JP2007075595A - インプラント医療機器用シート状被覆部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機高分子を主成分とする被覆部材は、繊維質材料、多孔質材料または凹凸に富む表面を有する材料からなる柔軟なシートが好ましく、シート状部材の厚さは5ミリメートル以下が好ましく、比表面積は1グラムあたり100平方センチメートル以上が好ましい。前記高分子材料の表面に、実質上十分なくらいまで親水性を付与する処理または、リン酸カルシウム系セラミックスもしくは生体由来高分子物質を含む組成物によるコーティングを施す処理、または前処理として親水化処理を施した後にリン酸カルシウム系セラミックスもしくは生体由来高分子物質を含む組成物によるコーティング処理を行う。
【選択図】 なし
Description
これらの高分子材料には、生体安全性を損なわない範囲内で、熱、光、酸化などに対する安定剤、架橋剤、架硫剤、染料、充填剤、補強剤、可塑剤、顔料などの添加物が加えられていてもよい。
以下の式
「SSA (cm2/g) = (Π×D×L) / (Π×(D/2)2 ×L×ρ) = 4/(D×ρ)
(式中、SSAは比表面積(cm2/g)、Πは円周率、Dは直径(cm)、Lは円柱の高さ(計算の途中で消去されるため仮想値でよい)、ρは材料の密度(g/cm3)を表す)」
により、約2000平方センチメートル/グラムと算出される。
チャンバー下部のグランド電極側が上部電極(カソード)に対して相対的に正電圧(アノード)となるように設定され、下部電極付近に配置された被処理物が、主としてラジカルのような電気的には中性である活性種で処理されるようにしたプラズマ処理装置(Model PD-10ND, SAMCO社製)を用い、基材(被処理物)として、適当な大きさに切断したポリエチレンテレフタレート繊維製の医療用ファブリック(ポリエステルファブリック;Style6110 DeBakey Double Velour Polyester Fabric, BARD社製;比表面積=約2050平方センチメートル/グラム(幾何学形状を円柱と仮定することにより、SEM画像法により得られた平均繊維径15ミクロンと材料の密度1.3 (g/cm3)を用いて、上述の比表面積を求める式により計算:SSA=4/(D×ρ)=4/(0.0015×1.3)=2051 cm2/g))を下部接地電極(アノード)上に広げて置き、電極間距離が55 mm、ガス流量が150 ml/minの酸素ガス気流下で、酸素分圧66.5Paにてプラズマ処理を行った。基盤温度は30 ℃、放電出力は150 Wに設定した。プラズマ処理は、ポリエステルファブリックの表面および裏面に対してそれぞれ5分づつ行った。前記処理により本発明の医療用シート状被覆部材を得た。走査型電子顕微鏡(SEM)(ERA-4000, エリオニクス社製)写真により生成した医療用シート状被覆部材の表面を観察した結果、表面処理による劣化は見られなかった(図1)。
適当な大きさに切断したポリエチレンテレフタレート繊維製の医療用ファブリック(ポリエステルファブリック;Style6110 DeBakey Double Velour Polyester Fabric, BARD社製;比表面積=約2050平方センチメートル/グラム(実施例1と同様に計算))を、50℃で3時間乾燥し、その後前記ポリエステルファブリックの乾燥重量を測定した。NaOH水溶液をプラスチックの反応容器に調製し、85〜90℃に設定した恒温槽に静置した。反応容器中の溶液の温度が80±5℃になったところで、前記ポリエステルファブリックを前記溶液中に浸漬させた。反応時間経過後、前記ポリエステルファブリックを蒸留水で3〜4回洗浄し、1.0 NのHClに30分間浸漬させた。ここで、反応に用いるNaOHの濃度は、1.0 Nのものを使用し、反応時間は30分で行った。さらに蒸留水で3〜4回洗浄した後、pH試験紙により洗浄液が中性になっていることを確認した。その後、50℃において一晩乾燥させた後に、前記ポリエステルファブリックの乾燥重量を測定し、減量率を測定した結果、約2%であった。前記処理により、本発明の医療用シート状被覆部材を得た。走査型電子顕微鏡(SEM)(ERA-4000, エリオニクス社製)により生成した医療用シート状被覆部材の表面を観察した結果、表面処理による劣化は見られなかった(図1)。
適当な大きさに切断したポリエチレンテレフタレート繊維製の医療用ファブリック(ポリエステルファブリック;Style6110 DeBakey Double Velour Polyester Fabric, BARD社製;比表面積=約2050平方センチメートル/グラム(実施例1と同様に計算))を重ならないように適当な網にのせ、さらにもう1枚の網をこれに載せることで、前記ポリエステルファブリックを2枚の網の間に挟み込んだ。4種類の溶液(A)~(D):
