駆体層44が触媒41eからなる層に化学変化し、触媒41eを改質器4のマイクロ流路41cに充填することができる。
[第二の充填方法]
始めに、サンドブラスト等で削ることにより葛折り状のマイクロ流路41cが予め形成された流路基板41aと蓋基板41bとを互いに重ね合わせ、300〜800℃程度の高温環境下において流路基板41a側が陽極で蓋基板41b側が陰極となるように1kV程度の電圧を印加し、蓋基板41bと流路基板41aとを陽極接合する(図10(a)参照)。蓋基板41bと流路基板41aとを陽極接合したら、流路基板41aの面上(マイクロ流路41cが形成されていない面上)に金属酸化物等からなる電気発熱抵抗体である葛折り状のヒータ41dを成膜し、ヒータ41dには加熱するための配線を接続する(図10(b)参照)。ヒータ41dは、マイクロ流路41cを流れる流体を加熱するものであるのでマイクロ流路41cと平面的に見て重なるように配置させてもよい。またヒータは、マイクロ流路41cが形成される前の段階で流路基板41aに形成されていてもよい。
ヒータ41dを成膜したら、マイクロ流路41cの一端部41hと他端部41iとに管をそれぞれ接続し、触媒前駆体を溶媒中に分散させた分散液45を一方の管から他方の管に向けて注入し、マイクロ流路41cの内部を分散液45で満たす(図10(c)参照)。分散液45中の触媒前駆体は、上記乾燥・焼成工程の処理に供される前の触媒前駆体であって、詳しくは上記濾過・洗浄工程において最後の濾過の処理で形成された沈殿物である。
なお、分散液45には、触媒前駆体の溶媒中の分散性を高める分散剤や、触媒前駆体の溶媒中での沈降や凝集を防止する増粘剤などを添加するのがよい。また分散液45を注入する場合には、マイクロ流路41cの内部を均一かつ迅速に分散液45で満たすために、マイクロ流路41cに接続した2本の管のうち、一方の管からマイクロ流路41cの内部に圧を加えたり、マイクロ流路41cの内部の気体を吸引したりしてもよい。
マイクロ流路41cの内部を分散液45で満たしたら、ヒータ41dを作動させて流路基板41aを加熱し、分散液45を乾燥させ、マイクロ流路41cの内壁面に沿う触媒前駆体層46を形成する(図10(d)参照)。
触媒前駆体層46を形成したら、上記第1の充填方法と同様に、ヒータ41dの再度の作動により流路基板41aを加熱して触媒前駆体層46を焼成し、ヒータ41dの作動により流路基板41aを加熱した状態で一方の管から他方の管に向けてマイクロ流路41c中で水素(水素を含む混合気体でもよい。)を流通させ、触媒前駆体層46について水素還元処理をおこなう。この焼成工程は、ヒータ41dでの加熱の代わりに、陽極接合された蓋基板41b及び流路基板41aを加熱炉内に入れて加熱することによってなされてもよい。
以上の工程を経ることで、触媒前駆体層46が触媒41eからなる層に化学変化し、触媒41eを改質器4のマイクロ流路41cに充填することができる。
また、気化器3は図示しないが、改質器4と同様に流路基板と蓋基板とを接合した構造を有し、流路基板と蓋基板との接合部にマイクロ流路が設けられており、蓋基板の接合面とは反対側の面に薄膜ヒータが成膜されている。
一酸化炭素除去器5も図示しないが、改質器4と同様に流路基板と蓋基板とを接合した構造を有し、流路基板と蓋基板との接合部にマイクロ流路が設けられており、蓋基板の接合面とは反対側の面に薄膜ヒータが成膜されている。マイクロ流路の壁面には、触媒が形成されており、触媒は一酸化炭素を選択的に酸化する触媒が使用されている。
次に、発電装置1の動作について説明する。
気化器3、改質器4及び一酸化炭素除去器5のそれぞれの薄膜ヒータ31dが電気により発熱し、気化器3、改質器4及び一酸化炭素除去器5がそれぞれ所定の温度になるように加熱される。この状態で、ポンプが作動すると、燃料容器2に貯留された混合液(メタノール、水、過酸化水素水)が気化器3のマイクロ流路に供給される。混合液が気化器3のマイクロ流路を流動している時に、混合液が気化して混合気が生成される。気化されて高圧になったその混合気が相対的に低圧の改質器4のマイクロ流路41cに供給され、マイクロ流路41cにおいて混合気が流動して、混合気が触媒41eに接触する。これにより、メタノールと水が触媒41eの作用を受けて、化学反応式(1)のような水蒸気改質反応が起こる。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(1)
また、マイクロ流路41cにおいて、混合気中の過酸化水素が分解して、酸素が生成される。そして、メタノールと酸素が反応して、化学反応式式(2)のような発熱酸化反応が起こる。
CH3OH+1/2O2→2H2+CO2 …(2)