(A)500ミリリットルビーカーでCaCl2(和光純薬社製)3.329グラムを50ミリモル/リットルのTris-HCl (ROCKLAND社製)150ミリリットルで溶解し、200ミリモル/リットルに調製する;
(B)500ミリリットルビーカーに蒸留水200〜300ミリリットルを入れる(CaCl2洗浄用);
(C)500ミリリットルビーカーでNa2HPO4(和光純薬社製)2.555グラムを蒸留水150ミリリットルで溶解し、120ミリモル/リットルに調製する;
(D)500ミリリットルビーカーに蒸留水200〜300ミリリットルを入れる(Na2HPO4洗浄用);
を調製し、水を張り温度を37〜38℃に設定した恒温槽(THERMAL RABO TR-2A, AS ONE社製)中に静置した。ビーカー中の溶液の温度を温度計で測定し、温度が37℃になったところで、コーティング処理を開始した。コーティング処理は、網に挟んだポリエステルファブリックを前記溶液(A)、(B)、(C)、(D)にこの順序で60秒間ずつ浸漬させることによって行った。各溶液へ浸漬させる場合には、ポリエステルファブリック上に付着した溶液を十分に除去してから、次の溶液への浸漬を行った。コーティング処理は、(A)、(B)、(C)、(D)各溶液へのこの順番での浸漬を1サイクルとして、4サイクル行った。コーティング処理後、前記ポリエステルファブリックを乾燥機(Hot Air Sterilizer HE-102, サクラ精機社製)に入れ、50〜60℃で乾燥させた。その後、前記ポリエステルファブリックを蒸留水に浸して超音波洗浄(1分×3回程度)を行い、再度、乾燥機に入れて50〜60℃で乾燥させた。前記処理により、本発明の医療用シート状被覆部材を得た。走査型電子顕微鏡(SEM)(ERA-4000, エリオニクス社製)およびエネルギー分散型蛍光X線分析機能付き走査型電子顕微鏡(EDX-SEM)(Type N, 日立サイエンスシステムズ社製)により生成した医療用シート状被覆部材の表面を観察した結果、多くの細かいハイドロキシアパタイト粒子からなる薄くてかつ均一なコーティングおよびカルシウム、リンの均一な分布が確認された(図2および3)。また、波長分散型蛍光X線分析装置(PW2400, フィリップス社製)を用いた測定の結果、カルシウムは約0.99重量%、リンは約0.50重量%であった。これらの結果から各原子量比を用いてハイドロキシアパタイトのコーティング厚さに換算したところ、約0.006ミクロンであった。また、X線回折装置(2035, 理学電機社製)を用いた測定により(X線回折測定には、検出感度を高めるため、6または50サイクルの浸漬サイクルを施した被覆部材を使用した)、医療用シート状被覆部材表面のコーティング層は、2θ値が32度のところに特徴的なピークを有するハイドロキシアパタイト層であることが確認された(図4)。
適当な大きさに切断したポリエチレンテレフタレート繊維製の医療用ファブリック(ポリエステルファブリック;Style6110 DeBakey Double Velour Polyester Fabric, BARD社製;比表面積=約2050平方センチメートル/グラム(実施例1と同様に計算))を、50℃で3時間乾燥し、その後前記ポリエステルファブリックの乾燥重量を測定した。前記ポリエステルファブリックを適当な容器に並べ、以下の溶液:
(A)キトサン水溶液−脱アセチル化度が94.6%のキトサン(UltrasanCH01, Biosyntech社製)を蒸留水に懸濁して乳酸(溶液中の酸濃度;0.5%)を加え、完全に溶解するまでよく攪拌する;
(B)0.1 N NaOH水溶液−NaOH 0.2 gを蒸留水50 mlで溶解し、0.1 Nに調整する;
を調製した。キトサン水溶液の濃度は、0.2%キトサン水溶液となるように調製した。コーティング処理は、キトサン水溶液をポリエステルファブリックに染み込ませる(十分浸る程度まで)ことにより行った。さらに前記ポリエステルファブリックを乾燥機中(Hot Air Sterilizer HE-102, サクラ精機社製)で乾燥させた後、キトサンの不溶化および中和等を目的とする中和固定処理として、0.1 N NaOH水溶液に浸漬させた。NaOHを除去した後、蒸留水で前記ポリエステルファブリックの洗浄を繰り返し、pH試験紙により洗浄液が中性になっていることを確認した。その後、50℃において一晩乾燥させた後に、前記ポリエステルファブリックの乾燥重量を測定した。前記処理により、本発明の医療用シート状被覆部材を得た。なお、前記処理前後におけるポリエステルファブリックの乾燥重量の変化によりコーティング量を算出したところ、1.24%であった。これを厚さに換算したところ、約0.04ミクロンであった。走査型電子顕微鏡(SEM)(ERA-4000, エリオニクス社製)により生成した医療用シート状被覆部材の表面を観察した結果、薄くてかつ均一なコーティングが確認された(図5)。
適当な大きさに切断したポリエチレンテレフタレート繊維製の医療用ファブリック(ポリエステルファブリック;Style6110 DeBakey Double Velour Polyester Fabric, BARD社製;比表面積=約2050平方センチメートル/グラム(実施例1と同様に計算))に、実施例1記載の酸素プラズマ処理を施した後、さらに実施例3記載のハイドロキシアパタイトコーティング処理を施した。前記処理により、本発明の医療用シート状被覆部材を得た。実施例3と同様にして、生成した医療用シート状被覆部材の表面を観察した結果、多くの細かいハイドロキシアパタイト粒子からなる薄くてかつ均一なコーティングおよびカルシウム、リンの均一な分布が確認された(図2および3)。また、実施例3と同様にカルシウムおよびリンの定量分析を行った結果、カルシウムは約1.93重量%、リンは約1.09重量%であった。これらの結果から各原子量比を用いてハイドロキシアパタイトのコーティング厚さに換算したところ、約0.011ミクロンであった。
適当な大きさに切断したポリエチレンテレフタレート繊維製の医療用ファブリック(ポリエステルファブリック;Style6110 DeBakey Double Velour Polyester Fabric, BARD社製;比表面積=約2050平方センチメートル/グラム(実施例1と同様に計算))に、実施例1記載の酸素プラズマ処理を施した後、さらに実施例4記載のキトサンコーティング処理を施した。前記処理により、本発明の医療用シート状被覆部材を得た。なお、前記処理前後におけるポリエステルファブリックの乾燥重量の変化によりコーティング量増加量を算出したところ、1.33%であった。これを厚さに換算したところ、約0.05ミクロンであった。走査型電子顕微鏡(SEM)(ERA-4000, エリオニクス社製)により生成した医療用シート状被覆部材の表面を観察した結果、薄くてかつ均一なコーティングが確認された(図5)。
適当な大きさに切断したポリエチレンテレフタレート繊維製の医療用ファブリック(ポリエステルファブリック;Style6110 DeBakey Double Velour Polyester Fabric, BARD社製;比表面積=約2050平方センチメートル/グラム(実施例1と同様に計算))に、実施例2記載のアルカリ減量処理を施した後、さらに実施例3記載のハイドロキシアパタイトコーティング処理を施した。前記処理により、本発明の医療用シート状被覆部材を得た。実施例3と同様にして、生成した医療用シート状被覆部材の表面を観察した結果、多くの細かいハイドロキシアパタイト粒子からなる薄くてかつ均一なコーティングおよびカルシウム、リンの均一な分布が確認された(図2および3)。また、実施例3と同様にカルシウムおよびリンの定量分析を行った結果、カルシウムは約1.82重量%、リンは約1.13重量%であった。これらの結果から各原子量比を用いてハイドロキシアパタイトのコーティング厚さに換算したところ、約0.011ミクロンであった。
適当な大きさに切断したポリエチレンテレフタレート繊維製の医療用ファブリック(ポリエステルファブリック;Style6110 DeBakey Double Velour Polyester Fabric, BARD社製;比表面積=約2050平方センチメートル/グラム(実施例1と同様に計算))に、実施例2記載のアルカリ減量処理を施した後、さらに実施例4記載のキトサンコーティング処理を施した。なお、前記処理前後におけるポリエステルファブリックの乾燥重量の変化によりコーティング量を算出したところ、1.29%であった。これを厚さに換算したところ、約0.04ミクロンであった。前記処理により、本発明の医療用シート状被覆部材を得た。走査型電子顕微鏡(SEM)(ERA-4000, エリオニクス社製)により生成した医療用シート状被覆部分の表面を観察した結果、薄くてかつ均一なコーティングが確認された(図5)。
実施例1〜8で用いた、適当な大きさに切断したポリエチレンテレフタレート繊維製の医療用ファブリック(ポリエステルファブリック;Style6110 DeBakey Double Velour Polyester Fabric, BARD社製;比表面積=約2050平方センチメートル/グラム(実施例1と同様に計算))を未処理のまま、実施例と同じ評価を行った。