マイクロ流路41cにおいて、メタノールの発熱酸化反応と水蒸気改質反応とが併発することによって、発熱酸化反応の反応熱が水蒸気改質反応に用いられ、薄膜ヒータ41dの発熱エネルギーを低減することができる。また、改質器4に過酸化水素が高濃度の酸素を供給するので、酸素源として外部から取り込んだ空気を供給しないので、改質器4で生成された生成物中に空気中の8割を占める窒素ガスが含まれず、改質ガス中の水素ガスの含有率の低下を防止することができる。
改質器4で生成された生成ガスが一酸化炭素除去器5のマイクロ流路に供給され、更に空気が一酸化炭素除去器5のマイクロ流路に供給される。そして、このマイクロ流路においては、一酸化炭素が一酸化炭素除去器5のマイクロ流路に形成された触媒の作用を受けて特異的に酸化する。そして、生成ガスがそのマイクロ流路から燃料電池6の燃料極に供給され、空気が燃料電池6の空気極に供給される。燃料極においては、電気化学反応式(3)に示すように、生成ガス中の水素が燃料極の触媒微粒子の作用を受けて水素イオンと電子とに分離する。水素イオンは固体高分子電解質膜を通じて酸素極に伝導し、電子は燃料極により取り出される。
2→2H++2e- … (3)
酸素極においては、電気化学反応式(4)に示すように、空気中の酸素と、固体高分子電解質膜を通過した水素イオンと、燃料極により取り出された電子とが反応して水が生成される。
2H++1/2O2+2e-→H2O … (4)
上述のようにFe、Zr又はCeの酸化物を含むCu/ZnO系触媒とすることによって、触媒の劣化速度を小さくでき、触媒の耐久性向上とともに触媒活性の低下を抑制することができる。
そして、このような触媒を改質器4に使用することによって、水素を含む炭素化合物と、水と、酸化剤とを混合した混合液から改質器4においてオートサーマル改質反応での発熱酸化反応が起こり、水素及び反応熱を生成する。さらには、水素を含む炭素化合物と水とが触媒並びに反応熱の作用を受けて、水蒸気改質反応が起こる。このように発熱酸化反応と吸熱反応である水蒸気改質反応とが併発することにより、発熱酸化反応の反応熱が水蒸気改質反応に用いられ、反応系に供給する熱エネルギーを低減することができる。すなわち、改質器4又は気化器3に外部から空気を供給する機構がなくとも、オートサーマル改質反応が起こるため、改質器4の薄膜ヒータ41dによって供給する熱エネルギーを低減することができ、熱効率を高めることができる。発熱酸化反応は、水蒸気改質反応より反応速度が早いために、導入孔41f側のマイクロ流路41cで反応が終結してしまい、改質器4の導入孔41f側が高温であるのに対して排出孔41gが低温になりやすくなるが、薄膜ヒータ41dが全体にわたって加熱するので改質器4全体が均等な温度分布となり、水蒸気改質反応及び発熱酸化反応に偏りを生じることを抑える。
さらに、改質器4又は気化器3に、外部から取り込んだ酸素又は空気を供給する機構がないので、発電装置1の簡略化を図ることができる。
特に、酸化剤として過酸化水素を使用するので、過酸化水素は単位体積あたりの酸素供給量が多く、また酸素以外の副生成物が水だけなので、副生成物が発電や改質での反応を著しく阻害することがない。また過酸化水素水とすることでアルコール又は炭化水素と均一に混合でき、反応しやすくなる。
なお、上記発電装置1において、燃料容器2にメタノールと水と酸化剤との混合液を貯留させていたが混合液中に酸化剤を混入させなくとも、改質器4又は気化器3に、外部から取り込んだ酸素又は空気を供給する機構、例えば装置外にポンプ等を設けて、空気中の酸素により改質器4において発熱酸化反応を起こすように構成しても構わない。
また、燃料容器2に貯留される混合液がメタノールと水と過酸化水素との混合液であるが、水素を含む他の炭素化合物と水と過酸化水素との混合液が燃料容器2に貯留されても良い。また酸化剤として、過酸化水素以外の酸化剤でもよいが、分解されて生じる酸素以外の副生成物が、改質器4や燃料電池6等において不活性であり、これらで引き起こされる改質反応や電気化学反応を著しく阻害しないことが望ましい。
また、気化器3、改質器4及び一酸化炭素除去器5のそれぞれに薄膜ヒータ41dを形成しているが、最も高温で反応する改質器4のみに薄膜ヒータ41dを設け、気化器3及び一酸化炭素除去器5にはそれぞれ薄膜ヒータを設けずに改質器4からの熱を伝搬によって反応を引き起こすようにしてもよく、改質器4及びその次に混温反応を引き起こす一酸化炭素除去器5にそれぞれ薄膜ヒータを形成してもよい。
さらに、薄膜ヒータの代替として上述した炭化水素やアルコール、エーテルといった水素を含む炭素化合物を燃焼する化学反応炉を設けてもよい。
実施例1では、Fe、Zr又はCeをそれぞれ添加した際のCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/Fe/Al化合物:本発明例1−1、Cu/ZnO/ZrO/Al化合物:本発明例1−2、Cu/ZnO/CeO/Al化合物:本発明例1−3)と、Fe、Zr又はCeのいずれも添加しない場合のCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/Al化合物:比較例1)とを製造し、各触媒の触媒活性が半分になる時間を測定した。