実施例1〜8および比較例1で得られた医療用シート状被覆部材につき、in vitroにおける細胞接着・増殖性試験を行った。細胞接着・増殖性試験には、テトラカラーワン(800560;Cell Proliferation Assay System, 生化学工業社製)を使用した。方法は、テトラカラーワンの添付書類の記載に従った。細胞はヒト胎児由来線維芽細胞(Human Embryo Fibroblast;HE-49)を使用し、培地はDMEM培地〔Dulbecco's Modified Eagle's Medium(GIBCO社製)、100mg/ml Streptomycin(生化学用,和光純薬社製)、100units/ml penicillin(生化学用,和光純薬), 1.4g/l NaHCO3(特級,和光純薬社製): pH7.2〕に10% 牛胎児血清(Fetal Bovine Serum;FBS)を添加して用いた。培養は5%CO2存在下、37℃で行った(CO2 INCUBATOR IT-63, YAMATO SCIENTIFIC社製)。96well MICROPLATE (NUNC社製)の底に前記医療用シート状被覆部材を敷き、DMEM培地を約0.1ml染み込ませた。これに、DMEM培地を用いて約1.0〜1.5×104cells/0.1mlの濃度に調整したHE-49懸濁液を0.1mlずつ播種した。培養1日目に、夫々のシート状被覆部材を静かに取り出し、培地を満たした24well MICROPLATE (NUNC社製)に移し、さらに培養3日目に、培地交換を行った。
実施例1及び実施例6で得られた本発明による医療用シート状被覆部材を、未処理の基材と比較できるように比較例1を加えて、約1cm×5cmの短冊状に切断し、子牛(ジャージー牛、オス、体重67.0kg、供給業者Fischer)二頭の背部皮下に埋植し、1、2、4週間を経た後周辺組織とともに取り出して、10%ホルマリンで固定した後、パラフィン包埋して、ミクロトームで切片を作製した。この切片を、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色し、組織学的な顕微鏡観察を行った。動物への埋植と組織観察は、米国機関〔McGowan Institute For Regenerative Medicine, University of Pittsburgh 、NAMSA(North American Science Associates ,Inc.)〕の協力を得て行った。夫々のシート状被覆部材の癒着の状態を周辺組織の再生(ファブリック内部への組織や細胞の入り込み及びその密度)、炎症性細胞の遊走(ファブリック内部へのマクロファージやリンパ球等の炎症性細胞の入り込み)、ファブリックと組織との癒着性(ファブリックと組織の界面の密着性)によって評価した(表1)。これらを総合的に評価した結果、未処理の基材と比較して、実施例1及び実施例6で得られた本発明による医療用シート状被覆部材は、組織癒着性に優れていた。
実施例1〜8および比較例1で得られた医療用シート状被覆部材を約1 cm×2 cmに切断したものをサンプルとし、該サンプルの下端から上端まで水が浸透する時間を測定した。結果、比較例1は、水が全く浸透せず撥水性を示したのに対し、実施例1〜8は、水が浸透し親水性を示した(表2)。
実施例1、5および6および比較例1で得られた医療用シート状被覆部材につき、抗菌性試験を行った。試験方法は、JIS L1902「繊維製品の定量的抗菌性試験法」を参照して行った。まず、試験菌(黄色ブドウ球菌)を実施例1、5および6および比較例1で得られた医療用シート状被覆部材に接種し、18時間した後、次式によって、増殖値(F)及び静菌活性値(S)、殺菌活性値(L)を求め、抗菌性を評価した。
静菌活性値(S)=Log II−Log III〜V
殺菌活性値(L) =Log I−Log III〜V
(I:比較例1の接種直後の生菌数、II:比較例1の18時間培養後の生菌数、III〜V:実施例1、5、6の18時間培養後の生菌数)
増殖値(F)は、F>1.5であるとき試験成立とする。静菌活性値(S)は、菌の増殖を阻害する効果を示す値であり、S>2.2で静菌活性があると判定する。また、殺菌活性値(L)は、菌を殺す効果を示す値であり、L>0で殺菌活性があると判定する。静菌及び殺菌活性があるものを抗菌性があると評価する。結果、実施例1で得られた医療用シート状被覆部材には抗菌性がなかったのに対し、実施例5および6で得られた医療用シート状被覆部材には抗菌性があった(表3)。
Claims (18)
- 生体内および/または皮膚貫通部に装着される医療機器の表面を覆って、体外から体内に細菌または異物が侵入するのを防止するための、および/または生体内部において生体組織との界面における感染の拡大を防止するための医療用シート状被覆部材であって、この被覆部材が、5ミリメートル以下の厚さを有し、かつ、繊維質材料、多孔質材料または凹凸に富む表面を有する材料からなり1グラムあたり100平方センチメートル以上の比表面積をもつ柔軟なシート状部材の表面に、親水性を付与するための表面処理、ハイドロキシアパタイト含有リン酸カルシウム系セラミックスもしくは水中で正の電荷を帯びる生体由来高分子物質を含む材料によるコーティング処理、または前記表面処理と前記コーティング処理の両方が施されていることを特徴とする、前記医療用シート状被覆部材。
- 前記シート状部材が、合成繊維で作られた織物、編物または不織布である、請求項1記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記織物、編物または不織布が、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維またはフッ素樹脂繊維で作られている、請求項2記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記シート状部材が、ポリオレフィンまたはフッ素樹脂からなる多孔質シート部材である、請求項1記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記ハイドロキシアパタイト含有リン酸カルシウム系セラミックスによるコーティング処理または前記生体由来高分子物質を含む材料によるコーティング処理が施される前に、前記親水性を付与するための表面処理が前記シート部材に施される、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記コーティング処理、または前記表面処理と前記コーティング処理の両方が施されていることにより、抗菌性を有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記表面処理が、酸素ガス、アルゴンガスまたはアンモニアガスを含む雰囲気で遂行されること、および、実質上電荷を持たない活性種の拡散を主体とする変性処理機構を主として作用させるように構成されたプラズマ処理装置を用いることを特徴とするプラズマ処理である、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記酸素ガスを含む雰囲気で遂行されるプラズマ処理が、5ないし500 Paの酸素ガス圧力雰囲気下に2ないし20分の時間で行われる、請求項7に記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記表面処理が、アルカリ減量処理である、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記表面処理が、オゾン存在下の紫外線照射処理またはコロナ放電処理である、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記ハイドロキシアパタイト含有リン酸カルシウム系セラミックスによるコーティング処理で形成されるコーティング被膜の平均膜厚が0.001〜0.5ミクロンである、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記ハイドロキシアパタイト含有リン酸カルシウム系セラミックスによるコーティング処理が、溶液浸漬法、懸濁液浸漬法または溶液交互浸漬法によって行われる、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記溶液交互浸漬法によってハイドロキシアパタイト含有リン酸カルシウム系セラミックスを形成させるために、カルシウムイオン濃度が100〜300ミリモル/リットルであるカルシウム溶液、およびリン酸イオン濃度が100〜150ミリモル/リットルであるリン酸溶液がそれぞれ用いられる、請求項12に記載の医療用シート状被覆部材。
- 懸濁液浸漬法による前記ハイドロキシアパタイト含有リン酸カルシウム系セラミックスのコーティング処理が、1ミクロン以下の平均粒径を有するハイドロキシアパタイト焼成体の懸濁液を用いて行われる、請求項12記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記生体由来高分子物質を含む材料によるコーティング処理で形成されるコーティング被膜の膜厚が平均0.002〜1.0ミクロンである、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 生体由来高分子物質を含む材料によるコーティング処理が、溶液浸漬法によって行われる、請求項1ないし10および15のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記生体由来高分子物質が、20%以下のアセチル基含有率になるまで脱アセチル化処理を受けているキトサンである、請求項1ないし10および15または16のいずれか1つに記載の医療用シート状被覆部材。
- 前記キトサンを含む水溶液のpHが2.0〜6.5である、請求項17に記載の医療用シート状被覆部材。
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