以下、その手順について説明する。
[本発明例1−1]
まず、アルミニウム酸化物の懸濁液に滴下するための触媒材料として、硝酸銅・亜鉛水溶液及び硝酸鉄水溶液と、炭酸ナトリウム水溶液とを、触媒となる成分の金属のうちの添加成分Feの添加されているモル分率がFe/(Cu+Zn+Al+Fe)=0.09、つまり全体の9%となるように調整した(調整工程)。
調整工程後、硝酸銅・硝酸亜鉛水溶液と、硝酸鉄水溶液と、炭酸水素ナトリウム水溶液とを、同時に攪拌中のアルミニウム酸化物の懸濁液にそれぞれ滴下し、滴下中のその混合溶液から沈殿物を形成した(沈殿工程)。
沈殿工程後、沈殿物を含む混合液を1時間攪拌し続け、その後12時間静置した。12時間経過したら、その混合液を濾過し、濾過後に残った沈殿物を蒸留水中で20分間攪拌しながら洗浄した。そして、この濾過・洗浄工程を繰り返し行った。洗浄を終えたら、沈殿物を含む蒸留水を再度濾過して沈殿物を得た(濾過・洗浄工程)。
濾過・洗浄工程後、最後の濾過後に残った沈殿物を100℃で12時間乾燥させ、乾燥後の沈殿物を空気気流中で360℃で1時間焼成した(乾燥・焼成工程)。乾燥・焼成工程後、ペレット状に圧縮成型された触媒前駆体(Cu/ZnO/Fe/Al化合物)を得た。
その後、触媒前駆体を粉砕してふるいにかけ、0.5〜1mmの大きさの顆粒状の触媒前駆体を選択した。顆粒状の触媒前駆体の0.25mlを内径8mmの管型反応器に充填し、その管型反応器中の触媒前駆体を300℃で加熱しながら水素気流中に1時間晒して水素還元処理をおこない(還元工程)、触媒前駆体からCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/Fe/Al化合物)を生成した。
そして、還元工程で生成されたCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/Fe/Al化合物)が充填された管型反応器を300℃に保持しながら、その管型反応器にGHSV(Gas Hourly Space Velocity:ガス空間速度)=150,000hr−1の速度で、メタノールと水とのモル比が1:2となる水とメタノールとの混合液を流通させ、メタノールと酸素とのモル比が1:0.14となるような流量の空気を混合して管型反応器に流通した。そして、触媒活性の時間変化を測定した結果を表1に示した。
[本発明例1−2]
本発明例1−1において、硝酸鉄水溶液に代えて硝酸ジルコニウム水溶液を使用して、本発明例1と同様の方法でCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/ZrO/Al化合物)を製造した。その後、触媒活性の時間変化を測定し、その結果を表1に示した。
[本発明例1−3]
本発明例1−1において、硝酸鉄水溶液に代えて硝酸セリウム水溶液を使用して、本発明例1と同様の方法でCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/CeO/Al化合物)を製造した。その後、触媒活性の時間変化を測定し、その結果を表1に示した。
[比較例1]
本発明例1−1において、硝酸鉄水溶液、硝酸ジルコニウム水溶液又は硝酸セリウム水溶液のいずれも添加せず、硝酸銅・亜鉛水溶液と炭酸ナトリウム水溶液とからFe、Zr、Ceのいずれも添加しない触媒(Cu/ZnO/Al触媒)を製造し、触媒活性の時間変化を測定し、その結果を表1に示した。
また、本発明例1−1〜1−3及び比較例1において、メタノール転化工程後のメタノール転化率(%)を測定し、その結果を図11に示した。
Figure 2007075728
表1及び図11の測定結果から明らかなように、Fe、Zr又はCeを添加した触媒(本発明例1−1〜1−3)は、添加しない触媒(比較例1)と比較して高い活性を示し、耐久性が向上した。特に、鉄を添加した触媒(本発明例1−1)に大幅な耐久性の向上が見られた。
次に、上述の結果から、特に効果が見られたFeを添加した場合において、触媒金属中のFeのモル分率(添加成分Feの添加比率Fe/(Cu+Zn+Al+Fe)=0、0.05、0.09、0.17)を変化させることにより触媒活性が半分になる時間をそれぞれ測定した。その結果を表2に示した。
Figure 2007075728
表2の測定結果から明らかなように、上記モル分率が0.09となる場合に最も効果的であることがわかる。また、モル分率が0.05〜0.17であれば、Feを添加しない場合に比べて2倍から3倍程度、触媒活性が半分になる時間が延び少量の添加でも効果が認められた。
実施例2では、上記本発明例1−1及び比較例1において、酸化剤として空気に含まれる酸素に代えて過酸化水素を使用した場合について触媒活性の時間変化を測定した。
[本発明例2−1]
上記本発明例1−1と同様にして調整工程、沈殿工程、濾過・洗浄工程、乾燥・焼成工程、還元工程を行い、触媒前駆体からCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/Fe/Al化合物)を生成した。
生成されたCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/Fe/Al化合物)が充填された管型反応器を280℃に保持しながら、その管型反応器にGHSV(Gas Hourly Space Velocity:ガス空間速度)=150,000hr−1の速度でメタノールと水と過酸化水素とのモル比が1:1.88:0.12となるような混合液を管型反応器に流通した。過酸化水素は30wt%の過酸化水素水を用いた。そして、触媒活性の時間変化を測定した結果を表3に示した。
[比較例2]
上記比較例1と同様にしてCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/Al化合物)を生成した。生成されたCu/ZnO系触媒(Cu/ZnO/Al化合物)について、本発明例2−1と同様に過酸化水素を使用した場合の触媒活性の時間変化を測定した。その結果を表3に示した。
Figure 2007075728
表3の測定結果から明らかなように、鉄を添加した触媒(本発明例2−1)は、添加しない触媒(比較例2)と比較して高い活性を示し、耐久性が向上した。また、オートサーマル方式での酸化剤として過酸化水素を使用してCu/ZnO/Fe/Al化合物の触媒で改質した場合では、280℃におけるメタノール転化率は88.7%であり、酸化剤として空気を使用してCu/ZnO/Fe/Al化合物の触媒で改質した場合では、280℃におけるメタノール転化率は82.6%であった。このように空気よりも過酸化水素を酸化剤として用いた方が効率的にメタノールを転化することができる。
改質器4を搭載した発電装置1のブロック図である。 改質器4の正面、側面及び平面を示す斜視図である。 図2におけるIII−III矢視断面図である。 流路基板41aの上面図である。 図4におけるV−V矢視断面図である。 流路基板41aの下面図である。 蓋基板41bの上面図である。 図7におけるVIII−VIII矢視断面図である。 触媒41eをマイクロ流路41cに充填する第一の充填方法を経時的に示した図面である。 触媒41eをマイクロ流路41cに充填する第二の充填方法を経時的に示した図面である。 実施例1においてメタノール転化工程後のメタノール転化率(%)を測定した結果である。
符号の説明
1 発電装置
4 改質器
5 一酸化炭素除去器
6 燃料電池
41a 流路基板
41b 蓋基板
41c マイクロ流路
41e Cu/ZnO系触媒

Claims (5)

  1. 水素原子を含む化合物を改質して水素を生成する触媒において、
    銅及び酸化亜鉛に加えて、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウムのうちから少なくとも1つを含むことを特徴とする触媒。
  2. 鉄、ジルコニウム又はセリウムの含有量は、触媒全体の金属に対するモル分率が0.05〜0.17であることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
  3. 水素原子を含む化合物を改質して水素を生成する改質器において、
    前記化合物が導入される内部空間を形成した本体と、
    前記本体の内部空間に配置され、銅及び酸化亜鉛に加えて、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウムのうちから少なくとも1つを含む触媒と、
    を備えることを特徴とする改質器。
  4. 前記本体は、基板の少なくとも片側の面に形成された溝と、前記溝を覆うことによって前記基板との間に前記内部空間である流路を形成する蓋と、を備え、
    前記流路内に前記触媒が担持されていることを特徴とする請求項3に記載の改質器。
  5. 前記内部空間には、水素原子を含む化合物、水並びに酸化剤が導入されて改質することを特徴とする請求項3又は4に記載の改質器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102327169B1 (ko) * 2021-07-01 2021-11-17 국방과학연구소 메탄올 수증기 개질 장치 및 그것을 포함하는 연료전지 시스템

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